説明

ディスプレイ支持装置

【課題】回動位置を所望の位置に安定して保持することが可能であるとともに、構造が簡単なディスプレイ支持装置を提供する。
【解決手段】柱部材120と、下端部が柱部材120に水平方向に回動可能な支持部材130と、支持部材130に操作力が加えられた場合に支持部材130を柱部材120に対して回動可能とする回動軸機構140と、支持部材に上下方向に回動可能な回動連結部材150と、回動連結部材150に操作力が加えられた場合に回動連結部材150を支持部材130に対して回動可能とする回動規制機構160と、ディスプレイ装置10および回動連結部材150に固定されるディスプレイ側固定部材170と、を具備し、支持部材130は、深絞り加工により左右軸線方向に一直線上に形成された左深絞り軸132aと右深絞り軸133aを備え、回動連結部材150には左深絞り軸132aと右深絞り軸133aが貫装される貫装孔とが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置を姿勢変更可能に支持するディスプレイ支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスプレイ装置を姿勢変更可能に支持するディスプレイ支持装置であって、ヒンジ機構を備えることでディスプレイ装置の画像表示面の角度を変更可能とする技術が広く知られている。
そして、このようなディスプレイ支持装置に適用可能なヒンジ機構の例としては、例えば特許文献1に開示される技術が公知となっている。
【0003】
この特許文献1に開示されるヒンジ機構は、一対の回動部材の一方の一部を深絞り加工(軸絞り加工)して深絞り軸(中空支軸)を成すとともに、該深絞り軸の頂面が凹面を成すように成形して、前記一対の回動部材の他方を前記深絞り軸に回動可能に嵌装するとともに、平ワッシャと抑えワッシャとスプリングワッシャとを嵌装し、前記深絞り軸の頂面外縁を潰すことにより、前記抑えワッシャとスプリングワッシャと平ワッシャとを介して前記一対の回動部材を相対回動可能にカシメ付けて構成されている。
【0004】
このヒンジ機構を左右一対に設けることにより、特許文献1に開示される如くディスプレイ支持装置(ヒンジ装置)を製作することが可能である。
しかしながら、ディスプレイ支持装置をこのような構成としただけでは、取り付けたディスプレイ装置の画像表示面の上下方向の角度(チルト角度)は変更可能であるものの、水平方向の角度は変更可能とすることができない。
【0005】
また、特許文献1に開示されるヒンジ機構においては、平ワッシャは単に他方の回動部材に押し付けることにより一方の回動部材の回動にともなって回動することを防止することとしている。
しかしながら、このような構成では、平ワッシャの表面が有する静止摩擦係数(μ)が小さいこと等に起因して、依然として、平ワッシャが一方の回動部材の回動にともなって回動してしまうことを確実に防止することができない。
そして、平ワッシャが一方の回動部材の回動にともなって回動してしまうと、一対の回動部材の相対回動が円滑に行われなくなったり、あるいは回動部材を所望の位置に安定して留めることが困難となったりする等の不具合が生じる。
【0006】
また、特許文献1に開示されるヒンジ機構においては、一対の回動部材を相対回動させたときに、スプリングワッシャが一方の回動部材と一体的に回動することとなる。
したがって、スプリングワッシャが抑えワッシャおよび平ワッシャに対して回動することとなり、スプリングワッシャが抑えワッシャおよび平ワッシャと擦れ合うことにより磨耗しやすいという問題がある。
そして、スプリングワッシャが磨耗すると平ワッシャを他方の回動部材に押し付ける力が不十分となり、ひいては前述のような不具合、すなわち、一対の回動部材の相対回動が円滑に行われなくなったり、あるいは回動部材を所望の位置に安定して留めることが困難となったりする等の不具合が生じる。
【0007】
さらに、特許文献1に開示されるヒンジ機構においては、一対の回動部材を相対回動させたときに、抑えワッシャが深絞り軸に対して回動する。
したがって、深絞り軸の頂面(カシメ部分)が抑えワッシャと擦れ合うことにより磨耗しやすく、カシメに緩みが生じやすいという問題があった。
【0008】
以上のような観点から、この特許文献1に開示されるヒンジ機構をディスプレイ支持装置に適用した場合、取り付けたディスプレイ装置の上下方向における回動位置および水平方向における回動位置を所望の位置に安定して保持することが困難であった。
とりわけ、比較的重量の大きい大型のディスプレイ装置を支持するディスプレイ支持装置においては、このヒンジ機構を適用することは好ましくなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−133945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は叙上の事情に鑑みてなされたものであり、取り付けたディスプレイ装置の上下方向における回動位置および水平方向における回動位置を所望の位置に安定して保持することが可能であるとともに、構造が簡単なディスプレイ支持装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0012】
すなわち、請求項1においては、
柱部材と、
下端部が前記柱部材に水平方向に回動可能に連結される支持部材と、
前記柱部材と前記支持部材との間に摩擦力を発生させることにより、前記支持部材に適宜の操作力が加えられた場合には前記支持部材を前記柱部材に対して回動可能とする回動軸機構と、
前記支持部材に上下方向に回動可能に連結される回動連結部材と、
前記支持部材と前記回動連結部材との間に摩擦力を発生させることにより、前記回動連結部材に適宜の操作力が加えられた場合には前記回動連結部材を前記支持部材に対して回動可能とする回動規制機構と、
ディスプレイ装置および前記回動連結部材に固定されるディスプレイ側固定部材と、
を具備するディスプレイ支持装置であって、
前記支持部材は、深絞り加工により左右方向を軸線方向として一直線上に形成された左深絞り軸および右深絞り軸を備え、
前記回動連結部材には、前記左深絞り軸が貫装される左深絞り軸側貫装孔と、前記右深絞り軸が貫装される右深絞り軸側貫装孔と、が形成されるものである。
【0013】
請求項2においては、
前記支持部材は、
前後方向に垂直な平面を有する背板と、
前記背板の左端部から前方に向かって前記背板に対して垂直に突出するように形成される左側板と、
前記背板の右端部から前方に向かって前記背板に対して垂直に突出するように形成される右側板と、
前記背板の下端部から前方に向かって前記背板に対して垂直に突出するように形成される底板と、
を有し、
前記左深絞り軸は前記左側板から垂直に突出するように形成され、
前記右深絞り軸は前記右側板から垂直に突出するように形成されるものである。
【0014】
請求項3においては、
前記支持部材は、
前記左側板の下端部から左右方向内側に向かって前記左側板に対して垂直に突出するように形成される左フランジ板と、
前記右側板の下端部から左右方向内側に向かって前記右側板に対して垂直に突出するように形成される右フランジ板と、
を有し、
前記左フランジ板および前記右フランジ板は、
前記底板に固定されるものである。
【0015】
請求項4においては、
前記回動軸機構は、
前記支持部材を前記柱部材に対して回動可能に軸支する軸部材と、
前記軸部材に貫装される一対の平ワッシャと、
前記軸部材に貫装されるとともに前記一対の平ワッシャに挟まれるスプリングワッシャと、
前記軸部材に螺装されるナットと、
を備えるものである。
【0016】
請求項5においては、
前記回動規制機構は、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記支持部材に当接する左第一摩擦板と、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記回動連結部材に当接する左第二摩擦板と、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記回動連結部材を挟んで前記左第二摩擦板の反対側に配置され、前記回動連結部材に当接する左第三摩擦板と、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記左第三摩擦板を挟んで前記回動連結部材の反対側に配置され、前記左第三摩擦板に当接する左平ワッシャと、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記左平ワッシャを挟んで前記左第三摩擦板の反対側に配置され、前記左平ワッシャに当接する左スプリングワッシャと、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに、前記左スプリングワッシャを挟んで前記左平ワッシャの反対側に配置され、前記左スプリングワッシャに当接する左抑えワッシャと、
を有する左回動規制機構と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記支持部材に当接する右第一摩擦板と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記回動連結部材に当接する右第二摩擦板と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記回動連結部材を挟んで前記右第二摩擦板の反対側に配置され、前記回動連結部材に当接する右第三摩擦板と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記右第三摩擦板を挟んで前記回動連結部材の反対側に配置され、前記右第三摩擦板に当接する右平ワッシャと、
前記右深絞軸に貫装されるとともに前記右平ワッシャを挟んで前記右第三摩擦板の反対側に配置され、前記右平ワッシャに当接する右スプリングワッシャと、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに、前記右スプリングワッシャを挟んで前記右平ワッシャの反対側に配置され、前記右スプリングワッシャに当接する右抑えワッシャと、
を有する右回動規制機構と、
を備えるものである。
【0017】
請求項6においては、
前記左深絞り軸の先端部は前記左抑えワッシャにカシメ付けられ、
前記右深絞り軸の先端部は前記右抑えワッシャにカシメ付けられるものである。
【0018】
請求項7においては、
前記左深絞り軸の先端部にはナットが螺装され、
前記右深絞り軸の先端部にはナットが螺装されるものである。
【0019】
請求項8においては、
前記左回動規制機構は、
前記左第一摩擦板を前記支持部材に対して相対回転不能とする左第一係止機構と、
前記左第二摩擦板および前記左第三摩擦板を前記回動連結部材に対して相対回転不能とする左第二係止機構と、
前記左平ワッシャおよび前記左スプリングワッシャを前記左抑えワッシャに対して相対回転不能とする左第三係止機構と、
を有し、
前記右回動規制機構は、
前記右第一摩擦板を前記支持部材に対して相対回転不能とする右第一係止機構と、
前記右第二摩擦板および前記右第三摩擦板を前記回動連結部材に対して相対回転不能とする右第二係止機構と、
前記右平ワッシャおよび前記右スプリングワッシャを前記右抑えワッシャに対して相対回転不能とする右第三係止機構と、
を有するものである。
【0020】
請求項9においては、
柱部材と、
下端部が前記柱部材に回動可能に連結される支持部材と、
前記支持部材に上下方向に回動可能に連結される回動連結部材と、
ディスプレイ装置および前記回動連結部材に固定されるディスプレイ側固定部材と、
前記柱部材と前記支持部材との間に摩擦力を発生させることにより、前記支持部材に適宜の操作力が加えられた場合には前記支持部材を前記柱部材に対して回動可能とする水平回動規制機構と、
前記支持部材と前記回動連結部材との間に摩擦力を発生させることにより、前記回動連結部材に適宜の操作力が加えられた場合には前記回動連結部材を前記支持部材に対して回動可能とする回動規制機構と、
を具備するディスプレイ支持装置であって、
前記支持部材は、
深絞り加工により下方に向けて突出するように形成された下深絞り軸と、
深絞り加工により左右方向を軸線方向として一直線上に形成された左深絞り軸および右深絞り軸と、
を備え、
前記柱部材には、前記下深絞り軸が貫装される下深絞り軸側貫装孔が形成され、
前記回動連結部材には、前記左深絞り軸が貫装される左深絞り軸側貫装孔と、前記右深絞り軸が貫装される右深絞り軸側貫装孔と、が形成されるものである。
【0021】
請求項10においては、
前記支持部材は、
前後方向に垂直な平面を有する背板と、
前記背板の左端部から前方に向かって前記背板に対して垂直に突出するように形成される左側板と、
前記背板の右端部から前方に向かって前記背板に対して垂直に突出するように形成される右側板と、
前記背板の下端部から前方に向かって前記背板に対して垂直に突出するように形成される底板と、
を有し、
前記左深絞り軸は前記左側板から垂直に突出するように形成され、
前記右深絞り軸は前記右側板から垂直に突出するように形成され、
前記下深絞り軸は前記底板から下方に向かって垂直に突出するように形成されるものである。
【0022】
請求項11においては、
前記支持部材は、
前記左側板の下端部から左右方向内側に向かって前記左側板に対して垂直に突出するように形成される左フランジ板と、
前記右側板の下端部から左右方向内側に向かって前記右側板に対して垂直に突出するように形成される右フランジ板と、
を有し、
前記左フランジ板および前記右フランジ板は、
前記底板に固定されるものである。
【0023】
請求項12においては、
前記回動規制機構は、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記支持部材に当接する左第一摩擦板と、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記回動連結部材に当接する左第二摩擦板と、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記回動連結部材を挟んで前記左第二摩擦板の反対側に配置され、前記回動連結部材に当接する左第三摩擦板と、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記左第三摩擦板を挟んで前記回動連結部材の反対側に配置され、前記左第三摩擦板に当接する左平ワッシャと、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記左平ワッシャを挟んで前記左第三摩擦板の反対側に配置され、前記左平ワッシャに当接する左スプリングワッシャと、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに、前記左スプリングワッシャを挟んで前記左平ワッシャの反対側に配置され、前記左スプリングワッシャに当接する左抑えワッシャと、
を有する左回動規制機構と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記支持部材に当接する右第一摩擦板と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記回動連結部材に当接する右第二摩擦板と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記回動連結部材を挟んで前記右第二摩擦板の反対側に配置され、前記回動連結部材に当接する右第三摩擦板と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記右第三摩擦板を挟んで前記回動連結部材の反対側に配置され、前記右第三摩擦板に当接する右平ワッシャと、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記右平ワッシャを挟んで前記右第三摩擦板の反対側に配置され、前記右平ワッシャに当接する右スプリングワッシャと、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに、前記右スプリングワッシャを挟んで前記右平ワッシャの反対側に配置され、前記右スプリングワッシャに当接する右抑えワッシャと、
を有する右回動規制機構と、
を備え、
前記水平回動規制機構は、
前記下深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記柱部材との間に配置され、前記支持部材に当接する水平第一摩擦板と、
前記下深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記柱部材との間に配置され、前記柱部材に当接する水平第二摩擦板と、
前記下深絞り軸に貫装されるとともに前記柱部材を挟んで前記水平第二摩擦板の反対側に配置され、前記柱部材に当接する水平第三摩擦板と、
前記下深絞り軸に貫装されるとともに前記水平第三摩擦板を挟んで前記柱部材の反対側に配置され、前記水平第三摩擦板に当接する水平平ワッシャと、
前記下深絞り軸に貫装されるとともに前記水平平ワッシャを挟んで前記水平第三摩擦板の反対側に配置され、前記水平平ワッシャに当接する水平スプリングワッシャと、
前記下深絞り軸に貫装されるとともに前記水平スプリングワッシャを挟んで前記水平平ワッシャの反対側に配置され、前記水平スプリングワッシャに当接する水平抑えワッシャと、
を備えるものである。
【0024】
請求項13においては、
前記左深絞り軸の先端部は前記左抑えワッシャにカシメ付けられ、
前記右深絞り軸の先端部は前記右抑えワッシャにカシメ付けられ、
前記下深絞り軸の下端部は前記水平抑えワッシャにカシメ付けられるものである。
【0025】
請求項14においては、
前記左深絞り軸の先端部にはナットが螺装され、
前記右深絞り軸の先端部にはナットが螺装され、
前記下深絞り軸の下端部にはナットが螺装されるものである。
【0026】
請求項15においては、
前記左回動規制機構は、
前記左第一摩擦板を前記支持部材に対して相対回転不能とする左第一係止機構と、
前記左第二摩擦板および前記左第三摩擦板を前記回動連結部材に対して相対回転不能とする左第二係止機構と、
前記左平ワッシャおよび前記左スプリングワッシャを前記左抑えワッシャに対して相対回転不能とする左第三係止機構と、
を有し、
前記右回動規制機構は、
前記右第一摩擦板を前記支持部材に対して相対回転不能とする右第一係止機構と、
前記右第二摩擦板および前記右第三摩擦板を前記回動連結部材に対して相対回転不能とする右第二係止機構と、
前記右平ワッシャおよび前記右スプリングワッシャを前記右抑えワッシャに対して相対回転不能とする右第三係止機構と、
