ディスクラック
【課題】 光ディスクドライブ機器の生産・検査ラインなどにおいて、ディスクの取り違えを無くすこと。
【解決手段】 複数のディスクトレイ(3a〜3e)と、各ディスクトレイ(3a〜3e)を収納するラック本体(2)と、第1番目のディスクトレイ(3a)の開口部(2a)と反対側の端部に固定され、第2番目以降のすべてのディスクトレイ(3b〜3e)の開口部(2a)と反対側の端部に当接する当接板(6)と、を備え、第1番目のディスクトレイ(3a)が開口部(2a)から進出すると同時に当接板(6)に当接する第2番目以降のすべてのディスクトレイ(3b〜3e)が開口部(2a)から進出する一方、第1番目のディスクトレイ(3a)をラック本体(2)に退避させると、第2番目以降のすべてのディスクトレイ(3b〜3e)がラック本体(2)に退避可能となる。
【解決手段】 複数のディスクトレイ(3a〜3e)と、各ディスクトレイ(3a〜3e)を収納するラック本体(2)と、第1番目のディスクトレイ(3a)の開口部(2a)と反対側の端部に固定され、第2番目以降のすべてのディスクトレイ(3b〜3e)の開口部(2a)と反対側の端部に当接する当接板(6)と、を備え、第1番目のディスクトレイ(3a)が開口部(2a)から進出すると同時に当接板(6)に当接する第2番目以降のすべてのディスクトレイ(3b〜3e)が開口部(2a)から進出する一方、第1番目のディスクトレイ(3a)をラック本体(2)に退避させると、第2番目以降のすべてのディスクトレイ(3b〜3e)がラック本体(2)に退避可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVDやCDなどのディスクを収納するディスクラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、実開平7−42758号公報では、ディスク型記録媒体を容易に保護し、ブックレットの収納部を有する記録媒体収納ケースが開示されている。この記録媒体収納ケースは、紙製素材からなる箱状収納ケースであって、一対の蛇腹状の側壁でディスク型記録媒体を浮かせて挟持して保持する。また、ケースの一面と間隔をおいて外壁面を設け、外壁面とケースの一面との間の空間をブックレットの収納部としている。
【0003】
また、例えば、特開2004−075113号公報では、ケース入りのコンパクトディスク等を立てた状態で保持し、かつディスクケースが1枚用でも2枚用でも個別に支持することのできるようにしたディスクラックが開示されている。このディスクラックは、収納すべきディスクのケース周面を保持する2本以上の横桟と、この横桟を取り付ける端板と、横桟に装着されたスペーサーとから構成されている。そして、そのスペーサーは、横桟に装着される筒状部と、この筒状部の端部に形成されディスクの側壁に接する鍔とを有し、筒状部の長さはディスク1枚用のケースの厚さと同等として構成されている。
【特許文献1】実開平7−42758号公報
【特許文献2】特開2004−075113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ディスクドライブ機器の生産・検査ラインにおいては、機器の調整および検査に多数のディスクを使用しなければならない。作業者は、その多数のディスクを決められた順に機器に挿入し、調整あるいは検査を行なう。しかしながら、それぞれの作業者は、一人で複数台の機器の調整および検査を、並列作業にて行なっているため、場合によってはディスクを取り違える事がある。光ディスクドライブ機器の生産・検査ラインでは、このようなディスクの取り違いを防止する必要がある。
【0005】
しかし、上述したように、ディスクを収納する技術は種々のものが提案されているが、従来の技術では、収納されているディスクのうち、任意のディスクを容易に取り出すことができるように構成されているため、ディスクの取り違えを防ぐ事が出来ない。また、従来の技術では、ディスクを取り出し、または収納する際に手間がかかり、時間を要するため、生産ラインにおいて、頻繁にディスクの出し入れを行なう為に使用する収納ケースとしては適切ではない。従って、現在のところ、複数枚のディスクを平面に並べ置いて使用している。このため、ディスクの取り違えが発生するばかりでなく、ディスクを置く場所として大きな面積が必要になる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、光ディスクドライブ機器の生産・検査ラインなどにおいて、ディスクの取り違えを無くすことができるディスクラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明のディスクラックは、ディスクを収納する凹部が設けられた複数のディスクトレイと、一端に開口部を有し、前記各ディスクトレイをトレイ面の方向に対して平行に並べるように収納するラック本体と、前記ラック本体に設けられ、前記各ディスクトレイが前記開口部から進出または退避するように前記各ディスクトレイをそれぞれスライド可能に支持する複数の溝部と、第1番目のディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に固定され、第2番目以降のすべての前記ディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に当接する当接板と、を備え、前記第1番目のディスクトレイが前記開口部から進出すると同時に前記当接板に当接する第2番目以降のすべてのディスクトレイが前記開口部から進出する一方、前記第1番目のディスクトレイを前記開口部から前記ラック本体に退避させると、第2番目以降のすべてのディスクトレイが前記開口部から前記ラック本体に退避可能となることを特徴としている。
【0008】
このように、第1番目のディスクトレイの開口部と反対側の端部に、第2番目以降のすべてのディスクトレイの開口部と反対側の端部に当接する当接板が固定されているので、第1番目のディスクトレイが開口部から進出すると同時に当接板に当接する第2番目以降のすべてのディスクトレイが開口部から進出することとなる。これにより、一度にすべてのディスクトレイを引き出すことができるので、作業の効率化を図ることができる。また、第1番目のディスクトレイ以降、順序が先であるディスクトレイからディスクを取り出し、そのディスクトレイを退避させないと、順序が後のディスクトレイからディスクを取り出すことができないため、予め定められた順序通りに取り出すべきディスクを取り出すことが可能となる。その結果、ディスクの取り違えを無くすことが可能となる。
【0009】
