説明

テンションセンサ

【課題】
季節毎に伸縮するワイヤなどの警戒線のテンションの変化を吸収し、長期間にわたり保守作業を不要とするようなテンションセンサを提供する。
【解決手段】
センサケース10と、このセンサケース10に収容され、警戒線が張られた場合を異常状態として検出し、また、検出線がたるんだ場合を弛み状態として検出する警戒線状態検出部20と、センサケース10に収容され、警戒線の取り付け位置を春秋期、夏期または冬期に最適な張力で張り渡すように調整する取付位置調整部30と、を備えるテンションセンサとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外に張り渡される警戒線の張力(テンション)についての検出を行うテンションセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
テンションセンサの従来技術として例えば特許文献1(特許第2589444号公報,発明の名称「フェンス外周警戒装置」)が知られている。この従来技術について図を参照しつつ説明する。図10は従来技術のテンションセンサの説明図である。テンションセンサ100は、センサケース101、センサワイヤ102、動作線103、識別線104、取付具105、スプリング106、マグネット107、取付具108、スプリング109、入力用端子台110、出力用端子台111、子局112、リードスイッチ113を備えている。
【0003】
センサケース101は円筒状のケースである。センサワイヤ102は内部に動作線103と2芯の識別線104を有する。取付具105は、動作線103の端部に取り付ける部材である。スプリング106は動作線103にテンションを与えるためにセンサケース101の内壁と取付具105との間に設けられる。
【0004】
マグネット107は取付具105に固定される。取付具108は他方のセンサワイヤ102の動作線103の端部に取り付ける。スプリング109は動作線103にテンションを与える。入力用端子台110は一方のセンサワイヤ102の識別線104の端部を接続する。出力用端子台111は他方のセンサワイヤ102の識別線104の端部を接続する。子局112はマグネット107に近接してセンサケース101に取り付けられたリードスイッチ113のオンオフ信号により識別信号を出力する。
【0005】
リードスイッチ113は、常時はスプリング106の弾性力によりマグネット107に近接しており、接点は閉じているが、動作線103が引っ張られると取付具105に取り付けられているマグネット107がリードスイッチ113より遠ざかるので、リードスイッチ113の接点は開放する。この信号を、子局112により検知して信号として送出する。
従来技術のテンションセンサ100はこのようなものであった。
【0006】
【特許文献1】特許第2589444号公報(段落番号[0009])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術のテンションセンサ100では、センサワイヤ102が長尺であることから、各種の問題が生じていた。そのうちの一つとして、季節変化や経年変化によりセンサワイヤ102が伸縮するという問題があった。この伸縮によりセンサワイヤ102に係る張力が変化し、テンションセンサ100が誤検出するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、季節毎に伸縮するワイヤなどの警戒線のテンションの変化を吸収し、長期間にわたり保守作業を不要とするようなテンションセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係るテンションセンサは、
センサケースと、
センサケースに収容され、警戒線が張られた場合を異常状態として検出し、また、検出線がたるんだ場合を弛み状態として検出する警戒線状態検出部と、
センサケースに収容され、警戒線の取り付け位置を春秋期、夏期または冬期に最適な張力で張り渡すように調整する取付位置調整部と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に係るテンションセンサは、
請求項1に記載のテンションセンサにおいて、
前記警戒線状態検出部は、
警戒線と結ばれる接続リング部と、
接続リング部と連結され、一方向に移動自在となるようにセンサケースに支持されるシャフト部と、
シャフト部に連結される部材であって、凹部を挟んで異常用接触部および弛み接触部が形成された移動子と、
接続リング部をセンサケース側へ移動するように付勢する付勢部と、
凹部内に入る、または、異常用接触部若しくは弛み接触部と接触する、検出子を有する検出部と、
を備え、
監視状態では移動子の凹部内に検出子が入って通常状態を検出し、警戒線が張られた場合に移動子が外側へ移動して移動子の異常用接触部と検出子とが接触して異常状態を検出し、また、検出線が弛んだ場合に移動子が内側へ移動して移動子の弛み接触部と検出子とが接触して弛み状態を検出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に係るテンションセンサは、
