説明

ディスポーザブル型採血器具

【課題】穿刺針の針先保護による安全性の確保と穿刺針の穿刺深さの調節機構とを、少ない部品点数と簡易な構造で併せて実現することの出来る、新規な構造のディスポーザブル型採血器具を提供すること。
【解決手段】穿刺針62の針先69を覆う保護キャップ20を設けると共に、該保護キャップ20が該穿刺針62から離脱して該穿刺針62の突出経路を外れた位置でハウジング16に支持されることにより穿刺作動に際してランセット18が打ち当たるストッパ部94が形成されるようにする一方、該ストッパ部94への打ち当りで規定される該ランセット18の移動端の位置を該穿刺針62の突出方向で変更することにより、該穿刺針62の該ハウジング16からの突出量を調節可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚を寸刺して少量の血液を採取するために用いられる採血器具に係り、特に、1回の使用で廃棄されるディスポーザブル型採血器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療目的で、少量の血液を自己採取しなければならない場合がある。例えば糖尿病患者は、血糖レベルを定期的にチェック(血糖自己測定:SMBG)するために、患者自身が自己の血液を採取する必要がある。このような血液の自己採取を安全且つ確実に行なうことができるように、従来から、採血器具が用いられている。
【0003】
かかる採血器具は、一般に、穿刺針を有するランセットとばね部材がハウジングに収容された構造とされている。そして、ばね部材でランセットが付勢されてハウジングから穿刺針の先端が突出されることにより、皮膚表面を寸刺して少量の血液を滲出させるようになっている。特に近年では、使用後の穿刺針を介したHIVやB型肝炎ウイルス等への感染を防止するために、1回限りの使用で廃棄されるディスポーザブル型の採血器具が広く用いられている。
【0004】
ところで、このような採血器具では、穿刺針の汚染と誤穿刺を防止して安全性を確保する必要があると共に、患者や穿刺部位の相違等に対応して穿刺深さを調節することにより適当量の採血を安定して行なえるようにすることが必要とされる。
【0005】
そして、前者の目的で、国際公開WO2005/110225号パンフレット(特許文献1)には、穿刺針を保護キャップで覆った構造が提案されている。また、後者の目的で、米国特許第4895147号明細書(特許文献2)には、穿刺針の突出量の調節機構が提案されている。
【0006】
しかしながら、従来の採血器具では、これら穿刺針の保護キャップと穿刺針の突出量調節機構とを併せて採用することが難しいという問題があった。即ち、穿刺針の保護キャップと穿刺針の突出量調節機構は、本来、互いに異なる目的および構成を有するものであり、互いに別の部品で構成される。それ故、両者を併せて採用しようとすると、部品点数の増加と構造の複雑化が避けられない。しかも、特に複数個を携帯しなければならないディスポーザブル型採血器具では、部品点数の増加や構造の複雑化に伴って大型化すると、携帯に際して邪魔になり易く利便性が低下するという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開WO2005/110225号パンフレット
【特許文献2】米国特許第4895147号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述の事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、穿刺針の針先保護による安全性の確保と穿刺針の穿刺深さの調節機構とを、少ない部品点数と簡易な構造で併せて実現することの出来る、新規な構造のディスポーザブル型採血器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
【0010】
すなわち、本発明は、穿刺針を有するランセットとばね部材がハウジングに収容されており、該ばね部材で該ランセットが付勢され該穿刺針の先端が該ハウジングから突出して穿刺作動するディスポーザブル型採血器具において、前記穿刺針の針先を覆う保護キャップを設けると共に、該保護キャップが該穿刺針から離脱して該穿刺針の突出経路を外れた位置で前記ハウジングに支持されることにより前記穿刺作動に際して前記ランセットが打ち当たるストッパ部が形成されるようにする一方、該ストッパ部への打ち当りで規定される該ランセットの移動端の位置を該穿刺針の突出方向で変更することにより、該穿刺針の該ハウジングからの突出量を調節可能としたことを、特徴とする。
【0011】
