説明

ディスクカートリッジ、ディスク搬送装置及び光ディスク装置

【課題】ディスクカートリッジの記録密度の向上を図る。
【解決手段】可撓性を有する複数枚の光ディスク90を、薄膜状の可撓性を有する複数のシート部材110の間にそれぞれ挟みこまれた状態でディスクカートリッジに収納し、所望の光ディスク90を搬出する場合などには、シート部材110を撓ませることにより所望の光ディスク90の上方に作業空間を形成する。そして、この作業空間を介して搬送装置により、光ディスク90を搬出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクカートリッジ、ディスク搬送装置及び光ディスク装置に係り、更に詳しくは、シート状で可撓性を有する光ディスクを複数枚収納可能なディスクカートリッジ、該ディスクカートリッジと所定位置との間で光ディスクを搬送するディスク搬送装置、及び該ディスクカートリッジをセット可能な光ディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ放送のデジタル化が開始されるなど、情報のデジタル化に伴う光ディスクの大容量化、すなわち光ディスクへ記録される情報の高密度化に対する要求が高まっている。この要求に対する主な方策としては、記録/再生のために用いられる光のスポット径を小さくすることがあげられる。
【0003】
光のスポット径を小さくするには、その波長を短くすること及び対物レンズの開口数(NA)を大きくすることが有効である。例えば、光の波長については、従来、CD(Compact Disk)では近赤外光、例えば780nm近傍の波長の光が用いられ、DVD(Digital Versatile Disk)では赤色光、例えば650nm近傍の波長の光が用いられているが、最近では、青紫光の半導体レーザが開発され、今後400nm近傍のレーザ光が使用されるであろうと予想されている。 また、対物レンズについては、従来、CD用の対物レンズのNAは0.5未満であり、DVD用の対物レンズのNAは0.6程度であったが、今後はさらにNAが増大する傾向にあり、NA0.7以上とすることが要求されている。
【0004】
しかしながら、対物レンズのNAを増大することや、光の波長を短くすることは、対物レンズを含む光学系の焦点深度の狭小化を招く。このため、フォーカスサーボ精度を向上させる必要が生じる。また、対物レンズのNAが増大すると、その対物レンズと光ディスクの記録面との距離を小さく設定する必要があるため、光ディスクの面ぶれを小さくする必要がある。その理由は、始動時のフォーカスサーボを開始する直前に対物レンズを含む光ピックアップと光ディスクとが接触するなどの事態を回避する必要があるからである。
【0005】
このような背景から、可撓性を有するシート(薄膜)に記録面が形成された光ディスク(以下、可撓性ディスクともいう)の開発がすすめられており、このような光ディスクを、安定化板上で回転させることにより、光ディスクにおける面ぶれを抑制する光ディスク装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
これらの光ディスク装置に搭載されるディスクカートリッジでは、上記可撓性ディスクをディスクカートリッジのパレットにそれぞれ収納し、所望のパレットを選択的に引き出して、可撓性ディスクの受け渡しが行なわれていた。しかしながら、上記パレットは、例えば射出成形されたプラスチックなどの剛体でできているため、その厚さが可撓性ディスクの数倍ある。例えば、ディスクカートリッジの厚さがディスク10枚収納用で2cmもあり、ディスクカートリッジの薄型化、ひいては該ディスクカートリッジとの間でディスクを搬送するディスク搬送装置及び該ディスク搬送装置を備える光ディスク装置などの小型化が困難であった。
【0007】
【特許文献1】特開平10−308059号公報
【特許文献2】特開平2003−115108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、薄型化が可能なディスクカートリッジを提供することにある。
【0009】
また、本発明の第2の目的は、装置の小型化を可能とするディスク搬送装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第3の目的は、記録品質及び再生品質を維持しつつ、装置の小型化を可能とする光ディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1の観点からすると、可撓性を有する複数枚の光ディスクを収納するディスクカートリッジであって、所定方向に積層され、それぞれの一辺が該一辺を回動中心として相互に接続された可撓性を有する複数枚のシート部材を備え、隣接するシート部材相互間のそれぞれに前記光ディスクを挟持可能なディスクカートリッジである。
【0012】
これによれば、ディスクカートリッジは光ディスクと同様に可撓性を有する複数枚の薄いシート部材により構成されているので、プラスチックなどの剛体でできたパレットを用いた従来のディスクカートリッジと比べて格段の薄型化が実現されている。また、目的とする光ディスクをカートリッジから取り出す場合には、その光ディスクの一側又は他側のシート部材を回動して光ディスクとの間に空間を形成し、この空間を介して目的とする光ディスクを簡単に取り出すことができる。光ディスクをカートリッジに収納する場合も同様である。
【0013】
この場合において、前記複数枚のシート部材それぞれの表面には、凹凸が形成されていることとすることができる。
【0014】
本発明のディスクカートリッジでは、前記複数枚のシート部材が載置されたベース部材と;前記ベース部材に対し開閉可能に取り付けられ、前記ベース部材との間に前記複数枚のシート部材を収容する空間を形成する蓋部材と;を更に備えることとすることができる。