請求項1または請求項2に記載のテンションセンサにおいて、
前記取付位置調整部は、
警戒線と結ばれる接続リング部と、
接続リング部と連結されるシャフト部と、
シャフト部に連結される止め部と、
シャフト部を移動自在に支持するともに、センサケースに対して移動するようになされた位置調整部と、
止め部と位置調整部との間に配置され、接続リング部をセンサケース側へ移動するように付勢する付勢部と、
位置調整部を所定位置に固定する固定部と、
を備え、位置調整部を移動したのちに固定部で固定して、警戒線の取り付け位置を春秋期、夏期または冬期に最適な張力で張り渡すように調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、季節毎に伸縮するワイヤなどの警戒線のテンションの変化を吸収し、長期間にわたり保守作業を不要とするようなテンションセンサを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のテンションセンサを実施するための最良の形態について図に基づき説明する。図1は本形態のテンションセンサ1の外観図、図2は同じく内部構造図である。このテンションセンサ1は、図1で示すように、センサケース10、警戒線状態検出部20、取付位置調整部30を備えている。
【0014】
図1で示すセンサケース10は、外観が略中空四角柱に形成され、内部構造は詳しくは図2で示すように、検出部収容部11、移動子収容部12、位置調整部収容部13、内壁部14、有底筒部15を備えている。センサケース10の内部は左右で二区分され、一方側では内壁部14により仕切られた検出部収容部11および移動子収容部12という上下段で略四角柱内部空間を設け、他方側には内周面に雌ねじ部がきられた円筒状凹部である有底筒部15と位置調整部35とによる位置調整部収容部13を設けている。センサケース10の材質は、全て樹脂成形品(例えば、ジュラコン)としたり、特に強度を必要とする場合金属製としても良い。
【0015】
警戒線状態検出部20は、接続リング部21、シャフト部22、移動子23、付勢部24、検出部25を備えている。このうち移動子23は、凹部23a、異常用接触部23b、弛み用接触部23cを備える。また、検出部25は検出子25aを備える。
【0016】
取付位置調整部30は、接続リング部31、シャフト部32、止め部33、付勢部34、位置調整部35、固定部36を備える。
【0017】
続いて各部について説明する。まずセンサケース10の各部について説明する。
検出部収容部11は、センサケース10内に形成された空間であって、検出部25が収納されている。
移動子収容部12は、センサケース10内に形成された空間であって、検出部収容部11に内壁部14を隔てて隣接する空間である。この移動子収容部12の中には、移動子23が摺動可能に配置されている。
位置調整部収容部13は、有底筒部15の内部と位置調整部35の内部とにより形成される空間である。有底筒部15の内周には雌ねじ部が形成されている。
【0018】
続いて、警戒線状態検出部20の各部について説明する。
接続リング部21は、後述するが警戒線40と結ばれる。
シャフト部22は、接続リング部21と連結され、一軸方向に移動自在となるようにセンサケース10の軸支部に支持される。シャフト部22の他端には移動子23が取付けられている。
移動子23は、△形の凹部23aを挟んで異常用接触部23bおよび弛み接触部23cが形成されている。
【0019】
付勢部24は、接続リング部21をセンサケース10側(図2の矢印A方向)へ移動するように付勢する。本形態ではスプリング体を想定して図示しているが、付勢部24としてはゴム等を適宜選択しても良い。
検出部25は、検出子25aを備え、この検出子25aの突出や没入に応じて検出信号を出力する。リング接続部21や、移動子収容部12内の移動子23は、警戒線40からの張力で外側へ引っ張る力と、付勢部24からのスプリング作用により内側へ引っ張る力と、に応じて左右方向にスライドする。そして、移動子23の異常用接触部23bにより検出子25aが没入すると検出信号を出力する。または、移動子23の弛み接触部23cにより検出子25aが没入しても検出信号を出力する。
【0020】
これら警戒線状態検出部20の材質は、全て樹脂成形品(例えば、ジュラコン)である。接続リング部21も樹脂成形品で可能である。また、特に強度を必要とする場合等、オール金属製でも可能である。
【0021】
続いて取付位置調整部30の各部について説明する。
接続リング部31は、後述するが警戒線40と結ばれる。
シャフト部32は接続リング部31と連結される。このシャフト部32は調整位置印32a,32b,32cが設けられている。これら調整印については後述する。
止め部33は、シャフト部32に連結される部材である。
【0022】