(2)また、本発明のディスクラックは、ディスクを収納する凹部が設けられた複数のディスクトレイと、一端に開口部を有し、前記各ディスクトレイをトレイ面の方向に対して平行に並べるように収納するラック本体と、前記ラック本体に設けられ、前記各ディスクトレイが前記開口部から進出または退避するように前記各ディスクトレイをそれぞれスライド可能に支持する複数の溝部と、前記各ディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に設けられ、前記凹部と反対側へ突出し、隣接するディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に当接する当接部と、を備え、第1番目のディスクトレイが前記開口部から進出すると同時に第2番目以降のすべてのディスクトレイが前記開口部から進出する一方、第n番目(nはディスクトレイの最大数未満の自然数)のディスクトレイを単独でまたはそれ以前のすべてのディスクトレイと共に前記開口部から前記ラック本体に退避させると、第n+1番目のディスクトレイが単独で前記開口部から前記ラック本体に退避可能となることを特徴としている。
【0010】
このように、各ディスクトレイの開口部と反対側の端部に、凹部と反対側へ突出し、隣接するディスクトレイの開口部と反対側の端部に当接する当接部が設けられているので、第1番目のディスクトレイが開口部から進出すると、第1番目のディスクトレイに設けられている当接部が第2番目のディスクトレイの開口部と反対側の端部に当接し、第1番目のディスクトレイと同時に第2番目のディスクトレイが開口部から進出する。また、第2番目のディスクトレイが開口部から進出すると、第2番目のディスクトレイに設けられている当接部が第3番目のディスクトレイの開口部と反対側の端部に当接し、第2番目のディスクトレイと同時に第3番目のディスクトレイが開口部から進出する。さらに順次、各ディスクトレイに設けられている当接部が、順序が次であるディスクトレイの開口部と反対側の端部に当接するため、一度にすべてのディスクトレイを引き出すことができ、作業の効率化を図ることができる。また、第1番目のディスクトレイ以降、順序が先であるディスクトレイからディスクを取り出し、そのディスクトレイを退避させないと、順序が後のディスクトレイからディスクを取り出すことができないため、予め定められた順序通りに取り出すべきディスクを取り出すことが可能となる。その結果、ディスクの取り違えを無くすことが可能となる。
【0011】
(3)また、本発明のディスクラックにおいて、前記凹部にクッション材が設けられていることを特徴としている。
【0012】
このように、凹部にクッション材が設けられているため、収納されるディスクに傷が付くことを防止することができる。
【0013】
(4)また、本発明のディスクラックにおいて、前記クッション材は、静電気防止対策が施され、または導電性を有する素材で成形されていることを特徴としている。
【0014】
このように、クッション材は、静電気防止対策が施され、または導電性を有する素材で成形されているので、ディスクが帯電していた場合や、ディスクをディスクトレイから取り出しまたは収納する際に、摩擦により静電気を生じてディスクが帯電した場合でも、ディスクラックに収納している間にその静電気をクッション材へ吸収させ、ディスクから静電気を取り除くことが可能となる。
【0015】
(5)また、本発明のディスクラックにおいて、前記ラック本体は、収納状態で前記各ディスクトレイを接地する接地部材を備えていることを特徴としている。
【0016】
このように、ラック本体は、収納状態で各ディスクトレイを接地する接地部材を備えているので、ディスクが帯電していた場合や、ディスクをディスクトレイから取り出しまたは収納する際に、摩擦により静電気を生じてディスクが帯電した場合でも、ディスクラックに収納している間にその静電気を外部へ逃がし、ディスクから静電気を取り除くことが可能となる。
【0017】
(6)また、本発明のディスクラックにおいて、前記各ディスクトレイは、前記開口部側に設けられた切り欠き部と、前記凹部の中央に設けられた貫通孔と、を備えていることを特徴としている。
【0018】
このように、各ディスクトレイは、開口部側に設けられた切り欠き部と、凹部の中央に設けられた貫通孔とを備えているので、作業者は、ディスクラックからディスクを取り出す際に、親指と他のいずれか指とでディスクつまみやすくなる。
【0019】
(7)また、本発明のディスクラックにおいて、前記各ディスクトレイの前記開口部と反対側の端部において前記溝部方向へ突出するストッパと、前記溝部の開口部側近傍で突出する係止ピンと、をさらに備えることを特徴としている。
【0020】
このように、各ディスクトレイの開口部と反対側の端部において、溝部方向へ突出するストッパと、溝部の開口部側近傍で突出する係止ピンとを備えているので、作業者が第1番目のディスクトレイをスライドさせて進出させると、開口部側の近傍で、上記各ストッパと各係止ピンとが当接することとなる。これにより、作業者がディスクトレイを引き出しすぎてディスクトレイがラック本体から外れてしまう事態を回避することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1番目のディスクトレイ以降、順序が先であるディスクトレイからディスクを取り出し、そのディスクトレイを退避させないと、順序が後のディスクトレイからディスクを取り出すことができないため、予め定められた順序通りに取り出すべきディスクを取り出すことが可能となる。その結果、ディスクの取り違えを無くすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るディスクラックの正面図である。このディスクラック1は、ラック本体2と、第1番目から第5番目のディスクトレイ3a〜3eとから構成されている。ラック本体2は、正面に開口する開口部2aを有しており、この開口部2aから各ディスクトレイ3a〜3eが進出しまたは退避する。また、ラック本体2には、各ディスクトレイ3a〜3eをスライド可能にそれぞれ支持する溝部4a〜4eが設けられている。また、ラック本体2には、第2番目から第5番目の各ディスクトレイ3b〜3eを引き出しすぎて外してしまうことを防止するための係止ピン5b〜5eが設けられている。これらの係止ピン5b〜5eは、ラック本体2の側面を貫通し、溝部4bから4eの表面に突出するように設けられている。
【0023】
図2は、第1番目のディスクトレイ3aの平面図である。図1および図2に示すように、第1番目のディスクトレイ3aの開口部2aの反対側の端部には、2枚の当接板6が固定されている。この当接板6は、導電性材料により成形されており、収納時に、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eの開口部2aの反対側の端部に当接している。また、第1番目のディスクトレイ3aの開口部2a側の端部には、作業者が各ディスクトレイ3aを引き出しやすくするためのツマミ7が設けられている。
