説明

テープ型おむつ

【課題】おむつ着用時において、身体の動き等に対して外れ難い止着テープを備えたテープ型おむつを提供する。
【解決手段】本発明のテープ型おむつ1は、前身頃、股下部、後身頃の各部から形成され、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の上面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、吸収体の下面を被覆するように配置されたバックシートと、後身頃6の左右の各側縁6aから延出するように配置され、前身頃と後身頃6とを固定するための止着テープ10と、を備え、止着テープ10は、基材48と、基材48の表面から起立するように付設された複数の凸状のフック材44とを有し、フック材44は、棒状の軸部45と、軸部45の頂部に配設された係止部54とからなり、1以上のフック材44は、基材48の表面に垂直な方向に対して、軸部45が傾いた状態で付設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ型おむつに関する。更に詳しくは、おむつ着用時において、身体の動き等に対して外れ難い止着テープを備えたテープ型おむつに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、テープ型おむつは、例えば、図7に示すテープ型おむつ100のように、吸収体22と、吸収体22の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えるとともに、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成されており、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置され、前身頃2と後身頃6とを固定するための止着テープ110を更に備えたものである(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
このようなテープ型おむつ100によれば、着用者の排泄物はトップシート18の液透過性の部分(図中ではセンターシート18a)を透過して吸収体22に吸収されるとともに、通常、液不透過性の材料で構成されるバックシート20によって外部への漏洩が防止され、排泄物をおむつ内部に保持することができる。また、止着テープ110によっておむつの前身頃2と後身頃6とを相互に固定することで、着用者に容易に装着させることができるという利点をも有するものである。
【0004】
ところで、従来、テープ型おむつのファスニングシステムとしては、粘着剤の粘着力により固定を行う粘着ファスナーが汎用されていたが、近年では、凸部材(フック材)と凹部材(ループ材)の機械的結合により固定を行うメカニカルファスナー(面状ファスナーとも称される)への移行が進行しつつある。
【0005】
【特許文献1】特開2004−201894号公報
【特許文献2】特開2005−319319号公報
【特許文献3】特開2005−279005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のテープ型おむつにおいては、止着テープの止着力が十分なものではなく、おむつ着用時において、身体の動き等によって止着テープが容易に外れてしまったり、単に、着用者腹部における膨張、収縮の繰り返しによって止着テープが外れてしまったりするという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、おむつ着用時において、身体の動き等に対して外れ難い止着テープを備えたテープ型おむつを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、従来のテープ型おむつにおいて、基材に付設されたフック材の軸部を、前記基材の表面に垂直な方向に対して傾いた状態で付設させることによって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下のテープ型おむつが提供される。
【0009】
[1] 前身頃、股下部、後身頃の各部から形成され、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の上面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の下面を被覆するように配置されたバックシートと、前記後身頃の左右の各側縁から延出するように配置され、前記前身頃と前記後身頃とを固定するための止着テープと、を備え、前記止着テープは、基材と、前記基材の表面から起立するように付設された複数の凸状のフック材とを有し、前記フック材は、棒状の軸部と、前記軸部の頂部に配設された係止部とからなり、1以上の前記フック材は、前記基材の表面に垂直な方向に対して、前記軸部が傾いた状態で付設されているテープ型おむつ。
【0010】
[2] 前記フック材は、前記フック材の総数に対して、30%以上の前記フック材の前記軸部が傾いた状態で付設されている前記[1]に記載のテープ型おむつ。
【0011】
[3] 前記フック材は、前記フック材の前記軸部の頂部側が、前記後身頃から延出する前記止着テープの付根側に向かって傾いた状態で付設されている前記[1]又は[2]に記載のテープ型おむつ。