を有し、
前記水平回動規制機構は、
前記水平第一摩擦板を前記支持部材に対して相対回転不能とする水平第一係止機構と、
前記水平第二摩擦板および前記水平第三摩擦板を前記柱部材に対して相対回転不能とする水平第二係止機構と、
前記水平平ワッシャおよび前記水平スプリングワッシャを前記水平抑えワッシャに対して相対回転不能とする水平第三係止機構と、
を有するものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、取り付けたディスプレイ装置の上下方向における回動位置および水平方向における回動位置を所望の位置に安定して保持することが可能となり、また、構造が簡単である、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第一実施形態に係るディスプレイ支持装置の全体的な構成を示す斜視図である。
【図2】柱部材の構成を示す斜視図である。
【図3】支持部材の構成を示す斜視図である。
【図4】回動軸機構の構成を示す正面断面図である。
【図5】回動連結部材の構成を示す斜視図である。
【図6】左回動規制機構の構成を示す分解説明図であり、図中の二点鎖線はカシメる前の左深絞り軸の形状を示している。
【図7】左回動規制機構の構成を示す平面断面図である。
【図8】右回動規制機構の構成を示す分解説明図であり、図中の二点鎖線はカシメる前の右深絞り軸の形状を示している。
【図9】右回動規制機構の構成を示す平面断面図である。
【図10】ディスプレイ側固定部材の構成を示す斜視図である。
【図11】ディスプレイ装置の画像表示面が前方(正面)を向く状態におけるディスプレイ支持装置の姿勢を示す左側面図である。
【図12】図11の状態のディスプレイ装置を水平方向に所定角度(略180°)回動させた場合におけるディスプレイ支持装置の姿勢を示す左側面図である。
【図13】図11の状態のディスプレイ装置を上下方向に所定角度(略10°)回動させた場合におけるディスプレイ支持装置の姿勢を示す左側面図である。
【図14】図13の状態のディスプレイ装置を水平方向に所定角度(略180°)回動させた場合におけるディスプレイ支持装置の姿勢を示す左側面図である。
【図15】本発明の第二実施形態に係るディスプレイ支持装置の全体的な構成を示す斜視図である。
【図16】支持部材の構成を示す正面図である。
【図17】水平回動規制機構の構成を示す分解説明図であり、図中の二点鎖線はカシメる前の下深絞り軸の形状を示している。
【図18】水平回動規制機構の構成を示す正面断面図である。
【図19】ディスプレイ装置の画像表示面が前方(正面)を向く状態における、第二実施形態に係るディスプレイ支持装置の姿勢を示す左側面図である。
【図20】図19の状態のディスプレイ装置を水平方向に所定角度(略180°)回動させた場合における、第二実施形態に係るディスプレイ支持装置の姿勢を示す左側面図である。
【図21】図19の状態のディスプレイ装置を上下方向に所定角度(略10°)回動させた場合における、第二実施形態に係るディスプレイ支持装置の姿勢を示す左側面図である。
【図22】図21の状態のディスプレイ装置を水平方向に所定角度(略180°)回動させた場合における、第二実施形態に係るディスプレイ支持装置の姿勢を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、本発明に係るディスプレイ支持装置の第一実施形態であるディスプレイ支持装置100について、図1から図14までを参照して説明する。
ディスプレイ支持装置100は、ディスプレイ装置10を姿勢変更可能に支持する装置である。
「ディスプレイ装置」は、画像を表示可能な装置を指す。ディスプレイ装置の具体例としては、ブラウン管方式、プラズマ方式、あるいは液晶方式等の種々の方式のテレビジョン、パーソナルコンピュータ用のディスプレイが挙げられる。
【0030】
以下では便宜上、重力が作用する方向を「上下方向」、上下方向に垂直な方向を「前後方向」、上下方向に垂直かつ前後方向に垂直な方向を「左右方向」と定義し、これらの方向を用いて説明を行うものとする。
【0031】
ディスプレイ支持装置100は、図1に示すように、ベース部材110、柱部材120、支持部材130、回動軸機構140、回動連結部材150、回動規制機構160、およびディスプレイ側固定部材170等を具備する。
ベース部材110、柱部材120、支持部材130、回動連結部材150、およびディスプレイ側固定部材170は、ディスプレイ支持装置100の主たる構造体を成す。
【0032】
ベース部材110は、図1および図11に示すように、板状の部材であり、その中央部に複数のネジ孔110a・110a・・・が形成される。ネジ孔110a・110a・・・の内周面には雌ネジが形成される。ベース部材110は、例えば建物の床、家具の上等に載置される。
【0033】
柱部材120は、本発明に係る柱部材の実施の一形態である。
柱部材120は、図2および図11に示すように、前板121、後板122、左板123、右板124、上板125、前フランジ126、後フランジ127、左フランジ128、および右フランジ129等を備える。
本実施形態の柱部材120は、1枚の金属製の板材を折り曲げて、下面が開口した略箱形状に成形される。
【0034】
前板121は柱部材120の前面部を成す。前板121の下端部には、柱部材120の中央部から外側(前方)に向かって、前板121に対して垂直に張り出した前フランジ126が形成される。前フランジ126には、ネジを貫装するための貫装孔126a・126aが形成される(図11参照)。
【0035】
後板122は柱部材120の後面部を成す。後板122の下端部には、柱部材120の中央部から外側(後方)に向かって、後板122に対して垂直に張り出した後フランジ127が形成される。後フランジ127には、ネジを貫装するための貫装孔127a・127aが形成される。
【0036】
左板123は柱部材120の左面部を成す。左板123の下端部には、柱部材120の中央部から外側(左側方)に向かって、左板123に対して垂直に張り出した左フランジ128が形成される。左フランジ128には、ネジを貫装するための貫装孔128aが形成される。
【0037】
右板124は柱部材120の右面部を成す。右板124の下端部には、柱部材120の中央部から外側(右側方)に向かって、右板124に対して垂直に張り出した右フランジ129が形成される。右フランジ129には、ネジを貫装するための貫装孔129aが形成される(図2参照)。
【0038】
上板125は、柱部材120の上面部を成す。上板125の中央部には、柱部材120を支持部材130に軸支するための貫装孔125aが形成される。
【0039】
なお、本実施形態の柱部材120は、1枚の金属製の板材を折り曲げて成形されるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、前板、後板、左板、右板、上板、前フランジ、後フランジ、左フランジ、および右フランジを個別の板材として設けて、それぞれの板材をネジ等の締結手段で固定して形成するものとしても良い。また、充分な強度を確保することが可能であれば、柱部材を樹脂材料等により一体成形しても良い。
【0040】
こうして、柱部材120の前板121を前方に配置した状態で、前フランジ126の貫装孔126a・126a、後フランジ127の貫装孔127a・127a、左フランジ128の貫装孔128a、および右フランジ129の貫装孔129aを、それぞれベース部材110のネジ孔110a・110a・・・と重ね合わせて、それぞれの貫装孔にネジを貫装し、ネジ孔110aに締め付けることにより、柱部材120がベース部材110の中央部に固定される。
【0041】
なお、本実施形態においては、ベース部材110と柱部材120とを個別の部材として備えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、例えば、ベース部材と柱部材とを1枚の金属製の板材により一体成形しても良い。あるいは、ベース部材を具備しない構成として、柱部材の前フランジ、後フランジ、左フランジ、および右フランジを、締結手段により家具の上等に直接固定することとしても良い。
【0042】
支持部材130は、本発明に係る支持部材の実施の一形態である。
支持部材130は、図3および図4に示すように、背板131、左側板132、右側板133、底板134、左フランジ板135、右フランジ板136、左深絞り軸132a、および右深絞り軸133a等を備える。
本実施形態の支持部材130は、1枚の金属製の板材を折り曲げて、前面および上面が開口した概ね箱形状(直方体形状)に形成される。
【0043】
背板131は、本発明に係る背板の実施の一形態である。
背板131は、支持部材130の背面部を成す。本実施形態の背板131は、前後方向に垂直な平面を有している。本実施形態では、背板131は左右方向に長い長方形状に形成される。
【0044】
左側板132は、本発明に係る左側板の実施の一形態である。
左側板132は、支持部材130の左面部を成す。具体的には、背板131の左端部から前方に向かって左側板132が、背板131に対して垂直に突出するように形成される。
左側板132の下端部には、支持部材130の左右方向内側に向かって左側板132に対して垂直に張り出した左フランジ板135が形成される。左フランジ板135は、本発明に係る左フランジ板の実施の一形態である。
左フランジ板135には、ネジ孔135a(図4参照)が形成される。ネジ孔135aの内周面には雌ネジが形成される。
【0045】
右側板133は、本発明に係る右側板の実施の一形態である。
右側板133は、支持部材130の右面部を成す。具体的には、背板131の右端部から前方に向かって右側板133が、背板131に対して垂直に突出するように形成される。
右側板133の下端部には、支持部材130の左右方向内側に向かって右側板133に対して垂直に張り出した右フランジ板136が形成される。右フランジ板136は、本発明に係る右フランジ板の実施の一形態である。
右フランジ板136には、ネジ孔136a(図4参照)が形成される。ネジ孔136aの内周面には雌ネジが形成される。
【0046】
底板134は、本発明に係る底板の実施の一形態である。
底板134は、支持部材130の底面部を成す。具体的には、背板131の下端部から前方に向かって底板134が、背板131に対して垂直に突出するように形成される。底板134の左右両端部には、ネジを貫装するための貫装孔134a・134b(図4参照)がそれぞれ形成される。底板134の中央部には、支持部材130を柱部材120に水平方向に回動可能に(水平面に垂直な軸を中心に回動可能に)連結するための貫装孔134cが形成される。
【0047】
こうして、図3および図4に示すように、左フランジ板135のネジ孔135aを底板134の左端部側の貫装孔134aに重ね合わせて、かつ、右フランジ板136のネジ孔136aを底板134の右端部側の貫装孔134bに重ね合わせて、それぞれの貫装孔134a・134bに下方からネジを貫装しネジ孔135a・136aに締め付けることにより、左フランジ板135および右フランジ板136が底板134に固定される。このように構成することにより、支持部材130の変形強度(変形に抗する強度)が向上し、ディスプレイ支持装置100により支持されるディスプレイ装置10が重い場合でも支持部材130の形状が前述の如く成形された形状に保持される。
【0048】
左深絞り軸132aは、本発明に係る左深絞り軸の実施の一形態である。
図3に示すように、左深絞り軸132aは、左側板132の中央部から支持部材130の左右方向外側に向かって左側板132に対して垂直に突出するように成形される。本実施形態の左深絞り軸132aは、略円筒形状に形成される。
具体的には、左深絞り軸132aは、1枚の金属製の板材を折り曲げて支持部材130を概ね箱形状に成形するよりも前の製造工程で、板材(成形前の平面状の板材)における左側板132の中央部に相当する部分にプレス機を用いて深絞り加工を施すことで成形される。
【0049】
右深絞り軸133aは、本発明に係る右深絞り軸の実施の一形態である。
図3に示すように、右深絞り軸133aは、右側板133の中央部から支持部材130の左右方向外側に向かって右側板133に対して垂直に突出するように成形される。本実施形態の右深絞り軸133aは、略円筒形状に形成される。
具体的には、右深絞り軸133aは、1枚の金属製の板材を折り曲げて支持部材130を概ね箱形状に成形するよりも前の製造工程で、板材(成形前の平面状の板材)における右側板133の中央部に相当する部分にプレス機を用いて深絞り加工を施すことで成形される。
本実施形態における右深絞り軸133aの寸法は、左深絞り軸132aの寸法と同じである。
右深絞り軸133aは、左深絞り軸132aと同一直線上となるように設けられる。換言すれば、左深絞り軸132aの軸線および右深絞り軸133aの軸線は一直線となる。
【0050】
以上の如く、本実施形態の支持部材130は、1枚の金属製の板材(成形前の平面状の板材)に左深絞り軸132aと右深絞り軸133aとを深絞り加工により成形した後に、概ね箱形状となるように折り曲げて成形されるものである。
したがって、左深絞り軸132aと、右深絞り軸133aとを、一直線上に設けることが容易となる。
また、左深絞り軸132aが形成される左側板132と、右深絞り軸133aが形成される右側板133との位置関係が、背板131と底板134と左フランジ板135と右フランジ板136とにより支持されることによって強固に維持されるので、左深絞り軸132aと右深絞り軸133aとが一直線上にある状態を安定して保持することが可能となる(外力が加わっても容易には変更されない)。
【0051】
支持部材130の背板131が後側(柱部材120の後板122が配置される側)となる状態で、支持部材130の底板134の下面を柱部材120の上板125の上面に重ね合わせたとき、支持部材130における底板134の貫装孔134cと、柱部材120における上板125の貫装孔125aとを、平面視で重ね合わせることが可能である。そして、この状態で、支持部材130における底板134の貫装孔134cと、柱部材120における上板125の貫装孔125aとに、後述の軸部材141が貫装される(図4参照)。このように構成することで、支持部材130の下端部が柱部材120に回動可能に連結(軸支)されている。
【0052】
以下では、回動軸機構140の構成について、図4を参照して説明する。
回動軸機構140は、本発明に係る回動軸機構の実施の一形態である。
回動軸機構140は、柱部材120に対して支持部材130を適宜の操作力を加えた場合に限り回動可能とする機構である。換言すれば、回動軸機構140は、支持部材130に適宜の操作力が加えられた場合には支持部材130を柱部材120に対して回動可能とする機構である。
回動軸機構140は、軸部材141、一対の平ワッシャ142・143、ウェーブワッシャ144、およびナット145等を備える。
【0053】
軸部材141は、本発明に係る軸部材の実施の一形態である。
軸部材141は、頭部141aと胴体部141bとにより一体的に形成される部材である。頭部141aは、略六角柱形状の部分である。頭部141aの中央部からは、胴体部141bが突出される。胴体部141bは、略円柱形状の部材の一部を面取りしてなる部分であり、その軸線が頭部141aの軸線と一直線となるように形成される。胴体部141bの径は、頭部141aの径よりも小さい。また、胴体部141bの半径は、柱部材120における上板125の貫装孔125aの半径、および支持部材130における底板134の貫装孔134cの半径よりも、若干小さい寸法となるように設定されている。胴体部141bにおける頭部141aと反対側の端部には、ナット145を螺装するための雄ネジが形成される。
なお、本実施形態の軸部材141としては、市販のボルトが用いられている。
【0054】
平ワッシャ142・143は、本発明に係る一対の平ワッシャの実施の一形態である。
平ワッシャ142・143は、中央部に貫装孔が形成された円盤形状の部材である。本実施形態の回動軸機構140においては、2枚の平ワッシャ142・143が備えられる。
【0055】
ウェーブワッシャ144は、本発明に係るスプリングワッシャの実施の一形態である。
ウェーブワッシャ144は、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材であり、周方向に波型の断面形状を有している。より詳細には、ウェーブワッシャ144は、周方向に所定間隔毎に山部と谷部とを交互に有している。ウェーブワッシャ144は、厚み方向に弾性変形が可能な部材である。
【0056】
なお、本実施形態の回動軸機構140は、スプリングワッシャの実施の一形態としてウェーブワッシャ144を備えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、スプリングワッシャは厚み方向に弾性変形が可能なワッシャであれば良く、例えばウェーブワッシャ144に代えて皿バネを備えるものとしても良い。
【0057】
ナット145は、本発明に係るナットの実施の一形態である。
ナット145は、軸部材141の胴体部141bに螺装される部材である。ナット145の中央部には、胴体部141bに螺装するための貫装孔が形成される。貫装孔の内周面には、雌ネジが形成される。
【0058】
軸部材141(の胴体部141b)は、頭部141aを下側に向けて軸線方向を上下方向に対して平行とした状態で、柱部材120の下方から、柱部材120の上板125の貫装孔125aと、支持部材130の底板134の貫装孔134cとに貫装される。
そして、この状態の軸部材141の胴体部141bに、支持部材130の上方から(胴体部141bの先端側から)、平ワッシャ142、ウェーブワッシャ144、および平ワッシャ143がこの順に嵌装される。そして、胴体部141bの先端部(上端部)にナット145が螺装される。
すなわち、本実施形態の回動軸機構140においては、平ワッシャ142・143は、支持部材130の底板134とナット145とで挟まれる位置に配置される。そして、ウェーブワッシャ144は、2枚の平ワッシャ142・143で挟まれる位置に配置される。
【0059】
ナット145を胴体部141bの先端部に締め付けていくことにより、柱部材120の上板125と支持部材130の底板134、支持部材130の底板134と平ワッシャ142、平ワッシャ142とウェーブワッシャ144、ウェーブワッシャ144と平ワッシャ143、および平ワッシャ143とナット145が、密接する。
そして、さらにナット145を胴体部141bの先端部に締め付けていくと、平ワッシャ142と平ワッシャ143との間隔が狭くなり、平ワッシャ142と平ワッシャ143との間に挟まれたウェーブワッシャ144が圧縮されて厚み方向に弾性変形する。