本発明によれば、穿刺針の針先を保護する保護キャップによって、ランセットに打ち当たるストッパ部が形成される。これにより、針先保護による安全性の確保と穿刺針の穿刺深さの調節機構とを、少ない部品点数と簡易な構成で併せて実現することができる。また、ディスポーザブル型採血器具の製造コスト低減と小型化も実現可能となる。
【0012】
特に本発明では、目的及び作用が全く関係無い二つの独立した構成である「穿刺針の保護キャップ」と「ランセットのストッパ」について、両者の特別な関係に新たに着目することによって、前述の課題を解決し得たのである。即ち、これら保護キャップとストッパは、従来、全く別の目的を達成するために互いに関連しない別構造として設けられていたに過ぎない。しかし、前者の保護キャップは穿刺作動以前でのみ必要とされて機能する一方、後者のストッパは穿刺作動に際してのみ必要とされて機能するという関係が存在することに、本発明者は着目した。要するに、保護キャップが必要とされて機能するときにはストッパは不要で機能しておらず、反対に、ストッパが必要とされて機能するときには保護キャップは不要で機能していない。このように、従来では全く関連の無い二つの独立した構成としか認識されていなかった保護キャップとストッパについて、両者間の特別な関係を見出してそれに着目することにより、本発明が完成された。これにより、本発明では、穿刺作動の前に必要とされる保護キャップを、それが不要とされる穿刺作動時に巧く利用してストッパを構成させるという新たな発想に基づいて、針先保護機能と穿刺時の針先突出量調節機能とを、共通の部品で簡単な構造をもって実現し得たのである。
【0013】
なお、本発明において、ランセットの移動端の位置を穿刺針の突出方向で変更する態様は、例えばランセットとストッパ部との当接面の位置を穿刺針の突出方向でハウジングに対して変位させることで実現される。より具体的には、ランセット側の当接面とストッパ部側の当接面の少なくとも一方を、穿刺針の突出方向で位置調節可能とすることで、ランセットの移動端の位置を穿刺針の突出方向で変更することが可能である。
【0014】
また、本発明においては、採血部の皮膚表面に押し当てられる押当部材と該押当部材に対して移動可能に組み合わされた操作部材とを含んで前記ハウジングが構成されており、前記ばね部材で付勢された前記ランセットの該押当部材に対する係止状態を該操作部材で解除することにより、該押当部材から前記穿刺針が突出して穿刺作動されるようになっていると共に、前記保護キャップが該押当部材で支持されることによって前記ストッパ部を構成するようになっている態様も、採用可能である。
【0015】
このようにすれば、操作部材を押当部材に対して移動させることにより、ランセットの係止状態を解除して穿刺作動させることができる。それ故、操作部材を持った片手だけで穿刺作動を行なわせることも可能となり、優れた操作性が発揮される。
【0016】
さらに、上記態様を採用する場合には、前記押当部材と前記操作部材が何れも有底の筒形状とされており、互いに開口部側で嵌め合わされて軸方向に相対移動可能に組み合わされることにより前記ハウジングが中空構造で形成されていると共に、該ハウジングの軸方向で移動可能に前記ランセットが収容されて、該ランセットの前記穿刺針が該押当部材の底部に向かって突設されていると共に、該押当部材の底部には穿刺用孔が形成されており、該押当部材の底部を採血部の皮膚表面に押し当てた状態で該操作部材を該押当部材に対して押圧操作することで、該ランセットの該押当部材に対する係止状態が解除されて、該ハウジングと該ランセットとの間に配設された前記ばね部材の付勢力によって該ランセットが該押当部材の底部に向かって移動し、該穿刺針の先端が該押当部材の該穿刺用孔から外部に突出して穿刺作動するようになっている態様を、併せて採用することが出来る。
【0017】
本態様によれば、押当部材を皮膚表面に押し当てた状態で、操作部材を押当部材に対して皮膚表面に向けて押し込むという簡易な操作によって穿刺を行なうことが出来る。また、穿刺操作に際して、押当部材が皮膚表面から離れることも防止されて、穿刺深さの安定化も達成される。
【0018】
また、前記押当部材と前記操作部材を含んでハウジングを構成する場合には、前記操作部材において、前記ばね部材で付勢された前記ランセットの前記押当部材に対する係止状態を解除する操作を阻止するセーフティロック機構を設けた態様も、好適に採用され得る。セーフティロック機構を設けることで、不意に押圧部材を押しても、キャップが外れて穿刺針の針先が突出することを防止でき、誤穿刺が回避される。
【0019】
