説明

ディスク収容ケースと、ディスク収容ケース形成用シート

【課題】CDやDVDといった中心孔が設けられたディスクの収容や取り出しといった操作を容易とし、しかも簡易な構造でディスクが損傷することなく保管することができるディスク収容ケースを提供する。
【解決手段】ディスク収容ケース10は、第1折り部11を介して折り重ねるように連設している開閉可能な第1カバー1及び第2カバー2とから構成され、内面1aに先端領域がディスクの中心孔に挿通されることとなるディスク保持片3を突出して備える。ディスク保持片は、第1カバーを閉じるとき、この閉じ動作に追従して第2カバーに接近しつつ、第1カバーと対向することとなる第2カバーの内面2aに沿って移動し、第1カバーと第2カバーとの間に挟み込まれるように倒伏する。また、ディスク保持片は、第1カバーの開くとき、この開き動作に応じて第2カバーの内面から離れるように第1カバーの内面上で起立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、CDやDVDといった情報記録媒体であるディスクを収容して保管するディスク収容ケースに係り、詳しくは、中心孔が設けられたディスクの収容や取り出しといった操作を容易とし、しかも簡易な構造でディスクが損傷することなく保管することができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
CDやDVDといった中心孔が設けられたディスクを収容するディスク収容ケースとしては、ディスクを収容する空間を備える皿状のケース本体と、このケース本体に連結され、ヒンジ部を介して開閉自在に合掌される蓋体とから構成されるものが一般的に広く知られている。このようなディスク収容ケースでは、ディスクの収容状態においてディスクが浮遊して損傷しないように、ディスクの外周縁部や中心孔周縁部の複数個所を突起等で係止し、収容空間内において平面状に収容して保持するようにしている。したがって、このような突起等での係止によるディスクの保持の場合、ディスクを取り出すためには、ディスクの外周に指先を掛け、突起等による係止力に抗する力を加えてその係止を解除するようにしなければならない。
【0003】
ところが、ディスクはケース本体の収容空間内に平面状に収容されているため、取り出す際に指先がディスクの外周に掛かり難いと共に、指先を掛ける位置が制限され、ケース本体より取り出し辛いものである。しかも、突起等による係止力に抗して取り出す際の力の加減や、ディスクを保持するための指先を掛ける位置などを考慮しなければ容易に取り出すことができず、その操作が面倒で煩わしいものであった。
【0004】
そこで、このような突起等によるディスクの係止を解除するための煩わしさを解消するものとして、折重ね可能な左右のカバーと、該カバー間に折り込む保持部と、該保持部の頂部に開口する開口部と、該開口部にコンパクトディスクを挿入して該コンパクトディスクの孔の上部と係合する該保持部の頂部に設けた切欠きを備え、該保持部は、前記カバーを左右に開くことにより山形に起立し、前記頂部の切欠きを介して支持するコンパクトディスクを回転させることで、ディスクの出し入れを簡単にするようにした手段を有するCD用の包装ケースが提案されている(特許文献1を参照)。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された手段では、保持部の頂部に開口する開口部に対してディスクを径方向に差し込むと共に、この保持部の頂部に形成する突片に対してディスクの孔を挿入し、さらに、この頂部に設けた切欠きを介してディスクを支持する。そのため、ディスクの取り出しにおいては、突片からディスクの孔を外すと共に、開口部からディスクの径方向部分を抜き出さなければならない。すなわち、突片からディスクの孔を外す方向への動作と、開口部からディスクの径方向部分を抜き出す方向への動作とを要する。また、ディスクの収容においても、ディスクの取り出しとは逆の二つの動作を要する。
【0006】
したがって、突起等による係止力に抗してディスクを取り出す際の力の加減や、ディスクを保持するための指先の掛け位置などを考慮する必要は無くなったが、代わりに、突片からディスクの孔を外すと共に、開口部からディスクの径方向部分を抜き出すといった二段階の動作を要するため、未だディスクの取り出しや収容といった操作が面倒で煩わしいものであった。特に、ディスクの収容において、狭い開口部へのディスクの径方向部分の指し込みを行いながら、突片へのディスクの孔の挿入を行うのは非常に煩わしいものである。
【0007】
また、上記特許文献1に記載された手段では、突片からディスクの孔が十分に外れていない中途半端な状態で、ディスクの径方向部分を開口部から抜き出す方向への動作を行ってしまったとき、ディスクの孔が突片の先端部に引っ掛かることでディスクを手から滑らせ床面等に落下させ、ディスクを破損させてしまう虞や、情報記録面を傷つけてしまう虞がある。
【0008】
さらに、上記特許文献1に記載された手段では、ディスクの孔に挿通される突片の向きが、左右のカバーを折重ねたときに単にカバー同士が重なっただけの開口するケース縁部側を向いているものであるため、ケースの向きによっては、突片からディスクの孔が解除されると共に、開口部からディスクの径方向部分の解除が同時になされ、無意識のうちにディスクがケースから落下してしまう虞もある。
【特許文献1】特開2002−234588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、中心孔が設けられたディスクの収容や取り出しといった操作を容易とし、しかも簡易な構造でディスクが損傷することなく保管することができるディスク収容ケースを提供することを目的とする。
また、本発明は、中心孔が設けられたディスクの収容や取り出しといった操作を容易とするディスク収容ケースを効率良く簡単に形成することができるディスク収容ケース形成用シートを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係るディスク収容ケースは、第1折り部を介して折り重ねるように連設している開閉可能な第1カバー及び第2カバーとから構成され、CDやDVDといった中心孔が設けられたディスクを収容するケースであって、前記第1カバーは、閉じることで前記第2カバーと対向することとなる内面に、先端領域が前記ディスクの中心孔に挿通されることとなるディスク保持片を突出して備え、前記ディスク保持片は、前記第1カバーを閉じるとき、この閉じ動作に追従して倒伏すると共に、前記第1カバーの開くとき、この開き動作に応じて前記第1カバーの内面上で起立することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に係るディスク収容ケースは、前記請求項1に係るディスク収容ケースにおいて、前記ディスク保持片が、前記第1カバーの内面に取り付けられた固定領域と、前記内面より立ち上がる起立領域とを有し、前記固定領域と前記起立領域は、第2折り部を介して連成していることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3に係るディスク収容ケースは、前記請求項2に係るディスク収容ケースにおいて、前記ディスク保持片が、前記第2折り部において谷折り側から山折り側へ向かって打ち抜かれて形成されたミシン目を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項4に係るディスク収容ケースは、前記請求項1乃至3のいずれか1項に係るディスク収容ケースにおいて、前記ディスク保持片が、前記ディスクの中心孔の挿通を途中で制御する段差部を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項5に係るディスク収容ケースは、前記請求項1乃至4のいずれか1項に係るディスク収容ケースにおいて、前記第2カバーが、閉じることで前記第1カバーと対向することとなる内面に前記ディスクを収容する凹部を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項6に係るディスク収容ケースは、前記請求項5に係るディスク収容ケースにおいて、前記第2カバーが、前記凹部の上縁部から中央部へ向かって僅かに迫り出すディスク押さえ片を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項7に係るディスク収容ケースは、前記請求項1乃至6のいずれか1項に係るディスク収容ケースにおいて、前記第1カバーと前記第2カバーとが前記第1折り部を介して連接されると共に、前記第1カバーと前記ディスク保持片とが第3折り部を介して連接された一枚のシートを折ることにより形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項8に係るディスク収容ケースは、前記請求項7に係るディスク収容ケースにおいて、前記シートは、全体が紙材で形成されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項9に係るディスク収容ケースは、前記請求項1乃至8のいずれか1項に係るディスク収容ケースにおいて、前記第1カバー又は前記第2カバーが、立体的な箱型収容部を連設して備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項10に係るディスク収容ケースは、前記請求項9に係るディスク収容ケースにおいて、前記箱型収容部が、前記第1カバー又は前記第2カバーと連接され、第4折り部を介して前記第2カバー又は前記第1カバーの外面に向かって折り返し可能であることを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項11に係るディスク収容ケース形成用シートは、第1折り部を介して折り重ねるように連設している開閉可能な第1カバー及び第2カバーと、から構成され、CDやDVDといった中心孔が設けられたディスクを収容し、前記第1カバーは、閉じることで前記第2カバーと対向することとなる内面に、先端領域が前記ディスクの中心孔に挿通されることとなるディスク保持片を突出して備え、前記ディスク保持片は、前記第1カバーを閉じるとき、この閉じ動作に追従して倒伏すると共に、前記第1カバーの開くとき、この開き動作に応じて前記第1カバーの内面上で起立することとなるディスク収容ケースを形成するためのシートであって、前記ディスクを覆うことが可能な大きさをそれぞれ有する第1カバー部と第2カバー部とを連接して備えると共に、前記ディスクの中心孔に挿通されることとなる先端領域を有するディスク保持片部を前記第1カバー部に連接して備え、前記第1カバー部と第2カバー部とを区分し、一面側において山折りとなる第1折り部と、前記ディスク保持片部において、前記第1カバー部へ取り付けられこととなる固定領域と、前記第1カバー部へ取り付けられることなく立ち上がる起立領域とを区分し、一面側において谷折りとなる第2折り部と、前記第1カバー部と前記ディスク保持部とを区分し、一面側において山折りとなる第3折り部と、を有することを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項12に係るディスク収容ケース形成用シートは、第1折り部を介して折り重ねるように連設している開閉可能な第1カバー及び第2カバーと、第4折り部を介して折り重ねるように前記第1カバー又は前記第2カバーと連接する立体的な箱型収容部とから構成され、CDやDVDといった中心孔が設けられたディスクを収容し、前記第1カバーは、閉じることで前記第2カバーと対向することとなる内面に、先端領域が前記ディスクの中心孔に挿通されることとなるディスク保持片を突出して備え、前記ディスク保持片は、前記第1カバーを閉じるとき、この閉じ動作に追従して倒伏すると共に、前記第1カバーの開くとき、この開き動作に応じて前記第1カバーの内面上で起立することとなるディスク収容ケースを形成するためのシートであって、前記ディスクを覆うことが可能な大きさをそれぞれ有する第1カバー部と第2カバー部とを連接して備えると共に、前記ディスクの中心孔に挿通されることとなる先端領域を有するディスク保持片部を前記第1カバー部に連接して備え、さらに、組み立て可能とする立体的な箱型収容組み立て部を前記第1カバー部又は前記第2カバー部と連接に連接して備え、前記第1カバー部と第2カバー部とを区分し、一面側において山折りとなる第1折り部と、前記ディスク保持片部において、前記第1カバー部へ取り付けられこととなる固定領域と、前記第1カバー部へ取り付けられることなく立ち上がる起立領域とを区分し、一面側において谷折りとなる第2折り部と、前記第1カバー部と前記ディスク保持片部とを区分し、一面側において山折りとなる第3折り部と、前記第1カバー部又は前記第2カバー部と前記箱型収容部とを区分し、一面側において山折りとなる第4折り部と、を少なくとも有することを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項13に係るディスク収容ケース形成用シートは、請求項11又は12に係るディスク収容ケース形成用シートにおいて、前記一面側には、印刷が施されていることを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項14に係るディスク収容ケース形成用シートは、請求項11乃至13のいずれか1項に係るディスク収容ケース形成用シートにおいて、前記シートは、全体が紙材で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明のディスク収容ケースは、 第1折り部を介して折り重ねるように連設している開閉可能な第1カバー及び第2カバーとから構成され、閉じることで第2カバーと対向することとなる第1カバーの内面に、第1カバーを閉じるとき、この閉じ動作に追従して倒伏すると共に、第1カバーの開くとき、この開き動作に応じて第1カバーの内面上で起立し、先端領域がディスクの中心孔に挿通されることとなるディスク保持片を突出して備える。