その結果、ウェーブワッシャ144が元の形状に戻ろうとする復元力(弾性力)が発生し、当該復元力により、一方の平ワッシャ142は支持部材130の底板134に押し付けられることとなり、他方の平ワッシャ143はナット145に押し付けられることとなる。
これにより、一方の平ワッシャ142の下面と底板134(支持部材130)の上面との間、および他方の平ワッシャ143の上面とナット145の下面との間に摩擦力が発生する。
そして、当該摩擦力により、支持部材130の柱部材120に対する回動が規制される。換言すれば、ある程度大きい力(所定の操作力)を加えなければ支持部材130が柱部材120に対して回動しないこととする、いわゆる回動規制機構が構成されている。
【0060】
なお、この回動軸機構140においては、ナット145の軸部材141(胴体部141b)への締め付け量を調整することにより、一方の平ワッシャ142の下面と底板134(支持部材130)の上面との間、および他方の平ワッシャ143の上面とナット145の下面との間に発生する摩擦力の大きさを適宜に調整することが可能である。これにより、支持部材130を柱部材120に対して所望の操作力により回動可能とする回動規制機構(回動軸機構140)を実現することが可能である。
【0061】
また、2枚の平ワッシャ142・143の間に挟まれるウェーブワッシャ144の数を複数枚にしたり、あるいは、回動軸機構140に適用するウェーブワッシャとして、適宜のバネ常数を有するウェーブワッシャ(あるいは皿バネ)を選定することによっても一方の平ワッシャ142の下面と底板134(支持部材130)の上面との間、および他方の平ワッシャ143の上面とナット145の下面との間に発生する摩擦力の大きさを適宜に調整することが可能である。
【0062】
なお、本実施形態の回動軸機構140においては、軸部材141が頭部141aを下側に向けた状態で柱部材120の上板125の貫装孔125aと、支持部材130の底板134の貫装孔134cとに貫装されるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、軸部材は、頭部を上側に向けた状態で、支持部材の上方から支持部材の底板の貫装孔と、柱部材の上板の貫装孔とに貫装することとしても良い。
【0063】
また、本実施形態においては、2枚の平ワッシャ142・143と、これらの間に挟まれるウェーブワッシャ144とは、支持部材130の底板134とナット145とで挟まれる位置に配置されるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、2枚の平ワッシャとウェーブワッシャ(スプリングワッシャ)とは、例えば、軸部材の頭部と柱部材の上板とで挟まれる位置に配置しても良いし、あるいは、柱部材の上板と支持部材の底板とで挟まれる位置に配置しても良い。
【0064】
以下では、回動連結部材150の構成について、図5を参照して説明する。
回動連結部材150は、本発明に係る回動連結部材の実施の一形態である。
回動連結部材150は、左回動部材151Lおよび右回動部材151Rを備える。
【0065】
左回動部材151Lは、回動連結部材150の左部を成すものである。左回動部材151Lは、主面部152Lおよび左側面部153Lを有する。
本実施形態の左回動部材151Lは、1枚の金属製の板材を折り曲げて成形されるものである。具体的には、主面部152Lの左端部から後方に向かって左側面部153Lが、主面部152Lに対して垂直に突出するように成形される。
主面部152Lには、ネジを貫装するための複数の貫装孔154L・154Lが形成される。貫装孔154L・154Lの内周面には雌ネジが形成される。
左側面部153Lには、左回動部材151Lを支持部材130に軸支するための貫装孔155Lが形成される。貫装孔155Lは、本発明に係る左深絞り軸側貫装孔の実施の一形態である。
【0066】
右回動部材151Rは、回動連結部材150の右部を成すものである。右回動部材151Rは、主面部152Rおよび右側面部153Rを有する。
本実施形態の右回動部材151Rは、1枚の金属製の板材を折り曲げて成形されるものである。具体的には、主面部152Rの右端部から後方に向かって右側面部153Rが、主面部152Rに対して垂直に突出するように成形される。
主面部152Rには、ネジを貫装するための複数の貫装孔154R・154Rが形成される。貫装孔154R・154Rの内周面には雌ネジが形成される。
右側面部153Rには、右回動部材151Rを支持部材130に軸支するための貫装孔155Rが形成される。貫装孔155Rは、本発明に係る右深絞り軸側貫装孔の実施の一形態である。
本実施形態の右回動部材151Rは、左回動部材151Lと相互に鏡像の関係にある形状に構成されている。
【0067】
左回動部材151Lは、主面部152Lを支持部材130の前方に配置しつつ、左側面部153Lを支持部材130の左側板132の左側方に配置した状態で、左側面部153Lの貫装孔155Lが左深絞り軸132aに嵌装されることにより、支持部材130に連結(軸支)される(図1および図6参照)。このとき、左深絞り軸132aには、後述の左回動規制機構160Lが備えられる。
【0068】
右回動部材151Rは、主面部152Rを支持部材130の前方に配置しつつ、右側面部153Rを支持部材130の右側板133の右側方に配置した状態で、右側面部153Rの貫装孔155Rが右深絞り軸133aに嵌装されることにより、支持部材130に連結(軸支)される(図1および図8参照)。このとき、右深絞り軸133aには、後述の右回動規制機構160Rが備えられる。
【0069】
なお、図1および図5に示した左回動部材151Lは、主面部152Lをディスプレイ支持装置100の左右方向内側に向けた状態で左深絞り軸132aに貫装されるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、左回動部材は、主面部をディスプレイ支持装置の左右方向外側に向けた状態で左深絞り軸に貫装されるものとしても良い。これと同様に、右回動部材は、主面部をディスプレイ支持装置の左右方向外側に向けた状態で右深絞り軸に貫装されるものとしても良い。
【0070】
以下では、回動規制機構160の構成について、図6から図9までを参照して説明する。
回動規制機構160は、本発明に係る回動規制機構の実施の一形態である。
回動規制機構160は、支持部材130に対して回動連結部材150を適宜の操作力を加えた場合に限り回動可能とする機構である。換言すれば、回動規制機構160は、回動連結部材150に適宜の操作力が加えられた場合には回動連結部材150を支持部材130に対して回動可能とする機構である。
回動規制機構160は、左回動規制機構160Lおよび右回動規制機構160Rを備える。
【0071】
左回動規制機構160Lは、本発明に係る左回動規制機構の実施の一形態である。
左回動規制機構160Lは、支持部材130に対する左回動部材151Lの回動を規制するものであり、所定値以上の操作力が加えられた場合に限り左回動部材151Lを支持部材130に対して回動可能とする機構である。
図6および図7に示すように、左回動規制機構160Lは、第一摩擦板161L、第二摩擦板162L、第三摩擦板163L、平ワッシャ164L、ウェーブワッシャ165L、および抑えワッシャ166L等を有する。
【0072】
第一摩擦板161Lは、本発明に係る左第一摩擦板の実施の一形態である。
第一摩擦板161Lは、図6に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材に、2箇所の突起状の係止片61L・71Lを設けたものである。第一摩擦板161Lは、一定の静止摩擦係数を有する摩擦抵抗力発生面81Lを有している。
本実施形態の第一摩擦板161Lにおいては、周縁部の一部が、摩擦抵抗力発生面81Lの反対側の面に対して垂直に起立するように折り曲げられることにより、係止片61L・71Lが形成される。係止片71Lは、第一摩擦板161Lの中央部を中心として係止片61Lと点対称となる位置に設けられる。
【0073】
第一摩擦板161Lは、図7に示すように、第一摩擦板161Lの貫装孔が左深絞り軸132aに嵌装されることにより、支持部材130(左側板132)と左回動部材151L(左側面部153L)との間に配置される。
より詳細には、第一摩擦板161Lは、支持部材130の左側板132に左側方から当接した状態で、かつ、係止片61L・71Lを支持部材130の左側板132に形成された係止孔132b・132cに係合した状態で、左深絞り軸132aに嵌装される。
ここで、第一摩擦板161Lの係止片61L・71Lと、支持部材130における左側板132の係止孔132b・132cと、を組み合わせたものは、本発明に係る左第一係止機構の実施の一形態を成している。
【0074】
なお、本実施形態の左第一係止機構は、係止片61L・71Lと、係止孔132b・132cとを含むものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、左第一係止機構は、左第一摩擦板を支持部材に対して相対回転不能とするものであれば良く、例えば、支持部材に係止片を設け、左第一摩擦板にこの係止片と係合する係止孔を設けるものとしても良い。また、係止孔の代わりに、一端を閉塞した係止穴を設けるものとしても良い。
【0075】
第二摩擦板162Lは、本発明に係る左第二摩擦板の実施の一形態である。
第二摩擦板162Lは、図6に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材に、突起状の係止片62Lを設けたものである。第二摩擦板162Lは、一定の静止摩擦係数を有する摩擦抵抗力発生面72Lを有している。
本実施形態の第二摩擦板162Lにおいては、周縁部の一部が、摩擦抵抗力発生面72Lの反対側の面に対して垂直に起立するように折り曲げられることにより、係止片62Lが形成される。
【0076】
第二摩擦板162Lは、図7に示すように、第二摩擦板162Lの貫装孔が左深絞り軸132aに嵌装されることにより、第一摩擦板161Lと左回動部材151L(左側面部153L)との間に配置される。
より詳細には、第二摩擦板162Lは、第一摩擦板161L(の摩擦抵抗力発生面81L)に左側方から当接した状態で、かつ、係止片62Lを左回動部材151Lの左側面部153Lに形成された係止孔157Lに係合した状態で、左深絞り軸132aに嵌装される。
【0077】
第三摩擦板163Lは、本発明に係る左第三摩擦板の実施の一形態である。
第三摩擦板163Lは、図6に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材に、突起状の係止片63Lを設けたものである。第三摩擦板163Lは、一定の静止摩擦係数を有する摩擦抵抗力発生面73Lを有している。
本実施形態の第三摩擦板163Lにおいては、周縁部の一部が、摩擦抵抗力発生面73Lの反対側の面に対して垂直に起立するように折り曲げられることにより、係止片63Lが形成される。
【0078】
第三摩擦板163Lは、図7に示すように、第三摩擦板163Lの貫装孔が左深絞り軸132aに嵌装されることにより、左回動部材151L(左側面部153L)を挟んで第二摩擦板162Lの反対側に配置される。
より詳細には、第三摩擦板163Lは、左回動部材151Lの左側面部153Lに左側方から当接した状態で、かつ、係止片63Lを左回動部材151Lの左側面部153Lに形成された係止孔156Lに係合した状態で、左深絞り軸132aに嵌装される。
【0079】
ここで、第二摩擦板162Lの係止片62Lと、第三摩擦板163Lの係止片63Lと、左回動部材151Lにおける左側面部153Lの係止孔156L・157Lと、を組み合わせたものは、本発明に係る左第二係止機構の実施の一形態を成している。
【0080】
なお、本実施形態の左第二係止機構は、係止片62Lと、係止片63Lと、係止孔156L・157Lとを含むものとしたが、本発明はこれに限るものではない。
すなわち、左第二係止機構は、左第二摩擦板および左第三摩擦板を回動連結部材に対して相対回転不能とするものであれば良く、例えば、左回動部材に係止片を設け、左第二摩擦板および左第三摩擦板にこの係止片と係合する係止孔を設けるものとしても良い。
また、係止孔の代わりに、一端を閉塞した係止穴を設けるものとしても良い。あるいは、係止片およびこれに対応する係止孔を複数箇所に設けても良い。
【0081】
平ワッシャ164Lは、本発明に係る左平ワッシャの実施の一形態である。
平ワッシャ164Lは、図6に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材に、突起状の係止片64Lを設けたものである。
本実施形態の平ワッシャ164Lにおいては、周縁部の一部が、平ワッシャ164Lの厚み方向に折り曲げられることにより、係止片64Lが形成される。
【0082】
平ワッシャ164Lは、図7に示すように、平ワッシャ164Lの貫装孔が左深絞り軸132aに嵌装されることにより、第三摩擦板163Lを挟んで左回動部材151L(左側面部153L)の反対側に配置される。
より詳細には、平ワッシャ164Lは、第三摩擦板163L(の摩擦抵抗力発生面73L)に左側方から当接した状態で、かつ、係止片64Lを第三摩擦板163Lが配置される側の反対側(左深絞り軸132aの先端部側)に向けた状態で、左深絞り軸132aに嵌装される。
【0083】
ウェーブワッシャ165Lは、本発明に係る左スプリングワッシャの実施の一形態である。
ウェーブワッシャ165Lは、図6に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材であり、周方向に波型の断面形状を有している。より詳細には、ウェーブワッシャ165Lは、周方向に所定間隔毎に山部と谷部とを交互に有している。ウェーブワッシャ165Lは、厚み方向に弾性変形が可能な部材である。
ウェーブワッシャ165Lの周縁部の一部には、切欠65Lが形成される。切欠65Lは、平ワッシャ164Lの係止片64Lを係合可能な寸法に形成される。
【0084】
ウェーブワッシャ165Lは、図7に示すように、ウェーブワッシャ165Lの貫装孔が左深絞り軸132aに嵌装されることにより、平ワッシャ164Lを挟んで第三摩擦板163Lの反対側に配置される。
より詳細には、ウェーブワッシャ165Lは、平ワッシャ164Lに左側方から当接した状態で、かつ、切欠65Lに平ワッシャ164Lの係止片64Lを係合した状態で、左深絞り軸132aに嵌装される。
【0085】
なお、本実施形態の左回動規制機構160Lは、左スプリングワッシャの実施の一形態としてウェーブワッシャ165Lを備えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えばウェーブワッシャ165Lに代えて皿バネを備えるものとしても良い。あるいは、ウェーブワッシャを複数枚備えるものとしても良い。
【0086】
抑えワッシャ166Lは、本発明に係る左抑えワッシャの実施の一形態である。
抑えワッシャ166Lは、図6に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材である。抑えワッシャ166Lの周縁部の一部には、切欠66Lが形成される。切欠66Lは、平ワッシャ164Lの係止片64Lを係合可能な寸法に形成される。
【0087】
抑えワッシャ166Lは、図7に示すように、抑えワッシャ166Lの貫装孔が左深絞り軸132aに嵌装されることにより、ウェーブワッシャ165Lを挟んで平ワッシャ164Lの反対側に配置される。
より詳細には、抑えワッシャ166Lは、ウェーブワッシャ165Lに左側方から当接した状態で、かつ、切欠66Lに平ワッシャ164Lの係止片64Lを係合した状態で、左深絞り軸132aに嵌装される。
【0088】
ここで、平ワッシャ164Lの係止片64Lと、ウェーブワッシャ165Lの切欠65Lと、抑えワッシャ166Lの切欠66Lと、を組み合わせたものは、本発明に係る左第三係止機構の実施の一形態を成している。
【0089】
なお、本実施形態の左第三係止機構は、係止片64Lと、切欠65Lと、切欠66Lとを含むものとしたが、本発明はこれに限るものではない。
すなわち、左第三係止機構は、左平ワッシャおよび左スプリングワッシャを左抑えワッシャに対して相対回転不能とするものであれば良く、例えば、左抑えワッシャに係止片を設け、左スプリングワッシャおよび左平ワッシャにこの係止片と係合する切欠を設けるものとしても良い。また、切欠の代わりに、係止孔を設けるものとしても良い。あるいは、係止片およびこれに対応する切欠を複数箇所に設けても良い。
ただし、左スプリングワッシャが厚み方向に弾性変形し得る状態を確保するという観点からは、左平ワッシャは左深絞り軸の軸線方向にある程度の範囲内において摺動可能となるように構成することが好ましい。
【0090】
第一摩擦板161L、第二摩擦板162L、第三摩擦板163L、平ワッシャ164L、ウェーブワッシャ165L、および抑えワッシャ166Lは、左回動部材151Lとともに左深絞り軸132aに嵌装される。
そして、左深絞り軸132aの左端部(先端部)周縁部が、公知のカシメ治具等を用いて、平面を成すように左深絞り軸132aの軸線方向外側(放射方向)に向かって潰されて、カシメられる。
【0091】
このように構成することにより、抑えワッシャ166Lとウェーブワッシャ165L、ウェーブワッシャ165Lと平ワッシャ164L、平ワッシャ164Lと第三摩擦板163L、第三摩擦板163Lと左回動部材151Lの左側面部153L、左回動部材151Lの左側面部153Lと第二摩擦板162L、第二摩擦板162Lと第一摩擦板161L、および第一摩擦板161Lと支持部材130の左側板132が、密着(密接)する。
このとき、抑えワッシャ166Lと平ワッシャ164Lとの間に挟まれたウェーブワッシャ165Lが圧縮されて厚み方向に弾性変形する。
これにより、ウェーブワッシャ165Lが元の形状に戻ろうとする復元力(弾性力)が発生する。
そして、当該復元力により、抑えワッシャ166Lは左深絞り軸132aの先端部(平面を成すように潰された部分)に押し付けられることとなる。その結果、抑えワッシャ166Lは左深絞り軸132aに対して相対回転し難くされている。
【0092】
また、ウェーブワッシャ165Lに発生する当該復元力により、平ワッシャ164Lは第三摩擦板163Lに押し付けられ、第三摩擦板163Lは左回動部材151Lの左側面部153Lに押し付けられ、左回動部材151Lの左側面部153Lは第二摩擦板162Lに押し付けられ、ひいては第二摩擦板162Lが第一摩擦板161Lに押し付けられる。