また、前記押当部材と前記操作部材を含んでハウジングを構成する場合には、前記押当部材に対して前記操作部材を中心軸回りで相対回転させることにより、該押当部材で支持された前記保護キャップと該操作部材で支持された前記ランセットが相対回転されて、該保護キャップに形成された前記ストッパ部と該ランセットとの当接位置が変化することに伴って、該ストッパ部への打ち当りで規定される該ランセットの移動端の位置が変更されるようになっている態様が、好適に採用され得る。
【0020】
本態様では、ハウジングの主要部分を構成する押当部材と操作部材の相対回転操作で穿刺針の突出量調節を行なうことが出来ることから、器具外観をシンプルにして操作し易くすることが可能となる。また、穿刺針の突出量調節に際しての押当部材と操作部材の操作方向を相対回転方向としたことで、穿刺針の穿刺作動に際しての押当部材と操作部材の操作とは異ならせて、それら両操作を間違うことなく確実に操作可能とすることも出来る。
【0021】
また、本発明においては、前記ストッパ部において前記ランセットが当接される当接面の位置が、前記穿刺針の突出方向で変更可能とされている態様も、採用され得る。ここにおいて、当接面の位置の変更は、当接面を穿刺針の突出方向において複数の段差面として段階的に調節可能としたり、或いはストッパ部の位置を穿刺針の突出方向でネジ送り機構等によって無段階に調節可能とする等しても良い。
【0022】
また、前記操作部材を用いる場合には、前記穿刺作動に際して前記操作部材に及ぼされる操作力を前記保護キャップに伝達することにより、該保護キャップを前記穿刺針から離脱させて前記ストッパ部を構成する位置に導く連動機構を設けた態様も、好適に採用され得る。このようにすれば、保護キャップの穿刺針からの離脱とストッパ部の形成を、穿刺操作に際しての操作力を利用して自動的に行なわせることが出来て、保護キャップの離脱とストッパ部を形成を含む一連の穿刺操作を一層容易に且つ速やかに行なうことが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、穿刺針の針先保護による安全性の確保と穿刺針の穿刺深さの調節機構とを、少ない部品点数と簡易な構成で併せて実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態としてのディスポーザブル型採血器具の側面図。
【図2】同ディスポーザブル型採血器具の図1とは異なる方向の側面図。
【図3】図1におけるIII−III断面図。
【図4】図2におけるIV−IV断面図。
【図5】図1に示したディスポーザブル型採血器具の分解斜視図。
【図6】同ディスポーザブル型採血器具を構成する操作部材の断面斜視図。
【図7】同ディスポーザブル型採血器具を構成するキャップ部材の正面図。
【図8】同キャップ部材の斜視図。
【図9】図1に示したディスポーザブル型採血器具の穿刺作動を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0026】
先ず、図1〜図5に、本発明の一実施形態としてのディスポーザブル型採血器具(以下、適宜に「採血器具」と略称する)10を示す。採血器具10は、操作部材12と押当部材14が組み合わされたハウジング16を備えており、このハウジング16にランセット18と保護キャップ20が収容されている。なお、以下の説明中、特に断りのない限り、前方とは図1の右方向、後方とは図1の左方向、軸方向とは図1の左右方向を言う。
【0027】
より詳細には、操作部材12は、有底の略円筒形状とされている。その底部22には、中央部分を軸方向に貫通する係合孔24が形成されている。
【0028】
また、操作部材12の内部には、底部22から軸方向内方に突出する収容筒部26が一体形成されている。この収容筒部26の後方側端部には、底部22の係合孔24が開口している。一方、収容筒部26の前方側端部は、操作部材12内に開口している。
【0029】
更にまた、操作部材12における開口部27側の端部には、内周面上に突出して周方向に延びる係止突部28が設けられている。そして、この係止突部28における軸方向内方側の端面が、操作部材12の内周面上に突出する抜止段差面29とされている。
【0030】
さらに、収容筒部26には、その周壁部分に一対のスリット状の挿通溝30,30が形成されている。この一対のスリット状の挿通溝30,30は、収容筒部26の軸方向に延びており、収容筒部26の先端部側に開放している。また、収容筒部26は、周上で部分的に、操作部材12の周壁部と一体的な厚肉の壁構造とされている。即ち、収容筒部26と操作部材12の周壁部との間には、両者を一体的に連結する一対の連結部31,31が、周上で部分的に形成されている。なお、一対の挿通溝30,30の対向方向と、一対の連結部31,31の対向方向は、何れも収容筒部26の軸直角方向とされており、且つ互いに直交している。
