説明

テープ印刷装置、テープ印刷装置の制御方法、およびプログラム

【課題】はがきや封筒等に予め発送者の情報を印刷する必要性を解消する宛先印刷ラベルを印刷可能なテープ印刷装置、制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】テープ印刷装置1は、宛先を示す第1の文字列の入力を受け付ける第1入力部と、第1入力部が受け付けた第1の文字列に基づいて、宛先を表す第1の画像を生成する第1画像生成部と、発送者の情報を示す第2の文字列の入力を受け付ける第2入力部と、第2入力部が受け付けた第2の文字列に基づいて、発送者の情報を表す第2の画像を生成する第2画像生成部と、第1の画像および第2の画像をテープ状部材に印刷する印刷部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ印刷装置、テープ印刷装置の制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、郵便番号や住所、名前等の宛先情報を印刷できるテープ印刷装置が知られている。例えば、カスタマーバーコードを生成してそれを含む宛先印刷を行う宛先印刷装置が開示されている(例えば、特許文献1)。一方、文字列情報等を記憶可能な2次元コードをテープ状部材に印刷するテープ印刷装置が開示されている(例えば、特許文献2)。
また、はがきや封筒等の送付物に、発送者の住所等の情報を予め印刷することがあった。さらに、発送者が企業である場合は、はがきや封筒等の送付物に、その企業情報や広告情報が掲載されたウェブページのURL情報を印刷されていることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−237692号公報
【特許文献2】特開2009−18430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなテープ印刷装置においては、送付先の住所や名前等の宛名情報の印刷と、発送者の住所や名前等の宛名情報と企業情報等のURL情報の印刷は、別々に印刷をする必要があり操作が煩雑となってしまっていた。
さらに、はがきや封筒等の送付物に、発送者の住所等の情報を印刷してしまうと、発送者の住所等が変更になった場合には、その情報が古い情報となってしまい、そのはがきや封筒を使用できなくなるという問題があった。また、企業情報や広告情報等の様々なウェブページのURLは変更されることが多いため、はがきや封筒に印刷してしまうと、すぐに古い情報となってしまうこともあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係るテープ印刷装置は、入力された文字列に基づいた画像を、送付物に貼付するためのテープ状部材に印刷するテープ印刷装置であって、宛先を示す第1の文字列の入力を受け付ける第1入力部と、前記第1入力部が受け付けた前記第1の文字列に基づいて、前記宛先を表す第1の画像を生成する第1画像生成部と、発送者の情報を示す第2の文字列の入力を受け付ける第2入力部と、前記第2入力部が受け付けた前記第2の文字列に基づいて、前記発送者の情報を表す第2の画像を生成する第2画像生成部と、前記第1の画像および前記第2の画像を前記テープ状部材に印刷する印刷部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このようなテープ印刷装置によれば、第1入力部は、宛先を示す第1の文字列の入力を受け付ける。第1画像生成部は、第1の文字列に基づいて、宛先を表す第1の画像を生成する。第2入力部は、発送者の情報を示す第2の文字列の入力を受け付ける。第2画像生成部は、第2の文字列に基づいて、発送者の情報を表す第2の画像を生成する。印刷部は、第1の画像および第2の画像をテープ状部材に印刷する。つまり、テープ印刷装置は、宛先および発送者の情報を示す文字列を受け付けて、宛先に基づく画像および発送者の情報に基づく画像を生成し、これらの画像をテープ状部材に印刷する。これにより、はがきや封筒等の送付物に貼付するテープ状部材に、宛先の画像だけでなく発送者の情報の画像を印刷することができる。よって、はがきや封筒等の送付物に予め発送者の情報を印刷する必要性が解消されるため、有益である。また、発送者は、簡易な方法で発送者の情報を常に新しい情報として入力できる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係るテープ印刷装置において、所定の入力操作を受け付ける操作受付部と、前記所定の入力操作に基づいて、前記印刷部に前記第2の画像を前記テープ状部材に印刷させるか否かを選択する印刷選択部と、をさらに有することを特徴とする。
【0009】
