説明

ディジタルビデオストリームを生成する方法及びシステム

【課題】デジタル・ビデオ・ストリームをダイナミックに生成する方法及び装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る装置は構成マネージャを含む。構成マネージャは、設定オプションをユーザに呈示する。ユーザの選択は、ユーザの好みとして記録される(ステップ202−204)。構成マネージャは、メディア生成装置に結合され、該装置がユーザの好みに基づく中間デジタル・コンテンツを生成する(ステップ208)。メディア生成装置は、電子的音声と視覚情報とを記憶するためのローカル記憶装置に結合されている。中間デジタル・コンテンツは、エンコーダに転送され、中間デジタル・コンテンツをユーザの好み仕様のデジタルフォーマットにエンコードする(ステップ210)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視聴覚情報を処理するための方法及び装置に関し、より詳細にはディジタル媒体サーバによる表示のためのダイナミックなディジタル・コンテンツを生成する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メディア産業は、オーディオ、静止画像、動画等の種々の形式の媒体の記録再生に対応するディジタル技術を有している。今日の社会では、ディジタルビデオの使用が次第に普及するようになってきている。この現象は、ディジタルビデオが、アナログビデオより以上に数々の利点をもたらすとして根拠がないわけではない。一般的なDVDフォーマットのユーザであればよく認知しているように、ディジタルビデオは繰り返しの使用によって劣化することがない。また、ディジタルビデオは、DVDプレーヤーによってロードされる際に、表示するために一度に提供されるか、又は必要に応じてストリームで提供されることができる。今日、ディジタル媒体システムは、視聴者へのディジタル・コンテンツの提供及び提示がますます増えて利用可能となっている。しかし、これらのディジタル媒体システムを開発しテストするために必要なディジタル・コンテンツは供給不足である。
【0003】
ディジタルビデオは、最初に従来のアナログ形式で記録されることが多い。ディジタルビデオは、エンコード又はディジタル化され、ディスク上に記憶可能なディジタルフォーマットに圧縮され、再生時にデコードされる。例えば、当業者に公知の手法を用いて、アナログテレビジョン上のショー放送が、エンコーダと呼ばれるデバイスを使用して、ディジタルフォーマットに変換されることができる。
【0004】
しかし、アナログビデオ表示をディジタル形式に変換する手法が十分理解されている一方で、テスト用又は商用のいずれに関しても実用的ではない。アナログビデオの最初の所有者の知的所有権は尊重されなければならず、アナログ媒体表示に対する権利を所有する個人だけが、個人用として変換されたディジタル表示を使用することが許可される。
【0005】
ディジタル媒体システムのテスト時、ディジタル媒体システムの全ての構成要素を十分にテストするために、十分な量のディジタルビデオを所有する必要がある。システムのテストを容易にするための、実質的な量のディジタル・コンテンツを事前に生成する試みは、限定的には成功していた。前述のように、アナログビデオのディジタル化は、知的所有権のライセンシングのために非常にコスト高である。また、本来はディジタル表示を意図していないので、アナログ放送可能なコンテンツは、ディジタル媒体システムの性能をテストするのに適していないばかりか、十分な複雑さを有していない。更に、早送りや巻き戻し等の特性テストは、表示中に目に見える特定の一時的情報がなければ、困難である。そのような一時的な情報は、該表示がエンコードされた時間、該表示がサーバによって提供された時間、及び該表示がクライアントによって受け取られた時間を含むことができる。そのような情報が無ければ、早送り又は巻き戻し操作の精度、又はビデオフレーム提供時のディジタル媒体システムの遅れ時間を確定することは難しい。
【0006】
また、ディジタル媒体をテストするためのコンテンツは、特定の標準に準拠する必要がある。ディジタルメディアのための良く知られた標準の1つは、DVB、即ちDigital Video Broadcastingである。DVBは、圧縮されたディジタル化ビデオをケーブル、衛星、又は地上送信等の、放送用伝送チャンネル上で伝送するための1連の標準である。更に、DVB標準に関する情報は、インターネットのウェブアドレス「www.dvd.org」で入手することができる。ATSCは、高品位テレビジョン(HDTV)、標準品位テレビジョン(SDTV)、データ放送、多チャンネルサラウンド・サウンドオーディオ、及び衛星直接家庭放送等に本来使用されている、ビデオを送信するための別の標準である。更に、ATSC標準に関する情報は、インターネットのウェブアドレス「www.atsc.org」で見ることができる。