【0015】
この場合において、前記蓋部材は、前記複数枚のシート部材の前記一辺側の回動軸回りに回動することで前記ベース部材に対して開閉可能であることとすることができる。
【0016】
本発明のディスクカートリッジでは、前記光ディスクのそれぞれには中央部に開口が形成され、前記複数枚のシート部材のそれぞれは前記開口に対応する開口が形成され、前記ベース部材と前記蓋部材には、前記複数枚のシート部材のそれぞれ及び該シート部材相互間に挟持された前記各光ディスクのそれぞれに形成された開口を介して相互に嵌合する係止部が設けられていることとすることができる。
【0017】
本発明は、第2の観点からすると、請求項3〜5のいずれか一項に記載のディスクカートッリッジと所定位置との間で光ディスクを搬送するディスク搬送装置であって、
前記複数のシート部材それぞれには、前記一辺と異なる辺に相互に重ならないようにタグが設けられ、前記ディスクカートッリッジの蓋部材を前記ベース部材から開放する開放機構と;目的とする層の前記所定方向の一側のシート部材を前記ベース部材に押し付けて固定する固定機構と;前記目的とする層の前記所定方向の他側のシート部材を該シート部材に設けられたタグを介して前記所定方向の他側に付勢することにより、そのシート部材より前記所定方向の他側にある層のシート部材を前記目的とする層の前記所定方向の一側のシート部材から離間させる離間機構と;を備えるディスク搬送装置である。
【0018】
これによれば、ディスクカートリッジに対する光ディスクの出し入れに際し、開放機構によりディスクカートッリッジの蓋部材をベース部材から開放し、固定機構によって目的とする層の一側のシート部材をベース部材に押し付けて固定する。そして、離間機構により、他側のシート部材のタグを所定方向の他側に付勢して目的とする層の一側と他側のシート部材を離間し空間を形成する。これにより、ディスクカートリッジに対する光ディスクの出し入れを行う際に、目的とする層に有効に作業空間を形成することが可能となる。また、薄型のディスクカートリッジが用いられていることからディスク搬送装置の小型化が実現されている。
【0019】
本発明のディスク搬送装置では、前記離間機構により離間された前記目的とする層の前記所定方向の他側に隣接するシート部材を前記一辺とは反対側から前記1辺側に押圧して撓ませる押圧機構をさらに備えることとすることができる。
【0020】
本発明のディスク搬送装置では、前記各光ディスクの中心部には、磁性部材が取り付けられ、前記磁性部材を吸着する電磁石がその先端に取り付けられた搬送アームを含み、前記ディスクカートリッジに対する光ディスクの出し入れを行う搬送系を更に備えることとすることができる。
【0021】
本発明は、第3の観点からすると、光ディスク装置本体にセットされた前記ディスクカートッリッジと光ディスク装置本体の所定位置との間で光ディスクを搬送する本発明のディスク搬送装置と;前記所定位置に設けられ、ディスク搬送装置によって搬入された光ディスクを回転駆動するディスク回転装置と;前記ディスク回転装置により回転される光ディスクに対する情報の書き込み、読み取り、消去の少なくとも一つを行う光ピックアップ装置と;を備える光ディスク装置である。
【0022】
これによれば、本発明のディスク搬送装置を備えているので、記録品質及び再生品質を低下させることなく、装置の小型化を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。図1には一実施形態にかかる光ディスク装置10が上部カバーが省略された状態で示されている。
【0024】
光ディスク装置10は、図1に示されるように、光ディスク90を回転駆動するディスク回転装置20、光ピックアップ装置26、ディスクカートリッジ100とディスク回転装置20との間で光ディスク90を搬送する搬送システム30、ディスクカートリッジ100を開閉する開閉装置70、ディスクカートリッジ100から所望の光ディスク90を選択するディスク選択システム40、並びにこれらの構成各部を収容する本体(ハウジング)12などを備えている。これらのディスク回転装置20、搬送システム30、開閉装置70、ディスク選択システム40などは、主制御装置11によって制御される(図9参照)。
【0025】
ディスク回転装置20は、図1に示されるように、本体12内部の+Y側に不図示の支持部材を介して配置されている。このディスク回転装置20は、図1におけるA−A線にほぼ沿った断面図である図2に示されるように、不図示の支持部材により本体12の内部底面から所定距離上方の位置で水平に支持された支持板14、該支持板14の上面に固定されたモータ21、該モータ21によって回転駆動され、光ディスク90を装着可能なスピンドルシャフト22、及びスピンドルシャフト22に装着された光ディスク90の下方で支持板14の上面に固定された安定板24などを備えている。
【0026】
光ディスク90としては、例えば、約0.1mm程度の薄いポリエチレンテレフタレート(PET)製のシートの上面(図1における+Z側)に記録層が成膜され、さらにこの記録層上に厚さ5μm程度の透明保護膜が形成された可撓性を有する光ディスクが用いられる。この光ディスク90の中央部には、図1に示されるように、所定の大きさ、例えば直径10mmの円形の開孔90bが形成されている。また、上記PET製のシートの下面(−Z側)には、磁性材料、例えばフェライト系ステンレス鋼からなり、所定厚さ、例えば厚さ0.1mm程度の円形プレート90aが、開口90bとほぼ同心となる状態で貼り付けられている。この円形プレート90aは、開口90bより僅かに大きな外径を有し、その中心部には、開口90bより小径(例えば直径5mm)の円形開口が形成されている。
【0027】
