説明

テープ巻き装置

物品を取り囲む支持中空円筒と前記円筒周囲を回転可能なリングを用いて、縦長の物品周囲にテープを巻くための装置。一端が回転リングに結合されたスプール軸が、テープを配置したスプールを支える。スプールはテープを供給しながら細長い物品の周囲を回転し、その結果物品が包装される。回転リングとスプールを回転させるため駆動機構を用いることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長い物品にテープを縦長に巻くための装置に関し、特に本発明はチューブやケーブルをテープで束ねて巻き、梱包することに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の包装は産業および輸送の領域で種々の目的で、また種々の保守のため実施される。産業ではしばしば、梱包は物品の表面をプラスチックシートで包装すること、つまり包装用プラスチックシートの薄手の伸縮性包装により中味を束ねることにより実施される。包装は、堅固な梱包が梱包された物品の破壊や解体を防ぐというように、梱包された物品の安定性に対する効果がある。接着テープも他の梱包材と共に用いられ、梱包体を一つにまとめるのに用いられる。冷却ホース、ケーブル、パイプに断熱テープを巻くことは、特に巻く対象の長さが相当長いとき、かなり時間のかかる困難な作業である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ケーブル、パイプ、チューブ、それに類するものを個々に、または、まとめて包装する作業は、工事現場で行なうとき、面倒である。この分野の作業者は、ほとんど人手をかけずに正確に品質良く梱包を行なう自動装置により大きな利益を得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の装置は、支持中空円筒と、前記円筒の周囲を回転可能なリングと、前記回転可能なリングの一端に結合された少なくとも1個のスプール軸とを少なくとも備えた、少なくとも細長い物品の周囲にテープを巻くための装置である。
【0005】
本発明の装置は、前記支持中空円筒と前記リングが、それぞれ2つの縦の相補性部分からなるテープを巻くための装置である。
【0006】
本発明の装置は、前記リングが前記支持中空円筒に回転可能に結合されたテープを巻くための装置である。
【0007】
本発明の装置は、歯車により供給されるトルクにより前記リングが回転可能なテープを巻くための装置である。
【0008】
本発明の装置は、前記リングがモーターの一部であるテープを巻くための装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の装置は、1本の細長い物品ないしは平行な物品の集合体を被覆するためのテープ巻き装置として使用される。適当な用途の例は、例えば冷却システムの電気ケーブルの集合体、チューブの集合体、パイプ類、またチューブと電気ケーブルの結合体の包装である。包装されたとき、テープは集合体の結合材として、そして/または絶縁材、防炎包装、防水または耐薬品性包装として機能する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の装置は、ホースやケーブルのような長く伸びた物品を、典型的にはテープ形状の梱包材料で、梱包するのに有用である。まず、このような圧着装置の概略を示した図1を説明する。支持中空円筒(SHC)10がケーブルの束12を囲んでいる。回転リング14はSHC10の周囲を回転可能で、付着のスプール軸16を駆動する。スプール18は支点20の周囲を回転可能であり、回転の自由さはねじ22で調節できる。回転リング14は手動でも機械駆動でもよい。本発明の装置により容易になる実施方法を更に図2を参照して説明する。テープ巻き装置(TAD)40は手動または機械駆動される回転リング42を用いる。リミッター44はリングをSHC46に沿って適切な位置に保持する。スプール支点50はスプール軸48に取り付けられ、スプール18を支持している。テープ58の緩み量を調整するために、機構を制限する程度を決めるボタン54が使用者により操作される。回転リング(RR)42の回転によりテープ52がほどかれて、細長い物品60に巻き付く。
【0011】
[巻く作業の動力]
RRとその付属品の回転は手動で可能である。この回転は魚釣りリールの回転に似た機構で実施できる。回転を行なうための一つの機構は、基礎となる円筒に平行な回転軸に設けられた専用の電気モーターであり、歯車(図示しない)が回転力をRRに伝達する。本発明の他の実施態様においては、TADの回転リングは、適当な歯車と取り付けアダプターを使用したドリルモーターのような汎用電気モーターにより駆動される。有用な作動手段は、速度、距離(テープ間隔)、被覆全長、張力を制御するための電気回路を有する、または有しない、空気圧または油圧の作動装置である。矢印方向へのTADの前進は典型的には手動で実行され、速度は典型的には作業者により制御される。RRは油圧または空気圧モーターにより駆動することもできる。
【0012】
他の実施態様において、RRがモーターの一部であれば、RRは歯車を使用しないでモーターにより直接駆動される。
【0013】
[テープ巻取り形態]
図2に示されたように、ループ70、72、74は一部重なっており、重なりまたは隙間の程度(テープの間隔を意味する、必ずしもテープが重なっている必要はない)はリング42の回転速度と、細長い物品60の集合体に沿うTDAの前進速度により決まる。TADの前進速度は、テープ58がTADに対して傾斜している角度も決める。
