説明

テープ印字装置

【課題】被印字テープがほぼすべて消費された際に、購入支援情報の内容を確実に被印字テープに印字形成し、利便性を向上する。
【解決手段】ラベル作成装置100は、カートリッジホルダ27に装着されているカートリッジ10の属性情報に対応した装着されているカートリッジ10の型式を識別して対応する現状型式情報を取得し、取得された現状型式情報に基づき購入支援情報を生成する。またラベル作成装置100は、カバーフィルム11の終端部近傍のエンドマーク64を検出するエンドマークセンサ60を有し、エンドマークセンサ60によりエンドマーク64が検出されたとき、カバーフィルム11のうちエンドマーク64より下流側に位置し購入支援情報を印字形成可能な情報印字領域ARの大きさを算出し、生成された購入支援情報を、算出された情報印字領域ARの大きさに応じた印字態様にてカバーフィルム11に印字形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印字テープに所望の印字を行うテープ印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被印字テープ等の被印字媒体に所望の印字を行う印字装置として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この印字装置においては、インクが充填されたカートリッジ(インクカートリッジ)が装着され、その装着されたカートリッジから供給されるインクを用いて被印字媒体(記録媒体)に対し印字が行われる。
【0003】
ここで、カートリッジ内のインクは使用の都度消費されていくことから、カートリッジは消耗品である。したがって、少なくとも、カートリッジ内のインクがすべて消費されたときには、操作者は、新たに印字を行うために新しいカートリッジを購入して補充しなければならない。
【0004】
上記のような新規カートリッジの購入時においては、操作者は、その時点で使用しているカートリッジ(すなわち印字装置に装着されているカートリッジ)と同一型式のカートリッジの購入を意図するのが一般的である。そこで、上記従来技術では、上記に対応して、カートリッジを交換すべき時期が近づいたら、上記操作者の購入のための購入支援情報(当該カートリッジの型式)が記録媒体に印刷され、操作者への報知が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−227971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来技術と同様に被印字媒体に印字を行う印字装置として、被印字テープに印字を行うテープ印字装置が知られている。テープ印字装置においては、カートリッジホルダにテープカートリッジが装着されると、その装着されたテープカートリッジから供給される被印字テープが搬送され、その搬送される被印字テープに対し、印字手段によって所望の印字が行われる。印字によって被印字テープは使用の都度消費されていくことから、このテープカートリッジも、上記同様に消耗品である。したがって、上記従来技術を応用して、テープカートリッジを交換すべき時期が近づいたら、当該テープカートリッジの型式等の購入支援情報を被印字テープに対し印刷して操作者へ報知することが考えられる。具体的には、被印字テープの終端部近傍に適宜のマーク等を設け、搬送経路に沿って印字手段よりも上流側に、上記マークを検出するセンサを設ける。これにより、センサがマークを検出したことをもって、テープ印字装置により被印字テープがほぼすべて消費されたことが識別され、上記購入支援情報を被印字テープに対し印字し形成することができる。
【0007】
但し、この場合、以下のような別の課題が生じる。すなわち、上記の手法では、上述したように、印字データに基づく印字手段の所望の印字の形成の際の、被印字テープの搬送中においてセンサがマーク等を検出することで、被印字テープの消費を識別する。すなわち、マークの検出時には印字データに基づく通常の印字形成が行われている途中であることから、被印字テープに対する上記購入支援情報の形成開始より前に、当該被印字テープに実行途中の印字形成を完了させなければならない。その際、印字データのうち未印字の部分が少ない場合には上記印字形成の完了のために必要なテープ搬送方向距離が短くなるので、被印字テープの残り部分において上記購入支援情報を印字形成するための領域(情報印字領域)を十分大きく確保できる。これに対して、印字データのうち未印字の部分が多い場合には上記印字形成の完了のために必要なテープ搬送方向距離が長くなるので、被印字テープの残り部分において上記購入支援情報を印字形成するための情報印字領域が小さくなる。このため、そのままでは、もし購入支援情報の情報量が比較的多い場合には、被印字テープに印字形成される購入支援情報の内容が途中で切れる可能性がある。すなわち、どのような場合であっても購入支援情報の内容を確実に被印字テープに印字形成することは難しかった。
【0008】
本発明の目的は、被印字テープがほぼすべて消費された際に、購入支援情報の内容を確実に被印字テープに印字形成し、利便性を向上することができる、テープ印字装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本願発明は、被印字テープを繰り出し可能にロール状に巻回して構成されるとともに当該被印字テープの繰り出し方向の終端部近傍に被検出部を設けた被印字テープロールを収納したテープカートリッジを装着可能なカートリッジホルダと、前記カートリッジホルダに装着された前記テープカートリッジから供給される被印字テープを搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記被印字テープに対し、印字データに対応した所望の印字を行う印字手段と、を有するテープ印字装置であって、前記カートリッジホルダに装着されている前記テープカートリッジの属性情報を検出する属性検出手段と、前記属性検出手段により検出された前記属性情報に対応した、前記装着されている前記テープカートリッジの型式を識別し、対応する現状型式情報を取得する現状型式情報取得手段と、前記現状型式情報取得手段により取得された前記現状型式情報に基づき、操作者が当該現状型式情報又はこれに対応する型式のテープカートリッジを新たに購入する際の購入支援情報を生成する支援情報生成手段と、前記搬送手段により搬送される前記被印字テープの搬送経路に沿って前記印字手段よりも上流側に設けられ、前記被印字テープの前記終端部近傍の前記被検出部を検出する終端検出手段と、前記終端検出手段により前記被検出部が検出されたとき、前記印字データに基づき、前記被印字テープのうち前記被検出部より下流側に位置し前記印字手段が前記購入支援情報を印字形成可能な情報印字領域の大きさを算出する領域算出手段と、前記支援情報生成手段により生成された前記購入支援情報を、前記領域算出手段により算出された前記情報印字領域の大きさに応じた印字態様にて前記被印字テープに印字形成するように、前記印字手段を制御する印字制御手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
本願発明のテープ印字装置においては、カートリッジホルダにテープカートリッジが装着されると、その装着されたテープカートリッジの被印字テープロールから供給される被印字テープが搬送手段によって搬送される。搬送される被印字テープに対し、印字手段によって印字データに対応した所望の印字が行われる。
【0011】
このような印字形成によって被印字テープは使用の都度消費されていくことから、テープカートリッジは消耗品である。したがって、カートリッジホルダに装着されたテープカートリッジ内の被印字テープがすべて消費されてしまったときには、操作者は、新たにテープ印字を行うために新しいテープカートリッジを購入して補充しなければならない。
【0012】
本願発明では、このような被印字テープの消費を検出するために、被印字テープの繰り出し方向の終端部近傍に被検出部が設けられており、その被検出部を検出するための終端検出手段が、搬送経路に沿って印字手段よりも上流側に設けられている。これにより、終端検出手段が被検出部を検出したとき、テープ印字装置側で被印字テープロールがほぼすべて消費されたことを識別することができる。
【0013】
このような新規テープカートリッジの購入時においては、操作者は、通常、その時点で使用しているテープカートリッジ(すなわちカートリッジホルダに装着されているテープカートリッジ)と同一型式のテープカートリッジの購入を意図する。しかしながら、一般に、型式の表記はメーカの都合により設定される記号や数字等から構成されており、操作者にとっては覚えやすいものではない。また、異なる型式のテープカートリッジでも外観形状が互いに類似している場合もあり、操作者が誤購入する可能性もある。
【0014】
そこで、本願発明においては、属性検出手段と、現状型式情報取得手段とが設けられる。属性検出手段により、テープカートリッジホルダに装着されているテープカートリッジの属性情報(例えば被印字テープのテープ幅、テープ色、テープ材質等)が検出され、現状型式情報取得手段により、その属性情報に対応した、当該装着されているテープカートリッジの現状型式情報が取得される。取得された上記現状型式情報に基づき、支援情報生成手段により、購入支援情報が生成される。
【0015】
そして、上記のようにして被印字テープがほぼすべて消費され終端検出手段が被検出部を検出すると、印字制御手段の制御に基づき、上記生成された購入支援情報が印字手段によって被印字テープの情報印字領域に印字形成される。これにより、操作者は、購入支援情報が被印字テープの情報印字領域に印字形成された後にカートリッジホルダから取り外されたテープカートリッジ(又はテープカートリッジから切り離された当該被印字テープの情報印字領域のみ)を販売店等に持参することにより、操作者が購入したいと意図していたテープカートリッジと同等の機能のテープカートリッジを確実に購入することができる。
【0016】
ここで、本願発明においては、上述したように、印字形成の際の被印字テープの搬送中において終端検出手段が被検出部を検出することにより、被印字テープの消費を識別する。すなわち、被検出部の検出時には印字データに基づく印字形成が行われている途中であることから、上記購入支援情報の印字形成を開始するより前に、当該実行途中の印字データに基づく印字形成を完了させなければならない。その際、印字データのうち未印字の部分が多い場合には上記印字形成の完了のために必要なテープ搬送方向距離が長くなり、上記購入支援情報を印字形成するための情報印字領域は小さくなる。印字データのうち未印字の部分が少ない場合には上記印字形成の完了のために必要なテープ搬送方向距離が短くなり、上記購入支援情報を印字形成するための情報印字領域は大きくなる。
【0017】
このような、情報印字領域の大きさが印字データに応じてばらつくことに対応して、本願発明では、領域算出手段が設けられている。領域算出手段は、終端検出手段が被検出部を検出したときに、上記印字データに基づき、被印字テープのうち被検出部より下流側に確保できる上記情報印字領域の大きさを算出する。そして、印字制御手段の制御により、上記購入支援情報は、上記算出された情報印字領域の大きさに応じた印字態様で、被印字テープに印字形成される。この結果、上記のように印字データの内容に応じて情報印字領域の大きさが大小変化した場合であっても、それに対応した適切な印字態様で購入支援情報を被印字テープに印字形成することができる。この結果、操作者は、どのような場合であっても、印字形成された購入支援情報の内容を視覚的に確認することができる。したがって、新しいテープカートリッジを購入する際の利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、被印字テープがほぼすべて消費された際に、購入支援情報の内容を確実に被印字テープに印字形成し、利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態のラベル作成システムを表すシステム構成図である。