【0007】
アナログビデオは、エンコーダの使用を介して、上記標準に準拠するディジタルフォーマットにエンコード又はディジタル化することができる。ディジタル化処理時に、エンコーダによって選択的に実行される1連の標準は、上記例に限定されず、MPEG−1、MPEG−2、リアルプレーヤ、又はAVI等の別の標準を含むことができる。多くのディジタル媒体標準があり、その数は年々増加する傾向にあるので、その結果種々のフォーマット標準に準拠するディジタル媒体システム用のコンテンツを生成するニーズが増大している。
【0008】
ディジタル媒体システム用のテストコンテンツを生成する現行方法は、ディジタル媒体システムの設計者及び検査者のニーズを満足していない。例えば、1組のテストコンテンツを生成するための1つの共通の方法は、固定時計と同様にありふれたものであることが多い、標準VHSビデオレコーダを用いたオリジナルのアナログビデオの記録と、結果としてアナログ記録のディジタルフォーマットへのディジタル化とを含む。この方法がテレビジョン放送のセグメントのディジタル化のように知的所有権のライセンシングを必要としない限り、依然として問題がある。
第1に、任意のディジタル化されたアナログ記録と同様に、オリジナルのアナログビデオの品質で問題が起きる可能性があるので、ディジタルビデオ表示の品質のいかなる変動の原因もディジタル媒体システムに対して関連性がないものとすることはできない。第2に、ディジタルテストコンテンツは、色、音、及び動く物体が多く含まれるようにして、ディジタル媒体システムの制約をテストすべきである。そのような条件は、標準的なVHSビデオレコーダを用いて実際に記録するのは実用的ではない。第3に、ディジタルビデオの各フレームを識別する情報なしでは、ディジタルビデオを表示するディジタル媒体システムの遅れの分離同様、スキャン操作のテストは困難である。時計の文字盤等のようなビデオのコンテンツが、早送り又は巻き戻し動作が作用したことを一般的に確定するために使用できると同時に、それは時間通りのジャンプの成功を正確に確定し、ディジタル媒体システムを経由する表示遅れを切り分けるために必要な、如何なるフレーム固有情報をも提供しない。
【0009】
テストコンテンツを得るための別の方法は、インターネット上で利用可能な、予め生成されたディジタルサンプルの選択を使用することである。しかしながら、前述の知的所有権のライセンシング問題に遭遇することと、フレーム固有情報の欠如に加えて、これらの選択は通常極めて短期間のものであり、テストにおけるその有用性を極端に制限してしまう。更に、1組のテストコンテンツは、全ての可能な実在の状況を余すところなく広くカバーすべきであり、その利用可能なディジタルビデオの小さなサンプリングでは、対処することはできない。テスト用の1組のディジタル・コンテンツサンプルにおいて、コンテンツを変更することなしに、ディジタルビデオ・サーバが遭遇する問題の全体領域がテストされたことを保証することは困難である。更に、予め生成されたディジタルサンプルのこれらの各選択は、それぞれ1つのディジタルフォーマットに固定されており、複数のディジタルフォーマットをテストするためのニーズには役立たない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ディジタル・コンテンツの生成及びテストの現行の手法が非能率的であったので、ディジタル媒体システムをテストする上記ニーズに対処する、オリジナルのディジタル・コンテンツを生成するための方法及び装置に関して、長く切実なニーズが存在していた。そのような方法又はシステムは、ディジタルビデオシステムの全構成要素をテストし、同時に種々のディジタルフォーマットにおけるディジタルビデオをエンコードするための、ディジタルビデオのコンテンツを構成可能とすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ディジタル・コンテンツをダイナミックに生成する方法及び装置が説明される。本発明の主要な態様によれば、構成マネージャは、ディジタルビデオ表示のコンテンツに対応する、ユーザに対する設定オプションを呈示する。構成マネージャは、選択された設定オプションをユーザの好みとして記録する。このユーザの好みは、メディア生成装置に転送され、該装置は、受け取ったユーザの好みにより中間ビデオ・コンテンツを生成する。生成された中間ビデオコンテンツは次に、エンコーダに転送され、該中間ビデオコンテンツをユーザの好み仕様のディジタルフォーマットへエンコードする。
【0012】