【0012】
[4] 前記フック材は、前記基材の表面に垂直な方向に対して、前記フック材の前記軸部が30〜60°の角度範囲にて傾いた状態で付設されている前記[1]〜[3]のいずれかに記載のテープ型おむつ。
【0013】
[5] 前記フック材は、前記軸部の長さが0.2〜2mmである前記[1]〜[4]のいずれかに記載のテープ型おむつ。
【0014】
[6] 前記フック材は、前記係止部が、鉤状、きのこ状、又は錨状のものである前記[1]〜[5]のいずれかに記載のテープ型おむつ。
【0015】
[7] 前記フック材は、前記軸部の頂部側が傾いた方向に向かって、前記係止部の幅が狭くなるように構成されている前記[1]〜[6]のいずれかに記載のテープ型おむつ。
【発明の効果】
【0016】
本発明のテープ型おむつは、おむつ着用時において、前身頃と後身頃とを固定する止着テープを、身体の動き等に対して外れ難くすることができる。これにより、着用中におむつが外れてしまうことや、おむつがずれてしまうことを有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明のテープ型おむつを実施するための最良の形態について、1ピースタイプのテープ型おむつを例として具体的に説明する。但し、本発明は、その発明特定事項を備えるテープ型おむつを広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
なお、本明細書において「テープ型おむつ」とは、例えば、図1に示すテープ型おむつ1のように、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成され、吸収体22と、吸収体22の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20と、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置され、前身頃2と後身頃6とを固定するための止着テープ10とを備えた使い捨ておむつを意味するものとする。
【0019】
また、本明細書において、「前身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分、「股下部」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の股下を覆う部分、「後身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分を意味するものとする。
【0020】
[1]テープ型おむつ:
本発明のテープ型おむつは、図1に示すように、前身頃2、股下部4、後身頃6の各部から形成され、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体22の上面を被覆するように配置されたトップシート18と、液不透過性材料からなり、吸収体22の下面を被覆するように配置されたバックシート20と、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置され、前身頃2と後身頃6とを固定するための止着テープ10と、を備え、図2に示すように、止着テープ10が、基材48と、基材48の表面から起立するように付設された複数の凸状のフック材44とを有し、フック材44は、棒状の軸部45と、軸部45の頂部に配設された係止部54とからなり、複数のフック材のうちの1以上のフック材44は、基材48の表面に垂直な方向Yに対して、フック材44の軸部45が傾いた状態で付設されているテープ型おむつ1である。
【0021】
ここで、図1は、本発明のテープ型おむつの一の実施形態を示す一部切り欠き平面図であり、本発明のテープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。また、図2は、本発明のテープ型おむつの一の実施形態に用いられる止着シートの拡大側面図である。
【0022】
[1−1]止着テープ:
「止着テープ」とは、基材と、前記基材の表面に付設された複数の凸状のフック材とを有するテープ状部材である。この止着テープは、おむつの後身頃の左右の各側縁から延出するように配置されており、基材に付設された凸状のフック材をおむつの前身頃に対して止め付けて、おむつの前身頃と後身頃とを固定することができるように構成されている。前記のような操作により、おむつ全体がパンツ型となり、着用者に対しておむつを装着させることができる。
【0023】
例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの後身頃6(より具体的には、サイドフラップ8)の左右の各側縁6a,6bから延出するように止着テープ10が配置されている。そして、基材48の表面にはフック材44(例えば、メカニカルファスナーのフック材)が付設されている。一方、おむつの前身頃2には、フック材44に係合可能なループ材(例えば、メカニカルファスナーのループ材47)からなるフロントパッチ12が配置されている。このような構成のおむつの場合、止着テープ10のフック材44を、前身頃2に配置されたループ材47に対して止め付けることによって、おむつの前身頃2と後身頃6とを固定することが可能である。図3は、図1に示すテープ型おむつ1の使用状態を示す図であり、止着テープ10を用いて、テープ型おむつ1を着用者に装着させた状態を示すものである。
