説明

ディスク検査装置およびディスク検査方法

【課題】検査結果の信頼性を保ちつつ高速でディスクを検査でき得るディスク検査装置を提供する。
【解決手段】ディスク検査装置のシステムコントローラ32は、ディスクを角速度一定で再生してエラー数を測定し、記録エリア内を径方向に複数個に分割したエリアである分割エリア内で得られるエラー数の大小関係に基づいて、分割エリア内でエラー数が最も大きい箇所を再検査箇所として、各分割エリアごとに特定する粗検査ステップと、再検査箇所付近を線速度一定で再生た際のエラー数に基づいて、前記ディスクを検査する精密検査ステップと、を実行する。また、分割エリアは、角速度一定で再生した場合に、線速度の差に起因して生じるエラー誤判定数のバラツキが規定の許容範囲内に収まる範囲とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクを検査するディスク検査装置およびディスク検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザ光を照射することによりデータの記録再生が可能な光ディスクなどの記録媒体ディスクが広く知られている。かかるディスクにおいては、経年劣化などにより、データの記録品質が劣化し、場合によっては、データの再生が困難になり、情報が損失する場合がある。ディスクで各種情報を記録保管しているディスクアーカイブにおいては、こうしたディスクの劣化による情報損失は、大きな問題となる。そのため、ディスクアーカイブにおいては、定期的に保管されている大量のディスクを検査することが求められる。また、ディスクの貸し出しや販売を行うディスクのレンタルショップや中古販売店においても、当該ディスクの貸し出し・販売に先立って、当該ディスクを検査することが求められている。
【0003】
こうした問題を受け、ディスクを検査するための装置が従来から多数提案されている。こうした検査装置の多くは、通常のディスク再生装置と同様のディスクドライブを備え、当該ディスクドライブでディスクを再生した際の再生品質、例えば、エラー訂正個数(エラー数)などに基づいてディスクの品質を検査している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−165846号公報
【特許文献2】特開2005−251277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ディスク検査の際に、角速度一定でディスクを回転させてデータ再生するCAV再生を行った場合、検査速度は速くなるものの、ディスクの半径位置によってエラー誤判定数のバラツキが生じてしまい、検査結果の信頼性が低下するという問題がある。これは、CAV再生の場合、再生する箇所の半径位置によって線速度が異なるためである。
【0006】
一方、線速度一定となるCLV再生でディスク検査した場合には、こうしたエラー誤判定数のバラツキといった問題は生じにくくなる。しかしながら、CLV再生では、CAV再生に比して再生に時間がかかり、結果として、ディスク検査に時間がかかるという問題がある。
【0007】
こうした検査時間増加の問題を避けるために、特許文献1では、数トラックおきに欠陥検出行い、欠陥が検出された位置の半径位置を記憶しておき、記憶した半径位置においてエラー数またはエラー率を測定するという、2段階測定方式が開示されている。また、特許文献2には、ディスクのうちエラー検査を行う複数箇所の位置情報と閾値を不揮発性メモリに記憶しておき、不揮発性メモリに記憶された位置情報に基づいてエラー検査を実行する技術が開示されている。
【0008】
これらの技術によれば、検査時間を短縮することはできる。しかし、こうした従来技術では、ディスクの記録エリアのうち一部しか検査されないことになるため、検査結果の信頼性が低いという問題があった。
【0009】
そこで、本発明では、検査結果の信頼性を保ちつつ高速でディスクを検査でき得るディスク検査装置およびディスク検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のディスク検査装置は、ディスクを検査するディスク検査装置であって、前記ディスクに記録されたデータを再生し再生信号を取得する再生手段と、前記再生信号に含まれるエラー数を測定するエラー数測定手段と、前記再生手段およびエラー数測定手段の駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記再生手段を駆動して前記ディスクを角速度一定で再生させるとともに、前記エラー数測定手段を駆動してエラー数を測定させ、記録エリア内を径方向に複数個に分割したエリアである分割エリア内で得られるエラー数の大小関係に基づいて、少なくとも分割エリア内でエラー数が最も大きい箇所を含む再検査が必要な箇所を再検査箇所として、各分割エリアごとに特定する粗検査ステップと、前記再生手段を駆動して少なくとも一つの再検査箇所付近を前記粗検査ステップにおいて角速度一定で再生した際の線速度以下の速度かつ線速度一定で再生させるとともに、前記エラー数測定手段を駆動してエラー数を測定させ、当該測定されたエラー数に基づいて、前記ディスクを検査する精密検査ステップと、を実行し、前記分割エリアは、角速度一定で再生した場合に、線速度の差に起因して生じるエラー誤判定数のバラツキが規定の許容範囲内に収まる範囲である、ことを特徴とする。