スピンドルシャフト22は、図2に示されるように、円柱状の大径部22aと、該大径部22aの上端に設けられた小径部22bとを有する段付き円柱状の部材からなる。小径部22bの外径は、前述の円形プレート90aの中心の円形開口より数μm小さくなっている。光ディスク90はその円形開口内に小径部22bが挿入されることで、大径部22aの上面によって下方から支持され、記録層を上面としてスピンドルシャフト22に装着される。
【0028】
モータ21は、スピンドルシャフト22を介して光ディスク90を、例えば約5000rpmで回転させる。光ディスク90の回転数などは、制御装置11により制御される(図9参照)。
【0029】
安定化板24は、中央に円形開口が形成された平面視円形の部材からなり、開口のほぼ中心にモータ21が位置するように支持板14上に固定されている。光ディスク90が回転すると、光ディスク90には、その回転により発生する遠心力により水平な状態になろうとする復元力と、その回転と面形状の作用により生じる空気流の差に基づく圧力変化による反発力が発生する。安定化板24は、その際に生じる復元力と反発力のつりあいをとることにより、光ディスク90のいわゆる面ぶれ(ディスク90の回転時におけるZ軸方向の振れ)を低減する。
【0030】
光ピックアップ装置26は、光ディスク90の上方(+Z側)に配置され、光源、対物レンズを含む光学系、受光素子などを含む周知の構成のものが用いられている。光ピックアップ装置26は、ディスク回転装置20により回転される光ディスク90の記録面にレーザ光を集光するとともに、記録面からの反射光を受光することで光ディスク90に対する情報の書き込み(記録)、読み取り(再生)及び消去を行う。この光ピックアップ装置26は、不図示のシークモータを含むピックアップ駆動装置25によって光ディスク90の半径方向に駆動される。
【0031】
搬送システム30は、図1に示されるように、本体12の内部のほぼ中央に配置されている。この搬送システム30は、図2に示されるように、本体12の内部底面に固定されたモータ37、モータ37の回転軸36に一端部近傍の下面が固定された第1旋回アーム34、第1旋回アーム34の他端部近傍の下方に取り付けられた駆動ユニット35、該駆動ユニット35に接続された軸33、該軸33を介して接続されたジョイント機構32、ジョイント機構32に対し軸32aを介して接続された第2旋回アーム31などを含んでいる。
【0032】
モータ37は、一例として、Z軸に平行な回転軸36を回転駆動するステッピングモータが用いられる。このモータの回転変位は、不図示のセンサで計測され、このセンサの検出信号は制御装置11へ供給される(図9参照)。
【0033】
第1旋回アーム34は、平面視長方形状の板状部材からなり、モータ37によって軸36を中心として旋回される。
【0034】
軸33は、第1旋回アーム34の上面に固定された円筒状の固定部材33bと、固定部材33bの内部に挿入された円柱状の可動部材33aの2部分からなり、可動部材33aは、駆動ユニット35により、固定部材33bに対し回転駆動されるとともに、上下方向(Z軸方向)に所定のストロークで駆動される。可動部材33aの回転方向及び上下方向の位置は不図示のセンサにより検出され、そのセンサの検出信号が制御装置11へ供給される(図9参照)。
【0035】
第2旋回アーム31は平面視長方形状の板状部材からなる。この第2旋回アーム31の長手方向の一端の下面には磁石ユニット31aが固定され、他端は軸33の可動部33aの上面に固定されたジョイント機構32に対し、軸32aを中心として回動可能に接続されている。ジョイント機構32は、軸32aを中心とする第2アーム31の、図2に実線で示されている位置から、仮想線(二点鎖線)で示される位置までの回動のみを許容する。
【0036】
磁石ユニット31aは、複数のコイルを含む電磁石を有し、制御装置11によって不図示の電源から電磁石のコイルに電流が供給されることにより磁力を発生させる。
【0037】
ディスクカートリッジ100は、図1に示されるように、搬送システム30の−Y側に保持装置80を介して着脱自在にセットされている。このディスクカートリッジ100は、図3の分解斜視図に示されるように、ベース部材103、蓋部材102、及びベース部材103上に搭載されたホルダ112などを含んでいる。
【0038】
ベース部材103は、図3に示されるように、平面視六角形状(より正確には、矩形の隣り合うコーナー部分を切除した形状)のベース板103aと、ベース板103aの+Y側及び−Y側にベース板103aの外周に沿ってそれぞれ設けられた側壁103c及び103dの3部分を有する。
【0039】
ベース板103aの中央部には、光ディスク90の円形プレート90aの円形開孔の内径(例えば5mm)より小さい直径3mmの円筒状の突出部103iが形成されている。また、ベース板103aの一辺側(図3における+X側の辺)の近傍には、その一辺に沿って所定間隔隔てて一対の円柱状の突出部103g、103hが設けられている。ベース板103aの一辺と反対側(−X側)の端部には、図4に拡大して示されるように、矩形状の切欠S1、S2、S3、S4、S5がY軸に沿ってほぼ等間隔で形成されている。さらに、ベース板103aの上面には、ベース板103aの−X側の部分の一部のエッジの形状とほぼ左右対称で、その一部のエッジとともに上方から見て略八角形を形成する形状の側壁103jが、突出部103g、103hの+X側に設けられている。
【0040】
図3に戻り、一方の側壁103dのほぼ中央部は、内側(+Y側)に突出するように曲折され、これにより内側凸部、すなわち凹部103kが形成されている。また、この側壁103dの+X側の端部は、ベース板103aの一辺(図3における+X側の辺)とほぼ一致しているが、−X側の端部は、ベース板103aの−X側の辺より+X側の位置にある。他方の側壁103cは、凹部103kは形成されていないが、側壁103dと左右対称である。
