説明

ディスク再生装置

【課題】 本発明は、ディスク再生装置において、音飛びなど再生音の不具合を少なくすることを目的とする。
【解決手段】 メモリコントローラ11は、メモリ9にデジタルデータを書き込んだ直後に、その書き込んだデジタルデータを読み出し、書き込んだデジタルデータと読み出したデジタルデータに誤りがあれば、制御部10へ誤りがあることを通知し、制御部10は、メモリコントローラ11からの通知を受け、誤りのあったデジタルデータを再度取得するようメモリコントローラ11に指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショックプルーフメモリを備えたディスク再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスクから取得したデジタルデータをメモリに一時蓄積し、このメモリに蓄積したデジタルデータを再生するショックプルーフ機能を備えたディスク再生装置がある。このショックプルーフ機能を備えることにより、振動やデータ読み込み失敗による再生音の不具合(音飛びなど)を低減することができる。
【0003】
上記メモリとして、DRAM(Dynamic Random Access Memory)を用い、メモリ内部の故障したアドレスには書き込みをしないようにするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−228067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例における課題は、外部からの電気的ノイズなどで起きるメモリへの書き込みや読み出しの際に、デジタルデータに異常が生じれば、以前として音飛びなど再生音に不具合が発生すると言うことである。
【0006】
すなわち、メモリ内部の異常なアドレスを使用しなかったとしても、書き込んだデジタルデータに異常があれば、そのデータを読み出して再生すれば、音飛びなど再生音に不具合が生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、外部からの電気的ノイズなどにより、デジタルデータに異常が生じても、音飛びなど再生音の不具合を少なくすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために本発明は、メモリコントローラは、メモリにデジタルデータを書き込んだ直後に、その書き込んだデジタルデータを読み出し、書き込んだデジタルデータと読み出したデジタルデータに誤りがあれば、制御部へ誤りがあることを通知し、制御部は、メモリコントローラからの通知を受け、誤りのあったデジタルデータを再度取得するようメモリコントローラに指示することを特徴とし、これによって所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明は、メモリへのデータの書き込みや読み出しの際に、デジタルデータに異常が生じれば、光ディスクから再度デジタルデータを取得するので、音飛びなど再生音の不具合を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態にかかるディスク再生装置を搭載した車内の正面側の斜視図
【図2】同ディスク再生装置のブロック図
【図3】図ディスク再生装置のショックプルーフ機能の処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1を、添付図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、車両の車内1を示し、そのフロント部分には、ハンドル2が設けられ、またこのハンドル2の側方のコンソールボックス3部分には車載用電子機器4が設置されている。
【0013】
車載用電子機器4は、図2に示すディスク再生装置5(CDプレーヤが代表的な例である)を内蔵している。
【0014】
ディスク再生装置5は、光ディスク6からデータを取得するピックアップ7と、ピックアップ7が取得したデータをデジタルデータへ変換し、メモリ9へデジタルデータを書き込み、および読み込みをするIC8を有する。また、デジタルデータを一時保持するメモリ9と、IC8やIC8を経由してピックアップ7などを制御し、ショックプルーフ機能を実現する制御部10を有する。
【0015】
なお、ショックプルーフ機能とは、振動や傷などで光ディスク6からデータが読めなくなった場合などに備え、メモリ9に一定量のデジタルデータを保持しておく仕組みである。
【0016】
次に、各構成について説明する。
【0017】
IC8は、ピックアップ7が取得したデータをデジタルデータへ変換する信号処理部12と、メモリ9へのデジタルデータの書き込み、および読み込みを制御するメモリコントローラ11で構成される。このメモリコントローラ11は、メモリ9へ書き込む前のデジタルデータ、およびメモリ9から読み込んだデジタルデータを保持するチェックブロック11aを有する。また、メモリコントローラ11は、制御部10の指示により、デジタルデータを再生部13へ出力する機能も有する。
【0018】
再生部13は、デジタルデータを再生するもので、デジタルデータをアナログ信号へ変換するDAC14と、アナログ信号を増幅するアンプ15と、スピーカ16を有する。
【0019】
ピックアップ7は、光ディスク6からデジタルデータを読み取る光ピックアップ17と、光ディスク6を回転駆動するスピンドルモータ18と、光ピックアップ17とスピンドルモータ18に駆動信号を与えるドライバ19を有する。
【0020】
