説明

ディスクからデータを再生する再生装置および再生方法

【課題】欠陥管理のための余裕空間とその管理情報を有する再生装置を提供する。
【解決手段】初期化時に割り当てられた初期余裕空間と、初期化後に割当及び/または拡張される追加余裕空間を含むディスクからデータを再生するための再生装置において、前記ディスクからデータを読み出すためのピックアップ部と、前記データを読み出すために前記ピックアップ部を制御し、前記追加余裕空間を使う前記ディスクから前記読み出されたデータを再生するための制御部を含み、拡張される追加余裕空間はデータ領域の後方から始まって前方に割り当てられ、前記拡張された追加余裕空間内の欠陥ブロックは余裕ブロックとして使用されないことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光記録媒体分野に係り、特に初期化時適正な余裕空間を割当てて初期化が済んだ後、使用中余裕空間が足りない場合さらに余裕空間を割当てて、割当てられた余裕空間の大きさと残量情報を有するディスク、余裕空間割当方法とさらに割当てられた余裕空間に対する欠陥管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディスクのような記録媒体の場合、余裕空間を初期化時一回のみ配置し、使用中には配置しないが、ディスクの使用効率を高めるために初期化時ディスクの状態に応じて適正量の余裕空間を割当てて、使用中初期化時に割当てた余裕空間が足りない場合にさらに余裕空間を割当てる必要がある。
【0003】
DVD−RAM規格書(DVD Specifications for Rewritable Disc, Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS)改訂版1.0によれば各地域(zone)毎に一つの余裕空間を有しており、24箇所で構成されて初期化時24箇所の余裕空間が割当てられている。
【0004】
従来には、図1に示されたように、欠陥管理領域(Defect Management Area:DMA)内には各地域に割当てられた各余裕空間の状態を示すフラグが、該当余裕空間が満ちて使用できないか否かを示す単一ビットで構成されている。従って、余裕空間フルフラグは24個の余裕空間が満ちたかを示す24ビットの情報で構成されている。また、この余裕空間フルフラグはDMAのSDL(Secondary Defect List)の相対的なバイト位置(RBP)8から15まで(RBP 8to15)貯蔵されており、該当グループを示すビットが“1”ならば該当グループ内に余裕空間が残っていないことを、“0”ならば該当グループ内に余裕空間が残っていることを示す。
【0005】
このような単一ビットからなる余裕空間に対する情報はただ余裕空間が満ちているか否かのみを示す。しかし、初期化後余裕空間をさらに割当てられるディスクにおいては追加余裕空間割当作業がディスク上に余裕空間が満ちた時点より、ほぼ満ちた状態で若干の余裕を有する時に行われることが望ましい。しかし、一つのビットとしては余裕空間がほぼ満ちた状態を表示できないという短所があった。
【0006】
また、既存のDVD−RAM規格書改訂版1.0による余裕空間の割当は初期化時一定に決まった余裕空間を各地域に割当てて、割当てられた余裕空間は該当ディスクに適用する欠陥管理方法で処理可能な欠陥を全て処理しうる充分量が予め決定されていた。
【0007】
ここで、一般の記録/再起録可能なディスクの欠陥管理方法でディスクを初期化する時に発生した欠陥(“1次欠陥”)に対しては論理的セクタ番号を付さずにスリップするスリップ置換(Slipping replacement)を使用し、スリップ置換により置換えられた欠陥セクタ位置はディスクの欠陥管理領域のPDL(Primary Defect List)に記録されるように規定されており、ディスクの使用中発生する欠陥(“2次欠陥”)に対してはエラー発生地域のエラー訂正コード(“ECC”)ブロック単位で余裕空間にある正常なブロックに置換える線形置換(Linear replacement)を使用し、線形置換により置換えられた欠陥ブロック位置はディスクの欠陥管理領域のSDL(Secondary Defect List)に記録されるように規定されている。