【0011】
好適な態様では、前記分割エリアは、角速度一定で再生した場合に、当該分割エリアの最外周において線速度に起因して生じるエラー誤判定数と、当該分割エリアの最内周において線速度に起因して生じるエラー誤判定数と、の差が規定の許容値以下である。他の好適な態様では、前記精密検査ステップでは、前記粗検査ステップにおいて角速度一定で再生した際の最内周側の再検査箇所の線速度以下の速度かつ線速度一定で再生する。他の好適な態様では、前記分割エリアは、前記粗検査ステップにおいて角速度一定で再生した場合に、各分割エリアの最内周の線速度と最外周の線速度との差が、全ての分割エリアで等しくなるように、前記記録エリアを半径方向に等分割したエリアである。
【0012】
他の好適な態様では、前記精密検査ステップは、一つの分割エリアにおける再検査箇所付近を再生してエラー数を測定する測定ステップと、不良ディスクか否かの基準値として予め規定された第一閾値を含む1以上の閾値と、前記測定されたエラー数と、を比較する比較ステップと、を、前記第一閾値以上のエラー数が測定されるまで、あるいは、全ての分割エリアについてのエラー数測定が完了するまで、検査対象の分割エリアを順次変えて繰り返し行う。この場合、前記精密検査ステップは、粗検査ステップにおいて再検査箇所で測定されたエラー数が大きい分割エリアから順番に行うことが望ましい。また、前記比較ステップでは、第一閾値より小さい第二閾値と、前記測定されたエラー数と、の比較も行い、前記第一閾値未満かつ第二閾値以上のエラー数が測定された場合には、ユーザに対して注意メッセージを出力する、ことも望ましい。
【0013】
他の本発明であるディスク検査方法は、ディスクを検査するディスク検査方法であって、前記ディスクを角速度一定で再生してエラー数を測定し、記録エリア内を径方向に複数個に分割したエリアである分割エリア内で得られるエラー数の大小関係に基づいて、少なくとも分割エリア内でエラー数が最も大きい箇所を含む再検査が必要な箇所を再検査箇所として、各分割エリアごとに特定する粗検査ステップと、少なくとも一つの再検査箇所付近を前記粗検査ステップにおいて角速度一定で再生した際の線速度以下の速度かつ線速度一定で再生してエラー数を測定し、当該測定されたエラー数に基づいて、前記ディスクを検査する精密検査ステップと、を備え、前記分割エリアは、角速度一定で再生した場合に、線速度の差に起因して生じるエラー誤判定数のバラツキが規定の許容範囲内に収まる範囲である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、角速度一定で再生した場合に、線速度の差に起因して生じるエラー誤判定数のバラツキが規定の許容範囲内に収まる分割エリアごとに再検査箇所を特定し、当該再検査箇所だけを精密検査しているため、検査結果の信頼性を保ちつつ高速でディスクを検査できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態であるディスク検査装置の構成を示すブロック図である。
【図2】CAV再生における半径位置と線速度との関係を示すイメージ図である。
【図3】記録エリアの分割の様子を示すイメージ図である。
【図4】ディスク検査処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】粗検査処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【図6】精密検査処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【図7】第二実施形態における精密検査処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【図8】第三実施形態における精密検査処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態であるディスク検査装置10の構成ブロック図である。このディスク検査装置10は、記録媒体であるディスク100(例えば、DVDやCD、ブルーレイディスクなど)の再生を困難にする不具合(欠陥)の有無を検査する装置である。以下、このディスク検査装置10について詳説する。
【0017】
検査対象であるCDやDVD等のディスク100はスピンドルモータ(SP)12により回転駆動される。スピンドルモータ12は、SPドライバ14で駆動され、SPドライバ14はサーボプロセッサ30により所望の回転速度となるようにサーボ制御される。このとき、サーボプロセッサ30は、システムコントローラ32からの指示に従い、ディスク100を、角速度一定で回転させることもできるし、線速度一定で回転させることもできる。
【0018】