【0024】
図3は、第2番目のディスクトレイ3bの平面図である。なお、第3番目から第5番目のディスクトレイも第2番目のディスクトレイと同様の平面図に表わされる。図1および図3に示すように、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eの側面(溝部4b〜4e側)には、係止ピン5b〜5eを通すための溝8b〜8eが設けられている。第2番目から第5番目のディスクトレイ3b(〜3e:図示していない。)の側面にはストッパ10b(〜10e:図示していない)が設けられており、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eを開口部2aから進出させると、脱落する位置に到達する前にストッパ10b〜10eが、係止ピン5b〜5eと当接するので、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eが進出しすぎてラック本体2から脱落することを防止することが可能となる。
【0025】
なお、第1番目のディスクトレイ3aの側面には溝やストッパは設けられていない。これは、第1番目のディスクトレイ3aには、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eの開口部2aの反対側の端部に当接する当接板6が設けられているので、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eが、ストッパ10b〜10eと係止ピン5b〜5eとが当接することにより停止すると、それらに当接している当接板6によって、第1番目のディスクトレイ3aが脱落する位置に到達するまでに止めることができるからである。
【0026】
また、図2および図3に示すように、各ディスクトレイ3a、3bには、ディスクを収納する凹部20a、20bが設けられている。また、各ディスクトレイ3a、3bには、開口部2a側に設けられた切り欠き部21a、21bと、凹部20a、20bの中央に設けられた貫通孔22a、22bと、が設けられている。このため、作業者は、ディスクラック1からディスクを取り出す際に、親指と他のいずれか指とでディスクつまみやすくなる。
【0027】
また、図1に示すように、各ディスクトレイ3a〜3eの上面には、導電性を有する素材からなるクッション材9a〜9eが設けられている。このように、凹部20a、20bにクッション材9a〜9eが設けられているため、収納されるディスクに傷が付くことを防止することができる。また、クッション材9a〜9eが導電性を有する素材で成形されているので、ディスクが帯電していた場合や、ディスクをディスクトレイから取り出しまたは収納する際に、摩擦により静電気を生じてディスクが帯電した場合でも、ディスクラックに収納している間にその静電気をクッション材へ吸収させ、ディスクから静電気を取り除くことが可能となる。なお、クッション材9a〜9eに対して、静電気防止対策を施しても良い。
【0028】
図4は、ディスクラックをA−A線により切断した断面図であり、すべてのディスクトレイ3a〜3eがラック本体2に収納されている状態を示している。当接板6は、導電性部材40と接触しており、導電性部材40は、接地部材41を介して接地されている。このように、ラック本体2が、ディスクトレイ3a〜3eの収納状態で各ディスクトレイを接地する導電性部材40と接地部材41を備えているので、ディスクが帯電していた場合や、ディスクをディスクトレイから取り出しまたは収納する際に、摩擦により静電気を生じてディスクが帯電した場合でも、ディスクラックに収納している間にその静電気を外部へ逃がし、ディスクから静電気を取り除くことが可能となる。
【0029】
図5は、ディスクラックをA−A線により切断した断面図であり、すべてのディスクトレイ3a〜3eがラック本体2の開口部2aから進出した状態を示している。すなわち、第1番目のディスクトレイ3aが進出すると、それに伴って当接板6が進出し、その当接板6に当接している第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eが開口部2aから進出する。そして、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eは、脱落する位置に到達する前に係合ピンおよびストッパ同士が当接するため、それらが当接する位置で停止する。その結果、第1番目のディスクトレイ3aも、図5に示すように停止することとなる。
【0030】
図5において、作業者が第1番目のディスクトレイ3aに収納されていたディスクを取り出し、またはディスクを収容し、第1番目のディスクトレイ3aをラック本体2の開口部2aと反対側へ退避させる。図6は、第1番目のディスクトレイ3aをラック本体2の開口部2aと反対側へ退避させている途中の状態を示している。すると、第2番目のディスクトレイ3bが出現する。これにより、第2番目のディスクトレイ3bに収納されているディスクを取り出し、またはディスクを収容すことができる。
【0031】
このように、第1番目のディスクトレイ3a以降、順序が先であるディスクトレイからディスクを取り出し、そのディスクトレイを退避させないと、順序が後のディスクトレイからディスクを取り出すことができないため、予め定められた順序通りに取り出すべきディスクを取り出すことが可能となる。その結果、ディスクの取り違えを無くすことが可能となる。
【0032】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態にかかるディスクラック50の断面図である。第2の実施形態では、第1の実施形態の当接板6に代えて、導電性を有する素材で成形され、各ディストレイ3a〜3eの下側に突出する第1の当接部51a〜51eと、各ディストレイ3a〜3eの上側に突出する第2の当接部52a〜52eと、を設けている。そして、第1番目のディスクトレイ3aに設けられた第1の当接部51aは、開口部2a側の面で、第2番目のディスクトレイ3bに設けられた第2の当接部52bに当接する。また、第2番目のディスクトレイ3bに設けられた第1の当接部51bは、開口部2a側の面で、第3番目のディスクトレイ3cに設けられた第2の当接部52cに当接する。また、第3番目のディスクトレイ3cに設けられた第1の当接部51cは、開口部2a側の面で、第4番目のディスクトレイ3dに設けられた第2の当接部52dに当接する。また、第4番目のディスクトレイ3dに設けられた第1の当接部51dは、開口部2a側の面で、第5番目のディスクトレイ3eに設けられた第2の当接部52eに当接する。
