テープ付ブラジャー
【課題】 左右カップ部の谷間部分において、圧迫感がなく、大きな動きにも追従する自由度がありながら、ずれることなく左右カップ部を保持する高い安定性を備えたテープ付ブラジャーを提供すること。
【解決手段】 左右1対のカップ部、これら左右のカップ部を繋ぐ連結部とクロステープ部とからなる谷間部、及び左右2枚の脇布から構成され、上部連結部は、クロステープ部の上部において、クロステープ部と間隙を有して左右カップ部を連結し、かつ、上下方向における少なくともいずれかの箇所で左右方向に伸縮しないように構成され、クロステープ部は、左右カップ部の底部と、各々反対側のカップ部の底部より上に位置する谷間部側下縁部とを連結するように、夫々縫合される左右テープから構成されていることを特徴とするテープ付ブラジャーとする。
【解決手段】 左右1対のカップ部、これら左右のカップ部を繋ぐ連結部とクロステープ部とからなる谷間部、及び左右2枚の脇布から構成され、上部連結部は、クロステープ部の上部において、クロステープ部と間隙を有して左右カップ部を連結し、かつ、上下方向における少なくともいずれかの箇所で左右方向に伸縮しないように構成され、クロステープ部は、左右カップ部の底部と、各々反対側のカップ部の底部より上に位置する谷間部側下縁部とを連結するように、夫々縫合される左右テープから構成されていることを特徴とするテープ付ブラジャーとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ付ブラジャーに関し、より詳しくは、左右カップ部を繋ぐ谷間部がクロステープ部と上部連結部とからなるテープ付ブラジャーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、乳房を理想的な形状に整え、バスト全体を美しく形づける目的で、種々のタイプのブラジャーが提案されている。このように理想的な形状に整えるためには、強固な補整力が必要とされ、しっかりと安定して装着できることが要求される。そのような安定した装着を追及した場合、動きに対する自由度がなくなり、圧迫感等があって装着感も悪くなる。特に、左右カップの間(谷間)においては、左右の乳房を寄せるように補整する機能が要求され、この機能を発揮させることによって、動きに対する自由度がなくなり、圧迫感等も生じやすく、通気性も悪くなりがちである。
このような左右カップの谷間における問題を解決するために、種々のブラジャーが提案されている。
【0003】
例えば下記特許文献1には、乳房の寄せ効果に優れながら谷間の圧迫感を軽減したブラジャーが提案されている。該ブラジャーは、図10に示すように、左右カップ(102L,102R)の下部に夫々備えた左右バンド(103L,103R)は、左右カップ(102L,102R)を互いに連結するために、左右カップ(102L,102R)間にてクロス部分(104)によりクロスされ、左バンド(102L)の内端部位は右カップ(102R)の内側方部位に、右バンド(102R)の内端部位は左カップ(103L)の内側方部位に、夫々接合され、左右バンド(103L,103R)の各外端部位に備えている左右バックストラップ(105L,105R)を介して着用したとき、左右カップ(102L,102R)が互いに近づくようにクロス部分(104)における左右バンド(103L,103R)は相互にフリーとされている。
【0004】
このブラジャーは、左バンド(103L)が右カップ(102R)と、右バンド(103R)が左カップ(102L)と、互いに近づくように連結されて左右乳房を寄せ、また、左右バンド(103L,103R)が細い幅で、クロス部分(104)の上下幅が狭くなることによって、谷間の圧迫感が抑制される。
しかしながら、谷間の圧迫感は抑制されても、クロス部分(104)の上下幅が狭くなることによって、安定感も低減する。このような構成は、谷間付近のカップが浅いものにしか採用できず、安定感もないので、ストラップがないブラジャーには採用できない。
【0005】
そこで、ストラップがなくても体にフィットしてずれることのないブラジャーも提案されている(例えば、下記特許文献2参照)。該ブラジャーは、図11に示すように、左右のカップ部(111,112)と、この左右の脇腹部分(111a,112a)に取り付けられ、体の脇から背中部分にかけて巻きつけるように装着する伸縮性を有する第1及び第2のテープ部材(115,116)とからなり、第1又は第2のテープ部材(115,116)は、一方のカップ部(111)の脇腹部分(111a)の上端部(111b)又は下端部(111c)と他方のカップ部(112)の脇腹部分(112a)の下端部(112c)又は上端部(112b)とに取り付けられ、これら第1及び第2のテープ部材(115,116)が背中の中央部において交叉するように設けられ、左右のカップ部(111,112)のつなぎ部分(111d,112d)に連接された伸縮性のある第3のテープ部材(118)と第4のテープ部材(119)が、胸元の中央部分で交叉するように設けられている。
【0006】
このブラジャーは、背中側で第1及び第2のテープ部材(115,116)が互いに均等な力で引き合うので、腕を上下させたときの脇腹の上下の伸縮にも影響されることなく、体にフィットした状態を安定して保持でき、胸側部分も第3及び第4のテープ部材(118,119)を交叉状に設けることで、背中側と胸側とで伸縮性のバランスがとれ、より体にフィットさせることができる。従って、胸側の谷間部分でも動きに合わせてフィットし、圧迫感はないと考えられる。
【0007】
しかしながら、伸縮性のある二本のテープを交叉しているだけでは、安定感に欠ける。即ち、テープの伸縮性によって動きに合わせたフィット性はあるが、例えば右腕を大きく上げたとき、テープの伸縮性が低いと、テープが右上方に引っ張られ、腕を下げてもテープの中心が右側にずれ、結果的にカップ部がずれてしまうことになり、テープの伸縮性が高いと、引っ張られてずれるようなことはない反面、谷間部分を寄せる効果は全くなくなる。従って、伸縮性の高低にかかわらず、伸縮性のあるテープだけでは、安定してカップ部を保持することができない。
【0008】
【特許文献1】特開2000−34605号公報
【特許文献2】再表2002−49464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、左右カップ部の谷間部分において、圧迫感がなく、大きな動きにも追従する自由度がありながら、ずれることなく左右カップ部を保持する高い安定性を備えたテープ付ブラジャーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、左右1対のカップ部、これら左右のカップ部を繋ぐ谷間部、及び左右2枚の脇布から構成されるブラジャーであって、前記谷間部は、上部連結部と、クロステープ部とからなり、前記上部連結部は、前記クロステープ部の上部において、該クロステープ部と間隙を有して左右カップ部を連結し、かつ、上下方向における少なくともいずれかの箇所で左右方向に伸縮しないように構成され、前記クロステープ部は、右カップ部の底部と左カップ部の底部より上に位置する左谷間部側下縁部とを連結するように縫合されてなる右テープ、及び、左カップ部の底部と右カップ部の底部より上に位置する右谷間部側下縁部とを連結するように縫合されてなる左テープから構成されていることを特徴とするテープ付ブラジャーに関する。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記左右テープが伸縮性素材からなることを特徴とする請求項1記載のテープ付ブラジャーに関する。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記上部連結部は、右連結布と左連結布とからなり、前記右連結布は、右カップ部の谷間部側上端から、前記右谷間部側下縁部までと、左カップ部の谷間部側上端から、該上端と前記左谷間部側下縁部との略中間位置までとを連結するように、夫々縫合され、前記左連結布は、左カップ部の谷間部側上端から、前記左谷間部側下縁部までと、右カップ部の谷間部側上端から、該上端と前記右谷間部側下縁部との略中間位置までとを連結するように、夫々縫合され、当該上部連結部が逆V字状になっていることを特徴とする請求項1又は2記載のテープ付ブラジャーに関する。