【0041】
蓋部材102は、ベース部材103のベース板103aと同形状の蓋板102aと、蓋板102aの下面(−Z側の面)の−X側の外縁の一部に設けられた側壁102bと、蓋板102aの中央部に形成された突出部102i(図3には不図示、図5参照)との3部分を有する。
【0042】
この蓋部材102の蓋板102aは、ベース部材103に対してヒンジ機構を介して接続され、その一辺(+X側の辺)側の回動軸回りに回動することで、ベース部材103に対して開閉可能な構成となっている。上記ヒンジ機構は、蓋板102aの下面の+X側の辺の近傍にその辺に沿って所定間隔隔てて設けられ、丸穴が形成された舌片状の部材からなる一対の連結部102e、102fと、これに対応してベース部材103のベース板103aの上面に設けられた同様の舌片状の部材からなる一対の連結部103e、103fと、連結部102e,103e相互、連結部102f,103f相互を、連結する一対のピン120とを含んでいる。
【0043】
側壁102bは、蓋部材102が閉じられた状態では、側壁103cと側壁103dとの間に嵌まり込み、これらの側壁103c,103dとともに、ベース板103aの+X側の辺を除く、外縁を取り囲む一連の側壁を構成する形状を有している。
【0044】
突出部102iは、図5に示されるように、ベース板103aに設けられた突出部103iの内径よりわずかに小さい径の円柱形状で、蓋部材102が閉じられたときに、ベース板103aの突出部103iに挿入するようになっている。
【0045】
ホルダ112は、図3及び図5(A)を総合するとわかるように、ベース103上で、上下方向に積層された所定形状、例えば八角形状で、所定厚さ、例えば厚さ0.2mm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)製のn枚のシート部材110i(i=1〜n)を含んでいる。以下では、説明の便宜上、n=5の場合について説明する。
【0046】
シート部材1101〜1105それぞれの表裏面には、シート部材同士の貼り付きや光ディスク90との貼り付きを防止するための微細な凹凸、例えば、数μmから数10μm径で、高さまたは深さが数μmから数10μmの微細な凸部または凹部が複数形成され、図5(B)にシート部材110iとして示されるように、中央に光ディスク90の下面に貼り付けられた円形プレート90aの外径よりも僅かに大きな内径の円形開孔110hが形成されている。
【0047】
シート部材1101〜1105は、図5(A)に示されるように、中央の円形開孔110hがほぼ揃うように積層され、一例として、それぞれの一辺(+X側の辺)がフレキシブルな接続部材114を介して相互に接続されている。このため、シート部材1101〜1105のそれぞれは、その一辺(+X側の辺)を回動中心として回動(開閉)可能になっている。
【0048】
このようにして構成されたホルダ112は、図3に示されるように、側壁103c、103d及び103jで囲まれた平面視八角形の領域の内部に収容されている。この収容状態では、ホルダ112(シート部材1101〜1105それぞれ)の+X側の辺は、側壁103jの−X側の面に対して所定のクリアランスを隔てて平行になっている(又は接触している)。また、シート部材1101〜1105それぞれの+X側の端部にY軸方向に沿って所定間隔隔てて形成されたX軸方向に細長い一対の長孔に、前述のベース部材103の突出部103g、103hが挿入された状態となっている。
【0049】
そして、光ディスク901,902,903,904は、図5(A)に示されるように、シート部材1101〜1105のうち、隣接するシート部材の相互間1101,1102、1102,1103、1103,1104、1104,1105にそれぞれ挟持されるとともに、図5(B)に示されるように、円形プレート90aに形成された円形開口にベース部材103の突出部103iが挿入され、シート部材110iの円形開口110hに光ディスク90に貼り付けられた円形プレート90aが挿入されている。
【0050】
図3に戻り、上記各シート部材1101、1102、1103、1104、1105の−X側の端部には、相互に重ならない異なる位置に等間隔で配置されるタグTG1、TG2、TG3、TG4、TG5がそれぞれ設けられている。これらのタグTG1、TG2、TG3、TG4、TG5は、図4に示されるように、ベース板103aに形成された前述の矩形状の切欠S1、S2、S3、S4、S5にそれぞれ重なるように、XY面内の位置が規定されている。一方、ベース板103aには、切欠S2、S3、S4、S5をそれぞれ跨ぐように、平面視U字状の支持部103A、103B、103C、103Dがそれぞれ設けられている。支持部103Aは、ベース部材の上面より所定寸法(光ディスク90の厚さとシート部材110の厚さとの合計寸法にほぼ一致)だけその上面の高さが高く、支持部103B、103C、103Dは、支持部103A、103B、103Cよりそれぞれ上記所定寸法だけその上面の高さが高く設定されている。従って、タグTG1、TG2、TG3、TG4、TG5は、それぞれの下面がベース板103a上面、支持部103A上面、103B上面、103C上面に支持された状態となっている。
【0051】
ディスク選択システム40は、図1に示されるように、ディスクカートリッジ100の−X側に配置され、ホルダ開閉装置50及びクランプ装置60を含んでいる。
【0052】