【0033】
このように、各ディスクトレイ3a〜3eの開口部2aと反対側の端部に、第1および第2の当接部がそれぞれ設けられているので、第1番目のディスクトレイ3aが開口部2aから進出すると、第1番目のディスクトレイ3aに設けられている第1の当接部51aが第2番目のディスクトレイ3bに設けられている第2の当接部52bに当接し、第1番目のディスクトレイ3aと同時に第2番目のディスクトレイ3bが開口部2aから進出する。また、第2番目のディスクトレイ3bが開口部2aから進出すると、第2番目のディスクトレイ3bに設けられている第1の当接部51bが第3番目のディスクトレイ3cに設けられている第2の当接部52cに当接し、第2番目のディスクトレイ3bと同時に第3番目のディスクトレイ3cが、開口部2aから進出する。さらに順次、各ディスクトレイに設けられている第1の当接部が、順序が次であるディスクトレイに設けられている第2の当接部に当接するため、一度にすべてのディスクトレイを引き出すことができ、作業の効率化を図ることができる。
【0034】
図8は、第1番目のディスクトレイ3aを完全に退避させた後、第2番目のディスクトレイ3bを退避させている途中の状態を示す断面図である。このように、第2番目のディスクトレイ3bを退避させないと、第3番目のディスクトレイ3cに収納されているディスクを取り出すことができない。このため、予め定められた順序通りに取り出すべきディスクを取り出すことが可能となる。その結果、ディスクの取り違えを無くすことが可能となる。
【0035】
なお、以上の説明では、ラック本体2に収納されるディスクトレイが5つである場合を示したが、本発明は、これに限定されるわけではない。また、ラック全体に静電気防止対策が施されている事がより望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1の実施形態に係るディスクラックの正面図である。
【図2】第1番目のディスクトレイの平面図である。
【図3】第2番目(第3番目から第5番目)のディスクトレイの平面図である。
【図4】ディスクラックをA−A線により切断した断面図である。
【図5】ディスクラックをA−A線により切断した断面図である。
【図6】ディスクラックをA−A線により切断した断面図である。
【図7】第2の実施形態に係るディスクラックの断面図である。
【図8】第2の実施形態に係るディスクラックの断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ディスクラック
2 ラック本体
2a 開口部
3a〜3e ディスクトレイ
4a〜4e 溝部
5b〜5e 係止ピン
6 当接板
7 ツマミ
8b〜8e 溝
9a〜9e クッション材
10b〜10e ストッパ
20a、20b 凹部
21a、21b 切り欠き部
22a、22b 貫通孔
40 導電性部材
41 接地部材
50 ディスクラック
51a、51b、51c、51d、51e 第1の当接部
52a、52b、52c、52d、52e 第2の当接部
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVDやCDなどのディスクを収納するディスクラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、実開平7−42758号公報では、ディスク型記録媒体を容易に保護し、ブックレットの収納部を有する記録媒体収納ケースが開示されている。この記録媒体収納ケースは、紙製素材からなる箱状収納ケースであって、一対の蛇腹状の側壁でディスク型記録媒体を浮かせて挟持して保持する。また、ケースの一面と間隔をおいて外壁面を設け、外壁面とケースの一面との間の空間をブックレットの収納部としている。
【0003】
また、例えば、特開2004−075113号公報では、ケース入りのコンパクトディスク等を立てた状態で保持し、かつディスクケースが1枚用でも2枚用でも個別に支持することのできるようにしたディスクラックが開示されている。このディスクラックは、収納すべきディスクのケース周面を保持する2本以上の横桟と、この横桟を取り付ける端板と、横桟に装着されたスペーサーとから構成されている。そして、そのスペーサーは、横桟に装着される筒状部と、この筒状部の端部に形成されディスクの側壁に接する鍔とを有し、筒状部の長さはディスク1枚用のケースの厚さと同等として構成されている。
【特許文献1】実開平7−42758号公報
【特許文献2】特開2004−075113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ディスクドライブ機器の生産・検査ラインにおいては、機器の調整および検査に多数のディスクを使用しなければならない。作業者は、その多数のディスクを決められた順に機器に挿入し、調整あるいは検査を行なう。しかしながら、それぞれの作業者は、一人で複数台の機器の調整および検査を、並列作業にて行なっているため、場合によってはディスクを取り違える事がある。光ディスクドライブ機器の生産・検査ラインでは、このようなディスクの取り違いを防止する必要がある。
【0005】
しかし、上述したように、ディスクを収納する技術は種々のものが提案されているが、従来の技術では、収納されているディスクのうち、任意のディスクを容易に取り出すことができるように構成されているため、ディスクの取り違えを防ぐ事が出来ない。また、従来の技術では、ディスクを取り出し、または収納する際に手間がかかり、時間を要するため、生産ラインにおいて、頻繁にディスクの出し入れを行なう為に使用する収納ケースとしては適切ではない。従って、現在のところ、複数枚のディスクを平面に並べ置いて使用している。このため、ディスクの取り違えが発生するばかりでなく、ディスクを置く場所として大きな面積が必要になる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、光ディスクドライブ機器の生産・検査ラインなどにおいて、ディスクの取り違えを無くすことができるディスクラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明のディスクラックは、ディスクを収納する凹部が設けられた複数のディスクトレイと、一端に開口部を有し、前記各ディスクトレイをトレイ面の方向に対して平行に並べるように収納するラック本体と、前記ラック本体に設けられ、前記各ディスクトレイが前記開口部から進出または退避するように前記各ディスクトレイをそれぞれスライド可能に支持する複数の溝部と、第1番目のディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に固定され、第2番目以降のすべての前記ディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に当接する当接板と、を備え、前記第1番目のディスクトレイが前記開口部から進出すると同時に前記当接板に当接する第2番目以降のすべてのディスクトレイが前記開口部から進出する一方、前記第1番目のディスクトレイを前記開口部から前記ラック本体に退避させると、第2番目以降のすべてのディスクトレイが前記開口部から前記ラック本体に退避可能となることを特徴としている。