【0024】
上記メカニカルファスナーは、凸部材である「フック材」と、凹部材である「ループ材」との機械的結合によってファスニングを行うファスナーである。このファスナーは、ループ材の表面にフック材を重ね合わせ、フック材をループ材の表面に係合させることにより、両部材を剥離可能な状態に、かつ、強固に固着させることができる。
【0025】
「フック材」としては、例えば、基材から起立するように付設された軸部と、その頂部に配設された係止部とから構成されているものを挙げることができる。一方、「ループ材」としては、表面にループ状の繊維が配置されたもの等が用いられることが多い。但し、おむつを不織布で構成したような場合には、その不織布(即ち、おむつ自体)をループ材として利用することも可能である。
【0026】
上述したように、本発明のテープ型おむつは、止着テープ10の少なくとも1以上のフック材44が、基材48の表面に垂直な方向Yに対して、軸部45が傾いた状態で付設されている。
【0027】
このように構成することによって、フック材44の係止部54をループ材47の表面に強固に係合させることができ、止着テープ10を、身体の動き等に対して外れ難くすることができる。これにより、着用中におむつが外れてしまうことや、おむつがずれてしまうことを有効に防止することができる。
【0028】
従来のテープ型おむつのフック材は、フック材の軸部が、基材の表面に垂直な方向に起立(直立)した状態で付設されている。このようなフック材は、フック材とループ材とを係合させた場合に、フック材の頂部の係止部が垂直方向の圧力だけでは、ループ材と容易に係合しないという問題があった。本発明のテープ型おむつに用いられるフック材は、基材の表面に垂直な方向に対して、軸部が傾いた状態で付設されているため、フック材とループ材とが係合し易く、且つ一旦係合したフック材が外れ難いという優れた効果を奏するものである。
【0029】
本発明のテープ型おむつにおいては、基材に付設された複数のフック材のうち、1以上のフック材が、基材の表面に垂直な方向に対して軸部が傾いた状態で付設されていれば、上述した止着テープを外れ難くするという効果を得ることができるが、フック材の総数に対して、30%以上のフック材の軸部が傾いた状態で付設されていることが好ましい。このように、フック材の総数に対して30%以上の数のフック材の軸部が傾いていることによって、フック材の止着力をより向上させることができる。なお、フック材は、フック材の総数に対して、50%以上のフック材の軸部が傾いた状態で付設されていることが更に好ましく、70%以上のフック材の軸部が傾いた状態で付設されていることが特に好ましい。なお、図2においては、基材に付設された全てのフック材(即ち、100%のフック材)の軸部が傾いた状態で付設されている場合の例を示している。
【0030】
フック材の総数に対して、一定の個数のフック材の軸部が傾いた状態で付設されている場合には、フック材が配置された領域における、止着テープのより付根側に付設されたフック材が傾いた状態であることが好ましい。このように構成することによって、フック材を脱着し易くすることができる。
【0031】
また、図2に示すように、このフック材44は、フック材44の軸部45の頂部側が、おむつの後身頃6から延出する止着テープ10の付根10x側に向かって傾いた状態で付設されていることが好ましい。
【0032】
図1に示すように、テープ型おむつ1のフック材44は、おむつの前身頃2に配置されたループ材47からなるフロントパッチ12に係合しておむつを固定している。このため、止着テープ10のフック材44には、主に着用者の腹部が膨張する方向に対して力が加えられる。即ち、おむつ着用時に止着テープ10が外れてしまう場合には、止着テープ10を、その付根側から引張るような力が加えられる場合が多く、更に、このような力は、止着テープ10が引き剥がされる場合に加えられる力の中でもより大きなものである場合が多い。
【0033】
上記したように、フック材44の軸部45の頂部側が、止着テープ10の付根10x側に向かって傾いた状態とすると、傾いたフック材44がループ材47に楔状に係合されるため、上記した止着テープ10の付根10x側から引張られるような力に対する抵抗力が大きくなり、止着テープ10の外れを有効に防止することが可能となる。
【0034】
また、フック材の軸部が、基材の表面に垂直な方向に対して傾いている場合における角度については特に制限はないが、例えば、上記垂直な方向に対して傾きの角度が大きすぎると、ループ材に対する係合力が低下することがあり、一方、傾きの角度が小さすぎると、係合力を向上させる効果が十分に得られないことがある。本発明のテープ型おむつにおいては、基材の表面に垂直な方向に対して、フック材の軸部が30〜60°の角度範囲にて傾いた状態で付設されていることが好ましい。即ち、基材の表面に垂直な線と、フック材の軸部とがなす角が30〜60°の角度範囲であることが好ましい。このように構成することによって、フック材に対する係合力を良好に向上させることができる。なお、軸部の傾きの角度範囲は、30〜50°であることが更に好ましく、30〜40°であることが特に好ましい。
【0035】