【0031】
また、操作部材12の外周面には、突起部からなる複数の指標32、34a、34b、34cが形成されている。その一つである初期指標32は、開口部27側の端縁部近くに設けられており、後述する押当部材14の操作部材12に対する初期回動位置を示すものである。また、第1指標34a、第2指標34b、第3指標34cは、何れも、後述する穿刺針62の突出量を選択設定するためのものであり、操作部材12の開口部27側の端縁部から軸方向に延びる線状突起から構成されている。
【0032】
なお、第1指標34aは一本の線状突起、第2指標34bは2本の線状突起、第3指標34cは3本の線状突起から構成されており、相互に識別可能とされている。特に第1指標34aから第2指標34b更に第3指標34cとなるに従って次第に線状突起が長くされており、穿刺針62の突出量が次第に大きく設定されることを視覚的にイメージできるようになっている。また、初期指標32と第1〜第3指標34a、34b、34cは、操作部材12の周方向で略一定の間隔を隔てて設けられている。
【0033】
さらに、図6に示すように、操作部材12の内周面には、複数の溝36、38a、38b、38cが形成されている。これらの溝36、38a、38b、38cは、何れも、操作部材12の開口部27側の端縁部から軸方向に延びる凹溝によって構成されている。その一つである初期嵌合溝36が、初期指標32の内周面に位置している。また、第1案内溝38aが第1指標34aの内周面に位置していると共に、第2案内溝38bが第2指標34bの内周面に位置しており、第3案内溝38cが第3指標34dの内周面に位置している。
【0034】
また、第1〜第3案内溝38a〜38cの軸方向長さは略同じとされており、操作部材12内で収容筒部26の開口端部近くまで延びている。一方、初期嵌合溝36は、第1〜第3案内溝38a〜38cに比して短い。
【0035】
一方、押当部材14は、有底の略円筒形状とされている。その筒壁部の外径寸法は、操作部材12に内挿可能な大きさとされている。また、押当部材14の底部40には、中央部分を貫通する穿刺用孔42が形成されている。
【0036】
また、押当部材14の筒壁部には、一対の支持溝44,44が形成されている。各支持溝44は、筒壁部を貫通するスリット形状で、押当部材14の開口部45側端部から底部40近くまで軸方向に延びている。また、各支持溝44の幅寸法は、長さ方向の中間部分で変化している。即ち、各支持溝44の一方の側壁には、長さ方向中間部分に傾斜部46が設けられており、この傾斜部46よりも開口部45側が大幅部48とされていると共に、傾斜部46よりも底部40側が小幅部50とされている。
【0037】
なお、一対の支持溝44,44は、押当部材14の筒壁部の径方向で対向位置して形成されている。また、一対の支持溝44,44における傾斜部46,46は、押当部材14の側方視(図2参照)において互いに重なり合っている。
【0038】
さらに、押当部材14の外周面には、突起状のリブ52が形成されており、一対の支持溝44,44の周方向中間部分を軸方向に延びている。このリブ52は、後述するように、操作部材12の指標32,34a,34b,34cと協働して、採血器具10の作動状態を表示する。
【0039】
なお、押当部材14の開口側端部には、外径寸法が大きな厚肉部が設けられている。そして、この厚肉部の外周面が開口部45側に向かって小径化したテーパ面53とされている。また、かかる厚肉部における大径側の軸方向端面は、押当部材14の外周面上に突出する係止段差面54とされている。
【0040】
そして、かかるテーパ面53によって、押当部材14の操作部材12への挿し込みが容易とされている。また、挿し込みに際して、押当部材14のテーパ面53が操作部材12の係止突部28を超えると、押当部材14の係止段差面54が操作部材12の抜止段差面29に係止されることにより、押当部材14の操作部材12からの抜け出しが阻止されるようになっている。
【0041】
一方、ランセット18は、ランセットハブ60と穿刺針62を含んで構成されている。ランセットハブ60はポリプロピレンやポリエチレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂から形成されており、円板部64と、円板部64の中心軸上に突出する筒状の針保持部66を有している。また、円板部64における針保持部66の突出面上には、一対の当接部68,68が一体形成されている。かかる一対の当接部68,68は、円板部64の径方向で対称に、それぞれ扇形状で突出形成されている。そして、穿刺針62の基端部分が、インサート成形や接着等によってランセットハブ60の針保持部66に固定されており、穿刺針62の針先69がランセットハブ60の中心軸上で外方に突出している。