ゆえに、ディスクの収容においては、第1カバーを開くことで起立するディスク保持片の先端領域に対して、ディスクの中心孔を挿通するように、ディスク保持片の起立方向に沿ってディスクを移動させ、ディスクの外周縁部の一部が第2カバーの内面に位置するように、ディスクを斜めに架け渡して配置する。そうすると、そのまま第1カバーを閉じることで、これに追従してディスクを保持するディスク保持片が倒伏すると共に、このディスク保持片の倒伏に伴って、ディスクはディスク保持片の先端領域にその中心孔を挿通した状態を維持しながら、第2カバーの内面上に位置するディスクの外周縁部が滑るように第2カバーの内面に沿って移動しながら倒伏する。そして、第1カバーと第2カバーとの間に挟み込まれるように、中心孔が先端領域に挿通されたままディスクが保持、収容されることになる。一方、ディスクの取り出しにおいては、第1カバーを開くと、これに追従してディスク保持片が第2カバーの内面より離れるように起立し、このディスク保持片の起立に伴って、ディスクはディスク保持片の先端領域にその中心孔を挿通した状態を維持しながら、ディスクの外周縁部の一部が滑るように第2カバーの内面に沿って移動し、ディスクは外周縁部の一部が第2カバーの内面に位置した状態で斜めに架け渡すように起き上がる。そして、ディスクの中心孔をディスク保持片の先端領域から外すように、ディスク保持片の起立方向に沿ってディスクを移動させる。これにより、ディスクがケースから取り出される。
したがって、中心孔が設けられたディスクの収容や取り出しといった操作を容易とし、しかも簡易な構造でディスクが損傷することなく保管することができるディスク収容ケースを提供することができる。
【0025】
また、本発明のディスク収容ケース形成用シートは、少なくとも、ディスクを覆うことが可能な大きさをそれぞれ有する第1カバー部と第2カバー部とを連接して備えると共に、ディスクの中心孔に挿通されることとなる先端領域を有するディスク保持片部を第1カバー部に連接して備える。また、第1カバー部と第2カバー部とを区分し、一面側において山折りとなる第1折り部と、ディスク保持片部において、第1カバー部へ取り付けられこととなる固定領域と、第1カバー部へ取り付けられることなく立ち上がる起立領域とを区分し、一面側において谷折りとなる第2折り部と、第1カバー部とディスク保持部とを区分し、一面側において山折りとなる第3折り部とを有する。ゆえに、ディスク収容ケースの形成においては、ディスク収容ケース形成用シートの一面側を裏にして他面側を表にした状態で、第3折り部を谷折りして第1カバー部とディスク保持部とを折り重ねると共に、第2折り部を山折りしてディスク保持片部における起立領域を立ち上がらせ、さらに、第1折り部を谷折りして第1カバー部と第2カバー部とを折り重ねる。これにより、閉じることで第2カバーと対向することとなる第1カバーの内面に、第1カバーを閉じるとき、この閉じ動作に追従して倒伏すると共に、第1カバーの開くとき、この開き動作に応じて第1カバーの内面上で起立し、先端領域がディスクの中心孔に挿通されることとなるディスク保持片を突出して備えるディスク収容ケースとすることができる。
したがって、中心孔が設けられたディスクの収容や取り出しといった操作を容易とするディスク収容ケースを効率良く簡単に形成することができるディスク収容ケースを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明における実施の形態の一例について、図面を参照して説明する。
本発明で意図するディスク収容ケースは、折り部を介して折り重ねるように連設している開閉可能な第1カバー及び第2カバーとから構成され、CDやDVDといった中心孔が設けられたディスクを収容するものである。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるため技術的に種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0027】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明に係るディスク収容ケースを示す図であり、図1(a)は第1カバーと第2カバーとを折り重ねるように閉じた状態示す斜視図であり、図1(b)は第1カバーを開いた状態示す斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態におけるディスク収容ケース10は、第1折り部11を介して折り重ねるように連設している開閉可能な第1カバー1と第2カバー2とから構成されている。したがって、ディスク収容ケース10は、図1(a)中の一転鎖線の矢印で示すように、第1カバー1と第2カバー2とを折り重ねるように第1折り部11において閉じたり、図1(b)中の一転鎖線の矢印で示すように、第2カバー2を露呈させるように第1カバー1を開いたりすることが可能なものとなっている。
【0028】
第1カバー1は、閉じることで第2カバー2と対向することとなる内面1aに、ディスクDの中心孔dに挿通されることとなる先端領域33を有するディスク保持片3を突出して備える。すなわち、ディスク保持片3は、第1カバー1と第2カバー2とを区分する第1折り部11より、第1カバー1側に少しずれた位置に設けられている。これにより、第1カバー1の開閉に伴ってディスク保持片3が起伏するものとなる。
【0029】
そして、図2に示すように、ディスク収容ケース10は、ディスク保持片3の先端領域33にディスクDの中心孔dを挿通することで、取り出し易いようにディスクDを斜めに立てて支持する。また、ディスク収容ケース10は、ディスクDが無闇に飛び出さないようにディスクDの中心孔dを先端領域33に挿通したまま倒伏してディスクDを保管する。
【0030】
ここで、第1カバー1と第2カバー2の開閉操作に伴うディスク保持片3の動きは、図3に示すことができる。図3は、本発明に係るディスク収容ケースの開閉操作に伴うディスク保持片の動作を説明する模式図である。
図3(a)において、図中の一転鎖線の矢印で示すようにディスク収容ケース10の第1カバー1の開くと、ディスク保持片3はこの開き動作に応じて、図中の二転鎖線の矢印で示すように第2カバー2の内面2aから離れるように第1カバー1の内面1a上で起立する状態が示されている。
また、図3(b)において、ディスクDの中心孔dをディスク保持片3の先端領域33に挿通することで、ディスクDを斜めに立てて第2カバー2の内面2a上に支持する状態が示されている。このとき、ディスク保持片3は、ディスクDを支持することでその重みにより、起立状態が第2カバー2側へ少し傾斜した状態となる。そして、図3(b)中の一転鎖線の矢印で示すように第1カバー1を閉じると、この閉じ動作に追従してディスク保持片3は倒伏する。
【0031】
図3(c)において、第1カバー1が半分ほど閉じられると、ディスク保持片3はこの閉じ動作に追従して第2カバー2に接近し、ディスクDも下端周縁部が第2カバー2の内面2aに沿って滑るように移動して倒伏する状態が示されている。