フック材の軸部の長さについては特に制限はなく、従来公知のメカニカルファスナーのフック材の軸部と同程度のものを好適に用いることができる。なお、ループ材に対する係合力を特に向上させることができる軸部の長さとしては、0.2〜2mmであることが好ましく、0.2〜1mmであることが更に好ましく、0.2〜0.5mmであることが特に好ましい。
【0036】
フック材の軸部の頂部に配設された係止部は、ループ材に対して係止可能の突起状に構成されたものである。本発明のテープ型おむつにおいては、この係止部が、鉤状、きのこ状、又は錨状のものであることが好ましい。なお、「鉤状の係止部」は、フック材の軸部の先端が、鉤(かぎ)のように曲がった係止部であり、「きのこ状の係止部」は、フック材の軸部の先端に配設された、きのこの傘を模した形状の係止部であり、「錨状の係止部」は、フック材の軸部の先端に配置された、二股以上に分かれた爪を有する係止部である。
【0037】
このフック材の係止部は、例えば、図4Aに示すように、接続された軸部45の傾きに従って、係止部54全体も軸部45とともに基材48の表面に垂直な方向Yに対して傾いた状態で配置されたものであってもよいし、図4Bに示すように、係止部54は基材48の表面と平行に配置され、接続された軸部45のみが傾いたものであってもよい。即ち、図4Bにおいては、軸部45の傾きの有無に関わらず、全てのフック材の係止部54は同じ状態で配置されている。
【0038】
なお、本発明のテープ型おむつにおいては、ループ材に対する係合力をより向上させる観点から、上記した図4Aに示すように、接続された軸部45の傾きに従って、係止部54全体も軸部45とともに傾いた状態で配置されていることが好ましい。
【0039】
ここで、図4Aは、本発明のテープ型おむつの一の実施形態に用いられる止着テープの一例を示す拡大側面図であり、図4Bは、本発明のテープ型おむつの一の実施形態に用いられる止着テープの他の例を示す拡大側面図である。
【0040】
また、フック材の係止部は、図5A、図5B、及び図5Cのそれぞれに示すように、軸部45の頂部側が傾いた方向に向かって、係止部54の幅が狭くなるように構成されていることが好ましい。図6に示すように、軸部45が傾いたフック材44をループ材47に係合させる場合には、軸部45の頂部側が傾いた方向とは逆側の係止部54の端部54bがループ材47に係合することとなるため、軸部45の頂部側が傾いた方向の係止部54の端部54aの幅を狭くすることにより、係合力を低下させることなく、フック材44をコンパクトに構成することが可能となる。なお、例えば、図5Aにおいては、係止部54の表面の形状が三角形であり、軸部45の頂部側が傾いた方向に向かって、係止部54の幅が狭くなるように構成されている。
【0041】
ここで、図5A、図5B、及び図5Cのそれぞれは、本発明のテープ型おむつの一の実施形態に用いられる止着テープの他の例を示す図であり、フック材の上面側から見た状態を示す拡大平面図である。また、図6は、本発明のテープ型おむつの一の実施形態における、フック材とループ材の係合状態を模式的に示す拡大側面図である。なお、図5A、図5B、及び図5Cにおける矢印方向(符号X)は、フック材の軸部の頂部側が傾いた方向を示す。
【0042】
フック材の素材としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル、脂肪族ポリアミド(いわゆるナイロン)、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維等を挙げることができる。特に、ポリエチレン、ポリプロピレンを好適に用いることができる。例えば、このような素材からなるフック材は、白色顔料、有色顔料を配合することができる。
【0043】
止着テープを構成する基材は、フック材を付設し、且つ止着テープ10を後身頃6の左右の各側縁6a,6bに固定することによって、止着テープ10の本体として機能するものである。
【0044】
この基材の素材としては、スパンボンド、SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)、SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)、カードエンボス、レジンボンド等の各種不織布からなるシート材を用いることができる。強度の面を考慮すると、スパンボンド不織布からなるシート材を用いることが好ましい。
【0045】
不織布の構成材料としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル、脂肪族ポリアミド(いわゆるナイロン)、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維を挙げることができる。この場合、合成繊維は単繊維であってもよいし、芯鞘構造等を有する複合繊維であってもよい。一般に、単繊維を使用する場合は、ポリオレフィンが多く用いられるが、強度の面を考慮するとポリエステルを用いることも好ましい。
【0046】
本発明のテープ型おむつにおける止着テープは、フック材が基材の表面に垂直に起立した状態のものを、インラインでフック材に曲げ加工を施すことによって製造することができる。具体的には、基材の先端側(即ち、止着テープの先端側)に位置するフック材から、おむつの幅方向中央に向かって順番にフック材を押し倒す方法を挙げることができる。