【0042】
また、円板部64の外周部分には、一対の外周壁70,70が形成されており、円板部64から針保持部66とは反対の軸方向に向かって突出している。また、各外周壁70の外周面上には、係止爪72が形成されている。なお、係止爪72の外周面は、穿刺針62の突出方向に向けて次第に拡径するテーパ面73とされている。
【0043】
さらに、円板部64には、ばね部材としてのばね部74が一体形成されている。本実施形態のばね部74は、葛折れ様の屈曲形状を有する樹脂製の板ばねにて構成されており、その一方の端部が円板部64に連結されている。そして、ばね部74は、円板部64から、針保持部66と反対の軸方向に向かって突出している。また、ばね部74の他方の端部には、取付板部76が一体形成されている。この取付板部76には、一対の係合爪78,78が、ばね部74と反対側の面上に突設されている。
【0044】
さらに、ばね部74および取付板部76には、ばね部74の幅方向両側に突出する挿通ピン80が複数形成されている。これら挿通ピン80は、何れも、円板部64の中心線に交差してばね部74および取付板部76の幅方向に延びる直線上に突設されている。なお、取付板部76に形成された挿通ピン80の突出寸法は、ばね部74に形成された挿通ピン80よりも大きくされている。そして、これら挿通ピン80が、葛折れ様の屈曲形状とされたばね部74の稜線と谷線の中間部分をばね部74の屈曲方向に延びる直線上に整列配置して形成されている。
【0045】
また、保護キャップ20は、図7および図8にも示すように、厚肉の略円筒形状の(内径寸法は全長で略一定とされているが、外径寸法が軸方向一方に向かって変化する略半球形状とされた)キャップ本体86を備えている。そして、このキャップ本体86の中心孔によって針挿通孔87が構成されている。また、キャップ本体86の外周面は、軸方向一方の端部から他方の端部に向かって次第に小径化しており、略半球形状の湾曲外周面とされている。更に、キャップ本体86の大径側端部には、軸直角方向に突出する一対の支持軸88,88が一体形成されている。また、キャップ本体86の大径側端部近くの外周面には、針収容孔92が形成されており、一対の支持軸88,88の突出方向に直交する方向で、針挿通孔87に至らない程度に延び出されている。即ち、保護キャップ20において、支持軸88,88、針挿通孔87、針収容孔92は、直交三軸方向に延びている。
【0046】
さらに、キャップ本体86における小径側の軸方向端面には、ストッパ部94が形成されている。ストッパ部94は、キャップ本体86の軸方向に突出する第1〜第3のストッパ面96a,96b,96cによって構成されている。これら第1〜第3のストッパ面96a,96b,96cは、それぞれ、針挿通孔87の軸方向視においてキャップ本体86の径方向で対向する一対の扇状突部の先端面によって形成されている。本実施形態における第1〜第3のストッパ面96a,96b,96cは、それぞれ、中心角が略45°の扇形状とされている。また、これら第1〜第3のストッパ面96a,96b,96cはキャップ本体86の軸方向外方への突出高さが互いに異なっており、第1のストッパ面96a、第2のストッパ面96b、第3のストッパ面96cの順に、突出寸法が次第に小さくされている。
【0047】
また、一対の支持軸88,88は、押当部材14の支持溝44,44における小幅部50に挿通可能な外径寸法とされている。更に、各支持軸88のキャップ本体86側の部位には、各支持軸88からストッパ部94側に向かって突出する案内突片98が、それぞれ形成されている。なお、案内突片98の突出高さは、その突出方向を押当部材14の支持溝44の幅方向に向けた状態で、支持軸88を支持溝44の大幅部48に差し入れることは可能だが、小幅部50に差し入れることは出来ないように設定されている。
【0048】
保護キャップ20は、通常、穿刺針62をセットした成形キャビティを用いたインサート成形により、ランセット18と一体成形され得る。これにより、穿刺針62の針先69が保護キャップ20によって保護されると共に、上記針収容孔92が、保護キャップ20に形成される。
【0049】
そして、ランセット18の針保持部66に穿刺針62が取り付けられることによって構成されたランセット構造体99を、操作部材12の収容筒部26に挿入して、係合爪78を操作部材12の係合孔24と係合させる。これにより、ランセット構造体99は、取付板部76を操作部材12の底部22の内面に重ね合わせて固定した状態で操作部材12に組み付けられる。また、ばね部74に突設された挿通ピン80を、収容筒部26の挿通溝30に挿通させる。これにより、ばね部74の傾きを防止しつつ伸縮弾性変形を許容して、目的とする弾性変形の安定化が図られている。