ホルダ開閉装置50は、図7に示されるように、本体12の内部底面上にY軸方向に所定間隔隔てて不図示の支持部材を介して固定された一対の支持部材55A,55B、該支持部材55A,55Bによってベース板103aとほぼ同じ高さになるように長手方向(Y軸方向)の一端と他端をそれぞれ回転自在に支持された断面円形の棒状部材からなるガイド棒53、ガイド棒53の外周に螺合されたスライダ54、スライダ54の外周に該スライダ54に対してそれぞれ回動可能に接続された第1アーム51及び第2アーム52などを含んでいる。
【0053】
ガイド棒53は、制御装置11によって制御される不図示の駆動装置により、支持部材55A,55Bに対して回転され、これによりスライダ54がY軸方向に移動する。すなわち、ガイド棒53に形成された雄螺子とスライダ54に形成された雌螺子とを含んで送りねじ機構が構成されている。
【0054】
第1アーム51は、その長手方向をほぼX軸方向に向けてスライダ54に対してその一端部近傍の幅広部が回動可能に接続されている。この第1アーム51の幅広部の他端側は、断面正方形状の柱状部とされ、この柱状部の端部に回転ローラ51aが回転自在に装着されている。この第1アーム51は、不図示の付勢部材(例えばばね等)によって、スライダ54に対する接続部を中心として、回転ローラ51a側の端部が下方に付勢されることにより、回転ローラ51aがベース板103aの上面に軽く押し付けられるようになっている。
【0055】
第2アーム52は、図7及び図4を総合するとわかるように、ディスクカートリッジ100のベース部材103に形成された切欠S1、S2、S3、S4、S5のY軸方向の幅より十分に薄い楔形状の板状部材から構成されている。そして、この第2アーム52は、第1アーム51の−Y側に、タグTG1、TG2、TG3、TG4、TG5の配列間隔と同一の間隔だけ隔てて、スライダ54に対して回動可能にその長手方向の一端部近傍が接続されている。この第2アームは、制御装置11により、不図示の駆動機構を介してスライダ54に対して起伏回動される。
【0056】
クランプ装置60は、図7に示されるように、クランプアーム61、クランプアーム61を駆動するクランプアーム駆動機構68、及びガイド板64などを含んでいる。
【0057】
クランプアーム61は、ほぼX軸方向を長手方向とするアーム部材61bと、一対の対向面が形成された側面視U字状のクランプ部材61aとを含み、アーム部材61bの+X側の端部には、クランプ部材61aが一対の対向面がXY平面に平行となるように、かつY軸に平行な軸60dを中心に回動可能に接続されている。そして、−X側の端部には長手方向をX軸方向とする長孔61eが形成されている。さらに、アーム部材61bは、図8に示されるように、−Y方向に突出する円柱状の突出部61cを有している。
【0058】
図7に戻り、ガイド板64は不図示の支持部材を介して本体12の内部底面に固定されている。このガイド板64には、図8に示されるように、アーム部材61bの突起部61cが挿入されたV字状(くの字状)の案内孔64aが形成されている。
【0059】
クランプアーム駆動機構68は、+Y方向に突出し、前述の長孔61eに挿入された駆動レバー68aと、駆動レバー68aをX軸方向に駆動する不図示のモータなどを含んでいる。
【0060】
上記のように構成されたクランプ装置60は、図8からわかるように、制御装置11の指示の下、クランプアーム駆動機構68が駆動レバー68aを+X方向又は−X方向へ駆動することにより、+X方向又は−X方向へ駆動されるようになっている。
【0061】
開閉装置70は、図1に示されるように、ディスクカートリッジ100の−Y側に配置されている。この開閉装置70は、図8に示されるように、略V字状(略くの字状)の開閉アーム71と、不図示の駆動機構に接続された駆動レバー72aを含んでいる。
【0062】
開閉アーム71の+X側の端部のY側の面には、円柱状の係止部71cが形成され、ほぼ中央の部分には長孔71aが形成されている。そして、開閉アーム71の−X側の端部は、Y軸に平行な軸71bを中心に回動可能な状態で、不図示の支持部材を介して本体12に取り付けられている。
【0063】
主制御装置11は、不図示の駆動装置を介してレバー72aを+X方向へ駆動することにより、開閉アーム70の端部に形成された係止部71cを、ディスクカートリッジ100のベース103の−Y側側面に形成された凹部103k内で蓋部材102の下面に当接するまで回動し、更に、レバー72aを+X方向へ駆動することにより、図8に仮想線で示されるように蓋部材102をベース103に対し開放することができるようになっている。また、この状態からレバー72aを−X方向へ駆動することにより、蓋部材102をベース103に対し閉鎖することができるようになっている。
【0064】
図9には、光ディスク装置10の全体構成がブロック図にて示されている。この図9に示される制御装置11は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)などからなるいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含み、ROMには、光ディスク装置10を構成する各機器を制御するためのプログラムなどが格納され、CPUはROMに格納されたプログラムを読み込んで各機器を制御することにより、装置全体を統括的に制御する。
【0065】
次に、上述のようにして構成された光ディスク装置10におけるディスクカートリッジ100とディスク回転装置20との間の光ディスク90の搬送処理について、図10(A)〜図12(D)を参照しつつ説明する。
【0066】