光ピックアップ16は、レーザ光をディスク100に照射するためのレーザダイオード(LD)やディスク100からの反射光を受光して電気信号に変換するフォトディテクタを含み、ディスク100に対向配置される。光ピックアップ16はスレッドモータ(SLD)18によりディスク100の半径方向に駆動され、スレッドモータ18はSLDドライバ20で駆動される。SLDドライバ20は、SPドライバ14と同様にサーボプロセッサ30によりサーボ制御される。また、光ピックアップ16のレーザダイオードはLDドライバ22により駆動され、LDドライバ22は、オートパワーコントロール回路(APC)24により、駆動電流が所望の値となるように制御される。APC24及びLDドライバ22は、システムコントローラ32からの指令によりレーザダイオードの発光量を制御する。なお、図ではLDドライバ22は光ピックアップ16と別個に設けられているが、LDドライバ22を光ピックアップ16に搭載してもよい。また、光ピックアップ16には、対物レンズを駆動するアクチュエータ(ACT)が設けられており、当該アクチュエータは、ACTドライバ25で駆動される。このACTドライバ25は、サーボプロセッサ30により所望の駆動量となるようにサーボ制御される。
【0019】
ディスク100の検査に当たっては、ディスク100に記録されたデータを再生するが、当該再生を実行する際には、光ピックアップ16のレーザダイオードから再生パワーのレーザ光が照射され、その反射光がフォトディテクタで電気信号に変換されて再生信号として出力される。したがって、上述した光ピックアップ16やスピンドルモータ12、フォトディテクタなどが、ディスク100に記録されたデータを再生する再生手段として機能することになる。
【0020】
光ピックアップ16からの再生信号はRF回路26に供給される。RF回路26は、再生信号からフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を生成し、サーボプロセッサ30に供給する。サーボプロセッサ30は、これらのエラー信号に基づいて光ピックアップ16をサーボ制御し、光ピックアップ16をオンフォーカス状態及びオントラック状態に維持する。また、RF回路26は、再生信号に含まれるアドレス信号を2値化回路34を介してアドレスデコード回路28に供給する。アドレスデコード回路28は2値化されたアドレス信号からディスク100のアドレスデータを復調し、サーボプロセッサ30やシステムコントローラ32に供給する。
【0021】
また、RF回路26は、2値化回路34を介してRF信号をデコード回路36にも供給する。デコード回路36は、再生信号に含まれるエラー数を測定する測定手段として機能する。このデコード回路36では、2値化信号(2値化回路34で2値化されたRF信号)を復調する。また、デコード回路36は、エラー測定手段としても機能するもので、入力された2値化信号に基づいて、当該2値化信号に含まれるエラー数を測定する。このエラー数としては、C1/C2訂正やPI/PO訂正した際のエラー訂正数や、そのエラー訂正数に基づいて算出されるエラーレートを用いることができる。
【0022】
ここで、C1/C2訂正処理は、CD系光ディスク100においてデータエラーを訂正する機能であるCIRC(Cross Interleave Reed Solomon Code)において行われる2系列の訂正処理であり、1系列目は主にランダムエラーと呼ばれる短いエラー(C1)を、2系列目では主にバーストエラーと呼ばれる長いエラー(C2)を訂正し、長いエラー(C2)はデータを分散して短いエラーに変換してエラーを訂正しやすくする。そして、通常のディスク再生機は、得られた再生データに対して、C1訂正処理を施した後C2訂正処理を施すようになっている。また、PI/PO訂正処理は、DVD系のディスクにおいてデータエラーを訂正する上述と同様の機能であり、通常のディスク再生機は、PI訂正処理とPO訂正処理を行い、その後、さらにPI訂正処理を行うようになっている。デコード回路36は、この訂正で得られるエラーレートをエラー数としてシステムコントローラに出力する。
【0023】
システムコントローラ32は、システム全体の動作を制御するとともに、デコード回路36から出力されたエラー数に基づいてディスク100を検査する制御手段として機能するものである。そして、このシステムコントローラ32による検査結果は、インターフェース(I/F)42を介して出力され、液晶パネルやスピーカなどを通じてユーザに提示される。なお、ここで、ユーザに提示される判定結果は、良・不良の二段階に限らず、複数段階(例えば、「NG」、「注意」、「OK」の三段階など)に分けられていてもよく、また、エラー数そのものや、許容エラー数に対する検出エラー数の比率などの数値であってもよい。
【0024】
ところで、既述したとおり、本実施形態のディスク検査装置10では、ディスク100を角速度一定(CAV)で再生することもできるし、線速度一定(CLV)で再生することもできる。CAV再生し、その際のエラー数に基づいてディスク検査を行った場合、高速でディスク検査できる一方で、線速度の違いに起因してエラーの誤判定数がばらつくことがあった。
【0025】
すなわち、図2に示すように、CAV再生の場合、線速度Vは、当該再生箇所の半径位置に比例することになる。例えば、角速度が一定の場合、半径n×Rcmにおける線速度Vbは、半径Rcmにおける線速度Vaのn倍ということになる(Vb=n×Va)。したがって、角速度一定の場合、外周側に近づくほど、線速度が大きくなることになる。こうした線速度の違いに起因して、エラーの誤判定数にバラツキが生じていた。例えば、線速度の遅い内周側では、エラーと判定されない程度の品質であっても、線速度の速い外周側ではエラーと誤判定される恐れがある。その結果、同等の品質、あるいは、内周側のほうが低品質であるにもかかわらず、外周側のほうがエラー数が高く、低品質と判定される場合もあった。そして、結果として、ディスク100の良否を正確に判定できない恐れがあった。