【0050】
なお、保護キャップ20は、上述のようにインサート成形でランセット18と一体形成される他、ランセット18とは別に形成されてもよい。後者の場合には、穿刺針62への保護キャップ20の装着は、ランセット構造体99を操作部材12に組み付ける前に行なっても、組み付けた後で行っても良い。また、穿刺針62へ保護キャップ20を装着するに際しては、後述する滅菌状態を保持するために、保護キャップ20の針収容孔92内に、穿刺針62を保持する針保持部66の先端部が嵌入するまで、挿し入れることが好ましい。
【0051】
その後、押当部材14を、操作部材12の開口部から嵌め入れて組み付ける。その際、保護キャップ20の支持軸88を、押当部材14の支持溝44に差し入れる。そして、押当部材14のテーパ面53が操作部材12の抜止段差面29よりも軸方向後方に位置するまで、押当部材14を操作部材12に押し入れる。これにより、押当部材14の係止段差面54が抜止段差面29に係止されて、押当部材14が操作部材12に対する同心軸上で抜け出し不能の挿入状態で組み付けられる。
【0052】
このようにして組み立てられた採血器具10のハウジング16内には、ランセット構造体99と保護キャップ20が収容されている。かかる組立状態では、穿刺針62の針先69が押当部材14の底部40に向けられていると共に、ばね部74が操作部材12の底部22とランセット18の間に配設されている。
【0053】
なお、採血器具10は、少なくとも穿刺針62の針先69とそれを保護するキャップ本体86が滅菌状態となるように処理される。具体的には、例えば穿刺針62にキャップ本体86を装着する前或いは後に放射線や高圧蒸気滅菌等で滅菌処理が施される。なお、穿刺針62をセットした成形キャビティを用いてランセット18と保護キャップ20を一体成形することによって、穿刺針62の針先69を滅菌状態に保持させるようにしても良い。
【0054】
これら操作部材12と押当部材14は、中心軸回りで互いに回動可能に組み付けられている。そして、本実施形態における採血器具10は、図1〜図4に示したように、押当部材14のリブ52が操作部材12の周方向で初期指標32と重なって位置されて、初期嵌合溝36と嵌合された状態を初期状態として使用者に提供される。
【0055】
かかる初期状態において、保護キャップ20は、支持軸88および案内突片98が押当部材14における支持溝44の大幅部48内に挿入されて、案内突片98の突出方向を支持溝44の延び出し方向に直交する方向(図2中、上下方向)に向けた状態で収容される。なお、案内突片98は、大幅部48内において支持軸88からの突出先端が傾斜部46側に位置される。これにより、保護キャップ20は、針収容孔92が支持軸88に対する穿刺針62側に位置されて押当部材14の中心軸上を延びる状態で位置される。そして、穿刺針62における針保持部66からの突出部分が針収容孔92内に挿入されて、針先69が針収容孔92内に位置されることによって保護キャップ20に覆われて保護される。
【0056】
また、初期状態においては、リブ52の軸方向後端面が初期嵌合溝36の軸方向後端面に係止されることによって、操作部材12の押当部材14に対する軸方向の押し込みが阻止されており、これらリブ52と初期嵌合溝36によって、セーフティロック機構が構成されている。
【0057】
このような構造とされた採血器具10は、押当部材14において支持溝44が軸方向後方に開口する切欠形状をもって形成されていることから、押当部材14の軸方向後方における僅かな縮径方向の変形が可能とされており、これにより、押当部材14の操作部材12に対する中心軸回りの回動が許容されている。そして、採血器具10を使用する際には、先ず、図9(a−1)および(a−2)に示すように、押当部材14を操作部材12に対して中心軸回りで回動させて、リブ52を第1〜第3指標34a,34b, 34cの所望の何れかと重ね合わせることによって、リブ52を第1〜第3案内溝38a,38b,38cの何れかに嵌合させる。なお、図9においては、リブ52を第2指標34bに合わせて、第2案内溝38bに嵌め合わせた状態を示す。
【0058】
かかる回動操作によって、押当部材14と共に保護キャップ20がランセット18に対して中心軸回りで回動されることとなる。また、第1〜第3案内溝38a,38b,38cは初期指標32の位置に形成された初期嵌合溝36よりも操作部材12の軸方向後方に延び出されていることによって、リブ52を第1〜第3案内溝38a,38b,38cの何れかに嵌合させた状態で、操作部材12の押当部材14に対する軸方向相対変位が許容される。
