説明

ディジタル放送記録装置、ディジタル放送記録方法及び制御プログラム

【課題】ディジタル放送を記録するディジタル放送記録装置において、入力された放送チャンネルのコンテンツデータを記録する場合に、録画対象の番組の記録品質を容易に設定する。
【解決手段】ディジタル放送記録装置は、入力された放送チャンネルのコンテンツデータを記録可能な記録手段と、放送チャンネルの記録品質の設定指示の入力が可能な記録品質指示手段と、記録対象の放送チャンネルに対応する設定指示に基づく記録品質で記録手段に当該記録対象の放送チャンネルのコンテンツデータの記録を行わせる記録制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ディジタル放送記録装置、ディジタル放送記録方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディジタル放送受信装置において、特定のチャンネルをループ録画するループ録画機能を応用して、毎日24時間連続してコンテンツ(番組)を受信し、ストレージに記録し続けるシステムが実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
このループ録画機能により、ユーザが意識的に番組を指定して録画予約を行わなくても自動的にコンテンツの録画が行われるため、予約を忘れていた場合や、放送後に話題に上った番組についても、過去に遡ってコンテンツ(番組)を視聴し、あるいは、保存することができるようになっていた。
また、予め時間帯毎に録画レートを設定し、予約録画が開始されると、当該予約録画の開始時刻に応じた番組毎に録画レートで録画を行うデジタル放送受信装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−135978号公報
【特許文献2】特開2001−285801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、チャンネル単位で録画を行うシステムにおいては、録画対象の番組が多数存在するため、番組毎に個別に記録品質(例えば、録画レート)を指定することは非常に手間がかかり、現実的ではなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、チャンネル単位で連続して録画する場合に、容易に録画レートを設定することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のディジタル放送記録装置は、入力された放送チャンネルのコンテンツデータを記録可能な記録手段を備えている。
そして、記録品質指示手段を介して、放送チャンネルの記録品質の設定指示の入力がなされると、記録制御手段は、記録対象の放送チャンネルに対応する設定指示に基づく記録品質で記録手段に当該記録対象の放送チャンネルのコンテンツデータの記録を行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、実施形態のテレビジョン受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、本実施形態のチューナの詳細構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、記録レート設定画面の一例の説明図である。
【図4】図4は、記録ビットレート設定時の動作処理フローチャートである。
【図5】図5は、記録ビットレート設定操作の一例の説明図である。
【図6】図6は、記録ビットレート設定テーブルの説明図である。
【図7】図7は、より具体的な記録ビットレート設定例の説明図である。
【図8】図8は、実際にループ録画を行う場合の放送チャンネル毎の処理フローチャートである。
【図9】図9は、チャンネル別レートテーブルの一例の説明図である。
【図10】図10は、時間帯別レートテーブルの一例の説明図である。
【図11】図11は、他の記録ビットレート設定テーブルの説明図である。
【図12】図12は、より具体的な記録ビットレート設定例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかるディジタル放送記録装置及びディジタル放送記録方法の実施の形態を詳細に説明する。
以下の説明においては、ディジタル放送記録装置の一例として、録画機能を備えたテレビジョン受信装置を例にとり説明する。
【0009】
まず、実施形態のテレビジョン受信装置の構成について説明する。
図1は、実施形態のテレビジョン受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
テレビジョン受信装置100は、図1に示すように、チューナ部101、録画再生部105、HDD110、EPG(Electric Program Guide)処理部112、EPGメモリ113、MPEG(Moving Picture Experts Group)デコーダ114、表示制御部115、リモコン受信部116、システムコントローラ117及び通信インタフェース(I/F)部118を備える。