このようなテープ印刷装置によれば、印刷選択部は、所定の入力操作に基づいて、印刷部に第2の画像をテープ状部材に印刷させるか否かを選択する。これにより、ユーザーは、発送者の情報をテープ状部材に印刷させるか否かを選択することが可能になり、簡易な方法で発送者の情報を印刷することができ、利便性が向上する。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係るテープ印刷装置において、前記発送者の情報を表す前記第2の画像は、2次元コードの画像であることを特徴とする。
【0011】
このようなテープ印刷装置によれば、第2の画像は、2次元コードの画像である。これにより、発送者の情報が、2次元コードによって表されるため、少ない印刷面積で多くの情報を伝達することが可能になる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係るテープ印刷装置において、前記2次元コードの画像は、QRコード(登録商標)の画像であることを特徴とする。
【0013】
このようなテープ印刷装置によれば、第2の画像は、QRコードの画像である。これにより、発送者の情報が、QRコードによって表されるため、少ない印刷面積で多くの情報を伝達することが可能になる。また、QRコードは、数字、英数字、漢字、バイナリーのデータを扱うことが可能で、多くの文字数を表現することができるため、様々な情報を発送者の情報として伝達することが可能となり、有益である。
【0014】
[適用例5]本適用例に係るテープ印刷装置の制御方法は、入力された文字列に基づいた画像を、送付物に貼付するためのテープ状部材に印刷するテープ印刷装置の制御方法であって、宛先を示す第1の文字列の入力を受け付ける第1入力ステップと、前記第1入力ステップによって受け付けた前記第1の文字列に基づいて、前記宛先を表す第1の画像を生成する第1画像生成ステップと、発送者の情報を示す第2の文字列の入力を受け付ける第2入力ステップと、前記第2入力ステップによって受け付けた前記第2の文字列に基づいて、前記発送者の情報を表す第2の画像を生成する第2画像生成ステップと、前記第1の画像および前記第2の画像を前記テープ状部材に印刷する印刷ステップと、を備えることを特徴とする。
【0015】
このようなテープ印刷装置の制御方法によれば、テープ印刷装置は、宛先および発送者の情報を示す文字列を受け付けて、宛先に基づく画像および発送者の情報に基づく画像を生成し、これらの画像をテープ状部材に印刷する。これにより、はがきや封筒等の送付物に貼付するテープ状部材に、宛先の画像だけでなく発送者の情報の画像を簡易な操作で印刷することができる。
【0016】
[適用例6]本適用例に係るプログラムは、コンピューターに、上記適用例に記載のテープ印刷装置の制御方法における各ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
【0017】
このようなプログラムをコンピューターに実行させることにより、テープ印刷装置は、宛先および発送者の情報を示す文字列を受け付けて、宛先に基づく画像および発送者の情報に基づく画像を生成し、これらの画像をテープ状部材に印刷する。これにより、はがきや封筒等の送付物に貼付するテープ状部材に、宛先の画像だけでなく発送者の情報の画像を簡易な操作で印刷することができる。
【0018】
また、上記形態及び上記適用例は、上記プログラムをコンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体等の態様で構成することも可能である。記録媒体としては、フレキシブルディスクやハードディスク、CDやDVD等の光ディスク、光磁気ディスク、不揮発性の半導体メモリーを搭載したメモリーカードやUSBメモリー、画像生成装置の内部記憶装置(RAMやROM等の半導体メモリー)等、前記コンピューターが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態のテープ印刷装置を示す斜視図。
【図2】実施形態のテープ印刷装置を示す斜視図。
【図3】テープ印刷装置の回路構成を示すブロック図。
【図4】テープ印刷装置の送付情報入力状態における表示部の画面を表す説明図であり、(a)は、宛先を入力させる画面を表す説明図、(b)は、QRコードの用途を選択させる画面を表す説明図、(c)は、QRコードの文字列を入力させる画面を表す説明図、(d)は、コメントの文字列を入力させる画面を表す説明図。
【図5】テープ印刷装置の宛先印刷状態における宛先印刷実行確認画面を表す説明図。
【図6】宛先印刷処理を説明するためのフローチャート。
【図7】QRコードの印刷選択画面の説明図。
【図8】宛先印刷がなされたラベルを示す平面図であり、(a)はQRコードが印刷された宛先印刷ラベルの平面図、(b)は、QRコードが印刷されていない宛先印刷ラベルの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、入力された文字列に基づいた画像を、送付物に貼付するためのテープ状部材(以降、「テープ」と呼ぶ)に印刷するテープ印刷装置について図面を参照して説明する。
【0021】