本発明の別の態様によれば、メディア生成装置は、ローカル記憶装置に動作可能に接続され、該記憶装置は、ディジタル静止画像、ビデオ、及び音声を収容する。構成マネージャーは、新しいディジタル・コンテンツを生成するときに、ローカル記憶装置に収容されたディジタル静止画像、ビデオ、及び音声を選択するオプションをユーザに呈示する。
本発明は添付図面に実施例として図示されており、本発明を制約するためではなく、また同じ参照番号は同じ要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態が適用されたコンピュータシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態によるディジタルメディア生成装置の機能的な構成要素を示すブロック図である。
【図3】中間ディジタル・コンテンツを生成するステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明のための記述において、本発明の全体を理解できるように、多くの具体的な詳細を記載している。しかしながら、当業者にとっては、これら具体的な詳細説明がなくとも本発明が実施可能であることは明白であろう。別の例では、本発明を不必要に分かりにくくするのを避けるために、良く知られた構造及びデバイスが、ブロック図の形で示されている。
【0015】
以下、次の順序で示す主題の見出しによって種々の機能が説明される。
I.ハードウエアの概要
II.機能動作
III.構成マネージャー
IV.メディア生成装置
V.ソフトウエアのエンコーダー
【0016】
I.ハードウエアの概要
図1は、本発明の実施形態が実施可能なコンピュータシステム100を示すブロック図である。コンピュータシステム100は、情報通信のためのバス102又は他の通信機構、及び情報を処理するためのバス102に結合されたプロセッサ104を含む。また、コンピュータシステム100は、随時読取り/書込みメモリ(RAM)又は他のダイナミック記憶装置等のような、バス102に結合され、情報とプロセッサ104によって実行される命令とを格納するための、メインメモリ106を含む。メインメモリ106はまた、プロセッサ104による命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を格納するために使用されることができる。更にコンピュータシステム100は、バス102に結合され、静的情報及びプロセッサ104の命令を格納するための、読み出し専用メモリ(ROM)108又は他の静的記憶装置を含む。磁気ディスク又は光ディスク等のような記憶装置110が、情報及び命令を格納するために備えられ、バス102に結合される。
【0017】
コンピュータシステム100は、コンピュータ・ユーザに情報を表示するために、バス102を介して陰極線管(CRT)等のディスプレイ112に結合される。英数字キー及び他のキーを有する入力装置114は、プロセッサ104に対して情報通信し、命令を選択するために、バス102に結合される。他の種類のユーザ入力装置は、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キー等の、方向情報及び命令選択をプロセッサ104に通信し、ディスプレイ112上のカーソルの動きを制御するための、カーソル制御装置116である。この入力装置は、通常2つの軸、即ち第1の軸(例えばx軸)と第2の軸(例えばy軸)における2次元の自由度を有し、該装置は平面内の位置を特定することができる。
【0018】
本発明は、ディジタル・ビデオコンテンツを生成するためのコンピュータシステム100の使用に関する。本発明の1実施形態により、ディジタル・ビデオコンテンツは、メインメモリ106に含まれている1つ又はそれ以上の命令の、1つ又はそれ以上のシーケンスを実行するプロセッサ104に応答して、コンピュータシステム100によって提供される。そのような命令は、記憶装置110等の、別のコンピュータ読取可能媒体からメインメモリ106に読み込まれることができる。メインメモリ106に含まれている命令シーケンスを実行することによって、プロセッサ104は此処に記載されたプロセスを実行する。別の実施形態において、本発明を実施するために、ソフトウエア命令の代わりに、又は組み合わせて、配線接続された回路が使用されることができる。このように、本発明の実施形態は、ハードウエア回路構成及びソフトウエアのどのような特定の組合せにも限定されない。
【0019】
本発明の実施に必要な命令シーケンスの実行は、単一のコンピュータシステム100によって実効される必要はない。本発明の実施に必要な命令シーケンスは、ローカルネットワーク112に接続された、又はインターネット128に接続された、又は互いにデータ通信で接続された、複数のコンピュータシステム100によって実施されることができる。
【0020】