【0013】
請求項4に係る発明は、前記クロステープ部の下端から上端までの距離は、前記左右カップ部の底部から谷間部上端までの距離に比して45〜75%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のテープ付ブラジャーに関する。
【0014】
請求項5に係る発明は、前記上部連結部がわずかに伸縮性を有するメッシュ素材からなることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のテープ付ブラジャーに関する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、谷間部が、左右カップ部が連結されている上下方向における少なくともいずれかの箇所において左右方向に伸縮しない上部連結部と、左右の各カップ部の底部と、各々反対側のカップ部の底部より上に位置する谷間部側下縁部とを連結するように、夫々縫合される左右のテープとから構成されるクロステープ部とからなるので、上部連結部によって左右カップ部を保持する高い安定性がありながら、クロステープ部によって融通性ができて身体を斜め方向に捩るような大きな動きに追従する自由度も高くすることができる。また、2本のテープが互いに縫合されずクロスしているクロステープ部、及び、クロステープ部と上部連結部との間隙によって、通気性を確保しつつ圧迫感が生じないようにすることが可能である。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、テープが伸縮性素材からなることによって、より高い自由度を確保することができる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、上部連結部を2枚の左右連結布が一部重なるように逆V字状に構成することによって、バンド状等に構成する場合に比べ、より圧迫感を生じないようにすることができ、クロステープ部と程よい形状及び大きさの間隙が形成され、充分な通気性を確保することができるとともに、見た目にもバランスのとれたものとすることが可能である。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、上部連結部を適当な幅で設けることによって左右カップ部を安定して連結することができ、充分な幅のクロステープ部によって、捩るような大きな動きにもより柔軟に対応することができる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、上部連結部が、メッシュ素材であることによって、谷間部の通気性をより高めることができ、わずかに伸縮性を有することによって、クロステープ部と協働してより柔軟に、斜めに捩るような大きな動きにも対応することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係るテープ付ブラジャーの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係るテープ付ブラジャーの実施形態の第1の例を示す正面図である。図2は、図1の背面図である。図3は、図1の中央部を拡大して示す部分拡大図である。図4は、図3の上部連結部をさらに拡大して示す部分拡大図である。
本発明に係るテープ付ブラジャー(1)は、左右1対のカップ部(2A,2B)と、これら左右のカップ部(2A,2B)を繋ぐ谷間部(3)と、左右2枚の脇布(4)と、2本の肩紐(5)とから構成される。
谷間部(3)は、右テープ(21A)及び左テープ(21B)からなるクロステープ部(11)と、クロステープ部(11)の上部に間隙(15)をあけて設けられた上部連結部(12)とから構成される。
【0021】
右テープ(21A)は、右カップ部(2A)の下縁部(23A)の底部(25A)と、左カップ部(2B)の下縁部(23B)の底部(25B)より上に位置する左谷間部側下縁部(27B)とに縫合されている。また、左テープ(21B)は、左カップ部(2B)の下縁部(23B)の底部(25B)と、右カップ部(2A)の下縁部(23A)の底部(25A)より上に位置する右谷間部側下縁部(27A)とに縫合されている。左右谷間部側下縁部(27A,27B)の位置は、底部(25A,25B)より上で左右テープ(21A,21B)がクロスすることができる位置であって、クロステープ部(11)の上部に連結部(12)を設けることができるような位置であればよい。従って、左右谷間部側下縁部(27A,27B)の位置は、後述するように連結部(12)の形状等との関係で変動する。
【0022】
左右テープ(21A,21B)の形状は、均等な幅を有する一般的なテープ形状であるが、テープの長さ方向両側にレースが付いて均等幅ではないが略均等な幅を有する伸縮性レースのテープなどを採用することもできる。
左右テープ(21A,21B)の幅は、特に制限されず、紐のように細くてもよいが、細すぎると食い込みがあり、耐久性の面からも好ましくなく、谷間部(3)における圧迫感や、底部(25A,25B)での縫合等を考慮すると、あまり太いものも好ましくない。これらの不具合を考慮すると、左右カップ部(2A,2B)の大きさによっても多少異なるが、1cm程度であるものが好ましい。
【0023】
上部連結部(12)は、クロステープ部(11)の上部でクロステープ部(11)と間隙(15)をあけて左右カップ部(2A,2B)を連結していれば、特に位置や形状は問われない。従って、上部連結部(12)は、谷間部(3)においてクロステープ部(11)の上部の任意の位置で、左右カップ部(2A,2B)を水平方向に結ぶ1本の紐であってもよい。
【0024】
ただし、この上部連結部(12)は、左右カップ部(2A,2B)を安定して連結するために設けられているため、上記紐は伸縮性があってはならず、このような紐を採用する場合には、谷間部(3)における左右カップ部(2A,2B)の上端(13)で結ぶことが最も好ましい。また、上部連結部(12)は、左右カップ部(2A,2B)を安定して連結するためには、紐状よりは、ある程度幅を有することが好ましく、谷間部(3)における左右カップ部(2A,2B)の上端(13)を必ず連結することが好ましい。さらに、幅を有する布を採用する場合にも、左右カップ部(2A,2B)を安定して連結するため、左右カップ部(2A,2B)が連結されている上下方向における少なくともいずれかの箇所において左右方向が伸縮しないようにする必要がある。
【0025】
上部連結部(12)は、図示例では、右連結布(31A)と左連結布(31B)とが谷間部(3)の上部で重ねられ、逆V字状の上部連結部(12)が形成されている。また、図4に示すように、左右連結布(31A,31B)に挟まれて非伸縮性連結布(17)が左右カップ部(2A,2B)を連結している。この非伸縮性連結布(17)は、全く伸縮性がない。この場合、上部連結部(12)は、左右連結布(31A,31B)及び非伸縮性連結布(17)を合わせたものを指す。
右連結布(31A)は、右カップ部(2A)の谷間部(3)側上端から右谷間部側下縁部(27A)までと、左カップ部(2B)の谷間部(3)側上端から、該上端と左谷間部側下縁部(27B)との略中間位置までとが、夫々縫合されている。また、左連結布(31B)は、左カップ部(2B)の谷間部(3)側上端から左谷間部側下縁部(27B)までと、右カップ部(2A)の谷間部(3)側上端(15)から、該上端と右谷間部側下縁部(27A)との略中間位置までとが、夫々縫合され、逆V字状になっている。また、左右連結布(31A,31B)は、わずかに伸縮性のあるメッシュ布であるが、図4に示すように、非伸縮性連結布(17)が左右カップ部(2A,2B)を連結して、この部分が左右方向に伸びないようになっていることにより、上部連結部(12)が、上下方向の少なくともいずれかの箇所(この例では非伸縮性連結布(17)の部分)において左右方向に伸縮しない構成を実現している。