【0059】
次に、図9(b−1)および(b−2)に示すように、押当部材14の底部40をモデル的に図示する採血部の皮膚表面100に押し当てつつ、操作部材12を押当部材14に向けて軸方向で押し込む。そこにおいて、保護キャップ20は、支持軸88が押当部材14の支持溝44から押当部材14の径方向外方にそれぞれ突出されて、操作部材12の開口端面102と当接されることによって操作部材12から押圧力が及ぼされて、支持溝44に沿って、押当部材14の軸方向前方に移動される。一方、ランセット18は、係止爪72の押当部材14の軸方向後端面に対する係止状態が維持される。これにより、保護キャップ20がランセット18に対して穿刺針62の突出方向で前方に移動されて穿刺針62から離脱すると共に、ばね部74の圧縮変形が開始される。
【0060】
続いて、図9(c−1)および(c−2)に示すように、操作部材12が更に押し込まれることによって、保護キャップ20の案内突片98が、支持溝44の傾斜部46に当接される。なお、案内突片98の傾斜部46への当接は、保護キャップ20が穿刺針62から離脱された後に行なわれるように、傾斜部46の押当部材14の軸方向での位置が設定される。そして、案内突片98が傾斜部46で案内されることによって、支持軸88と案内突片98が、小幅部50に入るように支持軸88の中心軸回りで回動されて、保護キャップ20が、支持軸88回り(図9においては、図中反時計回り)で略90°だけ回動される。これにより、針挿通孔87がその軸方向を穿刺針62の突出経路上に位置されて、保護キャップ20が針挿通孔87を通じて穿刺針62の突出経路上で貫通されることによって、保護キャップ20が穿刺針62の突出経路から外れた位置で押当部材14に支持される。それと共に、ランセット18の変位方向でストッパ部94がランセット18の当接部68と対向位置される。
【0061】
ここにおいて、ランセット18の当接部68は、保護キャップ20の第1〜第3のストッパ面96a,96b,96cのそれぞれと略同じ形状とされており、押当部材14の操作部材12に対する回動位置に応じて、対向位置されるようになっている。具体的には、ランセット18の当接部68は、リブ52を第1指標34aに合わせて第1案内溝38aと嵌合させた位置では第1のストッパ面96aと、リブ52を第2指標34bに合わせて第2案内溝38bと嵌合させた位置では第2のストッパ面96bと、リブ52を第3指標34cに合わせて第3案内溝38cと嵌合させた位置では第3のストッパ面96bと穿刺針62の突出方向で対向位置されるようになっている。なお、図9においては、リブ52が第2指標34bに合わされていることによって、当接部68が穿刺針62の突出方向で第2のストッパ面96bと対向位置される。
【0062】
また、第1〜第3のストッパ面96a,96b,96cは、その突出量が大きい程、穿刺針62の突出方向で当接部68に対する離隔距離が小さくされることとなり、本実施形態においては、最も突出量の大きい第1のストッパ面96aが当接部68と対向された場合にランセット18との離隔距離が最も小さく、最も突出量の小さい第3のストッパ面96cが当接部68と対向された場合にランセット18との離隔距離が最も大きくなるようにされている。
【0063】
また、ばね部74は、圧縮変形に伴って挿通ピン80が収容筒部26の挿通溝30に順に挿通されることによって、圧縮変形が穿刺針62の突出方向で円滑に行なわれると共に、圧縮変形時においてもハウジング16内で安定位置されるようになっている。
【0064】
そして、操作部材12を更に押し込むと、押当部材14が操作部材12の更に軸方向後方に移動されることによって、ランセット18のテーパ面73が操作部材12の連結部31で案内されて、ランセット18における係止爪72の形成部位が縮径方向に変形される。これにより、ランセット18の係止爪72と押当部材14の軸方向後端面との係合状態が解除されて、ランセット18は、ばね部74の弾性復元力によって押当部材14の底部40に向けて移動され、穿刺針62がハウジング16の中心軸上で軸方向前方に移動される。
【0065】
図9(d−1)および(d−2)に示すように、ばね部74は、弾性復元力によって瞬間的に自由長よりも伸張し、ばね部74によって付勢されたランセット18は、当接部68が、第1〜第3のストッパ面96a,96b,96cのうち穿刺針62の突出方向で対向位置された何れかに当接することによって、軸方向前方への移動が阻止される。これにより、針先69が、保護キャップ20の針挿通孔87および押当部材14の穿刺用孔42を通じてハウジング16から所定量だけ突出されて、皮膚表面100を穿刺する。
【0066】