以上のような構成において、ショックプルーフ機能の再生手順を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0021】
まず、制御部10は、光ディスク6から目標位置(例えば曲の先頭など)のデジタルデータを読み取るため、ピックアップ7に移動の指示をする(ステップ1)。そして、ピックアップ7は、光ピックアップ17が取得したデジタルデータをIC8へ出力する。
【0022】
次に、制御部10は、光ピックアップ17が出力したデジタルデータをメモリ9へ書き込むようメモリコントローラ11に指示する。すると、メモリコントローラ11は、チェックブロック11aに書き込みアドレスと書き込み前のデジタルデータを保持する。その後、メモリコントローラ11は、チェックブロック11aの書き込み前のデジタルデータ
をメモリ9へ書き込む(ステップ2)。
【0023】
ステップ3では、メモリコントローラ11は、メモリ9への書き込みが正常に終了したか確認する。具体的には、メモリコントローラ11は、メモリ9へデジタルデータを書き込んだ直後に、メモリ9からその書き込んだデジタルデータを読み出し、チェックブロック11aに保持する。そして、メモリコントローラ11は、書き込み前のデジタルデータと書き込んだ直後に読み出したデジタルデータを比較する。メモリコントローラ11は、比較結果が同じであれば、書き込みが正常終了したと判断しステップ4へ進み、そうでなければ異常終了したと判断しステップ6へ進む。
【0024】
ステップ4では、制御部10は、書き込みが異常終了した位置より手前へピックアップ7を移動させ、書き込みが異常終了したデジタルデータを再度読み取るようメモリコントローラ11へ指示する。このとき、メモリコントローラ11は、メモリ9へのデジタルデータの書き込みを中断する。そして、メモリコントローラ11は、再度取得したデジタルデータをメモリ9に保持するデジタルデータと接続する(ステップ5)。なお、デジタルデータの接続は、アドレスを使うことにより可能である。
【0025】
ステップ6では、メモリコントローラ11は、メモリ9へのデジタルデータの書き込みを継続する。以上で処理フローを終了する。
【0026】
なお、書き込みが異常終了したデジタルデータの情報をチェックブロック11aに保持しておくようにしても良い。
【0027】
これは、外部からの電気的ノイズなどでデータ異常が発生した場合などに、このような書き込み異常が起こる。しかし、光ディスク6の傷やメモリ9の不良によるデータ異常であれば再現確認が可能であるが、外部からの電気的ノイズなどによるデータ異常は、次々のデータを書き換えるため、再現確認が非常に困難である。
【0028】
したがって、書き込みが異常終了したデジタルデータの情報を保存しておくことにより、音飛びの発生が再現性のあるものかそうでないものかを判断する助けとすることができる。
【0029】
以上のように本発明は、メモリへのデータの書き込みや読み出しの際に、デジタルデータに異常が生じれば、光ディスクから再度デジタルデータを取得するので、音飛びなど再生音の不具合を少なくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上のように本発明は、メモリコントローラは、メモリにデジタルデータを書き込んだ直後に、その書き込んだデジタルデータを読み出し、書き込んだデジタルデータと読み出したデジタルデータに誤りがあれば、前記制御部へ誤りがあることを通知し、制御部は、メモリコントローラからの通知を受け、誤りのあったデジタルデータを再度取得するようメモリコントローラへ指示するので、その結果として音飛びなど再生音の不具合を少なくすることができ、使い勝手の良いものとなるのである。
【0031】
したがって、車載用電子機器として広く活用されるものとなる。
【符号の説明】
【0032】
1 車両の車内
2 ハンドル
3 コンソールボックス
4 車載用電子機器
5 ディスク再生装置
6 光ディスク
7 ピックアップ
8 IC
9 メモリ
10 制御部
11 メモリコントローラ
12 信号処理部
13 再生部
14 DAC
15 アンプ
16 スピーカ
17 光ピックアップ
18 スピンドルモータ
19 ドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクからデジタルデータを取得するピックアップと、このピックアップへの前記デジタルデータの取得指示と、前記デジタルデータのメモリへの書き込み、および読み出しを行うメモリコントローラと、前記デジタルデータを再生部へ出力するよう前記メモリコントローラへ指示する制御部を備え、
前記メモリコントローラは、前記メモリに前記デジタルデータを書き込んだ直後に、その書き込んだデジタルデータを読み出し、書き込んだデジタルデータと読み出したデジタルデータに誤りがあれば、前記制御部へ誤りがあることを通知し、
前記制御部は、前記メモリコントローラからの通知を受け、誤りのあったデジタルデータを再度取得するよう前記メモリコントローラへ指示するディスク再生装置。
【請求項2】
前記制御部は、再度取得したデジタルデータと前記メモリに保持するデジタルデータとを接続するよう前記メモリコントローラに指示することを特徴とする請求項1に記載のディスク再生装置。
【請求項3】
前記メモリコントローラは、書き込んだデジタルデータと読み出したデジタルデータに誤りがあれば、その誤りがあったデジタルデータの情報を保持することを特徴とする請求項1に記載のディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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