【図2】ラベル作成装置の開閉蓋を開いた状態で装置本体の内部のカートリッジホルダ及びそれに装着させるカートリッジの外観構成を表す斜視図である。
【図3】ラミネートタイプのカートリッジを装着した状態のカートリッジホルダの周辺部分を、カートリッジとともに示す図である。
【図4】ラベル作成装置の機能構成を表す機能ブロック図である。
【図5】カバーフィルムの繰り出し方向終端部を示す平面図である。
【図6】エンドマークセンサの回路構成を示す回路図である。
【図7】エンドマークセンサによるエンドマークの検出の様子を示す説明図である。
【図8】ラベル作成装置により作成された印字ラベルの外観の一例を表す上面図である。
【図9】情報印字領域への購入支援情報の印字形成態様の例を表す説明図である。
【図10】印字ラベルの繰り出し方向終端部における情報印字領域に購入支援情報が印字形成されるときの挙動を表す説明図である。
【図11】ラベル作成装置のCPUによって実行される制御内容を表すフローチャートである。
【図12】ステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
【図13】ステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
<システム構成>
図1を用いて、本実施形態のラベル作成システムのシステム構成を説明する。図1において、ラベル作成システムLSは、所望の印字がされた印字ラベルLを作成可能な、ラベル作成装置100(テープ印字装置)と、上記ラベル作成装置100を操作するための操作端末400と、を有している。ラベル作成装置100と操作端末400とは、有線あるいは無線による通信回線NWを介して情報送受信可能に接続されている。また、ラベル作成装置100及び操作端末400は、上記通信回線NWを介し、この例では、ラベル作成装置100のメーカの製品情報WebサイトWA、ラベル作成装置100の販売店のWebサイトWB、ラベル作成装置100の通信販売のWebサイトWCにアクセス可能に接続されている。なお、各WebサイトWA〜WCは、各請求項記載の情報提供手段として機能している。
【0022】
ラベル作成装置100は、当該ラベル作成装置100の外郭を構成する、全体的に直方体状の装置筐体101sを備えた装置本体101を有している。装置本体101の上面部には、開閉可能(又は着脱可能としてもよい)に設けられた開閉蓋102が設けられている。装置本体101の前面部には、テープ排出口104が設けられている。このテープ排出口104は、作成された印字済みラベル用テープ23等(後述の図3参照)を排出するための排出口である。
【0023】
操作端末400は、一般に市販されている汎用パーソナルコンピュータであり、液晶ディスプレイ等の表示部401と、キーボードやマウス等の操作部402と、を有している。
【0024】
<ラベル作成装置の内部構成>
図2を用いて、ラベル作成装置100の内部のカートリッジホルダ及びカートリッジの外観構成を説明する。なお、この図2では、図示の煩雑を避けるため上方に開いた状態の開閉蓋102の図示は省略している。
【0025】
図2において、ラベル作成装置100の装置本体101内部には、カートリッジホルダ27と、印字ヘッド19(印字手段)と、テープ送りローラ駆動軸30(搬送手段)と、リボン巻取りローラ駆動軸31と、カートリッジセンサ37が設けられている。
【0026】
カートリッジホルダ27は、収納するテープの種類が互いに異なる複数種類のカートリッジ10(テープカートリッジ)を選択的に着脱可能となっている。この例では、カートリッジ10は、印字ラベルLを作成するための基材テープ16を巻回した基材テープロール17を有するカートリッジである(後述の図3参照)。さらに、カートリッジホルダ27は、上記テープの種類が異なる各カートリッジ10において、収納するテープ幅が異なる複数種類のカートリッジを選択的に着脱可能である。
【0027】
印字ヘッド19は、上記テープ送りローラ駆動軸30等により搬送される、後述のカバーフィルム11に対し所望の印字を行う。テープ送りローラ駆動軸30及びリボン巻取りローラ駆動軸31は、使用済みインクリボン13及び印字済みラベル用テープ23(ともに後述の図3参照)の搬送駆動力をそれぞれ与える駆動軸であり、互いに連動して回転駆動される。
【0028】
カートリッジセンサ37は、カートリッジ10の装着時に、装着されたカートリッジ10に形成された被検出部24(後述の図3参照)を機械式(あるいは非接触式でもよい)に検出することで、間接的に当該カートリッジ10の種別情報(言い換えれば後述する属性情報)を検出する。この例では、カートリッジの種別は、後述の図3に示すカートリッジ10のような、基材テープ16とこれに貼り合わされるカバーフィルム11とを有するラミネートタイプである。
【0029】
カートリッジ10は、全体が略直方体形状に形成された上記カートリッジ筐体70を有しており、このカートリッジ筐体70には上記印字ヘッド19を挿通するための表裏両面を貫通するヘッド挿通開口39が形成されている。
【0030】
<カートリッジ>
図3を用いて、上記カートリッジ10を装着したカートリッジホルダ27及びその周辺構造について説明する。
【0031】
図3において、カートリッジ10は、装置本体101内の凹所である上記カートリッジホルダ27に着脱可能に収納されている。また、カートリッジ10は、基材テープ16を巻回した基材テープロール17と、カバーフィルム11を巻回したカバーフィルムロール12(被印字テープロール)と、印字用のインクリボン13を繰り出すリボン供給側ロール14と、印字後のインクリボン13を巻取るリボン巻取りローラ15と、テープ送りローラ18とを有している。
【0032】
基材テープロール17は、カートリッジ10の底面に立設されるボス95に回転可能に嵌挿されて収納された基材テープ用スプール17aの周りに、上記基材テープ16を巻回している。
【0033】
基材テープ16は、複数層(この例では4層)の積層構造を備えている(図3中部分拡大図参照)。すなわち、内側に巻かれる側(拡大図中右側)よりその反対側(拡大図中左側)へ向かって、適宜の粘着剤からなり上記カバーフィルム11を貼り合わせるための粘着剤層16a、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)等からなるテープ基材層16b、適宜の粘着剤からなる粘着剤層16c、剥離紙16dの順序で積層され構成されている。
【0034】
剥離紙16dは、最終的に完成した印字ラベルLが所定の物品等の貼り付け対象物に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着剤層16cにより当該貼り付け対象物に接着できるようにしたものである。
【0035】
カバーフィルムロール12は、カートリッジ10の底面に立設されるボス96に回転可能に嵌挿されて収納されたカバーフィルム用スプール12aの周りに、この例では上記基材テープ16と略同じ幅であるカバーフィルム11を巻回している。
【0036】
リボン供給側ロール14は、リボン供給側スプール14aの周りに、インクリボン13を巻回している。リボン巻取りローラ15は、リボン巻取りスプール15aを備えており、カートリッジホルダ27側の上記リボン巻取りローラ駆動軸31により駆動されることで、使用済みのインクリボン13を巻取り、リボン巻取りスプール15aに巻回する。
【0037】
テープ送りローラ18は、カートリッジホルダ27側の上記テープ送りローラ駆動軸30により駆動されることで、上記基材テープ16と上記カバーフィルム11とを押圧し接着させ印字済みラベル用テープ23としつつ、図3中矢印Tで示す方向にテープ送りを行う。すなわち、テープ送りローラ18はテープ圧着ローラとしても機能する。なお、カバーフィルム11と印字済みラベル用テープ23とが、各請求項記載の被印字テープに相当している。
【0038】
なお、上記リボン巻取りローラ15及びテープ送りローラ18は、それぞれカートリッジ10外に設けた例えばパルスモータであるテープ送りモータ33(後述の図4参照)の駆動力が、図示しないギヤ機構を介し上記リボン巻取りローラ駆動軸31及びテープ送りローラ駆動軸30に伝達されることによって、連動して回転駆動される。
【0039】
また、カートリッジ10には、上記テープ送りローラ18と反対側の隅部(図3中右上隅部)に被検出部24が形成されている。この被検出部24には、所定のパターンで複数個のスイッチ孔が孔設されており、各パターンは、前述したように、カートリッジ10の種別情報、すなわち、基材テープ16及びカバーフィルム11のテープ幅、テープ色、テープ材質等を含む、カートリッジの属性情報を含んでいる。前述したカートリッジセンサ37(図2参照)は、上記のようにして各カートリッジ10の種別によって互いに異なるスイッチ孔のパターンを検出し、これによってカートリッジ10の種別を検出することができる。
【0040】
一方、カートリッジホルダ27は、上記印字ヘッド19と、上記リボン巻取りローラ駆動軸31と、上記テープ送りローラ駆動軸30と、ローラホルダ22とを有している。印字ヘッド19は、多数の発熱素子を備えており、上記カバーフィルムロール12から繰り出されたカバーフィルム11の所定の印字領域に印字を行う。
【0041】
テープ送りローラ駆動軸30は、カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10のカバーフィルムロール12から繰り出されるカバーフィルム11と、基材テープロール17から繰り出される基材テープ16とを、上記テープ送りローラ18を駆動させることにより搬送する。
【0042】
ローラホルダ22は、支持軸29により回動可能に枢支され、図示しない切換機構により印字位置とリリース位置に切換可能となっている。このローラホルダ22には、プラテンローラ20及びテープ圧接ローラ21が回転可能に配設されており、ローラホルダ22が上記印字位置(図3に示す位置)に切り換えられたときに、それらプラテンローラ20及びテープ圧接ローラ21が上記印字ヘッド19及びテープ送りローラ18に対し圧着されるようになっている。
【0043】
さらに、カートリッジホルダ27には、カートリッジ10の排出口(図示せず)に隣接してカッタ28が配設されている。このカッタ28は、カッタ駆動ボタン38(後述の図4参照)が押されることにより作動し、印字済みラベル用テープ23を所定の長さに切断して、印字ラベルLを生成する。
【0044】
上記構成において、カートリッジ10が上記カートリッジホルダ27に装着された後、テープ送りモータ33(後述の図4参照)の駆動力によってリボン巻取りローラ駆動軸31及びテープ送りローラ駆動軸30がそれぞれ同期して回転駆動される。テープ送りローラ駆動軸30の駆動に伴いテープ送りローラ18、プラテンローラ20、及びテープ圧接ローラ21が回転し、基材テープロール17から基材テープ16が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ18へ供給される。一方、カバーフィルムロール12からはカバーフィルム11が繰り出されると共に、印字ヘッド駆動回路32(後述の図4参照)により印字ヘッド19の複数の発熱素子が通電される。このとき、インクリボン13が、上記印字ヘッド19に押圧されることで当該カバーフィルム11の裏面に接触させられる。この結果、カバーフィルム11の裏面の所定の印字領域に、所望の印字が行われる。そして、上記基材テープ16と上記印字が終了したカバーフィルム11とがテープ送りローラ18及びテープ圧接ローラ21により接着されて一体化されて印字済みラベル用テープ23として形成され、上記排出口よりカートリッジ10外へと搬出される。そして、カッタ28によって印字済みラベル用テープ23が切断され、所望の印字がされた印字ラベルLが生成される。