【0026】
なお、非伸縮性連結布(17)を用いることなく、谷間部(3)上端を伸びないように縫い止めるようにしても、上部連結部(12)は、上下方向の少なくともいずれかの箇所(この例では上端部)において左右方向に伸縮しない構成を実現できる。
上部連結部(12)を上記逆V字状に構成することによって、バンド状等に構成する場合に比べ、より圧迫感を生じないようにすることができ、クロステープ部(11)と程よい形状及び大きさの間隙(15)が形成され、充分な通気性を確保することができるとともに、見た目にもバランスのとれたものとすることが可能である。
【0027】
上部連結部(12)に用いられる素材としては、上述のように、左右カップ部(2A,2B)が連結されている上下方向における少なくともいずれかの箇所において左右方向が伸縮しないようにできれば、特に制限されない。上部連結部(12)を構成する左右連結布(31A,31B)には、メッシュ素材を用いることができ、メッシュ素材は、谷間部(3)の通気性を高めることができるので好ましい。また、後述するクロステープ部(11)の伸びとの関係で、若干の伸縮性を有する素材であることが好ましく、また、一方向にのみ伸縮するワンウェイ伸縮布より縦横両方向に自在に伸縮するツーウェイ伸縮布がより好ましい。
また、左右連結布(31A,31B)とともに上部連結部(12)を構成する非伸縮性布は、伸縮性があってはならないので、例えば非伸縮性のマーキーゼット素材を用いることができる。このマーキーゼットは、メッシュ状の編物であり、通気性がある。その他、非伸縮性の織物を使用することもできる。
【0028】
以上のように構成される本発明に係るテープ付ブラジャー(1)の谷間部(3)において、上部連結部(12)の形状等との関係で変動するクロステープ部(11)の取り付け位置について説明する。
図5は、本発明に係るテープ付ブラジャーを斜めに捩る前後の動きを示す状態遷移図である。図6は、図1のテープ付ブラジャーにおけるクロステープ部と上部連結部との位置関係を示す模式図である。図7は、本発明に係るテープ付ブラジャーの実施形態の第2
の例を示す正面図である。図8は、図7の背面図である。図9は、本発明に係るテープ付ブラジャーの実施形態の第3の例におけるクロステープ部と上部連結部との位置関係を示す模式図である。なお、図7〜図9に示した第2及び第3の例のテープ付ブラジャーは、上部連結部(12)の構造以外は、図1に示した第1の例のテープ付ブラジャーと同じであるので、図7〜図9では、図1と同じ構成には同じ符号を付して示す。
【0029】
クロステープ部(11)は、体の動きに対応する左右カップ部(2A,2B)の動きを確保するために設けられる。この動きには両手を広げたときのように左右カップ部(2A,2B)が横方向に離れる動きもあれば、右腕を挙げたときのように右カップ部(2A)が斜め上方向に離れる動きもある。後者のような動きをした場合には、図5に示すように、クロステープ部(11)が捩れることになる。
クロステープ部(11)が図5に示すような動きにも対応するためには、谷間部(3)において、上下方向にある程度の幅を持って構成されていなければならない。即ち、図6に示すように、左右カップ部(2A,2B)の底部(25A,25B)から上端(13)までの距離(H)に対し、クロステープ部(11)の下端から上端までの距離(h)が占める割合が一定以上であることが好ましい。また、上部連結部(12)を設ける空間を確保する必要もある。
【0030】
従って、h/Hを45〜75%とすれば、上部連結部(12)を適当な幅で設けることによって左右カップ部(2A,2B)を安定して連結することができ、充分な幅のクロステープ部(11)によって、捩れる動きにも対応することができる。
なお、図6では、谷間部側下縁部(27A,27B)でクロステープ部(11)と上部連結部(12)とが接し、重なっていないものを例示しているが、上部連結部(12)の逆V字状によってクロステープ部(11)との間に間隙(15)ができれば、図7及び図8に示すように、クロステープ部と上部連結部とが重なる部分があってもよい。図7及び図8に示す第2の例のテープ付ブラジャー(1)では、上部連結部(12)において、左右連結布(31A,31B)と左右テープ(21A,21B)とが、谷間部側下縁部(27A,27B)で重なっている
【0031】
また、上部連結部(42)が逆V字状ではなく、図9に示すような同幅のバンド状である場合には、逆V字状の場合と同様、クロステープ部(11)の谷間部側下縁部(27A,27B)と上部連結部(42)とが接するようにしてもよいが、その場合、上部連結部(42)とクロステープ部(11)との間隙(15)が小さくなるので、クロステープ部(11)の谷間部側下縁部(27A,27B)と上下方向に少し間隔をあけて上部連結部(42)を設けることが好ましい。この場合においても、h及びHは逆V字状の場合と変わりはないので、同様の理由から、h/Hも逆V字状の場合と同様45〜75%が好ましい。
【0032】
左右テープ部(21A,21B)の伸度は、必ずしも限定されるものではないが、上部連結部(12)が左右カップ部(2A,2B)に連結されている上下方向における少なくともいずれかの箇所において左右方向が伸縮しないようにされており、クロステープ部(11)のみが極端に伸びるような動きは考えられないので、あまり高いものは好ましくなく、0〜30%が適当である。なお、伸度30%のテープは、通常の肩紐(5)に用いられている。
ここで、伸度とは、伸長率ともいい、繊維、糸、布地を伸長したときの伸びの割合をいう。伸長していないときの長さをL0、伸長後の長さをLとすると、
伸度(%)=(L−L0)/L0×100
で示される。
【0033】
従って、伸度が0であるということは、伸縮性がないことを意味する。上述のようにクロステープ部(11)は、体の動きに対応する左右カップ部(2A,2B)の動きを確保するために設けられるので、ある程度伸縮性がある方が好ましいが、伸度が0であってもかまわない。なぜなら、クロステープ部(11)において、左右テープ部(21A,21B)が互いに接続されていないため、例えば図5に示したような捩れる動きに対しても、左右テープ部(21A,21B)が左右谷間部側下縁部(27A,27B)の一部分で縫合され、しかもクロスされて間隙(15)が空けられているので、融通性があり、ひきつれたりすることなく、ある程度柔軟に対応することができるからである。
【0034】
また、左右テープ(21A,21B)の伸度が30%付近の場合には、クロスした左右テープ(21A,21B)が適度な伸度を有するので、主に横方向に伸びる力によって、左右方向への谷間部(3)の広がりに対応することができるだけでなく、斜め方向に伸びる力によって、左斜め又は右斜めに捩る身体の動きにも柔軟に対応することができる。なお、左右方向への谷間部(3)の広がりを要する場合としては、呼吸によるバストアンダー部の変化や谷間部(3)の広狭の違い等の体型の違いが挙げられる。
【0035】
このように、適度な伸度を有するクロスしたストレッチテープの引き合う力が、谷間部(3)におけるクロステープ部(11)及び左右カップ部(2A,2B)に運動性を与え、身体の動きに柔軟に対応することができる。
なお、図示例のテープ付ブラジャー(1)は、上述のように、上部連結部(12)における左右連結布(31A,31B)が、わずかに伸縮性のあるメッシュ布であり、谷間部(3)の上端(13)は伸びないように縫い止められているので、この上部連結部(12)におけるわずかに伸縮性がある部分においても、クロステープ部(11)と協働してより柔軟に、斜めに捩る動きに対応することができる。