【0008】
しかし、ディスクの状態に応じて適正量を初期化時に割当ててディスクを使用することによって状態が悪くなって追加余裕空間を割当てる場合に、さらに効率よく余裕空間を割当てる方法が必要である。既存の規格書ではディスクの記録及び/または再生装置においてディスク上の欠陥管理情報を臨時貯蔵する記憶装置の大きさを32Kバイトとしているため、ディスク上の欠陥管理領域に記録しうる欠陥量よりも実際に管理しうる欠陥数が少なくなる制約があった。
【0009】
この際、欠陥管理情報はPDLとSDLになっており、PDLとSDLの大きさを合せると約60Kバイトに該当する。従って、DVD−RAM規格書1.0ではPDLは1セクタ乃至15セクタの大きさを有し、残りはSDL項目処理に使用させ、処理可能なPDLとSDLの項目数をバッファの大きさ(32Kバイト)に合うように制限している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記問題点を解決するための本発明の目的は、ディスクの使用中線形置換のためにさらに割当てられる追加余裕空間に対する欠陥管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するための本発明に係るデータ再生装置は、初期化時に割り当てられた初期余裕空間と、初期化後に割当及び/または拡張される追加余裕空間を含むディスクからデータを再生するための再生装置において、
前記ディスクからデータを読み出すためのピックアップ部と、
前記データを読み出すために前記ピックアップ部を制御し、前記追加余裕空間を使う前記ディスクから前記読み出されたデータを再生するための制御部を含み、
拡張される追加余裕空間はデータ領域の後方から始まって前方に割り当てられ、前記拡張された追加余裕空間内の欠陥ブロックは余裕ブロックとして使用されないことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るデータ再生方法は、初期化時に割り当てられた初期余裕空間と、初期化後に割当及び/または拡張される追加余裕空間を含むディスクからデータを再生するための再生方法において、
前記追加余裕空間を使用する前記ディスクからデータを再生する段階を含み、
拡張される追加余裕空間はデータ領域の後方から始まって前方に割り当てられ、前記拡張された追加余裕空間内の欠陥ブロックは余裕ブロックとして使用されないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は初期余裕空間と追加余裕空間に対する大きさ情報を簡単な数式により求められ、各余裕空間の残量状態情報を貯蔵、管理することによって、余裕空間をさらに柔軟に効率よく割当て、管理しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付した図面に基づき本発明に係る欠陥管理のための余裕空間とその管理情報を有する記録媒体、余裕空間割当方法と欠陥管理方法の望ましい実施形態を説明する。
本発明に係る欠陥管理のためのディスク上の余裕空間の割当は初期余裕空間(Primary Spare Area)及び追加余裕空間(Supplementary Spare Area)に区分して下記のように定義する。
【0015】
初期余裕空間はディスクの初期化時欠陥の置換のために最初に割当てる余裕空間であってスリップ置換に先に使用し、残り余裕空間は線形置換にも使用されうる。追加余裕空間はディスクの使用中に発生する欠陥を線形置換するための余裕空間であって初期化が済んでから使用中にさらに割当てる余裕空間を意味する。
【0016】
即ち、図2に示されたように本発明では初期化時ディスク上にスリップ置換と線形置換のための初期余裕空間を割当てる。スリップ置換はデータセクタ単位で置換えるために余裕空間の活用効率を高めることはできるが、欠陥が発生した空間は単純に使用せず、後続の正常なデータセクタから引続き記録する方式なのでディスクの初期化が済むと使用できない。