【0047】
[1−2]吸収体:
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
【0048】
吸収体を構成する吸収性材料としては、使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に通常使用される従来公知の吸収性材料、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す)、親水性シート等を挙げることができる。フラッフパルプとしては木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、SAPとしてはポリアクリル酸ナトリウムを、親水性シートとしてはティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布を用いることが好ましい。
【0049】
これらの吸収性材料は、通常、単層ないしは複層のマット状として用いられる。この際、前記の吸収性材料のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部程度のSAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプの各マット中に均一に混合されていてもよいし、複層のフラッフパルプの層間に層状に配置されていてもよい。
【0050】
吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装されることが好ましい。通常、吸収体は、トップシートとバックシートの間に挟み込まれ、その周縁部が封着されることによって、トップシートとバックシートとの間に介装される。従って、吸収体の周縁部にはトップシートとバックシートの間に吸収体が介装されていないフラップ部が形成されることになる。吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装される。より具体的には、吸収体は少なくとも股下部に介装され、この吸収体が前身頃や後身頃にまで及んでいてもよい。
【0051】
吸収体は、その全体が親水性シートによって包み込まれていることが好ましい。このような構成は、吸収体からSAPが漏洩することを防止し、吸収体に形状安定性を付与することができるという利点がある。
【0052】
吸収体の形状については特に制限はないが、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品において使用される形状、例えば、矩形状、砂時計型、ひょうたん型、T字型等を挙げることができる。図1に示すテープ型おむつ1は、吸収体22として、砂時計型の吸収体を用いた例である。
【0053】
なお、吸収体には、その表面側に(例えば、吸収体とトップシートとの間に)、尿や体液等の液体を拡散させるためのシート(セカンドシート)を付帯的に配置してもよい。このセカンドシートを付設すると、着用者の姿勢等に起因して、トップシート裏面側の空間が十分に形成されないような場合でも、尿や体液等の吸収速度が低下し難く、吸収速度の低下による尿や体液等の漏れを防止することが可能となる。
【0054】
セカンドシートを構成する材料としては、親水性で液透過性の材料、例えば、織布、不織布、多孔性プラスチック、フラッフパルプ等を挙げることができる。これらの構成素材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、パルプ、或いはこれらの複合繊維等を挙げることができる。パルプとしては、カーリーセルロースファイバー等のけん縮繊維を好適に用いることができる。
【0055】
[1−3]トップシート:
トップシートは、吸収体の上面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その裏面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。通常、少なくとも吸収体の表面近傍については、着用者の尿や体液を透過させ得る液透過性の材料によって構成される。少なくとも一部が液透過性材料により構成されている限り、必ずしもトップシート全体が液透過性材料で構成されている必要はない。
【0056】
トップシートを構成する液透過性材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。不織布の種類についても特に制限はなく、エアースルー(カード熱風)、カードエンボス、スパンボンド等の各種製法によって製造された従来公知の不織布を好適に用いることができる。
【0057】
トップシートは単一のシート材によって構成されていてもよいが、複数のシート材によって構成されていてもよい。また、おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面には、液透過性材料により構成されたトップシート(センターシート)が配置され、サイドフラップの部分には、更に別のシート(サイドシート)が配置されていてもよい。図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの中央部には液透過性材料からなるトップシート18(センターシート18a)を配置し、おむつのサイドフラップ8部分には液の透過に対して抵抗性を示す通気撥水性材料からなるサイドシート19を配置した例である。