【0036】
従って、本発明に係るテープ付ブラジャー(1)は、谷間部(3)が、左右カップ部(2A,2B)が連結されている上下方向における少なくともいずれかの箇所において左右方向に伸縮しない上部連結部(12)と、左右の各カップ部(2A,2B)の底部(25A,25B)と、各々反対側のカップ部(2B,2A)の底部(25B,25A)より上に位置する谷間部側下縁部(27B,27A)とに、夫々縫合される左右のテープ(21A,21B)とから構成されるクロステープ部(11)とからなるので、上部連結部(12)によって左右カップ部(2A,2B)を保持する高い安定性がありながら、クロステープ部(11)によって融通性ができて身体を斜め方向に捩るような大きな動きにも追従する自由度も高くすることができる。
即ち、大きな動きにクロステープ部(11)が追従してテープ(21A,21B)が伸びても、上部は安定して動かないので、動きがなくなったときに元の位置に戻ることができ、ずれを防止することができる。
【0037】
また、2本のテープ(21A,21B)が互いに縫合されずクロスしているクロステープ部(11)、及び、クロステープ部(11)と上部連結部(12)との間隙(15)によって、圧迫感が生じないようにすることが可能である。特に、テープ(21A,21B)が伸縮性素材からなることによって、より高い自由度を確保することができる。
これによって、日常生活のいたるところで行われる左斜め又は右斜めに身体を捩る動きにも、心地よく快適にフィットして、いやな下着のズレを解消することができ、特にストラップレスで着用したときのブラジャーのずれを軽減し、安定したフィット性を持続することができる。
しかも、このような効果を奏する連結部(12)及びクロステープ部(11)は、簡易な構成のため、比較的容易に取り付けることができる。
【0038】
本発明において、谷間部(3)以外の部分、即ち、左右カップ部(2A,2B)、脇布(4)、肩紐(5)の形状及び素材等については、特に制限されず、通常のブラジャーにおいて使用される公知の形状及び素材等が好適に使用される。ただし、谷間部(3)において、クロステープ部(11)及び上部連結部(12)を設けるので、左右カップ部(2A,2B)の形状としては、谷間部(3)側にある程度の高さが必要である。従って、図示例のようなハーフカップやフルカップが好ましい。ハーフカップの場合には、肩紐(5)を外すようにすることができる。
【0039】
また、左右カップ部(2A,2B)の下縁部(23A,23B)にワイヤーが入っていると、補整力が高くなるので好ましい。ワイヤーを用いない場合でも、下縁部(23A,23B)は剛性の素材で構成することが好ましい。なお、クロステープ部(11)において、左右テープ(21A,21B)を縫合する底部(25A,25B)の位置を脇よりにし、クロステープ部(11)を左右方向に広めに設けることによって、その底部において左右テープ(21A,21B)がワイヤーの代わりに乳房を固定することができる。
【0040】
さらに、図2に示すように、左右カップ部(2A,2B)を3枚はぎカップで中央へ寄せながらボリュームを斜め上へ持ち上げるパターンとしてプッシュアップ機能を持たせ、クッションパネルを備え、ワイヤーのあたりをソフトにするクッションの役割とバストアップ効果を高めるようにしてもよい。また、脇布(4)には左右カップ部(2A,2B)よりの2箇所とホック取り付け部分よりの2箇所の計4箇所にボーンを入れ、背中側での脇布における歪みやよれを軽減して脇布を安定させることによって着心地をよくすることができる。また、脇布(4)は、正面側布及び背面側布の2枚で構成し、脇布上端とホック部でのみ縫合され、正面側布の下辺、即ちアンダー部をヘム仕上げとし、脇や背中のアンダー部分を押さえつけずに段差をつくらないようにすることができる。背面側布は、ハイゲージパワーネットで構成し、脇布の強度を上げるとともに、この背面側布にボーンを取り付けることによって、正面側にボーンの形状が現れ難くすることができる。さらに、背面側布において、左右カップ部(2A,2B)とカップよりのボーンとの間にメッシュ芯を付けることによってバストのホールド力を高めることができる。
【0041】
このような構成を、本発明に係るテープ付ブラジャーにおける谷間部(3)の構成と組み合わせることによって、安定性があって補整力もありながら、圧迫感がなく、大きな動きにも対応する自由度を確保したストラップレス兼用ブラジャーを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、女性用下着であるブラジャー、特に肩紐を取り外しても使用することができるストラップレス兼用ブラジャー等として好適に使用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係るテープ付ブラジャーの実施形態の第1の例を示す正面図である。
【図2】図1の背面図である。
【図3】図1の中央部を拡大して示す部分拡大図である。
【図4】図3の上部連結部をさらに拡大して示す部分拡大図である。
【図5】本発明に係るテープ付ブラジャーを斜めに捩る前後の動きを示す状態遷移図である。
【図6】図1のテープ付ブラジャーにおけるクロステープ部と上部連結部との位置関係を示す模式図である。
【図7】本発明に係るテープ付ブラジャーの実施形態の第2の例を示す正面図である。
【図8】図7の背面図である。
【図9】本発明に係るテープ付ブラジャーの実施形態の第3の例におけるクロステープ部と上部連結部との位置関係を示す模式図である。
【図10】従来のブラジャーの構成の一例を右斜め方向から見た状態を示す斜視図である。
【図11】従来のブラジャーの構成の他の例を背面左斜め方向から見た状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 テープ付ブラジャー
2A 右カップ部
2B 左カップ部
3 谷間部
4 脇布
5 肩紐
11 クロステープ部
12 上部連結部
15 間隙
21A 右テープ
21B 左テープ
23A 下縁部
23B 下縁部
25A 底部
25B 底部
27A 右谷間部側下縁部
27B 左谷間部側下縁部
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ付ブラジャーに関し、より詳しくは、左右カップ部を繋ぐ谷間部がクロステープ部と上部連結部とからなるテープ付ブラジャーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、乳房を理想的な形状に整え、バスト全体を美しく形づける目的で、種々のタイプのブラジャーが提案されている。このように理想的な形状に整えるためには、強固な補整力が必要とされ、しっかりと安定して装着できることが要求される。そのような安定した装着を追及した場合、動きに対する自由度がなくなり、圧迫感等があって装着感も悪くなる。特に、左右カップの間(谷間)においては、左右の乳房を寄せるように補整する機能が要求され、この機能を発揮させることによって、動きに対する自由度がなくなり、圧迫感等も生じやすく、通気性も悪くなりがちである。
このような左右カップの谷間における問題を解決するために、種々のブラジャーが提案されている。
【0003】
例えば下記特許文献1には、乳房の寄せ効果に優れながら谷間の圧迫感を軽減したブラジャーが提案されている。該ブラジャーは、図10に示すように、左右カップ(102L,102R)の下部に夫々備えた左右バンド(103L,103R)は、左右カップ(102L,102R)を互いに連結するために、左右カップ(102L,102R)間にてクロス部分(104)によりクロスされ、左バンド(102L)の内端部位は右カップ(102R)の内側方部位に、右バンド(102R)の内端部位は左カップ(103L)の内側方部位に、夫々接合され、左右バンド(103L,103R)の各外端部位に備えている左右バックストラップ(105L,105R)を介して着用したとき、左右カップ(102L,102R)が互いに近づくようにクロス部分(104)における左右バンド(103L,103R)は相互にフリーとされている。