図1および図2は、本実施形態のテープ印刷装置を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、テープ印刷装置1は、本体が筐体10に収容された構成を有しており、筐体10の上面手前側には、キーボード11が備えられている。キーボード11は、文字列の入力等、ユーザーによる各種入力操作を受け付ける入力部であり、仮名、漢字、アルファベット、数字、および記号等からなる文字列を入力可能な多数の文字キーと、テープ印刷装置1に対して各種動作を指示するための複数の制御キーとを有している。キーボード11が備える制御キーには、電源のオンとオフとを切り替えるための電源キー、入力した仮名を漢字に変換するための変換キー、入力した文字列等を確定させるための決定キー、カーソルの移動等に用いられるカーソルキー、印刷を実行させるための印刷キー、宛先入力を行うための宛先入力キー、宛先印刷を実行させるための宛先印刷キー等が含まれる。
【0022】
筐体10の上面奥側には、液晶表示装置等からなる表示部12が備えられている。表示部12は、マトリクス状に配列された多数の画素で画像を形成するものであり、キーボード11から入力された文字の表示や、メニュー画面やメッセージ画面の表示等に用いられる。
【0023】
筐体10の上面奥側には、表示部12に隣接して、テープカートリッジ2を装着するための凹部13が形成されている。凹部13の開口部上には、開閉蓋14が開閉可能に備えられており、開閉蓋14を開放状態にすることによって、テープカートリッジ2を着脱することが可能となる。また、開閉蓋14には、透光性を有する確認窓14aが備えられており、凹部13にテープカートリッジ2が装着されているか否かを外部から視認可能になっている。凹部13の底面には、サーマルヘッド15や、搬送機構16(図3参照)を構成する回転軸16a,16bが設けられており、凹部13にテープカートリッジ2を装着すると、テープカートリッジ2に設けられた孔状のヘッド嵌合部21にサーマルヘッド15が嵌合するとともに、孔状の被駆動部22a,22bに回転軸16a,16bがそれぞれ係合する。
【0024】
テープカートリッジ2には、カートリッジケース20の内部に、ともに帯状のテープTとインクリボンRとが内蔵されている。テープTは、テープ印刷装置1の印刷媒体であり、PET(ポリエチレンテレフタレート)或いは紙材等からなる基材の裏面に接着剤層が形成され、それが剥離紙によって覆われた構成になっている。テープ印刷装置1は、テープTの幅や素材(基材の材質)、色等が異なる複数種類のテープカートリッジ2に対応可能であり、ユーザーは、用途や好みに応じたテープカートリッジ2を使用することができる。なお、テープカートリッジ2の裏面には、内蔵するテープTを識別するための複数の孔(図示せず)が設けられており、テープ印刷装置1は、凹部13の底面に備えられたマイクロスイッチ等の識別センサー19(図3参照)によって、装着されたテープカートリッジ2のテープ種別を識別することができる。
【0025】
テープカートリッジ2を凹部13に装着すると、テープTの表面は、ヘッド嵌合部21において、インクリボンRを介してサーマルヘッド15と対向する。サーマルヘッド15には、テープTの長手方向(搬送方向)と直交する方向に1列に配列された多数の発熱素子(図示せず)が形成されており、各発熱素子を選択的に発熱させることにより、インクリボンRのインクがテープTの表面に転写(熱転写)される。つまり、テープTの表面には、発熱した発熱素子に対応する位置にドットが形成される。ここで、回転軸16a,16bを回転駆動すると、テープTとインクリボンRは搬送されて、テープTはカートリッジケース20の外部に排出され、インクリボンRはカートリッジケース20の内部で巻き取られる。そして、テープTとインクリボンRとを少しずつ搬送しながら上記の熱転写を繰り返すことにより、複数のドットで構成される画像がテープTの表面に印刷される。
【0026】
筐体10の側面には、筐体10の外部と凹部13とを連通するスリット17が設けられており、カートリッジケース20から排出された印刷済みのテープTは、スリット17を通って筐体10の外部に向けて所定量だけ搬送される。筐体10の内部には、スリット17を横断するテープTを切断するためのカッターユニット18が配設されており、テープTの印刷済みの部位は、このカッターユニット18によって切り離され、テープ片(ラベル)としてスリット17の開口部(テープ排出口)から排出される。
【0027】
図3は、テープ印刷装置1の回路構成を示すブロック図である。
図3に示すように、テープ印刷装置1は、上述したキーボード11、表示部12、サーマルヘッド15、回転軸16a,16b(図2参照)を含む搬送機構16、カッターユニット18、識別センサー19の他に、テープ印刷装置1の動作を統括制御する制御部30、表示部12に画像を表示させる表示駆動部41、サーマルヘッド15を発熱駆動するヘッド駆動部42、搬送機構16を駆動する搬送駆動部43、カッターユニット18を駆動するカッター駆動部44等を備えている。