【0058】
[1−4]バックシート:
バックシートは、吸収体の下面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
【0059】
その配置方法については特に制限はないが、例えば、図1に示すテープ型おむつ1のように、おむつの外形と一致するように、バックシート20を配置する構成を採用することができる。但し、必ずしもこのような構成を採用する必要はなく、吸収体で吸収された尿の漏れを防止するという観点から、少なくとも吸収体の存在する部分に液不透過性材料からなるバックシートを配置してもよい。
【0060】
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
【0061】
なお、バックシートには、その外表面側にシート材(カバーシート)を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
【0062】
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
【0063】
[1−5]立体ギャザー:
着用者の排泄した尿の横漏れを防止するため、立体ギャザーを備えていてもよい。立体ギャザーは、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。このような立体ギャザーを形成することにより、立体ギャザーが防波堤となり、おむつの脚周り開口部等からの漏れ(いわゆる「横漏れ」)を有効に防止することができる。
【0064】
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、撥水性のシート材の一部に伸縮材(立体ギャザー伸縮材)を配置し、その立体ギャザー伸縮材によってシート材にギャザー(襞)を形成したもの等を好適に用いることができる。
【0065】
なお、立体ギャザーは、トップシートやバックシートとは全く別個のシート材により形成してもよいが、トップシート(例えば、センターシート)やサイドシート等を折り返すことにより形成してもよい。例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、サイドシート19を折り返すことにより立体ギャザー26(26a,26b)を形成した例である。但し、立体ギャザーは、セカンドシート以外の部材を折り返すことにより形成してもよい。
【0066】
この立体ギャザーは、股下部からの漏れを防止するため、少なくとも股下部に形成されていればよいが、前身頃や後身頃に形成されていてもよい。例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの長手方向に沿って、股下部4から前身頃2と後身頃6の双方にかけて連続的に、一対の立体ギャザー26(26a,26b)が形成された例を示すものである。また、立体ギャザーは、少なくとも一対形成する必要があるが、二対以上形成してもよい。
【0067】
立体ギャザーはおむつの内側に向かって傾倒する内倒しギャザーであってもよいし、おむつの外側に向かって傾倒する外倒しギャザーであってもよい。また、高さ方向の一部に、曲げ部や折り返し部を形成した立体ギャザー(所謂、C折りギャザーやZ折りギャザー等)とすることもできる。例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、立体ギャザー26(26a,26b)を内倒しギャザーとした例である。
【0068】
[1−6]各種伸縮材:
テープ型おむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが好ましい。
【0069】
脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。また、脚周り伸縮材を配置すると、おむつを交換する際に吸収体の両側で脚周り伸縮材が収縮するため、股下部近傍が椀状に変形し、凹部が形成される。このため、尿や体液がその凹部に溜まり、尿や体液をこぼすことなく、容易におむつの交換を行うことができる。
【0070】
例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの長手方向に沿って、直線的に二本の脚周り伸縮材40を配置してレグギャザーを形成した例である。この脚周り伸縮材40は、糸ゴムによって構成されている。但し、脚周り伸縮材は、必ずしも直線的に配置する必要はなく、例えば、おむつの脚周り開口部のカーブに沿って曲線的に配置してもよい。
【0071】
脚周り伸縮材は、例えば、図1に示すテープ型おむつ1のように、立体ギャザー26の起立線46より外側の部分に形成されていることが好ましい。このような構成とすると、立体ギャザーの十分な防漏効果を確保しつつ、股下部の装用感・装着感を向上させることができる。
【0072】
なお、図1に示すテープ型おむつ1は、脚周り伸縮材40の形状、配置位置、配置数等を左右対称とした例を示したが、これらが左右非対称なものも本発明の範囲に含まれる。そして、図1に示すテープ型おむつ1では、脚周り伸縮材40が片側につき二本配置された例を示したが、一本だけ配置されていてもよいし、三本以上配置されていてもよい。また、複数の脚周り伸縮材を用いる場合、その太さや伸張率等も目的に応じて適宜設定すればよく、全て同じものを用いる必要はない。