さらに、図3(d)において、第1カバー1を第2カバー2に重ねるように閉じると、ディスク保持片3は第2カバー2の内面2aに沿ってさらに移動し、第1カバー1と第2カバー2との間に挟み込まれるように倒伏する状態が示されている。したがって、ディスクDは中心孔dをディスク保持片3の先端領域33に挿通した状態のまま倒伏してディスク収容ケース10内に保管されたものとなっている。これにより、ディスク保持片3がディスクDの動きを制御し、ディスクDはディスク収容ケース10から無闇に飛び出さないものとなる。
【0032】
そして、ディスク収容ケース10の第1カバー1を開くときは、上述した動きとは逆に、図3(d)において示す状態から図3(c)において示す状態、図3(b)において示す状態となり、ディスク保持片3の起立動作に伴って、ディスクDが、第2カバー2の内面2a上に斜めに立てられた状態に支持されるものとなる。
【0033】
また、ディスク保持片3は、第1カバー1の内面1aに突出して一体的に形成されたものでも良いが、第1カバー1の内面1aに取り付けられる固定領域と、第1カバー1の内面1aより立ち上がる起立領域とを有し、固定領域と起立領域とが、第2折り部を介して連成しているものとすると望ましい。この固定領域と起立領域とが、第2折り部を介して連成しているディスク保持片は、たとえば図4に示すことができる。
図4において、第1カバー1の内面1aに取り付けられる固定領域31と、第1カバー1の内面1aより立ち上がる起立領域32とを有し、固定領域31と起立領域32とが、第2折り部12を介して連成しているディスク保持片3が示されている。これにより、第1カバー1の内面1aにおける所望の箇所へディスク保持片3を後から取り付けることができると共に、第1カバー1とディスク保持片3とが連成された一枚のシートで一体的に効率良く形成することができる。
【0034】
また、ディスク保持片3は、ディスクの中心孔の挿通を途中で阻止するように、先端部から基端部へ向かいにしたがって徐々に幅広となるように形成されたテーパ状をしたものとすることができる。ところが、ディスク保持片3は、テーパ状に形成したものであると、材質によっては使用回数が増すにつれてテーパ面が摺れ、ディスクDが必要以上にディスク保持片3の基端部側へ挿入され、第1カバー1と第2カバーの折り重ねに支障をきたしてしまう虞がある。
そこで、ディスク保持片3は、ディスクDの中心孔dの挿通を途中で制御又は阻止する段差部を備えるものとすると望ましい。この段差部を備えるディスク保持片は、たとえば図5に示すことができる。
図5において、ディスク保持片3の先端領域33の幅w1より広い幅w2を有する段差部35が示されている。この段差部35は、ディスクDの中心孔d縁部が係止することとなる先端領域33の幅に比して急に幅広となる部分である。これにより、ディスクDが必要以上にディスク保持片3の基端部側へ挿入されることを段差部35によって確実に防止することができる。
【0035】
また、ディスク保持片3は、固定領域31と起立領域32とを第2折り部12を介して連成したものとした場合、第2折り部12において谷折り側から山折り側へ向かって打ち抜かれて形成されたミシン目を有するものとすると望ましい。このミシン目を有するディスク保持片は、たとえば図6に示すことができる。図6は、本発明に係るディスク収容ケースにおけるディスク保持片の構造を説明する図であり、図6(a)は倒伏状態を示す部分拡大側面図、図6(b)は起立状態を示す部分拡大側面図である。
図6(a)において、ディスク保持片3の固定領域31と起立領域32とを区分けする第2折り部12となる箇所を、図中矢印で示すように、第2折り部12としての谷折り側から山折り側へ向かってミシン歯で打ち抜き、ミシン目34が形成されることが示されている。
また、図6(b)において、第2折り部12よりディスク保持片3を折り曲げ、起立領域32を立ち上がらせることが示されている。
【0036】
すなわち、第2折り部12としての谷折り側から山折り側へ向かってミシン歯で打ち抜くと、打ち抜いた側(谷折り側)から打ち抜かれた側(山折り側)へ向かってやや湾曲するミシン目34が形成される。そして、このミシン目34は、切れ目部分が第2折り部12でのディスク保持片3の折り曲げを容易なものとすると共に、湾曲する部分がその圧接力によって折り曲げ状態が元に戻る(すなわち、平面状になる)ことを抑制するものとなる。したがって、ディスク保持片3によってディスクDを支持する際、ミシン目34の湾曲する部分がディスク保持片3の起立状態を維持するようにディスクDの重み抗するように作用し、ディスク保持片3が倒伏することを抑止するものとなる。
【0037】
一方、第2カバー2は、その内面2aが平坦な状態をしたものであっても良いが、閉じることで第1カバー1と対向することとなる内面2aにディスクの一部を収容する凹部21を備えるものとすると望ましい。この凹部21は、ディスクDの厚み相当の深さを有する空間であれば良い。凹部21を備えることにより、ディスクDを確実に第2カバー2の内面2a側において保持することができる。
【0038】
また、第2カバー2は、凹部21を有する場合、ディスクDの上縁部を覆うように凹部21の上縁部から中央部へ向かって僅かに迫り出す庇状のディスク押さえ片22を備えるものとすると望ましい。このディスク押さえ片22を備えることにより、ディスクDが凹部21から無闇にずれることを防止し、ディスクDをより一層確実に第2カバー2の内面2a側において保持することができる。
【0039】
以上のように構成されたディスク収容ケース10は、第1カバー1と第2カバー2とが第1折り部11を介して連接されると共に、第1カバー1とディスクDの中心孔dに挿通されることとなる先端領域33を備えるディスク保持部3とが第3折り部13を介して連接され、さらに、ディスク保持部3が、第1カバー1の内面1aに取り付けられる固定領域31と、第1カバー1の内面1aより立ち上がる起立領域32とを有し、固定領域31と起立領域32とが、第2折り部12を介して連成している一枚のシートを折ることにより形成されているものとすると望ましい。
【0040】
ここで、第1カバー1と第2カバー2とディスク保持部3とが一体的に形成されたシートとしては、たとえば、図7に示すようなディスク収容ケース形成用シートとすることができる。図7は、本発明に係るディスク収容ケース10を形成するディスク収容ケース形成用シートを示す平面図である。
図7において、ディスク収容ケース形成用シート100は、ディスクDを覆うことが可能な大きさをそれぞれ有する第1カバー部101と第2カバー部102とを連接して備える。この第2カバー部102は、第2カバー基部となる第2カバー部第1シート片102aと、凹部21を形成するための凹部用第1孔部121aを有し、ディスク押さえ片22を備える第2カバー部第2シート片102bと、凹部21を形成するための凹部用第2孔部121bを有する第2カバー部第3シート片102cとによって構成されている。また、第1カバー部101は、ディスクDの中心孔dに挿通されることとなる先端領域33を有するディスク保持片部103を連接して備える。
【0041】
