説明

テーブル

【課題】天板の支持強度を確保しつつ、使用者の下肢空間を広く確保することができるテーブルを提供する。
【解決手段】床面上に立設された脚体と、脚体に支持される梁材20と、梁材上に載置される天板10と、を有するテーブル1において、天板の下面に設けられた係止部52cと、梁材の上面21に設けられ、係止部が係止可能に構成された被係止部21aと、を有するとともに、天板の上面11aに当接される押え片61と、押え片に連接されて梁材の一方の側面20eに接合される接合片62と、が一体成形された浮上り防止材60が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスなどにおける執務空間や応接室にて使用されるテーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスなどにおける執務空間や応接室においては、使用者に圧迫感を与えないとともに、体裁を良く収めるため、下肢空間を広く確保したテーブルが設置されていることが望ましい。
このようなテーブルとしては、左右(長さ方向)に離間して配置した一対の脚体同士の上部間に梁材を架設しておき、この脚体および梁材の上面に天板を載置することによりテーブルとして構成したものが一般的に知られている。また、長さ方向寸法が大きな天板を支持したい場合には、一対の梁材を脚体の両端それぞれにおいて連結することにより、上部にロ字状の枠体を構成して天板の支持強度を高めたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−279247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1のテーブルは、天板の支持強度を確保するために、梁材を平面視において天板の周縁部近傍に配置する必要があり、梁材が使用者の下肢と干渉してしまう虞があった。
【0004】
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、天板の支持強度を確保しつつ、使用者の下肢空間を広く確保することができるテーブルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、床面上に立設された脚体と、該脚体に支持される梁材と、該梁材上に載置される天板と、を有するテーブルにおいて、前記天板の下面に設けられた係止部と、前記梁材の上面に設けられ、前記係止部が係止可能に構成された被係止部と、を有するとともに、前記天板の上面に当接される押え片と、該押え片に連接されて前記梁材の一方の側面に接合される接合片と、が一体成形された浮上り防止材が設けられていることを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載した発明は、前記係止部が、係止爪として構成されるとともに、前記被係止部が、前記係止爪を係止可能な係止凹部として構成されていることを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載した発明は、前記梁材の上面における前記浮上り防止材が設けられた前記一方の側面の反対側にあたる他方の側面の近傍において、前記天板と前記梁材とが接合されていることを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載した発明は、前記天板が透光性材料で形成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載した発明は、前記梁材における前記他方の側面が、上端から下端へ向けて前記一方の側面側に後退するように傾斜面が形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載した発明は、前記天板の下面と前記梁材の上面との間に、柱状のスペーサが配置されていることを特徴としている。
【0011】
請求項7に記載した発明は、前記梁材の一方の側面を対向するように配置され、一対の前記天板と、該一対の天板の中央部に配置された一対の前記梁材と、を備えて構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載した発明によれば、天板と梁材との間を係止部により接合するとともに、天板が梁材から浮き上がるのを浮上り防止材にて防止することができる。したがって、天板の支持強度を確保することができる効果がある。