付勢部34は、止め部33と位置調整部35との間に配置され、止め部33およびシャフト部32を介して接続リング部31をセンサケース10側(図2の矢印B方向)へ移動するように付勢する。リング接続部31や、位置調整部収容部13内の止め部33は、警戒線40からの張力で外側へ引っ張る力と、付勢部34からのスプリング作用により内側へ引っ張る力に応じて左右方向にスライドする。
位置調整部35は、六角ボルトを含む円柱体として構成され、雄ねじ部およびボルト部に分けられる。位置調整部35の雄ねじ部が、センサケース10の有底筒部15内の雌ねじ部に螺挿されており、位置調整部35を回転させることでセンサケース10に対して移動するようになされている。また、位置調整部35のボルト部にシャフト部32を挿通して止め部33および接続リング部31を移動自在に支持する。
固定部36は、詳しくは六角ナットであって位置調整部35の雄ねじ部に螺挿されており、位置調整部35を所定位置に固定する。
【0023】
これら取付位置調整部30の材質は、全て樹脂成形品(例えば、ジュラコン)である。接続リング部31も樹脂成形品で可能である。また、特に強度を必要とする場合等、オール金属製でも可能である。
【0024】
警戒線40は、図3の接続状態図で示すようにワイヤー41と、被覆部42を備える。ワイヤー41は張力に耐えうる鋼線(例えば、ステンレス製の縒り線ワイヤ)であり、さらに検出部25と接続され、微弱な電流が流れて信号線としても機能する。このワイヤ41には、弾性を有する合成樹脂により被覆部42が形成されている。警戒線40の一部が輪になっており、接続リング部21,31の中に挿通されている。これにより検出部25に対してワイヤ41から力が加わらないように配慮されている。
【0025】
続いて、監視動作について図を参照しつつ説明する。図4は、本形態のテンションセンサの監視を説明する説明図であり、図4(a)は正常監視状態の説明図、図4(b)は引張検出状態の説明図、図4(c)は緩み検出状態の説明図である。図5は、移動子の位置を説明する説明図であり、図5(a)は正常監視状態の説明図、図5(b)は引張検出状態の説明図、図5(c)は緩み検出状態の説明図である。
【0026】
警戒線40を所定距離にわたり張り渡して警戒領域を形成する。この場合、テンションセンサ1を多数箇所に配置することで広域の警戒領域を形成することが可能となる。
通常の監視状態では図4(a),図5(a)で示すようになる。この場合、警戒線40の張力により、接続リング部21を介して移動子23が矢印C方向に引っ張られるとともに付勢部24から抗力を受けた状態で停止しており、検出子25aは、移動子23の凹部23a内で突出した状態で安定している。同様に警戒線40の張力により、図4(a)で示すように、接続リング部31を介して止め部33が矢印D方向に引っ張られるとともに付勢部34から抗力を受けた状態で停止している。
【0027】
侵入者等が警戒線40に接触して警戒線40に張力が加わった場合に、図4(b),図5(b)で示すように、移動子23が外側(矢印E方向)へ移動して移動子23の異常用接触部23bが接触すると検出子25aが没入して検出部25が異常状態を検出する。
同様に警戒線40の張力により、図4(b)で示すように、接続リング部31を介して止め部33が外側(矢印F方向)に引っ張られるとともに付勢部34から抗力を受けた状態で停止している。ここでの位置調整部35の機能は多少の遊び機能を持たせて、多少警戒線40が移動しても(例えばそよ風などで警戒線40が若干動いたとしても)付勢部24,34が変位により吸収して検出に至らせないようにする。
【0028】
一方、警戒線40が緩んだ場合に、図4(c),図5(c)で示すように、移動子23が内側(矢印G方向)へ移動して移動子23の弛み接触部23cが接触すると検出子25aが没入して、検出部25が弛み状態を検出する。
同様に警戒線40の緩みにより、接続リング部31を介して止め部が内側(矢印H方向)に引っ張られるとともに付勢部24から抗力を受けた状態で停止している。ここでの位置調整部35の機能は多少の遊び機能を持たせて、多少警戒線40が移動しても(例えば温度変化などで警戒線が若干動いたとしても)付勢部24,34が吸収して検出に至らせないようにする。
【0029】
続いて位置調整部による位置調整について図を参照しつつ説明する。図6は、季節毎の調整位置の比較図であり、図6(a)は冬の調整位置の説明図、図6(b)は春(秋)の調整位置の説明図、図6(c)は夏の調整位置の説明図である。
冬に調整した場合では、図6(a)で示すように、警戒線40が縮んだ状態であり、他の季節の春(秋)や夏では警戒線40が伸びることから、警戒線40が伸びても良いように位置調整部35を押し込んだ位置で調整した上で固定する。この際調整位置印32cに位置するように位置調整部35を調整する。
【0030】
春に調整した場合では、図6(b)で示すように、警戒線40が少し伸びた状態であり、他の季節の冬には警戒線40が縮み、また、夏では警戒線40がさらに伸びることから、警戒線40が伸びたり縮んだりしても良いように位置調整部35を中間位置で調整した上で固定する。この際、調整位置印32bに位置するように位置調整部35を調整する。
