説明

テンタークリップ駆動用ローラチェーン

【課題】高速駆動時および高温雰囲気中での使用時においても、長期に亘って、連結ピン、ブシュ、ローラの摩耗を抑制することができるテンタークリップ駆動用ローラチェーンを提供する。
【解決手段】上側の内リンクプレート130に半円状の第1の油孔134がブシュ孔132の外周に接して設けられ、上側の内リンクプレート130の表面に2つのブシュ孔132を連結する第1の油溝136が設けられ、サイドリンクプレート160に半円状の第2の油孔164がピン孔162の外周に接して設けられ、サイドリンクプレート160の表面に2つのピン孔162を連結する第2の油溝166が設けられていることにより、上記の課題を解決するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛物や合成樹脂などのフィルムをその送り方向と直交する横方向(水平方向)へ延伸するフィルムの横延伸機に関し、さらに詳しくは、フィルムを挟持するテンタークリップが取り付けられたテンタークリップ駆動用ローラチェーンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、フィルムの横延伸機には、長尺状のフィルムの両側をそれぞれ挟持する左右各複数対のテンタークリップ と、これらのテンタークリップを所定の軌道に沿って走行させる左右一対のテンタークリップ駆動用ローラチェーンとが設けられている。
【0003】
このテンタークリップ駆動用ローラチェーンにおいて、ブシュとローラとの潤滑を向上させる目的で、ローラチェーンの内リンクを構成する一対の内リンクプレートのうち上側に位置する内リンクプレートの表面に2つのブシュ孔を連結する油溝が設けるとともに、この油溝の中にブシュ孔外周に接触するように半円状の油孔が設けることにより、ブシュとローラとの間に潤滑油を供給することが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭63−282018号公報(第2頁左上欄第5−8行、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前述した従来のテンタークリップ駆動用ローラチェーンは、高速駆動されたり、高温雰囲気中で使用されたりすると、潤滑油がブシュとローラとの間に十分に供給されず、ブシュおよびローラの摩耗が進行するという課題が指摘されていた。
【0005】
また、前述した従来のテンタークリップ駆動用ローラチェーンは、連結ピンとブシュの内周面との間に潤滑油を長期的に安定して供給する手段が講じられていなかったため、高速駆動されたり、高温雰囲気中で使用されたりすると、連結ピンとブシュの内周面との摩擦により両者の摩耗が短期間で進行するという課題が指摘されていた。
【0006】
そして、前述のように連結ピン、ブシュ、ローラの摩耗が進行するとピッチ精度が悪くなり、ローラチェーンの円滑な走行ができなくなるという課題が指摘されていた。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、高速駆動されたり、高温雰囲気中で使用されたりする場合であっても、長期間に亘って、連結ピン、ブシュ、ローラの摩耗を抑制することができるテンタークリップ駆動用ローラチェーンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
まず、本請求項1に係る発明は、2本の円筒状のブシュの両端が、それぞれ上下に離間配置された一対の内リンクプレートのブシュ孔に圧入されているとともに前記ブシュに外挿されたローラを有する内リンクと、隣接した前記内リンクのブシュ内にそれぞれ遊貫された2本の連結ピンが、下側の内リンクプレートの外側に配置された外リンクプレートと上側の内リンクプレートの外側に配置されたサイドリンクプレートとに穿孔された一対のピン孔に圧入されてなる外リンクとを有し、前記サイドリンクプレートから外側に延設された連結ピンが、フィルムなどを挟持するテンタークリップを固定するテンタークリップ駆動用ローラチェーンであって、前記上側の内リンクプレートに半円状の第1の油孔がブシュ孔外周に接して設けられ、前記上側の内リンクプレートの表面に2つのブシュ孔を連結する第1の油溝が設けられ、前記サイドリンクプレートに半円状の第2の油孔がピン孔外周に接して設けられ、前記サイドリンクプレートの表面に2つのピン孔を連結する第2の油溝が設けられていることにより、前記課題を解決したものである。
【0009】
そして、本請求項2に係る発明は、請求項1に係るテンタークリップ駆動用ローラチェーンにおいて、前記第1の油孔と前記第1の油溝とが重ならない位置に配設されていることにより、前記課題をさらに解決したものである。