前提として、ディスクカートリッジ100には、図5に示されるように、4枚のディスク901、902、903、904が収納された状態で保持装置80にセットされているものとし、ディスク回転装置20には光ディスク901、902、903、904、が装着されていないものとする。また、ホルダ開閉装置50のスライダ54は図11(A)に示されるように、ガイド棒53の+Y側端部近傍の位置(以下、待機位置という)に待機し、第2アーム52は、図11(A)に示されるように、先端部がベース部材103の下方となる位置に回動されているものとする。そして、クランプアーム61は図12(A)に示されるように、−X側後方(以下、待機位置という)に退避しているものとする。また、本実施形態では、一例として、図5に示されるように、シート部材1102に保持されている光ディスク902を、ディスクカートリッジ100から取り出して、ディスク回転装置20へ搬入するものとする。
【0067】
制御装置11は、まず、スライダ54を図10(A)に示される待機位置から、図10(B)に示されるように、第1アーム51の回転ローラ51aがタグTG2の上方に位置し、第2アーム52の先端がタグTG3の下方に位置するまで移動する。その移動の際に回転ローラ51aは、図6に示されるように、不図示の付勢装置によりベース板103aの上面に圧接された状態で回転移動しながら−Y方向に移動し、ベース板103aに下方から支持されたタグTG1と、支持部103Aに下方から支持されたタグTG2を通過して、支持部103Bに支持されたタグTG3の上面まで回転移動する。移動が終わった状態では、タグTG3は回転ローラ51aと支持部103Bにより挟持され、ベース部材103に対し固定された状態となる。
【0068】
次に、図10(B)及び図11(A)に示されるように先端がタグTG3の下方にある第2アーム52を図11(B)に示される位置まで回動する。第2アーム52は切欠S3を通過してタグTG3の下面を押し上げることにより、図11(B)に示されるように、シート部材1103〜1105とシート部材1101、1102とを離間するとともに、シート部材1102に保持された光ディスク902を露出させる。なお、この状態では、持ち上げられたシート部材1103〜1105により保持される光ディスク903、904の開孔90bからは、ベース部材103の突出部103iが引き抜かれた状態になり得るが、図5(B)に示されるように、シート部材110に形成された開孔110hと、この開孔110hに挿入される光ディスク903、904の裏面に貼り付けられた円形プレート90aにより、シート部材1103〜1105と光ディスク903、904の相対位置関係は維持される。
【0069】
次に、図12(A)に示されるように、待機位置にあるクランプアーム61をクランプアーム駆動機構68を介して+X方向に駆動する。クランプアーム61のクランプ部材61aは、図12(B)に示される位置で、第2アーム52により離間されたシート部材1103〜1105を把持する。この状態から、図12(C)に示されるように、クランプアーム61の突起部61cがガイド板64の案内孔68aにより右斜め上方に案内されることにより、クランプアーム61はクランプ部材61aにより把持したシート部材1103〜1105を蓋部材102に対し凸に撓ませながら、その−X側の端部を上昇させる。このシート部材1103〜1105が撓んだ状態では、これに保持された光ディスク903、904も同様に撓むことから、シート部材1103〜1105と光ディスク903、904との間の摩擦係数が大きくなり、シート部材1103〜1105と光ディスク903、904との相対位置がずれるのが回避される。
【0070】
そして、クランプアーム61の突起部61cがガイド板64の案内孔68aの+X側の端に達することよりクランプアーム61は停止する。この状態では、シート部材1103〜1105及び光ディスク903、904は蓋部材102に対し凸形状となり、光ディスク903、904は、円形プレート90aの開孔に蓋部材102の突出部102iが挿入されることにより固定された状態で保持される。
【0071】
このようにして、所望の光ディスク902を露出させ、離間されたシート部材1103〜1105及びこれに保持された光ディスク903、904を、蓋部材102に対し凸に撓ませることにより突出部102iを介して固定するとともに、光ディスク902の上方に作業空間を形成すると、制御装置11は搬送システム30のモータ37及び駆動ユニット35を駆動して、第2旋回アーム31に固定された磁石ユニット31aを光ディスク902の円形プレート90aの上方に移動し、磁石ユニット31aを励磁して光ディスク902を吸着する。
【0072】
次に、搬送システム30のモータ37及び駆動ユニット35を駆動して、ディスク駆動装置20のスピンドルシャフト22の上方に光ディスク902を搬送し、磁石ユニット31aを消磁して光ディスク902をスピンドルシャフト22へ装着する。以上の操作により光ディスク902はディスクカートリッジ100から搬出され、ディスク回転装置20に搬入される。
【0073】
また、ディスク回転装置20からディスクカートリッジ100へ光ディスク902を搬送する場合には、上述したように、シート部材1102の上方に作業空間を形成した後、搬送システム30により上述と逆の手順で光ディスク902をディスク回転装置20の上方で吸着保持し、ディスクカートリッジ100へ搬送する。
【0074】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置20では、搬送システム30と、ディスク選択システム40と、制御装置11とによってディスク搬送装置が実現されている。
【0075】
以上説明したように、本実施形態にかかる光ディスク装置20によると、可撓性を有する複数枚の光ディスク901〜904は、薄膜状の可撓性を有するシート部材1101〜1105の間にそれぞれ挟みこまれた状態でディスクカートリッジ110に収納されている。この場合、光ディスク901〜904の下面に貼り付けられた円形プレート90aは、この円形プレート90aより厚みのあるシート部材1101〜1104の開孔110hに挿入されるので、シート110と光ディスク90の積載高は円形プレート90aの有無による影響を受けることはない。