【0010】
ここで、システムコントローラ117及び録画再生部105は、記録管理制御部として機能している。
また、通信インタフェース部118は、USBインタフェース、IEEE1394インタフェース、LANインタフェース等として構成可能であり、外付けのHDD等の接続が可能となっている。
【0011】
チューナ部101は、番組などのコンテンツデータや制御データが多重化されたコンテンツデータとしてのトランスポートストリーム(Transport Stream)を放送局から受信する。
【0012】
本実施形態では、チューナ部101は、チューナ101−1〜101−N(Nは自然数)を備えており、それぞれチャンネルCh1〜ChNのトランスポートストリームを受信する。そして、チューナ101−1〜101−Nは、それぞれチャンネルCh1〜ChNのトランスポートストリームを録画再生部105及びEPG処理部112に出力する。
【0013】
ここで、本実施形態のチューナ101−1〜101−Nの詳細について説明する。
チューナ101−1〜101−Nは、同様の構成であるため、チューナ101−1を例として説明する。
【0014】
図2は、本実施形態のチューナの詳細構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、チューナ101−1は、選局部201と、分離部202と、デスクランブラ203と、分離部204と、ICカード206とを備える。
選局部201は、アンテナ入力を選局し、選局したチャンネルのトランスポートストリームを分離部202及びデスクランブラ203に出力する。
【0015】
分離部202は、選局部201から入力されたトランスポートストリームに多重されている制御データECMを分離し、分離した制御データECMをICカード206に出力する。また、分離部202は、選局部201から入力されたトランスポートストリームを分離部204に出力する。分離部204は、分離部202から入力されたトランスポートストリームに多重されている制御データEMMを分離し、分離した制御データEMMをICカード206に出力する。
【0016】
ICカード206は、分離部202から入力された制御データECM及び分離部204から入力された制御データEMMを用いてスクランブル鍵を復号する。デスクランブラ203は、ICカード206で復号されたスクランブル鍵を用いてトランスポートストリームに多重されているコンテンツデータをデスクランブルし、出力する。
なお、本実施形態では、チューナ101−1〜101−NそれぞれにICカード206が備えられているが、複数のチューナがICカードを兼用するようにしてもよい。
【0017】
図1に戻り、録画再生部105は、記録対象チャンネルCh1〜ChNのトランスポートストリームからコンテンツデータを抽出して、録画や再生を行うものであり、ループ録画部106と、PVR録画部107と、変更部108と、再生部109とを備える。
【0018】
ループ録画部106は、概念的にループ状に形成されている録画領域に連続して録画を行い、既に録画済の領域に録画を行う場合には上書録画を行うループ録画方式を採用している。例えば、24時間連続的にHDD110にコンテンツデータを録画する。ここで、HDD110は、ループ録画領域110A及びPVR録画領域110Bを備えている。ここで、ループ録画領域110Aは、所定の記録容量を有する巡回型記録領域として構成されている。このループ録画領域110Aの詳細については、後に詳述する。
【0019】
そして、ループ録画部106は、HDD110のループ録画領域110Aの先頭から順にコンテンツデータを録画し、末尾まで録画すると、再度先頭から録画(上書き)する。
【0020】
また、ループ録画部106は、HDD110のループ録画領域110Aに録画されたコンテンツデータを一定の時間経過後に消去するようにすることも可能である。
また、ループ録画部106は、ループ録画領域110Aに録画されたコンテンツデータの容量が所定の容量を超えた場合に消去するようにすることも可能である。
【0021】
また、ループ録画部106は、後述のシステムコントローラ117からループ録画方式で録画を行う時間帯の指定を受け付け、指定された時間帯内にチューナ部101に受信される複数のストリームをループ録画方式でHDD110のループ録画領域110Aに録画する。また、ループ録画部106は、後述のシステムコントローラ117からループ録画方式で録画を行う複数のチャンネルの指定を受け付け、指定された複数のチャンネルの複数のストリームをループ録画方式でHDD110のループ録画領域110Aに録画する。
【0022】
PVR録画部107は、通常の録画方式であるPVR録画方式でHDD110にストリームを録画する。具体的には、PVR録画部107は、HDD110のPVR録画領域110Bにストリームを録画する。なお、PVR録画部107は、後述のシステムコントローラ117から消去が指示されるまで、PVR録画領域110Bに録画されたストリームを消去せず、保存する。