また、浮上り防止材を設けることにより、天板を梁材で片持ち状に支持することができる。したがって、梁材を使用者の下肢空間から後退させた位置に配置することができるため、天板の支持強度を確保しつつ、使用者の下肢空間を広く確保することができる効果がある。
【0013】
請求項2に記載した発明によれば、天板と梁材との間に設けられた係止部および被係止部を係止爪および係止凹部で構成したため、簡易な構造で確実に天板と梁材とを接合させることができる。したがって、作業効率を向上することができる効果がある。
【0014】
請求項3に記載した発明によれば、梁材の両側面近傍において、梁材と天板とが接合されるため、梁材に対して天板の位置ずれを確実に防止することができる。したがって、安定した構造を有するテーブルを提供することができる効果がある。
【0015】
請求項4に記載した発明によれば、天板下方に形成される広い下肢空間を使用者に視覚的に訴えることができ、開放感を与えることができる効果がある。
【0016】
請求項5に記載した発明によれば、梁材に傾斜面を形成することにより、下肢空間をより広く確保することができる効果がある。また、天板が透光性材料で形成されている場合には、使用者に梁材を小さく見せることができ、体裁良く収めることができるとともに、より開放感を与えることができる効果がある。
【0017】
請求項6に記載した発明によれば、天板が透光性材料で形成されている場合には、梁材がスペーサを介して見えるようになり、梁材をより小さく見せることができる。したがって、体裁良く収めることができるとともに、より開放感を与えることができる効果がある。また、天板が例えばガラス製の場合には、天板にスペーサを接着などにより接合し、スペーサの梁材との当接面にネジ穴を形成することで、梁材とスペーサとを螺着させることができる。したがって、ガラス製の天板を用いた場合にも、天板に加工を施すことなく天板と梁材とを接合することができる。つまり、天板の支持強度を確保しつつ、天板の材質のバリエーションを増やすことができる効果がある。
【0018】
請求項7に記載した発明によれば、一対の天板を使用した対面使いのテーブルとして構成することができる。したがって、このような構成のテーブルにおいても体裁を良好に収めることができ、より視覚的効果を強調することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明に係るテーブルの実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
図1、図2に示すように、テーブル1は、略板状の天板10と、天板10を支持固定する一対の梁材20と、床面F上に立設されて梁材20を支持固定する脚体30とを備え、全体として一方向に細長く形成されている。なお、天板10は透光性のガラス板で形成されている。
【0020】
脚体30は、梁材20の長さ方向Xの両側に二つ配設されていて、長さ方向Xと平面視において直交する幅方向Yに幅広に形成され、幅方向Yに並べられた一対の梁材20を支持している。脚体30は、略箱状の本体部31と、床面F上に載置されて本体部31を支持する支持板32とを有している。そして、本体部31と支持板32との間には、複数のアジャスター33(図3参照)が設けられていて、これにより床面Fの傾斜に対して本体部31の高さおよび水平度を調整することが可能となっている。なお、本体部31の幅方向Yの両側に位置する側板31aは、着脱自在に取り付けられている。
【0021】
図3に示すように、本体部31の上部には、一対の梁材20のそれぞれと対応して、幅方向Yの外側から内側に向かって順に、略水平な一対の第一の載置面34A,34Bと、第一の載置面34A,34Bのそれぞれから下がるように傾斜した一対の第二の載置面35A,35Bと、第二の載置面35A,35Bのそれぞれの傾斜下端から続いた略水平な一対の第三の載置面36A,36Bとが形成されている。一対の梁材20のそれぞれと対応する第三の載置面36A,36Bは連続した平面部31bを形成していて、本体部31の上部は、全体として凹状に形成されている。また、第二の載置面35A,35Bよりも傾斜下端側となる第三の載置面36A,36B上には、それぞれと対応する梁材20を幅方向Yに係止する係止片37が突出形成されている。また、本体部31には、幅方向Yの中央に上下方向Zに延び、一対の第三の載置面36A,36Bの間に開口する連絡溝31cが形成されており、天板10上に配置される電気機器などの配線を床面Fまで配設可能になっている。
【0022】