その結果、第一摩擦板161Lの摩擦抵抗力発生面81Lと、第二摩擦板162Lの摩擦抵抗力発生面72Lとの間に、比較的大きな摩擦力が発生する。また、第三摩擦板163Lの摩擦抵抗力発生面73Lと、平ワッシャ164Lとの間にも、摩擦力が発生する。
【0093】
このように構成される左回動規制機構160Lにおいては、以下の動作態様が可能となる。
【0094】
すなわち、支持部材130(左側板132)と第一摩擦板161Lとは、係止片61L・71Lが係止孔132b・132cにそれぞれ係合することにより、相対回転不能とされている。
したがって、第一摩擦板161Lは、左回動部材151Lが支持部材130に対して回動するに際して、支持部材130とともに元の位置に保持される(左回動部材151Lと一体的には回動しない)。
【0095】
一方、左回動部材151L(左側面部153L)と第二摩擦板162Lと第三摩擦板163Lとは、係止片62Lと係止孔157L、ならびに係止片63Lと係止孔156Lとが係合することにより、相対回転不能とされている。
したがって、第二摩擦板162Lおよび第三摩擦板163Lは、左回動部材151Lとともに(一体的に)回動するように構成されている。
【0096】
また、平ワッシャ164Lとウェーブワッシャ165Lと抑えワッシャ166Lとは、係止片64Lが切欠65Lおよび切欠66Lに係合することにより、相対回転不能とされている。
したがって、左回動部材151Lが支持部材130に対して回動するに際して、平ワッシャ164Lとウェーブワッシャ165Lと抑えワッシャ166Lとは一体的に移動する(一体的な挙動をとる)。
ここで、平ワッシャ164Lには摩擦抵抗力発生面が設けられていない(表面の静止摩擦係数が小さい)ため、第三摩擦板163Lと平ワッシャ164Lとの間に発生する摩擦力は、第一摩擦板161Lと第二摩擦板162Lとの間に発生する摩擦力に比して充分に小さい。その上、前述のように抑えワッシャ166Lは、左深絞り軸132aに対して相対回転し難くされている。
したがって、左回動部材151Lが支持部材130に対して回動するに際して、平ワッシャ164Lとウェーブワッシャ165Lと抑えワッシャ166Lとは、支持部材130とともに元の位置に保持されるか、あるいは支持部材130に対して僅かに回動することとなる(回動したとしても、左回動部材151Lの支持部材130に対する回動量よりは充分に小さい)。
【0097】
このように構成されるディスプレイ支持装置100においては、左回動部材151Lを支持部材130に対して回動する場合、第二摩擦板162Lが第一摩擦板161Lに密接した状態を保持しつつ第一摩擦板161Lに対して回動されるとともに、第三摩擦板163Lが平ワッシャ164Lに密接した状態を保持しつつ平ワッシャ164Lに対して回動される。
【0098】
左回動規制機構160Lにおいては、前述のように、第一摩擦板161Lと第二摩擦板162Lとの間に摩擦力が発生するとともに、第三摩擦板163Lと平ワッシャ164Lとの間に摩擦力が発生する。
したがって、当該摩擦力により、左回動部材151Lの支持部材130に対する回動が規制される。換言すれば、左回動部材151Lにある程度大きい力(所定の操作力)を加えなければ左回動部材151Lが支持部材130に対して回動しないこととする回動規制機構が構成されている。
【0099】
なお、前述のように抑えワッシャ166Lは左深絞り軸132aに対して相対回転し難くされている。
したがって、左深絞り軸132aの先端部(平面を成すように潰されたカシメ部分)と、抑えワッシャ166Lとが接触することによる左深絞り軸132aの先端部の摩耗を極力少なくすることができ、左回動規制機構160Lにおけるカシメの緩みの発生を抑制することが可能となる。
【0100】
なお、抑えワッシャ166Lは、左深絞り軸132aの先端部をカシメるときにそのカシメ具合を調整することによって左深絞り軸132aに固着させて、左深絞り軸132aに対して相対回転不能とすることも可能である。あるいは、溶接等の手段によって抑えワッシャ166Lを左深絞り軸132aに対して相対回転不能とすることも可能である。
このように構成することは、左深絞り軸132aの先端部(平面を成すように潰されたカシメ部分)にかかるトルクを極力小さくし、左回動規制機構160Lにおけるカシメの緩みの発生を防止できる点で好ましい。
【0101】
また、本実施形態の左回動規制機構160Lにおいては、ウェーブワッシャ165Lに切欠65Lを設けるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、本実施形態におけるウェーブワッシャ165Lに代えて、平ワッシャ164Lの係止片64Lと干渉しない程度の寸法のウェーブワッシャ(すなわち、平ワッシャ164Lよりも半径が小さいウェーブワッシャ)を備えるものとしても良い。このように構成することは、ウェーブワッシャに切欠を設ける必要がなくなり、製造工程を簡素化できる点で好ましい。
【0102】
本実施形態においては、左深絞り軸132aの左端部が抑えワッシャ166Lにカシメ付けられることにより、第一摩擦板161L、第二摩擦板162L、第三摩擦板163L、平ワッシャ164L、ウェーブワッシャ165L、および抑えワッシャ166Lが、左深絞り軸132aから脱落不能とされるとともに、これらの部材と支持部材130(左側板132)と左回動部材151L(左側面部153L)とが相互に密着(密接)するように構成されている。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
すなわち、これに代えて、例えば、左深絞り軸132aの先端部(左端部)に雄ネジを形成し、当該先端部にナットを螺装することとしても良い。
このように構成すると、ナットの左深絞り軸132aへの締め付け量を調整することにより、第一摩擦板161Lと第二摩擦板162Lとの間、および第三摩擦板163Lと平ワッシャ164Lとの間に発生する摩擦力の大きさを適宜に調整することが可能となる。したがって、左回動部材151Lを支持部材130に対して所望の操作力により回動可能とする回動規制機構(左回動規制機構160L)を実現することが可能となる。
【0103】
右回動規制機構160Rは、本発明に係る右回動規制機構の実施の一形態である。
右回動規制機構160Rは、支持部材130に対する右回動部材151Rの回動を規制するものであり、所定値以上の操作力が加えられた場合に限り右回動部材151Rを支持部材130に対して回動可能とする機構である。
本実施形態の右回動規制機構160Rは、左回動規制機構160Lと略同様の構成からなるものである。
図8および図9に示すように、右回動規制機構160Rは、第一摩擦板161R、第二摩擦板162R、第三摩擦板163R、平ワッシャ164R、ウェーブワッシャ165R、および抑えワッシャ166R等を有する。
【0104】
第一摩擦板161Rは、本発明に係る右第一摩擦板の実施の一形態である。
第一摩擦板161Rは、図8に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材に、2箇所の突起状の係止片61R・71Rを設けたものである。第一摩擦板161Rは、一定の静止摩擦係数を有する摩擦抵抗力発生面81Rを有している。
本実施形態の第一摩擦板161Rにおいては、周縁部の一部が、摩擦抵抗力発生面81Rの反対側の面に対して垂直に起立するように折り曲げられることにより、係止片61R・71Rが形成される。係止片71Rは、第一摩擦板161Rの中央部を中心として係止片61Rと点対称となる位置に設けられる。
【0105】
第一摩擦板161Rは、図9に示すように、第一摩擦板161Rの貫装孔が右深絞り軸133aに嵌装されることにより、支持部材130(右側板133)と右回動部材151R(右側面部153R)との間に配置される。
より詳細には、第一摩擦板161Rは、支持部材130の右側板133に右側方から当接した状態で、かつ、係止片61R・71Rを支持部材130の右側板133に形成された係止孔133b・133cに係合した状態で、右深絞り軸133aに嵌装される。
ここで、第一摩擦板161Rの係止片61R・71Rと、支持部材130における右側板133の係止孔133b・133cと、を組み合わせたものは、本発明に係る右第一係止機構の実施の一形態を成している。
【0106】
第二摩擦板162Rは、本発明に係る右第二摩擦板の実施の一形態である。
第二摩擦板162Rは、図8に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材に、突起状の係止片62Rを設けたものである。第二摩擦板162Rは、一定の静止摩擦係数を有する摩擦抵抗力発生面72Rを有している。
本実施形態の第二摩擦板162Rにおいては、周縁部の一部が、摩擦抵抗力発生面72Rの反対側の面に対して垂直に起立するように折り曲げられることにより、係止片62Rが形成される。
【0107】
第二摩擦板162Rは、図9に示すように、第二摩擦板162Rの貫装孔が右深絞り軸133aに嵌装されることにより、第一摩擦板161Rと右回動部材151R(右側面部153R)との間に配置される。
より詳細には、第二摩擦板162Rは、第一摩擦板161R(の摩擦抵抗力発生面81R)に右側方から当接した状態で、かつ、係止片62Rを右回動部材151Rの右側面部153Rに形成された係止孔157Rに係合した状態で、右深絞り軸133aに嵌装される。
【0108】
第三摩擦板163Rは、本発明に係る右第三摩擦板の実施の一形態である。
第三摩擦板163Rは、図8に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材に、突起状の係止片63Rを設けたものである。第三摩擦板163Rは、一定の静止摩擦係数を有する摩擦抵抗力発生面73Rを有している。
本実施形態の第三摩擦板163Rにおいては、周縁部の一部が、摩擦抵抗力発生面73Rの反対側の面に対して垂直に起立するように折り曲げられることにより、係止片63Rが形成される。
【0109】
第三摩擦板163Rは、図9に示すように、第三摩擦板163Rの貫装孔が右深絞り軸133aに嵌装されることにより、右回動部材151R(右側面部153R)を挟んで第二摩擦板162Rの反対側に配置される。
より詳細には、第三摩擦板163Rは、右回動部材151Rの右側面部153Rに右側方から当接した状態で、かつ、係止片63Rを右回動部材151Rの右側面部153Rに形成された係止孔156Rに係合した状態で、右深絞り軸133aに嵌装される。
【0110】
ここで、第二摩擦板162Rの係止片62Rと、第三摩擦板163Rの係止片63Rと、右回動部材151Rにおける右側面部153Rの係止孔156R・157Rと、を組み合わせたものは、本発明に係る右第二係止機構の実施の一形態を成している。
【0111】
平ワッシャ164Rは、本発明に係る右平ワッシャの実施の一形態である。
平ワッシャ164Rは、図8に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材に、突起状の係止片64Rを設けたものである。
本実施形態の平ワッシャ164Rにおいては、周縁部の一部が、平ワッシャ164Rの厚み方向に折り曲げられることにより、係止片64Rが形成される。
【0112】
平ワッシャ164Rは、図9に示すように、平ワッシャ164Rの貫装孔が右深絞り軸133aに嵌装されることにより、第三摩擦板163Rを挟んで右回動部材151R(右側面部153R)の反対側に配置される。
より詳細には、平ワッシャ164Rは、第三摩擦板163R(の摩擦抵抗力発生面73R)に右側方から当接した状態で、かつ、係止片64Rを第三摩擦板163Rが配置される側の反対側(右深絞り軸133aの先端部側)に向けた状態で、右深絞り軸133aに嵌装される。
【0113】
ウェーブワッシャ165Rは、本発明に係る右スプリングワッシャの実施の一形態である。
ウェーブワッシャ165Rは、図8に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材であり、周方向に波型の断面形状を有している。より詳細には、ウェーブワッシャ165Rは、周方向に所定間隔毎に山部と谷部とを交互に有している。ウェーブワッシャ165Rは、厚み方向に弾性変形が可能な部材である。
ウェーブワッシャ165Rの周縁部の一部には、切欠65Rが形成される。切欠65Rは、平ワッシャ164Rの係止片64Rを係合可能な寸法に形成される。
【0114】
ウェーブワッシャ165Rは、図9に示すように、ウェーブワッシャ165Rの貫装孔が右深絞り軸133aに嵌装されることにより、平ワッシャ164Rを挟んで第三摩擦板163Rの反対側に配置される。
より詳細には、ウェーブワッシャ165Rは、平ワッシャ164Rに右側方から当接した状態で、かつ、切欠65Rに平ワッシャ164Rの係止片64Rを係合した状態で、右深絞り軸133aに嵌装される。
【0115】
なお、左回動規制機構ならびに右回動規制機構の双方において同じ操作力をもって回動連結部材を支持部材に対して回動可能とし、円滑な回動操作を実現させるという観点からは、右スプリングワッシャは左回動規制機構に備えられた左スプリングワッシャと同じ種類・形状・バネ常数を有することが好ましい。
【0116】
抑えワッシャ166Rは、本発明に係る右抑えワッシャの実施の一形態である。
抑えワッシャ166Rは、図8に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材である。抑えワッシャ166Rの周縁部の一部には、切欠66Rが形成される。切欠66Rは、平ワッシャ164Rの係止片64Rを係合可能な寸法に形成される。
【0117】
抑えワッシャ166Rは、図9に示すように、抑えワッシャ166Rの貫装孔が右深絞り軸133aに嵌装されることにより、ウェーブワッシャ165Rを挟んで平ワッシャ164Rの反対側に配置される。
より詳細には、抑えワッシャ166Rは、ウェーブワッシャ165Rに右側方から当接した状態で、かつ、切欠66Rに平ワッシャ164Rの係止片64Rを係合した状態で、右深絞り軸133aに嵌装される。
【0118】
ここで、平ワッシャ164Rの係止片64Rと、ウェーブワッシャ165Rの切欠65Rと、抑えワッシャ166Rの切欠66Rと、を組み合わせたものは、本発明に係る右第三係止機構の実施の一形態を成している。
【0119】
第一摩擦板161R、第二摩擦板162R、第三摩擦板163R、平ワッシャ164R、ウェーブワッシャ165R、および抑えワッシャ166Rは、右回動部材151Rとともに右深絞り軸133aに嵌装される。
そして、右深絞り軸133aの右端部(先端部)周縁部が、公知のカシメ治具等を用いて、平面を成すように右深絞り軸133aの軸線方向外側(放射方向)に向かって潰されて、カシメられる。
【0120】
このように構成することにより、抑えワッシャ166Rとウェーブワッシャ165R、ウェーブワッシャ165Rと平ワッシャ164R、平ワッシャ164Rと第三摩擦板163R、第三摩擦板163Rと右回動部材151Rの右側面部153R、右回動部材151Rの右側面部153Rと第二摩擦板162R、第二摩擦板162Rと第一摩擦板161R、および第一摩擦板161Rと支持部材130の右側板133が、密着(密接)する。
このとき、抑えワッシャ166Rと平ワッシャ164Rとの間に挟まれたウェーブワッシャ165Rが圧縮されて厚み方向に弾性変形する。
これにより、ウェーブワッシャ165Rが元の形状に戻ろうとする復元力(弾性力)が発生する。
そして、当該復元力により、抑えワッシャ166Rは右深絞り軸133aの先端部(平面を成すように潰された部分)に押し付けられることとなる。その結果、抑えワッシャ166Rは右深絞り軸133aに対して相対回転し難くされている。
【0121】
また、ウェーブワッシャ165Rに発生する当該復元力により、平ワッシャ164Rは第三摩擦板163Rに押し付けられ、第三摩擦板163Rは右回動部材151Rの右側面部153Rに押し付けられ、右回動部材151Rの右側面部153Rは第二摩擦板162Rに押し付けられ、ひいては第二摩擦板162Rが第一摩擦板161Rに押し付けられる。
その結果、第一摩擦板161Rの摩擦抵抗力発生面81Rと、第二摩擦板162Rの摩擦抵抗力発生面72Rとの間に、比較的大きな摩擦力が発生する。また、第三摩擦板163Rの摩擦抵抗力発生面73Rと、平ワッシャ164Rとの間にも、摩擦力が発生する。
【0122】
このように構成される右回動規制機構160Rにおいては、以下の動作態様が可能となる。
【0123】
すなわち、支持部材130(右側板133)と第一摩擦板161Rとは、係止片61R・71Rが係止孔133b・133cにそれぞれ係合することにより、相対回転不能とされている。
したがって、第一摩擦板161Rは、右回動部材151Rが支持部材130に対して回動するに際して、支持部材130とともに元の位置に保持される(右回動部材151Rと一体的には回動しない)。
【0124】
一方、右回動部材151R(右側面部153R)と第二摩擦板162Rと第三摩擦板163Rとは、係止片62Rと係止孔157R、ならびに係止片63Rと係止孔156Rとが係合することにより、相対回転不能とされている。
したがって、第二摩擦板162Rおよび第三摩擦板163Rは、右回動部材151Rとともに(一体的に)回動するように構成されている。
【0125】
また、平ワッシャ164Rとウェーブワッシャ165Rと抑えワッシャ166Rとは、係止片64Rが切欠65Rおよび切欠66Rに係合することにより、相対回転不能とされている。
したがって、右回動部材151Rが支持部材130に対して回動するに際して、平ワッシャ164Rとウェーブワッシャ165Rと抑えワッシャ166Rとは一体的に移動する(一体的な挙動をとる)。
ここで、平ワッシャ164Rには摩擦抵抗力発生面が設けられていない(表面の静止摩擦係数が小さい)ため、第三摩擦板163Rと平ワッシャ164Rとの間に発生する摩擦力は、第一摩擦板161Rと第二摩擦板162Rとの間に発生する摩擦力に比して充分に小さい。その上、前述のように抑えワッシャ166Rは、右深絞り軸133aに対して相対回転し難くされている。
したがって、右回動部材151Rが支持部材130に対して回動するに際して、平ワッシャ164Rとウェーブワッシャ165Rと抑えワッシャ166Rとは、支持部材130とともに元の位置に保持されるか、あるいは支持部材130に対して僅かに回動することとなる(回動したとしても、右回動部材151Rの支持部材130に対する回動量よりは充分に小さい)。
【0126】
このように構成されるディスプレイ支持装置100においては、右回動部材151Rを支持部材130に対して回動する場合、第二摩擦板162Rが第一摩擦板161Rに密接した状態を保持しつつ第一摩擦板161Rに対して回動されるとともに、第三摩擦板163Rが平ワッシャ164Rに密接した状態を保持しつつ平ワッシャ164Rに対して回動される。