【0045】
なお、上述の基材テープ16とカバーフィルム11との貼り合わせを行う構成のカートリッジ10に代えて、当該貼り合わせを行わないタイプのカートリッジを用いてもよい。すなわち、被印字テープとしての、被印字層(例えば熱により発色し印字形成可能な感熱材料からなる感熱層を備えた感熱テープを繰り出し可能なロール(被印字テープロールに相当)を備えたカートリッジを用い、当該ロールから繰り出された感熱テープに対し、インクリボン等を用いることなく印字ヘッド19の発熱のみによって印字を行うようにしてもよい。あるいは、これにも限られず、上記感熱テープに代えて、インクリボンからの熱転写により印字形成可能な被転写材料により構成された被転写層を備えたテープを繰り出し可能なロール(被印字テープロールに相当)を備えたカートリッジを用い、当該ロールから繰り出されたテープに対し、前述のカートリッジ10と同様、インクリボンを用いて印字を行うようにしてもよい。
【0046】
<ラベル作成装置の制御系>
図4を用いて、ラベル作成装置100の機能構成を説明する。
【0047】
図4において、ラベル作成装置100の制御基板(図示せず)上には、制御回路40が配置されている。制御回路40にはCPU44が設けられており、このCPU44に、データバス42を介し、入出力インターフェース41、ROM46、フラッシュメモリ(EEPROM)47、RAM48、テーブル記憶部49、及び通信用インターフェース(通信用I/F)43が接続されている。
【0048】
ROM46には、後述の印字バッファ48Bのデータを読み出して上記印字ヘッド19や後述のテープ送りモータ33を駆動し、後述の図11、図12、図13のフローに示す手順を実行する印字駆動制御プログラム、印字が終了した場合に印字済みラベル用テープ23を切断位置までテープ送りモータ33を駆動して搬送し、後述のソレノイド35を駆動して印字済みラベル用テープ23を切断する切断駆動制御プログラム等、制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU44は、このようなROM46に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
【0049】
RAM48は、CPU44により演算された各種の演算結果等を一時的に記憶する。このRAM48には、テキストメモリ48A、印字バッファ48B、各種演算データ等を格納するワークメモリ48C等が設けられている。テキストメモリ48Aには、文書データ等の印字用データが格納される。
【0050】
テーブル記憶部49は、例えばROM46あるいはEEPROM47の記憶領域の一部で構成されている。このテーブル記憶部49には、例えば、ラベル作成装置100の製造時において当該ラベル作成装置100のメーカによって設定された、カートリッジ10,10′の被検出部24の態様と当該カートリッジ10,10の型式とを対応づけた型式テーブル(図示省略)が予め記憶されている。
【0051】
フラッシュメモリ(EEPROM)47には、ラベル作成が行われる都度、カートリッジ10の現状型式情報が記憶される(詳細は後述)。通信用I/F43は、操作端末400との間で上記通信回線NWを介してネットワーク通信を行う。
【0052】
また入出力インターフェース41には、上記印字ヘッド19を駆動するための印字ヘッド駆動回路32と、テープ送りモータ駆動回路34と、ソレノイド駆動回路36と、上記カートリッジセンサ37と、カッタ駆動ボタン38とが接続されている。
【0053】
テープ送りモータ駆動回路34は、テープ送りモータ33を駆動することにより、前述のテープ送りローラ駆動軸30及びリボン巻取りローラ駆動軸31を駆動し、基材テープ16、カバーフィルム11、及び印字済みラベル用テープ23の搬送を行う。ソレノイド駆動回路36は、上記カッタ28を駆動して切断動作を行わせるソレノイド35を駆動する。カッタ駆動ボタン38は、上記カッタ28を操作者が手動で操作して印字ラベルLを所望の長さとするためのものである。
【0054】
カートリッジセンサ37からは、上述したカートリッジ10に形成された被検出部24の検出結果が入力され、CPU44は、当該検出結果に基づきカートリッジ10の種別情報を検出する。
【0055】
なお、入出力インターフェース41に接続されている、エンドマークセンサ60については、後述する。
【0056】
上記構成の制御系において、操作端末400の適宜の操作により作成された印字用データ(印字データ)が通信回線NWを介しラベル作成装置100に入力される。入力された印字用データは、テキストメモリ48Aに順次記憶される。そして、その記憶された印字用データは再び読み出され、制御回路40の変換機能により所定の変換がされることで、ドットパターンデータが生成され、印字バッファ48Bに記憶される。また、印字ヘッド19が印字ヘッド駆動回路32を介して駆動され、上記各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ48Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期してテープ送りモータ33がテープ送りモータ駆動回路34を介して上記カバーフィルム11等の搬送制御を行い、最終的に印字ラベルLを作成する。
【0057】
<エンドマーク>
以上のようにして、印字ラベルLが繰り返し作成されていき、カバーフィルム11が順次消耗されていくと、最終的にはカバーフィルム11の残存量が少なくなり、印字ラベルLを作成することができなくなる。そこで、本実施形態では、前述のようにカバーフィルムロール12に巻回されたカバーフィルム11の、当該カバーフィルムロール12から繰り出されるときの繰り出し方向終端部に、複数のエンドマーク64(被検出部。後述の図5、図7、図9、図10参照)が設けられる。そして、カートリッジホルダ27における、カバーフィルムロール12のカバーフィルム11の繰り出し位置近傍の部位に、当該エンドマーク64を光学的に検出するエンドマークセンサ60(終端検出手段)が設けられている。このマークセンサ60の検出信号は入出力インターフェース41を介してCPU44に入力され、エンドマークセンサ60の当該エンドマーク64の検出に基づき、CPU44がカバーフィルム11の繰り出し方向の終端部を識別する(詳細は後述)。なお、前述したカートリッジ筐体70の下部70dには、上記検出を円滑に行うために、エンドマークセンサ60が入出力する検出光を透過させる透過孔(図示省略)が設けられている。
【0058】
図5に、上記カバーフィルム11の繰り出し方向終端部を示す。図5に示すように、カバーフィルム11の繰り出し方向終端部Eには、いわゆるエンドマークと称する少なくとも1対の(この例では3対までが図示されている)エンドマーク64が設けられている。この例では、終端部Eにおいて、カバーフィルム11の通常のフィルム部分11A(エンドマーク64以外の部分)が終わり、その終端に後続する形でエンドマーク64が設けられている。なお、終端部Eにおいて、エンドマーク64が終わった後に、さらに若干の上記通常のフィルム部分11Aが設けられていてもよい。各エンドマーク64は、例えば黒色等の光吸収性領域64aと、例えば透明色等の透光性領域64b(非光吸収性領域)とが交互に並んだ1対のパターンからなり、短尺のテープ状に形成されている。
【0059】
<エンドマークセンサ>
図6に、エンドマークセンサ60の回路構成を示す。図6及び前述の図3に示すように、エンドマークセンサ60は、搬送されるカバーフィルム11の搬送経路に向かって投光可能な投光器60a(投光手段)と、この投光器60aから投光され上記透光性領域64bを透過した光の受光量に対応した検出電圧値を出力可能な受光器60b(受光手段)、を備えた光学センサである。図6に示すように、投光器60a(例えば発光ダイオード)と受光器60b(例えばフォトトランジスタ)とあh、電源電圧の入力端子66a,66b間に並列接続されている。また、投光器60aの接地側(発光ダイオードのカソード側)に電流制限抵抗R1が直列に挿入され、受光器60bの接地側(フォトトランジスタのエミッタ側)に負荷抵抗R2が直列に挿入されることで、受光器60bと負荷抵抗R2との間の出力端子67から検出電圧値V(エンドマークセンサ60のセンサ出力)が取り出されるように構成されている。電源電圧Vccには例えば+3.3Vが使用される。エンドマークセンサ60からの検出電圧値Vは、ラベル作成装置100の制御部53の図示しないCPUに入力される。なお、図示の構成では、受光量が大きいほどエンドマークセンサ60からの検出電圧値Vが大きくなるが、これとは逆の極性、受光量が大きいほどエンドマークセンサ60からの検出電圧値Vが小さくなるような特性を持たせるようにしてもよい。
【0060】
図7に、エンドマークセンサ60による、カバーフィルム11の終端部E近傍における上記エンドマーク64の検出の様子を示す。なお、カバーフィルム11は、前述の3層構造を、模式化した態様の1層構造で表示している。
【0061】
図7において、カバーフィルムロール12からカバーフィルム11が矢印方向に繰り出されて搬送されている。例えば、カバーフィルム11のうち上記通常のフィルム部分11Aが、エンドマークセンサ60の投光器60aから発せられた光の受光器60bへの光路λ上を通過しているとする。この場合、投光器60aから発せられた光はほとんど遮られることなくフィルム部分11Aを透光するので受光器64bの受光量が大きくなり、受光器64bから出力されるセンサ出力電圧(上記検出電圧値Vに相当。以下同様)が当該受光量に対応して大きくなる。
【0062】
その後、上記通常のフィルム部分11Aの繰り出し方向終端側に後続するエンドマーク64の光吸収性領域64aが光路λ上に位置したとする。この場合、投光器60aから発せられた光は光吸収性領域64aで遮光されるので、受光器64bの受光量が少なくなって、受光器64bから出力されるセンサ出力電圧は受光量に対応して小さくなる。さらにその後、カバーフィルム11のさらなる搬送によってエンドマーク64の透光性領域64bが光路λ上に位置すると、投光器60aから発せられた光は透光性領域64bを透光するので、受光器64bの受光量が大きくなって、受光器60bから出力されるセンサ出力電圧は受光量に対応して大きくなる。したがって、光吸収性領域64aから透光性領域64bへ進入したときの上記のようなエンドマークセンサ60のセンサ出力電圧の違い(この例では増大)により、ラベル作成装置100側においてエンドマーク64を識別することができ、カバーフィルム11の終端部Eを検出することができる。
【0063】
なお、エンドマークセンサ60として、上記のようないわゆる透過型のセンサではなく、反射型のセンサを用いてもよい。この場合には、投光器60aと受光器60bとの両方がカバーフィルム11の同じ側(図3の左側)に設けられる。そして、投光器60aがカバーフィルム11に向けて投光し、受光器60bが上記投光器60aから発せられた後に上記カバーフィルム11の非光吸収性領域で反射された反射光を受光し、受光した光量に対応する電圧を出力する。
【0064】
<印字ラベルの外観>
図8を用いて、上記のようにしてラベル作成装置100により作成された印字ラベルLの外観及び構造について説明する。
【0065】
図8において、印字ラベルLは、前述の図3に示した基材テープ16にカバーフィルム11が加わった5層構造となっている。すなわち、表面よりその反対側へ向かって、カバーフィルム11、粘着剤層16a、テープ基材層16b、粘着剤層16c、剥離紙16dの順序で積層され構成されている(断面構造の図示は省略)。このとき、カバーフィルム11の裏面には、操作者により操作端末400の操作部402を介し入力された印字用データに対応した内容の印字R(この例では「北海道太郎」の文字)が鏡像印字により印刷されている。
【0066】
<本実施形態の特徴>