また、ディスク収容ケース形成用シート100は、第1カバー部102と第2カバー部(第2カバー部第1シート片)102aとを区分し、一面100a側において山折りとなる第1折り部11を有する。また、ディスク保持片部103において、第1カバー部101へ取り付けられこととなる固定領域31と、第1カバー部101へ取り付けられることなく立ち上がる起立領域32とを区分し、一面100a側において谷折りとなる第2折り部12を有する。この第2折り部12は、ミシン目34を有すると望ましい。また、第1カバー部101とディスク保持部103とを区分し、一面100a側において山折りとなる第3折り部13とを有する。
【0042】
また、第2カバー部102は、第2カバー部第1シート片102aと第2カバー部第2シート片102bとを区分し、一面100a側において山折りとなる凹部用第1折り部41、及び第2カバー部第2シート片102bと第2カバー部第3シート片102cとを区分し、一面100a側において山折りとなる凹部用第2折り部42を有する。したがって、凹部用第2折り部42において第2カバー部第3シート片102cを折り込むと共に、凹部用第1折り部41において第2カバー部第2シート片102b折り込むことで、上縁部にディスク押さえ片22を備える凹部21を、第2カバー部102上に効率良く簡単に形成することができる。
【0043】
また、このディスク収容ケース形成用シート100は、全体が紙材で形成されていると望ましい。紙材としては、ディスクDを保管するケースとして強度と、ディスクDを支持するディスク保持部3を起立可能とすることを考慮すると共に、型抜き、折り曲げ、及び貼付が可能なものとする。これにより、ディスク収容ケースを折り紙のように簡単に折って形成することができると共に、合成樹脂製のものに比して環境への配慮を施したディスク収容ケースとすることができる。また、ディスク収容ケースの軽量化を図ることもできる。さらに、ディスク収容ケース表面への印刷等の加工が容易で、効率良く行なえるものとすることができる。しかも、ディスク収容ケース1の表面等に印刷が施されたものとする場合、ディスク収容ケース形成用シート100の状態において一面100a側に印刷が施されると、シートを折ることで印刷が施された面が露呈するようにディスク収容ケース1を形成することができる。
【0044】
次に、以上のように構成されたディスク収容ケース形成用シート100を用いてディスク収容ケース10を形成する場合の折り方について説明する。図8及び図9は、ディスク収容ケースを形成する手順を順次説明する図である。
まず、図8(a)に示すように、ディスク収容ケース形成用シート100の他面100b側を表にして準備し、第2カバー部第2シート片102bの上へ第2カバー部第3シート片102cを重ねるように、凹部用第2折り部42において第2カバー部102を折り込む。
次いで、図8(b)に示すように、第2カバー部第1シート片102aの上へ第2カバー部第2シート片102bを重ねて、第2カバー部第3シート片102cを、第2カバー部第1シート片102aと第2カバー部第2シート片102bとで挟み込むように、凹部用第1折り部41において第2カバー部102を折り込む。
【0045】
これにより、上縁部にディスク押さえ片22を備える凹部21を有する第2カバー2を、効率良く簡単に形成することができる。したがって、第2カバー2は、第2カバー部第1シート片102aと第2カバー部第2シート片102bと第2カバー部第3シート片102cとによって構成されている。
【0046】
また、図9(a)に示すように、第1カバー部101の上へディスク保持片部103を重ねるように、第3折り部13において折り込み、固定領域31部分を第1カバー部101へ取り付ける。
引き続き、図9(b)に示すように、第1カバー部101へ取り付けられることなく立ち上がることとなる起立領域32を第2折り部12において折り返す。
【0047】
これにより、図9(c)に示すように、第1折り部11を介して折り重ねるように連設している開閉可能な第1カバー1と第2カバー2とから構成され、第1カバーは、閉じることで第2カバーと対向することとなる内面1aに、先端領域33がディスクの中心孔に挿通されることとなるディスク保持片3を突出して備えるディスク収容ケース10を、一枚のディスク収容ケース形成用シート100を用いて一体的に効率良く形成することができる。
なお、ディスク収容ケース形成用シート100の一面100a側に予め印刷が施されていれば、このとき、ディスク収容ケースにおいて露呈する面、すなわち第1カバー1と第2カバー2の内外両面に印刷が施されたものとなっている。
【0048】
<第2の実施の形態>
また、本発明のディスク収容ケースは、ディスクに記録された内容に関連する文書や図面、サンプル等の物品を一緒に収容することもできる。すなわち、上述した第1の実施の形態とは、関連する物品等の収容部を備える点で異なる。
なお、以下に述べる他の各実施の形態では、上述した第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第1の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【0049】
図10は、本発明に係る他のディスク収容ケースを示す図であり、図10(a)は第1カバーと第2カバーと箱型収容部とを開いた状態から第1カバーと第2カバーとを折り重ねるように閉じることを示す斜視図であり、図10(b)は第1カバーと第2カバーとを折り重ねるように閉じた状態から箱型収容部を第1カバーへ向かって折り重ねるように閉じることを示す斜視図である。
図10に示すように、本実施の形態におけるディスク収容ケース50は、第1折り部11を介して折り重ねるように連設している開閉可能な第1カバー1と第2カバー2、及び第4折り部14を介して折り重ねるように連設している開閉可能な箱型収容部4とから構成されている。
【0050】
図10において、箱型収容部4は、第2カバー2と連接され、第4折り部14を介して第1カバー1の外面に向かって折り返し可能となっている。したがって、ディスク収容ケース50は、図10(a)中の一転鎖線の矢印で示すように、第1カバー1と第2カバー2とを折り重ねるように第1折り部11において閉じた後、さらに、図10(b)中の一転鎖線の矢印で示すように、第1カバー1の外面に向かって折り返すように箱型収容部4を第4折り部14において閉じることが可能なものとなっている。なお、第4折り部14は、箱型収容部4の厚みと、折り重ねた第1カバー1及び第2カバー2の厚みとを併せた厚みに相当する間隔を有して離れる二つの折り部14a,14bとからなる。したがって、二つの折り部14a,14bに挟まれた領域の背側に、タイトル等を記載しておくことで、所望の情報が記録されたディスクを収容するディスク収容ケース50を容易に探し出すことができる。
【0051】
第1カバー1は、閉じることで第2カバー2と対向することとなる内面1aに、ディスクDの中心孔dに挿通されることとなる先端領域33を有するディスク保持片3を突出して備える。このディスク保持片3は、図3を参照して上述したように、ディスク収容ケース50の開閉操作に伴って動作する。