用語「コンピュータ読取可能媒体」は此処では、実行のためのプロセッサ104に対する命令の提供に関係する、任意の媒体をいうのに使用される。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体などを含む多くの形態をとることができるが、それらに限定されない。不揮発性媒体には、記憶装置110等のような、例えば光学又は磁気ディスクが含まれる。揮発性媒体には、メインメモリ106のようなダイナミックメモリが含まれる。伝送媒体には、バス102を構成するワイヤーを含む、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバーが含まれる。また、伝送媒体は、電波及び赤外線データ通信間で発生する、音波又は光波の形態をとることができる。
【0021】
コンピュータ読取可能媒体の共通の形態には、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は他の任意の磁気媒体、CD−ROM、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有する他の任意の物理的媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH−EPROM、他の任意のメモリチップ又はカートリッジ、以下に説明する搬送波、又はコンピュータが読むことができる他の任意の媒体が含まれる。
【0022】
コンピュータ読取可能媒体の種々の形態は、実行のためのプロセッサ104に対する1つ又はそれ以上の命令の1つ又はそれ以上のシーケンスの搬送に関わる。例えば、命令は、最初遠隔コンピュータの磁気ディスク上に搬送されることができる。遠隔コンピュータは、該コンピュータのダイナミックメモリに命令をロードし、モデムを使用して電話回線越しに命令を送ることができる。コンピュータシステム100に設置されたモデムは、電話回線上でデータを受け取ることができ、赤外線送信装置を使用して、データを赤外線信号に変換することができる。赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されたデータを受け取ることができ、適切な回路構成によってデータをバス102上に置くことができる。バス102は、メインメモリ106にデータを搬送し、プロセッサ104は、そこから命令を取り出して実行する。メインメモリ106によって受け取られた命令は、任意選択的に、プロセッサ104によって実行される前後に、記憶装置110に格納されることができる。
【0023】
また、コンピュータシステム100は、バス102に結合された通信インターフェース118を含む。通信インターフェース118は、ローカルネットワーク122に接続されているネットワークリンク120に結合する、双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース118は、対応する型式の電話回線に対してデータ通信接続を可能にする、総合ディジタル通信網(ISDN)カード又はモデムである。別の例として、通信インターフェース118は、構内情報通信網(LAN)カードであり、互換性のあるLANに対してデータ通信接続を可能にする。また、無線リンクも実施されることができる。そのような任意の実施において、通信インターフェース118は、種々の形式の情報を表示するディジタル・データストリームを搬送する、電気的、電磁的、又は光学的信号を送り、受け取る。
【0024】
ネットワークリンク120は、通常1つ又はそれ以上のネットワークを介して他のデータデバイスに対するデータ通信を提供する。例えばネットワークリンク120は、ローカルネットワーク122を介して、ホストコンピュータ124、又はインターネット・サービスプロバイダ(ISP)126によって操作されるデータ装置への接続を提供することができる。ISP126は次に、現在一般に「インターネット」と称される、ワールド・ワイド・パケット・データ通信ネットワークを介して、データ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク122及びインターネット128は双方とも、ディジタル・データストリームを搬送する電気的、電磁的、又は光学的信号を使用する。コンピュータシステム100との間でディジタルデータをやりとりする、種々のネットワークを介した信号、及びネットワークリンク120上及び通信インターフェース118を介した信号は、情報を運ぶ搬送波の例示的な形である。
【0025】
コンピュータシステム100は、ネットワーク、ネットワークリンク120、及び通信インターフェース118を介して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネットの例では、サーバ130は、アプリケーションプログラム用の要求されたプログラムコードを、インターネット128、ISP126、ローカルネットワーク122、及び通信インターフェース118を介して送信することができる。