【0004】
このブラジャーは、左バンド(103L)が右カップ(102R)と、右バンド(103R)が左カップ(102L)と、互いに近づくように連結されて左右乳房を寄せ、また、左右バンド(103L,103R)が細い幅で、クロス部分(104)の上下幅が狭くなることによって、谷間の圧迫感が抑制される。
しかしながら、谷間の圧迫感は抑制されても、クロス部分(104)の上下幅が狭くなることによって、安定感も低減する。このような構成は、谷間付近のカップが浅いものにしか採用できず、安定感もないので、ストラップがないブラジャーには採用できない。
【0005】
そこで、ストラップがなくても体にフィットしてずれることのないブラジャーも提案されている(例えば、下記特許文献2参照)。該ブラジャーは、図11に示すように、左右のカップ部(111,112)と、この左右の脇腹部分(111a,112a)に取り付けられ、体の脇から背中部分にかけて巻きつけるように装着する伸縮性を有する第1及び第2のテープ部材(115,116)とからなり、第1又は第2のテープ部材(115,116)は、一方のカップ部(111)の脇腹部分(111a)の上端部(111b)又は下端部(111c)と他方のカップ部(112)の脇腹部分(112a)の下端部(112c)又は上端部(112b)とに取り付けられ、これら第1及び第2のテープ部材(115,116)が背中の中央部において交叉するように設けられ、左右のカップ部(111,112)のつなぎ部分(111d,112d)に連接された伸縮性のある第3のテープ部材(118)と第4のテープ部材(119)が、胸元の中央部分で交叉するように設けられている。
【0006】
このブラジャーは、背中側で第1及び第2のテープ部材(115,116)が互いに均等な力で引き合うので、腕を上下させたときの脇腹の上下の伸縮にも影響されることなく、体にフィットした状態を安定して保持でき、胸側部分も第3及び第4のテープ部材(118,119)を交叉状に設けることで、背中側と胸側とで伸縮性のバランスがとれ、より体にフィットさせることができる。従って、胸側の谷間部分でも動きに合わせてフィットし、圧迫感はないと考えられる。
【0007】
しかしながら、伸縮性のある二本のテープを交叉しているだけでは、安定感に欠ける。即ち、テープの伸縮性によって動きに合わせたフィット性はあるが、例えば右腕を大きく上げたとき、テープの伸縮性が低いと、テープが右上方に引っ張られ、腕を下げてもテープの中心が右側にずれ、結果的にカップ部がずれてしまうことになり、テープの伸縮性が高いと、引っ張られてずれるようなことはない反面、谷間部分を寄せる効果は全くなくなる。従って、伸縮性の高低にかかわらず、伸縮性のあるテープだけでは、安定してカップ部を保持することができない。
【0008】
【特許文献1】特開2000−34605号公報
【特許文献2】再表2002−49464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、左右カップ部の谷間部分において、圧迫感がなく、大きな動きにも追従する自由度がありながら、ずれることなく左右カップ部を保持する高い安定性を備えたテープ付ブラジャーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、左右1対のカップ部、これら左右のカップ部を繋ぐ谷間部、及び左右2枚の脇布から構成されるブラジャーであって、前記谷間部は、上部連結部と、クロステープ部とからなり、前記上部連結部は、前記クロステープ部の上部において、該クロステープ部と間隙を有して左右カップ部を連結し、かつ、上下方向における少なくともいずれかの箇所で左右方向に伸縮しないように構成され、前記クロステープ部は、右カップ部の底部と左カップ部の底部より上に位置する左谷間部側下縁部とを連結するように縫合されてなる右テープ、及び、左カップ部の底部と右カップ部の底部より上に位置する右谷間部側下縁部とを連結するように縫合されてなる左テープから構成されていることを特徴とするテープ付ブラジャーに関する。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記左右テープが伸縮性素材からなることを特徴とする請求項1記載のテープ付ブラジャーに関する。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記上部連結部は、右連結布と左連結布とからなり、前記右連結布は、右カップ部の谷間部側上端から、前記右谷間部側下縁部までと、左カップ部の谷間部側上端から、該上端と前記左谷間部側下縁部との略中間位置までとを連結するように、夫々縫合され、前記左連結布は、左カップ部の谷間部側上端から、前記左谷間部側下縁部までと、右カップ部の谷間部側上端から、該上端と前記右谷間部側下縁部との略中間位置までとを連結するように、夫々縫合され、当該上部連結部が逆V字状になっていることを特徴とする請求項1又は2記載のテープ付ブラジャーに関する。
【0013】
請求項4に係る発明は、前記クロステープ部の下端から上端までの距離は、前記左右カップ部の底部から谷間部上端までの距離に比して45〜75%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のテープ付ブラジャーに関する。
【0014】
請求項5に係る発明は、前記上部連結部がわずかに伸縮性を有するメッシュ素材からなることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のテープ付ブラジャーに関する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、谷間部が、左右カップ部が連結されている上下方向における少なくともいずれかの箇所において左右方向に伸縮しない上部連結部と、左右の各カップ部の底部と、各々反対側のカップ部の底部より上に位置する谷間部側下縁部とを連結するように、夫々縫合される左右のテープとから構成されるクロステープ部とからなるので、上部連結部によって左右カップ部を保持する高い安定性がありながら、クロステープ部によって融通性ができて身体を斜め方向に捩るような大きな動きに追従する自由度も高くすることができる。また、2本のテープが互いに縫合されずクロスしているクロステープ部、及び、クロステープ部と上部連結部との間隙によって、通気性を確保しつつ圧迫感が生じないようにすることが可能である。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、テープが伸縮性素材からなることによって、より高い自由度を確保することができる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、上部連結部を2枚の左右連結布が一部重なるように逆V字状に構成することによって、バンド状等に構成する場合に比べ、より圧迫感を生じないようにすることができ、クロステープ部と程よい形状及び大きさの間隙が形成され、充分な通気性を確保することができるとともに、見た目にもバランスのとれたものとすることが可能である。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、上部連結部を適当な幅で設けることによって左右カップ部を安定して連結することができ、充分な幅のクロステープ部によって、捩るような大きな動きにもより柔軟に対応することができる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、上部連結部が、メッシュ素材であることによって、谷間部の通気性をより高めることができ、わずかに伸縮性を有することによって、クロステープ部と協働してより柔軟に、斜めに捩るような大きな動きにも対応することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係るテープ付ブラジャーの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係るテープ付ブラジャーの実施形態の第1の例を示す正面図である。図2は、図1の背面図である。図3は、図1の中央部を拡大して示す部分拡大図である。図4は、図3の上部連結部をさらに拡大して示す部分拡大図である。