【0026】
一方、線速度を一定に保つCLV再生の場合は、こうしたエラー誤判定数のバラツキは生じにくく、検査精度を向上できる。しかしながら、CLV再生をして、ディスク検査を行った場合、検査に時間がかかるという問題があった。
【0027】
本実施形態では、こうした問題を解決するために、ディスク100の記録エリアを複数の分割エリアに区分したうえで、各分割エリアにおいてCAV再生時に得られるエラー数に基づいて低品質の可能性が高い箇所を、再検査が必要な再検査箇所として特定し、この再検査箇所のみをCLV再生して再検査するようにしている。以下、これについて詳説する。
【0028】
ユーザからディスク100の検査が指示された場合、システムコントローラ32は、検査対象のディスク100の記録エリアを、複数の分割エリアに区分にする。このとき各分割エリアは、CAV再生した場合に、線速度の差に起因して生じるエラー誤判定数のバラツキが規定の許容範囲内に収まる範囲にする。
【0029】
すなわち、既述したように、CAV再生では、半径位置によって線速度が異なり、この線速度の違いにより、エラーの誤判定数にバラツキが生じる。本実施形態では、記録エリアを、こうしたエラー誤判定数の違いを実質的に無視できる範囲、すなわち、同等の品質であれば、ほぼ同等のエラー数を検出し得る範囲に区分する。別の言い方をすれば、一つの分割エリアの最外周において線速度の差に起因して生じるエラー誤判定数と、同じ分割エリアの最内周において線速度の差に起因して生じるエラー誤判定数と、の差が規定の許容値以下となる範囲に区分する。
【0030】
図3は、この区分の様子を示すイメージ図である。記録エリアを複数の分割エリアに区分する場合には、予め、ディスク検査装置10の特性からエラー誤判定数が規定の許容範囲に収まる線速度差ΔV(同じ品質ならエラー数がほぼ同じになり得る線速度差ΔV)を求めておく。次いで、この線速度差ΔVを満たすように、記録エリアを半径方向に区分する。ここで、CAV再生の場合、線速度は半径位置に比例しており、線速度差は半径差に比例することになる。
【0031】
例えば、半径差がΔrとなる半径位置Ri(線速度Vi)と半径位置Ri+1(線速度Vi+1)との線速度差ΔVi=Vi+1−Viは、ΔVi=θ・Δrと表すことができる。なお、θは、角速度である。なお、一般的には、θは角度を表す記号であり、当該θの上に時間微分を表す・を付与した記号が角速度を表すが、本明細書では、表記の関係上、・のない、θを角速度を表す記号として取り扱う。
【0032】
本実施形態では、エラー誤判定数のバラツキが許容範囲内に収まる線速度差ΔVが求まれば、次いでθ・Δr≦ΔVとなり得るΔrの値を求める。そして、各分割エリアの最も内周側の半径位置Riと最も外周側の半径位置Ri+1との差が全ての分割エリアでΔrになるように、記録エリアを半径方向に複数(例えば六つ)に等分割する。
【0033】
ディスク100を検査する際には、この各分割エリアごとにCAV再生し、そのとき得られるエラー数の大小関係に基づいて、一つの分割エリア内で品質が特に低そうで、再検査が必要な箇所を各分割エリアごとに特定する。そして、この特定された箇所周辺だけをCLV再生し、精密検査を行う。この検査の流れを、図4を参照して詳説する。図4は、本実施形態で行うディスク100の検査処理の流れを示すフローチャートである。
【0034】
本実施形態において、ディスク検査は、大きく二つの処理に大別される。すなわち、ディスク100を、CAV再生して高速でエラーレート(エラー数)を測定する粗検査処理(S10)と、CLV再生して精密にエラーレートを測定する精密検査処理(S12)と、に大別される。
【0035】
粗検査処理では、記録エリアを複数個の分割エリアに分割したうえで、各分割エリアごとに、再検査が必要な箇所を再検査箇所として特定する。図5は、この粗検査処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【0036】
粗検査処置では、まず、ディスク100の記録エリアを、角速度一定で再生した場合に、線速度の差に起因して生じるエラー誤判定数のバラツキが規定の許容範囲内に収まるN個の分割エリアに区分する(S14)。また、初期化処理としてパラメータnをn=1と設定する(S16)。次に、スピンドルモータの速度を、角速度一定かつ高速回転に設定する(S18)。ここで設定される高速の角速度は、許容誤差範囲でエラー数測定が可能な速度以下であり、かつ、許容される検査時間内に後述するエラー数測定ができ得る速度以上である。この角速度は、ディスク検査装置の特性に応じて設定される。
【0037】
そして、角速度一定でディスクを回転させた状態で、n番目の分割エリアに記録されたデータを再生し、エラー数の測定を行う(S20)。システムコントローラ32は、エラー数が測定されるたびに、当該エラー数が、当該n番目分割エリアで、これまで検出されたエラー数より高いか否かを判断する(S22)。検出エラー数が最大エラー数と判断できる場合には、当該エラー数を仮エラー数として、また、仮エラー数の検出箇所のアドレスを再検査箇所のアドレスとして、メモリ(図示せず)に記憶する(S24)。検出エラー数が最大エラー数でない場合は、最大エラー地と検出アドレスの記憶処理をスキップする。この作業をn番目の分割エリアの最後まで行い、n番目の分割エリアにおける最大エラー数(仮エラー数)と、その検出箇所(再検査箇所)と、を取得する。