【0026】
受信したコードは、受信時に、及び/又は記憶装置110、又は後で実行するために他の不揮発性記憶装置に格納されたときに、プロセッサ104によって実行されることができる。このようにして、コンピュータシステム100は、アプリケーションコードを搬送波の形で取得することができる。
【0027】
本発明が実行される物理的な環境が記載され、本発明の機能的な概要が呈示される。
【0028】
II.機能的概要
図2は、本発明の主要な態様による、ディジタルメディア生成装置300を示すブロック図である。図に示すように、ディジタルメディア生成装置300は、構成マネージャー310、メディア生成装置320、任意選択的なローカル記憶装置330、及びエンコーダ340を含む。ユーザ305は、構成マネージャー310を介してディジタルメディア生成装置300と対話する。構成マネージャー310は、カスタマイズされたディジタルビデオ365のセグメントを設定することができる方法に相当する、設定オプション350リストのユーザ305への呈示を担っている。構成マネージャー310は、メディア生成装置320及びエンコーダ340とデータを交換して、設定オプション350のリストの組立て構成を決定する。構成マネージャー310は、メディア生成装置320に送信されるユーザの好み355として、ユーザ305によって設定オプションのリスト350からなされた選択を記録する。
【0029】
メディア生成装置320は、ユーザの好み355に基づく中間ディジタル・コンテンツ360の生成を担う。メディア生成装置320は、ローカル記憶装置330に結合されることができる。ローカル記憶装置330は、メディア生成装置320によって中間ディジタル・コンテンツ360の生成に使用される、ディジタル音声、静止画像、及びビデオを格納する。中間ディジタル・コンテンツ360は、ユーザ305によって選択された所望のコンテンツを包含するが、しかしながら、それはまだ所望のディジタルフォーマットに更にエンコードされなければならない。メディア生成装置320が、中間ディジタル・コンテンツ360を生成後、それはユーザの好み355と共にエンコーダ340へ転送される。中間ディジタル・コンテンツ360は、リアルタイムで、又は非同期的にネットワークリンク120上に転送されるか、又は携帯記憶装置を経由して転送されることができる。
【0030】
エンコーダ340は、ユーザの好み355で特定されたフォーマットに基づく、中間ディジタル・コンテンツ360から、カスタマイズされたディジタルビデオ365の生成を担っている。カスタマイズされたディジタルビデオ365のセグメントは、これ以後のディジタル媒体システムのテストに使用されることができる。
【0031】
ディジタルメディア生成装置300のおおよその機能的概要を説明したが、次の節では、構成マネージャー310、メディア生成装置320、及びエンコーダ340についてそれぞれ更に詳細に説明する。
【0032】
III.構成マネージャー
先に説明したように、構成マネージャー310は、カスタマイズされたディジタルビデオ365のセグメントを設定することができる方法に相当する、設定オプション350のユーザ305への呈示を担っている。設定オプション350の典型的なリストは、ビデオにおけるサウンドトラック又はトーンパターンを含め、及びビデオのタイムスタンプを含め、ビデオの背景の変更、ビデオに表示されるオブジェクト数の変更、ビデオに表示されるオブジェクト形状の変更、ビデオにおける該形状の色の変更、ビデオにおける該形状の速度の変更、及びビデオにおける形状の軌道の変更を含むが、それらに限定されるものではない。
【0033】
また、ユーザは、設定オプション350のリスト中に標準時間帯を表示することができるが、該標準時間帯の下でシステムの種々の部分が動作シミュレートされる。この情報は、メディア生成装置320によって使用され、これらの状況をテストするために中間ディジタル・コンテンツ360を生成する。更に、スキャン操作を補助するために、設定オプション350には、設定時間間隔で簡単に背景色を変更するレート制御マーカーを含むことができる。
【0034】
設定オプション350のリストは、メディア生成装置320から受け取る、ディジタルビデオを生成するためのメディア生成装置320の最新の性能に関する情報と、エンコーダ340から受け取る、エンコーダ340がサポートするディジタルフォーマット可能な形式に関する情報とに基づいて、構成マネージャー310によって生成される。構成マネージャー310は、ディジタルビデオを生成するメディア生成装置320、又は新しいディジタルフォーマットをサポートするエンコーダ340の、いずれかの能力に変更があった場合、更新の必要がある。例えば、そのようなメディア生成装置320における変更によって、中間ディジタル・コンテンツ360の生成におけるユーザ305が選択可能な、ローカル記憶装置で格納された追加の音声又はビデオ情報を含むことができる。