【0023】
なお、ループ録画部106及びPVR録画部107は、ストリームを録画した番組のチャンネルを示すチャンネル情報、ストリームを録画した番組の番組名、ストリームを録画した録画日時、コンテンツデータの再生履歴などの情報をストリームに付加して、HDD110のループ録画領域110AあるいはPVR録画領域110Bへ記録する。
【0024】
変更部108は、ループ録画方式で録画されたストリーム(コンテンツデータ)の録画方式をPVR録画方式に変更する。具体的には、変更部108は、ループ録画領域110Aに録画されているコンテンツデータをPVR録画領域110Bに移動したり、コピーしたりする。この際、変更部108は、コピー制御情報を更新する。これにより、ループ録画領域110AからPVR録画領域110Bに移動又はコピーされたストリームを判別できるようになっている。
【0025】
再生部109は、記録対象チャンネルCh1〜ChNのトランスポートストリームから抽出したコンテンツデータやHDD110に録画されたコンテンツデータを再生するため、MPEGデコーダ114に出力する。
【0026】
EPG処理部112は、記録対象の放送チャンネルch1〜chNのトランスポートストリームから、各チャンネルの各時間帯の番組を示す番組情報(SI情報)であるEPG情報を抽出し、EPGメモリ113に記憶する。また、EPG処理部112は、EPGメモリ113に記憶されているEPG情報を常に新しい内容に更新するため、放送チャンネルch1〜chNのトランスポートストリームからEPG情報を抽出し、抽出したEPG情報でEPGメモリ113に記憶されているEPG情報を更新する。
【0027】
なお、本実施形態では、日本の地上ディジタル放送のように記録対象の放送チャンネルch1〜chNの各トランスポートストリームから各チャンネルのEPG情報を抽出するものとするが、これに限定するものではない。例えば、BS(Broadcasting Satellite)ディジタル放送のように各チャンネルにBS全チャンネルのEPG情報が多重されている場合もある。いずれにしても、EPG処理部112は、自装置で受信可能なチャンネル数分のEPG情報を抽出し、EPGメモリ113に記憶する。
【0028】
また、EPG処理部112は、後述のシステムコントローラ117から番組表の表示指示を受け、EPGメモリ113に記憶されているEPG情報を取得し、取得したEPG情報をチャンネル毎に時系列に並べた番組表の番組表データを表示制御部115に出力する。
【0029】
MPEGデコーダ114は、録画再生部105から入力されたトランスポートストリームにMPEG2デコード処理を施し、表示制御部115に出力する。
表示制御部115は、EPG処理部112から出力された番組表データやMPEGデコーダ114から出力されたトランスポートストリームを、テレビジョン信号として、表示部120に出力する。
【0030】
また本実施形態では、ループ録画方式で録画されたトランスポートストリームの一覧は、EPG処理部112により番組表形式で作成され、表示制御部115により表示部120に表示される。また、PVR録画方式で録画されたトランスポートストリームの一覧は、録画再生部105により作成され、表示制御部115により表示部120に表示される。
【0031】
そして表示制御部115は、ループ録画方式で録画されたトランスポートストリームの一覧、又はPVR録画方式で録画されたトランスポートストリームの一覧を表示部120に表示する際、変更部108によりループ録画方式からPVR録画方式に変更されたトランスポートストリームを他のトランスポートストリームと異なる表示態様で表示する。
【0032】
具体的には、表示制御部115は、ループ録画方式で録画されたトランスポートストリームの一覧、又はPVR録画方式で録画されたトランスポートストリームの一覧を表示部120に表示する際、ループ録画領域110AからPVR録画領域110Bに移動又はコピーされたトランスポートストリームにマークなどのシンボルを付して表示する。
【0033】
表示部120は、表示制御部115から入力されたテレビジョン信号に基づいて番組を表示したり、ループ録画方式で録画されたトランスポートストリームの一覧やPVR録画方式で録画されたトランスポートストリームの一覧を表示したりする。なお、表示部120は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は有機ELディスプレイなどにより実現できる。
【0034】
リモコン受信部116は、リモコン130から、ループ録画方式で記録(録画)を行う時間帯やチャンネルの指定、PVR録画方式での記録(録画)指示、PVR録画方式で記録(録画)されたコンテンツデータの削除指示、ループ録画領域110AからPVR録画領域110Bへのトランスポート(コンテンツデータ)の移動やコピーの指示、HDD110に録画されたトランスポートストリームの再生指示、ループ録画領域110Aに録画されている番組の一覧やPVR録画領域110Bに録画されている番組の一覧の表示指示などを受け付け、システムコントローラ117へ通知する。