【0038】
ここで、この仮検出箇所は、この分割エリア内で、最も品質が低いと思われる箇所といえる。すなわち、一つの分割エリアは、線速度の差に起因して生じるエラー誤判定数のバラツキが規定の許容範囲内に収まる範囲であり、線速度の差に起因するエラー誤判定数の違いを実質的に無視できる範囲である。そのため、当該分割エリア内におけるエラー数の大小関係は、そのまま、当該分割エリア内における品質の高低関係を表しているとみなすことができる。そのため、一つの分割エリア内で、最もエラー数が高い箇所は、この分割エリア内で最も品質が低い箇所とみなすことができる。本実施形態では、この分割エリア内で最も品質が低いであろう箇所を、精密検査で再検査が必要な再検査箇所として特定している。
【0039】
n番目の分割エリアのエラー数測定が完了すれば(S26においてYesになれば)、システムコントローラ32は、全ての分割エリアについてエラー数測定が完了したか否か、換言すれば、n=Nになったか否かを判断する(S30)。判断の結果、未測定の分割エリアが存在する場合には、パラメータnをインクリメント(n=n+1に設定)したうえで(S32)、再度、n番目の分割エリアのエラー数測定を行う(S20)。そして、この新たなn番目の分割エリアにおいても、仮エラー数と再検査箇所のアドレスとを取得し、メモリに保存する(S22,S24)。こうした処理を、全ての分割エリアについて行い、各分割エリアごとに仮エラー数と再検査箇所のアドレスが得られれば、粗検査は終了となる。
【0040】
粗検査が終了すれば、続いて、精密検査処理を実行する。精密検査処理では、粗検査処理で特定された再検査箇所付近のみをCLV再生してエラー数を取得し、このエラー数に基づいて、ディスクの品質を判定する。図6は、精密検査処理の流れを示すフローチャートである。
【0041】
精密検査処理では、まず、初期設定として、パラメータnをn=1として設定する(S40)。次に、スピンドルモータの速度を、線速度一定かつ低速回転に設定する(S42)。ここで設定される線速度は、粗検査ステップにおいて角速度一定で再生した際の最内周側の再検査箇所の線速度以下の速度であることが望ましく、ディスク検査装置の特性に応じて設定される。
【0042】
そして、線速度一定でディスクを回転させた状態で、n番目の分割エリアの再検査箇所付近のデータを再生し、エラー数の測定を行う(S44)。このステップS44で測定されたエラー数は、低速で測定された値であり、当該箇所の品質をより正確に表す値となる。以下では、このCLV再生で測定されたエラー数を、「真正エラー数」と呼ぶ。
【0043】
システムコントローラ32は、真正エラー数が得られれば、この真正エラー数が、予め規定された第一閾値以上か否かを判定する(S46)。ここで、第一閾値としては、データ再生に支障がないエラー数、換言すれば、ディスク100が不良でないと判定でき得るエラー数が設定される。この第一閾値は、ディスク検査装置10の特性(エラー感度など)に応じて予め設定される。
【0044】
この真正エラー数が第一閾値以上である場合には、当該ディスク100を不良品と判定し、その時点で、ディスク検査を中止するともに、ユーザに、ディスク不良である旨のNGメッセージを提示する(S52)。
【0045】
一方、再検査箇所の真正エラー数が第一閾値未満である場合には、このn番目の分割エリアは、一定以上の品質を有していると判断し、次の分割エリアの精密検査を行う。すなわち、既述したとおり、再検査箇所は、一つの分割エリアにおいて最も低品質な箇所とみなすことができる。この再検査箇所のCLV再生により得られたエラー数が、第一閾値未満である場合には、当該分割エリアの他の箇所をCLV再生した際のエラー数も、第一閾値未満であると推測することができる。したがって、再検査箇所のみをCLV再生して一定以上の品質があることが確認できれば、再検査箇所以外の箇所についてはCLV再生をする必要はないことになる。したがって、再検査箇所の真正エラー数が第一閾値未満である場合には、他の箇所をCLV再生することなく、ステップS48に進む。
【0046】
ステップS48では、全ての分割エリアについて精密検査が完了したか否か、換言すれば、n=Nであるか否かを判断する。そして、未検査の分割エリアがある場合には、パラメータnをインクリメントし(S50)、再度、新たなn番目の分割エリアの再検査箇所を再生し、エラー数(真正エラー数)の測定を行う(S44,S46)。
【0047】
この手順を、第一閾値以上の真正エラー数が検出される、または、全ての分割エリアについてのエラー数測定が完了するまで繰り返し行う。そして、第一閾値以上のエラー数が検出されること無く、全ての分割エリアについてエラー数測定が完了すれば(S48でYesとなれば)、検査を終了するとともに、当該ディスク100が良品である旨のOKメッセージをユーザに通知する(S54)。その一方で、全ての分割エリアについてエラー数測定が完了する前に、第一閾値以上の真正エラー数が測定された場合には、その場で検査を終了し、当該ディスク100が不良品である旨のNGメッセージをユーザに通知する(S52)。
【0048】