【0017】
初期余裕空間はこのスリップ置換に必要な最小限の余裕空間とディスク上における使用中発生可能な欠陥を線形置換するための適切な余裕空間を有するべきである。この際、スリップ置換のための余裕空間は少なくとも欠陥管理情報のうちPDLに登録されている項目数だけのセクタを必要とすることになる。
【0018】
また、追加余裕空間は初期化後の使用中に発生された2次欠陥を処理するために初期余裕空間が足りない場合、線形置換のために論理的ファイル空間の後方から所定の大きさ単位に前方に増加させながら割当てられる。
【0019】
本発明でもDVD−RAM規格書1.0において提案した余裕空間に対する欠陥管理方法としてダイレクトポインティング(direct pointing)規則が適用される。即ち、全ての欠陥は一回のみの置換を通じて処理すべきである。
【0020】
一方、初期化後線形置換のために割当てられる拡張可能な追加余裕空間は既に使用者データ領域として使用された可能性がある。即ち、使用者データ領域として使われ、追加余裕空間に割当てられる前に発生した欠陥ブロックは、図3(A)に示されたように、既に割当てられている初期余裕空間または追加余裕空間により線形置換された可能性がある。このように既に線形置換されている空間を追加余裕空間として使用しようとする時、この追加余裕空間内の既に線形置換されている欠陥ブロックで他の使用者領域の欠陥を二重で置換えるとダイレクトポインティング規則を違背するだけだけなく、読出専用ディスクではそのプロセスが複雑になる問題が発生する。
【0021】
これに備えて、図3(B)に示されたように、初期余裕空間または予め割当てられた追加余裕空間により既に線形置換されてしまった追加余裕空間内の欠陥ブロックは線形置換に使用すべきではなく、また欠陥管理領域に貯蔵されている該当欠陥ブロックに対するSDL項目はそのまま保つべきである。ここで、SDL項目がそのまま保つべきである理由は、余裕空間を順に使用する時、中間にスキップして使用しない余裕空間は欠陥がある空間と判断するために、追加余裕空間内の欠陥を処理するために使われたSDL項目を消すと、線形置換に使われた正常なブロックが欠陥と判断される問題が発生されて後続フォーマットの時欠陥でない部分が欠陥と登録される問題が発生する。従って、さらに割当てられる追加余裕空間内で線形置換された欠陥ブロックに対するSDL項目情報はそのまま保ち、該当欠陥ブロックは他の使用者領域の欠陥を線形置換えるのに使用してはいけない。
【0022】
一方、ディスク記録及び/または再生装置において欠陥管理情報を直ちに使用するためにディスク上の情報を半導体メモリのような臨時貯蔵空間、即ちバッファに初期化時に読取っておいて使用することになる。DVD−RAM規格書1.0では32Kバイトのバッファを使用することを規定している。これは16セクタ分の情報に該当し、欠陥管理情報のためのPDLとSDLは各々セクタ単位にバッファに貯蔵される。従って、バッファ上に貯蔵される最小限のPDL項目は1セクタ分に該当し、バッファ上に貯蔵される最大限のPDL項目はPDLに記録可能な最大の項目数(7679個の項目:15セクタ分)に該当する。一方、SDLの項目は32Kバイトのバッファの貯蔵空間においてPDLが占めてから残った空間を使用することになって最小1セクタ分から最大15セクタ分までの欠陥項目を管理可能になる。
【0023】
従って、バッファの大きさと最初ディスクの初期化時発生するPDL項目の数が分かると最大限割当てられる余裕空間(初期余裕空間+追加余裕空間)の大きさを決定しうる。この際、余裕空間にも欠陥が発生する可能性があるので、これに対する余分の余裕空間を考慮すべきである。
【0024】
本発明ではPDLに記録可能な最大の項目数(7679個の項目:15セクタ分)とSDLに記録可能な最大の項目数(3837個の項目:15セクタ分)の欠陥を全て処理しようとすれば、30セクタ分の欠陥に関する欠陥情報が貯蔵可能な60Kバイトのバッファを使用しうる。