【0031】
夏に調整した場合では、図6(c)で示すように、警戒線40が伸びた状態であり、他の季節の春(秋)や冬では警戒線40が縮むことから、警戒線40が縮んでも良いように位置調整部35を引き出した位置で調整した上で固定する。この際調整位置印32aに位置するように位置調整部35を調整する。
【0032】
続いて、調整した季節と他の季節とにおけるテンションセンサの状態について図を参照しつつ説明する。図7は冬調整時の変化を説明する説明図であり、図7(a)は冬の調整位置の説明図、図7(b)は春(秋)の調整位置の説明図、図7(c)は夏の調整位置の説明図である。
冬に調整した場合では、警戒線40が縮んだ状態で調整するため、他の春や夏では警戒線40が伸びる。そこで、図7(a)で示すように、位置調整部35をセンサケース10内に引っ込めた位置で固定するとともに接続リング部31を引き出して付勢部34が縮んだ状態とすれば、付勢部34は伸びて接続リング部31が引っ込むことが可能な状態となっているため、他の季節(図7(b)の春(秋)や図7(c)の夏)に警戒線40が伸びても接続リング部31が引っ込んで依然付勢部34が適切な張力を付与し続ける。
【0033】
図8は、春(秋)調整時の変化を説明する説明図であり、図8(a)は春(秋)の調整位置の説明図、図8(b)は夏の調整位置の説明図、図8(c)は冬の調整位置の説明図である。
春(秋)に調整した場合では、図8(a)で示すように、警戒線40を中間位置に調整するため、冬では警戒線40が縮み、また、夏に警戒線40が伸びる。そこで、冬では警戒線40が縮んでも、図8(c)で示すように、接続リング部31が押し出されて依然付勢部34が適切な張力を付与し続ける。同様に夏に警戒線40が伸びても、図8(b)で示すように、接続リング部31が引っ込んで依然付勢部34が適切な張力を付与し続ける。
【0034】
図9は、夏調整時の変化を説明する説明図であり、図9(a)は夏の調整位置の説明図、図9(b)は冬の調整位置の説明図、図9(c)は春(秋)の調整位置の説明図である。
夏に調整した場合では、警戒線40が伸びた状態で調整するため、他の季節の春や冬では警戒線40が縮む。そこで、図9(a)で示すように、位置調整部35をセンサケース10から引っ張り出した位置で固定するとともに接続リング部31を押し込んで付勢部34を伸ばした状態とすれば、付勢部34は縮んで接続リング部31が押し出されることが可能な状態となっているため、他の季節(図9(b)の冬や図9(c)の春(秋))に警戒線40が縮んでも、接続リング部31が押し出されて依然付勢部34が適切な張力を付与し続ける。
【0035】
続いてテンションセンサ1を用いる張力検出について説明する。テンションセンサ1を監視区域の外柵などに取付け、監視区域周辺に警戒線40を張り巡らせ、警戒線40に加えられた張力により、監視区域への侵入を検出する。この際、警戒線40を通じて図4(a),図5(a)のような監視状態から、図4(b),図5(b)のように警戒線40に張力が加わるとスプリングである付勢部34が弾性変化し、検出部25では、微弱電流が流れる警戒線40のループ中に配置された接点が開放され、電流オフを検出する。
【0036】
続いて、警戒線40の弛み検出について説明する。テンションセンサ1を取付けた外柵などが経年劣化などにより変形を起こした場合、警戒線40が過剰に弛み、設定値以上の張力を警戒線40に加えなければ検出できなくなる。つまり、監視区域への侵入を検知できない恐れがある。警戒線40が多量に弛み、テンションセンサ1が正規の監視状態にないことを検出する。上記図4(a),図5(a)の監視状態から、警戒線40が緩むとスプリングである付勢部34が弾性変化して、図4(c),図5(c)で示すような状態となり、微弱電流が流れる警戒線40のループ中に配置された接点が開放され、電流オフを検出する。
【0037】
続いて、警戒線40の断線検出について説明する。これは、微弱電流が流れる警戒線40が切断されると、電流オフを検出する。このように弛み状態としては警戒線40が事故による切断や意図的な切断が起きた状態も検出できる。弛み状態にはこれら切断も含まれる。
【0038】
このように警戒線40の張り、弛み、断線が検出できるため、警戒システムとして利便性が高いものである。
【0039】
以上本発明に係るテンションセンサについて説明した。このようなテンションセンサについては以下のような利点がある。
(1)多量な弛みが発生し異常監視状態であることを、検出する機能を有する。(従来品にはない機能を有する)
(2)温度変化(低温→高温)により警戒線が伸長して警戒線が弛むが、その弛みは付勢部により吸収し、弛みの検出を行わない。
(3)温度変化(高温→低温)により警戒線が短縮しても付勢部により吸収し、侵入としての検出を行わない。
(4)従来品は、ターンバックルを使用し、警戒線(ワイヤ)の張力を調整していたが、本発明のテンションセンサのように、張力の調整機構を組み込むことにより、使用部品が減り、施工時の負荷が軽減される。