【0035】
設定オプション350のリストは、インターネットのウェブページ、又は共通のパーソナルコンピュータ・ソフトウエア及びオペレーティングシステムが利用する、任意のグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を介してユーザに提示されることができる。設定オプション350のリストは、インターネット又は専用のイントラネット等のような、任意の通信媒体上でユーザに転送されることができる。設定オプション350のリストは、ユーザ305によって保存されことができ、後日ロードして編集し、再度保存することができる。
【0036】
構成マネージャー310は、設定オプション350のリストからユーザ305によってなされた選択を、ユーザの好み355として記録する。ユーザの好み355は、ユーザ305がビデオの生成を求めると、メディア生成装置320に転送される。
【0037】
IV.メディア生成装置
メディア生成装置320は、ユーザの好み355に基づく中間ディジタル・コンテンツ360の生成を担う。中間ディジタル・コンテンツ360は、ユーザの好み355に示された特性を包含する一連の圧縮されていない単純な画像(一般に一連のビットマップファイル)である。中間ディジタル・コンテンツ360は、ユーザの好み355に示された場合、追加として音声を包含することができる。メディア生成装置320は、任意選択的に、ディジタル音声、静止画像、及びビデオを収容するローカル記憶装置330に動作可能に接続されることができる。ローカル記憶装置330は、データベースのような、当業者に公知の電子情報を記憶するための任意の構成要素とすることができる。
【0038】
図3に示すように、メディア生成装置320は、ユーザの好み355をロードする。次に、ローカル記憶装置330に格納されたユーザの好み355の要求を満足するために必要な、ディジタル音声、静止画像、及びビデオが、メディア生成装置320によって識別される。次にメディア生成装置320は、識別したディジタル音声、静止画像、及びビデオをロードする。一度ロードされると、メディア生成装置320はこれらのディジタル音声、静止画像、及びビデオを使用して、ユーザの好み355仕様のコンテンツ構成を生成する。ローカル記憶装置330からの音声、静止画像、及びビデオの組み込みに加えて、メディア生成装置は、背景色の変更、テキストの組み込みと操作、形状形態の生成、及びAutoDesk社のAutoCad、又はCorel CorporationのCorel Draw等のような,グラフィック操作のソフトウエア・パッケージに特有な他の機能性等、当該技術分野で良く知られている任意の方法で、ディジタル・コンテンツを構築することができる。
【0039】
また、メディア生成装置320は、ユーザ305からの入力により、音声をダイナミックに合成し又は生成する機能を含むことができる。構成マネージャー310は、音声のダイナミックな生成又は記録のための、設定オプション350をユーザ305に呈示することができる。生成された音声は、ローカル記憶装置305に格納され、カスタマイズされたディジタルビデオ365のセグメントの生成において、エンコーダ340によって使用されることができる。
【0040】
最後に、コンテンツ構成は、メディア生成装置320によって、中間ディジタル・コンテンツ360として保存される。中間ディジタル・コンテンツ360は、一連のビットマップファイル等のような、エンコーダ340が読み取り可能な任意のフォーマットで保存されることができる。
【0041】
メディア生成装置320は、可視タイムスタンプを中間ディジタル・コンテンツ360にセットするために、システムクロックを使用することができる。これにより、ディジタル媒体システムの検査者は、ディジタル媒体システムの適切な機能を保証するために、通常の再生操作及び検索操作の間に、ディジタルビデオを目視検査することができる。
【0042】
本発明の1つの実施形態によると、中間ディジタル・コンテンツ360は、固定長である。この中間ディジタル・コンテンツ360は、エンコーダ340に直ちに転送されるか、後日転送するために保存されることができる。別の実施形態では、中間ディジタル・コンテンツ360には、固定長ではなく、メディア生成装置320によって連続的に生成される。この場合、エンコーダ340は、中間ディジタル・コンテンツ360をリアルタイムで受け取られるようにエンコードする。
【0043】
V.エンコーダ
エンコーダ340は、ユーザの好み355仕様のフォーマットに基づく、中間ディジタルビデオ360のセグメントから、カスタマイズされたディジタルビデオ365のセグメントの生成を担う。このフォーマットは、任意の形式とすることができる。例えば、このエンコードされたフォーマットは、MPEG−1、MPEG−2、MPEG−4、AVI、又はQuickTime、DVB標準、又はATSC標準を含むことができる。