【0025】
また、バッファを64Kバイトに設定すれば規格書によった欠陥管理情報領域に記録しうる最大限の全ての欠陥を処理可能になる。本発明の実施形態では欠陥管理のためのバッファの大きさが32Kバイトの場合及び64Kバイトの場合の2つの場合に対して各々初期化時及び使用中割当可能な好適な余裕空間の大きさを提示している。
【0026】
割当可能な余裕空間の大きさの場合、一定の大きさの増分を有するように制限すれば、後述するように、必要な余裕空間を計算する計算式を簡単に構成しうる長所がある。このような点を考慮して初期欠陥を管理するスリップ置換のための余裕空間はPDL項目をセクタ単位に区分して計算する。1セクタ分のPDL項目は512PDL項目に対応し、これを処理するための余裕空間の量は32ECCブロックに該当する。一つのECCブロックは16データセクタで構成されている。
【0027】
図4及び図5はバッファの大きさが32Kバイトと64Kバイトのそれぞれの場合に対して余裕空間の量を計算したテーブルである。図4及び図5に示された第1カラムはPDL項目の数を示し、第2カラムは該当PDL項目の数に対して最大限処理可能なSDL項目の数を示している。第3カラムの数字は1セクタ分の線形置換のための欠陥管理項目のための余裕空間を割当てると仮定する場合、必要な最小余裕空間の大きさをECCブロック単位で表示したことである。即ち、割当可能な最小余裕空間はPDL項目を処理するのに必要な全ての余裕空間と1セクタ分のSDL項目を処理するのに必要な余裕空間の和となる。
【0028】
次のカラムは最小要求余裕空間であって該当欠陥条件で全ての欠陥を処理するために必要な最小限の余裕空間の大きさを表示しており、第4カラムの第1サブカラムはブロックの数で示した量であり、第2サブカラムはメガバイト(MB)単位で示したものであり、第3サブカラムは全体容量に対する比率をパーセントで示したものである。その次のカラムは処理可能な総欠陥項目の数を表示している。最後のカラムは本発明で提案する最大余裕空間の量であって、余裕空間の量を計算しやすくし、また余裕空間から発生する欠陥を置換えるために適切な量の追加の余裕空間を考慮して単純化した余裕空間の量であり、即ち第1と第2サブカラムは各必要な余裕空間の間の増分を32ブロックとした時の提案する最大余裕空間とこれを全体ディスクの記録容量に対する比率を示しており、第3と第4サブカラムは増分を48ブロックにした場合に対して各々提案する最大の余裕空間の量をブロックで示したものと全体ディスクの記録容量に対する比率を示したものである。
【0029】
図4に示されたように32Kバイトのバッファを使用した場合には全ての欠陥管理領域に記録可能な欠陥を全て処理できないだけでなく、初期欠陥(PDL項目)が増えるほど実際に処理可能な2次欠陥の量が減り、全体余裕空間の比率も減る現象を示している。これは初期欠陥が多いほどディスクの状態が劣ることを意味し、管理可能な2次欠陥の数が減る問題を発生させている。
【0030】
これを解決するために本発明では、図5に示したように、64Kバイトのバッファを提示している。この場合には初期欠陥の量に関係なく2次欠陥も欠陥管理領域に示しうる最大量を全て処理しうるだけでなく、余裕空間の量も約2.7%から3%まで比較的一定の量を保てる。
【0031】
一方、本発明では欠陥管理のための余裕空間を、初期化時に使用目的またはディスクの状態に応じて一部割当てて、初期化が済んだ後、割当てられた余裕空間が足りない場合さらに割当てるディスクに対して記述している。従って、さらに余裕空間を割当てる場合には、どのくらいの余裕空間をさらに割当てられるのかを先に計算する必要がある。さらに割当てられる余裕空間の量を初期化時欠陥管理領域(DMA)のDDS(Disc Definition Structure)に記録しておけば追
加余裕空間の割当時容易に割当てられる。
【0032】
欠陥管理のための余裕空間の量を計算するための公式は次のように簡単に求められる。64Kバイトバッファを使用する場合、最大余裕空間の大きさは下記の数1により求められる。
(数1)