以上説明した基本構成において、本実施形態では、その特徴として、カバーフィルム11の終端部近傍のエンドマーク60が検出されたとき、操作者がカートリッジ10を新たに購入する際に役立つ購入支援情報(詳細は後述)が、カバーフィルム11に印字形成される。また、その際、購入支援情報を印字形成可能な領域の大きさに応じて、印字態様(印字内容)が変化する。以下、その内容を順を追って説明する。
【0067】
すなわち、上述のように、ラベル作成装置100においては、印字形成によって、カートリッジ10におけるカバーフィルム11及び基材テープ16が使用の都度消費されていくことから、カートリッジ10は消耗品である。したがって、少なくとも、カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10内のカバーフィルム11及び基材テープ16が消費され新たなカバーフィルム11及び基材テープ16の繰り出しができなくなったときには、操作者は、新たにテープ印字を行うために新しいカートリッジ10を購入して補充しなければならない。
【0068】
既に述べたように、本実施形態では、このようなカバーフィルム11の消費を検出するために、カバーフィルム11の繰り出し方向の終端部近傍にエンドマーク64が設けられるとともに、搬送経路に沿って印字ヘッド19よりも上流側にエンドマークセンサ60が設けられている。これにより、エンドマークセンサ60がエンドマーク64を検出したとき、ラベル作成装置100側でカバーフィルムロール12がほぼすべて消費されたことを識別することができる。
【0069】
このような新規カートリッジ10の購入時においては、操作者は、その時点で使用しているカートリッジ10(すなわちカートリッジホルダ27に装着されているテープカートリッジ)と同一型式のカートリッジ10の購入を意図するのが一般的である。しかしながら、一般に、型式の表記はメーカの都合により設定される記号や数字等から構成されており、操作者にとっては覚えやすいものではない(後述の図9(a)〜(e)も参照)。また、異なる型式のカートリッジ10でも外観形状が互いに類似している場合もあり、操作者が誤購入する可能性もある。
【0070】
<情報印字領域への印字形成態様>
そこで、本実施形態においては、上記のようにエンドマークセンサ60がエンドマーク64を検出したことを契機に、その時点で購入支援情報を印字可能として残されている情報印字領域(後述の図10の情報印字領域AR1,AR2,AR3参照)の大きさに応じ、図9(a)〜(e)のいずれかの態様の印字が、カバーフィルム11のエンドマーク64より上流側に形成される。以下、購入支援情報の印字形成の種々の態様を、図9(a)〜(e)により、順を追って説明する。
【0071】
図9(a)は、エンドマーク64検出時において購入支援情報を形成可能とされた情報印字領域ARの大きさが十分に大きな大領域であった場合(詳細には、情報印字領域ARのテープ長さ方向寸法がしきい値S2以上でかつしきい値S1より小さかった場合。詳細は後述)を示している。この場合の情報印字領域ARには、カートリッジ10の現状型式情報と最新型式情報とを含む購入支援情報(第1情報区分に相当)が印字形成される現状型式・最新型式情報印字区分T1と、ラベル作成装置100において過去に使用されたカートリッジ10の使用履歴情報を含む購入支援情報(第2情報区分に相当)が印字形成される使用履歴情報印字区分T2と、ラベル作成装置100に適用可能なカートリッジ10の全型式情報、及び、その他のラベル作成装置100の装置スペック情報(性能情報・仕様情報など)を含む購入支援情報(第3情報区分に相当)が印字形成される全型式情報等印字区分T3と、を備えている。なおこのとき、図示のように、全型式情報等印字区分T3は、使用履歴情報印字区分T2よりもテープ搬送方向上流側に配置され、使用履歴情報印字区分T2は現状型式情報・最新型式情報印字区分T1よりもテープ搬送方向上流側に配置される。
【0072】
現状型式・最新型式情報印字区分T1の上記現状型式情報は、以下のようにして取得される。すなわち、カートリッジ10がカートリッジホルダ27に装着されると、カートリッジセンサ37の検出結果によって、当該装着されているカートリッジ10の属性情報(例えば被印字テープのテープ幅、テープ色、テープ材質等)がCPU44により取得される。そして、CPU44が、この取得された属性情報に対し、前述したテーブル記憶部49の上記型式テーブルを参照することで、当該装着されているカートリッジ10の型式を現状型式情報として取得する。図9(a)の例では、現状型式(図中では「使用中型式」と表記)が「TZ−378」であり、カバーフィルム11及び基材テープ16の幅が12mmで基材テープ16の色が黒色であること、また、ラミネートタイプの上記カートリッジ10であること、が印字形成により表されている。
【0073】
一方、上記最新型式情報は、以下のようにして取得される。すなわち、CPU44が、通信用I/F43を介し、ラベル作成装置100のメーカの製品情報WebサイトWA、販売店のWebサイトWB、通信販売のWebサイトWC等とのいずれかにアクセスする。そして、CPU44は、上述のようにしてカートリッジセンサ37の検出結果から取得された属性情報に対応した、カートリッジ10の最新型式情報を取得し、EEPROM47に保存する。図9(a)の例では、上記現状型式「TZ−378」に対応する最新型式(図中では「新型式」と表記)が「Tze−733」であることが、印字形成により表されている。
【0074】
また、使用履歴情報印字区分T2の上記使用履歴情報は、以下のようにして取得される。すなわち、ラベル作成装置100は、既に述べたように、複数種類のカートリッジ10を適宜に交換して使用可能である。そして、そのように複数の型式のカートリッジ10が交換されつつ順次カートリッジホルダ27に装着され使用されたときは、CPU44の制御により、カートリッジセンサ37による各カートリッジ10の上記属性情報に上記のように型式テーブルを適用して取得された各カートリッジ10の型式(すなわち現状型式情報)が、使用履歴情報としてその都度EEPROM47に記憶され蓄積される。そして上記支援情報ラベルLAの作成時に、当該使用履歴情報がEEPROM47から読み出され、使用される。図9(a)の例では、ラベル作成装置100において、過去に使用されたことがある型式として、「Tz−365」(感熱テープ16′の幅が24mmである感熱タイプのカートリッジ10′)、「Tz−123」(カバーフィルム11の幅が6mmであるラミネートタイプのカートリッジ10)、「Tz−057」(カバーフィルム11の幅が9mmであるラミネートタイプのカートリッジ10)があることが、印字形成により表されている。
【0075】
上記全型式情報等印字区分T3及び装置スペック情報は、上述と同様、EEPROM47等の記憶内容から取得するか、あるいは各WebサイトWA〜WCから取得すれば足りる。図9(a)の例では、ラベル作成装置100において使用可能な全型式として、「TZ−○○○」「Tze−○○○」「SZ−○○○」の各シリーズであって、被印字テープ11,16′等の幅が6[mm]から24[mm]までの型式が存在することが、印字形成により表されている。なお、この例では、全型式情報(型式をフルに表記したもの)そのものではなく、図示の「TZ/Tze/SZ」のように全型式情報に対応した情報(この例では略した情報)が表記されている。また、ラベル作成装置100の前述の装置スペックとして、所定の高速印刷モードに対応可能であることと、バッテリ駆動で使用する際には、単三アルカリ電池が6本必要であること、が、印字形成により表されている。
【0076】
図9(b)は、エンドマーク64検出時において購入支援情報を形成可能とされた情報印字領域ARの大きさが、上記図9(a)よりもやや小さい、中領域であった場合(詳細には、情報印字領域ARのテープ長さ方向寸法がしきい値S3以上でかつしきい値S2より小さかった場合。詳細は後述)を示している。この場合の情報印字領域ARには、上記同様の、現状型式・最新型式情報印字区分T1と使用履歴情報印字区分T2とが備えられる一方、上記全型式情報等印字区分T3は、形成できるスペースがないことから、省略される。
【0077】
図9(c)は、エンドマーク64検出時において購入支援情報を形成可能とされた情報印字領域ARの大きさが、上記図9(b)よりもさらにやや小さい、小領域であった場合(詳細には、情報印字領域ARのテープ長さ方向寸法がしきい値S3以上でかつしきい値S2より小さかった場合。詳細は後述)を示している。この場合の情報印字領域ARには、上記同様の、現状型式・最新型式情報印字区分T1が備えられる一方、上記使用履歴情報印字区分T2及び全型式情報等印字区分T3は、形成できるスペースがないことから、省略される。
【0078】
図9(d)は、エンドマーク64検出時において購入支援情報を形成可能とされた情報印字領域ARの大きさが、上記図9(c)よりもさらに小さい、極小領域であった場合(詳細には、情報印字領域ARのテープ長さ方向寸法がしきい値S4以上でかつしきい値S3より小さかった場合。詳細は後述)を示している。この場合の情報印字領域ARには、上記現状型式・最新型式情報印字区分T1、使用履歴情報印字区分T2、全型式情報等印字区分T3はいずれも形成できるスペースがないことから、それらに代えて、2次元バーコードBCが印字形成された2次元バーコード領域T4が備えられている。
【0079】
この2次元バーコードBCは、この例では、図9(a)に示した、現状型式・最新型式情報印字区分T1、使用履歴情報印字区分T2、全型式情報等印字区分T3に印字形成される各購入支援情報と同等の内容をバーコード情報化したものである。すなわち、この図9(d)に示す例では、2次元バーコード領域T4の2次元バーコードBCに対し適宜の光学読み取り装置(いわゆるバーコードリーダ等。図示省略)で読み取りが行われることにより、上記現状型式・最新型式情報印字区分T1、使用履歴情報印字区分T2、全型式情報等印字区分T3に印字形成された内容と同様の、カートリッジ10の現在型式情報・最新型式情報・全型式情報、ラベル作成装置100の使用履歴情報やスペック情報等を、適宜の表示手段(図示省略)に表示することができる。
【0080】
図示の例では、図9(a)に示した各購入支援情報と同様の内容、すなわち、カートリッジ10の現状型式が「TZ−378」でカバーフィルム11及び基材テープ16の幅が12mmで基材テープ16が黒色であり、ラミネートタイプの上記カートリッジ10であること、対応する最新型式が「Tze−733」であること、ラベル作成装置100の使用履歴として、「Tz−365」(感熱テープの幅が24mmである感熱タイプのカートリッジ10)、「Tz−123」(カバーフィルム11の幅が6mmであるラミネートタイプのカートリッジ10)、「Tz−057」(カバーフィルム11の幅が9mmであるラミネートタイプのカートリッジ10)があること、が、上記光学読み取り装置での読み取りによって上記表示手段に表示される。
【0081】
図9(e)は、エンドマーク64検出時において購入支援情報を形成可能とされた情報印字領域ARの大きさがほとんどとれなかった場合(詳細には、情報印字領域ARのテープ長さ方向寸法がしきい値S4より小さかった場合。詳細は後述)を示している。この場合、事実上、情報印字領域ARのスペースを確保できないことから、それらに代えて、エンドマーク64に上記購入支援情報の印字形成が行われる。具体的には、図9(e)に示すように、複数のエンドマーク64の非光吸収性領域64bそれぞれに、前述の購入支援情報の少なくとも一部が順次形成される。
【0082】
この例では、搬送方向下流側(図示左側)から上流側(図示右側)に向かって1番目の非光吸収性領域64bに、現状型式情報・最新型式情報であることを表す「使用中テープ」等の印字形成が行われている。その次の2番目の非光吸収性領域64bには、現状型式が、カバーフィルム11及び基材テープ16の幅が12mmで基材テープ16の色が黒色であるカートリッジ10であることを表す「ラミ12mm黒」等の印字形成が行われている。その次の3番目の非光吸収性領域64bには、現状型式である「TZ−378」等の印字形成が行われ、その次の4番目の非光吸収性領域64bには、現状型式に対応した最新形式である「Tze−733」等の印字形成が行われている。