【0010】
また、本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係るテンタークリップ駆動用ローラチェーンにおいて、前記第2の油溝が、前記2つのピン孔の中心を結ぶ直線から外れた位置に潤滑油を貯留する貯留部を有していることにより、前記課題をさらに解決したものである。
【0011】
また、本請求項4に係る発明は、請求項3に係るテンタークリップ駆動用ローラチェーンにおいて、前記サイドリンクプレートの上側に、前記テンタークリップと前記第2の油溝に保持されている潤滑油との接触を回避するアタッチリンクプレートが、サイドリンクプレートに固設されているとともに、前記第2の油溝の貯留部の一部が前記アタッチリンクプレートに覆われることなく外部に露出していることにより、前記課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【0012】
本請求項1に係る発明によれば、2本の円筒状のブシュの両端が、それぞれ上下に離間配置された一対の内リンクプレートのブシュ孔に圧入されているとともにブシュに外挿されたローラを有する内リンクと、隣接した内リンクのブシュ内にそれぞれ遊貫された2本の連結ピンが、下側の内リンクプレートの外側に配置された外リンクプレートと上側の内リンクプレートの外側に配置されたサイドリンクプレートとに穿孔された一対のピン孔に圧入されてなる外リンクとを有し、サイドリンクプレートから外側に延設された連結ピンが、フィルムなどを挟持するテンタークリップを固定するテンタークリップ駆動用ローラチェーンであって、上側の内リンクプレートに半円状の第1の油孔がブシュ孔外周に接して設けられ、上側の内リンクプレートの表面に2つのブシュ孔を連結する第1の油溝が設けられ、サイドリンクプレートに半円状の第2の油孔がピン孔外周に接して設けられ、サイドリンクプレートの表面に2つのピン孔を連結する第2の油溝が設けられていることにより、第1の油溝に給油された潤滑油が第1の油孔を通じて、ブシュとローラとの間に供給されるとともに、第2の油溝に給油された潤滑油が第2の油孔を通じて、連結ピンとブシュとの間に供給されるため、潤滑油が枯渇しがちな高速駆動時においても、高温雰囲気中での使用時においても、連結ピン、ブシュ、ローラの摩耗が抑制され、チェーンの長寿命化および円滑で安定したチェーン走行が実現できる。
【0013】
また、本請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明において、第1の油孔と第1の油溝とが重ならない位置に配設されていることにより、第1の油溝に給油された潤滑油が、チェーンの静止時においても第1の油孔からブシュとローラとの間に供給されてしまうことが防止され、チェーン走行時の振動やチェーン走行時に内リンクプレート表面が受ける空気移動により、第1の油溝から第1の油孔に徐々に供給されるため、長期間に亘ってブシュとローラとの潤滑状態が保たれ、チェーンのさらなる長寿命化および円滑で安定したチェーン走行が実現できる。
【0014】
また、本請求項3に係る発明によれば、請求項1または請求項2に係る発明において、第2の油溝が、2つのピン孔の中心を結ぶ直線から外れた位置に潤滑油を貯留する貯留部を有することにより、高速駆動時に最も張力が加わる2つのピン孔の中心を避けて多量の潤滑油を貯留する貯留部が設けられているため、チェーン強度を低下させることなく、長期間に亘って連結ピンとブシュとの潤滑状態が保たれ、より一層、チェーンの長寿命化および円滑で安定したチェーン走行が実現できる。しかも、潤滑油の頻繁な補給を回避することができるため、メンテナンス作業負担が軽減される。
【0015】
また、本請求項4に係る発明によれば、請求項3に係るテンタークリップ駆動用ローラチェーンにおいて、サイドリンクプレートの上側に、テンタークリップと第2の油溝に保持されている潤滑油との接触を回避するアタッチリンクプレートがサイドリンクプレートに固設されているとともに、第2の油溝の貯留部の一部がアタッチリンクプレートに覆われることなく外部に露出していることにより、テンタークリップが表面が平滑なアタッチリンクプレートに密着するとともに、高速駆動時に貯留部に貯留された潤滑油が空気移動、すなわち、風を受けるため、テンタークリップがローラチェーンにがたつきなく固定されるとともに、風を受けて流動した潤滑油が円滑に連結ピンとブシュとの間に供給され、きわめて円滑で安定したチェーンの高速駆動が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のテンタークリップ駆動