(5)温度変化による、警戒線の伸縮を見越して、警戒線の張力を調整しなければならないが、張力調整機構に施工時の温度に適した調整位置が容易に分かる調整位置印をつけることにより、調整方法が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明を実施するための最良の形態のテンションセンサの外観図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態のテンションセンサの内部構造図である。
【図3】本発明を実施するための最良の形態のテンションセンサの接続状態図である。
【図4】本発明を実施するための最良の形態のテンションセンサの監視を説明する説明図であり、図4(a)は正常監視状態の説明図、図4(b)は引張検出状態の説明図、図4(c)は緩み検出状態の説明図である。
【図5】移動子の位置を説明する説明図であり、図5(a)は正常監視状態の説明図、図5(b)は引張検出状態の説明図、図5(c)は緩み検出状態の説明図である。
【図6】季節毎の調整位置の比較図であり、図6(a)は冬の調整位置の説明図、図6(b)は春(秋)の調整位置の説明図、図6(c)は夏の調整位置の説明図である。
【図7】冬調整時の変化を説明する説明図であり、図7(a)は冬の調整位置の説明図、図7(b)は春(秋)の調整位置の説明図、図7(c)は夏の調整位置の説明図である。
【図8】春(秋)調整時の変化を説明する説明図であり、図8(a)は春(秋)の調整位置の説明図、図8(b)は夏の調整位置の説明図、図8(c)は冬の調整位置の説明図である。
【図9】夏調整時の変化を説明する説明図であり、図9(a)は夏の調整位置の説明図、図9(b)は冬の調整位置の説明図、図9(c)は春(秋)の調整位置の説明図である。
【図10】従来技術のテンションセンサの説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1:テンションセンサ
10:センサケース
11:検出部収容部
12:移動子収容部
13:位置調整部収容部
14:内壁部
15:有底筒部
20:警戒線状態検出部
21:接続リング部
22:シャフト部
23:移動子
23a:凹部
23b:異常用接触部
23c:弛み用接触部
24:付勢部
25:検出部
25a:検出子
30:取付位置調整部
31:接続リング部
32:シャフト部
32a:調整位置印
32b:調整位置印
32c:調整位置印
33:止め部
34:付勢部
35:位置調整部
36:固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサケースと、
センサケースに収容され、警戒線が張られた場合を異常状態として検出し、また、検出線がたるんだ場合を弛み状態として検出する警戒線状態検出部と、
センサケースに収容され、警戒線の取り付け位置を春秋期、夏期または冬期に最適な張力で張り渡すように調整する取付位置調整部と、
を備えることを特徴とするテンションセンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のテンションセンサにおいて、
前記警戒線状態検出部は、
警戒線と結ばれる接続リング部と、
接続リング部と連結され、一方向に移動自在となるようにセンサケースに支持されるシャフト部と、
シャフト部に連結される部材であって、凹部を挟んで異常用接触部および弛み接触部が形成された移動子と、
接続リング部をセンサケース側へ移動するように付勢する付勢部と、
凹部内に入る、または、異常用接触部若しくは弛み接触部と接触する、検出子を有する検出部と、
を備え、
監視状態では移動子の凹部内に検出子が入って通常状態を検出し、警戒線が張られた場合に移動子が外側へ移動して移動子の異常用接触部と検出子とが接触して異常状態を検出し、また、検出線が弛んだ場合に移動子が内側へ移動して移動子の弛み接触部と検出子とが接触して弛み状態を検出することを特徴とするテンションセンサ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のテンションセンサにおいて、
前記取付位置調整部は、
警戒線と結ばれる接続リング部と、
接続リング部と連結されるシャフト部と、
シャフト部に連結される止め部と、
シャフト部を移動自在に支持するともに、センサケースに対して移動するようになされた位置調整部と、
止め部と位置調整部との間に配置され、接続リング部をセンサケース側へ移動するように付勢する付勢部と、
位置調整部を所定位置に固定する固定部と、
を備え、位置調整部を移動したのちに固定部で固定して、警戒線の取り付け位置を春秋期、夏期または冬期に最適な張力で張り渡すように調整することを特徴とするテンションセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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