以上が本実施形態におけるディスク検査の流れである。以上の説明から明らかなとおり、本実施形態では、高速に検査でき得るCAV再生で記録エリア全体を検査して、品質の低そうな箇所を特定したうえで、精密に検査でき得るCLVで当該品質の低そうな箇所(再検査箇所)を精密検査している。ここで、本実施形態では、(再検査箇所)の特定を各分割エリアごとに行っている。そのため、線速度差に起因するエラー誤判定数(エラー感度)のバラツキの影響を抑えることができ、低品質である可能性が高い箇所を確実に特定することができる。また、本実施形態では、検査に時間を要するCLV再生によるエラー数測定については、記録エリアのうち、一部(再検査箇所)でしか行っていない。その結果、より高速でのディスク検査が可能となる。つまり、本実施形態では、高速でありながら、信頼性の高いディスク検査が可能となる。
【0049】
なお、本実施形態では、各分割エリアごとに、再検査箇所を一箇所だけ特定しているが、より複数の箇所を再検査箇所として特定してもよい。例えば、各分割エリアごとに、CAV再生で測定されたエラー数が最も高い箇所と次にエラー数が高い箇所の二箇所を再検査箇所として特定してもよい。
【0050】
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態のディスク検査装置10のハード構成は、第一実施形態と同様であるため、ここでの詳説は省略する。第二実施形態では、精密検査処理の流れが第一実施形態と若干異なっている。これについて、図7を参照して説明する。図7は、第二実施形態における精密検査処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
第二実施形態においても、ディスク検査を行う場合には、粗検査処理を行った後に、精密検査処理を行う。第二実施形態においても、粗検査処理は、第一実施形態と同じである。すなわち、記録エリアをN個の分割エリアに分割したうえで、CAV再生し、各分割エリアごとに、仮エラー数と再検査箇所のアドレスを記憶する(図5S14〜S30)。
【0052】
続いて、精密検査処理では、まず、N個の分割エリアを、仮エラー数の高い順でソートする(S56)。すなわち、仮エラー数が最も高い分割エリアのソートインデックスが1となり、仮エラー数が最も低い分割エリアのソートインデックスがNになるように、各分割エリアを順番付けする。
【0053】
続いて、パラメータiをi=1として初期設定する(S40*)。また、スピンドルモータの速度を、線速度一定かつ低速回転に設定する(S42)。続いて、ソートインデックスがi番目の分割エリアの再検査箇所付近をCLV再生し、エラー数を測定する(S44*)。そして、このCLV再生で測定されたエラー数を真正エラー数として取得し、第一閾値と比較する(S46)。ここで、現時点においてi=1であるため、この時点では、ソートインデックスが1の分割エリア、すなわち、仮エラー数が最も高い分割エリアについて、エラー数測定がなされることになる。
【0054】
このエラー数測定で得られる真正エラー数が第一閾値以上の場合には、ディスク検査を終了するとともに、ユーザに、ディスクが不良品である旨のNGメッセージを提示する(S52)。
【0055】
一方、真正エラー数が第一閾値未満である場合には、全ての分割エリアについてエラー数の測定が完了したか否かを判定する(S48)。判定の結果、未測定の分割エリアが存在する場合には、ステップS50*に進み、パラメータiをインクリメント(i=i+1に設定)する。
【0056】
iの値が再設定されれば、ソートインデックスがi番目の分割エリアの再検査箇所付近をCLV再生し、エラー数測定する(S44*)。そして、得られた真正エラー数と第一閾値とを比較し(S46)、その比較結果に応じたステップへと進む。そして、この手順を、第一閾値以上の真正エラー数が検出される、または、全ての分割エリアについてエラー数測定が完了するまで繰り返す。
【0057】
そして、その過程で、第一閾値以上の真性エラー数が検出されれば、その場でディスク検査を終了するとともに、ディスク不良である旨のNGメッセージをユーザに提示する(S52)。一方、第一閾値以上の真性エラー数が検出されることなく、ソートインデックスがN番目の分割エリアのエラー数測定まで終了すれば、ディスク検査を終了するとともに、ディスクが良品である旨のOKメッセージをユーザに提示する(S54)。
【0058】
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態では、ソートインデックスの低い分割エリア、換言すれば、仮エラー数の高い分割エリアから順番に、エラー数測定を行っている。これにより、より効率的にディスク検査を行うことができる。
【0059】
すなわち、線速度差に起因するエラー誤判定数の違いがあるとはいえ、仮エラー数が高い箇所は、より低品質の箇所である可能性が高い。このように、より低品質である可能性が高い箇所から順に精密検査をすることにより、ディスクが不良である場合には、早々に検査終了できる可能性が高くなる。そして、結果として、ディスク検査に要する時間を短縮できる。
【0060】
なお、本実施形態では、仮エラー数が最小の分割エリアまで真正エラー数の測定を実行しているが、必ずしも全ての分割エリアについて真正エラー数の測定を行わなくてもよい。例えば、仮エラー数が、様々な誤差を考慮しても、十分に低いと思われる分割エリアについては、真正エラー数の測定を省略してもよい。かかる構成とすることで、より高速でのディスク検査が可能となる。
【0061】