用ローラチェーンは、2本の円筒状のブシュの両端がそれぞれ上下に離間配置された一対の内リンクプレートのブシュ孔に圧入されているとともにブシュに外挿されたローラを有する内リンクと、隣接した内リンクのブシュ内にそれぞれ遊貫された2本の連結ピンが下側の内リンクプレートの外側に配置された外リンクプレートと上側の内リンクプレートの外側に配置されたサイドリンクプレートとに穿孔された一対のピン孔に圧入されてなる外リンクとを有し、サイドリンクプレートから外側に延設された連結ピンが、フィルムなどを挟持するテンタークリップを固定し、上側の内リンクプレートに半円状の第1の油孔がブシュ孔外周に接して設けられ、上側の内リンクプレートの表面に2つのブシュ孔を連結する第1の油溝が設けられ、サイドリンクプレートに半円状の第2の油孔がピン孔外周に接して設けられ、サイドリンクプレートの表面に2つのピン孔を連結する第2の油溝が設けられていることにより、高速駆動されたり、高温雰囲気中で使用されたりする場合であっても、長期間に亘って、連結ピン、ブシュ、ローラの摩耗を抑制することができるものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
【0017】
例えば、本発明のテンタークリップ駆動用ローラチェーンは、外リンクに布帛物や合成樹脂などのフィルムを挟持するテンタークリップが固定されるものであるが、外リンクの全てにテンタークリップが固定される態様であっても、外リンクに所定の数おきにテンタークリップが固定される態様であっても何ら支障はない。
【0018】
また、本発明のテンタークリップ駆動用ローラチェーンのサイドリンクプレートから外側に延設された2本の連結ピンに固定されるテンタークリップは、布帛物や合成樹脂などのフィルムを確実に挟持するものであれば、その具体的なクリップ形態は如何なるものであっても良く、例えば、コイルばねでクリップブレードをクリップ舌片に対して付勢してクリップブレードとクリップ舌片との間にフィルムを挟持するものが用いられる。
【0019】
本発明の一実施例について図1ないし図5に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の実施例であるテンタークリップ駆動用ローラチェーンの1モジュール、すなわち、1つの内リンクと1つの外リンクとその外リンクに取り付けられたテンタークリップとからなるモジュールの斜視図であり、図2は、本実施例のテンタークリップ駆動用ローラチェーンの2モジュール分を一部を断面とした正面図であり、図3は、図2に示したテンタークリップ駆動用ローラチェーンを矢視III方向から見たときの側面図であり、図4は、図2に示したテンタークリップ駆動用ローラチェーンを矢視IV方向から見たときであって、右側のアタッチリンクプレートの一部を切り欠いたときの上面図であり、図5は、本実施例のテンタークリップ駆動用ローラチェーンの構成要素の1つである内リンクプレートの上面図である。
【0020】
まず、本発明の実施例であるテンタークリップ駆動用ローラチェーン100は、図1に示すように、布帛物や合成樹脂などのフィルム(図示していない)を挟持するテンタークリップCが、外リンクの上側に延設された2本の連結ピン110によって固定されているものである。テンタークリップCの形態は、取付用穴の間隔および穴径が、2本の連結ピン110間の距離および連結ピン110の太さに適合するものであれば、ユーザーニーズに対応して様々な形状のものを取り付けることができる。図1に例示したテンタークリップCは、コイルばねC1でクリップブレードC2をクリップ舌片C3に対して付勢して、クリップブレードC2とクリップ舌片C3との間にフィルムを挟持するものである。このクリップブレードC2は、レバーC4をコイルばねC1の付勢力に抗して倒すことによりピンC5を中心に回転し、クリップ舌片C3との間にフィルムを挿入するための隙間を形成するように構成されている。
【0021】
そして、本実施例のテンタークリップ駆動用ローラチェーン100は、図2ないし図5に示すように、2本の円筒状のブシュ120の両端がそれぞれ上下に離間配置された一対の内リンクプレート130のブシュ孔132に圧入されているとともに、ブシュ120にローラ140が回転自在に外挿されており、これらの2本のブシュ120、1対の内リンクプレート130およびブシュ120に外挿されたローラ140が1つの内リンクILを構成している。
【0022】