【0076】
したがって、収納される複数枚の光ディスク90それぞれを、例えば射出形成されたプラスチック製のトレイにより保持して収納する場合に比べて、ディスクカートリッジ110の格段の薄型化が可能であり、結果的にこれを備える光ディスク装置10などの小型化を図ることが可能となる。
【0077】
また、ディスクカートリッジ110から所望の光ディスク90をディスク回転装置20へ搬送する場合及び、ディスク回転装置20での再生及び記録などの処理が終了した光ディスク90をディスクカートリッジ110へ搬送する場合には、ホルダ開閉装置50の第1アームの回転ローラ50aにより、所望のディスク90が保持されたシート部材110のタグTGを上方からベース部材103に対し押下した状態で、所望のディスク90の直上のシート部材110を、第2アーム52を回動することにより離間する。そして、離間されたシート部材110をクランプ装置60のクランプアーム61を駆動することにより、蓋部材102に対し凸に撓ませてシート部材110と光ディスク90を蓋部材102に固定するとともに、所望の光ディスク90の上方に作業空間を形成する。この作業空間が形成されると、搬送装置により、ディスク回転装置20とディスクカートリッジ100との間で、光ディスク90の搬送が行われる。
【0078】
したがって、薄型化されたディスクカートリッジ100のシート部材110などを撓ませて光ディスク90上方のスペースを有効利用することにより、ディスク選択装置40の小型化を図ることができ、結果的に記録品質及び再生品質を維持しつつディスク装置20の小型化を図ることができる。また、各シート部材110は長手方向をX軸方向とする長孔に、ベース部材103に形成された突出部103g、103hが挿嵌されることにより係止されているため、突出部103g、103hから無理な力を受けることなく撓むことが可能であり、光ディスク90は円形プレート90aを介して取り扱われるため搬送途中で必要以上に屈曲するなどのストレスを受けることがない。
【0079】
なお、本実施形態では、各シート部材110の表面には微細な凹凸が形成されていることとしたが、これに限らず、例えば、フロッピディスクに用いられる布状のシート(ライナ)をシート部材110の表面に貼り付けてもよい。要は、シート部材110同士、又はシート部材110と光ディスクが結露などにより貼り付くことを防止できれば良い。
【0080】
また、ディスクカートリッジ100のベース部材103の下面と、蓋部材102の上面に電磁石を設け、光ディスク90の搬送を行う際に、各電磁石を励磁して収納された光ディスクを固定してもよい。この場合に、シート部材110にも磁性材料を貼り付けたり、又は添加することで効果的に光ディスク90を固定することができ、本実施形態のように、ディスクカートリッジ100を水平に設置する以外に、例えば、縦に設置したり、又は傾斜面に設置するなど状況にあわせて柔軟な取り扱いが可能となる。
【0081】
また、上記実施形態で用いられる光ディスク90は、可撓性を有していればよく、DVD(digital versatile disc)、CD(compact-disc)、あるいは約405nmの波長の光に対応した次世代の情報記録媒体など、任意の波長に対応する光ディスクを用いることができる。
【0082】
また、本実施形態ではディスクカートリッジ100に4枚の光ディスク90が収納されている場合について説明したが、これに限らず、ディスクカートリッジ90を構成するシート部材110の枚数を増減し5枚以上又は3枚以下の光ディスク90を収納してもよい。
【0083】
また、搬送システム30は、本実施形態に用いた構造のものに限定されることはなく、例えば、第1旋回アーム34と、第2旋回アーム31をそれぞれの駆動機構により駆動するのではなくて、第1旋回アーム34と第2旋回アーム31を遊星ギア機構によりリンクして、各旋回アームを1つの駆動機構により駆動することとしてもよい。
【0084】
また、本実施形態では、光ディスク90の円形プレート90aにフェライト系ステンレス鋼を用いることとしたが、これに限らず、他の磁性材料からなる金属板や磁性材料が添加された磁性シートを用いてもよい。
【0085】
また、本実施形態ではベース部材103と蓋部材102とが回動可能に接続されているが、これに限らず、例えばベース部材103と蓋部材102とが分離可能な構造であり、光ディスク90を搬送する際には蓋部材102を上方に引き上げるようにしてもよい。要は、光ディスク90の上方に所定のスペースを確保することができればよい。
【0086】
また、本実施形態ではベース部材103のベース板103aに形成された突出部103iは、その断面が環状であるが、これに限らず、例えば、+X側の一部を切り欠いて、シート110の回動のストレスを軽減することとしてもよい。要は、形状にかかわらず光ディスク90の位置をベース部材103に対し規定できる機能を有していれば、任意の形状とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上説明したように、本発明のディスクカートリッジは複数の光ディスクを収納するのに適しており、本発明のディスク搬送装置は、光ディスクを搬送するのに適しており、本発明の光ディスク装置は光ディスクに対し情報の記録、再生、消去のいずれかをするのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置10の概略的な構成を示す図である。
【図2】図1における光ディスク装置10を構成するディスク回転装置20及び搬送システム30を説明するための側面図である。