【0127】
右回動規制機構160Rにおいては、前述のように、第一摩擦板161Rと第二摩擦板162Rとの間に摩擦力が発生するとともに、第三摩擦板163Rと平ワッシャ164Rとの間に摩擦力が発生する。
したがって、当該摩擦力により、右回動部材151Rの支持部材130に対する回動が規制される。換言すれば、右回動部材151Rにある程度大きい力(所定の操作力)を加えなければ右回動部材151Rが支持部材130に対して回動しないこととする回動規制機構が構成されている。
【0128】
なお、前述のように抑えワッシャ166Rは右深絞り軸133aに対して相対回転し難くされている。
したがって、右深絞り軸133aの先端部(平面を成すように潰されたカシメ部分)と、抑えワッシャ166Rとが接触することによる右深絞り軸133aの先端部の摩耗を極力少なくすることができ、右回動規制機構160Rにおけるカシメの緩みの発生を抑制することが可能となる。
【0129】
本実施形態においては、右深絞り軸133aの右端部が抑えワッシャ166Rにカシメ付けられることにより、第一摩擦板161R、第二摩擦板162R、第三摩擦板163R、平ワッシャ164R、ウェーブワッシャ165R、および抑えワッシャ166Rが、右深絞り軸133aから脱落不能とされるとともに、これらの部材と支持部材130(右側板133)と右回動部材151R(右側面部153R)とが相互に密着(密接)するように構成されている。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
すなわち、これに代えて、例えば、右深絞り軸133aの先端部(右端部)に雄ネジを形成し、当該先端部にナットを螺装することとしても良い。
このように構成すると、ナットの右深絞り軸133aへの締め付け量を調整することにより、第一摩擦板161Rと第二摩擦板162Rとの間、および第三摩擦板163Rと平ワッシャ164Rとの間に発生する摩擦力の大きさを適宜に調整することが可能となる。したがって、右回動部材151Rを支持部材130に対して所望の操作力により回動可能とする回動規制機構(右回動規制機構160R)を実現することが可能となる。
【0130】
以上の如く、左回動規制機構160Lおよび右回動規制機構160Rは、相互に鏡像の関係となるように構成されている。同様に、左深絞り軸132aおよび右深絞り軸133aは、相互に鏡像の関係となるように構成されている。
したがって、左回動部材151Lおよび右回動部材151Rに同じ大きさ・方向の力を加えることにより、左回動部材151Lの主面部152Lと、右回動部材151Rの主面部152Rとを、同一平面上に保持しつつ回動連結部材150(左回動部材151Lおよび右回動部材151R)を支持部材130に対して円滑に回動することが可能である。
【0131】
以下では、ディスプレイ側固定部材170の構成について、図10を参照して説明する。
ディスプレイ側固定部材170は、本発明に係るディスプレイ側固定部材の実施の一形態である。
ディスプレイ側固定部材170は、ディスプレイ支持装置100の支持対象物であるディスプレイ装置10に固定される部材である。
ディスプレイ側固定部材170は、主面部171および下面部172・172からなる。
【0132】
本実施形態のディスプレイ側固定部材170は、1枚の金属製の板材を折り曲げて成形される部材である。具体的には、主面部171の下端部から前方に向かって下面部172・172が、主面部171に対して垂直に突出するように成形される。本実施形態の下面部172・172は、主面部171の長手方向(左右方向)両側に、左右対称に成形される。
主面部171の長手方向両端部には、ネジを貫装するための複数の貫装孔が形成される。より詳細には、主面部171の内側寄りには貫装孔171a・171a・171a・171aが、主面部171の外側寄りには貫装孔171b・171b・171b・171bが、それぞれ形成される。貫装孔171a・171a・171a・171aは前方から後方に向かって縮径した形状を有しており、皿ネジの頭部を収容しつつ皿ネジの頭部に係合することが可能である。
【0133】
貫装孔171a・171a・171a・171aにそれぞれ皿ネジを貫装し、当該皿ネジを左回動部材151Lの貫装孔154L・154Lおよび右回動部材151Rの貫装孔154R・154Rに螺装することにより、ディスプレイ側固定部材170が左回動部材151Lおよび右回動部材151R(回動連結部材150)に固定される。
【0134】
ディスプレイ装置10は、その背面(画像表示面の反対側)を主面部171に当接させて、かつ、その下面を下面部172・172に当接させた状態で、ディスプレイ側固定部材170に固定される。具体的には、ディスプレイ側固定部材170の主面部171を挟んでディスプレイ装置10の反対側から、主面部171の外側寄りの貫装孔171b・171b・171b・171bにそれぞれネジを貫装し、ディスプレイ装置10の背面に締め付けることにより、ディスプレイ装置10をディスプレイ側固定部材170に固定することが可能となっている。
【0135】
なお、本実施形態のディスプレイ側固定部材170は、主面部171と下面部172・172とからなる側面視略L字形状の部材としたが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、ディスプレイ側固定部材を、前後方向に対して垂直な平面を有する板状の部材からなるものとしても構わない。
ただし、重量の大きいディスプレイ装置を安定に支持するという観点からは、ディスプレイ側固定部材は、本実施形態における下面部172に相当するような、ディスプレイ装置の下端部(下面)を支持できる形状を有するように構成することが好ましい。
【0136】
このように構成することで、本実施形態のディスプレイ支持装置100は、以下のような利点を奏する。
【0137】
すなわち、図11および図12に示すように、ディスプレイ支持装置100においては、ディスプレイ装置10(厳密には、ディスプレイ側固定部材170および回動連結部材150を介してディスプレイ装置10を支持する支持部材130)に所定値以上の大きさの力(操作力)を加えることにより、ディスプレイ側固定部材170に取り付けたディスプレイ装置10の水平方向における回動位置を変更することが可能となる。
このとき、回動規制機構160が働くので、ディスプレイ装置10の上下方向における回動位置(チルト角度)は保持しつつ、ディスプレイ装置10の水平方向における回動位置のみを変更することが可能である(図13および図14参照)。
また、回動軸機構140が働くので、ディスプレイ装置10の水平方向における回動位置を、所定の回動位置に保持することが可能となる。すなわち、ディスプレイ装置10に所定値未満の大きさの力が加わっても、ディスプレイ装置10の水平方向における回動位置が、元の位置(ディスプレイ支持装置100の使用者が設定した位置)に保持されることとなる。
【0138】
また、図11および図13に示すように、ディスプレイ支持装置100においては、ディスプレイ装置10(厳密には、ディスプレイ側固定部材170を介してディスプレイ装置10が固定される回動連結部材150)に所定値以上の大きさの力(操作力)を加えることにより、ディスプレイ側固定部材170に取り付けたディスプレイ装置10の上下方向における回動位置(チルト角度)を変更することが可能となる。
このとき、回動軸機構140が働くので、ディスプレイ装置10の水平方向における回動位置は保持しつつ、ディスプレイ装置10の上下方向における回動位置のみを変更することが可能である。
また、回動規制機構160が働くので、ディスプレイ装置10の上下方向における回動位置を、所定の回動位置に保持することが可能となる。すなわち、ディスプレイ装置10に所定値未満の大きさの力が加わっても、ディスプレイ装置10の上下方向における回動位置が、元の位置(ディスプレイ支持装置100の使用者が設定した位置)に保持されることとなる。
【0139】
したがって、本実施形態のディスプレイ支持装置100によれば、取り付けたディスプレイ装置10の画像表示面の上下方向、左右方向における角度を、所定の操作力を加えることにより簡単に調整し、適宜の角度に保持することが可能となる。
【0140】
特に、本実施形態における回動規制機構160には、比較的大きな静止摩擦係数(μ)を有する第一摩擦板161L・161R、第二摩擦板162L・162R、および第三摩擦板163L・163Rが備えられているので、ウェーブワッシャ165L・165Rにより発生させる復元力(弾性力,Nに相当)を極端に大きくしなくても、充分な大きさの摩擦力(μN)を発生させることが可能となる。したがって、取り付けたディスプレイ装置10の上下方向における回動位置を所望の位置に安定して保持することが可能となる。
【0141】
以上の如く、本実施形態に係るディスプレイ支持装置100は、
柱部材120と、
下端部が柱部材120に水平方向に回動可能に連結される支持部材130と、
柱部材120と支持部材130との間に摩擦力を発生させることにより、支持部材130に適宜の操作力が加えられた場合には支持部材130を柱部材120に対して回動可能とする回動軸機構140と、
支持部材130に上下方向に回動可能に連結される回動連結部材150と、
支持部材130と回動連結部材150との間に摩擦力を発生させることにより、回動連結部材150に適宜の操作力が加えられた場合には回動連結部材150を支持部材130に対して回動可能とする回動規制機構160と、
ディスプレイ装置10および回動連結部材150に固定されるディスプレイ側固定部材170と、
を具備するディスプレイ支持装置100であって、
支持部材130は、深絞り加工により左右方向を軸線方向として一直線上に形成された左深絞り軸132aおよび右深絞り軸133aを備え、
回動連結部材150には、左深絞り軸132aが貫装される貫装孔155Lと、右深絞り軸133aが貫装される貫装孔155Rと、が形成されたものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置100においては、左回動部材151Lの支持部材130に対する回動軸(左深絞り軸132a)と、右回動部材151Rの支持部材130に対する回動軸(右深絞り軸133a)とを、深絞り加工により支持部材130に一体成形することが可能となる。したがって、ディスプレイ支持装置100の部品点数を削減し、簡単な構成で、かつ、低価格でディスプレイ支持装置100を製作することが可能となる。
また、左回動部材151Lの支持部材130に対する回動軸(左深絞り軸132a)と、右回動部材151Rの支持部材130に対する回動軸(右深絞り軸133a)とが、支持部材130に一体成形されているので、これらの回動軸の位置にずれが生じ難く、安定した回動操作を実現することが可能となる。
さらに、ディスプレイ支持装置100は、回動軸機構140および回動規制機構160を具備しているので、取り付けたディスプレイ装置10の姿勢を変更することが可能であり、かつ、ディスプレイ装置10を適宜の姿勢に保持することが可能となる。
【0142】
また、本実施形態に係るディスプレイ支持装置100は、
支持部材130は、
前後方向に垂直な平面を有する背板131と、
背板131の左端部から前方に向かって背板131に対して垂直に突出するように形成される左側板132と、
背板131の右端部から前方に向かって背板131に対して垂直に突出するように形成される右側板133と、
背板131の下端部から前方に向かって背板131に対して垂直に突出するように形成される底板134と、
を有し、
左深絞り軸132aは左側板132から垂直に突出するように形成され、
右深絞り軸133aは右側板133から垂直に突出するように形成されたものである。
さらに、本実施形態に係るディスプレイ支持装置100は、
支持部材130は、
左側板132の下端部から左右方向内側に向かって左側板132に対して垂直に突出するように形成される左フランジ板135と、
右側板133の下端部から左右方向内側に向かって右側板133に対して垂直に突出するように形成される右フランジ板136と、
を有し、
左フランジ板135および右フランジ板136は、
底板134に固定されたものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置100においては、支持部材130の形状を強固に保持することが可能であるので、左深絞り軸132aと右深絞り軸133aとが一直線上にある状態を安定して保持することが可能となる。すなわち、多少の大きさの外力が加わっても、左深絞り軸132aと右深絞り軸133aとの位置関係が破壊されない。したがって、取り付けたディスプレイ装置10の上下方向への回動操作を安定して行うことが可能となる。
【0143】
また、本実施形態に係るディスプレイ支持装置100は、
回動軸機構140は、
支持部材130を柱部材120に対して回動可能に軸支する軸部材141と、
軸部材141に貫装される一対の平ワッシャ142・143と、
軸部材141に貫装されるとともに一対の平ワッシャ142・143に挟まれるウェーブワッシャ144と、
軸部材141に螺装されるナット145と、
を備えたものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置100においては、手動でディスプレイ装置10またはディスプレイ支持装置100(支持部材130)に所定値以上の操作力を加えて、取り付けたディスプレイ装置10を水平方向に回動させることにより、ディスプレイ支持装置100の水平方向における回動角度を簡単に調整することが可能となる。そして、このようにして調整したディスプレイ装置10の水平方向における回動位置をその位置に安定に保持することが可能となる。また、このような回動軸機構140を簡単な構成で実現することが可能となる。
【0144】
また、本実施形態に係るディスプレイ支持装置100は、
回動規制機構160は、
左深絞り軸132aに貫装されるとともに支持部材130と回動連結部材150との間に配置され、支持部材130に当接する第一摩擦板161Lと、
左深絞り軸132aに貫装されるとともに支持部材130と回動連結部材150との間に配置され、回動連結部材150に当接する第二摩擦板162Lと、
左深絞り軸132aに貫装されるとともに回動連結部材150を挟んで第二摩擦板162Lの反対側に配置され、回動連結部材150に当接する第三摩擦板163Lと、
左深絞り軸132aに貫装されるとともに第三摩擦板163Lを挟んで回動連結部材150の反対側に配置され、第三摩擦板163Lに当接する平ワッシャ164Lと、
左深絞り軸132aに貫装されるとともに平ワッシャ164Lを挟んで第三摩擦板163Lの反対側に配置され、平ワッシャ164Lに当接するウェーブワッシャ165Lと、
左深絞り軸132aに貫装されるとともに、ウェーブワッシャ165Lを挟んで平ワッシャ164Lの反対側に配置され、ウェーブワッシャ165Lに当接する抑えワッシャ166Lと、
を有する左回動規制機構160Lと、
右深絞り軸133aに貫装されるとともに支持部材130と回動連結部材150との間に配置され、支持部材130に当接する第一摩擦板161Rと、
右深絞り軸133aに貫装されるとともに支持部材130と回動連結部材150との間に配置され、回動連結部材150に当接する第二摩擦板162Rと、
右深絞り軸133aに貫装されるとともに回動連結部材150を挟んで第二摩擦板162Rの反対側に配置され、回動連結部材150に当接する第三摩擦板163Rと、
右深絞り軸133aに貫装されるとともに第三摩擦板163Rを挟んで回動連結部材150の反対側に配置され、第三摩擦板163Rに当接する平ワッシャ164Rと、
右深絞り軸133aに貫装されるとともに平ワッシャ164Rを挟んで第三摩擦板163Rの反対側に配置され、平ワッシャ164Rに当接するウェーブワッシャ165Rと、
右深絞り軸133aに貫装されるとともに、ウェーブワッシャ165Rを挟んで平ワッシャ164Rの反対側に配置され、ウェーブワッシャ165Rに当接する抑えワッシャ166Rと、
を有する右回動規制機構160Rと、
を備えたものである。
さらに、本実施形態に係るディスプレイ支持装置100は、
左深絞り軸132aの先端部(左端部)は抑えワッシャ166Lにカシメ付けられ、
右深絞り軸133aの先端部(右端部)は抑えワッシャ166Rにカシメ付けられたものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置100においては、手動でディスプレイ装置10またはディスプレイ支持装置100(回動連結部材150)に所定値以上の操作力を加えて、取り付けたディスプレイ装置10を上下方向に回動させることにより、ディスプレイ支持装置100の上下方向における回動角度(チルト角度)を簡単に調整することが可能となる。そして、このようにして調整したディスプレイ装置10の上下方向における回動位置をその位置に安定に保持することが可能となる。また、このような回動規制機構160を少ない部品点数により簡単な構成で実現することが可能となる。
【0145】
若しくは、本実施形態に係るディスプレイ支持装置100は、
左深絞り軸132aの先端部(左端部)にはナットが螺装され、
右深絞り軸133aの先端部(右端部)にはナットが螺装されたものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置100においては、回動規制機構160を簡単な構成で実現することが可能となる。また、ナットの左深絞り軸132aならびに右深絞り軸133aへの締め付け量を調整することにより、支持部材130と回動連結部材150との間に発生する摩擦力の大きさを適宜に調整することが可能となる。したがって、回動連結部材150を支持部材130に対して所望の操作力により回動可能とする回動規制機構160を実現することが可能となる。
【0146】
また、本実施形態に係るディスプレイ支持装置100は、
左回動規制機構160Lは、
第一摩擦板161Lを支持部材130に対して相対回転不能とする左第一係止機構と、
第二摩擦板162Lおよび第三摩擦板163Lを回動連結部材150に対して相対回転不能とする左第二係止機構と、
平ワッシャ164Lおよびウェーブワッシャ165Lを抑えワッシャ166Lに対して相対回転不能とする左第三係止機構と、
を有し、
右回動規制機構160Rは、
第一摩擦板161Rを支持部材130に対して相対回転不能とする右第一係止機構と、
第二摩擦板162Rおよび第三摩擦板163Rを回動連結部材150に対して相対回転不能とする右第二係止機構と、
平ワッシャ164Rおよびウェーブワッシャ165Rを抑えワッシャ166Rに対して相対回転不能とする右第三係止機構と、