【0083】
そして、1つ置いて6番目の非光吸収性領域64bに、使用履歴情報であることを表す「履歴テープ」等の印字形成が行われている。その次の7番目の非光吸収性領域64bには使用された型式の1つである「Tz−365」等の印字形成が行われ、その次の8番目の非光吸収性領域64bには使用された型式の1つである「Tz−123」等の印字形成が行われ、その次の9番目の非光吸収性領域64bには使用された型式の1つである「Tz−057」等の印字形成が行われている。
【0084】
なお、上記図9(e)に示す印字態様は、上述のように情報印字領域ARのスペースを確保できなかった場合に限られず、スペースは確保できたが、カバーフィルム11のうちエンドマーク64以外の部分(実質的な被印字有効領域)に購入支援情報を印字形成したくない場合にも適用してもよい。
【0085】
<購入支援情報の印字形成挙動>
次に、図10を用いて、上記のようにしてラベル作成装置100により作成される購入支援情報を印字する挙動について説明する。なお、図10ではテープの搬送挙動をカバーフィルム11のみで概念的に図示し、実際にはカバーフィルム11に貼り合わされる基材テープ16の挙動については図示及び説明を省略する。
【0086】
本実施形態においては、上述したように、印字形成の際のカバーフィルム11の搬送中においてエンドマークセンサ60がエンドマーク64を検出することにより、カバーフィルム11の消費を識別する。すなわち、エンドマーク64の検出時には上記印字用データに基づく印字ラベルL作成のための印字形成が行われている途中である。したがって、上記購入支援情報の印字形成を開始するより前に、当該実行途中の印字ラベルL用の印字形成を完了させなければならない。その際、印字用データのうち未印字の部分が多い場合には上記印字形成の完了のために必要なテープ搬送方向距離が長くなり、上記購入支援情報を印字形成するための情報印字領域AR(図10(b)(g)(l)参照)が小さくなる。逆に印字データのうち未印字の部分が少ない場合には上記印字形成の完了のために必要なテープ搬送方向距離が短くなり、上記購入支援情報を印字形成するための情報印字領域ARは大きくなる。
【0087】
<情報印字領域を比較的大きく確保できる場合>
図10(a)〜図10(e)に示す例は、比較的大きな情報印字領域ARが確保できる例であり、前述の図9(a)に対応している。この例では、カバーフィルム11のうちエンドマーク64直前の最後の部分で、テキスト「AB」の2文字の印字Rを備えた印字ラベルLが作成される。まずカバーフィルム11の搬送が開始され(図10(a)参照)、印字ヘッド19により印字Rの形成が開始された後、搬送が進むにつれて印字Rの形成も進んでいく。そして、印字ヘッド19により「B」の半分ほどまでが印字されているタイミングで、エンドマークセンサ60がエンドマーク64を検出する(図10(b)参照)。この場合、カバーフィルム11に対し未印字であるのは「B」の残りだけである。この結果、上記テキスト文字「AB」を含む印字用データに基づき算出される情報印字領域AR(言い換えれば印字ラベルLとなる部分の搬送方向上流側の端部近傍からエンドマーク64の搬送方向下流側の端部近傍までの領域)の大きさが十分に大きくなる。
【0088】
ここで、本実施形態では、上記情報印字領域ARにおいて印字形成が行われる印字区分の優先順位が、前述の現状型式・最新型式情報印字区分T1が最優先(第1優先度)で、使用履歴情報印字区分T2が2番目に優先(第2優先度)、全型式情報等印字区分T3が3番目に優先(第3優先度)、という順序で定められている。上述の場合は、情報印字領域ARの大きさが十分に大きいことから、上記のようにしてテキスト「AB」の印字Rの形成が完了した後にさらにカバーフィルム1が搬送されるのに従って、第1優先度〜第3優先度のすべての区分、すなわち現状型式・最新型式情報印字区分T1、使用履歴情報印字区分T2、全型式情報等印字区分T3のすべてが、この順序で順次印字される(図10(c)参照)。
【0089】
この例では、上述のような全型式情報等印字区分T3の印字形成中において、搬送が停止され、印字ラベルLとなるカバーフィルム11の搬送方向上流側(後端側)端部がカッタ28で切断される(図10(d)参照)。そして、その後搬送が再開されて切断された印字ラベルLが排出された後も上記全型式情報等印字区分T3の印字形成が続行され、最終的に、エンドマーク64の搬送方向下流側(先端側)に、現状型式・最新型式情報印字区分T1、使用履歴情報印字区分T2、全型式情報等印字区分T3のすべてが形成された状態(図9(a)参照)でカバーフィルム11の搬送が停止する(図10(e)参照)。
【0090】
<情報印字領域を中程度確保できる場合>
図10(f)〜図10(j)に示す例は、上記図10(a)〜(e)よりはやや小さい、中程度の情報印字領域ARが確保できる例であり、前述の図9(b)に対応している。この例では、カバーフィルム11のうちエンドマーク64直前の最後の部分で、テキスト「ABCDE」の5文字の印字Rを備えた印字ラベルLが作成される。上記同様、カバーフィルム11の搬送が開始され(図10(f)参照)印字Rの形成が開始された後、「B」の半分ほどまでが印字されているタイミングでエンドマーク64が検出される(図10(g)参照)。しかしながらこの場合、カバーフィルム11に対し「B」の残りと「CDE」の3文字が未印字である。この結果、上記テキスト文字「ABCDE」を含む印字用データに基づき算出される情報印字領域ARの大きさが、上記図10(b)よりはやや小さく、中程度となる。
【0091】
この結果、上記のようにしてテキスト「ABCDE」の印字Rの形成が完了した後にさらにカバーフィルム1が搬送されるのに従って、第1優先度〜第3優先度のうちの、第1優先度及び第2優先度の現状型式・最新型式情報印字区分T1及び使用履歴情報印字区分T2のみが優先的に選択され、これら印字区分T1,T2が、この順序で順次印字される(図10(h)参照)。
【0092】
この例では、使用履歴情報印字区分T2の印字形成が完了したのとほぼ同タイミングで搬送が停止され、印字ラベルLとなるカバーフィルム11の搬送方向上流側(後端側)端部がカッタ28で切断される(図10(d)参照)。そして、その後搬送が再開されて切断された印字ラベルLが排出されることで、最終的に、エンドマーク64の搬送方向下流側(先端側)に、現状型式・最新型式情報印字区分T1及び使用履歴情報印字区分T2が形成された状態でカバーフィルム11の搬送が停止する(図10(j)参照)。
【0093】
<情報印字領域を小さくしか確保できない場合>
図10(k)〜図10(o)に示す例は、上記図10(f)〜(j)よりさらに小さい、小程度の情報印字領域ARしか確保できない例であり、前述の図9(c)に対応している。この例では、カバーフィルム11のうちエンドマーク64直前の最後の部分で、テキスト「ABCDEFG」の7文字の印字Rを備えた印字ラベルLが作成される。上記同様、カバーフィルム11の搬送が開始され(図10(k)参照)印字Rの形成が開始された後、「B」の半分ほどまでが印字されているタイミングでエンドマーク64が検出される(図10(l)参照)。この場合、カバーフィルム11に対し「B」の残りと「CDEFG」の5文字が未印字となる。この結果、上記テキスト文字「ABCDEFG」を含む印字用データに基づき算出される情報印字領域ARの大きさが、上記図10(c)よりさらに小さく、小程度となる。
【0094】
この結果、上記のようにしてテキスト「ABCDEFG」の印字Rの形成が完了した後にさらにカバーフィルム1が搬送されるのに従って、第1優先度〜第3優先度のうちの、第1優先度の現状型式・最新型式情報印字区分T1のみが優先的に選択され、この印字区分T1が印字される(図10(m)参照)。
【0095】
この例では、現状型式・最新型式情報印字区分T1の印字形成が完了してさらにある程度搬送した後に搬送が停止され、印字ラベルLとなるカバーフィルム11の搬送方向上流側(後端側)端部がカッタ28で切断される(図10(n)参照)。そして、その後搬送が再開されて切断された印字ラベルLが排出されることで、最終的に、エンドマーク64の搬送方向下流側(先端側)に、現状型式・最新型式情報印字区分T1が形成された状態でカバーフィルム11の搬送が停止する(図10(o)参照)。
【0096】
<制御手順>
次に、上記の内容を実現するために、ラベル作成装置100の制御回路40のCPU44によって実行される制御内容を、図11〜図13を用いて説明する。
【0097】
図11において、例えば操作者によりラベル作成装置100の電源がオンにされることによって、このフローが開始される(「START」位置)。
【0098】
まずステップS5で、CPU44は、エンドマーク検出フラグFe、バーコード印字フラグFb、エンドマーク間印字フラグFzを全てゼロに初期化する。これら各フラグの詳細については後述する。
【0099】
その後、ステップS10で、CPU44は、カートリッジセンサ37からの検出信号を入力し、その入力した信号により、上記カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10等に備えられる基材テープ16及びカバーフィルム11のテープ幅、テープ色、テープ材質等の上記属性情報(言い換えれば上記種別情報)を検出し、当該検出結果を例えばRAM48に記憶する。なお、CPU44がカートリッジセンサ37の検出結果を常時入力していて、このタイミングでRAM48に記憶するようにしてもよい。なお、このステップS10が各請求項記載の属性検出手段として機能する。
【0100】
その後、ステップS20で、CPU44は、操作端末400から出力された作成指示信号を通信回線NWを介して入力したかどうかを判定する。操作者が印字ラベルLの作成を意図する場合には、操作者による操作部402での適宜の操作によって上記テキストを印字形成するための印字用データが生成され、この印字用データを含む印字ラベルLのラベル作成指示信号が操作端末400から送信される。このラベル作成指示信号が操作端末400から入力するまで判定が満たされず(S20:NO)、ループ待機する。ラベル作成指示信号が操作端末400から入力したら、判定が満たされて(S20:YES)、当該ラベル作成指示信号に含まれる印字ラベルLを作成するための印字用データをテキストメモリ48Aに格納し、ステップS22に移る。
【0101】
ステップS22では、CPU44は、テーブル記憶部49の上記型式テーブルを用いて、上記ステップS10で取得されたカートリッジ10等の属性情報に対応した、現在装着されているカートリッジ10等の現状型式情報を取得する。なお、このステップS22が各請求項記載の現状型式情報取得手段として機能する。
【0102】
その後、ステップS23に移り、CPU44は、通信用I/F43を介し、上記の製品情報WebサイトWA、販売店のWebサイトWB、通信販売のWebサイトWC等にアクセスし、上記ステップS10で検出されたカートリッジ10等の属性情報に対応した、カートリッジ10等の最新型式情報を取得する。なお、このステップS23が各請求項記載の最新型式情報取得手段として機能する。
【0103】
その後、ステップS27に移り、CPU44は、EEPROM47から、ラベル作成装置100において、その時点までにラベル作成装置100において使用されたカートリッジ10等の使用履歴情報を取得する。なお、使用履歴情報のうち、例えば所定の経過時期を境にそれよりも古い情報はカットして取得しないようにしてもよい。
【0104】
その後、ステップS29及びステップS291において、CPU44は、上述したように、EEPROM47等の記憶内容や、各WebサイトWA〜WCから、ラベル作成装置100に適用可能なカートリッジ10等の全型式情報、及び、上記装置スペック情報を取得する。図示の例ではステップS29でEEPROM47から装置スペック情報が取得され、ステップS291で各WebサイトWA〜WCから全形式情報が取得され、EEPROM47に保存される。したがって、ステップS291が全型式取得手段として機能している。