【0028】
制御部30は、コンピューターとして機能するものであり、互いにバス30aを介して接続されたCPU(Central Processing Unit)31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、CGROM(キャラクタージェネレーターROM)34、入力インターフェイス(I/F)35、出力インターフェイス(I/F)36等を有している。
【0029】
CPU31は、ROM33に記憶されている制御プログラムに従って動作し、テープ印刷装置1全体の各種動作を制御する。
【0030】
RAM32は、揮発性の記憶装置で構成された記憶部であり、CPU31の各種処理結果や、キーボード11から入力された文字コード列、表示部12に表示させる表示画像データ、サーマルヘッド15に印刷させる印刷画像データ等を一時的に記憶する。また、文字コード列によって構成される文書データや宛先データ等も記憶する。なお、これらの文書データや宛先データ等は、不揮発性の記憶装置であるフラッシュメモリー等に記憶してもよい。
【0031】
ROM33およびCGROM34は、マスクROMやフラッシュメモリー等の不揮発性の記憶装置で構成された記憶部であり、ROM33には、上述した制御プログラムや各種データ等が記憶されている。また、ROM33には、株式会社デンソーウェーブにより供給され、QRコードの画像データを生成するためのQRコード生成プログラム33aが記憶されており、QRコードを含む宛先印刷の際に実行される。
【0032】
CGROM34には、テープ印刷装置1で印刷可能な文字のフォントデータが記憶されている。フォントデータは、サーマルヘッド15に印刷させる文字や、表示部12に表示させる文字を生成するためのビットマップ形式のデータである。ビットマップ形式のフォントデータは多数のドットで構成されており、各ドットはサーマルヘッド15の発熱素子や表示部12の画素に対応する。CGROM34には、複数のフォントのフォントデータが記憶されており、CPU31は、フォントの種別、文字サイズおよび文字コードを指定することによって、対応するフォントデータをCGROM34から取得し、このフォントデータを用いて表示画像データおよび印刷画像データを形成する。なお、フォントデータとしては、種々の文字サイズに対応させやすいアウトライン形式のフォントデータを用いるようにしてもよい。
【0033】
入力インターフェイス35には、キーボード11および識別センサー19が接続されている。ユーザーによりキーボード11が操作されると、キーボード11は、この操作を受け付けて、操作されたキーに対応するキー情報を、入力インターフェイス35を介してCPU31に出力する。ここで、キーボード11、入力インターフェイス35、およびCPU31が操作受付部に相当する。また、識別センサー19は、装着されたテープカートリッジ2のテープ種別に応じた識別情報を、入力インターフェイス35を介してCPU31に出力する。
【0034】
出力インターフェイス36には、表示駆動部41、ヘッド駆動部42、搬送駆動部43、およびカッター駆動部44が接続されており、これらは、CPU31の制御に基づいて、表示部12、サーマルヘッド15、搬送機構16、およびカッターユニット18をそれぞれ駆動する。
【0035】
上記のように構成されたテープ印刷装置1において、ユーザーにより電源キーが操作されると、テープ印刷装置1は、動作を開始し、文字キーによる文字の入力や、制御キーによる各種指示が可能な状態となる。
【0036】
ここで、ユーザーにより文字キーが操作されて文字が入力されると、キーボード11は、この入力を受け付けて制御部30にキー情報を出力する。制御部30は、キーボード11から入力されるキー情報に基づいて、入力された文字の文字コードを特定し、この文字コードをRAM32に記憶する。そして、この文字コードに対応するフォントデータをCGROM34から取得し、このフォントデータを用いて表示画像データを形成する。制御部30がこの表示画像データを表示駆動部41に供給すると、入力された文字が表示部12に表示される。そして、ユーザーが文字の入力を複数回繰り返せば、RAM32には、複数の文字コードを含んだ文字コード列(テキストデータ)が記憶され、表示部12には、複数の文字からなる文字列が表示される。
【0037】
文字(文字列)が入力された後、ユーザーにより印刷キーが操作されると、テープ印刷装置1は、印刷処理を実行する。
【0038】
ここで、本実施形態のテープ印刷装置1は、宛先の文字列(宛先の情報)を入力する「宛先入力」、および宛先の文字列に基づいた画像をテープTに印刷する「宛先印刷」を行うことが可能になっている。さらに、テープ印刷装置1は、宛先の情報に加えて、発送者の情報を入力可能とし、その発送者の情報をQRコードの画像としてテープTに印刷することが可能になっている。
【0039】
まず、宛先情報の入力および発送者情報の入力について説明する。本実施形態では、キーボード11に備わる「宛先入力キー」が押下されると、宛先情報の入力および発送者情報の入力を受け付ける送付情報入力状態に移行する。