【0035】
システムコントローラ117は、テレビジョン受信装置100全体を制御する。例えば、システムコントローラ117は、リモコン受信部116からの通知を受け、テレビジョン受信装置100の各部にリモコン受信部116からの通知に応じた制御や指示を行う。
【0036】
次に記録品質の設定処理の一例として、記録ビットレート(圧縮率)の設定処理について説明する。
図3は、記録レート設定画面の一例の説明図である。
記録ビットレート設定表示画面150は、大別すると、放送チャンネル表示領域151と、時間帯表示領域152と、チャンネル別レート表示領域153と、時間帯別レート表示領域154と、設定記録レート表示領域155と、を備えている。
【0037】
ここで、放送チャンネル表示領域151は、記録ビットレート設定表示画面150の上部に配置され、記録ビットレート設定対象の放送チャンネルに関する情報を表示する。
時間帯表示領域152は、記録ビットレート設定表示画面150の左側部に配置され、記録ビットレート設定対象の記録(録画)時間帯及び表示操作状態を表示する。
チャンネル別レート表示領域153は、記録ビットレート設定表示画面150の下部に配置され、放送チャンネル毎に記録ビットレートの設定状態を表示する。
時間帯別レート表示領域154は、記録ビットレート設定表示画面150の右側部に配置され、時間帯毎に記録レートの設定状態を表示する。
【0038】
設定記録レート表示領域155は、記録ビットレート設定表示画面150の中央部に配置され、設定された記録ビットレートを表示する。
図3においては、同時並行記録チャンネル数が最大6チャンネルであり、時間帯は、1時間単位で設定可能となっているものとする。
【0039】
次に実施形態の動作について説明する。
図4は、記録ビットレート設定時の動作処理フローチャートである。
システムコントローラ117は、ユーザがリモコン130を操作して、記録レートビットの設定を行う旨の指示をリモコン受信部116からの通知として受けると、表示部120の表示部に、図3に示した、記録ビットレート設定表示画面150を表示する(ステップS11)。
【0040】
続いて、システムコントローラ117は、ユーザがリモコン130により記録ビットレート設定操作を行ったか否かを判別する(ステップS12)。具体的には、ユーザがリモコン130により、チャンネル別レート表示領域153のチャンネル別表示操作部B11〜B16のいずれかを選択する操作、あるいは、時間帯別レート表示領域154の時間帯別表示操作部B21〜B23のいずれかを選択する操作を行ったか否かを判別する。
【0041】
図5は、記録ビットレート設定操作の一例の説明図である。
例えば、チャンネル別レート表示領域153のチャンネル別表示操作部B12の選択操作を行った場合には、図5に示すように、メニュー形式のプルダウンメニューMNが表示され、当該選択した放送チャンネル(図5の例の場合、放送チャンネル=2ch)において設定可能な記録ビットレートが選択可能となる。
【0042】
より詳細には、各放送チャンネルについて、高記録ビットレート(TS)、標準記録ビットレート(XP)、低記録ビットレート(LP)が選択可能である。また、現在選択され、設定されている記録ビットレートの表示(=TS)は、図5に、示すように非設定状態の記録ビットレートの表示(=XP、LP)とは異なる表示態様とされて、ユーザが認識可能となっている。ここで、記録ビットレートは、TS>XP>LPとなっている。
【0043】
図5に示したような操作がなされると(ステップS12;Yes)、システムコントローラ117は、時間帯別表示操作部B21〜B23が操作されて、いずれかの時間帯の記録ビットレートの変更操作がなされたか否かを判別する(ステップS13)。
ステップS13の判別において、いずれかの時間帯の記録ビットレートの変更操作がなされた場合には(ステップS13;Yes)、変更操作がなされた時間帯の記録ビットレートを新たに設定された記録ビットレートに更新する記録ビットレート更新処理を行って(ステップS14)、処理を再びステップS11に移行し、更新後の記録ビットレート設定画面を表示することとなる(ステップS11)。
【0044】
ステップS13の判別において、いずれの時間帯の記録ビットレートの操作も行われていない場合には(ステップS13;No)、システムコントローラ117は、チャンネル別表示操作部B11〜B16が操作されて、いずれかの放送チャンネルの記録ビットレートの変更操作がなされたか否かを判別する(ステップS15)。
ステップS15の判別において、いずれかの放送チャンネルの記録ビットレートの変更操作がなされた場合には(ステップS15;Yes)、変更操作がなされた放送チャンネルの記録ビットレートを新たに設定された記録ビットレートに更新する記録ビットレート更新処理を行って(ステップS16)、処理を再びステップS11に移行し、更新後の記録ビットレート設定画面を表示することとなる(ステップS11)。