【0105】
ステップS30では、CPU44は、上記ステップS20でテキストメモリ48Aに格納した、印字ラベルLを作成するための印字用データを読み出して例えば所定の変換を行い、カバーフィルム11への印字内容に対応したドットパターンデータ(印字駆動データ)を生成する。そして、印字バッファ48Bに記憶させる。
【0106】
その後、ステップS100で、CPU44は、上記ドットパターンデータに対応する印字が形成された印字ラベルL又は支援情報ラベルLを作成するララベル作成処理を実行する。すなわち、印字ヘッド19の複数の発熱素子が上記印字ヘッド駆動回路32(図5参照)により通電され、これによりカバーフィルム11に印字が印刷され、印字済みラベル用テープ23として形成される。このステップS100が各請求項記載の印字制御手段として機能する。
【0107】
そして、ステップS40で、CPU44は、上記ステップS100でのラベル作成処理によって使用された現状型式(ステップS22で取得された型式)を使用履歴としてEEPROM47に記憶する。このステップS40が各請求項記載の履歴記憶手段として機能する。そして、このフローを終了する。
【0108】
<ラベル作成処理>
次に、図12を用いて、上記図11のステップS100のラベル作成処理の詳細手順を説明する。なお、この図12では、上記図3に示したラミネートタイプのカートリッジ10を用いて印字ラベルLを作成する場合を一例として説明する。
【0109】
まずステップS110で、CPU44は、テープ送りモータ駆動回路34に制御信号を出力し、テープ送りモータ33によりテープ送りローラ駆動軸30及びリボン巻き取りローラ駆動軸31を駆動する。これによって、基材テープロール17からの基材テープ16の繰り出しと、カバーフィルムロール12からのカバーフィルム11の繰り出しとを開始し、これら基材テープ16、カバーフィルム11、及び印字済みラベル用テープ23(以下、単に「基材テープ16等」と総称する)の搬送が開始される。
【0110】
その後、ステップS120で、CPU44は、基材テープ16等が所定量だけ搬送されたか否かを判定する。この所定量とは、例えば、カバーフィルム11に備えられた印字領域の先端が、印字ヘッド19がほぼ対向する位置に到達するだけの搬送距離である。この搬送距離判定は、例えば基材テープ16に設けたマーキングを公知のテープセンサ(図示せず)で検出する、あるいは、パルスモータであるテープ送りモータ33へテープ送りモータ駆動回路34から出力される制御信号としての制御パルスのパルス数をカウントする、等の公知の手法で行えば足りる。所定量が搬送されていれば、ステップS120の判定が満たされ(S120:YES)、後述のステップS130に移行する。所定量が搬送されなければ、ステップS120の判定が満たされず(S120:NO)、ステップS121に移る。
【0111】
ステップS121では、CPU44は、エンドマークセンサ60の検出信号に基づき、エンドマークセンサ60がエンドマーク64を検出したか否かを判定する。エンドマーク64が検出されていなければ、ステップS121の判定が満たされず(S121:NO)、ステップS120に戻って、同様の手順を繰り返す。エンドマーク64が検出されたら、ステップS121の判定が満たされ(S121:YES)、ステップS200に移行する。
【0112】
ステップS200では、CPU44は、操作者がカートリッジ10を新たに購入する際の購入支援情報を生成する、支援情報設定処理が実行される。この支援情報設定処理の詳細に関しては後述する。その後、ステップS123に移る。
【0113】
ステップS123では、CPU44は、上記エンドマーク検出フラグFeを1にした後、ステップS120に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0114】
ステップS130では、CPU44は、印字ヘッド駆動回路32に制御信号を出力し、印字ヘッド19に、カバーフィルム11の印字領域に対し、上記印字駆動データに対応した印字を開始させる。
【0115】
その後、ステップS140で、CPU44は、カバーフィルム11の上記印字領域に対する印字が全て完了したか否か(言い換えれば、印字ヘッド19による上記印字駆動データのカバーフィルム11への印字形成がすべて終了したか否か)を判定する。印字が全て完了していれば、ステップS140の判定が満たされ(S140:YES)、後述のステップS150に移行する。印字が全て完了していなければ、ステップS140の判定が満たされず(S140:NO)、ステップS141に移行する。
【0116】
ステップS141では、CPU44は、上記ステップS121と同様、エンドマークセンサ60がエンドマーク64を検出したかどうかを判定する。エンドマーク64が検出されなければ、ステップS141の判定が満たされず(S141:NO)、ステップS140に戻って同様の手順を繰り返す。エンドマーク64が検出されたらステップS141の判定が満たされ(S141:YES)、上記ステップS200に移行する。
【0117】
ステップS200では、CPU44は、上記同様、支援情報設定処理を実行する。その後、ステップS143で、CPU44は、上記ステップS123と同様、エンドマーク検出フラグFeを1にし、ステップS140に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0118】
ステップS150では、CPU44は、基材テープ16等がさらに所定量だけ搬送されたか否かを判定する。この所定量とは、例えば、印字領域の全てがカッタ28を所定の長さ分越えるだけの搬送距離である。このときの搬送距離判定も例えば上記ステップS120と同様にすれば足りる。所定量が搬送されていれば、ステップS150の判定が満たされ(S150:YES)、後述のステップS160に移行する。所定量が搬送されていなければ、ステップS150の判定が満たされず(S150:NO)、ステップS151に移行する
【0119】
ステップS151では、CPU44は、上記エンドマーク検出フラグFeが1であるか否かを判定する。Fe=0であれば、ステップS151の判定が満たされず(S151:NO)、ステップS151aに移行する。Fe=1であれば、ステップS151の判定が満たされ(S151:YES)、後述のステップS152に移行する。
【0120】
ステップS151aでは、CPU44は、上記ステップS121やステップS141と同様、エンドマークセンサ60がエンドマーク64を検出したかどうかを判定する。エンドマーク64が検出されなければ、ステップS151aの判定が満たされず(S151a:NO)、上記ステップS150に戻り、同様の手順を繰り返す。エンドマーク64が検出されたらステップS151aの判定が満たされ(S151a:YES)、上記ステップS200に移行する。
【0121】
ステップS200では、CPU44は、上記同様、支援情報設定処理を実行する。その後、ステップS151bで、CPU44は、上記ステップS123と同様、エンドマーク検出フラグFeを1にし、上記ステップS150に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0122】
一方、ステップS152では、CPU44は、上記バーコード印字フラグFbが1であるか否かを判定する。Fb=0であれば、ステップS152の判定が満たされず(S152:NO)、ステップS153に移行する。Fb=1であれば、ステップS151の判定が満たされ、後述のステップS156に移行する。
【0123】
ステップS153では、CPU44は、上記エンドマーク間印字フラグFzが1であるか否かを判定する。Fz=0であれば、ステップS153の判定が満たされず、ステップS154に移行する。Fb=1であれば、ステップS153の判定が満たされ、後述のステップS158に移行する。
【0124】
ステップS154では、CPU44は、カバーフィルム11が、後述の支援情報設定処理の設定に基づく、購入支援情報の印字開始位置(言い換えれば、例えば図9(a)〜(c)の例における上記情報印字領域ARの搬送方向下流側端部)に到達したか否かを判定する。このときの搬送距離判定は、例えば上記ステップS120と同様にすれば足りる。なお、図10を用いて前述したように、エンドマークセンサ60によりエンドマーク64が検出された時点で作成されている印字ラベルLの印字用データのうち、未印字の部分が多い場合には上記印字形成の完了のために必要なテープ搬送方向距離が長くなり、上記購入支援情報の印字開始位置は、より搬送方向上流側(エンドマーク64側)となる。上記未印字の部分が少ない場合には上記印字形成の完了のために必要なテープ搬送方向距離は短くて済み、上記購入支援情報の印字開始位置は、より搬送方向下流側(エンドマーク64から離れる側)となる。購入支援情報の印字開始位置に到達していない場合には、ステップS154の判定が満たされず(S154:NO)、ループ待機する。印字開始位置に到達したらステップS154の判定が満たされ(S154:YES)、ステップS155に移行する。
【0125】
ステップS155では、CPU44は、印字ヘッド駆動回路32に制御信号を出力し、印字ヘッド19により、カバーフィルム11の情報印字領域ARに対し、後述のステップS230、又はステップS250、若しくはステップS270で生成され設定された購入支援情報の印字を開始する。その後、上記ステップS150に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0126】
一方、ステップS156では、CPU44は、カバーフィルム11がバーコード印字開始位置(言い換えれば、例えば図9(d)の例における上記情報印字領域ARの搬送方向下流側端部)に到達したか否かを判定する。このときの搬送距離判定も、例えば上記ステップS120と同様にすれば足りる。バーコード印字開始位置に到達していない場合には、ステップS156の判定が満たされず(S156:NO)、ループ待機する。バーコード印字開始位置に到達したらステップS156の判定が満たされ(S156:YES)、ステップS157に移行する。
【0127】
ステップS157では、CPU44は、印字ヘッド駆動回路32に制御信号を出力し、印字ヘッド19により、カバーフィルム11の情報印字領域ARに対し、後述のステップS230、又はステップS250、若しくはステップS270で生成され設定された購入支援情報に対応した、バーコードBC(図9(d)参照)の印字を開始する。その後、上記ステップS150に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0128】
一方、ステップS158では、CPU44は、カバーフィルム11が、上記エンドマーク64が印字ヘッド19に対向する位置に到達したか否かを判定する。エンドマーク64の対向位置に到達していない場合には、ステップS158の判定が満たされず(S158:NO)、ループ待機する。エンドマーク64の対向位置に到達していた場合は、ステップS158の判定が満たされ(S158:YES)、ステップS159に移行する。
【0129】
ステップS159では、CPU44は、印字ヘッド駆動回路32に制御信号を出力し、印字ヘッド19により、カバーフィルム11のエンドマーク64の各透光性領域64bに対し、後述のステップS230、又はステップS250、若しくはステップS270で生成され設定された購入支援情報に応じた印字を、前述の優先順位の高い順に開始する。その後、上記ステップS150に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0130】