【0052】
また、ディスク保持片3は、第1カバー1の内面1aに突出して一体的に形成されたものでも良いが、図4に示すように、第1カバー1の内面1aに取り付けられる固定領域31と、第1カバー1の内面1aより立ち上がる起立領域32とを有し、固定領域31と起立領域32とが、第2折り部12を介して連成しているものとすると望ましい。固定領域31と起立領域32とを第2折り部12を介して連成したものとした場合、第2折り部12において谷折り側から山折り側へ向かって打ち抜かれて形成されたミシン目を有するものとすると望ましい。
【0053】
また、ディスク保持片3は、ディスクの中心孔の挿通を途中で阻止するように、先端部から基端部へ向かいにしたがって徐々に幅広となるように形成されたテーパ状をしたものとすることができる。ところが、ディスク保持片3は、テーパ状に形成したものであると、材質によっては使用回数が増すにつれてテーパ面が摺れ、ディスクDが必要以上にディスク保持片3の基端部側へ挿入され、第1カバー1と第2カバーの折り重ねに支障をきたしてしまう虞がある。したがって、ディスク保持片3は、ディスクDの中心孔dの挿通を途中で制御又は阻止する段差部35を備えるものとすると望ましい。
【0054】
一方、第2カバー2は、閉じることで第1カバー1と対向することとなる内面2aにディスクの一部を収容する凹部21を備えるものとすると望ましい。
また、第2カバー2は、凹部21を有する場合、ディスクDの上縁部を覆うように凹部21の上縁部から中央部へ向かって僅かに迫り出す庇状のディスク押さえ片22を備えるものとすると望ましい。
【0055】
以上のように構成されたディスク収容ケース50は、少なくとも箱型収容部4の厚みに相当する幅を有するものとなるので、図11に示すように、ディスクDを収容した後、背側を正面に向けて立てて保管することができる。
図11(a)において、ディスクDを収容した後、第1カバー1と第2カバー2とを折り重ねるように第1折り部11において閉じると共に、第1カバー1の外面に向かって箱型収容部4を折り返すように第4折り部14において閉じ、さらに、第4折り部14(14a,14b)が鉛直方向に、かつ、正面を向くように立てた状態のディスク収容ケース50が示されている。
また、図11(b)において、棚Rに複数のディスク収容ケース50が収容された状態が示されている。
【0056】
また、ディスク収容ケース50は、第1カバー1と第2カバー2とが第1折り部11を介して連接されると共に、第1カバー1とディスクDの中心孔dに挿通されることとなる先端領域33を備えるディスク保持部3とが第3折り部13を介して連接され、さらに、第1カバー1又は第2カバー2と箱型収容部4とが第4折り部14を介して連接される。また、ディスク保持部3が、第1カバー1の内面1aに取り付けられる固定領域31と、第1カバー1の内面1aより立ち上がる起立領域32とを有し、固定領域31と起立領域32とが、第2折り部12を介して連成している一枚のシートを折ることにより形成されているものとすると望ましい。
【0057】
ここで、第1カバー1と第2カバー2とディスク保持部3とが一体的に形成されたシートとしては、たとえば、図12又は図13に示すようなディスク収容ケース形成用シートとすることができる。図12は、本発明に係るディスク収容ケース50を形成するディスク収容ケース形成用シートを示す平面図であり、図13は、本発明に係るディスク収容ケース50を形成する他のディスク収容ケース形成用シートを示す平面図である。
図12において、ディスク収容ケース形成用シート200は、ディスクDを覆うことが可能な大きさをそれぞれ有する第1カバー部101と第2カバー部102とを連接して備える。この第2カバー部102は、第2カバー基部となる第2カバー部第1シート片102aと、凹部21を形成するための凹部用第1孔部121aを有し、ディスク押さえ片22を備える第2カバー部第2シート片102bと、凹部21を形成するための凹部用第2孔部121bを有する第2カバー部第3シート片102cとによって構成されている。また、第1カバー部101は、ディスクDの中心孔dに挿通されることとなる先端領域33を有するディスク保持片部103を連接して備える。
【0058】
また、ディスク収容ケース形成用シート200は、組み立て可能とする立体的な箱型収容部104を第2カバー部102に連接して備える。箱型収容部104は、ディスクDに記録された内容に関連する物品等を収容することができるように、前面部と背面部と左右の側面部と上蓋部と下蓋部とによって箱状に形成することができる一般的な構造を有している。したがって、前面部と背面部と左右の側面部とによって周胴部を形成した後、その周胴部の開口部に、上蓋部と下蓋部とをそれぞれ被嵌することで箱状に組み立てるものとなっている。
【0059】
また、ディスク収容ケース形成用シート200は、第1カバー部102と第2カバー部(第2カバー部第1シート片)102aとを区分し、一面200a側において山折りとなる第1折り部11を有する。また、ディスク保持片部103において、第1カバー部101へ取り付けられこととなる固定領域31と、第1カバー部101へ取り付けられることなく立ち上がる起立領域32とを区分し、一面200a側において谷折りとなる第2折り部12を有する。この第2折り部12は、ミシン目34を有すると望ましい。また、第1カバー部101とディスク保持部103とを区分し、一面200a側において山折りとなる第3折り部13とを有する。さらに、第2カバー部(第2カバー部第1シート片)102aと箱型収容部104とを区分し、一面200a側において山折りとなる第4折り部14とを有する。
【0060】
そして、第2カバー部102は、第2カバー部第1シート片102aと第2カバー部第2シート片102bとを区分し、一面200a側において山折りとなる凹部用第1折り部41、及び第2カバー部第2シート片102bと第2カバー部第3シート片102cとを区分し、一面200a側において山折りとなる凹部用第2折り部42を有する。したがって、凹部用第2折り部42において第2カバー部第3シート片102cを折り込むと共に、凹部用第1折り部41において第2カバー部第2シート片102b折り込むことで、上縁部にディスク押さえ片22を備える凹部21を、第2カバー部102上に効率良く簡単に形成することができる。なお、このディスク収容ケース形成用シート200は、全体が紙材で形成されていると望ましい。
【0061】
これにより、第1カバー1と第2カバー2とが第1折り部11を介して連接されると共に、第1カバー1とディスクDの中心孔dに挿通されることとなる先端領域33を備えるディスク保持部3とが第3折り部13を介して連接され、さらに、第2カバー2と箱型収容部4とが第4折り部14を介して連接されることで、第1カバー1と第2カバー2とを折り重ねるように第1折り部11において閉じた後、さらに、第1カバー1の外面に向かって折り返すように箱型収容部4を第4折り部14において閉じることが可能なディスク収容ケース50Aを形成することができる。
【0062】