本発明に係るテープ付ブラジャー(1)は、左右1対のカップ部(2A,2B)と、これら左右のカップ部(2A,2B)を繋ぐ谷間部(3)と、左右2枚の脇布(4)と、2本の肩紐(5)とから構成される。
谷間部(3)は、右テープ(21A)及び左テープ(21B)からなるクロステープ部(11)と、クロステープ部(11)の上部に間隙(15)をあけて設けられた上部連結部(12)とから構成される。
【0021】
右テープ(21A)は、右カップ部(2A)の下縁部(23A)の底部(25A)と、左カップ部(2B)の下縁部(23B)の底部(25B)より上に位置する左谷間部側下縁部(27B)とに縫合されている。また、左テープ(21B)は、左カップ部(2B)の下縁部(23B)の底部(25B)と、右カップ部(2A)の下縁部(23A)の底部(25A)より上に位置する右谷間部側下縁部(27A)とに縫合されている。左右谷間部側下縁部(27A,27B)の位置は、底部(25A,25B)より上で左右テープ(21A,21B)がクロスすることができる位置であって、クロステープ部(11)の上部に連結部(12)を設けることができるような位置であればよい。従って、左右谷間部側下縁部(27A,27B)の位置は、後述するように連結部(12)の形状等との関係で変動する。
【0022】
左右テープ(21A,21B)の形状は、均等な幅を有する一般的なテープ形状であるが、テープの長さ方向両側にレースが付いて均等幅ではないが略均等な幅を有する伸縮性レースのテープなどを採用することもできる。
左右テープ(21A,21B)の幅は、特に制限されず、紐のように細くてもよいが、細すぎると食い込みがあり、耐久性の面からも好ましくなく、谷間部(3)における圧迫感や、底部(25A,25B)での縫合等を考慮すると、あまり太いものも好ましくない。これらの不具合を考慮すると、左右カップ部(2A,2B)の大きさによっても多少異なるが、1cm程度であるものが好ましい。
【0023】
上部連結部(12)は、クロステープ部(11)の上部でクロステープ部(11)と間隙(15)をあけて左右カップ部(2A,2B)を連結していれば、特に位置や形状は問われない。従って、上部連結部(12)は、谷間部(3)においてクロステープ部(11)の上部の任意の位置で、左右カップ部(2A,2B)を水平方向に結ぶ1本の紐であってもよい。
【0024】
ただし、この上部連結部(12)は、左右カップ部(2A,2B)を安定して連結するために設けられているため、上記紐は伸縮性があってはならず、このような紐を採用する場合には、谷間部(3)における左右カップ部(2A,2B)の上端(13)で結ぶことが最も好ましい。また、上部連結部(12)は、左右カップ部(2A,2B)を安定して連結するためには、紐状よりは、ある程度幅を有することが好ましく、谷間部(3)における左右カップ部(2A,2B)の上端(13)を必ず連結することが好ましい。さらに、幅を有する布を採用する場合にも、左右カップ部(2A,2B)を安定して連結するため、左右カップ部(2A,2B)が連結されている上下方向における少なくともいずれかの箇所において左右方向が伸縮しないようにする必要がある。
【0025】
上部連結部(12)は、図示例では、右連結布(31A)と左連結布(31B)とが谷間部(3)の上部で重ねられ、逆V字状の上部連結部(12)が形成されている。また、図4に示すように、左右連結布(31A,31B)に挟まれて非伸縮性連結布(17)が左右カップ部(2A,2B)を連結している。この非伸縮性連結布(17)は、全く伸縮性がない。この場合、上部連結部(12)は、左右連結布(31A,31B)及び非伸縮性連結布(17)を合わせたものを指す。
右連結布(31A)は、右カップ部(2A)の谷間部(3)側上端から右谷間部側下縁部(27A)までと、左カップ部(2B)の谷間部(3)側上端から、該上端と左谷間部側下縁部(27B)との略中間位置までとが、夫々縫合されている。また、左連結布(31B)は、左カップ部(2B)の谷間部(3)側上端から左谷間部側下縁部(27B)までと、右カップ部(2A)の谷間部(3)側上端(15)から、該上端と右谷間部側下縁部(27A)との略中間位置までとが、夫々縫合され、逆V字状になっている。また、左右連結布(31A,31B)は、わずかに伸縮性のあるメッシュ布であるが、図4に示すように、非伸縮性連結布(17)が左右カップ部(2A,2B)を連結して、この部分が左右方向に伸びないようになっていることにより、上部連結部(12)が、上下方向の少なくともいずれかの箇所(この例では非伸縮性連結布(17)の部分)において左右方向に伸縮しない構成を実現している。
【0026】
なお、非伸縮性連結布(17)を用いることなく、谷間部(3)上端を伸びないように縫い止めるようにしても、上部連結部(12)は、上下方向の少なくともいずれかの箇所(この例では上端部)において左右方向に伸縮しない構成を実現できる。
上部連結部(12)を上記逆V字状に構成することによって、バンド状等に構成する場合に比べ、より圧迫感を生じないようにすることができ、クロステープ部(11)と程よい形状及び大きさの間隙(15)が形成され、充分な通気性を確保することができるとともに、見た目にもバランスのとれたものとすることが可能である。
【0027】
上部連結部(12)に用いられる素材としては、上述のように、左右カップ部(2A,2B)が連結されている上下方向における少なくともいずれかの箇所において左右方向が伸縮しないようにできれば、特に制限されない。上部連結部(12)を構成する左右連結布(31A,31B)には、メッシュ素材を用いることができ、メッシュ素材は、谷間部(3)の通気性を高めることができるので好ましい。また、後述するクロステープ部(11)の伸びとの関係で、若干の伸縮性を有する素材であることが好ましく、また、一方向にのみ伸縮するワンウェイ伸縮布より縦横両方向に自在に伸縮するツーウェイ伸縮布がより好ましい。
また、左右連結布(31A,31B)とともに上部連結部(12)を構成する非伸縮性布は、伸縮性があってはならないので、例えば非伸縮性のマーキーゼット素材を用いることができる。このマーキーゼットは、メッシュ状の編物であり、通気性がある。その他、非伸縮性の織物を使用することもできる。
【0028】
以上のように構成される本発明に係るテープ付ブラジャー(1)の谷間部(3)において、上部連結部(12)の形状等との関係で変動するクロステープ部(11)の取り付け位置について説明する。
図5は、本発明に係るテープ付ブラジャーを斜めに捩る前後の動きを示す状態遷移図である。図6は、図1のテープ付ブラジャーにおけるクロステープ部と上部連結部との位置関係を示す模式図である。図7は、本発明に係るテープ付ブラジャーの実施形態の第2
の例を示す正面図である。図8は、図7の背面図である。図9は、本発明に係るテープ付ブラジャーの実施形態の第3の例におけるクロステープ部と上部連結部との位置関係を示す模式図である。なお、図7〜図9に示した第2及び第3の例のテープ付ブラジャーは、上部連結部(12)の構造以外は、図1に示した第1の例のテープ付ブラジャーと同じであるので、図7〜図9では、図1と同じ構成には同じ符号を付して示す。
【0029】
クロステープ部(11)は、体の動きに対応する左右カップ部(2A,2B)の動きを確保するために設けられる。この動きには両手を広げたときのように左右カップ部(2A,2B)が横方向に離れる動きもあれば、右腕を挙げたときのように右カップ部(2A)が斜め上方向に離れる動きもある。後者のような動きをした場合には、図5に示すように、クロステープ部(11)が捩れることになる。