一対の梁材20は、それぞれ幅方向Yの外側となる縁端20aが脚体30の側板31aと略面一になるように、また、図1、図2に示すように、長さ方向Xの端部20bが脚体30よりも外側に張り出すようにして延設され、脚体30に支持されている。また、梁材20の長さ方向Xの端部20bは、上面21から長さ方向Xの内側に向かうようにして傾斜して形成されており、エンドカバー20cによって覆われている。
【0023】
図4に示すように、梁材20は、それぞれ上下方向Zに沿って形成された側面20eと、天板10が載置される側の上面21と、幅方向Yの外側から内側に向かって傾斜した下面となる傾斜面22が長さ方向Xに連続して形成されていて、断面略三角形状に形成されている。そして、梁材20は、重量を抑えつつ剛性を高めるために内部が空洞となっており、内部中央には剛性をさらに高めるために補強板20dが上下方向Zに沿って設けられている。
【0024】
図3に戻り、一対の梁材20は、それぞれ幅方向Yの外側から内側に向かって順に、脚体30の第一の載置面34A,34Bと対応する略水平な第一の底面23と、第二の載置面35A,35Bと対応して第一の底面23から続いて傾斜して形成された第二の底面24と、第三の載置面36A,36Bと対応して第二の底面24から続く略水平な第三の底面25とを有する。ここで、第二の底面24は、傾斜面22の一部として構成されている。そして、一対の梁材20は、第一の底面23が第一の載置面34A,34Bに、第二の底面24が第二の載置面35A,35Bに、第三の底面25が第三の載置面36A,36Bにそれぞれ当接することで、脚体30に支持されている。
【0025】
さらに、一対の梁材20は、それぞれ下部において、幅方向Yの内側に突出する被係止端26が形成されており、脚体30の係止片37に当接して幅方向Yに係止されている。また、第一の底面23には、ネジ穴28Aが形成されている。一方、脚体30の上部において、第一の載置面34A,34Bには、各ネジ穴28Aと対応して本体部31の内部まで挿通する挿通孔38Aが形成されている。そして、本体部31の内部から挿通孔38Aに挿通されてネジ穴28Aに螺合される梁固定ボルト40により、各梁材20は、第一の載置面34A,34Bで脚体30に固着されている。さらに、第二の底面24には、ネジ孔28Bが形成されている。一方、脚体30の上部において、第二の載置面35A,35Bには、各ネジ孔28Bと対応して本体部31の内部まで連通する挿通孔38Bが形成されている。そして、本体部31の内部から挿通孔38Bに挿通されてネジ孔28Bに螺合される梁固定ボルト40により、各梁材20は、第二の載置面35A,35Bで脚体30に固着されている。
【0026】
また、天板10は、長さ方向Xに二分割、幅方向Yに二分割、全体として四分割された板部材11により構成されている(図1参照)。そして、天板10を構成する各板部材11の下面には、円柱状のスペーサ50が適宜接着などにより配置され(本実施形態では8個)、スペーサ50を介して板部材11が梁材20上に支持された状態となっている。ここで、スペーサ50は、長さ方向Xに沿って略等間隔に4個並べられたものが2列配置されている。
【0027】
図5に示すように、スペーサ50の下面50aには、ネジ穴51が形成されている。ネジ穴51は、3個直線状に形成され、中央のネジ穴51aがスペーサ50の中心軸に一致するように形成されている。一方、梁材20には、長さ方向Xの複数箇所(本実施形態では4個)で、幅方向Yの外側のスペーサ50のネジ穴51aに対応した位置に、上下方向Zに連通する挿通孔29が形成されている(図4参照)。そして、下側から挿通孔29に挿通された天板固定ボルト41がスペーサ50のネジ穴51aに螺合されることで、天板10を構成する各板部材11は梁材20に固着されている。
【0028】
また、幅方向Yの内側のスペーサ50の下部には係止片52が設けられている。図6に示すように、係止片52は、例えば金属製のプレートを加工して形成されている。係止片52におけるスペーサ50との接合部52aには、2個の挿通孔53が形成されており、それぞれの挿通孔53に挿通されたネジ(不図示)がスペーサ50のネジ穴51b,51cに螺合されることで、スペーサ50と係止片52とが固着されるようになっている(図7参照)。また、係止片52は、接合部52aに連接して斜め下方に傾斜した傾斜部52bが形成され、傾斜部52bに連接して略水平に係止爪52cが形成されている。なお、傾斜部52bおよび係止爪52cは、平面視において接合部52a(スペーサ50)よりも幅広に形成され、係止片52が梁材20に対してより強固に係止できるようになっている。
【0029】