【0044】
本発明に使用される適切なエンコーダは、カリフォルニア州サンディエゴにある、インターネットのアドレスが「www.digigami.com」のDigigami社のMegaPEGである。本発明に使用される別の適切なエンコーダは、カリフォルニア州サンフランシスコにある、インターネットのアドレスが「www.ligos.com」のLigos Technology社のLight Speed MPEG Encoderである。
【0045】
前述したように、本発明は特定の実施形態に関して説明した。しかしながら、本発明の広範な技術的思想及び範囲から逸脱することなく、種々の実施形態及び変更形態が可能であることは明白であろう。従って、本明細書及び図面は、制限ではなく、例証とみなされるべきである。
【符号の説明】
【0046】
100 コンピュータシステム
300 ディジタルメディア生成装置300
310 構成マネージャ
320 メディア生成装置
330 記憶装置
340 エンコーダ
355 ユーザの好み
360 中間ディジタルコンテンツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタルビデオストリームを生成する方法であって、
前記ディジタルビデオストリームの構成の仕方に対応するユーザの好みをロードする段階であって、前記ユーザの好みが、前記ディジタルビデオストリームを用いてテストすべきシステムの様々な部分が動作するようにシミュレートされる、複数の時間帯を含むものである、段階と、
前記ユーザの好みを満足させるためにメディア生成部により要求されるメディアを識別する段階と、
前記メディアをロードする段階と、
前記メディアを用いて、前記ユーザの好みに基づいて中間ディジタルコンテンツを生成する段階と、
前記中間ディジタルコンテンツをエンコーダに転送する段階と、
前記中間ディジタルコンテンツを前記ディジタルビデオストリームにエンコードする段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
サーバからクライアントにダイナミックコンテンツを提供するための命令を含むコンピュータにより読み取り可能な媒体であって、
1又はそれ以上のプロセッサが前記命令を実行することによって、
前記ディジタルビデオストリームの構成の仕方に対応するユーザの好みをロードする段階であって、前記ユーザの好みが、前記ディジタルビデオストリームを用いてテストすべきシステムの様々な部分が動作するようにシミュレートされる、複数の時間帯を含むものである、段階と、
前記ユーザの好みを満足させるためにメディア生成部により要求されるメディアを識別する段階と、
前記メディアをロードする段階と、
前記ユーザの好みに基づいて中間ディジタルコンテンツを生成する段階と、
前記中間ディジタルコンテンツをエンコーダに転送する段階と、
前記中間ディジタルコンテンツを前記ディジタルビデオストリームにエンコードする段階と、
を前記1又はそれ以上のプロセッサに実行させる、
ことを特徴とするコンピュータにより読み取り可能な媒体。
【請求項3】
ディジタルコンテンツを生成するシステムであって、
前記ディジタルビデオストリームの構成の仕方に対応するユーザの好みをロードする手段であって、前記ユーザの好みが、前記ディジタルビデオストリームを用いてテストすべきシステムの様々な部分が動作するようにシミュレートされる、複数の時間帯を含むものである、手段と、
前記ユーザの好みを満足させるためにメディア生成部により要求されるメディアを識別する手段と、
前記メディアをロードする手段と、
前記ユーザの好みに基づいて前記ディジタルコンテンツを生成する手段と、
前記ユーザの好みに基づいて前記ディジタルコンテンツをエンコードする手段と、
を具備することを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−75129(P2012−75129A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236796(P2011−236796)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【分割の表示】特願2002−513205(P2002−513205)の分割
【原出願日】平成13年7月13日(2001.7.13)
【出願人】(509169907)エヌキューブ・コーポレイション (3)
【氏名又は名称原語表記】NCUBE CORPORATION
【出願人】(503022590)サードスペイス リヴィング リミテッド (2)
【Fターム(参考)】