ステップS15の判別において、いずれの放送チャンネルの記録ビットレートの操作も行われていない場合には(ステップS15;No)、処理を再びステップS11に移行し、待機状態となる。
【0045】
次に記録ビットレート設定状態の一例について説明する。
図6は、記録ビットレート設定テーブルの説明図である。
記録ビットレート設定テーブル160は、ユーザによる放送チャンネル毎の記録ビットレートの設定と、ユーザによる時間帯毎の記録ビットレートの設定と、に基づいて設定される実際にループ録画に用いられる記録ビットレートの設定についての対応関係を表すものである。
【0046】
具体的には、図6(a)に示すように、ユーザによる放送チャンネル毎の記録ビットレートの設定と、ユーザによる時間帯毎の記録ビットレートの設定と、の組み合わせに応じて、最高記録ビットレートTSから最低記録ビットレートLPの間で、9通りの記録ビットレートが設定されることとなる。
ここで、記録ビットレートは、図6(b)に示すように、高い順から、
TS>TS−M>TS−L>XP−H>XP>XP−L
>LP−H>LP−M>LP
となっている。
【0047】
図7は、より具体的な記録ビットレート設定例の説明図である。
図7に示すように記録ビットレート設定表示画面150の設定記録レート表示領域155には、設定された記録ビットレートが表示されることとなる。
例えば、放送チャンネル=2chの13:00〜14:00の時間帯においては、ユーザは、放送チャンネル毎の記録ビットレート=「TS」と設定し、時間帯毎の記録ビットレート=「XP」と設定しているので、実際のループ録画時に適用される記録ビットレート=「TS−M」となり、2番目に高い記録ビットレートに設定される。同様に、放送チャンネル=4chの14:00〜15:00の時間帯においては、ユーザは、放送チャンネル毎の記録ビットレート=「LP」と設定し、時間帯毎の記録ビットレート=「LP」と設定しているので、実際のループ録画時に適用される記録ビットレート=「LP」となり、最も低い記録ビットレートに設定される。
【0048】
以上の説明は、放送チャンネル毎の記録ビットレート及び時間帯毎の記録ビットレートの双方がユーザにより設定された場合のものであるが、いずれか一方のみが設定されている場合には、当該設定されている記録ビットレート(=「TS」、「XP」あるいは「LP」のいずれか)が実際のループ録画時の記録ビットレートとして適用される。また、放送チャンネル毎の記録ビットレート及び時間帯毎の記録ビットレートの双方がユーザにより設定された場合であっても、後述するように特定の放送チャンネルについてチャンネル優先モードが設定された場合には、当該放送チャンネルについては、放送チャンネル毎の記録ビットレート(=「TS」、「XP」あるいは「LP」のいずれか)が実際のループ録画時の記録ビットレートとして適用される。
【0049】
次に記録ビットが設定されている状態において、実際にループ録画を行う場合の動作を説明する。
図8は、実際にループ録画を行う場合の放送チャンネル毎の処理フローチャートである。
図8に示す処理フローチャートは、放送チャンネル毎に行われる処理であり、例えば、ループ録画処理が放送チャンネル=ch1〜ch6の6チャンネルを対象としている場合には、同時に6系統の処理が並行してなされることとなっている。
まず、システムコントローラ117は、処理対象の放送チャンネルについて、チャンネル優先モードが設定されているか否かを判別する(ステップS21)。
ステップS21において、当該放送チャンネルについて、チャンネル優先モードが設定されている場合には(ステップS21;Yes)、チャンネル別レートテーブルを参照し(ステップS22)、記録ビットレートが設定される(ステップS25)。
【0050】
図9は、チャンネル別レートテーブルの一例の説明図である。
図9に示す例の場合、チャンネル別レートテーブル165においては、放送チャンネルch1の記録ビットレート=「TS」であり、放送チャンネルch2の記録ビットレート=「TS」であり、放送チャンネルch3の記録ビットレート=「XP」であり、放送チャンネルch3の記録ビットレート=「XP」であり、放送チャンネルch4の記録ビットレート=「LP」であり、放送チャンネルch5の記録ビットレート=「TS」であり、放送チャンネルch6の記録ビットレート=「XP」である。
【0051】
したがって、例えば、放送チャンネルch2及び放送チャンネルch3についてのみ、チャンネル優先モードが設定されている場合には、時間帯別記録ビットレートの設定がなされている場合であっても、放送チャンネルch2については、記録ビットレート=「TS」と設定され、放送チャンネルch3については、記録ビットレート=「XP」と設定される。
【0052】
図10は、時間帯別レートテーブルの一例の説明図である。