上記ステップS150の判定が満たされて移行するステップS160では、CPU44は、テープ送りモータ駆動回路34に制御信号を出力し、テープ送りモータ33によるテープ送りローラ駆動軸30及びリボン巻取りローラ駆動軸31の駆動を停止し、基材テープロール17及びカバーフィルムロール12からの基材テープ16及びカバーフィルム11の繰り出し、及び、基材テープ16等の搬送を停止する。
【0131】
その後、ステップS170で、CPU44は、操作者により上記カッタ駆動ボタン38が手動操作されたか否かを判定する。カッタ駆動ボタン38が手動操作されるまで判定が満たされず(S170:NO)、ループして待機し、カッタ駆動ボタン38が手動操作されたら、判定が満たされ(S170:YES)、ステップS180に移る。
【0132】
ステップS180では、CPU44は、ソレノイド駆動回路36に制御信号を出力し、ソレノイド35を駆動し、カッタ28によって印字済みラベル用テープ23の切断を行う。前述したように、この時点で上記印字領域を含む印字済みラベル用テープ23の全てがカッタ28を十分に越えており、このカッタ28の切断によって、印字駆動データに対応した印字が行われた印字ラベルLが生成される。
【0133】
その後、ステップS190で、CPU44は、別途設けた排出用ローラ(図示せず)を駆動する排出用モータ(図示せず)に制御信号を出力し、上記ステップS180で生成された印字ラベルLを装置外へと排出する。なお、排出用モータがなくても手動操作で被印字テープを装置外へ排出できる場合には、このステップS190を省略してもよい。その後、このルーチンを終了する。
【0134】
<支援情報設定処理>
次に、図13を用いて、上記図12のステップS200の詳細手順を説明する。
【0135】
まず、ステップS210で、CPU44は、エンドマークセンサ60がエンドマーク64を検出したことに対応し、この時点で作成している印字ラベルLの印字用データ(図11のステップS20で取得済み)に基づき、カバーフィルム11のうちエンドマーク64より搬送方向下流側に確保できる上記情報印字領域ARの大きさ(詳細には、情報印字領域ARの搬送方向長さS。前述の図10(b)、図10(g)、図10(l)参照)を算出する。上述したように、印字ラベルLの印字用データのうち、未印字の部分が多い場合には上記印字形成の完了のために必要なテープ搬送方向距離が長くなり、確保できる情報印字領域ARの大きさは小さくなる(図10(l)参照)。上記未印字の部分が少ない場合には上記印字形成の完了のために必要なテープ搬送方向距離は短くて済み、確保できる情報印字領域ARの大きさは大きくなる(図10(b)参照)。なお、このステップS210が各請求項記載の領域算出手段として機能する。その後、ステップS220に移る。
【0136】
ステップS220では、CPU44は、ステップS210で算出された情報印字領域ARの搬送方向長さSが、所定のしきい値S1以上であるか否かを判定する。なお、このしきい値S1は、図9を用いて前述した現状型式・最新型式情報印字区分T1、使用履歴情報印字区分T2、及び全型式情報等印字区分T3のすべてを印字形成するのに十分な距離として、予め設定され記憶されている値である(図9(a)及び図10(e)参照)。S≧S1である場合には、ステップS220の判定が満たされ(S220:YES)、ステップS230に移行する。S<S1である場合には、ステップS220の判定が満たされず(S220:NO)、後述のステップS240に移行する。
【0137】
ステップS230では、CPU44は、上記図11のステップS22で取得された現状型式情報(図9(b)の例では「Tz−378)と、ステップS23で取得された最新型式情報(図9(b)の例では「Tze−733」)と、ステップS27で取得された、上記使用履歴情報(図9(b)の例では、感熱テープ16′の幅が24mmの感熱タイプのカートリッジ10′である「Tz−365」、カバーフィルム11の幅が6mmのラミネートタイプのカートリッジ10である「Tz−123」、カバーフィルム11の幅が9mmのラミネートタイプのカートリッジ10である「Tz−057」)と、ステップS29やステップS291で取得された上記全型式情報及び装置スペック情報(図9(b)の例では、全型式が「TZ−○○○」「Tze−○○○」「SZ−○○○」の各シリーズであり被印字テープ11,16′等の幅が6[mm]から24[mm]までの型式が存在すること、高速印刷モードに対応可能であること、バッテリ駆動時に単三アルカリ電池が6本必要であること)と、を含む購入支援情報を生成する。その後、このルーチンを終了する。
【0138】
一方、ステップS240では、CPU44は、ステップS210で算出された情報印字領域ARの搬送方向長さSが、所定のしきい値S2以上上記S1未満であるか否かを判定する。なお、このしきい値S2は、図9を用いて前述した現状型式・最新型式情報印字区分T1、使用履歴情報印字区分T2、及び全型式情報等印字区分T3のうち、現状型式・最新型式情報印字区分T1及び使用履歴情報印字区分T2を印字形成するのに十分な距離として、予め設定され記憶されている値である(図9(a)及び図10(j)参照)。S1>S≧S2である場合には、ステップS240の判定が満たされ(S240:YES)、ステップS250に移行する。S<S2である場合には、ステップS240の判定が満たされず(S240:NO)、後述のステップS260に移行する。
【0139】
ステップS250では、CPU44は、上記図11のステップS22で取得された上記現状型式情報と、ステップS23で取得された上記最新型式情報と、ステップS27で取得された上記使用履歴情報と、を含む購入支援情報を生成する。その後、このルーチンを終了する。
【0140】
一方、ステップS260では、CPU44は、ステップS210で算出された情報印字領域ARの搬送方向長さSが、所定のしきい値S3以上上記S2未満であるか否かを判定する。なお、このしきい値S3は、図9を用いて前述した現状型式・最新型式情報印字区分T1、使用履歴情報印字区分T2、及び全型式情報等印字区分T3のうち、現状型式・最新型式情報印字区分T1を印字形成するのに十分な距離として、予め設定され記憶されている値である(図9(a)及び図10(o)参照)。S2>S≧S3である場合には、ステップS260の判定が満たされ(S260:YES)、ステップS270に移行する。S<S3である場合には、ステップS260の判定が満たされず(S260:NO)、後述のステップS280に移行する。
【0141】
ステップS270では、CPU44は、上記図11のステップS22で取得された上記現状型式情報と、ステップS23で取得された上記最新型式情報と、を含む購入支援情報を生成する。その後、このルーチンを終了する。
【0142】
一方、ステップS280では、CPU44は、ステップS210で算出された情報印字領域ARの搬送方向長さSが、所定のしきい値S4以上上記S3未満であるか否かを判定する。なお、このしきい値S4は、図9を用いて前述した2次元バーコード領域T4を印字形成するのに十分な距離として、予め設定され記憶されている値である(図9(d)参照)。S3>S≧S4である場合には、ステップS280の判定が満たされ(S280:YES)、ステップS290に移行する。S<S4である場合には、ステップS280の判定が満たされず(S280:NO)、後述のステップS300に移行する。
【0143】
ステップS290では、CPU44は、前述のバーコード印字フラグFbを1にする。その後ら、このルーチンを終了する。
【0144】
一方、ステップS300では、CPU44は、カバーフィルム11の各エンドマーク64に備えられる透光性領域64bに対して上記優先順位に沿って順次印字するための、上記図11のステップS22で取得された上記現状型式情報と、ステップS23で取得された上記最新型式情報と、ステップS27で取得された上記使用履歴情報と、ステップS29やステップS291で取得された上記全型式情報及び装置スペック情報と、を含む購入支援情報を生成する。
【0145】
そして、ステップS310において、CPU44は、エンドマーク間印字フラグFzを1にする。その後、このルーチンを終了する。なお、上記したステップS230、ステップS250、ステップS270、ステップS300が、各請求項記載の支援情報生成手段として機能する。
【0146】
以上説明したように、本実施形態においては、カートリッジセンサ37により、カートリッジホルダ27に装着されているカートリッジ10の属性情報が検出され、その属性情報に対応した、当該装着されているカートリッジ10の現状型式情報が取得される。また、ラベル作成装置100のメーカの製品情報WebサイトWA、販売店のWebサイトWB、通信販売のWebサイトWCにアクセスし、上記検出された属性情報に対応したカートリッジ10の最新型式情報が取得される。そして、上記現状型式情報と最新型式情報との両方に基づき、購入支援情報が生成される。
【0147】
そして、カバーフィルム11がほぼすべて消費されエンドマークセンサ60がエンドマーク64を検出すると、上記生成された購入支援情報がカバーフィルム11の情報印字領域ARに印字形成される。これにより、操作者は、購入支援情報がカバーフィルム11の情報印字領域ARに印字形成された後にカートリッジホルダ27から取り外されたカートリッジ10(又はカートリッジ10から切り離された当該カバーフィルム11の情報印字領域ARのみ)を販売店等に持参することにより、操作者が購入したいと意図していたカートリッジ10と同等の機能のカートリッジ10を確実に購入することができる。
【0148】
その際、情報印字領域ARの大きさが、エンドマーク64検出時に作成されている印字ラベルLの印字用データに応じてばらつくことに対応して、本実施形態では、エンドマークセンサ60がエンドマーク64を検出したときに、上記印字データに基づき、カバーフィルム11のうちエンドマーク64より下流側に確保できる上記情報印字領域ARの大きさが算出される(ステップS210)。そして、上記生成された購入支援情報は、上記算出された情報印字領域ARの大きさに応じた印字態様(ステップS230、ステップS250、ステップS270、ステップS300参照)で、カバーフィルム11に印字形成される。この結果、上記のように印字用データの内容に応じて情報印字領域ARの大きさが大小変化した場合であっても、それに対応した適切な印字態様で購入支援情報をカバーフィルム11に印字形成することができる。この結果、操作者は、どのような場合であっても、印字形成された購入支援情報の内容を視覚的に確認することができる。したがって、新しいカートリッジ10を購入する際の利便性を向上することができる。
【0149】
また、本実施形態では特に、上述のような情報印字領域ARの大小に応じた態様の印字を実行するために、購入支援情報を印字形成する複数の情報印字区分(現状型式・最新型式情報印字区分T1、使用履歴情報印字区分T2、全型式情報等印字区分T3)に対し、それぞれ所定の優先順位が付与されている。そして、CPU44の制御に基づき、図9(a)、図9(b)、図9(c)に示されるように、優先順位が高い情報区分ほど優先的に搬送方向下流側に印字形成される(言い換えれば早いタイミングで印字形成される)。これにより、上記現状型式情報などの大事な情報が、優先順位を高くしておくことで限られた情報印字領域ARにおいて優先的に印字形成され記録することができる(図9(a)〜(c)参照)。この結果、操作者は、少なくとも優先順位が高い大事な情報については、情報印字領域ARにおいて確実に視覚的に確認することができる。
【0150】
また、消費者ニーズの変化やラベル作成装置100側のマイナーチェンジやバージョンアップ等により、上記新規カートリッジ10の購入時において、操作者が購入したいと意図するカートリッジ10の当該型式が、メーカ側による型式変更等によって消滅している可能性がある。そこで、本実施形態では特に、操作端末400が、カートリッジ10に係わる上記各サイトWA,WB,WCにアクセスし、上記検出された属性情報に対応したカートリッジ10の最新型式情報を取得する。そして、上記現状型式情報と最新型式情報との両方に基づき、現状型式・最新型式情報印字区分T1が印字形成される。