また、隣接した内リンクILのブシュ120内にそれぞれ遊貫された2本の連結ピン110が、下側の内リンクプレート130の外側に配置された外リンクプレート150と上側の内リンクプレート130の外側に配置されたサイドリンクプレート160とに穿孔された一対のピン孔152、162に圧入されて1つの外リンクOLを構成している。サイドリンクプレート160は、図3に示すように断面L字形状をしており、テンタークリップ駆動用ローラチェーン100が少なくとも2つのスプロケット(図示していない)と噛み合って無端循環走行する際に循環軌道の外周面にローラ140が露出することを防いでいる。このような構成にしたことによって、外部から粉塵などをチェーン機構の内部に巻き込んだり、反対に、チェーンから外部へ潤滑油をまき散らしたりすることを防いでいる。
【0023】
さらに、サイドリンクプレート160の上側には、サイドリンクプレート160の水平面と一部が重なる形状を有する平坦なアタッチリンクプレート170が、リベット172によって固設されている。
【0024】
また、連結ピン110は、サイドリンクプレート160から外側、すなわち上方に延設されているとともに、この延設された連結ピン110の先端にねじ部112が形成されている。そして、サイドリンクプレート160の上面にリベット172によって固設されたアタッチリンクプレート170上に、前述したフィルムなどを挟持するテンタークリップCがナット114によって固定されている。
【0025】
そして、図5に示すように、上側の内リンクプレート130に半円状の第1の油孔134がブシュ孔132の外周に接するように設けられている。さらに、上側の内リンクプレート130の表面に、2つのブシュ孔132を連結するように第1の油溝136が設けられている。この第1の油孔134は、2つのブシュ孔132の中心を結ぶ直線に対して、45°の角度を有する位置に設けられており、第1の油溝136と重ならない位置に配設されている。
【0026】
したがって、第1の油溝136に給油された潤滑油が、チェーンの静止時においても第1の油孔134を通じてブシュ120とローラ140との間に一気に供給されて早期に消耗してしまうことが防止できる。そして、チェーン走行時の振動やチェーン走行時に内リンクプレート130の表面が受ける空気移動により、潤滑油が、第1の油溝136から第1の油孔134に徐々に供給されるため、長期間に亘ってブシュ120とローラ140との潤滑状態が保たれ、円滑で安定したチェーン走行が実現できるようになっている。
【0027】
また、図4に示すように、サイドリンクプレート160には、半円状の第2の油孔164が、サイドリンクプレート160に穿孔されたピン孔162の外周に接して設けられている。さらに、サイドリンクプレート160の表面に2つのピン孔162を連結する第2の油溝166が設けられている。この第2の油溝166は、2つのピン孔162の中心間を結ぶ直線に対して垂直に伸びるピン孔162の直径よりも幅の狭い連絡部166aと、この2つの連絡部166aを結ぶ幅の広い、本実施例においては、連絡部166aの幅の略2倍の幅の貯留部166bを有している。
【0028】
第2の油溝166の深さは、チェーン強度を極端に低下させることがないようにサイドリンクプレート160の厚さの20%程度としているが、前述のように幅の広い貯留部166bを設けたことによって多量の潤滑油を貯留できるようになっている。しかも、この貯留部166bが、高速駆動時に最も張力が加わる2つのピン孔の中心間を外れて設けられているためにチェーン強度の低下をさらに抑制するようになっている。
【0029】
さらに、この貯留部166bの一部が、アタッチリンクプレート170に覆われることなく外部に露出するように設けられている。第2の油溝166がアタッチリンクプレート170によって完全に覆われると、潤滑油の第2の油溝166から第2の油孔164への流れが悪くなるが、貯留部166bの一部が外部に露出していることによって、高速駆動時に貯留部に貯留された潤滑油が空気移動、すなわち、風を受けるので、潤滑油が流動して、円滑に連結ピンとブシュとの間に供給され、きわめて円滑なチェーンの高速駆動が実現できるようになっている。
【0030】
また、サイドリンクプレート160とテンタークリップCとの間にアタッチリンクプレート170を設けたことにより、テンタークリップCが潤滑油に接触することが回避されるので、テンタークリップCの脱着時に作業者が潤滑油にまみれたり、潤滑油で手が滑ってテンタークリップCを落下させたりすることがなくなり、安全かつ簡便なメンテナンス作業が行えるようになっている。さらに、アタッチリンクプレート170の表面を平滑に仕上げることによって、アタッチリンクプレート170とテンタークリップCとの密着性が向上し、高速駆動時であってもテンタークリップCががたつくことがなく、安定した高速駆動が実現できるようになっている。
【0031】