【0073】
ウエスト周り伸縮材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される伸縮材である。ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。このウエストギャザーにより、ウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの尿漏れを防止することができる他、着用者へのおむつのフィット性が良好となり、おむつのずり下がりが防止される。
【0074】
なお、図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの後身頃6の端縁に沿って帯状のウエスト周り伸縮材42を配置した例である。この帯状のウエスト周り伸縮材42は、ウレタンフォーム等の伸縮性フォームによって構成されている。図示の例では、後身頃(背側)のみにウエスト周り伸縮材42を配置しているが、前身頃(腹側)にウエスト周り伸縮材を配置してもよい。
【0075】
なお、例えば、図1に示すテープ型おむつ1のように、後身頃6の左右の各側縁6a,6bに、止着テープ10をそれぞれ2個ずつ配置した場合には、後身頃6の端縁に沿ってウエスト周り伸縮材42が付設されるとともに、少なくとも股下部4の両側縁に沿って脚周り伸縮材40を付設することが好ましい。
【0076】
前記のような構成により、2個の止着テープ10のうち上側に配置された止着テープ10とウエスト周り伸縮材42が一体となって、着用者のウエスト周りにおけるおむつのフィット性を向上させることができる。また、2個の止着テープ10のうち下側に配置された止着テープ10と脚周り伸縮材40が一体となって、着用者の脚周りにおけるおむつのフィット性を向上させることができる。この効果は、上側に配置された止着テープ10を前身頃2の端縁と略同一方向に止め付け、下側に配置された止着テープ10を前身頃2の端縁側(おむつ上側)に向かって引き上げるように止め付けた場合に特に大きくなる。
【0077】
これらの伸縮材については、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
【0078】
伸縮材としては、従来の使い捨ておむつで使用されてきた伸縮材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性材からなる糸ゴム、平ゴムの他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。
【0079】
伸縮材は、十分な伸縮力を作用させるため、伸長状態で固定することが好ましい。例えば、伸縮材が天然ゴムや合成ゴムである場合には、110〜400%の伸長状態で固定することが好ましく、200〜300%の伸長状態で固定することがより好ましい。このような範囲の伸長状態で固定することにより、十分な伸縮力を作用させることが可能となる。
【0080】
前記のような伸縮材は、おむつの他の構成部材に対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、ヒートシールをはじめとする熱や超音波等による溶着であってもよい。
【0081】
[2]テープ型おむつの製造方法:
以下、本発明のテープ型おむつの製造方法を、図1に示すテープ型おむつ1を製造する場合の例で説明する。まず、バックシート20の材料となる長尺のシート材(バックシート材)の表面に、親水性シートに包まれた吸収体22及び脚周り伸縮材40を載置し、更にその表面にトップシート18の材料となる長尺のシート材(トップシート材)を載置することにより、おむつの中間体となる積層体(おむつ連続体)を得る。この際、トップシート材は、センターシート18aに相当するトップシート材と、サイドシート19に相当するサイドシート材の2種類が使用される。サイドシート19に相当するサイドシート材には折り返し部分を設けることによって、立体ギャザー26が形成されている。
【0082】
前記のようにして得られたおむつ連続体は、おむつの脚周り開口部に相当する部分を円弧状に切り抜いて切除し(Rカット)、脚周り開口部を形成する。最後に、おむつの後身頃6の側縁6a,6bに、止着テープ10を付設する。
【0083】
次に、止着テープ10のフック材を、所定の方向にフック材の根元から押し曲げてフック材を傾けさせる。
【0084】
次に、得られたおむつ連続体を個々のおむつに切断することにより、テープ型おむつ1を製造する。
【0085】