ステップS21において、当該放送チャンネルについて、チャンネル優先モードが設定されていない場合には(ステップS21;No)、システムコントローラ117は、時間帯別レートテーブル170を参照して、現在時刻に相当する時間帯の設定記録ビットレートを読み出す(ステップS23)。
【0053】
例えば、図10の例の場合、現在時刻=「2:17」である場合には、システムコントローラ117は、時間帯=「2:00〜3:00」に相当する記録ビットレート=「LP」を読み出す。同様に、現在時刻=「22:41」である場合には、システムコントローラ117は、時間帯=「22:00〜23:00」に相当する記録ビットレート=「TS」を読み出す。
【0054】
続いて、システムコントローラ117は、チャンネル−時間帯レートテーブルとしての記録ビットレート設定テーブル160(図6参照)を参照し、ステップS23において読み出した現在時刻に相当する時間帯の設定記録ビットレートと、当該放送チャンネルの記録ビットレートとの組み合わせに基づいて、記録ビットレートが設定される(ステップS25)。
より具体的には、放送チャンネルch4について、放送チャンネル毎の記録ビットレート=「LP」とされ、時間帯=「22:00〜23:00」に相当する記録ビットレート=「TS」とされている場合には、図6に示したように、22:05分から放送が開始される番組の記録ビットレート=「LP−H」とされる。
【0055】
続いて、システムコントローラ117は、録画再生部105を制御し、ステップS25において設定した記録ビットレートでループ録画処理(ループ記録処理)を行うこととなる(ステップS26)。
次にシステムコントローラ117は、番組が切り替わるタイミングに至ったか否かをEPGメモリ113に記憶された番組表に基づいて判別する(ステップS27)。
【0056】
ステップS27の判別において、番組切り替わりタイミングではない場合、すなわち、未だ同一の番組の録画が継続している場合には(ステップS27;No)、システムコントローラ117は、当該番組の録画が複数の時間帯に跨っている場合でも、記録ビットレートは最初に設定した記録ビットレートのまま、ループ録画処理(ステップS26)を継続することとなる。
また、ステップS27の判別において、番組切り替わりタイミングに至った場合、すなわち、番組が終了した場合には(ステップS27;Yes)、システムコントローラ117は、再び処理をステップS21に移行し、以下、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、放送チャンネル毎に記録ビットレートの設定が可能であり、入力された複数の放送チャンネルの番組の録画データ(コンテンツデータ)を同時並行して連続的に記録手段としてのHDD110に記録し、記録対象の放送チャンネルに設定された記録ビットレートに基づいてHDD110に入力された複数の放送チャンネルの番組の録画データの記録を行わせるので、番組毎に記録ビットレートの設定を行わなければならない場合と比較して、非常に容易に所望の記録ビットレートを設定してループ録画を行わせることができる。
さらに時間帯毎にも記録ビットレートを設定し、放送チャンネル毎及び時間帯毎の記録ビットレート設定の組み合わせに応じて、自動的に実際にループ録画を行う際の記録ビットレートを設定できるので、ユーザの使い勝手が向上する。
【0058】
以上の実施形態の説明においては、図6のチャンネル−時間帯レートテーブルとしての記録ビットレート設定テーブル160に示したように、放送チャンネル別の記録ビットレート設定と、時間帯別の記録ビットレート設定と、をそれぞれ異なるパラメータとして実際のループ録画に用いる記録ビットレートの設定に用いていたが、同一のパラメータとして扱い、それらの組み合わせ(数学的に順列と対として用いられる用語の組み合わせに相当)に基づいて実際のループ録画に用いる記録ビットレートを設定するように構成することも可能である。
【0059】
ここで、記録ビットレート設定状態の他の一例について説明する。
図11は、他の記録ビットレート設定テーブルの説明図である。
記録ビットレート設定テーブル175は、ユーザによる放送チャンネル毎の記録ビットレートの設定と、ユーザによる時間帯毎の記録ビットレートの設定と、に基づいて設定される実際にループ録画に用いられる記録ビットレートの設定についての対応関係を表すものである。
【0060】
具体的には、図11(a)に示すように、ユーザによる放送チャンネル毎の記録ビットレートの設定と、ユーザによる時間帯毎の記録ビットレートの設定と、の組み合わせに応じて、最高記録ビットレートBR5から最低記録ビットレートBR1の間で、5通りの記録ビットレートが設定されることとなる。
ここで、記録ビットレートは、図6(b)に示すように、高い順から、
BR5>BR4>BR3>BR2>BR1
となっている。
【0061】
図12は、より具体的な記録ビットレート設定例の説明図である。
図12に示すように記録ビットレート設定表示画面150の設定記録レート表示領域155には、設定された記録ビットレートが表示されることとなる。
