説明

ディスク装置

【発明の詳細な説明】
〔概 要〕
本発明は、ディスク部を複数有するディスク装置の増設方法であって、 2重化をしたディスク装置を増設する場合、装置アドレス等の変更無しに、ディスク装置の増設を行うことを目的とし、 処理装置によってアクセスされる少なくとも2つ設けられたディスク部、前記複数のディスク部の各々に電源を供給する電源供給部、を有する第1ディスク装置と、処理装置によってアクセスされる少なくとも2つ設けられたディスク部、前記複数の夫々のディスク部に電源を供給する電源供給部、を有し、第1ディスク装置の電源供給部より、第2ディスク装置の少なくとも1つのディスク部に電源を供給し、且つ、第2ディスク装置の電源供給部より、第1ディスク装置の少なくとも1つのディスク部に電源を供給するよう構成した。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、ディスク部を複数備え、2重化したディスク装置を増設する場合のディスク装置に関する。
〔従来の技術〕
第2図及び第3図は従来の技術を示す。
第2図は、従来のディスクシステムを示す図、第3図は、ディスクを増設した図である。
10は処理装置であり、ディスク装置に対してアクセスを行うものである。11は基本ディスクであり、処理装置10に接続され、処理装置10からのアクセスに対して、必要な情報をディスクに書き込む或いは読み出す。13a〜13dはディスクである。14a〜14dは電源供給線であり、ディスク13a〜13dの夫々に電源を供給するためのものである。15、16は電源供給部であり、ディスク装置内の各ディスク13a〜13Dに供給を行う。
以下、同一部分においては、同符号を付す。
従来、処理装置10と基本ディスク11は図示しないバスで接続され、処理装置10からのアクセスに応じて、基本ディスク11内のディスク13a〜13bへのデータの書き込み、或いはディスク13a〜13bからのデータの読出を行いつつ、処理装置10は処理を行なっていた。
このような、ディスク装置では、ディスク13aに障害が発生した場合にも、ディスク13aからディスク13bへ切り換えることにより継続して処理を遂行できるようにしている。つまり、信頼性、処理効率を向上することを目的として、同じ情報をディスク13a及びディスク13bの夫々に書き込む、所謂、二重化ディスク制御が行われている。
しかし、ディスクは二つであるものの、同じ情報を記憶しているため、格納できる情報量は一つのディスクの分の容量しかない。そのため、大容量が必要な場合には、増設ディスク12を接続することにより、増設し、容量を確保する必要があった。
このようなディスク装置は、各ディスク13a〜13b或いは、ディスク13c〜13dに電源を供給する電源供給部16を夫々有している。
この電源供給部16は電源供給線14a〜14dを介してディスク13a〜13dに電源を供給している。
この電源により、ディスク13a〜13dはディスク盤を回動する駆動モータ或いは、ヘッドをシークするためのサーボモータ等を駆動し、読出書き込み処理を行う。
このようなシステムに増設ディスク12を接続して容量を増大し、さらにディスクを二重化するには、接続したディスクを第3図に示すようにする必要がある。
つまり、基本ディスク11だけが処理装置10に接続されている場合には、ディスク13aの二重化としてディスク13bを設け、ディスク13aの情報と同じ情報をディスク13bにも格納しておく。
増設ディスク12を基本ディスク11ともに処理装置10に接続した場合には、基本ディスク11だけが接続されているときと同じディスクの二重化方法では、電源等の障害時、二重化の意味を果たさなくなる。そのため、第3図の破線で囲ったディスク、つまり、ディスク13aの二重化としてディスク13cを設け、ディスク13bの二重化として、ディスク13dを設けるようにしている。従って、基本ディスク11の二重化として、増設ディスク12を設けることにより、ディスク自体に障害が発生しても、電源供給部15に障害が発生しても、バックアップが可能である。つまり、基本ディスク11の電源供給部15に障害が発生するれば、ディスク13a〜13bが使用不可能になるが、基本ディスク11の二重化である増設ディスク12に切り換えれば処理を継続して遂行できる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述したようなディスク装置では、基本ディスク11だけが処理装置10に接続されている場合には、ディスク13aの二重化としてディスク13bを設けていた。ディスク13bには、ディスク13aと同じ情報が書き込まれている。ここで、基本ディスク11に対して、増設ディスク12を増設する場合、しかも、ディスクを二重化にする場合には、第3図に示す様に、基本ディスク11の二重化として増設ディスク12を増設していた。そのため、増設時には、特にディスク13aと同じ情報をディスク13cに書き込んでやり、且つ、ディスク13bは、増設後には、二重化のディスクではなく、増設したディスクであり、ディスク13aに書ききれない情報の書き込む必要があり、そのため、処理装置10からのアクセスに対して動作するディスクを基本ディスク11だけで動作していた時とは、設定をかえる必要があった。