【0008】
このように、第1番目のディスクトレイの開口部と反対側の端部に、第2番目以降のすべてのディスクトレイの開口部と反対側の端部に当接する当接板が固定されているので、第1番目のディスクトレイが開口部から進出すると同時に当接板に当接する第2番目以降のすべてのディスクトレイが開口部から進出することとなる。これにより、一度にすべてのディスクトレイを引き出すことができるので、作業の効率化を図ることができる。また、第1番目のディスクトレイ以降、順序が先であるディスクトレイからディスクを取り出し、そのディスクトレイを退避させないと、順序が後のディスクトレイからディスクを取り出すことができないため、予め定められた順序通りに取り出すべきディスクを取り出すことが可能となる。その結果、ディスクの取り違えを無くすことが可能となる。
【0009】
(2)また、本発明のディスクラックは、ディスクを収納する凹部が設けられた複数のディスクトレイと、一端に開口部を有し、前記各ディスクトレイをトレイ面の方向に対して平行に並べるように収納するラック本体と、前記ラック本体に設けられ、前記各ディスクトレイが前記開口部から進出または退避するように前記各ディスクトレイをそれぞれスライド可能に支持する複数の溝部と、前記各ディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に設けられ、前記凹部と反対側へ突出し、隣接するディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に当接する当接部と、を備え、第1番目のディスクトレイが前記開口部から進出すると同時に第2番目以降のすべてのディスクトレイが前記開口部から進出する一方、第n番目(nはディスクトレイの最大数未満の自然数)のディスクトレイを単独でまたはそれ以前のすべてのディスクトレイと共に前記開口部から前記ラック本体に退避させると、第n+1番目のディスクトレイが単独で前記開口部から前記ラック本体に退避可能となることを特徴としている。
【0010】
このように、各ディスクトレイの開口部と反対側の端部に、凹部と反対側へ突出し、隣接するディスクトレイの開口部と反対側の端部に当接する当接部が設けられているので、第1番目のディスクトレイが開口部から進出すると、第1番目のディスクトレイに設けられている当接部が第2番目のディスクトレイの開口部と反対側の端部に当接し、第1番目のディスクトレイと同時に第2番目のディスクトレイが開口部から進出する。また、第2番目のディスクトレイが開口部から進出すると、第2番目のディスクトレイに設けられている当接部が第3番目のディスクトレイの開口部と反対側の端部に当接し、第2番目のディスクトレイと同時に第3番目のディスクトレイが開口部から進出する。さらに順次、各ディスクトレイに設けられている当接部が、順序が次であるディスクトレイの開口部と反対側の端部に当接するため、一度にすべてのディスクトレイを引き出すことができ、作業の効率化を図ることができる。また、第1番目のディスクトレイ以降、順序が先であるディスクトレイからディスクを取り出し、そのディスクトレイを退避させないと、順序が後のディスクトレイからディスクを取り出すことができないため、予め定められた順序通りに取り出すべきディスクを取り出すことが可能となる。その結果、ディスクの取り違えを無くすことが可能となる。
【0011】
(3)また、本発明のディスクラックにおいて、前記凹部にクッション材が設けられていることを特徴としている。
【0012】
このように、凹部にクッション材が設けられているため、収納されるディスクに傷が付くことを防止することができる。
【0013】
(4)また、本発明のディスクラックにおいて、前記クッション材は、静電気防止対策が施され、または導電性を有する素材で成形されていることを特徴としている。
【0014】
このように、クッション材は、静電気防止対策が施され、または導電性を有する素材で成形されているので、ディスクが帯電していた場合や、ディスクをディスクトレイから取り出しまたは収納する際に、摩擦により静電気を生じてディスクが帯電した場合でも、ディスクラックに収納している間にその静電気をクッション材へ吸収させ、ディスクから静電気を取り除くことが可能となる。
【0015】
(5)また、本発明のディスクラックにおいて、前記ラック本体は、収納状態で前記各ディスクトレイを接地する接地部材を備えていることを特徴としている。
【0016】
このように、ラック本体は、収納状態で各ディスクトレイを接地する接地部材を備えているので、ディスクが帯電していた場合や、ディスクをディスクトレイから取り出しまたは収納する際に、摩擦により静電気を生じてディスクが帯電した場合でも、ディスクラックに収納している間にその静電気を外部へ逃がし、ディスクから静電気を取り除くことが可能となる。
【0017】
(6)また、本発明のディスクラックにおいて、前記各ディスクトレイは、前記開口部側に設けられた切り欠き部と、前記凹部の中央に設けられた貫通孔と、を備えていることを特徴としている。
【0018】
このように、各ディスクトレイは、開口部側に設けられた切り欠き部と、凹部の中央に設けられた貫通孔とを備えているので、作業者は、ディスクラックからディスクを取り出す際に、親指と他のいずれか指とでディスクつまみやすくなる。
【0019】
(7)また、本発明のディスクラックにおいて、前記各ディスクトレイの前記開口部と反対側の端部において前記溝部方向へ突出するストッパと、前記溝部の開口部側近傍で突出する係止ピンと、をさらに備えることを特徴としている。
【0020】