【0151】
これにより、上記のように操作者が購入したいと意図するカートリッジ10の当該型式が消滅していた場合には、現状型式情報が表す当該存在しない型式ではなく、各サイトWA,WB,WCで当該存在しない型式の代わりに新たに用意されていた、上記最新型式情報が表す新型式情報が印字される。なお、操作者が購入したいと意図するカートリッジ10の当該型式が存在していた場合には、現状のカートリッジ10に対応した現状型式情報がそのまま印字形成される。このとき、現状型式情報及び最新型式情報には前述の第1優先度が付与され、現状型式・最新型式情報印字区分T1として印字形成される。すなわち、現状型式情報及び最新型式情報は最も優先順位が高い情報として、限られた情報印字領域ARにおいても優先的に印字形成される(図9(c)参照)。この結果、操作者は、少なくとも現状型式情報及び最新型式情報については、情報印字領域ARにおいて高確率で視覚的に確認することができる。
【0152】
また、本実施形態では特に、上記使用履歴情報には、上記第1優先度に続く第2優先度が付与され、使用履歴情報印字区分T2として印字形成される。すなわち、使用履歴情報は、現状型式情報及び最新型式情報を含む現状型式・最新型式情報印字区分T1に次いで優先的に印字形成される(図9(b)参照)。この結果、操作者は、使用履歴情報についても、情報印字領域ARにおいて比較的に高い確率で視覚的に確認することができる。
【0153】
また、カバーフィルム11のうちエンドマーク64の検出時に未印字である部分が多く、確保できる情報印字領域ARの大きさが非常に小さくなる場合には、第1優先度である上記現状型式・最新型式情報印字区分T1ですらも情報印字領域ARに形成できなくなる可能性がある。そこで、本実施形態では特に、このような場合には、購入支援情報に対応した2次元バーコードBCを含む2次元バーコード領域T4を印字形成する(図9(d)参照)。これにより、この2次元バーコードBCに対して光学読み取り装置で読み取りを行うことで、上記購入支援情報の全貌を適宜の表示手段に表示させることができる(図9(d)参照)。この結果、さらに利便性を向上することができる。
【0154】
また、カバーフィルム11のうちエンドマーク64の検出時に未印字の部分がきわめて多かった場合には、情報印字領域ARを確保できない場合があり得る。あるいは、カバーフィルム11のうちエンドマーク64以外の実質的な被印字有効領域には、購入支援情報を印字形成したくない場合もあり得る。そこで、本実施形態では特に、このような場合には、エンドマーク64の透光性領域64bに購入支援情報の少なくとも一部を形成する(図9(e)参照)。これにより、購入支援情報のうち必要最低限の部分を確実にカバーフィルム11に印字形成し記録することができる。この結果、操作者が新しいカートリッジ10を購入する際の利便性を確実に向上することができる。
【0155】
なお、以上は、ラベル作成装置100が各WebサイトWA〜WCに直接アクセスして最新型式情報等の各種情報を取得する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベル作成装置100に接続された適宜の通信端末やその他の通信装置(各請求項記載の情報提供手段として機能する)が、各WebサイトWA〜WCに適宜にアクセスして最新情報を常時更新取得しておき、ラベル作成装置100が当該通信端末又は通信装置にアクセスして上記最新型式情報等の各種情報を取得するようにしてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0156】
また、以上においては、印刷の終了した印字済みラベル用テープ23をカッタ28で切断して印字ラベルLを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ28で切断しなくても、テープがテープ排出口104から排出されてきた後にラベル台紙(対応する印刷がなされたもの)のみをテープから剥がして印字ラベルLを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0157】
なお、以上において、図4に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、図11、図12、図13に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0158】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0159】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0160】
10 カートリッジ(テープカートリッジ)
11 カバーフィルム(被印字テープ)
12 カバーフィルムロール(被印字テープロール)
19 印字ヘッド(印字手段)
23 印字済みラベル用テープ(被印字テープ)
27 カートリッジホルダ
30 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)
44 CPU
60 エンドマークセンサ(終端検出手段)
60a 投光器(投光手段)
60b 受光器(受光手段)
64 エンドマーク(被検出部)
100 ラベル作成装置(テープ印字装置)
AR 情報印字領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印字テープを繰り出し可能にロール状に巻回して構成されるとともに当該被印字テープの繰り出し方向の終端部近傍に被検出部を設けた被印字テープロールを収納したテープカートリッジを装着可能なカートリッジホルダと、
前記カートリッジホルダに装着された前記テープカートリッジから供給される被印字テープを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記被印字テープに対し、印字データに対応した所望の印字を行う印字手段と、
を有するテープ印字装置であって、
前記カートリッジホルダに装着されている前記テープカートリッジの属性情報を検出する属性検出手段と、
前記属性検出手段により検出された前記属性情報に対応した、前記装着されている前記テープカートリッジの型式を識別し、対応する現状型式情報を取得する現状型式情報取得手段と、
前記現状型式情報取得手段により取得された前記現状型式情報に基づき、操作者が当該現状型式情報又はこれに対応する型式のテープカートリッジを新たに購入する際の購入支援情報を生成する支援情報生成手段と、
前記搬送手段により搬送される前記被印字テープの搬送経路に沿って前記印字手段よりも上流側に設けられ、前記被印字テープの前記終端部近傍の前記被検出部を検出する終端検出手段と、
前記終端検出手段により前記被検出部が検出されたとき、前記印字データに基づき、前記被印字テープのうち前記被検出部より下流側に位置し前記印字手段が前記購入支援情報を印字形成可能な情報印字領域の大きさを算出する領域算出手段と、
前記支援情報生成手段により生成された前記購入支援情報を、前記領域算出手段により算出された前記情報印字領域の大きさに応じた印字態様にて前記被印字テープに印字形成するように、前記印字手段を制御する印字制御手段と、
を有することを特徴とするテープ印字装置。
【請求項2】
請求項1記載のテープ印字装置において、
前記購入支援情報は、
それぞれ所定の優先順位が付与された複数の情報区分から構成されており、
前記印字制御手段は、
前記領域算出手段により算出された前記情報印字領域の大きさが、前記複数の情報区分すべてを印字可能な大きさである場合には、前記複数の情報区分を当該情報印字領域に印字形成すると共に、前記領域算出手段により算出された前記情報印字領域の大きさが、前記複数の情報区分すべてを印字可能な大きさよりも小さい場合には、前記複数の情報区分のうち前記優先順位が高い情報区分を前記優先順位が低い情報区分よりも優先して搬送方向下流側に印字形成するように、前記印字手段を制御する
ことを特徴とするテープ印字装置。
【請求項3】
請求項2記載のテープ印字装置において、
前記属性検出手段により検出された前記属性情報に対応した前記テープカートリッジの最新型式情報を、当該テープ印字装置の外部にある当該テープカートリッジに係わる情報提供手段より取得する最新型式情報取得手段を有し、
前記支援情報生成手段は、
前記現状型式情報取得手段により取得された前記現状型式情報と、前記最新型式情報取得手段により取得された前記最新型式情報と、に基づき生成されるとともに、第1優先順位が付与される第1情報区分を含む前記購入支援情報を生成し、
前記印字制御手段は、
前記領域算出手段により算出された前記情報印字領域の大きさが、前記複数の情報区分すべてを印字可能な大きさよりも小さい場合には、前記複数の情報区分のうち前記第1情報区分をそれ以外の区分よりも優先して搬送方向下流側に印字形成するように、前記印字手段を制御する
ことを特徴とするテープ印字装置。
【請求項4】
請求項3記載のテープ印字装置において、
複数の型式の前記テープカートリッジが交換されつつ順次前記カートリッジホルダに装着され使用されたとき、前記属性検出手段によりそれぞれ検出された前記属性情報に基づき前記複数の型式のテープカートリッジについて前記現状型式情報取得手段によりそれぞれ取得された複数の前記現状型式情報を、使用履歴情報として記憶する履歴記憶手段をさらに有し、
前記支援情報生成手段は、
前記第1情報区分に加え、前記履歴記憶手段により記憶された前記使用履歴情報の少なくとも一部を含んで生成され第2優先順位が付与される第2情報区分を含む、前記購入支援情報を生成し、
前記印字制御手段は、
前記領域算出手段により算出された前記情報印字領域の大きさが、前記複数の情報区分すべてを印字可能な大きさよりも小さい場合には、前記複数の情報区分のうち前記第1情報区分をそれ以外の区分よりも優先して搬送方向下流側に印字形成するとともに、前記第2情報区分を前記第1情報区分及び第2情報区分以外の区分よりも優先して前記第1情報区分の搬送方向上流側に印字形成するように、前記印字手段を制御する
ことを特徴とするテープ印字装置。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載のテープ印字装置において、
前記印字制御手段は、
前記領域算出手段により算出された前記情報印字領域の大きさが所定のしきい値以下であった場合には、光学読み取り装置での読み取りによって前記購入支援情報の前記複数の情報区分が表示可能となる2次元バーコード情報を前記情報印字領域に印字形成するように、前記印字手段を制御する
ことを特徴とするテープ印字装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載のテープ印字装置において、
前記被検出部は、
光吸収性領域と非光吸収性領域とからなる少なくとも1対のエンドマークを備えており、
前記終端検出手段は、
前記搬送手段により搬送される前記被印字テープの搬送経路に向かって投光可能な投光手段、及び、投光手段から投光され前記非光吸収性領域を透過した光又は前記非光吸収性領域で反射した光の受光量に対応した検出電圧値を出力可能な受光手段、を備えた光学センサであり、
前記印字制御手段は、
前記支援情報生成手段により生成された前記購入支援情報の少なくとも一部を、前記被印字テープの前記非光吸収性領域に印字形成するように、前記印字手段を制御する
ことを特徴とするテープ印字装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−95048(P2013−95048A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239482(P2011−239482)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】