クロステープ部(11)が図5に示すような動きにも対応するためには、谷間部(3)において、上下方向にある程度の幅を持って構成されていなければならない。即ち、図6に示すように、左右カップ部(2A,2B)の底部(25A,25B)から上端(13)までの距離(H)に対し、クロステープ部(11)の下端から上端までの距離(h)が占める割合が一定以上であることが好ましい。また、上部連結部(12)を設ける空間を確保する必要もある。
【0030】
従って、h/Hを45〜75%とすれば、上部連結部(12)を適当な幅で設けることによって左右カップ部(2A,2B)を安定して連結することができ、充分な幅のクロステープ部(11)によって、捩れる動きにも対応することができる。
なお、図6では、谷間部側下縁部(27A,27B)でクロステープ部(11)と上部連結部(12)とが接し、重なっていないものを例示しているが、上部連結部(12)の逆V字状によってクロステープ部(11)との間に間隙(15)ができれば、図7及び図8に示すように、クロステープ部と上部連結部とが重なる部分があってもよい。図7及び図8に示す第2の例のテープ付ブラジャー(1)では、上部連結部(12)において、左右連結布(31A,31B)と左右テープ(21A,21B)とが、谷間部側下縁部(27A,27B)で重なっている
【0031】
また、上部連結部(42)が逆V字状ではなく、図9に示すような同幅のバンド状である場合には、逆V字状の場合と同様、クロステープ部(11)の谷間部側下縁部(27A,27B)と上部連結部(42)とが接するようにしてもよいが、その場合、上部連結部(42)とクロステープ部(11)との間隙(15)が小さくなるので、クロステープ部(11)の谷間部側下縁部(27A,27B)と上下方向に少し間隔をあけて上部連結部(42)を設けることが好ましい。この場合においても、h及びHは逆V字状の場合と変わりはないので、同様の理由から、h/Hも逆V字状の場合と同様45〜75%が好ましい。
【0032】
左右テープ部(21A,21B)の伸度は、必ずしも限定されるものではないが、上部連結部(12)が左右カップ部(2A,2B)に連結されている上下方向における少なくともいずれかの箇所において左右方向が伸縮しないようにされており、クロステープ部(11)のみが極端に伸びるような動きは考えられないので、あまり高いものは好ましくなく、0〜30%が適当である。なお、伸度30%のテープは、通常の肩紐(5)に用いられている。
ここで、伸度とは、伸長率ともいい、繊維、糸、布地を伸長したときの伸びの割合をいう。伸長していないときの長さをL0、伸長後の長さをLとすると、
伸度(%)=(L−L0)/L0×100
で示される。
【0033】
従って、伸度が0であるということは、伸縮性がないことを意味する。上述のようにクロステープ部(11)は、体の動きに対応する左右カップ部(2A,2B)の動きを確保するために設けられるので、ある程度伸縮性がある方が好ましいが、伸度が0であってもかまわない。なぜなら、クロステープ部(11)において、左右テープ部(21A,21B)が互いに接続されていないため、例えば図5に示したような捩れる動きに対しても、左右テープ部(21A,21B)が左右谷間部側下縁部(27A,27B)の一部分で縫合され、しかもクロスされて間隙(15)が空けられているので、融通性があり、ひきつれたりすることなく、ある程度柔軟に対応することができるからである。
【0034】
また、左右テープ(21A,21B)の伸度が30%付近の場合には、クロスした左右テープ(21A,21B)が適度な伸度を有するので、主に横方向に伸びる力によって、左右方向への谷間部(3)の広がりに対応することができるだけでなく、斜め方向に伸びる力によって、左斜め又は右斜めに捩る身体の動きにも柔軟に対応することができる。なお、左右方向への谷間部(3)の広がりを要する場合としては、呼吸によるバストアンダー部の変化や谷間部(3)の広狭の違い等の体型の違いが挙げられる。
【0035】
このように、適度な伸度を有するクロスしたストレッチテープの引き合う力が、谷間部(3)におけるクロステープ部(11)及び左右カップ部(2A,2B)に運動性を与え、身体の動きに柔軟に対応することができる。
なお、図示例のテープ付ブラジャー(1)は、上述のように、上部連結部(12)における左右連結布(31A,31B)が、わずかに伸縮性のあるメッシュ布であり、谷間部(3)の上端(13)は伸びないように縫い止められているので、この上部連結部(12)におけるわずかに伸縮性がある部分においても、クロステープ部(11)と協働してより柔軟に、斜めに捩る動きに対応することができる。
【0036】
従って、本発明に係るテープ付ブラジャー(1)は、谷間部(3)が、左右カップ部(2A,2B)が連結されている上下方向における少なくともいずれかの箇所において左右方向に伸縮しない上部連結部(12)と、左右の各カップ部(2A,2B)の底部(25A,25B)と、各々反対側のカップ部(2B,2A)の底部(25B,25A)より上に位置する谷間部側下縁部(27B,27A)とに、夫々縫合される左右のテープ(21A,21B)とから構成されるクロステープ部(11)とからなるので、上部連結部(12)によって左右カップ部(2A,2B)を保持する高い安定性がありながら、クロステープ部(11)によって融通性ができて身体を斜め方向に捩るような大きな動きにも追従する自由度も高くすることができる。
即ち、大きな動きにクロステープ部(11)が追従してテープ(21A,21B)が伸びても、上部は安定して動かないので、動きがなくなったときに元の位置に戻ることができ、ずれを防止することができる。
【0037】
また、2本のテープ(21A,21B)が互いに縫合されずクロスしているクロステープ部(11)、及び、クロステープ部(11)と上部連結部(12)との間隙(15)によって、圧迫感が生じないようにすることが可能である。特に、テープ(21A,21B)が伸縮性素材からなることによって、より高い自由度を確保することができる。
これによって、日常生活のいたるところで行われる左斜め又は右斜めに身体を捩る動きにも、心地よく快適にフィットして、いやな下着のズレを解消することができ、特にストラップレスで着用したときのブラジャーのずれを軽減し、安定したフィット性を持続することができる。
しかも、このような効果を奏する連結部(12)及びクロステープ部(11)は、簡易な構成のため、比較的容易に取り付けることができる。
【0038】
本発明において、谷間部(3)以外の部分、即ち、左右カップ部(2A,2B)、脇布(4)、肩紐(5)の形状及び素材等については、特に制限されず、通常のブラジャーにおいて使用される公知の形状及び素材等が好適に使用される。ただし、谷間部(3)において、クロステープ部(11)及び上部連結部(12)を設けるので、左右カップ部(2A,2B)の形状としては、谷間部(3)側にある程度の高さが必要である。従って、図示例のようなハーフカップやフルカップが好ましい。ハーフカップの場合には、肩紐(5)を外すようにすることができる。
【0039】
また、左右カップ部(2A,2B)の下縁部(23A,23B)にワイヤーが入っていると、補整力が高くなるので好ましい。ワイヤーを用いない場合でも、下縁部(23A,23B)は剛性の素材で構成することが好ましい。なお、クロステープ部(11)において、左右テープ(21A,21B)を縫合する底部(25A,25B)の位置を脇よりにし、クロステープ部(11)を左右方向に広めに設けることによって、その底部において左右テープ(21A,21B)がワイヤーの代わりに乳房を固定することができる。
【0040】