このように、各ディスクトレイの開口部と反対側の端部において、溝部方向へ突出するストッパと、溝部の開口部側近傍で突出する係止ピンとを備えているので、作業者が第1番目のディスクトレイをスライドさせて進出させると、開口部側の近傍で、上記各ストッパと各係止ピンとが当接することとなる。これにより、作業者がディスクトレイを引き出しすぎてディスクトレイがラック本体から外れてしまう事態を回避することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1番目のディスクトレイ以降、順序が先であるディスクトレイからディスクを取り出し、そのディスクトレイを退避させないと、順序が後のディスクトレイからディスクを取り出すことができないため、予め定められた順序通りに取り出すべきディスクを取り出すことが可能となる。その結果、ディスクの取り違えを無くすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るディスクラックの正面図である。このディスクラック1は、ラック本体2と、第1番目から第5番目のディスクトレイ3a〜3eとから構成されている。ラック本体2は、正面に開口する開口部2aを有しており、この開口部2aから各ディスクトレイ3a〜3eが進出しまたは退避する。また、ラック本体2には、各ディスクトレイ3a〜3eをスライド可能にそれぞれ支持する溝部4a〜4eが設けられている。また、ラック本体2には、第2番目から第5番目の各ディスクトレイ3b〜3eを引き出しすぎて外してしまうことを防止するための係止ピン5b〜5eが設けられている。これらの係止ピン5b〜5eは、ラック本体2の側面を貫通し、溝部4bから4eの表面に突出するように設けられている。
【0023】
図2は、第1番目のディスクトレイ3aの平面図である。図1および図2に示すように、第1番目のディスクトレイ3aの開口部2aの反対側の端部には、2枚の当接板6が固定されている。この当接板6は、導電性材料により成形されており、収納時に、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eの開口部2aの反対側の端部に当接している。また、第1番目のディスクトレイ3aの開口部2a側の端部には、作業者が各ディスクトレイ3aを引き出しやすくするためのツマミ7が設けられている。
【0024】
図3は、第2番目のディスクトレイ3bの平面図である。なお、第3番目から第5番目のディスクトレイも第2番目のディスクトレイと同様の平面図に表わされる。図1および図3に示すように、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eの側面(溝部4b〜4e側)には、係止ピン5b〜5eを通すための溝8b〜8eが設けられている。第2番目から第5番目のディスクトレイ3b(〜3e:図示していない。)の側面にはストッパ10b(〜10e:図示していない)が設けられており、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eを開口部2aから進出させると、脱落する位置に到達する前にストッパ10b〜10eが、係止ピン5b〜5eと当接するので、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eが進出しすぎてラック本体2から脱落することを防止することが可能となる。
【0025】
なお、第1番目のディスクトレイ3aの側面には溝やストッパは設けられていない。これは、第1番目のディスクトレイ3aには、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eの開口部2aの反対側の端部に当接する当接板6が設けられているので、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eが、ストッパ10b〜10eと係止ピン5b〜5eとが当接することにより停止すると、それらに当接している当接板6によって、第1番目のディスクトレイ3aが脱落する位置に到達するまでに止めることができるからである。
【0026】
また、図2および図3に示すように、各ディスクトレイ3a、3bには、ディスクを収納する凹部20a、20bが設けられている。また、各ディスクトレイ3a、3bには、開口部2a側に設けられた切り欠き部21a、21bと、凹部20a、20bの中央に設けられた貫通孔22a、22bと、が設けられている。このため、作業者は、ディスクラック1からディスクを取り出す際に、親指と他のいずれか指とでディスクつまみやすくなる。
【0027】
また、図1に示すように、各ディスクトレイ3a〜3eの上面には、導電性を有する素材からなるクッション材9a〜9eが設けられている。このように、凹部20a、20bにクッション材9a〜9eが設けられているため、収納されるディスクに傷が付くことを防止することができる。また、クッション材9a〜9eが導電性を有する素材で成形されているので、ディスクが帯電していた場合や、ディスクをディスクトレイから取り出しまたは収納する際に、摩擦により静電気を生じてディスクが帯電した場合でも、ディスクラックに収納している間にその静電気をクッション材へ吸収させ、ディスクから静電気を取り除くことが可能となる。なお、クッション材9a〜9eに対して、静電気防止対策を施しても良い。
【0028】
図4は、ディスクラックをA−A線により切断した断面図であり、すべてのディスクトレイ3a〜3eがラック本体2に収納されている状態を示している。当接板6は、導電性部材40と接触しており、導電性部材40は、接地部材41を介して接地されている。このように、ラック本体2が、ディスクトレイ3a〜3eの収納状態で各ディスクトレイを接地する導電性部材40と接地部材41を備えているので、ディスクが帯電していた場合や、ディスクをディスクトレイから取り出しまたは収納する際に、摩擦により静電気を生じてディスクが帯電した場合でも、ディスクラックに収納している間にその静電気を外部へ逃がし、ディスクから静電気を取り除くことが可能となる。
【0029】
図5は、ディスクラックをA−A線により切断した断面図であり、すべてのディスクトレイ3a〜3eがラック本体2の開口部2aから進出した状態を示している。すなわち、第1番目のディスクトレイ3aが進出すると、それに伴って当接板6が進出し、その当接板6に当接している第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eが開口部2aから進出する。そして、第2番目から第5番目のディスクトレイ3b〜3eは、脱落する位置に到達する前に係合ピンおよびストッパ同士が当接するため、それらが当接する位置で停止する。その結果、第1番目のディスクトレイ3aも、図5に示すように停止することとなる。
【0030】
図5において、作業者が第1番目のディスクトレイ3aに収納されていたディスクを取り出し、またはディスクを収容し、第1番目のディスクトレイ3aをラック本体2の開口部2aと反対側へ退避させる。図6は、第1番目のディスクトレイ3aをラック本体2の開口部2aと反対側へ退避させている途中の状態を示している。すると、第2番目のディスクトレイ3bが出現する。これにより、第2番目のディスクトレイ3bに収納されているディスクを取り出し、またはディスクを収容すことができる。