例えば、放送チャンネル=2chの13:00〜14:00の時間帯においては、ユーザは、放送チャンネル毎の記録ビットレート=「TS」と設定し、時間帯毎の記録ビットレート=「XP」と設定しているので、実際のループ録画時に適用される記録ビットレート=「BR4」となり、2番目に高い記録ビットレートに設定される。同様に、放送チャンネル=4chの14:00〜15:00の時間帯においては、ユーザは、放送チャンネル毎の記録ビットレート=「LP」と設定し、時間帯毎の記録ビットレート=「LP」と設定しているので、実際のループ録画時に適用される記録ビットレート=「BR1」となり、最も低い記録ビットレートに設定される。
【0062】
以上の説明は、放送チャンネル毎の記録ビットレート及び時間帯毎の記録ビットレートの双方がユーザにより設定された場合のものであるが、いずれか一方のみが設定されている場合には、当該設定されている記録ビットレート(=「TS」、「XP」あるいは「LP」のいずれか)が実際のループ録画時の記録ビットレートとして適用される。また、放送チャンネル毎の記録ビットレート及び時間帯毎の記録ビットレートの双方がユーザにより設定された場合であっても、後述するように特定の放送チャンネルについてチャンネル優先モードが設定された場合には、当該放送チャンネルについては、放送チャンネル毎の記録ビットレート(=「TS」の場合、ビットレートBR5、「XP」の場合、ビットレートBR3あるいは「LP」の場合、ビットレートBR1のいずれか)が実際のループ録画時の記録ビットレートとして適用される。
【0063】
以上の説明においては、記録ビットレート設定表示画面150において、放送チャンネルを縦軸とし、時間帯を横軸とするマトリクス状に設定した記録ビットレートを表示するようにしていたが、複数の放送チャンネル及び複数の時間帯が交差するように配置して表示するようにすれば、その配置については、適宜変更可能である。
【0064】
以上の説明においては、ディジタル放送記録装置として、ループ録画を行うものについて説明したが、大容量の記録媒体に複数の放送チャンネルを指定して、当該複数の放送チャンネルで放送されている複数の番組を同時並行して録画可能なディジタル放送記録装置であれば、同様に適用が可能である。
また、以上の説明においては、複数の放送チャンネルを同時並行して記録する場合について説明したが、一の放送チャンネルで放送されている複数の番組を記録する場合についても同様に適用が可能である。
以上の説明においては、放送チャンネル毎の記録ビットレートの設定指示及び時間帯毎の記録ビットレートの設定指示がそれぞれ3種類(「TS」、「XP」、「LP」)の場合について説明したが、それぞれ複数であれば同様に適用が可能であり、それぞれの設定指示の種類及びその数は異なるようにしても構わない。
以上の説明においては、記録品質の例として、記録ビットレートを設定指示する場合について説明したが、記録品質として、解像度、画素数、階調数、表示色数、単位時間当たりのフレーム数等のように画像品質及び記録容量に影響を与える要素(パラメータ)のいずれかを用い、これらについて設定指示するように構成することも可能である。また、記録品質とは、この明細書では記録品位も含むものである。
【0065】
以上の説明においては、ディジタル放送記録装置としてコンテンツデータ記録機能(録画機能)を備えたテレビジョン受信装置を例にとり説明したが、これに限定されるものではない。例えば、HDD(Hard Disk Drive)に録画を行うHDDレコーダや、HDD及びDVD(Digital Versatile Disc)に録画を行えるHDD+DVDレコーダなどの他のコンテンツデータ記録を行うディジタル放送記録装置にも適用できる。
【0066】
また、外部にチューナを接続するチューナ別体型の記録(録画)専用装置であっても適用が可能である。
【0067】
本実施形態のディジタル放送記録装置は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備え、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成とすることも可能である。
【0068】
この場合において、ディジタル放送記録装置で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0069】
また、本実施形態のディジタル放送記録装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のディジタル放送記録置で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態の制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0070】
なお、上述した実施形態は、一例であり、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の実施形態を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0071】