また、本実施形態では、精密検査を行う順番を、CAV再生で測定されたエラー数に基づいて決定しているが、CAV再生で測定されたエラー数そのものではなく、当該エラー数に、半径位置に応じた補正係数を乗じた値を仮エラー数とし、この補正されたエラー数に基づいて精密検査の順番を決定してもよい。すなわち、CAV再生では、半径位置に応じて、線速度が異なっており、この線速度の違いによりエラー誤判定数が異なる。換言すれば、CAV再生では、半径位置に応じてエラー誤判定数が違うといえる。そこで、この半径位置に応じたエラー誤判定数の違いを吸収するべく、各半径位置ごとに補正係数を予め定めておき、精密検査の際には、CAV再生で測定されたエラー数にこの補正係数を乗算した値に基づいて、精密検査の順番を決定してもよい。
【0062】
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態のディスク検査装置10のハード構成は、第一実施形態と同様であるため、ここでの詳説は省略する。第三実施形態では、精密検査処理の流れが第一実施形態と若干異なっている。これについて、図8を参照して説明する。図8は、第三実施形態における精密検査処理の流れを示すフローチャートである。
【0063】
第三実施形態においても、ディスク検査を行う場合には、粗検査処理を行った後に、精密検査処理を行う。第三実施形態では、粗検査処理は、第一実施形態と同じである。すなわち、記録エリアをN個の分割エリアに分割したうえで、CAV再生し、各分割エリアごとに、仮エラー数と再検査箇所のアドレスを記憶する(図5S14〜S30)。
【0064】
次に、精密検査処理では、ステップS46までは、第一実施形態と同じである。すなわち、パラメータnをn=1、スピンドルモータの速度を線速度一定かつ低速回転に設定する(S40,S42)。そして、n番目の分割エリアの再検査箇所をCLV再生し、エラー数を測定する(S44)。そして、このエラー数測定で得られた真性エラー数が第一閾値以上の場合(S46でYes)、検査を終了するとともに、ディスクが不良品である旨のNGメッセージを提示する(S52)。
【0065】
一方、真正エラー数が第一閾値未満の場合は、続いて、当該真正エラー数が第二閾値以上か否かを判断する(S60)。この第二閾値は、第一閾値より小さい値であり、不良品とまではいえないまでも、今後、劣化によりデータ再生が困難になる可能性が高いエラー数である。この第二閾値の具体的値は、ディスク検査装置10の特性(エラー感度など)や、要求されるディスク品質に応じて事前に設定される。
【0066】
真正エラー数が、この第二閾値以上の場合、システムコントローラ32は、当該第二閾値以上のエラー数が測定された箇所のアドレスを記憶し(S62)、ステップS48に進む。真性エラー数が第二閾値未満の場合は、こうしたアドレス記憶をすることなく、そのまま、ステップS48に進む。
【0067】
ステップS48では、全ての分割エリアについてエラー数測定が完了したか否かが確認される(S48)。未測定の分割エリアが残っている場合には、パラメータnをインクリメントする。そして、再度、n番目の分割エリアの再検査箇所のエラー数測定を行い、得られた真性エラー数と、第一閾値および第二閾値と、の比較を行う(S46、S60)。
【0068】
この手順を、第一閾値以上の真正エラー数が検出される、または、全ての分割エリアに関してエラー測定が完了するまで繰り返す。そして、最終的に、第一閾値以上の真正エラー数が検出されることなく、全ての分割エリアに関してエラー数の測定が完了すれば、ステップS64に進む。ステップS64では、システムコントローラ32は、この精密検査において、第二閾値以上の真正エラー数が検出されたか否かを確認する(S64)。確認の結果、第二閾値以上の真正エラー数が検出されていない場合には、当該ディスクが良品である旨のOKメッセージをユーザに提示する(S54)。一方、第二閾値以上の真正エラー数が一つでも検出された場合には、当該ディスクが、品質が劣化しかけた注意すべきディスクである旨の注意メッセージをユーザに提示する(S66)。
【0069】
このように、不良品とまではいかないまでも、品質劣化が認められるディスクであることをユーザに提示することで、ユーザは、事前に、コピー作成などのデータ保護のための対応をとることができ、データ損失を防止することができる。
【0070】
なお、本実施形態では、不良ディスクか否かの基準である第一閾値、注意ディスクか否かの基準である第二閾値という二種類の閾値のみを設定しているが、より多数の閾値を設定してもよい。より多数の閾値を設けることにより、ユーザは、データ損失の危険性がより高いディスクから順次、対応をとることができ、より効率的に対応することができる。また、本実施形態では、予め規定された順番で各分割エリアの精密検査を行っているが、第二実施形態と同様に、仮エラー数の値に応じて精密検査する分割エリアの順番を決定してもよい。
【0071】
また、これまで説明した実施形態では、記録エリアを半径方向に等分割しているが、各分割エリア内でのエラー誤判定数のバラツキが許容範囲内に収まるのであれば、必ずしも等分割されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 ディスク検査装置、12 スピンドルモータ、14 ドライバ、16 光ピックアップ、18 スレッドモータ、20 ドライバ、22,25 ドライバ、26 回路、30 サーボプロセッサ、32 システムコントローラ、36 デコード回路、100 ディスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを検査するディスク検査装置であって、