【0031】
このように、第1番目のディスクトレイ3a以降、順序が先であるディスクトレイからディスクを取り出し、そのディスクトレイを退避させないと、順序が後のディスクトレイからディスクを取り出すことができないため、予め定められた順序通りに取り出すべきディスクを取り出すことが可能となる。その結果、ディスクの取り違えを無くすことが可能となる。
【0032】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態にかかるディスクラック50の断面図である。第2の実施形態では、第1の実施形態の当接板6に代えて、導電性を有する素材で成形され、各ディストレイ3a〜3eの下側に突出する第1の当接部51a〜51eと、各ディストレイ3a〜3eの上側に突出する第2の当接部52a〜52eと、を設けている。そして、第1番目のディスクトレイ3aに設けられた第1の当接部51aは、開口部2a側の面で、第2番目のディスクトレイ3bに設けられた第2の当接部52bに当接する。また、第2番目のディスクトレイ3bに設けられた第1の当接部51bは、開口部2a側の面で、第3番目のディスクトレイ3cに設けられた第2の当接部52cに当接する。また、第3番目のディスクトレイ3cに設けられた第1の当接部51cは、開口部2a側の面で、第4番目のディスクトレイ3dに設けられた第2の当接部52dに当接する。また、第4番目のディスクトレイ3dに設けられた第1の当接部51dは、開口部2a側の面で、第5番目のディスクトレイ3eに設けられた第2の当接部52eに当接する。
【0033】
このように、各ディスクトレイ3a〜3eの開口部2aと反対側の端部に、第1および第2の当接部がそれぞれ設けられているので、第1番目のディスクトレイ3aが開口部2aから進出すると、第1番目のディスクトレイ3aに設けられている第1の当接部51aが第2番目のディスクトレイ3bに設けられている第2の当接部52bに当接し、第1番目のディスクトレイ3aと同時に第2番目のディスクトレイ3bが開口部2aから進出する。また、第2番目のディスクトレイ3bが開口部2aから進出すると、第2番目のディスクトレイ3bに設けられている第1の当接部51bが第3番目のディスクトレイ3cに設けられている第2の当接部52cに当接し、第2番目のディスクトレイ3bと同時に第3番目のディスクトレイ3cが、開口部2aから進出する。さらに順次、各ディスクトレイに設けられている第1の当接部が、順序が次であるディスクトレイに設けられている第2の当接部に当接するため、一度にすべてのディスクトレイを引き出すことができ、作業の効率化を図ることができる。
【0034】
図8は、第1番目のディスクトレイ3aを完全に退避させた後、第2番目のディスクトレイ3bを退避させている途中の状態を示す断面図である。このように、第2番目のディスクトレイ3bを退避させないと、第3番目のディスクトレイ3cに収納されているディスクを取り出すことができない。このため、予め定められた順序通りに取り出すべきディスクを取り出すことが可能となる。その結果、ディスクの取り違えを無くすことが可能となる。
【0035】
なお、以上の説明では、ラック本体2に収納されるディスクトレイが5つである場合を示したが、本発明は、これに限定されるわけではない。また、ラック全体に静電気防止対策が施されている事がより望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1の実施形態に係るディスクラックの正面図である。
【図2】第1番目のディスクトレイの平面図である。
【図3】第2番目(第3番目から第5番目)のディスクトレイの平面図である。
【図4】ディスクラックをA−A線により切断した断面図である。
【図5】ディスクラックをA−A線により切断した断面図である。
【図6】ディスクラックをA−A線により切断した断面図である。
【図7】第2の実施形態に係るディスクラックの断面図である。
【図8】第2の実施形態に係るディスクラックの断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ディスクラック
2 ラック本体
2a 開口部
3a〜3e ディスクトレイ
4a〜4e 溝部
5b〜5e 係止ピン
6 当接板
7 ツマミ
8b〜8e 溝
9a〜9e クッション材
10b〜10e ストッパ
20a、20b 凹部
21a、21b 切り欠き部
22a、22b 貫通孔
40 導電性部材
41 接地部材
50 ディスクラック
51a、51b、51c、51d、51e 第1の当接部
52a、52b、52c、52d、52e 第2の当接部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを収納する凹部が設けられた複数のディスクトレイと、
一端に開口部を有し、前記各ディスクトレイをトレイ面の方向に対して平行に並べるように収納するラック本体と、
前記ラック本体に設けられ、前記各ディスクトレイが前記開口部から進出または退避するように前記各ディスクトレイをそれぞれスライド可能に支持する複数の溝部と、
第1番目のディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に固定され、第2番目以降のすべての前記ディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に当接する当接板と、を備え、
前記第1番目のディスクトレイが前記開口部から進出すると同時に前記当接板に当接する第2番目以降のすべてのディスクトレイが前記開口部から進出する一方、前記第1番目のディスクトレイを前記開口部から前記ラック本体に退避させると、第2番目以降のすべてのディスクトレイが前記開口部から前記ラック本体に退避可能となることを特徴とするディスクラック。
【請求項2】
ディスクを収納する凹部が設けられた複数のディスクトレイと、
一端に開口部を有し、前記各ディスクトレイをトレイ面の方向に対して平行に並べるように収納するラック本体と、
前記ラック本体に設けられ、前記各ディスクトレイが前記開口部から進出または退避するように前記各ディスクトレイをそれぞれスライド可能に支持する複数の溝部と、
前記各ディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に設けられ、前記凹部と反対側へ突出し、隣接するディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に当接する当接部と、を備え、