を有するものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置100においては、第一摩擦板161L・161Rは支持部材130に対して相対回転不能とされており、第二摩擦板162L・162Rおよび第三摩擦板163L・163Rは回動連結部材150(左回動部材151Lおよび右回動部材151R)に対して相対回転不能とされており、さらに、平ワッシャ164L・164Rおよびウェーブワッシャ165L・165Rは抑えワッシャ166L・166Rに対して相対回転不能とされている。したがって、回動連結部材150が支持部材130に対して回動するに際して、第一摩擦板161L・161Rおよび平ワッシャ164L・164Rの回動連結部材150にともなう回動を確実に防止することができる。すなわち、回動連結部材150の支持部材130に対する回動を数多く繰り返しても、第一摩擦板161L・161Rおよび平ワッシャ164L・164Rが回動連結部材150にともなって回動するようにはなり難い。
【0147】
以下では、本発明に係るディスプレイ支持装置の第二実施形態であるディスプレイ支持装置200について、図15から図22までを参照して説明する。
ディスプレイ支持装置200は、(1)支持部材130の底板134に下深絞り軸134dが成形されている点と、(2)回動軸機構140に代えて水平回動規制機構180を具備している点で、第一実施形態に係るディスプレイ支持装置100と主として相違する。
【0148】
なお、以下の説明においては、第一実施形態に係るディスプレイ支持装置100と略同一の構成の部材については、同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0149】
下深絞り軸134dは、本発明に係る下深絞り軸の実施の一形態である。
図16に示すように、下深絞り軸134dは、底板134の中央部から支持部材130の上下方向下側に向かって底板134に対して垂直に突出するように成形される。本実施形態の下深絞り軸134dは、略円筒形状に形成される。
具体的には、下深絞り軸134dは、1枚の金属製の板材を折り曲げて支持部材130を概ね箱形状に成形するよりも前の製造工程で、板材(成形前の平面状の板材)における底板134の中央部に相当する部分にプレス機を用いて深絞り加工を施すことで成形される。
本実施形態における下深絞り軸134dの寸法は、左深絞り軸132aの寸法および右深絞り軸133aの寸法と同じである。
【0150】
下深絞り軸134dは、左深絞り軸132aおよび右深絞り軸133aと略垂直な方向を軸線方向として設けられる。左深絞り軸132a、右深絞り軸133a、および下深絞り軸134dは、同じ深絞り専用プレス機を用いて、同じ条件で深絞り加工を施すことにより、高精度で同じ形状に成形することが可能である。
【0151】
支持部材130の背板131が後側(柱部材120の後板122が配置される側)となる状態で、支持部材130の底板134の下面を柱部材120の上板125の上面に重ね合わせたとき、支持部材130の底板134に形成される下深絞り軸134dを、柱部材120における上板125の貫装孔125aに、貫装することが可能である。ここで、上板125(柱部材120)の貫装孔125aは、本発明に係る下深絞り軸側貫装孔の実施の一形態である。
このように構成することで、支持部材130の下端部が柱部材120に、下深絞り軸134dを回動軸として回動可能に連結(軸支)されている。
【0152】
以下では、水平回動規制機構180の構成について、図17および図18を参照して説明する。
水平回動規制機構180は、本発明に係る水平回動規制機構の実施の一形態である。
水平回動規制機構180は、柱部材120に対して支持部材130を適宜の操作力を加えた場合に限り回動可能とする機構である。換言すれば、水平回動規制機構180は、支持部材130に適宜の操作力が加えられた場合には支持部材130を柱部材120に対して回動可能とする機構である。
水平回動規制機構180は、第一実施形態に係る左回動規制機構160Lならびに右回動規制機構160Rと略同様の構成からなるものである。
水平回動規制機構180は、第一摩擦板181、第二摩擦板182、第三摩擦板183、平ワッシャ184、ウェーブワッシャ185、および抑えワッシャ186等を備える。
【0153】
第一摩擦板181は、本発明に係る水平第一摩擦板の実施の一形態である。
第一摩擦板181は、図17に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材に、2箇所の突起状の係止片181a・181bを設けたものである。第一摩擦板181は、一定の静止摩擦係数を有する摩擦抵抗力発生面181cを有している。
本実施形態の第一摩擦板181においては、係止片181a・181bは、摩擦抵抗力発生面181cの反対側の面に対して垂直に起立するように、溶接等の手段により固設される。係止片181bは、第一摩擦板181の中央部を中心として係止片181aと点対称となる位置に設けられる。
【0154】
第一摩擦板181は、図18に示すように、第一摩擦板181の貫装孔が下深絞り軸134dに嵌装されることにより、支持部材130(底板134)と柱部材120(上板125)との間に配置される。
より詳細には、第一摩擦板181は、支持部材130の底板134に下方から当接した状態で、かつ、係止片181a・181bを支持部材130の底板134に形成された係止穴134e・134fに係合した状態で、下深絞り軸134dに嵌装される。
ここで、第一摩擦板181の係止片181a・181bと、支持部材130における底板134の係止孔13e・134fと、を組み合わせたものは、本発明に係る水平第一係止機構の実施の一形態を成している。
【0155】
なお、本実施形態の水平第一係止機構は、係止片181a・181bと、係止穴134e・134fとを含むものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、水平第一係止機構は、水平第一摩擦板を支持部材に対して相対回転不能とするものであれば良く、例えば、支持部材に係止片を設け、水平第一摩擦板にこの係止片と係合する係止孔を設けるものとしても良い。また、係止穴の代わりに、支持部材における底板の上面と下面とを貫通する係止孔を設けるものとしても良い。
【0156】
第二摩擦板182は、本発明に係る水平第二摩擦板の実施の一形態である。
第二摩擦板182は、図17に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材に、突起状の係止片182aを設けたものである。第二摩擦板182は、一定の静止摩擦係数を有する摩擦抵抗力発生面182bを有している。
本実施形態の第二摩擦板182においては、周縁部の一部が、摩擦抵抗力発生面182bの反対側の面に対して垂直に起立するように折り曲げられることにより、係止片182aが形成される。
【0157】
第二摩擦板182は、図18に示すように、第二摩擦板182の貫装孔が下深絞り軸134dに嵌装されることにより、第一摩擦板181と柱部材120(上板125)との間に配置される。
より詳細には、第二摩擦板182は、第一摩擦板181(の摩擦抵抗力発生面181c)に下方から当接した状態で、かつ、係止片182aを柱部材120の上板125に形成された係止孔125cに係合した状態で、下深絞り軸134dに嵌装される。
【0158】
第三摩擦板183は、本発明に係る水平第三摩擦板の実施の一形態である。
第三摩擦板183は、図17に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材に、突起状の係止片183aを設けたものである。第三摩擦板183は、一定の静止摩擦係数を有する摩擦抵抗力発生面183bを有している。
本実施形態の第三摩擦板183においては、周縁部の一部が、摩擦抵抗力発生面183bの反対側の面に対して垂直に起立するように折り曲げられることにより、係止片183aが形成される。
【0159】
第三摩擦板183は、図18に示すように、第三摩擦板183の貫装孔が下深絞り軸134dに嵌装されることにより、柱部材120(上板125)を挟んで第二摩擦板182の反対側に配置される。
より詳細には、第三摩擦板183は、柱部材120の上板125に下方から当接した状態で、かつ、係止片183aを柱部材120の上板125に形成された係止孔125bに係合した状態で、下深絞り軸134dに嵌装される。
【0160】
ここで、第二摩擦板182の係止片182aと、第三摩擦板183の係止片183aと、柱部材120における上板125の係止孔125b・125cと、を組み合わせたものは、本発明に係る水平第二係止機構の実施の一形態を成している。
【0161】
なお、本実施形態の水平第二係止機構は、係止片182aと、係止片183aと、係止孔125b・125cとを含むものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、水平第二係止機構は、水平第二摩擦板および水平第三摩擦板を柱部材に対して相対回転不能とするものであれば良く、例えば、柱部材における上板の上面および下面にそれぞれ係止片を設け、水平第二摩擦板および水平第三摩擦板にこの係止片と係合する係止孔を設けるものとしても良い。また、係止孔の代わりに、一端を閉塞した係止穴を設けるものとしても良い。あるいは、係止片およびこれに対応する係止孔を複数箇所に設けても良い。
【0162】
平ワッシャ184は、本発明に係る水平平ワッシャの実施の一形態である。
平ワッシャ184は、図17に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材に、突起状の係止片184aを設けたものである。
本実施形態の平ワッシャ184においては、周縁部の一部が、平ワッシャ184の厚み方向に折り曲げられることにより、係止片184aが形成される。
【0163】
平ワッシャ184は、図18に示すように、平ワッシャ184の貫装孔が下深絞り軸134dに嵌装されることにより、第三摩擦板183を挟んで柱部材120における上板125の反対側に配置される。
より詳細には、平ワッシャ184は、第三摩擦板183(の摩擦抵抗力発生面183b)に下方から当接した状態で、かつ、係止片184aを第三摩擦板183が配置される側の反対側(下深絞り軸134dの先端部側)に向けた状態で、下深絞り軸134dに嵌装される。
【0164】
ウェーブワッシャ185は、本発明に係る水平スプリングワッシャの実施の一形態である。
ウェーブワッシャ185は、図17に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材であり、周方向に波型の断面形状を有している。より詳細には、ウェーブワッシャ185は、周方向に所定間隔毎に山部と谷部とを交互に有している。ウェーブワッシャ185は、厚み方向に弾性変形が可能な部材である。
ウェーブワッシャ185の周縁部の一部には、切欠185aが形成される。切欠185aは、平ワッシャ184の係止片184aを係合可能な寸法に形成される。
【0165】
ウェーブワッシャ185は、図18に示すように、ウェーブワッシャ185の貫装孔が下深絞り軸134dに嵌装されることにより、平ワッシャ184を挟んで第三摩擦板183の反対側に配置される。
より詳細には、ウェーブワッシャ185は、平ワッシャ184に下方から当接した状態で、かつ、切欠185aに平ワッシャ184の係止片184aを係合した状態で、下深絞り軸134dに嵌装される。
【0166】
なお、本実施形態の水平回動規制機構は、水平スプリングワッシャの実施の一形態としてウェーブワッシャ185を備えるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えばウェーブワッシャ185に代えて皿バネを備えるものとしても良い。あるいは、ウェーブワッシャを複数枚備えるものとしても良い。
【0167】
抑えワッシャ186は、本発明に係る水平抑えワッシャの実施の一形態である。
抑えワッシャ186は、図17に示すように、中央部に貫装孔が形成された略円盤形状の部材である。抑えワッシャ186の周縁部の一部には、切欠186aが形成される。切欠186aは、平ワッシャ184の係止片184aを係合可能な寸法に形成される。
【0168】
抑えワッシャ186は、図18に示すように、抑えワッシャ186の貫装孔が下深絞り軸134dに嵌装されることにより、ウェーブワッシャ185を挟んで平ワッシャ184の反対側に配置される。
より詳細には、抑えワッシャ186は、ウェーブワッシャ185に下方から当接した状態で、かつ、切欠186aに平ワッシャ184の係止片184aを係合した状態で、下深絞り軸134dに嵌装される。
【0169】
ここで、平ワッシャ184の係止片184aと、ウェーブワッシャ185の切欠185aと、抑えワッシャ186の切欠186aと、を組み合わせたものは、本発明に係る水平第三係止機構の実施の一形態を成している。
【0170】
なお、本実施形態の水平第三係止機構は、係止片184aと、切欠185aと、切欠186aとを含むものとしたが、本発明はこれに限るものではない。
すなわち、水平第三係止機構は、水平平ワッシャおよび水平スプリングワッシャを水平抑えワッシャに対して相対回転不能とするものであれば良く、例えば、水平抑えワッシャに係止片を設け、水平スプリングワッシャおよび水平平ワッシャにこの係止片と係合する切欠を設けるものとしても良い。また、切欠の代わりに、係止孔を設けるものとしても良い。あるいは、係止片およびこれに対応する切欠を複数箇所に設けても良い。
ただし、水平スプリングワッシャが厚み方向に弾性変形し得る状態を確保するという観点からは、水平平ワッシャは下深絞り軸の軸線方向にある程度の範囲内において摺動可能となるように構成することが好ましい。
【0171】
第一摩擦板181、第二摩擦板182、第三摩擦板183、平ワッシャ184、ウェーブワッシャ185、および抑えワッシャ186は、柱部材120の上板125とともに下深絞り軸134dに嵌装される。そして、下深絞り軸134dの下端部(先端部)周縁部が、公知のカシメ治具等を用いて、平面を成すように下深絞り軸134dの軸線方向外側(放射方向)に向かって潰されて、カシメられる。
【0172】
このように構成することにより、抑えワッシャ186とウェーブワッシャ185、ウェーブワッシャ185と平ワッシャ184、平ワッシャ184と第三摩擦板183、第三摩擦板183と柱部材120の上板125、柱部材120の上板125と第二摩擦板182、第二摩擦板182と第一摩擦板181、および第一摩擦板181と支持部材130の底板134が、密着(密接)する。このとき、抑えワッシャ186と平ワッシャ184との間に挟まれたウェーブワッシャ185が圧縮されて厚み方向に弾性変形する。これにより、ウェーブワッシャ185が元の形状に戻ろうとする復元力(弾性力)が発生する。
そして、当該復元力により、抑えワッシャ186は下深絞り軸134dの先端部(平面を成すように潰された部分)に押し付けられることとなる。その結果、抑えワッシャ186は下深絞り軸134dに対して相対回転し難くされている。
【0173】
また、ウェーブワッシャ185に発生する当該復元力により、平ワッシャ184は第三摩擦板183に押し付けられ、第三摩擦板183は柱部材120の上板125に押し付けられ、柱部材120の上板125は第二摩擦板182に押し付けられ、ひいては第二摩擦板182が第一摩擦板181に押し付けられる。その結果、第一摩擦板181の摩擦抵抗力発生面181cと、第二摩擦板182の摩擦抵抗力発生面182bとの間に、比較的大きな摩擦力が発生する。また、第三摩擦板183の摩擦抵抗力発生面183bと、平ワッシャ184との間にも、摩擦力が発生する。
【0174】
このように構成される水平回動規制機構180においては、以下の動作態様が可能となる。
【0175】
すなわち、支持部材130(底板134)と第一摩擦板181とは、係止片181a・181bが係止穴134e・134fにそれぞれ係合することにより、相対回転不能とされている。
したがって、第一摩擦板181は、支持部材130が柱部材120に対して回動するに際して、支持部材130とともに(一体的に)回動する。
【0176】
一方、柱部材120(上板125)と第二摩擦板182と第三摩擦板183とは、係止片182aと係止孔125c、ならびに係止片183aと係止孔125bとが係合することにより、相対回転不能とされている。
したがって、第二摩擦板182および第三摩擦板183は、柱部材120とともに元の位置に保持される(支持部材130と一体的には回動しない)。
【0177】
また、平ワッシャ184とウェーブワッシャ185と抑えワッシャ186とは、係止片184aが切欠185aおよび切欠186aに係合することにより、相対回転不能とされている。
したがって、支持部材130が柱部材120に対して回動するに際して、平ワッシャ184とウェーブワッシャ185と抑えワッシャ186とは一体的に移動(回動)する(一体的な挙動をとる)。
ここで、平ワッシャ184には摩擦抵抗力発生面が設けられていないため、第三摩擦板183と平ワッシャ184との間に発生する摩擦力は、第一摩擦板181と第二摩擦板182との間に発生する摩擦力に比して充分に小さい。その上、前述のように抑えワッシャ186は、下深絞り軸134dに対して相対回転し難くされている。
したがって、支持部材130が柱部材120に対して回動するに際して、平ワッシャ184とウェーブワッシャ185と抑えワッシャ186とは、支持部材130(下深絞り軸134d)とともに(一体的に)回動することとなる。
【0178】
このように構成されるディスプレイ支持装置100においては、支持部材130を柱部材120に対して回動する場合、第一摩擦板181が第二摩擦板182に密接した状態を保持しつつ第二摩擦板182に対して回動されるとともに、平ワッシャ184が第三摩擦板183に密接した状態を保持しつつ第三摩擦板183に対して回動される。
【0179】
ここで、水平回動規制機構180においては、前述のように、第一摩擦板181と第二摩擦板182との間に摩擦力が発生するとともに、第三摩擦板183と平ワッシャ184との間に摩擦力が発生する。
したがって、当該摩擦力により、支持部材130の柱部材120に対する回動が規制される。換言すれば、支持部材130にある程度大きい力(所定の操作力)を加えなければ支持部材130が柱部材120に対して回動しないこととする回動規制機構が構成されている。
【0180】
なお、前述のように抑えワッシャ186は下深絞り軸134dに対して相対回転し難くされている。
したがって、下深絞り軸134dの先端部(平面を成すように潰されたカシメ部分)と、抑えワッシャ186とが接触することによる下深絞り軸134dの先端部の摩耗を極力少なくすることができ、水平回動規制機構180におけるカシメの緩みの発生を抑制することが可能となる。