前記ディスクに記録されたデータを再生し再生信号を取得する再生手段と、
前記再生信号に含まれるエラー数を測定するエラー数測定手段と、
前記再生手段およびエラー数測定手段の駆動を制御する制御手段と、
を備え、前記制御手段は、
前記再生手段を駆動して前記ディスクを角速度一定で再生させるとともに、前記エラー数測定手段を駆動してエラー数を測定させ、記録エリア内を径方向に複数個に分割したエリアである分割エリア内で得られるエラー数の大小関係に基づいて、少なくとも分割エリア内でエラー数が最も大きい箇所を含む再検査が必要な箇所を再検査箇所として、各分割エリアごとに特定する粗検査ステップと、
前記再生手段を駆動して少なくとも一つの再検査箇所付近を前記粗検査ステップにおいて角速度一定で再生した際の線速度以下の速度かつ線速度一定で再生させるとともに、前記エラー数測定手段を駆動してエラー数を測定させ、当該測定されたエラー数に基づいて、前記ディスクを検査する精密検査ステップと、
を実行し、
前記分割エリアは、角速度一定で再生した場合に、線速度の差に起因して生じるエラー誤判定数のバラツキが規定の許容範囲内に収まる範囲である、
ことを特徴とするディスク検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のディスク検査装置であって、
前記分割エリアは、角速度一定で再生した場合に、当該分割エリアの最外周において線速度に起因して生じるエラー誤判定数と、当該分割エリアの最内周において線速度に起因して生じるエラー誤判定数と、の差が規定の許容値以下である、
ことを特徴とするディスク検査装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のディスク検査装置であって、
前記精密検査ステップでは、前記粗検査ステップにおいて角速度一定で再生した際の最内周側の再検査箇所の線速度以下の速度かつ線速度一定で再生する、ことを特徴とするディスク検査装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のディスク検査装置であって、
前記分割エリアは、前記粗検査ステップにおいて角速度一定で再生した場合に、各分割エリアの最内周の線速度と最外周の線速度との差が、全ての分割エリアで等しくなるように、前記記録エリアを半径方向に等分割したエリアである、ことを特徴とするディスク検査装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のディスク検査装置であって、
前記精密検査ステップは、一つの分割エリアにおける再検査箇所付近を再生してエラー数を測定する測定ステップと、
不良ディスクか否かの基準値として予め規定された第一閾値を含む1以上の閾値と、前記測定されたエラー数と、を比較する比較ステップと、
を、前記第一閾値以上のエラー数が測定されるまで、あるいは、全ての分割エリアについてのエラー数測定が完了するまで、検査対象の分割エリアを順次変えて繰り返し行う、
ことを特徴とするディスク検査装置。
【請求項6】
請求項5に記載のディスク検査装置であって、
前記精密検査ステップは、粗検査ステップにおいて再検査箇所で測定されたエラー数が大きい分割エリアから順番に行うことを特徴とするディスク検査装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載のディスク検査装置であって、
前記比較ステップでは、第一閾値より小さい第二閾値と、前記測定されたエラー数と、の比較も行い、
前記第一閾値未満かつ第二閾値以上のエラー数が測定された場合には、ユーザに対して注意メッセージを出力する、
ことを特徴とするディスク検査装置。
【請求項8】
ディスクを検査するディスク検査方法であって、
前記ディスクを角速度一定で再生してエラー数を測定し、記録エリア内を径方向に複数個に分割したエリアである分割エリア内で得られるエラー数の大小関係に基づいて、少なくとも分割エリア内でエラー数が最も大きい箇所を含む再検査が必要な箇所を再検査箇所として、各分割エリアごとに特定する粗検査ステップと、
少なくとも一つの再検査箇所付近を前記粗検査ステップにおいて角速度一定で再生した際の線速度以下の速度かつ線速度一定で再生してエラー数を測定し、当該測定されたエラー数に基づいて、前記ディスクを検査する精密検査ステップと、
を備え、
前記分割エリアは、角速度一定で再生した場合に、線速度の差に起因して生じるエラー誤判定数のバラツキが規定の許容範囲内に収まる範囲である、
ことを特徴とするディスク検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−33224(P2012−33224A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171206(P2010−171206)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000003676)ティアック株式会社 (339)
【Fターム(参考)】