そして、図4に戻り、梁材20の上面21には、係止片52の係止爪52cと対応するように、長さ方向Xに延びる係止凹部21aが形成されている。係止凹部21aには、幅方向Yの内側側縁から外側に向かって突出した係止縁部21bが形成されている。そして、天板10を構成する各板部材11が梁材20に支持された状態では、係止片52は、係止爪52cが係止凹部21aに挿入されることで各係止縁部21bに係合されており、これにより天板固定ボルト41による固定と併せて各板部材11を梁材20により強固に支持固定できる構成となっている。なお、係止片52の接合部52aの底面は、梁材20の上面21と当接されている。
【0030】
さらに、図7に示すように、天板10と梁材20との間に、天板10の板部材11の上面11aに当接される押え片61と、押え片61に連接されて梁材20の側面20eに接合可能に構成された接合片62と、が一体成形された浮上り防止材60が設けられている。浮上り防止材60は、長さ方向Xに沿って所定間隔ごとに複数取付けられている。
【0031】
図8に示すように、浮上り防止材60は、例えば金属製のプレートを加工して形成されている。浮上り防止材60は、板部材11の上面11aに当接する略水平状に形成された押え片61と、押え片61に連接されて上下方向Zに沿うように形成された接合片62とを備え、略L字状に形成されている。また、押え片61の下面61aには、緩衝材64が接着などにより取付けられている。緩衝材64により、板部材11の上面11aに押え片61が当接することによる傷の発生を防止することができる。また、接合片62は、板部材11の側面11cおよび梁材20の側面20eに当接されるように構成されており、本実施形態では、板部材11の側面11cとの接合部62aと、梁材20の側面20eとの接合部62bとが、クランクして形成されている。さらに、接合部62bには、梁材20と螺着するために固定ボルト65を挿通させるための挿通孔66が形成されている。挿通孔66は、水平方向に所定間隔を空けて2箇所形成されている。
【0032】
図7に戻り、梁材20の側面20eには、固定ボルト65を挿通可能な開口部71が長さ方向Xに沿って連続的に形成されている。また、開口部71に連続して空洞部72が形成されている。空洞部72は、開口部71よりも上下方向Zに幅広になるように形成されている。空洞部72には、固定ボルト65と螺合されるナット67が配置できるようになっている。さらに、梁材20の側面20eの下端部20fには、上向きの凹部73が長さ方向Xに沿って連続的に形成されている。凹部73には浮上り防止材60の下端部60aが当接して、浮上り防止材60が支持されるようになっている。
【0033】
また、板部材11には、幅方向Yの内側となる位置にそれぞれ切欠き11bが形成されている。そして、各板部材11を梁材20上に固定して組み合わせた状態において、天板10には、切欠き11bによって幅方向Yの中央に上下に連通して長さ方向Xに延びる配線連通孔10aが形成されている。配線連通孔10aは、通常時においては、天板蓋13により閉塞されている。一対の梁材20の互いに対向する面には、蓋取付用溝20h(図3参照)が長さ方向Xに延びるように形成されている。そして、この蓋取付用溝20hには、上方へ延びる支持部材15が係止されており、天板蓋13は、支持部材15によって支持されて、配線連通孔10aを閉塞している。天板蓋13は、支持部材15に対して着脱可能であり、取り外すことで、天板10上で使用する電気機器の配線を、配線連通孔10aを介して一対の梁材20間を通線空間43として配設することが可能となっている。
【0034】
通線空間43の底部は、一対の梁材20間に係合された底板43aで閉塞されており、この底板43a上に配線を配置することが可能である。通線空間43に配設された電気機器の配線は、さらに梁材20と脚体30とが固定された位置で、連絡溝31cを介して床面Fの電源などと接続可能となっている。なお、幅方向Yに沿って対向配置された天板蓋13同士の隙間には、その隙間を閉塞する目隠蓋14が設けられている。目隠蓋14は、断面略コ字状で、長さ方向Xに沿って細長い板状部材になっており、支持部材15に係止するようにして取り付けられている。
【0035】
(テーブルの組立方法)
次に、テーブル1の組立方法について概略を説明する。
まず、テーブル1を設置する床面F上において、脚体30を所定位置に配置する。このとき、アジャスター33で二つの脚体30の高さおよび水平度を調整しておく。脚体30を配置した状態で、梁材20を脚体30間に架設するとともに、梁固定ボルト40を用いて、梁材20と脚体30とを固着する。このとき、梁材20の第一の底面23と脚体30の第一の載置面34A,34Bとが当接し、同様に、第二の底面24と第二の載置面35A,35Bとが当接し、第三の底面25と第三の載置面36A,36Bとが当接して配置されている。また、梁材20の被係止端26が脚体30の係止片37に幅方向Yに係止され、確実に位置決めされた状態で支持される。なお、梁固定ボルト40を取り付ける際には、脚体30の本体部31の側板31aを取り外して行う。