最大余裕空間 = [EPDL/512]×32+4096ブロック
【0033】
32Kバイトバッファを使用する場合、最大余裕空間の大きさは下記の数2により求められる。
(数2)
最大余裕空間 = 4096−[EPDL/512]×(256−32)ブロック
【0034】
前記数1及び数2において、[EPDL/512]はEPDL/512を越えない最大の整数で、EPDLはPDLの項目の数で、32(=INC)は増分値で、4096(=SMAX)は初期欠陥数(PDL項目の数)が512個より小さな場合、最大量の欠陥を処理するのに必要な余裕空間を計算の簡略化のために2の倍数に近似させた整数で、その単位はECCブロックであり、256(=SSDL)は1セクタ分のSDL項目を処理するのに必要な余裕空間を示す。
【0035】
図4及び図5において提示された提案する最大余裕空間は実際に必要とする余裕空間より約4%多い量を提示している。これは余裕空間で発生する欠陥を考慮したことであり、合わせて余裕空間の大きさを2の倍数に制限することによって計算を簡単にする長所を有している。
【0036】
一方、さらに割当てられる余裕空間は提案する最大余裕空間から初期化時割当てられた余裕空間を引いた残りをDDSに記録して置くことによって使用中追加余裕空間を容易に割当てられる。
【0037】
追加余裕空間を割当てたりさらに割当てられた追加余裕空間の大きさを拡張すべき場合、その基準は初期化時割当てた初期余裕空間を全て使用してこれ以上の余裕空間がなくなったり、またはさらに割当てた余裕空間を全て使用したのかである。実際にディスクを使用する場合、欠陥は連続的に発生する可能性が大きいために、割当てられた余裕空間を完全に使用した後、追加余裕空間を割当てることより余裕空間が少し残っている時、例えば一定数のブロックが残っていたり、90%の余裕空間を使用した時などの所定の基準を定めてその時点を基準として追加余裕空間を割当てたり、追加余裕空間を拡張することが望ましい。
【0038】
このような場合余裕空間の使用程度を示す残量状態フラグを既存の余裕空間フルフラグのようにただ余裕空間が残っていない、またはまだ余裕空間が残っているなどの2つの状態のみを表示することよりは一定水準以上使用したことを知らせる状態が必要となる。また、初期余裕空間に対しては一定水準以上使用した場合に対して追加余裕空間が割当てられたか否かを知らせるフラグが必要である。この場合、該当初期余裕空間の状態を示すフラグ(初期余裕空間のための残量状態情報と称される)は次の表1のような状態を有し、図6(A)に示されたような構造を有する。
【0039】
【表1】

【0040】
追加余裕空間の状態を示すフラグ(追加余裕空間のための残量状態情報と称される)は次の表2のような状態を有し、図6(B)に示されたような構造を有する。
【0041】
【表2】

【0042】
ここで、追加余裕空間に対しては一定量以上使用したことのみ示すことによって追加余裕空間を拡張すべきことを知らせる役割のみすれば充分である。一定量以上追加余裕空間を使用して追加余裕空間を拡張した場合には、再びフラグの値を“00”に変えれば良い。従って、初期余裕空間のための残量状態フラグとは異なって追加余裕空間のための残量状態フラグは3つの値のみを有すればよい。
【0043】
図7は本発明の初期化時における余裕空間割当方法の一実施形態に係る流れ図であって、ディスクの初期化時ディスクの欠陥を検査する検証(Certification)過程で見出された欠陥のあるセクタは論理的セクタ番号を付さずにスリップして欠陥セクタの次のセクタに欠陥セクタに与えられる論理的セクタ番号を付し、スリップ置換により置換えられた欠陥セクタ位置をPDLに貯蔵する(S101段階)。
【0044】
S101段階を行ってから必要な余裕空間を計算し(S102段階)、例えばPDL項目の数が3072乃至3583にある場合、最小余裕空間はPDL項目を処理するのに必要な全ての余裕空間と1セクタ分のSDL項目を処理するのに必要な余裕空間の和となるので480ECCブロックとなり、32Kバイトのバッファと32ブロックの増分を有するとすれば最大余裕空間は数学式2により計算すれば2752ECCブロックの大きさに割当てられる。