図4は、テープ印刷装置1の送付情報入力状態における表示部12の画面を表す説明図である。ここで、図4(a)は、宛先を入力させる画面を表す説明図、図4(b)は、QRコードの用途を選択させる画面を表す説明図、図4(c)は、QRコードの文字列を入力させる画面を表す説明図、図4(d)は、コメントの文字列を入力させる画面を表す説明図である。
【0040】
図4(a)は、ユーザーに宛先を入力させる宛先入力画面G1である。宛先入力画面G1の最上部には、宛先入力画面であることを表す「宛先入力」の文字列が表示されている。その下には、順番に、「郵便番号」、「住所」、「会社」、「氏名」の文字列が表示されており、「郵便番号」、「住所」、「会社」、「氏名」の右側には、ユーザーが文字列を入力する文字列入力欄がそれぞれ設けられている。ユーザーが、キーボード11を用いて文字列入力欄に宛先となる任意の文字列を入力すると、制御部30は入力された文字列をRAM32に宛先データとして記憶する。このときのキーボード11および制御部30が第1入力部に相当し、宛先となる任意の文字列が第1の文字列に相当する。
【0041】
図4(b)は、ユーザーにQRコードの用途を選択させるQRコード用途選択画面G2である。本実施形態では、QRコード用途選択画面G2は、宛先入力画面G1の入力が完了すると表示され、発送者の情報を入力するために表示されるものとする。QRコード用途選択画面G2の最上部には、QRコード用途選択画面であることを表す「QRコード用途選択」の文字列が表示されている。その下には、順番に、「一般」および「URL」の文字列が表示されている。ユーザーは、キーボード11に備わるカーソルキーを押下し、さらに決定キーを押下することで、「一般」または「URL」のいずれか一方を選択することができる。ここで、任意の文字列のQRコードを生成する場合には「一般」を選択し、ウェブページのURLの文字列のQRコードを生成する場合には「URL」を選択する。なお、選択中の項目は、白黒反転した文字で表示される。
【0042】
図4(c)は、ユーザーにQRコードを入力させるQRコード入力画面G3である。このQRコード入力画面G3は、QRコードの用途として「URL」が選択された際に表示される画面である。QRコード入力画面G3の最上部には、QRコード入力画面であることを表す「QRコード入力」の文字列が表示されている。その下には、「URL」の文字列が表示されており、その右側には、ユーザーが文字列を入力する文字列入力欄が設けられている。ユーザーが、キーボード11を用いて文字列入力欄にウェブページのURLである任意の文字列を入力すると、制御部30は入力された文字列をRAM32にQRコードデータとして記憶する。このときのキーボード11および制御部30が第2入力部に相当し、ウェブページのURLである任意の文字列が第2の文字列に相当する。
【0043】
図4(d)は、QRコードの付加情報であるコメントを入力させるコメント入力画面G4である。コメントとは、QRコードに付随して印刷される文字列である。本実施形態では、コメント入力画面G4は、QRコード入力画面G3の入力が完了すると表示されるものとする。コメント入力画面G4の最上部には、コメント入力画面であることを表す「コメント入力」の文字列が表示されている。その下には、「コメント」の文字列が表示されており、その右側には、ユーザーが文字列を入力する文字列入力欄が設けられている。ユーザーが、文字列入力欄にコメントとなる任意の文字列を入力すると、入力された文字列はRAM32にコメントデータとして記憶される。
【0044】
上述したように、テープ印刷装置1は、送付情報入力状態の宛先入力画面G1、QRコード用途選択画面G2、QRコード入力画面G3、およびコメント入力画面G4において、文字列の入力が行われると、宛先、QRコード、およびコメントの文字列をRAM32に記憶させることができる。本実施形態では、複数の宛先データ、QRコードデータ、およびコメントデータの記憶を可能とする。宛先データ、QRコードデータ、およびコメントデータの文字列が記憶された状態において、宛先印刷が実行されると、テープ印刷装置1は、宛先の文字列、QRコード、およびコメントの文字列をテープTに印刷することができる。
【0045】
次に、宛先印刷について説明する。本実施形態では、ユーザーによって所望の宛先データが選択されている状態で、キーボード11に備わる「宛先印刷キー」が押下されると、テープ印刷装置1は、宛先印刷実行確認画面を表示して宛先印刷状態に移行する。
【0046】
図5は、テープ印刷装置1の宛先印刷状態における宛先印刷実行確認画面G5を表す説明図である。宛先印刷実行確認画面G5の最上部には、宛先印刷実行確認画面であることを表す「宛先印刷」の文字列が表示されている。その下には、「印刷実行?」の文字列が白黒反転表示されている。ユーザーは、キーボード11に備わる「決定キー」を押下することで、宛先印刷を実行することができる。
【0047】
宛先印刷実行確認画面G5において、ユーザーによって宛先印刷が実行されると、テープ印刷装置1は、図6に示す処理(フローチャート)を実行する。
図6は、宛先印刷処理を説明するためのフローチャートである。図6を用いて、宛先印刷処理を説明する。
【0048】
ユーザーによって印刷が実行されると、制御部30は、表示駆動部41にQRコードの印刷選択画面を表示させる(ステップS101)。そして、制御部30は、キーボード11に備わる決定キーが押下されたか否かを判断する(ステップS102)。ここで、QRコードの印刷選択画面とは、QRコードを印刷するか否かをユーザーに選択させ、決定させるための画面である。
【0049】
図7は、QRコードの印刷選択画面G6の説明図である。図7に示すように、印刷選択画面G6の最上部には、「宛先印刷」の文字列が表示されている。その下には、順番に、「QRコード印刷する」および「QRコード印刷しない」の文字列が表示されている。ユーザーは、キーボード11に備わるカーソルキーを押下し、さらに決定キーを押下することで、「QRコード印刷する」または「QRコード印刷しない」のいずれか一方を選択し、決定することができる。なお、選択中の項目は、白黒反転した文字で表示される。
【0050】
図6に戻り、決定キーが押下されていなければ(ステップS102:NO)、制御部30は、カーソルキーが押下されたか否かを判断する(ステップS103)。カーソルキーが押下されていれば(ステップS103:YES)、制御部30は、QRコードの印刷選択画面G6の選択項目を切り替える(ステップS104)。そして、ステップS102に移行する。カーソルキーが押下されていなければ(ステップS103:NO)、ステップS102に移行する。
【0051】
決定キーが押下されていれば(ステップS102:YES)、制御部30は、「QRコード印刷する」が選択されたか否かを判断する(ステップS105)。「QRコード印刷する」が選択されていれば(ステップS105:YES)、制御部30は、ROM33に記憶されているQRコード生成プログラム33aを実行し、QRコード入力画面G3で入力され、RAM32に記憶されているQRコードデータに基づいたQRコードの画像データを生成して、RAM32に記憶する(ステップS106)。このときの制御部30が第2画像生成部に相当する。また、決定キーの押下が所定の入力操作に相当する。
【0052】
制御部30は、コメント入力画面G4で入力され、RAM32に記憶されているコメントデータに基づいたコメントの文字列の画像データを生成する(ステップS107)。具体的には、制御部30は、コメントデータに対応するフォントデータをCGROM34から取得して、コメントの文字列の画像データを形成し、RAM32に記憶する。
【0053】
制御部30は、宛先入力画面G1で入力され、RAM32に記憶されている宛先データに基づいた宛先の文字列の画像データを生成する(ステップS108)。具体的には、制御部30は、宛先データに対応するフォントデータをCGROM34から取得して、宛先の文字列の画像データを形成し、RAM32に記憶する。このときの制御部30が第1画像生成部に相当し、宛先の文字列の画像データが第1の画像に相当する。
【0054】
制御部30は、RAM32にそれぞれ記憶された宛先の文字列の画像データ、コメントの文字列の画像データ、およびQRコードの画像データを、所定の配置に従って組み合わせて、宛先印刷用の印刷画像データを生成する(S109)。なお、本実施形態では、宛先印刷用の所定の配置は、装着されているテープカートリッジ2のテープ幅によって予め決定されているものとする。
【0055】
制御部30は、生成された宛先印刷用の印刷画像データをテープTに印刷する(ステップS110)。具体的には、制御部30は、印刷画像データに基づいて、ヘッド駆動部42および搬送駆動部43にそれぞれサーマルヘッド15および搬送機構16を駆動させ、印刷画像データに応じた画像をテープTに印刷させる。その後、制御部30が、カッター駆動部44にカッターユニット18を駆動させると、テープTは切断され、宛先の文字列、コメントの文字列、およびQRコードが印刷されたラベルが完成する。そして、テープ印刷装置1の宛先印刷処理を終了する。このときの制御部30、ヘッド駆動部42、搬送駆動部43、サーマルヘッド15、および搬送機構16が印刷部に相当する。
【0056】
「QRコード印刷する」が選択されていなければ(ステップS105:NO)、制御部30は、宛先入力画面G1で入力され、RAM32に記憶されている宛先データに基づいた宛先の文字列の画像データを生成する(ステップS111)。具体的には、制御部30は、宛先データに対応するフォントデータをCGROM34から取得して、宛先の文字列の画像データを形成し、RAM32に記憶する。
【0057】
制御部30は、RAM32に記憶された宛先の文字列の画像データを、所定の配置に従って配置し、宛先印刷用の印刷画像データを生成する(ステップS112)。そして、ステップS110に移行して、印刷画像データに応じた画像をテープTに印刷する。そして、テープ印刷装置1の宛先印刷処理を終了する。