【0036】
次に、天板10の板部材11を梁材20上に載置する。このとき、板部材11の下面に予め配されているスペーサ50のうち、係止片52が接合されているスペーサ50を幅方向Yの内側に位置するようにし、係止片52の係止爪52cを梁材20の係止凹部21aにスライドするように挿入し、係止片52が係止縁部21bで係止されるように配置するとともに、幅方向Yの外側に配されたスペーサ50において、天板固定ボルト41を用いて、スペーサ50(天板10)と梁材20とを固着する。
【0037】
板部材11、梁材20および脚体30が配置された状態で、浮上り防止材60を取付ける。このとき、浮上り防止材60の押え片61を板部材11の上面11aに当接するように配置するとともに、浮上り防止材60の下端部63aを梁材20の凹部73内に挿入するようにして配置する。そして、梁材20の側面20eの空洞部72内にナット67を挿入し、浮上り防止材60の挿通孔66および梁材20の開口部71を挿通させた固定ボルト65とナット67とを螺合して、浮上り防止材60を梁材20に固着する。
【0038】
そして、支持部材15を梁材20の側面20eの所定位置に配置するとともに、支持部材15上に天板蓋13を取付ける。また、幅方向Yに対向配置された梁材20同士の底部間に底板43aを取り付けるとともに、幅方向Yに対向する天板蓋13同士の間に、目隠蓋14を取付けて、テーブル1の組立が完了する。
【0039】
本実施形態のテーブル1によれば、天板10は、脚体30に支持された一対の梁材20の上面21にスペーサ50を介して支持固定されることで、脚体30の間隔が大きくなったとしても、天板10を、厚さを最小限としつつ梁材20により撓まないように確実に支持することができる。また、梁材20は傾斜面22が幅方向Yの外側で長さ方向Xに連続して形成されているため、天板10を支持する梁材20の上面21の幅方向Yの寸法を大きく確保しつつ、使用者の下肢空間を大きく確保することができる。つまり、長さ方向Xに沿って使用者が着席し、使用者の足が天板10の下方に配置されたとしても、梁材20が支障となってしまうことがない。さらに、梁材20は、縁端20aを脚体30の側部と略面一になるように配設されている。このため、天板10を幅方向Yのより広い範囲で確実に支持することができ、天板10の幅方向Yの撓みをより有効に防止することができる。
【0040】
また、天板10の下面にスペーサ50を所定位置に配置し、幅方向Yの内側に配されたスペーサ50の下方には係止片52を接合し、係止片52の係止爪52cを梁材20の係止凹部21aに挿入して、係止片52が係止縁部21bで係止するとともに、幅方向Yの外側に配されたスペーサ50において、天板固定ボルト41を用いて、スペーサ50と梁材20とを固着した。したがって、天板10を梁材20で確実に支持固定することができ、天板10を梁材20から張り出すように、片持ち状に配置することができる。
【0041】
さらに、天板10の板部材11の上面11aに当接するとともに、梁材20の側面20eと接合する浮上り防止材60を取り付けたため、天板10における幅方向Yの外側近傍で、下方向に荷重がかかっても、浮上り防止材60により天板10の浮上りをより確実に防止することができる。したがって、より安定した構造で、天板10を梁材20から張り出すように、片持ち状に配置することができる。つまり、天板10の支持強度を確実に確保することができるとともに、使用者の下肢空間を広く確保することができる。
【0042】
また、天板10の下面に設けられた係止片52と梁材20に形成された係止凹部21aとで天板10と梁材20とを係止できるようにしたため、簡易な構造で確実に天板10と梁材20とを接合させることができる。したがって、作業効率を向上させることができる。
【0043】
また、天板10を透光性のガラス板で形成したため、天板10の下方に形成される広い下肢空間を使用者に視覚的に訴えることができ、開放感を与えることができる。
【0044】
また、梁材20に傾斜面22を形成したため、使用者に梁材20を小さく見せることができ、体裁良く収めることができるとともに、より開放感を与えることができる。
【0045】