以上のように、本発明のテンタークリップ駆動用ローラチェーンは、内リンクILと外リンクOLの両方に潤滑油供給手段を持たせたため、ブシュ120とローラ140との間および連結ピン110とブシュ120との間に円滑に潤滑油を供給することができ、高速駆動時や高温雰囲気中での使用時に生じがちな連結ピン、ブシュ、ローラの摩耗が抑制され、チェーンの長寿命化が実現できる。
【0032】
加えて、本発明のテンタークリップ駆動用ローラチェーンは、油溝と油孔の配置、形状と潤滑油の流動との関係を鋭意究明することによって、高速駆動時や高温雰囲気中での使用時においても長期に亘って円滑に安定した走行を可能とするなど、その効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のテンタークリップ駆動用ローラチェーンの斜視図。
【図2】本発明のテンタークリップ駆動用ローラチェーンの一部を断面とした正面図。
【図3】図2に示したテンタークリップ駆動用ローラチェーンを矢視III方向から見たときの側面図。
【図4】図2に示したテンタークリップ駆動用ローラチェーンを一部を切り欠いて矢視IV方向から見たときの上面図。
【図5】本発明のテンタークリップ駆動用ローラチェーンの内リンクプレートの上面図。
【符号の説明】
【0034】
100 ・・・ テンタークリップ駆動用ローラチェーン
110 ・・・ 連結ピン
112 ・・・ (連結ピンの)ねじ部
114 ・・・ ナット
120 ・・・ ブシュ
I30 ・・・ 内リンクプレート
132 ・・・ (内リンクプレートの)ブシュ孔
134 ・・・ (内リンクプレートの)第1の油孔
136 ・・・ (内リンクプレートの)第1の油溝
140 ・・・ ローラ
150 ・・・ 外リンクプレート
152 ・・・ (外リンクプレートの)ピン孔
160 ・・・ サイドリンクプレート
162 ・・・ (サイドリンクプレートの)ピン孔
164 ・・・ (サイドリンクプレートの)第2の油孔
166 ・・・ (サイドリンクプレートの)第2の油溝
166a・・・ (第2の油溝の)連絡部
166b・・・ (第2の油溝の)貯留部
170 ・・・ アタッチリンクプレート
172 ・・・ リベット
IL ・・・ 内リンク
OL ・・・ 外リンク
C ・・・ テンタークリップ
C1 ・・・(テンタークリップの)コイルばね
C2 ・・・(テンタークリップの)クリップブレード
C3 ・・・(テンタークリップの)クリップ舌片
C4 ・・・(テンタークリップの)レバー
C5 ・・・(テンタークリップの)ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の円筒状のブシュの両端が、それぞれ上下に離間配置された一対の内リンクプレートのブシュ孔に圧入されているとともに前記ブシュに外挿されたローラを有する内リンクと、
隣接した前記内リンクのブシュ内にそれぞれ遊貫された2本の連結ピンが下側の内リンクプレートの外側に配置された外リンクプレートと上側の内リンクプレートの外側に配置されたサイドリンクプレートとに穿孔された一対のピン孔に圧入されてなる外リンクとを有し、
前記サイドリンクプレートから外側に延設された連結ピンが、フィルムなどを挟持するテンタークリップを固定するテンタークリップ駆動用ローラチェーンであって、
前記上側の内リンクプレートに半円状の第1の油孔がブシュ孔外周に接して設けられ、
前記上側の内リンクプレートの表面に2つのブシュ孔を連結する第1の油溝が設けられ、
前記サイドリンクプレートに半円状の第2の油孔がピン孔外周に接して設けられ、
前記サイドリンクプレートの表面に2つのピン孔を連結する第2の油溝が設けられていることを特徴とするテンタークリップ駆動用ローラチェーン。
【請求項2】
前記第1の油孔と前記第1の油溝とが重ならない位置に配設されていることを特徴とする請求項1記載のテンタークリップ駆動用ローラチェーン。
【請求項3】
前記第2の油溝が、前記2つのピン孔の中心を結ぶ直線から外れた位置に潤滑油を貯留する貯留部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2記載のテンタークリップ駆動用ローラチェーン。
【請求項4】
前記サイドリンクプレートの上側に、前記テンタークリップと前記第2の油溝に保持されている潤滑油との接触を回避するアタッチリンクプレートが、サイドリンクプレートに固設されているとともに、
前記第2の油溝の貯留部の一部が、前記アタッチリンクプレートに覆われることなく外部に露出していることを特徴とする請求項3記載のテンタークリップ駆動用ローラチェーン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate