説明

テープ印刷装置及びラベル作成方法

【課題】 文字の黒字率を基にその縮小率を設定することで、バランス良く文字列を印刷して、常に見やすいラベルを作成することのできるテープ印刷装置及びラベル作成方法を提供する。
【解決手段】 テープ印刷装置は、印刷層と剥離層を積層して成る印刷テープに文字等の印刷を行い、その印刷テープの印刷された部分を切断して、貼付対象物に貼り付けるラベルを作成するラベル作成機能を有するテープ印刷装置において、入力手段と、印刷領域の寸法を設定するブロック指定手段と、前記入力手段により入力された初期設定サイズの文字列の長さが、前記印刷領域の長さよりも長くなった場合に、隣り合う文字同士を近接させて文字列の長さを短くする近接手段と、前記近接手段により決定された文字列の長さが、前記印刷領域の長さよりも長い場合に、前記入力文字の黒字率を算出する黒字率算出手段と、当該文字の黒字率が低い文字程、前記黒字率が高い文字よりも縮小率を高く設定する縮小率設定手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、文字や模様等をテープに印刷してラベルを作成するテープ印刷装置及びラベル作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め定められた長さの印刷領域内に文字(記号や絵文字などを含む)や図柄、絵柄などの模様等をバランス良く印刷するために、使用者が文字のサイズ(縦幅及び横幅)や隣り合う文字同士の間隔を適宜手動で設定してから印刷をさせていた。しかしながら、予め定められた長さの印刷領域内にバランス良く文字等を印刷するために、文字のサイズや文字間隔を設定するのは手間がかかり、非常に煩わしいという問題点があった。
【0003】
そこで、使用者が文字のサイズや文字間隔を手動で設定することなく、テープ印刷装置が入力された文字のサイズや文字間隔を自動で設定して、例えば、ビデオカセットやコンパクトカセットの背ラベルのように予め定められた長さの印刷領域内に文字列を印刷することのできるテープ印刷装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−57985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の提案は、テープ印刷装置が入力された文字数と印刷領域の寸法を比較し、文字サイズ及び文字間隔を決定して、印刷領域内に文字列を印刷することができるも、黒字率の大きい文字(例えば、画数の多い文字など)も、黒字率の小さい文字と同一の縮小率で印刷されることとなるため、黒字率の大きい文字が黒字率の小さい文字に比べて読みにくくなり、文字列全体で見た際にバランスが悪くなる場合が生じることもあった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、文字の黒字率を基にその縮小率を設定することで、バランス良く文字列を印刷して、常に見やすいラベルを作成することのできるテープ印刷装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のテープ印刷装置は、印刷層と剥離層を積層して成る印刷テープに文字等の印刷を行い、その印刷テープの印刷された部分を切断して、貼付対象物に貼り付けるラベルを作成するラベル作成機能を有するテープ印刷装置において、入力手段と、印刷領域の寸法を設定するブロック指定手段と、前記入力手段により入力された初期設定サイズの文字列の長さが、前記印刷領域の長さよりも長くなった場合に、隣り合う文字同士を近接させて文字列の長さを短くする近接手段と、前記近接手段により決定された文字列の長さが、前記印刷領域の長さよりも長い場合に、前記入力文字の黒字率を算出する黒字率算出手段と、当該文字の黒字率が低い文字程、前記黒字率が高い文字よりも縮小率を高く設定する縮小率設定手段と、を備えてなる。
【0008】
また、本発明のラベル作成方法は、印刷層と剥離層を積層して成る印刷テープに文字等の印刷を行い、その印刷テープの印刷された部分を切断して、貼付対象物に貼り付けるラベルを作成するラベル作成方法であり、初期設定サイズの文字列を入力すると共に印刷領域の寸法を設定し、入力された前記初期設定サイズの文字列の長さが、設定された前記印刷領域の長さよりも長くなった場合に、隣り合う文字同士を近接させて文字列の長さを短くすべく決定し、前記決定された文字列の長さが、前記印刷領域の長さよりも長い場合に、前記入力された文字列の各文字の黒字率を算出し、算出された前記各文字の黒字率が低い文字程、前記黒字率が高い文字よりも縮小率を高く設定するようにしてラベルを作成する、ことを特徴としている。
【0009】
そして、このテープ印刷装置及びラベル作成方法では、前記縮小率設定手段が黒字率の低い文字から順に縮小するように構成される。
【0010】
又、本発明のテープ印刷装置は、辞書データベースと、前記入力手段により入力された文字列を熟語の組み合わせに変換する熟語変換手段と、該熟語変換手段により変換された熟語毎に該熟語内における文字の縮小率の最大値と最小値を抽出して、その最大値と最小値の差分値に応じて前記縮小率設定手段により設定された各文字の縮小率を再設定する縮小率再設定手段を備える。
【0011】
更に、本発明のテープ印刷装置は、前記縮小率再設定手段により再設定された文字同士が隣り合っている場合、当該文字の縮小率を更に再設定する縮小率再々設定手段を備える。
【0012】
又、本発明のテープ印刷装置は、熟語変換手段により変換された熟語以外の文字を所定の縮小率で縮小する初期縮小率設定手段と、を備え、前記黒字率算出手段が、前記熟語変換手段により変換された熟語の黒字率を算出し、前記縮小率設定手段が、前記熟語の黒字率に対応した縮小率を熟語毎に設定し、前記初期縮小率設定手段により設定された縮小率に対して熟語の縮小率の何れかが小さい場合に、設定した各熟語の縮小率のうち最小となる縮小率を熟語以外の文字に再設定する非熟語縮小率再設定手段と、該非熟語縮小率再設定手段により縮小されて成る文字列の長さと、前記初期縮小率設定手段及び縮小率設定手段により縮小されて成る文字列の長さと、を比較して、その差分を熟語の縮小率で補正する熟語縮小率補正手段と、を更に備える場合もある。
【0013】
そして、本発明のテープ印刷装置は、前記印刷領域の長さと印刷する文字列の長さとを比較して、その差分を隣り合う文字同士の間隔に均等に割付ける割付手段を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、文字の黒字率を黒字率算出手段で算出し、縮小率算出手段によって算出された黒字率に対応する縮小率を文字に設定することで、バランス良く文字列を印刷して、常に見やすいラベルを作成することのできるテープ印刷装置及びラベル作成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例に係るテープ印刷装置の斜視図。
【図2】本発明の実施例に係るテープ印刷装置の内部拡大図及びテープカートリッジの斜視図。
【図3】本発明の実施例に係るテープ印刷装置の機能ブロック図。
【図4】本発明の実施例に係るテープ印刷装置の制御部の処理のメインフローを示す図。
【図5】本発明の実施例に係るテープ印刷装置の印刷処理の動作フローを示す図。
【図6】本発明の実施例に係る主制御部によって文字列の長さを変更していく流れを説明する図。
【図7】本発明の実施例に係る主制御部による縮小処理における黒字率に対応する縮小率を示す表。
【図8】本発明の実施例に係る主制御部によって文字列の長さを変更していく流れを説明する図。
【図9】本発明の実施例に係るテープ印刷装置の印刷処理の動作フローを示す図。
【図10】本発明の実施例に係る主制御部によって文字列の長さを変更していく流れを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための形態のテープ印刷装置1は、印刷層と剥離層を積層して成る印刷テープ31に文字等の印刷を行い、その印刷テープ31の印刷された部分を切断して、貼付対象物に貼り付けるラベルを作成するラベル作成機能を有するテープ印刷装置1において、入力手段とされる入力部3及び入出力インターフェース44と、制御部40のCPU41、ROM42、RAM43から成る主制御と、を備え、この主制御部が、印刷領域の寸法を設定するブロック指定手段、前記入力手段により入力された初期設定サイズの文字列の長さが前記印刷領域の長さよりも長くなった場合に、隣り合う文字同士を近接させて文字列の長さを短くする近接手段、前記近接手段により決定された文字列の長さが前記印刷領域の長さよりも長い場合に、前記入力文字の黒字率を算出する黒字率算出手段、及び、当該文字の黒字率が低い文字程、前記黒字率が高い文字よりも縮小率を高く設定する縮小率設定手段としての機能を備え、この主制御部によって各動作が実行される構成である。
【0017】
又、このテープ印刷装置1は、辞書データベースを備え、主制御部が、前記入力手段により入力された文字列を熟語の組み合わせに変換する熟語変換手段としての機能を備え、更に該熟語変換手段により変換された熟語毎に該熟語内における文字の縮小率の最大値と最小値を抽出して、その最大値と最小値の差分値に応じて前記縮小率設定手段により設定された各文字の縮小率を再設定する縮小率再設定手段としての機能をも備える。
【0018】
又、このテープ印刷装置1の主制御部は、前記縮小率再設定手段とされる当該主制御部により再設定された文字同士が隣り合っている場合、当該文字の縮小率を更に再設定する縮小率再々設定手段としての機能を備えている。
【0019】
更に、このテープ印刷装置1の主制御部は、前記印刷領域の長さと印刷する文字列の長さとを比較して、その差分を隣り合う文字同士の間隔に均等に割付ける割付手段としての機能をも担っている。
【実施例】
【0020】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は本発明の実施例に係るテープ印刷装置の外観を示す斜視図であり、図2はこのテープ印刷装置に使用するテープカートリッジの外観及びテープ印刷装置の内部構造の一部を示す斜視図である。テープ印刷装置1は、表面に印刷面を備え裏面が粘着面とされた印刷層と剥離層とが積層されて形成された印刷テープ31に文字や模様等を印刷するものであり、印刷テープ31の印刷された部分を切断して、貼付対象物に貼付けるラベルを作成するラベル作成機能を有する。
【0021】
そして、このテープ印刷装置1は、図1に示したように、方形状の上面と、この上面から前方に傾斜する傾斜面と、両側面及び下面並びに背面とから形成された中空の筐体2を有し、筐体2の傾斜面には入力部3が形成され、上面には表示部4並びに開閉蓋5が形成され、所定の一側面には印刷テープ31が繰り出すテープ繰出部7が形成されている。尚、図示しないが、筐体2には、パーソナルコンピュータ等の外部機器と接続するための入力端子や電源コードが接続される電源端子、メモリーカード挿入口等も形成されている。
【0022】
又、入力部3は、文字データを入力する文字入力キー、印刷開始を指示する印刷キー、表示部4の表示画面上のカーソルを移動操作するカーソルキー、印刷モードの設定や各種設定処理を行なう種々の制御キーによって構成されており、表示部4は、液晶表示装置であって、入力されたデータや各種設定のための選択メニュー画面や処理に関するメッセージ等が表示されると共に、作成されるラベルの長さや印刷モードの状態等の各種の情報を表示する。
【0023】
更に、開閉蓋5の内側には、図2に示したように、印刷テープ31及びインクリボン35を収容したテープカートリッジ21を装填するためのカートリッジ装填部8が形成されているものである。又、カートリッジ装填部8内には、印刷素子が縦方向に配列され、長尺の被印刷媒体である印刷テープ31に印刷を行なう印刷手段としてのサーマルヘッド11と、サーマルヘッド11との間で印刷テープ31及びインクリボン35を挟んでこれを搬送する搬送手段としてのプラテンローラ12及びプラテンローラ12を駆動させるステッピングモータと、印刷に使用したインクリボン35をテープカートリッジ21内に巻取るリボン巻取軸13とを備えるテープ印刷機構45が形成され、更に、テープカートリッジ21を所定の位置に支持するためのカートリッジ受部15を備えている。
【0024】
又、カートリッジ装填部8の一端部に筐体2の外に通じる上述したテープ繰出部7が形成されており、このテープ繰出部7には、印刷テープ31をフルカットするフルカット装置17及び印刷テープ31の印刷層或いは剥離層のみをカットするハーフカット装置18が組み込まれている。
【0025】
更に、テープカートリッジ21は、カートリッジケース22を備え、このカートリッジケース22の内部には、印刷テープ31が巻装されたテープコア23、未使用のインクリボン35が巻装されたリボン供給コア24、使用済みのインクリボン35を巻取るリボン巻取コア25が夫々収納されている。又、テープカートリッジ21のカートリッジケース22には、カートリッジ装填部8内にテープカートリッジ21を装填した場合にサーマルヘッド11が位置するヘッド配置部27が形成されている。
【0026】
又、カートリッジケース22の隅部には、カートリッジ装填部8のカートリッジ受部15と係合し、このカートリッジ受部15によって支持される被係合部29が形成されている。又、このカートリッジケース22の被係合部29には、図示しないがテープカートリッジ21の種類に応じた所定の凹凸が形成され、カートリッジ装填部8のカートリッジ受部15にはテープカートリッジ21が装填された場合にカートリッジケース22の被係合部29に形成された凹凸を判別する所定の可動突起16が形成され、カートリッジケース22をカートリッジ装填部8に装填すると、カートリッジケース22の被係合部29に形成された凹凸とカートリッジ装填部8のカートリッジ受部15に形成された可動突起16が係合してテープカートリッジ21の種類を判別可能とされる。尚、印刷テープ31は、幅が太いものや剥離層の長さ方向に予め切れ目が入れられた背割れタイプのもの等の様々な種類があり、テープカートリッジ21を交換することで様々な印刷テープ31を使用できる。
【0027】
そして、テープ印刷装置1は、入力部3で入力された印刷情報や外部機器から出力された印刷情報に対して印刷が指示されると、印刷テープ31とインクリボン35とがテープカートリッジ21から引き出され、重ね合わせた状態でプラテンローラ12とサーマルヘッド11の間に挟まれて共に搬送されると共に、サーマルヘッド11が印刷情報に基づいて発熱駆動され、インクリボン35のインクが印刷テープ31に熱転写されて印刷テープ31に印刷が行なわれ、印刷が終了すると、フルカット装置17が作動して印刷テープ31が切断され、1枚のラベルが作成される。
【0028】
図3は、このテープ印刷装置1の機能ブロック図である。図3に示すように、このテープ印刷装置1は、制御手段とされる制御部40と、印刷手段とされるサーマルヘッド11や搬送手段とされるプラテンローラ12及びステッピングモータ46等から構成されるテープ印刷機構45と、フルカット装置17と、ハーフカット装置18と、を備える。
【0029】
この制御部40は、CPU41と、CPU41に接続された上述した入力部3や表示部4、各種のシステムプログラムやフォント等が記憶されたROM42、ワークメモリとされるRAM43、外部機器と接続される入出力インターフェース44を備える。そして、CPU41は、入力部3からのキー操作信号に応じてROM42に予め記憶されているシステムプログラム、メモリーカードに記憶された制御プログラム、入出力インターフェース44に接続された外部機器から読み込まれた制御プログラム等を起動させ、RAM43をワークメモリとして回路各部の動作を制御するものであり、本実施例におけるテープ印刷装置1の全てを制御する。
【0030】
又、ROM42には、入力部3から入力された文字を印刷するためのプログラム、仮名、漢字、記号、模様、印刷フォントや、辞書データベース等が記憶されている。
【0031】
更に、RAM43には、キー入力された文字や選択された模様、サイズや文字間隔等の印刷情報を記憶する入力データメモリ、入力された印刷情報が展開された印刷パターンデータが記憶される印刷データメモリ、表示部4に表示されるパターンデータが記憶される表示データメモリの各領域が確保され、印刷処理等に必要なデータを一時的に記憶するレジスタやカウンタ等が設けられている。
【0032】
又、テープ印刷機構45は、印刷手段であるサーマルヘッド11と、印刷テープ31の搬送手段であるプラテンローラ12及び該プラテンローラ12を駆動させるステッピングモータ46とを備えるものである。そして、テープ印刷機構45は、ステッピングモータ46がCPU41に制御されてプラテンローラ12を駆動させ、プラテンローラ12とサーマルヘッド11の間に位置する上述した印刷テープ31を搬送し、CPU41から出力された印刷情報に基づいてサーマルヘッド11が印刷テープ31に文字や模様等を熱転写することによって印刷テープ31に随時文字や模様等を印刷する。
【0033】
更に、フルカット装置17は、固定刃17aと、可動刃17bと、可動刃17bを駆動させるステッピングモータ48と、印刷テープ31の長さ方向の位置を検知する位置センサ49とを備える。そして、フルカット装置17は、位置センサ49で印刷テープ31のカットする位置を検知し、カット位置に印刷テープ31が掛かるとCPU41に位置信号を出力し、位置センサ49から位置信号を受信したCPU41がステッピングモータ48に駆動信号を出力して可動刃17bを駆動させ、固定刃17aと可動刃17bとの間で鋏の要領で印刷テープ31をフルカットする。
【0034】
又、ハーフカット装置18は、固定刃18aと、可動刃18bと、可動刃18bを駆動させるDCモータ50と、を備える。そして、ハーフカット装置18は、DCモータ50がCPU41に制御されて可動刃18bを駆動させ、固定刃18aに可動刃18bを押し付けることにより印刷テープ31の印刷層或いは剥離層のみをカットする。
【0035】
次に図4乃至図8を参照して、本発明に係るテープ印刷装置の制御部の処理の概略を説明する。図4は、本発明の実施例に係るテープ印刷装置の制御部の処理のメインフローを示す図であり、図5は、本発明の実施例に係るテープ印刷装置の印刷処理の動作フローを示す図であり、図6及び図8は、文字列の長さを変更していく流れを説明する図であり、図7は、黒字率に対応する縮小率を示す表である。
【0036】
本発明の実施例に係るテープ印刷装置1の制御部40の処理については、図4に示すように、先ずステップS10において使用者がテープ印刷装置1の電源スイッチーを入れることで電源がON状態となり、ステップS20に進む。ステップS20に進むと、RAM43に記憶されている所定の情報を制御部40が消去して初期状態としての印刷情報を設定する初期化が行われる。例えば、制御部40は、上述したようにテープカートリッジ21の種類をカートリッジケース22の被係合部29に形成された凹凸をカートリッジ受部15の可動突起16が係合することにより判別することができるため、印刷領域の幅であるブロック幅を初期印刷情報の一つとして自動で決定する。又、ブロック幅を制御部40が決定すると共に、隣り合う文字サイズや文字同士の間隔を当該ブロック幅に適した初期設定サイズとして決定する。
【0037】
そして、次のステップS30に進むと、使用者が入力手段とされる入力部3の入力キーや種々の制御キーを直接操作して文字、フォントや印刷領域であるブロックの長さなどの印刷情報を制御部40のCPU41に入力し、或いは、コンピュータ等の外部機器を操作し入力手段とされる入出力インターフェース44を介して印刷情報を制御部40のCPU41に入力することにより、当該印刷情報を制御部40のCPU41がRAM43に記憶させる入力処理が行われる。
【0038】
ここで、使用者によってブロックの長さが設定されなかった場合は、制御部40が当該ブロック長を入力された文字列を印刷可能な所定の長さとなるように自動で設定することにより、所定の長さのラベルが作成されることとなる。そして、ブロックの長さが設定された場合は、後述する縮小率算出手段等によって縮小処理が実行されることにより指定ブロック内に縮小された文字列が印刷されたラベルが作成されることとなる。
【0039】
尚、ブロック幅についても、上記ステップS20において制御部40によって自動で決定せずに使用者がこのステップS30において手動で入力することとしてもよい。又、上記ステップS20において定められた初期設定サイズについても、このステップで使用者が自由に変更することもでき、変更した場合はその変更したサイズが初期設定サイズとしてRAM43に記憶されることとなる。
【0040】
したがって、印刷領域であるブロックの寸法を設定するブロック指定手段としてのCPU41、ROM42、RAM43から成る主制御部が、入力されたブロック長をRAM43に記憶させると共に、装填されるテープカートリッジ21の形状に基づいてブロック幅を自動で決定しRAM43に記憶させ、或いは、ブロック長を設定する場合のブロック長さの設定方法と同様に入力手段である入力部3や入出力インターフェース44を介して入力されたブロック幅をRAM43に記憶させる処理を実行する。
【0041】
又、このブロック指定手段としての主制御部は、市販されているビデオカセットやコンパクトカセットの背ラベルなどの様々な貼付対象物の夫々に適したサイズを印刷領域であるブロックの長さのパターンデータとして予めROM42に記憶させておき、使用者が貼付対象物を選択することでRAM43に指定した当該印刷領域の寸法を記憶させることもでき、これにより、使用者が容易に貼付対象物に最適な印刷領域の寸法を設定することができる。
【0042】
そして、熟語変換手段としての主制御部が、ステップS30において入力処理された平仮名等から成る文字列を漢字や熟語の組み合わせなどに変換する変換処理がステップS40において行われる。そして、変換された文字がRAM43に記憶されて、表示部4に表示がなされる表示処理を行うステップS50に進む。
【0043】
尚、この入力、変換、表示処理は一連の動作として繰返し行われるものであり、例えば、主制御部は、入力手段を介してCPU41に入力されたアルファベットの組み合わせデータを予めROM42に記憶されている辞書データベースを参照して該当する仮名文字へ変換し、変換したデータを表示する。そして、表示された仮名文字を変換する操作を使用者が行うことにより、主制御部が辞書データベースから該当する漢字や熟語の候補を抽出して表示し、使用者の選択操作に基づき順次該当する熟語を表示し、使用者の決定操作により表示する熟語を確定する。そして、主制御部は、使用者によって新たに文字入力操作が行われると、既に表示されている文字に続いて新しい文字を表示する。
【0044】
そして、入力、変換、表示処理を繰り返して、使用者が印刷したい文字列を表示部4に表示させた状態で入力部3の印刷キーを操作することによって送出される印刷操作指令がCPU42に入力されることにより後述するステップS60の印刷処理へと進み印刷処理が実行される。
【0045】
尚、ステップS60における印刷処理が終了した後には、その他の処理としてステップS60において印刷された印刷情報に基づいて複数のラベルを更に印刷処理させたり、文字の追記やサイズを任意に変更するなどの処理を行うことのできるステップS70に進み、最初から文字を入力し直したい場合は、このステップで使用者が初期化指令操作を行うことで印刷情報を初期化(ステップS20)して主制御部に再度入力処理(ステップS30)を行わせることができる。
【0046】
そして、ステップS60における印刷処理は、図5に示すように、ステップS600において使用者の印刷操作指令に基づき印刷処理を開始して、先ずステップS601においてブロック長が固定に設定されているかどうかを主制御部が判定して、ブロック長が固定されていない場合は、入力された文字列を初期設定サイズで印刷する処理を行うステップS690に進む。又、使用者が上記ステップS30の入力処理においてブロック長を指定していた場合は、主制御部が、ブロック長が固定に設定されていると判定してステップS602に進む。
【0047】
そして、ステップS602では、使用者が入力手段により入力した初期設定サイズの文字列の全長が指定されたブロック長の長さよりも短く、そのままブロック内に印刷可能かどうかを主制御部が判定する。
【0048】
そして、初期設定サイズでブロック内に印刷可能と判定した場合は、文字列が均等に配置されるように文字間隔を調整する割付処理(ステップS680)を介して印刷処理が行われるステップS690に進む。
【0049】
又、図6(a)に示すように、初期設定サイズの文字列の全長がブロック長の長さよりも長く、ブロック内に当該文字列を印刷することが不可能であると判定した場合は、図5に示したステップS603に進む。
【0050】
ステップS680においては、印刷を行う文字列の長さと印刷領域であるブロックの長さとを比較して、その差分を隣り合う文字同士の間隔に均等に割付ける処理が主制御部により実行される。これにより、印刷テープには均等に文字が割付けられて印刷されるため、見た目にも美しいラベルを作成することができる。尚、このテープ印刷装置1は、割付処理を行わずに左右端又は中央に文字列を配置して印刷することもできる。
【0051】
ステップS603では、図6(b)に示すように、印刷する際に隣り合う文字同士を近接させて文字列の長さが短くなるように、近接手段としての主制御部が入力された隣り合う文字同士の間隔を狭くして、新たな文字間隔の情報をRAM43に記憶させる近接処理が実行される。
【0052】
次に、図5に示したステップS604において、近接手段としての機能を担う主制御部により近接処理された文字列が指定されたブロック内に印刷可能かどうかを主制御部が判定する。そして、近接処理された文字列の全長がブロック長の長さよりも短く、印刷領域であるブロック内に印刷することができると当該主制御部が判定した場合、その近接処理された文字列をブロック内に均等に配置して印刷するためにステップS680に進む。
【0053】
そして、ステップS604において、近接処理された文字列の長さがブロック長の長さよりも長く、ブロック内に印刷することができないと判定した場合は、次のステップへと進み、本発明に係る黒字率算出手段及び縮小率設定手段による動作へと移行する。
【0054】
ステップS610においては、黒字率算出手段としての主制御部が入力手段により入力された文字の所定の範囲内(図6に示す文字を囲む矩形範囲)における黒字部分の割合を黒字率として算出する。この黒字率算出手段としては、各フォントにおける文字毎の黒字率を予めROM42に記憶させておいて、入力手段により入力された文字に対応する黒字率をCPU41がROM42から呼び出して印刷情報としてRAM43に記憶させることとしてもよいし、表示部4の所定範囲において表示するドット数の割合から算出するなど、様々な態様を採用することができる。
【0055】
そして、例えば、図6に示すように、印刷文字列を「第一テープ印刷装置」とし、図示するような印刷フォントを採用すれば、各文字の所定矩形範囲における黒字率は「第」が64%、「一」が15%、「テ」が31%、「ー」が12%、「プ」が28%、「印」が55%、「刷」が68%、「装」が63%、「置」が68%として黒字率算出手段である主制御部によって算出されることとなる。
【0056】
そして、ステップS611においては、縮小率設定手段としての主制御部が、図7に示すように、予め定められた黒字率に対応した縮小率(最小値)にしたがって各文字を縮小して文字列の印刷情報を更新する。したがって、図6(c)に示すように、文字列が最も短くなるための各文字の縮小率は、等倍率を100%とすれば、「第」が90%、「一」が40%、「テ」が55%、「ー」が40%、「プ」が50%、「印」が80%、「刷」が90%、「装」が90%、「置」が90%となる。尚、本実施例においては、文字の横幅のみを縮小することとした。
【0057】
そして、縮小率設定手段としての主制御部は、黒字率の低い文字から順に縮小するものであり、ステップS612において、ブロック長の長さよりも文字列の長さが短くブロック内に印刷することができると当該主制御部が判定した場合は、ステップS620へと進むが、縮小率設定手段により縮小された文字列の長さが、ブロック長の長さよりも長く、ブロック内に印刷することができないと当該主制御部が判定した場合は、ステップS611に戻り、再び黒字率の低い文字から縮小率を設定し、ブロック内に文字列が印刷可能かどうかを判定する動作を繰り返す。
【0058】
即ち、この縮小処理は、先ず「ー」を縮小率40%で縮小し、ステップS612に進み、このステップにおける判定によって印刷不可能な場合は、次いで黒字率の低い「一」を縮小率40%に縮小し、ステップS612に進み、また印刷可能かどうかを判定するという動作を繰り返す。
【0059】
尚、この縮小処理は、一文字ずつ黒字率の低い順から縮小する場合に限らず、各文字の黒字率或いは最小縮小率を重みとして全文字を同時に少しずつ縮小することとしてもよい。具体的には、全文字を段階的に縮小するものであり、例えば10段階で最小縮小率に達するように全文字を縮小することとすれば、第1段階として「第」「刷」「装」「置」を99%、「一」「ー」を94%、「テ」を95.5%、「プ」を95%、「印」を98%の縮小率として全文字を縮小してステップS612に移行する。
【0060】
このように、ステップS611,S612において、縮小処理を黒字率の低い順から実行したり、全文字を徐々に縮小させたりすることで、ブロック内に可能な限り大きな文字を印刷することができることになる。尚、このように、縮小処理を行わずに、図7に示す最小縮小率に基づく縮小処理を最初に実行して文字列の長さを図6(c)に示すように最小にした上でステップS620に進むことも可能である。
【0061】
又、本実施例においては、ブロック長の両端には印刷時に所定の余白が形成されるように予め余白領域が確保されており、ブロック長とこの両端の余白を含めたものが印刷ラベルとして作成されることになる。
【0062】
そして、図7に示した最小縮小率は、図示したものに限定されるものではなく、フォントの種類(ゴシック体、明朝体等)や文字の種類(仮名、漢字、アルファベット、数字、記号等)毎に変更してもよい。
【0063】
尚、図7に示した最小縮小率に基づき全文字を縮小して文字列の長さが最小となった場合においても、ステップS612においてブロック内に文字列を印刷することができないと主制御部が判定した場合、当該主制御部は印刷不可能であることを報知することとする。又、印刷不可能であることを報知せずに或いは報知すると共に、文字列を全体的に更に縮小するなどの処理を行わせて、印刷領域に印刷可能に印刷情報を更新することとしてもよい。
【0064】
このように、文字の黒字率を黒字率算出手段で算出し、縮小率算出手段によって算出された黒字率に対応する縮小率を文字に設定することで、バランス良く文字列を印刷して、常に見やすいラベルを作成することのできるテープ印刷装置1を提供することができる。
【0065】
そして、更に、ステップS620において、上記熟語変換手段としての主制御部が辞書データベースから参照した各熟語を、図6(d)に示すように、縮小率再設定手段としての主制御部が抽出し、次のステップS621にて、図8(a)に示すように、熟語毎に該熟語内における文字の縮小率の最大値と最小値を抽出する。即ち、ステップS611の縮小処理において図7に示した最小縮小率で全文字の縮小を行った場合においては、「第一」の縮小率の最大値は「第」の90%であり、最小値は「一」の40%として抽出されることとなる。
【0066】
そして、ステップS622にて、縮小率再設定手段としての主制御部が、縮小率の最大値と最小値の差分値が所定値(例えば、50%)に達するかどうかを判定し、所定値未満である場合は、当該文字列を割付けて印刷するステップS680,S690に進む。又、ステップS622において、縮小率の最大値と最小値の差分値が所定値以上である場合は、ステップS623へと進み、縮小率再設定手段としての主制御部が、最大・最小縮小率として設定された文字の縮小率を再び設定する。
【0067】
そして、図8(a)に示すように、縮小率再設定手段としての主制御部が、最小となる縮小率の文字に対しては所定率(例えば、10%)だけ拡大させ、最大となる縮小率の文字に対しては所定率(10%)だけ縮小させるように、両者の縮小率を再設定する。又、拡大する割合と、縮小する割合とを等しくすることで、文字列の全長に変更が生じないようにすることが望ましい。