【0045】
必要な余裕空間が計算されると初期余裕空間を割当てるが(S103段階)、例えば512ECCブロックとすればPDL項目を処理するのに最大224ECCブロックを使用し、残りはSDL項目を処理するのに使用する。初期余裕空間が割当てられると初期余裕空間のための残量状態フラグを初期状態“00”に設定する(S104段階)。初期余裕空間のための残量状態フラグを設定した後、追加余裕空間の最大の大きさを計算するが、追加余裕空間の最大の大きさはS102段階で計算された最大余裕空間からS103段階で割当てられた初期余裕空間を減算すれば得られる(S105段階)。例えば、S102段階で計算された最大余裕空間の2752ECCブロックからS103段階で割当てられた初期余裕空間512ECCブロックを減算すれば追加余裕空間の最大の大きさの2240ECCブロックを計算しうる。計算された追加余裕空間の大きさ情報(例えば、2240ECCブロック)と追加余裕空間のための残量状態情報をDDSまたはDMA領域の決まった位置に記録して初期化を終了する(S106段階)。
【0046】
図8は本発明の初期余裕空間のための残量状態情報を用いた追加余裕空間割当方法の一実施形態に係る流れ図であって、初期化時設定された初期余裕空間のための残量状態フラグをチェックして初期余裕空間がほぼ満ちて追加余裕空間が割当てられている状態“01”なのかを判断し(S201段階)、初期余裕空間がほぼ満ちるのに追加余裕空間が割当てられていないと追加余裕空間を割当てるか否かを判断する(S202段階)。S202段階で追加余裕空間の割当が必要であると判断されれば追加余裕空間の大きさをチェックする(S203段階)。即ち、割当可能な最大の追加余裕空間の大きさと割当てるべき大きさとをチェックするが、この割当てるべき大きさは使用者が指定しても、または既に指定された増分値としてもよい。
【0047】
論理的ファイル空間の後方に十分な連続した空間が存否をチェックし(S204段階)、空間が存在するかを判断する(S205段階)。論理的ファイル空間の後方に十分な空間が存在すれば線形置換のための追加余裕空間を論理的ファイル空間の最後方から一定の大きさに追加余裕空間を割当てて(S206段階)、追加余裕空間のための管理情報、即ち追加余裕空間のための残量状態フラグを“00”に初期化し、追加余裕空間の大きさ情報を更新した後終了する(S207段階)。S206段階で既に線形置換された空間を線形置換のための余裕空間としてさらに割当てる時、図3で説明したように、さらに割当てられる追加余裕空間内の欠陥ブロックは線形置換のために使用せず、SDL項目もそのまま保たせる。
【0048】
S205段階で論理的ファイル空間の後方に十分な連続した空間が存在しなければ空間を再整理した後(S208段階)、再び空間の存否を判断し(S209段階)、連続した空間が存在すれば追加余裕空間を割当てるS206段階に進行し、そうでなければ追加余裕空間が割当できないことを示すメッセージを使用者に知らせた後終了する(S210段階)。
【0049】
図9は本発明の追加余裕空間のための残量状態フラグを用いて追加余裕空間割当方法の一実施形態に係る流れ図であって、ディスクの使用中発生する2次欠陥を置換えるための追加余裕空間のための残量状態フラグがほぼ満ちている状態“01”なのかを判断し(S301段階)、追加余裕空間がほぼ満ちている状態ならば追加余裕空間をさらに割当てるか否かを判断する(S302段階)。追加余裕空間を割当てろうとすれば追加余裕空間の大きさをチェックする(S303段階)。即ち、割当可能な最大の追加余裕空間と割当てるべき大きさとをチェックするが、この割当てるべき大きさは使用者が指定しても、またはシステムで指定した増分値としてもよい。
【0050】
論理的ファイル空間の後方に十分な連続した空間の存否をチェックし(S304段階)、空間が存在するかを判断し(S305段階)、論理的ファイル空間の後方に十分な空間が存在すれば線形置換のための追加余裕空間を論理的ファイル空間の最後方から一定の大きさに追加余裕空間を割当てる(S306段階)。S306段階で既に線形置換された空間を線形置換のための余裕空間としてさらに割当てる時は、図3で説明したように、さらに割当てられる追加余裕空間内の欠陥ブロックは線形置換のために使用せず、SDL項目もそのまま保たせる。