従って、基本ディスク11に対して増設ディスク12を増設するためには、アドレスの変更等色々と変更する必要があり、面倒であった。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は本発明の構成図である。
本発明のディスク装置は、処理装置10によってアクセスされる少なくとも2つのディスク部13a〜13b、接続されたディスクに対して電源を供給する電源供給部15を有する第1ディスク装置11と、処理装置10によってアクセスされる少なくとも2つのディスク部13c〜13d、接続されたディスクに対して電源を供給する電源供給部16を有する第2ディスク装置12とを有し、第1ディスク装置11内の1つのディスク部13bを、第1ディスク装置11内のあるディスク部13aのバックアップディスクとし、第2ディスク装置12内の1つのディスク部13dを、第2ディスク装置内のあるディスク部13cのバックアップディスクとし、第1ディスク装置内のディスク部13a,13bの一方のディスク部13bは、第1ディスク装置11内の電源供給部15に接続されるとともに、他方のディスク部13aは、第2ディスク装置12内の電源供給部16に接続され、第2ディスク装置12内のディスク部13c,13dの一方のディスク部13cは、第1ディスク装置11内の電源供給部15に接続されるとともに、他方のディスク部13dは、第2ディスク装置12内の電源供給部16に接続されるものである。
〔作 用〕
本発明は、複数のディスク装置11,12を設けるが、ある基本ディスク部13a,13c、および対応する夫々のバックアップディスク部13b,13dは、同一のディスク装置15,16内に設けられている。しかしながら、供給電源については、一方のディスク部13b,13cが第1ディスク装置11内の電源供給部15より供給されるのであれば、対応関係にあるディスク部13a,13dは、第2ディスク装置12内の電源供給部16より供給をうけるべくケーブルを配線する。
これにより、一方のディスク装置の電源に障害があった場合でも、他方のディスク装置の電源により処理を継続することが可能である。
また、第1のディスク装置11に基本ディスク部13a、バックアップディスク部13bが存在した状態で、第2のディスク装置12を増設した場合でも、ケーブルの配線を替えるだけで、バックアップディスク13bのデータを移しかえる必要がない。
〔実施例〕
第1図は本発明の構成図である。
処理装置10と基本ディスク11とは図示しないバスで接続されている。
処理装置10は基本ディスク11に対してアクセスを行い、データの読出、書き込みを行う。
基本ディスク11内にはディスク13a及びディスク13bが設けられており、ディスク13a及びディスク13bには同一のデータが書き込まれている。つまり、ディスク13aのバックアップ用としてディスク13bが設けられている。
このディスク13a及びディスク13bには、基本ディスク11の電源供給部15から電源供給線14a,14bを介して電源が供給されている。
必要に応じてこのシステムにディスクを増設したい場合には、このシステムに対して増設ディスク12を接続する。
つまり、図示しないバスで処理装置10と接続し、且つ、基本ディスク11の電源供給部15から電源供給線14aを介してディスク13cに対して電源を供給するようにし、しかも、増設ディスク12の電源供給部16から、電源供給線14cを介してディスク13aに対して、電源を供給するようにする。
また、他方、つまり、基本ディスク11のディスク13bに対しては、電源供給部15から電源供給線14bを介して電源を供給し、増設ディスク12のディスク13dに対しては、電源供給線14dを介して電源を供給する。
さらにディスクの二重化としては、基本ディスク11のディスク13aのバックアップ用として、基本ディスク11のディスク13bを設け、ディスク13bには、ディスク13aと同一の情報を書き込む。また、増設ディスク12のディスク13bのバックアップ用として増設ディスク12のディスク13dを設けて、ディスク13dにはディスク13cと同一の情報を書き込む。
以上のような接続を行うことにより、基本ディスク11の電源供給部に異常が発生した場合には、停止するディスクは基本ディスク11のディスク13bと増設ディスク12のディスク13cであり、基本ディスク11のディスク13aは増設ディスク12の電源供給により、動作し、増設ディスク12のディスク13cのバックアップ用として設けられた、ディスク13dも増設ディスク12の電源供給部16により動作するため、基本ディスク11の電源に異常が発生しても、基本ディスク11のディスク13aと増設ディスク12のディスク13dが動作するため、処理装置10は継続して処理を遂行することができる。