【0058】
なお、「QRコード印刷する」が選択されたか否か(ステップS105)に応じて、QRコードの画像データを印刷する処理(ステップS106以降の処理)、またはQRコードの画像データを印刷しない処理(ステップS111以降の処理)に切り替えるための制御を行う制御部30が、印刷選択部に相当する。
【0059】
上述したように、テープ印刷装置1は、宛先印刷として、宛先の文字列、発送者の情報としてのコメントの文字列、およびQRコードをテープTに印刷することが可能である。また、発送者の情報(コメントの文字列およびQRコード)を印刷しないことも可能である。
【0060】
次に、宛先印刷がなされたテープT(ラベル)について説明する。
図8は、宛先印刷がなされたラベルを示す平面図である。ここで、図8(a)はQRコードが印刷された宛先印刷ラベルの平面図であり、図8(b)は、QRコードが印刷されていない宛先印刷ラベルの平面図である。
【0061】
図8(a)に示すように、QRコードが印刷された宛先印刷ラベルL1は、図示左側の上部から順に、宛先入力画面G1で入力された郵便番号、住所、会社、および氏名が印刷されている。そして、図示右側には、コメント入力画面G4で入力されたコメントと、QRコード入力画面G3で入力されたURLに基づくQRコードが印刷されている。この印刷されたコメントとQRコードが第2の画像に相当する。
【0062】
図8(b)には、QRコードが印刷されていない宛先印刷ラベルL2が示されている。宛先印刷ラベルL2は、宛先印刷ラベルL1と同様に郵便番号、住所、会社、および氏名が印刷されているが、第2の画像であるコメントおよびQRコードは印刷されていない。
【0063】
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)テープ印刷装置1は、宛先の文字列の入力と、発送者の情報としてのQRコードの文字列の入力とを受け付ける。そして、宛先の画像データとQRコードの画像データとをそれぞれ生成し、これらの画像データを所定の配置に従って組み合わせた印刷画像データをテープTに印刷する。これにより、はがきや封筒等の送付物に貼付するテープTに、宛先の情報だけでなく発送者の情報であるQRコードを印刷することができる。よって、はがきや封筒等の送付物に発送者の情報を印刷しておく必要性が解消されるため、有益である。また、QRコード(発送者の情報)は、都度変更することが可能であるため、発送者の情報を常に新しい情報にすることが可能になる。
【0064】
(2)テープ印刷装置1は、QRコードの印刷選択画面G6を表示部12に表示させて、QRコードをテープTに印刷させるか否かをユーザーに選択させることができる。これにより、ユーザーは、必要に応じてQRコード(発送者の情報)をテープTに印刷させるか否かを選択することができ、簡易な方法で発送者の情報の添付が可能となる。
【0065】
(3)テープ印刷装置1は、発送者の情報がQRコードとして印刷される。これにより、少ない印刷面積で多くの情報を伝達することが可能になる。また、QRコードは、数字、英数字、漢字、バイナリーのデータを扱うことが可能で、多くの文字数を表現することができるため、様々な情報を発送者の情報として伝達することが可能となり、有益である。
【0066】
(4)テープ印刷装置1は、QRコードの付加情報としてコメントの文字列を入力し、印刷することができる。これにより、送付物を受け取った受信者は、コメントを読み取ることによって、QRコードの概要等を把握することができるため、利便性が向上する。
【0067】
なお、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良等を加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
【0068】
(変形例1)上記実施形態では、テープ印刷装置1は、発送者の情報をQRコードとして印刷するものとしたが、これに限定するものではない。例えば、発送者の情報はQRコード以外の2次元コードとしてもよい。また、発送者の情報は文字列等としてもよい。
【0069】
(変形例2)上記実施形態では、テープ印刷装置1は、QRコードはウェブページのURLの文字列を表すものとしたが、任意の文字列のQRコードを生成してもよい。こうすれば、様々な情報を送付物を受け取る受信者に通知することができる。
【0070】
(変形例3)上記実施形態では、宛先印刷状態において、QRコードの印刷選択画面G6を表示して、QRコードを印刷するか否かをユーザーに選択させるものとしたが、送付情報入力状態において、宛先を入力させた後(または、宛先を入力させる前でもよい)で、QRコードを印刷するか否かをユーザーに選択させてもよい。
【0071】