さらに、図2に示すように、左右カップ部(2A,2B)を3枚はぎカップで中央へ寄せながらボリュームを斜め上へ持ち上げるパターンとしてプッシュアップ機能を持たせ、クッションパネルを備え、ワイヤーのあたりをソフトにするクッションの役割とバストアップ効果を高めるようにしてもよい。また、脇布(4)には左右カップ部(2A,2B)よりの2箇所とホック取り付け部分よりの2箇所の計4箇所にボーンを入れ、背中側での脇布における歪みやよれを軽減して脇布を安定させることによって着心地をよくすることができる。また、脇布(4)は、正面側布及び背面側布の2枚で構成し、脇布上端とホック部でのみ縫合され、正面側布の下辺、即ちアンダー部をヘム仕上げとし、脇や背中のアンダー部分を押さえつけずに段差をつくらないようにすることができる。背面側布は、ハイゲージパワーネットで構成し、脇布の強度を上げるとともに、この背面側布にボーンを取り付けることによって、正面側にボーンの形状が現れ難くすることができる。さらに、背面側布において、左右カップ部(2A,2B)とカップよりのボーンとの間にメッシュ芯を付けることによってバストのホールド力を高めることができる。
【0041】
このような構成を、本発明に係るテープ付ブラジャーにおける谷間部(3)の構成と組み合わせることによって、安定性があって補整力もありながら、圧迫感がなく、大きな動きにも対応する自由度を確保したストラップレス兼用ブラジャーを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、女性用下着であるブラジャー、特に肩紐を取り外しても使用することができるストラップレス兼用ブラジャー等として好適に使用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係るテープ付ブラジャーの実施形態の第1の例を示す正面図である。
【図2】図1の背面図である。
【図3】図1の中央部を拡大して示す部分拡大図である。
【図4】図3の上部連結部をさらに拡大して示す部分拡大図である。
【図5】本発明に係るテープ付ブラジャーを斜めに捩る前後の動きを示す状態遷移図である。
【図6】図1のテープ付ブラジャーにおけるクロステープ部と上部連結部との位置関係を示す模式図である。
【図7】本発明に係るテープ付ブラジャーの実施形態の第2の例を示す正面図である。
【図8】図7の背面図である。
【図9】本発明に係るテープ付ブラジャーの実施形態の第3の例におけるクロステープ部と上部連結部との位置関係を示す模式図である。
【図10】従来のブラジャーの構成の一例を右斜め方向から見た状態を示す斜視図である。
【図11】従来のブラジャーの構成の他の例を背面左斜め方向から見た状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 テープ付ブラジャー
2A 右カップ部
2B 左カップ部
3 谷間部
4 脇布
5 肩紐
11 クロステープ部
12 上部連結部
15 間隙
21A 右テープ
21B 左テープ
23A 下縁部
23B 下縁部
25A 底部
25B 底部
27A 右谷間部側下縁部
27B 左谷間部側下縁部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右1対のカップ部、これら左右のカップ部を繋ぐ谷間部、及び左右2枚の脇布から構成されるブラジャーであって、
前記谷間部は、上部連結部と、クロステープ部とからなり、
前記上部連結部は、前記クロステープ部の上部において、該クロステープ部と間隙を有して左右カップ部を連結し、かつ、上下方向における少なくともいずれかの箇所で左右方向に伸縮しないように構成され、
前記クロステープ部は、右カップ部の底部と左カップ部の底部より上に位置する左谷間部側下縁部とを連結するように縫合されてなる右テープ、及び、左カップ部の底部と右カップ部の底部より上に位置する右谷間部側下縁部とを連結するように縫合されてなる左テープから構成されていることを特徴とするテープ付ブラジャー。
【請求項2】
前記左右テープが伸縮性素材からなることを特徴とする請求項1記載のテープ付ブラジャー。
【請求項3】
前記上部連結部は、右連結布と左連結布とからなり、
前記右連結布は、右カップ部の谷間部側上端から、前記右谷間部側下縁部までと、左カップ部の谷間部側上端から、該上端と前記左谷間部側下縁部との略中間位置までとを連結するように、夫々縫合され、
前記左連結布は、左カップ部の谷間部側上端から、前記左谷間部側下縁部までと、右カップ部の谷間部側上端から、該上端と前記右谷間部側下縁部との略中間位置までとを連結するように、夫々縫合され、
当該上部連結部が逆V字状になっていることを特徴とする請求項1又は2記載のテープ付ブラジャー。
【請求項4】
前記クロステープ部の下端から上端までの距離は、前記左右カップ部の底部から谷間部上端までの距離に比して45〜75%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のテープ付ブラジャー。
【請求項5】
前記上部連結部がわずかに伸縮性を有するメッシュ素材からなることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のテープ付ブラジャー。
【請求項1】
左右1対のカップ部、これら左右のカップ部を繋ぐ谷間部、及び左右2枚の脇布から構成されるブラジャーであって、
前記谷間部は、上部連結部と、クロステープ部とからなり、
前記上部連結部は、前記クロステープ部の上部において、該クロステープ部と間隙を有して左右カップ部を連結し、かつ、上下方向における少なくともいずれかの箇所で左右方向に伸縮しないように構成され、
前記クロステープ部は、右カップ部の底部と左カップ部の底部より上に位置する左谷間部側下縁部とを連結するように縫合されてなる右テープ、及び、左カップ部の底部と右カップ部の底部より上に位置する右谷間部側下縁部とを連結するように縫合されてなる左テープから構成されていることを特徴とするテープ付ブラジャー。
【請求項2】
前記左右テープが伸縮性素材からなることを特徴とする請求項1記載のテープ付ブラジャー。
【請求項3】
前記上部連結部は、右連結布と左連結布とからなり、
前記右連結布は、右カップ部の谷間部側上端から、前記右谷間部側下縁部までと、左カップ部の谷間部側上端から、該上端と前記左谷間部側下縁部との略中間位置までとを連結するように、夫々縫合され、
前記左連結布は、左カップ部の谷間部側上端から、前記左谷間部側下縁部までと、右カップ部の谷間部側上端から、該上端と前記右谷間部側下縁部との略中間位置までとを連結するように、夫々縫合され、
当該上部連結部が逆V字状になっていることを特徴とする請求項1又は2記載のテープ付ブラジャー。
【請求項4】
前記クロステープ部の下端から上端までの距離は、前記左右カップ部の底部から谷間部上端までの距離に比して45〜75%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のテープ付ブラジャー。
【請求項5】
前記上部連結部がわずかに伸縮性を有するメッシュ素材からなることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のテープ付ブラジャー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−297740(P2007−297740A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−126975(P2006−126975)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(390016850)株式会社カドリールニシダ (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(390016850)株式会社カドリールニシダ (7)
【Fターム(参考)】
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