【0181】
なお、抑えワッシャ186は、下深絞り軸134dの先端部をカシメるときにそのカシメ具合を調整することによって下深絞り軸134dに固着させて、下深絞り軸134dに対して相対回転不能とすることも可能である。あるいは、溶接等の手段によって抑えワッシャ186を下深絞り軸134dに対して相対回転不能とすることも可能である。
このように構成することは、下深絞り軸134dの先端部(平面を成すように潰されたカシメ部分)にかかるトルクを極力小さくし、水平回動規制機構180におけるカシメの緩みの発生を防止できる点で好ましい。
【0182】
また、本実施形態の水平回動規制機構180においては、ウェーブワッシャ185に切欠185aを設けるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、本実施形態におけるウェーブワッシャ185に代えて、平ワッシャ184の係止片184aと干渉しない程度の寸法のウェーブワッシャ(すなわち、平ワッシャ184よりも半径が小さいウェーブワッシャ)を備えるものとしても良い。このように構成することは、ウェーブワッシャに切欠を設ける必要がなくなり、製造工程を簡素化できる点で好ましい。
【0183】
本実施形態においては、下深絞り軸134dの下端部が抑えワッシャ186にカシメ付けられることにより、第一摩擦板181、第二摩擦板182、第三摩擦板183、平ワッシャ184、ウェーブワッシャ185、および抑えワッシャ186が、下深絞り軸134dから脱落不能とされるとともに、これらの部材と柱部材120(上板125)と支持部材130(底板134)とが相互に密着(密接)するように構成されている。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
すなわち、これに代えて、例えば、下深絞り軸134dの先端部(下端部)に雄ネジを形成し、当該先端部にナットを螺装することとしても良い。
このように構成すると、ナットの下深絞り軸134dへの締め付け量を調整することにより、第一摩擦板181と第二摩擦板182との間、および第三摩擦板183と平ワッシャ184との間に発生する摩擦力の大きさを適宜に調整することが可能となる。したがって、支持部材130を柱部材120に対して所望の操作力により回動可能とする回動規制機構(水平回動規制機構180)を実現することが可能となる。
【0184】
このように構成することで、本実施形態のディスプレイ支持装置200は、以下のような利点を奏する。
【0185】
すなわち、図19および図20に示すように、ディスプレイ支持装置200においては、ディスプレイ装置10(厳密には、ディスプレイ側固定部材170および回動連結部材150を介してディスプレイ装置10を支持する支持部材130)に所定値以上の大きさの力(操作力)を加えることにより、ディスプレイ側固定部材170に取り付けたディスプレイ装置10の水平方向における回動位置を変更することが可能となる。
このとき、回動規制機構160が働くので、ディスプレイ装置10の上下方向における回動位置(チルト角度)は保持しつつ、ディスプレイ装置10の水平方向における回動位置のみを変更することが可能である(図21および図22参照)。
さらに、水平回動規制機構180が働くので、ディスプレイ装置10の水平方向における回動位置を、所定の回動位置に保持することが可能となる。すなわち、ディスプレイ装置10に所定値未満の大きさの力が加わっても、ディスプレイ装置10の水平方向における回動位置が、元の位置(ディスプレイ支持装置200の使用者が設定した位置)に保持されることとなる。
【0186】
また、図19および図21に示すように、ディスプレイ支持装置200においては、ディスプレイ装置10(厳密には、ディスプレイ側固定部材170を介してディスプレイ装置10が固定される回動連結部材150)に所定値以上の大きさの力(操作力)を加えることにより、ディスプレイ側固定部材170に取り付けたディスプレイ装置10の上下方向における回動位置(チルト角度)を変更することが可能となる。
このとき、水平回動規制機構180が働くので、ディスプレイ装置10の水平方向における回動位置は保持しつつ、ディスプレイ装置10の上下方向における回動位置のみを変更することが可能である。
さらに、回動規制機構160が働くので、ディスプレイ装置10の上下方向における回動位置を、所定の回動位置に保持することが可能となる。すなわち、ディスプレイ装置10に所定値未満の大きさの力が加わっても、ディスプレイ装置10の上下方向における回動位置が、元の位置(ディスプレイ支持装置200の使用者が設定した位置)に保持されることとなる。
【0187】
したがって、本実施形態のディスプレイ支持装置200によれば、取り付けたディスプレイ装置10の画像表示面の上下方向、左右方向における角度を、所定の操作力を加えることにより簡単に調整し、適宜の角度に保持することが可能となる。
【0188】
特に、本実施形態における水平回動規制機構180には、比較的大きな静止摩擦係数(μ)を有する第一摩擦板181、第二摩擦板182、および第三摩擦板183が備えられているので、ウェーブワッシャ185により発生させる復元力(弾性力,Nに相当)を極端に大きくしなくても、充分な大きさの摩擦力(μN)を発生させることが可能となる。したがって、取り付けたディスプレイ装置10の上下方向における回動位置および水平方向における回動位置を所望の位置に安定して保持することが可能となる。
【0189】
とりわけ、本実施形態の水平回動規制機構180においては、第一実施形態の回動軸機構140と比して、取り付けたディスプレイ装置10の水平方向における回動位置を所望の位置に安定して保持する(留める)力が強力となる。したがって、ディスプレイ支持装置200の柱部材120と支持部材130との合わせ面を水平方向に対して若干(例えば5°程度)傾いている構成とした場合等においても、ディスプレイ装置10の回動位置を安定に保持することが可能となる。
【0190】
さらに、本実施形態の支持部材130は、1枚の金属製の板材(成形前の平面状の板材)に左深絞り軸132aと、右深絞り軸133aと、下深絞り軸134dとを、深絞り加工により成形した後に、略箱形状となるように折り曲げて成形されるものである。
したがって、左深絞り軸132aと、右深絞り軸133aと、下深絞り軸134dとの位置関係が、背板131と底板134と左フランジ板135と右フランジ板136とにより支持されることによって強固に維持されるので、左深絞り軸132aと右深絞り軸133aとが一直線上にあり、かつ、下深絞り軸134dの軸線方向が左深絞り軸132aならびに右深絞り軸133aに対して垂直である状態を、安定して保持することが可能となる(外力が加わっても容易には変更されない)。
【0191】
また、本実施形態における左回動規制機構160L、右回動規制機構160R、および水平回動規制機構180は、略同様の構成からなるものである。
このように構成することで、例えば、左回動規制機構160Lに備えられる第二摩擦板162Lは、右回動規制機構160Rにおける第二摩擦板162Rにより代用することもできるし、あるいは水平回動規制機構180における第二摩擦板182により代用することもできる。
したがって、ディスプレイ支持装置200の製造に際して製作するべき部材の種類を削減することが可能となり、ひいてはディスプレイ支持装置200を低価格で製造することが可能となる。
【0192】
以上の如く、本実施形態に係るディスプレイ支持装置200は、
柱部材120と、
下端部が柱部材120に回動可能に連結される支持部材130と、
支持部材130に上下方向に回動可能に連結される回動連結部材150と、
ディスプレイ装置10および回動連結部材150に固定されるディスプレイ側固定部材170と、
柱部材120と支持部材130との間に摩擦力を発生させることにより、支持部材130に適宜の操作力が加えられた場合には支持部材130を柱部材120に対して回動可能とする水平回動規制機構180と、
支持部材130と回動連結部材150との間に摩擦力を発生させることにより、回動連結部材150に適宜の操作力が加えられた場合には回動連結部材150を支持部材130に対して回動可能とする回動規制機構160と、
を具備するディスプレイ支持装置200であって、
支持部材130は、
深絞り加工により下方に向けて突出するように形成された下深絞り軸134dと、
深絞り加工により左右方向を軸線方向として一直線上に形成された左深絞り軸132aおよび右深絞り軸133aと、
を備え、
柱部材120(上板125)には、下深絞り軸134dが貫装される貫装孔125aが形成され、
回動連結部材150には、左深絞り軸132aが貫装される貫装孔155Lと、右深絞り軸133aが貫装される貫装孔155Rと、が形成されたものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置200においては、左回動部材151Lの支持部材130に対する回動軸(左深絞り軸132a)と、右回動部材151Rの支持部材130に対する回動軸(右深絞り軸133a)と、柱部材120に対する支持部材130の回動軸(下深絞り軸134d)とを、深絞り加工により支持部材130に一体成形することが可能となる。したがって、ディスプレイ支持装置200の部品点数を削減し、簡単な構成で、かつ、低価格でディスプレイ支持装置200を製作することが可能となる。
また、左回動部材151Lの支持部材130に対する回動軸(左深絞り軸132a)と、右回動部材151Rの支持部材130に対する回動軸(右深絞り軸133a)と、柱部材120に対する支持部材130の回動軸(下深絞り軸134d)とが、支持部材130に一体成形されているので、これらの回動軸の位置にずれが生じ難く、安定した回動操作を実現することが可能となる。
さらに、ディスプレイ支持装置200は、回動規制機構160および水平回動規制機構180を具備しているので、取り付けたディスプレイ装置10の姿勢を変更することが可能であり、かつ、ディスプレイ装置10を適宜の姿勢に保持することが可能となる。
【0193】
また、本実施形態に係るディスプレイ支持装置200は、
支持部材130は、
前後方向に垂直な平面を有する背板131と、
背板131の左端部から前方に向かって背板131に対して垂直に突出するように形成される左側板132と、
背板131の右端部から前方に向かって背板131に対して垂直に突出するように形成される右側板133と、
背板131の下端部から前方に向かって背板131に対して垂直に突出するように形成される底板134と、
を有し、
左深絞り軸132aは左側板132から垂直に突出するように形成され、
右深絞り軸133aは右側板133から垂直に突出するように形成され、
下深絞り軸134dは底板134から下方に向かって垂直に突出するように形成されたものである。
さらに、本実施形態に係るディスプレイ支持装置200は、
支持部材130は、
左側板132の下端部から左右方向内側に向かって左側板132に対して垂直に突出するように形成される左フランジ板135と、
右側板133の下端部から左右方向内側に向かって右側板133に対して垂直に突出するように形成される右フランジ板136と、
を有し、
左フランジ板135および右フランジ板136は、
底板134に固定されたものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置200においては、支持部材130の形状を強固に保持することが可能であるので、左深絞り軸132aと右深絞り軸133aと下深絞り軸134dとが一直線上にある状態を安定して保持することが可能となる。すなわち、多少の大きさの外力が加わっても、左深絞り軸132aと右深絞り軸133aと下深絞り軸134dとの位置関係が破壊されない。したがって、取り付けたディスプレイ装置10の上下方向および水平方向(左右方向)への回動操作を安定して行うことが可能となる。
【0194】
また、本実施形態に係るディスプレイ支持装置200は、
回動規制機構160は、
左深絞り軸132aに貫装されるとともに支持部材130と回動連結部材150との間に配置され、支持部材130に当接する第一摩擦板161Lと、
左深絞り軸132aに貫装されるとともに支持部材130と回動連結部材150との間に配置され、回動連結部材150に当接する第二摩擦板162Lと、
左深絞り軸132aに貫装されるとともに回動連結部材150を挟んで第二摩擦板162Lの反対側に配置され、回動連結部材150に当接する第三摩擦板163Lと、
左深絞り軸132aに貫装されるとともに第三摩擦板163Lを挟んで回動連結部材150の反対側に配置され、第三摩擦板163Lに当接する平ワッシャ164Lと、
左深絞り軸132aに貫装されるとともに平ワッシャ164Lを挟んで第三摩擦板163Lの反対側に配置され、平ワッシャ164Lに当接するウェーブワッシャ165Lと、
左深絞り軸132aに貫装されるとともに、ウェーブワッシャ165Lを挟んで平ワッシャ164Lの反対側に配置され、ウェーブワッシャ165Lに当接する抑えワッシャ166Lと、
を有する左回動規制機構160Lと、
右深絞り軸133aに貫装されるとともに支持部材130と回動連結部材150との間に配置され、支持部材130に当接する第一摩擦板161Rと、
右深絞り軸133aに貫装されるとともに支持部材130と回動連結部材150との間に配置され、回動連結部材150に当接する第二摩擦板162Rと、
右深絞り軸133aに貫装されるとともに回動連結部材150を挟んで第二摩擦板162Rの反対側に配置され、回動連結部材150に当接する第三摩擦板163Rと、
右深絞り軸133aに貫装されるとともに第三摩擦板163Rを挟んで回動連結部材150の反対側に配置され、第三摩擦板163Rに当接する平ワッシャ164Rと、
右深絞り軸133aに貫装されるとともに平ワッシャ164Rを挟んで第三摩擦板163Rの反対側に配置され、平ワッシャ164Rに当接するウェーブワッシャ165Rと、
右深絞り軸133aに貫装されるとともに、ウェーブワッシャ165Rを挟んで平ワッシャ164Rの反対側に配置され、ウェーブワッシャ165Rに当接する抑えワッシャ166Rと、
を有する右回動規制機構160Rと、
を備え、
水平回動規制機構180は、
下深絞り軸134dに貫装されるとともに支持部材130と柱部材120との間に配置され、支持部材130に当接する第一摩擦板181と、
下深絞り軸134dに貫装されるとともに支持部材130と柱部材120との間に配置され、柱部材120に当接する第二摩擦板182と、
下深絞り軸134dに貫装されるとともに柱部材120を挟んで第二摩擦板182の反対側に配置され、柱部材120に当接する第三摩擦板183と、
下深絞り軸134dに貫装されるとともに第三摩擦板183を挟んで柱部材120の反対側に配置され、第三摩擦板183に当接する平ワッシャ184と、
下深絞り軸134dに貫装されるとともに平ワッシャ184を挟んで第三摩擦板183の反対側に配置され、平ワッシャ184に当接するウェーブワッシャ185と、
下深絞り軸134dに貫装されるとともにウェーブワッシャ185を挟んで平ワッシャ184の反対側に配置され、ウェーブワッシャ185に当接する抑えワッシャ186と、
を備えたものである。
さらに、本実施形態に係るディスプレイ支持装置200は、
左深絞り軸132aの先端部(左端部)は抑えワッシャ166Lにカシメ付けられ、
右深絞り軸133aの先端部(右端部)は抑えワッシャ166Rにカシメ付けられ、
前記下深絞り軸134dの下端部は抑えワッシャ186にカシメ付けられたものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置200においては、手動でディスプレイ装置10またはディスプレイ支持装置200(支持部材130または回動連結部材150)に所定値以上の操作力を加えて、取り付けたディスプレイ装置10を上下方向・水平方向に回動させることにより、ディスプレイ支持装置200の上下方向・水平方向における回動角度を簡単に調整することが可能となる。そして、このようにして調整したディスプレイ装置10の上下方向・水平方向における回動位置をその位置に安定に保持することが可能となる。また、このような回動規制機構160ならびに水平回動規制機構180を少ない部品点数により簡単な構成で実現することが可能となる。
【0195】
若しくは、本実施形態に係るディスプレイ支持装置200は、
左深絞り軸132aの先端部(左端部)にはナットが螺装され、
右深絞り軸133aの先端部(右端部)にはナットが螺装され、
下深絞り軸134dの下端部にはナットが螺装されたものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置200においては、回動規制機構160ならびに水平回動規制機構180を簡単な構成で実現することが可能となる。また、ナットの下深絞り軸134dへの締め付け量を調整することにより、柱部材120と支持部材130との間に発生する摩擦力の大きさを適宜に調整することが可能となる。したがって、支持部材130を柱部材120に対して所望の操作力により回動可能とする水平回動規制機構180を実現することが可能となる。
【0196】
また、本実施形態に係るディスプレイ支持装置200は、
左回動規制機構160Lは、
第一摩擦板161Lを支持部材130に対して相対回転不能とする左第一係止機構と、
第二摩擦板162Lおよび第三摩擦板163Lを回動連結部材150に対して相対回転不能とする左第二係止機構と、
平ワッシャ164Lおよびウェーブワッシャ165Lを抑えワッシャ166Lに対して相対回転不能とする左第三係止機構と、
を有し、
右回動規制機構160Rは、
第一摩擦板161Rを支持部材130に対して相対回転不能とする右第一係止機構と、
第二摩擦板162Rおよび第三摩擦板163Rを回動連結部材150に対して相対回転不能とする右第二係止機構と、
平ワッシャ164Rおよびウェーブワッシャ165Rを抑えワッシャ166Rに対して相対回転不能とする右第三係止機構と、
を有し、
水平回動規制機構180は、
第一摩擦板181を支持部材130に対して相対回転不能とする水平第一係止機構と、
第二摩擦板182および第三摩擦板183を柱部材120に対して相対回転不能とする水平第二係止機構と、
平ワッシャ184およびウェーブワッシャ185を抑えワッシャ186に対して相対回転不能とする水平第三係止機構と、
を有するものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置200においては、第一摩擦板181は支持部材130(底板134)に対して相対回転不能とされており、第二摩擦板182および第三摩擦板183は柱部材120(上板125)に対して相対回転不能とされており、さらに、平ワッシャ184およびウェーブワッシャ185は抑えワッシャ186に対して相対回転不能とされている。したがって、支持部材130が柱部材120に対して回動するに際して、第一摩擦板181および平ワッシャ184の支持部材130に対する相対回動を確実に防止することができる。すなわち、支持部材130の柱部材120に対する回動を数多く繰り返しても、第一摩擦板181および平ワッシャ184が支持部材130に対して相対回動するようにはなり難い。