【図3】図1における光ディスク装置10に用いられるディスクカートリッジ100の外観を示す斜視図である。
【図4】図3におけるディスクカートリッジ100のシート部材110のタグTGと、ベース板103aに設けられた切欠との位置関係を説明するための平面図である。
【図5】図5(A)は図3におけるディスクカートリッジ100の断面図であり、図5(B)は図5(A)の一部の拡大図である。
【図6】図3におけるディスクカートリッジ100のタグTGとベース板103aに形成された支持部材103A〜103Dとの関係を説明するための図である。
【図7】図1におけるホルダ開閉装置50、及びクランプ装置60を示す斜視図である。
【図8】図1における開閉装置70を示す平面図である。
【図9】図1における光ディスク装置10の制御系の概略的な構成を示す図である。
【図10】光ディスク装置10における搬送動作を説明するための図(その1)である。
【図11】光ディスク装置10における搬送動作を説明するための図(その2)である。
【図12】光ディスク装置10における搬送動作を説明するための図(その3)である。
【符号の説明】
【0089】
10…光ディスク装置、11…制御装置、20…ディスク回転装置、30…搬送システム、40…ディスク選択システム、50…ホルダ開閉装置(ディスク選択システムの一部)、51…第1アーム(ホルダ開閉装置の一部)、52…第2アーム(ホルダ開閉装置の一部)、60…クランプ装置(ディスク選択システムの一部)、90…光ディスク、100…ディスクカートリッジ、112…ホルダ(ディスクカートリッジの一部)、110…シート部材(ホルダの一部)、114…接続部材(ホルダの一部)、TG…タグ(シート部材の一部)、102…蓋部材(ディスクカートリッジの一部)、103…ベース(ディスクカートリッジの一部)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する複数枚の光ディスクを収納するディスクカートリッジであって、
所定方向に積層され、それぞれの一辺が該一辺を回動中心として相互に接続された可撓性を有する複数枚のシート部材を備え、隣接するシート部材相互間のそれぞれに前記光ディスクを挟持可能なディスクカートリッジ。
【請求項2】
前記複数枚のシート部材それぞれの表面には、凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスクカートリッジ。
【請求項3】
前記複数枚のシート部材が載置されたベース部材と;
前記ベース部材に対し開閉可能に取り付けられ、前記ベース部材との間に前記複数枚のシート部材を収容する空間を形成する蓋部材と;を更に備える請求項1又は2に記載のディスクカートリッジ。
【請求項4】
前記蓋部材は、前記複数枚のシート部材の前記一辺側の回動軸回りに回動することで前記ベース部材に対して開閉可能であることを特徴とする請求項3に記載のディスクカートリッジ。
【請求項5】
前記光ディスクのそれぞれは中央部に開口が形成され、
前記複数枚のシート部材のそれぞれは前記開口に対応する開口が形成され、
前記ベース部材と前記蓋部材には、前記複数枚のシート部材のそれぞれ及び該シート部材相互間に挟持された前記光ディスクのそれぞれに形成された開口を介して相互に嵌合する係止部が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載のディスクカートリッジ。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項に記載のディスクカートッリッジと所定位置との間で光ディスクを搬送するディスク搬送装置であって、
前記複数のシート部材それぞれには、前記一辺と異なる辺に相互に重ならないようにタグが設けられ、
前記ディスクカートッリッジの蓋部材を前記ベース部材から開放する開放機構と;
目的とする層の前記所定方向の一側のシート部材を前記ベース部材に押し付けて固定する固定機構と;
前記目的とする層の前記所定方向の他側のシート部材を該シート部材に設けられたタグを介して前記所定方向の他側に付勢することにより、そのシート部材より前記所定方向の他側にある層のシート部材を前記目的とする層の前記所定方向の一側のシート部材から離間させる離間機構と;を備えるディスク搬送装置。
【請求項7】
前記離間機構により離間された、前記目的とする層の前記所定方向の他側のシート部材を、前記一辺とは反対側から前記一辺側に押圧して撓ませる押圧機構をさらに備える請求項6に記載のディスク搬送装置。
【請求項8】
前記各光ディスクの中心部には、磁性部材が取り付けられ、
前記磁性部材を吸着する電磁石がその先端に取り付けられた搬送アームを含み、前記ディスクカートリッジに対する光ディスクの出し入れを行う搬送系を更に備える請求項6又は7に記載のディスク搬送装置。
【請求項9】
光ディスク装置本体にセットされた前記ディスクカートッリッジと光ディスク装置本体の所定位置との間で光ディスクを搬送する請求項6〜8のいずれか一項に記載のディスク搬送装置と;
前記所定位置に設けられ、ディスク搬送装置によって搬入された光ディスクを回転駆動するディスク回転装置と;
前記ディスク回転装置により回転される光ディスクに対する情報の書き込み、読み取り、消去のいずれかを行う光ピックアップ装置と;を備える光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−4906(P2007−4906A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−184369(P2005−184369)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(503391577)長太郎エンジニアリング株式会社 (16)
【Fターム(参考)】