また、図13において、ディスク収容ケース形成用シート300は、ディスクDを覆うことが可能な大きさをそれぞれ有する第1カバー部101と第2カバー部102とを連接して備える。この第2カバー部102は、第2カバー基部となる第2カバー部第1シート片102aと、凹部21を形成するための凹部用第1孔部121aを有し、ディスク押さえ片22を備える第2カバー部第2シート片102bと、凹部21を形成するための凹部用第2孔部121bを有する第2カバー部第3シート片102cとによって構成されている。また、第1カバー部101は、ディスクDの中心孔dに挿通されることとなる先端領域33を有するディスク保持片部103を連接して備える。
【0063】
また、ディスク収容ケース形成用シート300は、組み立て可能とする立体的な箱型収容部104を第1カバー部101に連接して備える。箱型収容部104は、ディスクDに記録された内容に関連する物品等を収容することができるように、前面部と背面部と左右の側面部と上蓋部と下蓋部とによって箱状に形成することができる一般的な構造を有している。
【0064】
また、ディスク収容ケース形成用シート300は、第1カバー部102と第2カバー部(第2カバー部第1シート片)102aとを区分し、一面300a側において山折りとなる第1折り部11を有する。また、ディスク保持片部103において、第1カバー部101へ取り付けられこととなる固定領域31と、第1カバー部101へ取り付けられることなく立ち上がる起立領域32とを区分し、一面300a側において谷折りとなる第2折り部12を有する。この第2折り部12は、ミシン目34を有すると望ましい。また、第1カバー部101とディスク保持部103とを区分し、一面300a側において山折りとなる第3折り部13とを有する。さらに、第1カバー部101と箱型収容部104とを区分し、一面300a側において山折りとなる第4折り部14とを有する。
【0065】
そして、第2カバー部102は、第2カバー部第1シート片102aと第2カバー部第2シート片102bとを区分し、一面300a側において山折りとなる凹部用第1折り部41、及び第2カバー部第2シート片102bと第2カバー部第3シート片102cとを区分し、一面300a側において山折りとなる凹部用第2折り部42を有する。したがって、凹部用第2折り部42において第2カバー部第3シート片102cを折り込むと共に、凹部用第1折り部41において第2カバー部第2シート片102b折り込むことで、上縁部にディスク押さえ片22を備える凹部21を、第2カバー部102上に効率良く簡単に形成することができる。なお、このディスク収容ケース形成用シート200は、全体が紙材で形成されていると望ましい。
【0066】
これにより、第1カバー1と第2カバー2とが第1折り部11を介して連接されると共に、第1カバー1とディスクDの中心孔dに挿通されることとなる先端領域33を備えるディスク保持部3とが第3折り部13を介して連接され、さらに、第1カバー1と箱型収容部4とが第4折り部14を介して連接されることで、第1カバー1と第2カバー2とを折り重ねるように第1折り部11において閉じた後、さらに、第2カバー2の外面に向かって折り返すように箱型収容部4を第4折り部14において閉じることが可能なディスク収容ケース50Bを形成することができる。
【0067】
なお、上記第2の実施の形態において、箱型収容部が第1カバーと連接され、第4折り部を介して第2カバーの外面に向かって折り返し可能となっているもの、及び箱型収容部が第2カバーと連接され、第4折り部を介して第1カバーの外面に向かって折り返し可能となっているものについて一例を挙げて説明したが、本発明では、関連する物品等の収容部を備えるものであればこれに限定されない。したがって、第1カバー又は第2カバーの外面に、第4折り部を介して箱型収容部が組み立て可能に形成されたものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、中心孔が設けられた円板状のディスクを取り扱う業種において産業上有用であり、特に、CDやDVDといった情報記録媒体を一枚ずつケース内に収納して提供する市場において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係るディスク収容ケースを示す図であり、図1(a)は第1カバーと第2カバーとを折り重ねるように閉じた状態示す斜視図であり、図1(b)は第1カバーを開いた状態示す斜視図である。
【図2】本発明に係るディスク収容ケースによってディスクを保持する状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るディスク収容ケースの開閉操作に伴うディスク保持片の動作を説明する模式図である。
【図4】本発明に係るディスク収容ケースにおけるディスク保持片の構造を説明する側図面である。
【図5】本発明に係るディスク収容ケースにおけるディスク保持片の構造を説明する平面面である。
【図6】本発明に係るディスク収容ケースにおけるディスク保持片の構造を説明する図であり、図6(a)は倒伏状態を示す部分拡大側面図、図6(b)は起立状態を示す部分拡大側面図である。
【図7】本発明に係るディスク収容ケースを形成するディスク収容ケース形成用シートを示す平面図である。
【図8】図7に示すディスク収容ケース形成用シートの折ることによってディスク収容ケースを形成する手順を順次説明する図である。
【図9】図8に示すディスク収容ケースを形成する手順の続きを順次説明する図である。
【図10】本発明に係る他のディスク収容ケースを示す図であり、図10(a)は第1カバーと第2カバーと箱型収容部とを開いた状態から第1カバーと第2カバーとを折り重ねるように閉じることを示す斜視図であり、図10(b)は第1カバーと第2カバーとを折り重ねるように閉じた状態から箱型収容部を第1カバーへ向かって折り重ねるように閉じることを示す斜視図である。
【図11】本発明に係る他のディスク収容ケースを示す図であり、図11(a)はディスクを収容して立てて保管する状態を示す背面図であり、図11(b)は複数のディスク収容ケースを棚に収容した状態を示す背面図である。
【図12】本発明に係る他のディスク収容ケースを形成するディスク収容ケース形成用シートを示す平面図である。
【図13】本発明に係る他のディスク収容ケースを形成する他のディスク収容ケース形成用シートを示す平面図である。
【符号の説明】
【0070】
D ディスク、d 中心孔、1 第1カバー、1a 内面、2 第2カバー、2a 内面、3 ディスク保持片、4 箱型収容部、10,50 ディスク収容ケース、11 第1折り部、12 第2折り部、13 第3折り部、14(14a,14b) 第4折り部、21 凹部、22 押さえ片、31 固定領域、32 起立領域、33 先端領域、34 ミシン目、35 段差部、41 凹部用第1折り部、42 凹部用第2折り部、100,200 ディスク収容ケース形成用シート、100a,200a 一面、101 第1カバー部、102a 第2カバー部第1シート片、102b 第2カバー部第2シート片、102c 第2カバー部第3シート片、103 ディスク保持部、104 箱型収容組み立て部、121a 凹部用第1孔部、121b 凹部用第2孔部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1折り部を介して折り重ねるように連設している開閉可能な第1カバー及び第2カバーとから構成され、CDやDVDといった中心孔が設けられたディスクを収容するケースであって、