さらに、ディスプレイ支持装置200では、抑えワッシャ186が下深絞り軸134dの回動にともなって回動する(下深絞り軸134dと一体的な挙動をとる)ので、カシメに緩みが生じ難く、安定した回動操作を実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0197】
10 ディスプレイ装置
61L 係止片(左第一係止機構の一部)
61R 係止片(右第一係止機構の一部)
62L 係止片(左第二係止機構の一部)
62R 係止片(右第二係止機構の一部)
63L 係止片(左第二係止機構の一部)
63R 係止片(右第二係止機構の一部)
64L 係止片(左第三係止機構の一部)
64R 係止片(右第三係止機構の一部)
65L 切欠(左第三係止機構の一部)
65R 切欠(右第三係止機構の一部)
66L 切欠(左第三係止機構の一部)
66R 切欠(右第三係止機構の一部)
71L 係止片(左第一係止機構の一部)
71R 係止片(右第一係止機構の一部)
100 ディスプレイ支持装置
110 ベース部材
120 柱部材
125a 貫装孔(下深絞り軸側貫装孔)
125b 係止孔(水平第二係止機構の一部)
125c 係止孔(水平第二係止機構の一部)
130 支持部材
131 背板
132 左側板
132a 左深絞り軸
132b 係止孔(左第一係止機構の一部)
132c 係止孔(左第一係止機構の一部)
133b 係止孔(右第一係止機構の一部)
133c 係止孔(右第一係止機構の一部)
133 右側板
133a 右深絞り軸
134 底板
134e 係止穴(水平第一係止機構の一部)
134f 係止穴(水平第一係止機構の一部)
135 左フランジ板
136 右フランジ板
140 回動軸機構
141 軸部材
142 平ワッシャ
143 平ワッシャ
144 ウェーブワッシャ(スプリングワッシャ)
145 ナット
150 回動連結部材
151L 左回動部材
151R 右回動部材
155L 貫装孔(左深絞り軸側貫装孔)
155R 貫装孔(右深絞り軸側貫装孔)
156L 係止孔(左第二係止機構の一部)
156R 係止孔(右第二係止機構の一部)
157L 係止孔(左第二係止機構の一部)
157R 係止孔(右第二係止機構の一部)
160 回動規制機構
160L 左回動規制機構
160R 右回動規制機構
161L 第一摩擦板(左第一摩擦板)
161R 第一摩擦板(右第一摩擦板)
162L 第二摩擦板(左第二摩擦板)
162R 第二摩擦板(右第二摩擦板)
163L 第三摩擦板(左第三摩擦板)
163R 第三摩擦板(右第三摩擦板)
164L 平ワッシャ(左平ワッシャ)
164R 平ワッシャ(右平ワッシャ)
165L ウェーブワッシャ(左スプリングワッシャ)
165R ウェーブワッシャ(右スプリングワッシャ)
166L 抑えワッシャ(左抑えワッシャ)
166R 抑えワッシャ(右抑えワッシャ)
170 ディスプレイ側固定部材
180 水平回動規制機構
181 第一摩擦板(水平第一摩擦板)
181a 係止片(水平第一係止機構の一部)
181b 係止片(水平第一係止機構の一部)
182 第二摩擦板(水平第二摩擦板)
182a 係止片(水平第二係止機構の一部)
183 第三摩擦板(水平第三摩擦板)
183a 係止片(水平第二係止機構の一部)
184 平ワッシャ(水平平ワッシャ)
184a 係止片(水平第三係止機構の一部)
185 ウェーブワッシャ(水平スプリングワッシャ)
185a 切欠(水平第三係止機構の一部)
186 抑えワッシャ(水平抑えワッシャ)
186a 切欠(水平第三係止機構の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱部材と、
下端部が前記柱部材に水平方向に回動可能に連結される支持部材と、
前記柱部材と前記支持部材との間に摩擦力を発生させることにより、前記支持部材に適宜の操作力が加えられた場合には前記支持部材を前記柱部材に対して回動可能とする回動軸機構と、
前記支持部材に上下方向に回動可能に連結される回動連結部材と、
前記支持部材と前記回動連結部材との間に摩擦力を発生させることにより、前記回動連結部材に適宜の操作力が加えられた場合には前記回動連結部材を前記支持部材に対して回動可能とする回動規制機構と、
ディスプレイ装置および前記回動連結部材に固定されるディスプレイ側固定部材と、
を具備するディスプレイ支持装置であって、
前記支持部材は、深絞り加工により左右方向を軸線方向として一直線上に形成された左深絞り軸および右深絞り軸を備え、
前記回動連結部材には、前記左深絞り軸が貫装される左深絞り軸側貫装孔と、前記右深絞り軸が貫装される右深絞り軸側貫装孔と、が形成される、
ディスプレイ支持装置。
【請求項2】
前記支持部材は、
前後方向に垂直な平面を有する背板と、
前記背板の左端部から前方に向かって前記背板に対して垂直に突出するように形成される左側板と、
前記背板の右端部から前方に向かって前記背板に対して垂直に突出するように形成される右側板と、
前記背板の下端部から前方に向かって前記背板に対して垂直に突出するように形成される底板と、
を有し、
前記左深絞り軸は前記左側板から垂直に突出するように形成され、
前記右深絞り軸は前記右側板から垂直に突出するように形成される、
請求項1に記載のディスプレイ支持装置。
【請求項3】
前記支持部材は、
前記左側板の下端部から左右方向内側に向かって前記左側板に対して垂直に突出するように形成される左フランジ板と、
前記右側板の下端部から左右方向内側に向かって前記右側板に対して垂直に突出するように形成される右フランジ板と、
を有し、
前記左フランジ板および前記右フランジ板は、
前記底板に固定される、請求項2に記載のディスプレイ支持装置。
【請求項4】
前記回動軸機構は、
前記支持部材を前記柱部材に対して回動可能に軸支する軸部材と、
前記軸部材に貫装される一対の平ワッシャと、
前記軸部材に貫装されるとともに前記一対の平ワッシャに挟まれるスプリングワッシャと、
前記軸部材に螺装されるナットと、
を備える、
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のディスプレイ支持装置。
【請求項5】
前記回動規制機構は、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記支持部材に当接する左第一摩擦板と、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記回動連結部材に当接する左第二摩擦板と、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記回動連結部材を挟んで前記左第二摩擦板の反対側に配置され、前記回動連結部材に当接する左第三摩擦板と、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記左第三摩擦板を挟んで前記回動連結部材の反対側に配置され、前記左第三摩擦板に当接する左平ワッシャと、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記左平ワッシャを挟んで前記左第三摩擦板の反対側に配置され、前記左平ワッシャに当接する左スプリングワッシャと、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに、前記左スプリングワッシャを挟んで前記左平ワッシャの反対側に配置され、前記左スプリングワッシャに当接する左抑えワッシャと、
を有する左回動規制機構と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記支持部材に当接する右第一摩擦板と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記回動連結部材に当接する右第二摩擦板と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記回動連結部材を挟んで前記右第二摩擦板の反対側に配置され、前記回動連結部材に当接する右第三摩擦板と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記右第三摩擦板を挟んで前記回動連結部材の反対側に配置され、前記右第三摩擦板に当接する右平ワッシャと、
前記右深絞軸に貫装されるとともに前記右平ワッシャを挟んで前記右第三摩擦板の反対側に配置され、前記右平ワッシャに当接する右スプリングワッシャと、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに、前記右スプリングワッシャを挟んで前記右平ワッシャの反対側に配置され、前記右スプリングワッシャに当接する右抑えワッシャと、
を有する右回動規制機構と、
を備える、請求項1から請求項4までの何れか一項に記載のディスプレイ支持装置。
【請求項6】
前記左深絞り軸の先端部は前記左抑えワッシャにカシメ付けられ、
前記右深絞り軸の先端部は前記右抑えワッシャにカシメ付けられる、
請求項5に記載のディスプレイ支持装置。
【請求項7】
前記左深絞り軸の先端部にはナットが螺装され、
前記右深絞り軸の先端部にはナットが螺装される、
請求項5に記載のディスプレイ支持装置。
【請求項8】
前記左回動規制機構は、
前記左第一摩擦板を前記支持部材に対して相対回転不能とする左第一係止機構と、
前記左第二摩擦板および前記左第三摩擦板を前記回動連結部材に対して相対回転不能とする左第二係止機構と、
前記左平ワッシャおよび前記左スプリングワッシャを前記左抑えワッシャに対して相対回転不能とする左第三係止機構と、
を有し、
前記右回動規制機構は、
前記右第一摩擦板を前記支持部材に対して相対回転不能とする右第一係止機構と、
前記右第二摩擦板および前記右第三摩擦板を前記回動連結部材に対して相対回転不能とする右第二係止機構と、
前記右平ワッシャおよび前記右スプリングワッシャを前記右抑えワッシャに対して相対回転不能とする右第三係止機構と、
を有する、
請求項5から請求項7までの何れか一項に記載のディスプレイ支持装置。
【請求項9】
柱部材と、
下端部が前記柱部材に回動可能に連結される支持部材と、
前記支持部材に上下方向に回動可能に連結される回動連結部材と、
ディスプレイ装置および前記回動連結部材に固定されるディスプレイ側固定部材と、
前記柱部材と前記支持部材との間に摩擦力を発生させることにより、前記支持部材に適宜の操作力が加えられた場合には前記支持部材を前記柱部材に対して回動可能とする水平回動規制機構と、
前記支持部材と前記回動連結部材との間に摩擦力を発生させることにより、前記回動連結部材に適宜の操作力が加えられた場合には前記回動連結部材を前記支持部材に対して回動可能とする回動規制機構と、
を具備するディスプレイ支持装置であって、
前記支持部材は、
深絞り加工により下方に向けて突出するように形成された下深絞り軸と、
深絞り加工により左右方向を軸線方向として一直線上に形成された左深絞り軸および右深絞り軸と、
を備え、
前記柱部材には、前記下深絞り軸が貫装される下深絞り軸側貫装孔が形成され、
前記回動連結部材には、前記左深絞り軸が貫装される左深絞り軸側貫装孔と、前記右深絞り軸が貫装される右深絞り軸側貫装孔と、が形成される、
ディスプレイ支持装置。
【請求項10】
前記支持部材は、
前後方向に垂直な平面を有する背板と、
前記背板の左端部から前方に向かって前記背板に対して垂直に突出するように形成される左側板と、
前記背板の右端部から前方に向かって前記背板に対して垂直に突出するように形成される右側板と、
前記背板の下端部から前方に向かって前記背板に対して垂直に突出するように形成される底板と、
を有し、
前記左深絞り軸は前記左側板から垂直に突出するように形成され、
前記右深絞り軸は前記右側板から垂直に突出するように形成され、
前記下深絞り軸は前記底板から下方に向かって垂直に突出するように形成される、
請求項9に記載のディスプレイ支持装置。
【請求項11】
前記支持部材は、
前記左側板の下端部から左右方向内側に向かって前記左側板に対して垂直に突出するように形成される左フランジ板と、
前記右側板の下端部から左右方向内側に向かって前記右側板に対して垂直に突出するように形成される右フランジ板と、
を有し、
前記左フランジ板および前記右フランジ板は、
前記底板に固定される、請求項10に記載のディスプレイ支持装置。
【請求項12】
前記回動規制機構は、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記支持部材に当接する左第一摩擦板と、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記回動連結部材に当接する左第二摩擦板と、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記回動連結部材を挟んで前記左第二摩擦板の反対側に配置され、前記回動連結部材に当接する左第三摩擦板と、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記左第三摩擦板を挟んで前記回動連結部材の反対側に配置され、前記左第三摩擦板に当接する左平ワッシャと、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに前記左平ワッシャを挟んで前記左第三摩擦板の反対側に配置され、前記左平ワッシャに当接する左スプリングワッシャと、
前記左深絞り軸に貫装されるとともに、前記左スプリングワッシャを挟んで前記左平ワッシャの反対側に配置され、前記左スプリングワッシャに当接する左抑えワッシャと、
を有する左回動規制機構と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記支持部材に当接する右第一摩擦板と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記回動連結部材との間に配置され、前記回動連結部材に当接する右第二摩擦板と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記回動連結部材を挟んで前記右第二摩擦板の反対側に配置され、前記回動連結部材に当接する右第三摩擦板と、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記右第三摩擦板を挟んで前記回動連結部材の反対側に配置され、前記右第三摩擦板に当接する右平ワッシャと、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに前記右平ワッシャを挟んで前記右第三摩擦板の反対側に配置され、前記右平ワッシャに当接する右スプリングワッシャと、
前記右深絞り軸に貫装されるとともに、前記右スプリングワッシャを挟んで前記右平ワッシャの反対側に配置され、前記右スプリングワッシャに当接する右抑えワッシャと、
を有する右回動規制機構と、
を備え、
前記水平回動規制機構は、
前記下深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記柱部材との間に配置され、前記支持部材に当接する水平第一摩擦板と、
前記下深絞り軸に貫装されるとともに前記支持部材と前記柱部材との間に配置され、前記柱部材に当接する水平第二摩擦板と、
前記下深絞り軸に貫装されるとともに前記柱部材を挟んで前記水平第二摩擦板の反対側に配置され、前記柱部材に当接する水平第三摩擦板と、
前記下深絞り軸に貫装されるとともに前記水平第三摩擦板を挟んで前記柱部材の反対側に配置され、前記水平第三摩擦板に当接する水平平ワッシャと、
前記下深絞り軸に貫装されるとともに前記水平平ワッシャを挟んで前記水平第三摩擦板の反対側に配置され、前記水平平ワッシャに当接する水平スプリングワッシャと、
前記下深絞り軸に貫装されるとともに前記水平スプリングワッシャを挟んで前記水平平ワッシャの反対側に配置され、前記水平スプリングワッシャに当接する水平抑えワッシャと、
を備える、請求項9から11までの何れか一項に記載のディスプレイ支持装置。
【請求項13】
前記左深絞り軸の先端部は前記左抑えワッシャにカシメ付けられ、
前記右深絞り軸の先端部は前記右抑えワッシャにカシメ付けられ、
前記下深絞り軸の下端部は前記水平抑えワッシャにカシメ付けられる、
請求項12に記載のディスプレイ支持装置。
【請求項14】
前記左深絞り軸の先端部にはナットが螺装され、
前記右深絞り軸の先端部にはナットが螺装され、
前記下深絞り軸の下端部にはナットが螺装される、
請求項12に記載のディスプレイ支持装置。
【請求項15】
前記左回動規制機構は、
前記左第一摩擦板を前記支持部材に対して相対回転不能とする左第一係止機構と、
前記左第二摩擦板および前記左第三摩擦板を前記回動連結部材に対して相対回転不能とする左第二係止機構と、
前記左平ワッシャおよび前記左スプリングワッシャを前記左抑えワッシャに対して相対回転不能とする左第三係止機構と、
を有し、
前記右回動規制機構は、
前記右第一摩擦板を前記支持部材に対して相対回転不能とする右第一係止機構と、
前記右第二摩擦板および前記右第三摩擦板を前記回動連結部材に対して相対回転不能とする右第二係止機構と、
前記右平ワッシャおよび前記右スプリングワッシャを前記右抑えワッシャに対して相対回転不能とする右第三係止機構と、
を有し、
前記水平回動規制機構は、
前記水平第一摩擦板を前記支持部材に対して相対回転不能とする水平第一係止機構と、
前記水平第二摩擦板および前記水平第三摩擦板を前記柱部材に対して相対回転不能とする水平第二係止機構と、
前記水平平ワッシャおよび前記水平スプリングワッシャを前記水平抑えワッシャに対して相対回転不能とする水平第三係止機構と、
を有する、
請求項12から請求項14までの何れか一項に記載のディスプレイ支持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−242813(P2010−242813A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90385(P2009−90385)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(592264101)下西技研工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】