さらに、天板10を透光性のガラス板で形成したが、梁材20がスペーサ50を介して奥側に見えるようになるため、梁材20を小さく見せることができる。したがって、体裁良く収めることができるとともに、より開放感を与えることができる。また、天板10をガラス板で形成したが、天板10にスペーサ50を接着などにより接合し、スペーサ50の梁材20との当接面(下面50a)にネジ穴51aを形成したため、梁材20とスペーサ50とを螺着させることができる。したがって、ガラス製の天板10の場合にも天板10の支持強度を確実に確保することができる。
【0046】
尚、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態において、板部材を4枚用いてテーブルを構成する場合の説明をしたが、板部材の枚数を増やしてテーブルを構成してもよい。
また、本実施形態において、対面式のテーブルの場合で説明をしたが、それ以外の方式のテーブルにも採用することができる。
また、本実施形態において、ガラス製の天板を採用した場合で説明をしたが、木製やその他の材質の場合にも採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態におけるテーブルの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態におけるテーブルの側面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図2のB−B線に沿う断面図である。
【図5】本発明の実施形態におけるスペーサの図面であり、(a)側面図、(b)底面図である。
【図6】本発明の実施形態における係止片の図面であり、(a)上面図、(b)(a)のD−D線に沿う断面図である。
【図7】図2のC−C線に沿う断面図である。
【図8】本発明の実施形態における浮上り防止材の図面であり、(a)正面図、(b)側面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…テーブル 10…天板 20…梁材 20e…側面(一方の側面) 21…上面(梁材の上面) 21a…係止凹部 22…傾斜面 30…脚体 50…スペーサ 52c…係止爪 60…浮上り防止材 61…押え片 62…接合片 F…床面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上に立設された脚体と、
該脚体に支持される梁材と、
該梁材上に載置される天板と、を有するテーブルにおいて、
前記天板の下面に設けられた係止部と、
前記梁材の上面に設けられ、前記係止部が係止可能に構成された被係止部と、を有するとともに、
前記天板の上面に当接される押え片と、該押え片に連接されて前記梁材の一方の側面に接合される接合片と、が一体成形された浮上り防止材が設けられていることを特徴とするテーブル。
【請求項2】
前記係止部が、係止爪として構成されるとともに、
前記被係止部が、前記係止爪を係止可能な係止凹部として構成されていることを特徴とする請求項1に記載のテーブル。
【請求項3】
前記梁材の上面における前記浮上り防止材が設けられた前記一方の側面の反対側にあたる他方の側面の近傍において、前記天板と前記梁材とが接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載のテーブル。
【請求項4】
前記天板が透光性材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のテーブル。
【請求項5】
前記梁材における前記他方の側面が、上端から下端へ向けて前記一方の側面側に後退するように傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のテーブル。
【請求項6】
前記天板の下面と前記梁材の上面との間に、柱状のスペーサが配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のテーブル。
【請求項7】
前記梁材の一方の側面を対向するように配置され、
一対の前記天板と、該一対の天板の中央部に配置された一対の前記梁材と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−165702(P2009−165702A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8140(P2008−8140)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】