前記第1カバーは、閉じることで前記第2カバーと対向することとなる内面に、先端領域が前記ディスクの中心孔に挿通されることとなるディスク保持片を突出して備え、
前記ディスク保持片は、前記第1カバーを閉じるとき、この閉じ動作に追従して倒伏すると共に、前記第1カバーの開くとき、この開き動作に応じて前記第1カバーの内面上で起立する、
ことを特徴とするディスク収容ケース。
【請求項2】
前記ディスク保持片は、前記第1カバーの内面に取り付けられた固定領域と、前記内面より立ち上がる起立領域とを有し、前記固定領域と前記起立領域は、第2折り部を介して連成している、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク収容ケース。
【請求項3】
前記ディスク保持片は、前記第2折り部において谷折り側から山折り側へ向かって打ち抜かれて形成されたミシン目を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のディスク収容ケース。
【請求項4】
前記ディスク保持片は、前記ディスクの挿通を制御する段差部を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディスク収容ケース。
【請求項5】
前記第2カバーは、閉じることで前記第1カバーと対向することとなる内面に前記ディスクを収容する凹部を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のディスク収容ケース。
【請求項6】
前記第2カバーは、前記凹部の上縁部から中央部へ向かって僅かに迫り出すディスク押さえ片を備える、
ことを特徴とする請求項5に記載のディスク収容ケース。
【請求項7】
前記第1カバーと前記第2カバーとが前記第1折り部を介して連接されると共に、前記第1カバーと前記ディスク保持片とが第3折り部を介して連接された一枚のシートを折ることにより形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のディスク収容ケース。
【請求項8】
前記シートは、全体が紙材で形成されていることを特徴とする請求項7に記載のディスク収容ケース。
【請求項9】
前記第1カバー又は前記第2カバーは、立体的な箱型収容部を連設して備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のディスク収容ケース。
【請求項10】
前記箱型収容部は、前記第1カバー又は前記第2カバーと連接され、第4折り部を介して前記第2カバー又は前記第1カバーの外面に向かって折り返し可能である、
ことを特徴とする請求項9に記載のディスク収容ケース。
【請求項11】
第1折り部を介して折り重ねるように連設している開閉可能な第1カバー及び第2カバーと、から構成され、CDやDVDといった中心孔が設けられたディスクを収容し、前記第1カバーは、閉じることで前記第2カバーと対向することとなる内面に、先端領域が前記ディスクの中心孔に挿通されることとなるディスク保持片を突出して備え、前記ディスク保持片は、前記第1カバーを閉じるとき、この閉じ動作に追従して倒伏すると共に、前記第1カバーの開くとき、この開き動作に応じて前記第1カバーの内面上で起立することとなるディスク収容ケースを形成するためのシートであって、
前記ディスクを覆うことが可能な大きさをそれぞれ有する第1カバー部と第2カバー部とを連接して備えると共に、前記ディスクの中心孔に挿通されることとなる先端領域を有するディスク保持片部を前記第1カバー部に連接して備え、
前記第1カバー部と第2カバー部とを区分し、一面側において山折りとなる第1折り部と、
前記ディスク保持片部において、前記第1カバー部へ取り付けられこととなる固定領域と、前記第1カバー部へ取り付けられることなく立ち上がる起立領域とを区分し、一面側において谷折りとなる第2折り部と、
前記第1カバー部と前記ディスク保持部とを区分し、一面側において山折りとなる第3折り部と、
を有することを特徴とするディスク収容ケース形成用シート。
【請求項12】
第1折り部を介して折り重ねるように連設している開閉可能な第1カバー及び第2カバーと、第4折り部を介して折り重ねるように前記第1カバー又は前記第2カバーと連接する立体的な箱型収容部とから構成され、CDやDVDといった中心孔が設けられたディスクを収容し、前記第1カバーは、閉じることで前記第2カバーと対向することとなる内面に、先端領域が前記ディスクの中心孔に挿通されることとなるディスク保持片を突出して備え、前記ディスク保持片は、前記第1カバーを閉じるとき、この閉じ動作に追従して倒伏すると共に、前記第1カバーの開くとき、この開き動作に応じて前記第1カバーの内面上で起立することとなるディスク収容ケースを形成するためのシートであって、
前記ディスクを覆うことが可能な大きさをそれぞれ有する第1カバー部と第2カバー部とを連接して備えると共に、前記ディスクの中心孔に挿通されることとなる先端領域を有するディスク保持片部を前記第1カバー部に連接して備え、さらに、組み立て可能とする立体的な箱型収容組み立て部を前記第1カバー部又は前記第2カバー部と連接に連接して備え、
前記第1カバー部と第2カバー部とを区分し、一面側において山折りとなる第1折り部と、
前記ディスク保持片部において、前記第1カバー部へ取り付けられこととなる固定領域と、前記第1カバー部へ取り付けられることなく立ち上がる起立領域とを区分し、一面側において谷折りとなる第2折り部と、
前記第1カバー部と前記ディスク保持片部とを区分し、一面側において山折りとなる第3折り部と、
前記第1カバー部又は前記第2カバー部と前記箱型収容部とを区分し、一面側において山折りとなる第4折り部と、
を少なくとも有することを特徴とするディスク収容ケース形成用シート。
【請求項13】
前記一面側には、印刷が施されていることを特徴とする請求項11又は12に記載のディスク収容ケース形成用シート。
【請求項14】
前記シートは、全体が紙材で形成されていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のディスク収容ケース形成用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−95282(P2010−95282A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267175(P2008−267175)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(307006572)中央紙通商株式会社 (1)
【Fターム(参考)】