また、増設ディスク12の電源供給部16に異常が発生した場合には、基本ディスク11のディスク13aのバックアップ用に設けられたディスク13bは基本ディスク11の電源供給部15から供給された電源で動作し、増設ディスク12のディスク13cも基本ディスク11の電源供給部15から供給される電源により、動作するため、増設ディスク12の電源供給部16に異常が発生しても基本ディスク11のディスク13b及び増設ディスク12のディスク13cが動作するため処理装置10は継続して処理する遂行することができる。
しかも、基本ディスク11だけを処理装置10に接続していたときと同じ、二重化、つまり、ディスク13aのバックアップ用としてディスク13bが設けられており、基本ディスク11の設定は、全く変更する必要がない。
しかも、処理装置10側では、例えば、増設ディスク12に対応するアドレス増加するのみで制御が可能であり、特別にプログラムの変更を必要としないため、装置の性能アップ時にも、簡単なプログラムの変更のみで対応することができる。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明では、第1ディスクの電源供給部からは、自装置内のディスク部と第2ディスクの少なくとも一つのディスク部に電源を供給し、且つ、第2ディスクの電源供給部からは自装置内のディスク部と第1ディスクの少なくとも一つのディスク部に電源を供給するようにしたため、増設自に最初から接続されいてる第1ディスクの設定を変更するたとなく、片方のディスク装置の電源供給部に障害が発生した場合でも、確実に情報のバックアップが可能となる。
結果として、処理装置側のプログラムの変更も殆ど不要となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成図、第2図はディスクシステム、第3図はディスクを増設した図である。
10は処理装置、11は基本ディスク、12は増設ディスク、13a〜13dはディスク、14a〜14dは電源供給線、15、16は電源供給部である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】処理装置(10)によってアクセスされる少なくとも2つのディスク部(13a〜13b)、接続されたディスク部に対して電源を供給する電源供給部(15)、を有する第1ディスク装置(11)と、処理装置(10)によってアクセスされる少なくとも2つのディスク部(13c〜13d)、接続されたディスク部に対して電源を供給する電源供給部(16)、を有する第2ディスク装置(12)と、を有し、前記第1ディスク装置(11)内の1つのディスク部(13b)は、前記第1ディスク装置(11)内のあるディスク部(13a)のバックアップディスク部であり、前記第2ディスク装置(12)内の1つのディスク部(13d)は、前記第2ディスク装置(12)内のあるディスク部(13c)のバックアップディスク部であり、前記第1ディスク装置(11)内の前記ディスク部(13a,13b)の一方のディスク部(13b)は、前記第1ディスク装置(11)内の電源供給部(15)に接続されるとともに、他方のディスク部(13a)は、前記第2ディスク装置(12)内の電源供給部(16)に接続され、前記第2ディスク装置(12)内の前記ディスク部(13c,13d)の一方のディスク部(13c)は、前記第1ディスク装置(11)内の電源供給部(15)に接続されるとともに、他方のディスク部(13d)は、前記第2ディスク装置(12)内の電源供給部(16)に接続されることを特徴とするディスク装置。

【第1図】
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【第2図】
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【第3図】
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【特許番号】第2844794号
【登録日】平成10年(1998)10月30日
【発行日】平成11年(1999)1月6日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平2−19437
【出願日】平成2年(1990)1月30日
【公開番号】特開平3−224022
【公開日】平成3年(1991)10月3日
【審査請求日】平成8年(1996)2月6日
【出願人】(999999999)富士通株式会社
【参考文献】
【文献】特開 平2−81124(JP,A)
【文献】特公 昭56−27896(JP,B1)