【0068】
尚、図8(b)に示すように、文字列が三つ以上の文字から成る場合において、縮小率の最大値或いは最小値の文字が複数存在するときは、複数存在する文字の縮小率の増減値が均等となるように補正する。例えば、50%(最小値)の縮小率とされた二つの文字の夫々が60%の縮小率となるように再設定すると共に、100%(最大値)の縮小率とされた一つの文字を縮小率が80%となるように再設定する。このように、補正値の増減が相殺されることで、前述と同様に文字列の全長に変更が生じることは無いため好適である。
【0069】
このように、熟語毎に該熟語内における文字の縮小率の最大値と最小値を抽出して、その最大値と最小値の差分値に応じて、その差分が縮まるように縮小率を再設定することで、熟語内におけるアンバランスを修正し、バランスの良い熟語を印刷テープに印刷して、より見やすいラベルを作成することができる。
【0070】
次に、ステップS630において、縮小率再々設定手段としての主制御部が、上記縮小率再設定手段により縮小率の再設定を行った熟語内の文字同士が隣り合う連続文字列かどうかを判定する。そして、連続文字列でない場合は、そのまま文字列を割付けて印刷するステップS680,S690に進み、図8(c)に示すように、縮小率を再設定した熟語内の文字が連続文字列であった場合は、ステップS631にて当該文字を更に再設定し、その文字列に対して割付処理(ステップS680)をして印刷を実行する(ステップS690)。ここで、本実施例においては、更に当該文字を10%ずつ縮小或いは拡大して、連続した文字同士の縮小率の差分が縮まるようにしている。
【0071】
このように、縮小率再設定手段により再設定された文字同士が隣り合っている場合、縮小率再々設定手段により更に縮小率を再設定することで、熟語のバランスを更に良くして、一層見やすいラベルを作成することができる。
【0072】
又、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。例えば、黒字率を基に縮小率を設定する方法としては、種々の方法を採用することができ、図9及び図10(a)、(b)に示すように、前述と同様に印刷処理(ステップS60)における近接処理を行って(ステップS603)、近接処理後のサイズで印刷不可能であると判定した際(ステップS604)、初期縮小率設定手段としての主制御部が熟語の抽出をして(ステップS640)、熟語以外の文字を所定の縮小率(例えば、70%)として縮小して(ステップS641)、ステップS642において縮小した場合の文字列の長さがブロック長の長さよりも短い場合は割付処理(ステップS680)に移行し、ブロック長の長さよりも文字列の長さの方が長い場合はステップS650に移行して、黒字率算出手段としての主制御部が熟語単位で黒字率を算出する。
【0073】
そして、ステップS651において、縮小率設定手段としての主制御部が、図7に示した当該黒字率に対応する縮小率を熟語毎に割り当て、ステップS652に移行し、文字列の長さとブロック長とを比較して印刷可能かどうかを判定する。このステップS651,S652は、前述したステップS611,S612と同様に黒字率の低い順から縮小させてもよいし、全体を徐々に縮小させてもよく、又、図7に示した最小縮小率にて全熟語を縮小してもよい。
【0074】
そして、図10に示すように、印刷文字列を「黒字率を算出する手段」として、ステップS652において図7に示す縮小率で各熟語を縮小したことで文字列の長さがブロック長よりも短くなった場合、主制御部が、図10(c)に示すように、熟語以外の文字である「を」「する」を夫々縮小率70%で縮小し、熟語の文字である「黒字率」(黒字率26%)「算出」(黒字率30%)「手段」(黒字率27%)の各文字を夫々熟語単位で50%、55%、50%の縮小率により縮小して印刷情報を更新する。
【0075】
次にステップS660において、熟語の縮小率最小値が初期縮小率設定手段による熟語以外の文字の縮小率(70%)未満であるかどうかを非熟語縮小率再設定手段としての主制御部が判定する。そして、熟語の縮小率最小値が70%以上の場合はステップS680へ進み、70%未満の場合はステップS661へ進む。
【0076】
ステップS661では、熟語以外の文字の縮小率を、熟語の縮小率最小値と同一となるように再設定する処理を非熟語縮小率再設定手段としての主制御部が行う。これにより、図10(d)に示すように、熟語以外の文字である「を」「する」が熟語の縮小率最小値である「黒字率」「手段」の縮小率50%と同一の縮小率に再設定される。
【0077】
そして、次ステップS670において、熟語縮小率補正手段としての主制御部が、非熟語縮小率再設定手段により縮小されて成る文字列の長さと初期縮小率設定手段及び縮小率設定手段により縮小されて成る文字列の長さとを比較して、その差分を各熟語の縮小率を大きくすることで補正する。これにより、図10(e)に示すように、熟語以外の文字が熟語の縮小率よりも小さくなり、常に見やすいラベルを作成することができる。
【0078】
尚、図10(e)のように、ブロック長と文字列の長さが等しくなるように補正せずに、僅かに文字列が短くなるように補正して、ステップS680の割付処理により文字間隔を形成させることとしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1…テープ印刷装置 2…筐体 3…入力部 4…表示部 5…開閉蓋 7…テープ繰出部 8…カートリッジ装填部 11…サーマルヘッド 12…プラテンローラ 13 …リボン巻取軸 15…カートリッジ受部 16 …可動突起 17…フルカット装置 17a…固定刃 17b…可動刃 18…ハーフカット装置 18a…固定刃 18b…可動刃 21…テープカートリッジ 22…カートリッジケース 23…テープコア 24…リボン供給コア 25…リボン巻取コア 27…ヘッド配置部 29…被係合部 31…印刷テープ 35…インクリボン 40…制御部 41…CPU 42…ROM 43…RAM 44…入出力インターフェース 45…テープ印刷機構 46…ステッピングモータ 48…ステッピングモータ 49…位置センサ 50…モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷層と剥離層を積層して成る印刷テープに文字等の印刷を行い、その印刷テープの印刷された部分を切断して、貼付対象物に貼り付けるラベルを作成するラベル作成機能を有するテープ印刷装置において、
入力手段と、
印刷領域の寸法を設定するブロック指定手段と、
前記入力手段により入力された初期設定サイズの文字列の長さが、前記印刷領域の長さよりも長くなった場合に、隣り合う文字同士を近接させて文字列の長さを短くする近接手段と、
前記近接手段により決定された文字列の長さが、前記印刷領域の長さよりも長い場合に、前記入力文字の黒字率を算出する黒字率算出手段と、
当該文字の黒字率が低い文字程、前記黒字率が高い文字よりも縮小率を高く設定する縮小率設定手段と、を備えることを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項2】
前記縮小率設定手段は、黒字率の低い文字から順に縮小することを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置。
【請求項3】
辞書データベースと、
前記入力手段により入力された文字列を熟語の組み合わせに変換する熟語変換手段と、
該熟語変換手段により変換された熟語毎に該熟語内における文字の縮小率の最大値と最小値を抽出して、その最大値と最小値の差分値に応じて前記縮小率設定手段により設定された各文字の縮小率を再設定する縮小率再設定手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のテープ印刷装置。
【請求項4】
前記縮小率再設定手段により再設定された文字同士が隣り合っている場合、当該文字の縮小率を更に再設定する縮小率再々設定手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のテープ印刷装置。
【請求項5】
辞書データベースと、
前記入力手段により入力された文字列を熟語の組み合わせに変換する熟語変換手段と、
該熟語変換手段により変換された熟語以外の文字を所定の縮小率で縮小する初期縮小率設定手段と、を備え、
前記黒字率算出手段が、前記熟語変換手段により変換された熟語の黒字率を算出し、
前記縮小率設定手段が、前記熟語の黒字率に対応した縮小率を熟語毎に設定し、
前記初期縮小率設定手段により設定された縮小率に対して熟語の縮小率の何れかが小さい場合に、設定した各熟語の縮小率のうち最小となる縮小率を熟語以外の文字に再設定する非熟語縮小率再設定手段と、
該非熟語縮小率再設定手段により縮小されて成る文字列の長さと、前記初期縮小率設定手段及び縮小率設定手段により縮小されて成る文字列の長さと、を比較して、その差分を熟語の縮小率で補正する熟語縮小率補正手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置。
【請求項6】
前記印刷領域の長さと印刷する文字列の長さとを比較して、その差分を隣り合う文字同士の間隔に均等に割付ける割付手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のテープ印刷装置。
【請求項7】
印刷層と剥離層を積層して成る印刷テープに文字等の印刷を行い、その印刷テープの印刷された部分を切断して、貼付対象物に貼り付けるラベルを作成するラベル作成方法において、
初期設定サイズの文字列を入力すると共に印刷領域の寸法を設定し、入力された前記初期設定サイズの文字列の長さが、設定された前記印刷領域の長さよりも長くなった場合に、隣り合う文字同士を近接させて文字列の長さを短くすべく決定し、
前記決定された文字列の長さが、前記印刷領域の長さよりも長い場合に、前記入力された文字列の各文字の黒字率を算出し、
算出された前記各文字の黒字率が低い文字程、前記黒字率が高い文字よりも縮小率を高く設定するようにしてラベルを作成する、
ことを特徴とするラベル作成方法。
【請求項8】
前記縮小率の設定は、黒字率の低い文字から順に縮小することを特徴とする請求項7に記載のラベル作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−49283(P2013−49283A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−247296(P2012−247296)
【出願日】平成24年11月9日(2012.11.9)
【分割の表示】特願2008−224486(P2008−224486)の分割
【原出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】