(変形例4)上記実施形態では、テープ印刷装置1は、QRコード用途選択画面G2、QRコード入力画面G3、およびコメント入力画面G4を、宛先入力画面G1に続いて表示して、ユーザーに発送者の情報を入力させるものとした。しかし、テープ印刷装置1は、QRコード用途選択画面G2、QRコード入力画面G3、およびコメント入力画面G4を、宛先入力画面G1とは関連しない独立した画面として表示して、ユーザーに発送者の情報を入力させるものとしてもよい。こうすれば、宛先入力毎に発送者の情報(QRコード)を入力する必要がなくなる。また、宛先の情報と発送者の情報とを自在に組み合わせることが可能になるため、利便性が向上する。
【0072】
(変形例5)上記実施形態では、ユーザーが、宛先入力キーを押下して宛先の情報および発送者の情報を入力しておき、さらに宛先印刷キーを押下することで宛先印刷が実行されるものとした。しかし、ユーザーがキーボード11に備わる所定のキーを押下することで、宛先の情報の入力、発送者の情報の入力、および宛先印刷の実行を連続したステップとして実行できるものとしてもよい。
【0073】
(変形例6)上記実施形態では、テープ印刷装置1が印刷した宛先印刷ラベルL1には、QRコードは図8(a)の図面視右側に印刷されているが、これに限定するものではない。例えば、図面視下側や図面視上側、図面視左側等としてもよい。
【0074】
(変形例7)上記実施形態では、テープTに文字等を印刷するための印刷方式として、サーマルヘッド15による熱転写方式を用いているが、この方式に限られず、インク滴を吐出するインクジェット方式等、他の印刷方式を用いてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…テープ印刷装置、2…テープカートリッジ、10…筐体、11…キーボード、12…表示部、30…制御部、31…CPU、32…RAM、33…ROM、33a…QRコード生成プログラム、34…CGROM、G1…宛先入力画面、G2…QRコード用途選択画面、G3…QRコード入力画面、G4…コメント入力画面、G5…宛先印刷実行確認画面、G6…QRコードの印刷選択画面、T…テープ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された文字列に基づいた画像を、送付物に貼付するためのテープ状部材に印刷するテープ印刷装置であって、
宛先を示す第1の文字列の入力を受け付ける第1入力部と、
前記第1入力部が受け付けた前記第1の文字列に基づいて、前記宛先を表す第1の画像を生成する第1画像生成部と、
発送者の情報を示す第2の文字列の入力を受け付ける第2入力部と、
前記第2入力部が受け付けた前記第2の文字列に基づいて、前記発送者の情報を表す第2の画像を生成する第2画像生成部と、
前記第1の画像および前記第2の画像を前記テープ状部材に印刷する印刷部と、
を備えることを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載のテープ印刷装置であって、
所定の入力操作を受け付ける操作受付部と、
前記所定の入力操作に基づいて、前記印刷部に前記第2の画像を前記テープ状部材に印刷させるか否かを選択する印刷選択部と、
をさらに有することを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のテープ印刷装置であって、
前記発送者の情報を表す前記第2の画像は、2次元コードの画像であることを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項4】
請求項3に記載のテープ印刷装置であって、
前記2次元コードの画像は、QRコードの画像であることを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項5】
入力された文字列に基づいた画像を、送付物に貼付するためのテープ状部材に印刷するテープ印刷装置の制御方法であって、
宛先を示す第1の文字列の入力を受け付ける第1入力ステップと、
前記第1入力ステップによって受け付けた前記第1の文字列に基づいて、前記宛先を表す第1の画像を生成する第1画像生成ステップと、
発送者の情報を示す第2の文字列の入力を受け付ける第2入力ステップと、
前記第2入力ステップによって受け付けた前記第2の文字列に基づいて、前記発送者の情報を表す第2の画像を生成する第2画像生成ステップと、
前記第1の画像および前記第2の画像を前記テープ状部材に印刷する印刷ステップと、
を備えることを特徴とするテープ印刷装置の制御方法。
【請求項6】
コンピューターに、請求項5に記載のテープ印刷装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−116022(P2011−116022A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275224(P2009−275224)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】