なお、上記のような方法の他、予めトップシート材に止着テープを付設しておき、バックシート材の表面に、親水性シートに包まれた吸収体及び脚周り伸縮材を載置し、更にその表面に止着テープが付設されたトップシート材を載置することにより、おむつ連続体を得てもよい。また、前記のような一連の工程は、機械的な手段によって連続的に行うことが可能である。例えば、長尺のシート材をローラーから連続的に送出する等の方法・装置を採用することにより、テープ型おむつの連続製造が可能となり、生産性の向上に資する。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明のテープ型おむつは、乳幼児用、或いは介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用のおむつとして好適に利用することができる。そして、本発明のテープ型おむつは、止着テープのフック材が外れ難くなっているため、例えば、着用者が自由に動き回ることができる幼児や成人用のおむつとして好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明のテープ型おむつの一の実施形態を示す一部切り欠き断面図であり、テープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。
【図2】本発明のテープ型おむつの一の実施形態に用いられる止着シートの拡大側面図である。
【図3】本発明のテープ型おむつを使用した状態を示す斜視図である。
【図4A】本発明のテープ型おむつの一の実施形態に用いられる止着テープの一例を示す拡大側面図である。
【図4B】本発明のテープ型おむつの一の実施形態に用いられる止着テープの他の例を示す拡大側面図である。
【図5A】本発明のテープ型おむつの一の実施形態に用いられる止着テープの他の例を示す図であり、フック材の上面側から見た状態を示す拡大平面図である。
【図5B】本発明のテープ型おむつの一の実施形態に用いられる止着テープの他の例を示す図であり、フック材の上面側から見た状態を示す拡大平面図である。
【図5C】本発明のテープ型おむつの一の実施形態に用いられる止着テープの他の例を示す図であり、フック材の上面側から見た状態を示す拡大平面図である。
【図6】本発明のテープ型おむつの一の実施形態における、フック材とループ材の係合状態を模式的に示す拡大側面図である。
【図7】従来のテープ型おむつの一の実施形態を示す一部切り欠き断面図であり、従来のテープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
1,100:テープ型おむつ、2:前身頃、4:股下部、6:後身頃、6a,6b:側縁、8:サイドフラップ、10,110:止着テープ、10x:付根(止着テープの付根)、12:フロントパッチ、18:トップシート、18a:センターシート、19:サイドシート、20:バックシート、22:吸収体、26,26a,26b:立体ギャザー、36,36a,36b:立体ギャザー伸縮材、40:脚周り伸縮材、42:ウエスト周り伸縮材、44:フック材、45:軸部、46:起立線、47、ループ材、48:基材、54:係止部、54a,54b:端部(係止部の端部)、X:フック材の軸部の頂部側が傾いた方向、Y:基材の表面に垂直な方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前身頃、股下部、後身頃の各部から形成され、
吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の上面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の下面を被覆するように配置されたバックシートと、前記後身頃の左右の各側縁から延出するように配置され、前記前身頃と前記後身頃とを固定するための止着テープと、を備え、
前記止着テープは、基材と、前記基材の表面から起立するように付設された複数の凸状のフック材とを有し、
前記フック材は、棒状の軸部と、前記軸部の頂部に配設された係止部とからなり、
1以上の前記フック材は、前記基材の表面に垂直な方向に対して、前記軸部が傾いた状態で付設されているテープ型おむつ。
【請求項2】
前記フック材は、前記フック材の総数に対して、30%以上の前記フック材の前記軸部が傾いた状態で付設されている請求項1に記載のテープ型おむつ。
【請求項3】
前記フック材は、前記フック材の前記軸部の頂部側が、前記後身頃から延出する前記止着テープの付根側に向かって傾いた状態で付設されている請求項1又は2に記載のテープ型おむつ。
【請求項4】
前記フック材は、前記基材の表面に垂直な方向に対して、前記フック材の前記軸部が30〜60°の角度範囲にて傾いた状態で付設されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のテープ型おむつ。
【請求項5】
前記フック材は、前記軸部の長さが0.2〜2mmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のテープ型おむつ。
【請求項6】
前記フック材は、前記係止部が、鉤状、きのこ状、又は錨状のものである請求項1〜5のいずれか一項に記載のテープ型おむつ。
【請求項7】
前記フック材は、前記軸部の頂部側が傾いた方向に向かって、前記係止部の幅が狭くなるように構成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載のテープ型おむつ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−22479(P2010−22479A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−185136(P2008−185136)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】