【0014】
スプールの回転速度は、スプールに及ぼされる摩擦の大きさを変化させるのに使用できる摩擦制限機構によりある程度制御される。変動は、所望の角度だけスプールが回転することを妨げるような、ねじ、ボルト、くさびにより引き起こされる。
【0015】
[他の実施態様]
TADを非拘束端のない細長い物品に適用するために、分割SHCと回転可能リングが用いられる。そのためSHCは、2本の縦方向の線で分割されて2つの分割部分になり、円筒を2つの縦長の部分としたものとなる。2つの部分は等しいときも等しくないときもあるが、両者は一つの共通の端で回り継手により連結され、他の端では掛け金を掛けたとき完全な円筒を形成するように、共通の掛け金で連結される。掛け金と回り継手は、RRが自由に回転できるように外表面から隠されている。RRは同様に組み立てられ、2つの部分を持ち、一つの共通端では回り継手により連結され、他の端では掛け金により連結される。RRは電気モーターまたは油圧モーターの一部でもよく、そのときは歯車の必要がない。例えばRRまたはその付属品は適当なコイルを用いると整流子の役割を果たすことができる。図3において、RR70はSHC72と回転結合を形成している。図4において、RR78はSHC80の末端と回転結合を形成している。RRに対して回転可能なSHCの円周の凸部82により、確実に結合されている。図5において、RR86はSHC88の末端に結合されている。この場合、SHC88の壁の内に完全に存在する円形の突起90により結合が確実となる。
【0016】
典型的には1個を超えるスプール軸をRRに取り付けることにより、1個を超えるスプールが同時に使用可能となる。この実施態様においては、包装/テープ掛けが1個のスプールの実施態様に比べ密になることがある。RR回りの均等なスプールの配列は機械的に良い影響を与え、よりスムーズな回転をもたらす可能性がある。RR回りの、よりバランスのとれた応力分布は、より少ない摩擦損失を回転時に与える。
【0017】
更に、SHCに対しスプールが設けられる角度は、TADの前進速度を調節するときスプールを斜めにできるように、可変である。即ち、TADの高速前進はテープのTADに垂直方向からの大きな逸脱を伴なう。このような場合、テープの角度をTADに垂直方向に一致させるように、スプールの角度を変えることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の方法を用いた被覆は、有害な温度、湿度に対する防護のような、多くの環境に依存する応用に適用可能である。本発明のシステムは、湿気、水、汚染に対する防護としてダンボール箱の被覆にも使用される。本発明のシステムは、コイルの製造として、物品の周囲に電気ワイヤを巻くことにも使用される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の装置の等角略図
【図2】動作中の本発明の装置の側面略図
【図3】支持中空円筒の中間部に回転可能に結合されたリングを用いた、本発明のシステムの断面略図
【図4】支持中空円筒の端部に回転可能に結合されたリングを用いた、本発明のシステムの断面略図
【図5】支持中空円筒の端部に回転可能に結合されたリングを用いた、本発明のシステムの断面略図
【符号の説明】
【0020】
12 ケーブル束
14 回転リング
16 スプール軸
18 スプール
20 支点
22 ねじ
40 テープ巻き装置
42 回転リング
44 リミッター
46 支持中空円筒
48 スプール軸
50 スプール支点
52 テープ
54 ボタン
58 テープ
60 物品
70、72、74 ループ
78 回転リング
80 支持中空円筒
82 凸部
86 回転リング
88 支持中空円筒
90 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持中空円筒と、
前記円筒の周囲を回転可能なリングと、
前記回転可能なリングの一端に結合された少なくとも1個のスプール軸とを
少なくとも備えた、少なくとも細長い物品の周囲にテープを巻くための装置。
【請求項2】
前記支持中空円筒と前記リングが、それぞれ2つの縦の相補性部分からなる、請求項1に記載のテープを巻くための装置。
【請求項3】
前記リングが前記支持中空円筒に回転可能に結合された、請求項1に記載のテープを巻くための装置。
【請求項4】
歯車により供給されるトルクにより前記リングが回転可能な、請求項1に記載のテープを巻く装置。
【請求項5】
前記リングがモーターの一部である、請求項1に記載のテープを巻くための装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−504251(P2010−504251A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531887(P2008−531887)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際出願番号】PCT/IL2006/001114
【国際公開番号】WO2007/034491
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(508087413)
【出願人】(508087424)
【Fターム(参考)】