第1番目のディスクトレイが前記開口部から進出すると同時に第2番目以降のすべてのディスクトレイが前記開口部から進出する一方、第n番目(nはディスクトレイの最大数未満の自然数)のディスクトレイを単独でまたはそれ以前のすべてのディスクトレイと共に前記開口部から前記ラック本体に退避させると、第n+1番目のディスクトレイが単独で前記開口部から前記ラック本体に退避可能となることを特徴とするディスクラック。
【請求項3】
前記凹部にクッション材が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のディスクラック。
【請求項4】
前記クッション材は、静電気防止対策が施され、または導電性を有する素材で成形されていることを特徴とする請求項3記載のディスクラック。
【請求項5】
前記ラック本体は、収納状態で前記各ディスクトレイを接地する接地部材を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のディスクラック。
【請求項6】
前記各ディスクトレイは、前記開口部側に設けられた切り欠き部と、前記凹部の中央に設けられた貫通孔と、を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のディスクラック。
【請求項7】
前記各ディスクトレイの前記開口部と反対側の端部において前記溝部方向へ突出するストッパと、
前記溝部の開口部側近傍で突出する係止ピンと、をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のディスクラック。
【請求項1】
ディスクを収納する凹部が設けられた複数のディスクトレイと、
一端に開口部を有し、前記各ディスクトレイをトレイ面の方向に対して平行に並べるように収納するラック本体と、
前記ラック本体に設けられ、前記各ディスクトレイが前記開口部から進出または退避するように前記各ディスクトレイをそれぞれスライド可能に支持する複数の溝部と、
第1番目のディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に固定され、第2番目以降のすべての前記ディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に当接する当接板と、を備え、
前記第1番目のディスクトレイが前記開口部から進出すると同時に前記当接板に当接する第2番目以降のすべてのディスクトレイが前記開口部から進出する一方、前記第1番目のディスクトレイを前記開口部から前記ラック本体に退避させると、第2番目以降のすべてのディスクトレイが前記開口部から前記ラック本体に退避可能となることを特徴とするディスクラック。
【請求項2】
ディスクを収納する凹部が設けられた複数のディスクトレイと、
一端に開口部を有し、前記各ディスクトレイをトレイ面の方向に対して平行に並べるように収納するラック本体と、
前記ラック本体に設けられ、前記各ディスクトレイが前記開口部から進出または退避するように前記各ディスクトレイをそれぞれスライド可能に支持する複数の溝部と、
前記各ディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に設けられ、前記凹部と反対側へ突出し、隣接するディスクトレイの前記開口部と反対側の端部に当接する当接部と、を備え、
第1番目のディスクトレイが前記開口部から進出すると同時に第2番目以降のすべてのディスクトレイが前記開口部から進出する一方、第n番目(nはディスクトレイの最大数未満の自然数)のディスクトレイを単独でまたはそれ以前のすべてのディスクトレイと共に前記開口部から前記ラック本体に退避させると、第n+1番目のディスクトレイが単独で前記開口部から前記ラック本体に退避可能となることを特徴とするディスクラック。
【請求項3】
前記凹部にクッション材が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のディスクラック。
【請求項4】
前記クッション材は、静電気防止対策が施され、または導電性を有する素材で成形されていることを特徴とする請求項3記載のディスクラック。
【請求項5】
前記ラック本体は、収納状態で前記各ディスクトレイを接地する接地部材を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のディスクラック。
【請求項6】
前記各ディスクトレイは、前記開口部側に設けられた切り欠き部と、前記凹部の中央に設けられた貫通孔と、を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のディスクラック。
【請求項7】
前記各ディスクトレイの前記開口部と反対側の端部において前記溝部方向へ突出するストッパと、
前記溝部の開口部側近傍で突出する係止ピンと、をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のディスクラック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2008−24358(P2008−24358A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201547(P2006−201547)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(506254499)
【氏名又は名称原語表記】SANSHIN(MALAYSIA) Sendirian Berhad
【住所又は居所原語表記】Lot 55, Bakar Arang Industrial Estate, 08000 Sungai Petani, Kedah Darul Aman, Malaysia
【出願人】(506254488)サンシン電機インターナショナル株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(506254499)
【氏名又は名称原語表記】SANSHIN(MALAYSIA) Sendirian Berhad
【住所又は居所原語表記】Lot 55, Bakar Arang Industrial Estate, 08000 Sungai Petani, Kedah Darul Aman, Malaysia
【出願人】(506254488)サンシン電機インターナショナル株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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