【0051】
S306段階で追加余裕空間を割当てた後、追加余裕空間のための管理情報、即ち追加余裕空間のための残量状態フラグを再び“00”に初期化し、割当てられた追加余裕空間の大きさを更新した後終了する(S307段階)。
【0052】
S305段階で論理的ファイル空間の後方に十分な連続した空間が存在しなければ空間を再整理した後(S308段階)、再び空間の存否を判断し(S309段階)、空間が存在すれば追加余裕空間を割当てるS306段階に進行し、そうでなければ追加余裕空間が割当られないことを示すメッセージを使用者に知らせた後終了する(S310段階)。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】従来のSDL内容の余裕空間フルフラグの構造を示す図である。
【図2】本発明に係る使用者領域、初期余裕空間、追加余裕空間を有するディスクの構造を示す図である。
【図3】(A)及び(B)共に、図2に示されたディスクの構造において追加余裕空間上に発生した欠陥を管理する方法を説明するための図である。
【図4】ディスク記録及び/または再生装置の欠陥管理のためのバッファの大きさが32Kバイトの場合、本発明に係る初期余裕空間と追加余裕空間の割当を示すテーブルである。
【図5】ディスク記録及び/または再生装置の欠陥管理のためのバッファの大きさが64Kバイトの場合、本発明に係る初期余裕空間と追加余裕空間の割当を示すテーブルである。
【図6】本発明に係る余裕空間を管理するための余裕空間の使用程度を示す残量状態情報のフラグの構造を示す図である。
【図7】本発明の初期化時における余裕空間割当方法の一実施形態に係る流れ図である。
【図8】本発明の初期余裕空間の残量状態情報を用いた追加余裕空間割当方法の一実施形態に係る流れ図である。
【図9】本発明の追加余裕空間の残量状態情報を用いた追加余裕空間割当方法の一実施形態に係る流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期化時に割り当てられた初期余裕空間と、初期化後に割当及び/または拡張される追加余裕空間を含むディスクからデータを再生するための再生装置において、
前記ディスクからデータを読み出すためのピックアップ部と、
前記データを読み出すために前記ピックアップ部を制御し、前記追加余裕空間を使う前記ディスクから前記読み出されたデータを再生するための制御部を含み、
拡張される追加余裕空間はデータ領域の後方から始まって前方に割り当てられ、前記拡張された追加余裕空間内の欠陥ブロックは余裕ブロックとして使用されないことを特徴とする再生装置。
【請求項2】
初期化時に割り当てられた初期余裕空間と、初期化後に割当及び/または拡張される追加余裕空間を含むディスクからデータを再生するための再生方法において、
前記追加余裕空間を使用する前記ディスクからデータを再生する段階を含み、
拡張される追加余裕空間はデータ領域の後方から始まって前方に割り当てられ、前記拡張された追加余裕空間内の欠陥ブロックは余裕ブロックとして使用されないことを特徴とする再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−64552(P2009−64552A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284792(P2008−284792)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【分割の表示】特願2004−328139(P2004−328139)の分割
【原出願日】平成11年11月10日(1999.11.10)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】