100 テレビジョン受信装置(ディジタル放送記録装置)
105 録画再生部(記録手段)
106 ループ録画部(記録制御手段、記録手段)
110 HDD(記録手段)
110A ループ録画領域(巡回型記録領域)
115 表示制御部
116 リモコン受信部
117 システムコントローラ(記録制御手段)
118 通信インタフェース部
120 表示部
130 リモコン(記録品質指示手段)
150 記録ビットレート設定表示画面(レート設定画面)
151 放送チャンネル表示領域
152 時間帯表示領域
153 チャンネル別レート表示領域
154 時間帯別レート表示領域
155 設定記録レート表示領域
160 記録ビットレート設定テーブル
165 チャンネル別レートテーブル
170 時間帯別レートテーブル
175 記録ビットレート設定テーブル
BR1〜BR5 記録ビットレート
B11〜B16 チャンネル別表示操作部
B21〜B23 時間帯別表示操作部
ch1〜ch6 放送チャンネル
MN プルダウンメニュー
TS、XP、LP 記録ビットレート(記録品質)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された放送チャンネルのコンテンツデータを記録可能な記録手段と、
前記放送チャンネルの記録品質の設定指示の入力が可能な記録品質指示手段と、
記録対象の放送チャンネルに対応する設定指示に基づく記録品質で前記記録手段に当該記録対象の放送チャンネルのコンテンツデータの記録を行わせる記録制御手段と、
を備えたディジタル放送記録装置。
【請求項2】
前記記録手段は、入力された複数の放送チャンネルのコンテンツデータを同時並行して記録可能であり、
前記記録品質指示手段は、前記放送チャンネル毎に前記記録品質の設定の指示入力が可能である、
請求項1記載のディジタル放送記録装置。
【請求項3】
前記記録品質指示手段は、さらに時間帯毎に記録品質の設定指示の入力が可能であり、
前記記録制御手段は、前記記録対象の放送チャンネルの記録品質の設定指示及び前記時間帯毎の記録品質の設定指示に基づく記録品質で前記記録手段に前記コンテンツデータの記録を行わせる、
請求項1又は請求項2記載のディジタル放送記録装置。
【請求項4】
前記記録制御手段は、前記記録対象の放送チャンネルの記録品質の設定指示及び前記時間帯毎の設定指示のうち、前記放送チャンネル毎の記録品質の設定指示を優先的に考慮して前記記録手段における実際の記録レートを設定する、
請求項3記載のディジタル放送記録装置。
【請求項5】
前記記録制御手段は、前記コンテンツデータが複数の時間帯に跨った場合には、前記時間帯毎の記録品質の設定指示にかかわらず、当該コンテンツデータの記録が終了するまで、前記コンテンツデータの先頭記録開始時が属する時間帯の記録品質の設定指示を適用する、
請求項2又は請求項3記載のディジタル放送記録装置。
【請求項6】
前記記録品質指示手段は、前記記録品質の設定指示の入力をユーザに促すための記録品質設定画面を、内蔵あるいは外部接続された表示装置に表示する、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のディジタル放送記録装置。
【請求項7】
前記記録品質設定画面は、前記放送チャンネル毎の記録品質の設定指示及び時間帯毎の記録品質の設定指示に基づいて実際の記録品質に関する情報がマトリクス状に表示されている、
請求項5記載のディジタル放送記録装置。
【請求項8】
入力された放送チャンネルのコンテンツデータを記録可能な記録部を備えたディジタル放送記録装置において実行されるディジタル放送記録方法において、
前記放送チャンネルの記録品質の設定指示の入力が可能な記録品質指示過程と、
記録対象の放送チャンネルに対応する設定指示に基づく記録品質で前記記録部に当該記録対象の放送チャンネルのコンテンツデータの記録を行わせる記録制御過程と、
を備えたディジタル放送記録方法。
【請求項9】
入力された放送チャンネルのコンテンツデータを記録可能な記録部を備えたディジタル放送記録装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記放送チャンネルの記録品質の設定指示の入力が可能な記録品質指示手段と、
記録対象の放送チャンネルに対応する設定指示に基づく記録品質で前記記録手段に当該記録対象の放送チャンネルのコンテンツデータの記録を行わせる記録制御手段と、
して機能させる制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−13034(P2013−13034A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146078(P2011−146078)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】