そこにおいて、ランセット18の前方への移動端位置で規定される穿刺針62のハウジング16からの突出量は、第1〜第3のストッパ面96a,96b,96cの突出量に応じて設定されることとなり、本実施形態においては、第1のストッパ面96aに当接する場合が最も小さく、第3のストッパ面96cに当接する場合が最も大きくされる。図9においては、当接部68が第2のストッパ面96bに当接されることから、第1のストッパ面96aに当接される場合よりも大きく、第3のストッパ面96cに当接される場合よりも小さな突出量とされる。
【0067】
そして、図9(e−1)および(e−2)に示すように、ストッパ部94で前方への移動が阻止されたランセット18は、ばね部74が自然長に復帰することによって、針先69がハウジング16内に再び収容される。これにより、針先69のハウジング16外への露出と誤穿刺が防止されると共に、採血器具10の再利用が不可能とされて、使用後の採血器具10は廃棄される。
【0068】
このような構造とされた採血器具10によれば、保護キャップ20にストッパ部94を設けたことによって、穿刺針62の保護機構と、穿刺針62の突出量の調節機構とを、少ない部品点数と簡易な構造をもって実現することが出来る。これにより、製造コストの低減や、採血器具10の小型化を図ることが出来る。
【0069】
さらに、本実施形態においては、保護キャップ20に設けられた支持軸88および案内突片98、操作部材12の開口端面102、押当部材14に設けられた支持溝44および傾斜部46を含んで、保護キャップ20を穿刺針62から離脱させてストッパ部94を穿刺針62の突出方向でランセット18と対向位置させる連動機構が構成されることによって、これら2つの動作を、操作部材12を皮膚表面100に対して押し付ける単一の動作によって自動的に行なわせることが可能とされており、より優れた操作性を実現することが出来る。
【0070】
また、本実施形態においては、ストッパ部94を複数の段差面形状として、穿刺針62の突出量を段階的に調節することによって、かかる突出量を精度良く安定的に設定することが出来て、安全性の向上も図られ得る。更に、穿刺針62の突出量の調節は、押当部材14を操作部材12に対して回転させるという簡易な操作で行なうことが可能とされている。
【0071】
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0072】
例えば、前記実施形態においては、保護キャップ20のストッパ部94が段差面形状とされていたが、ストッパ部94をランセットハブ60に形成されていた当接部68と同形状とする一方、ランセットハブ60における当接部68を、ストッパ部94と同様の段差面形状とする等しても良い。また、穿刺針の突出量を段階的に設定するに際して、その段階数は適宜に設定可能であって、前記実施形態よりも多くしても良いし、少なくしても良い。また、例えば保護キャップをネジ調節などによって穿刺針の突出方向で無段階に前後させる等して、穿刺針の突出量を無段階に調節可能とする等しても良い。
【0073】
また、前記実施形態においては、ランセットハブ60とばね部材としてのばね部74が一体形成されていたが、これらを別体成形することも可能であり、ばね部材として、金属製の板ばねやコイルスプリング等を採用しても良い。更にまた、前記実施形態においては、ばね部74が操作部材12に固定されていたが、ばね部材は必ずしも操作部材に固定されている必要は無い。
【0074】
さらに、保護キャップを穿刺針から離脱させてストッパ部を構成する位置に導く連動機構は必ずしも必要ではなく、例えば穿刺操作とは別の手操作で保護キャップを穿刺針から離脱させた後に、保護キャップを手操作でストッパとしてセットする等しても良い。
【符号の説明】
【0075】
10:採血器具、12:操作部材、14:押当部材、16:ハウジング、18:ランセット、20:保護キャップ、62:穿刺針、68:当接部、69:針先、74:ばね部、94:ストッパ部、96a:第1のストッパ面、96b:第2のストッパ面、96c:第3のストッパ面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿刺針を有するランセットとばね部材がハウジングに収容されており、該ばね部材で該ランセットが付勢され該穿刺針の先端が該ハウジングから突出して穿刺作動するディスポーザブル型採血器具において、
前記穿刺針の針先を覆う保護キャップを設けると共に、該保護キャップが該穿刺針から離脱して該穿刺針の突出経路を外れた位置で前記ハウジングに支持されることにより前記穿刺作動に際して前記ランセットが打ち当たるストッパ部が形成されるようにする一方、該ストッパ部への打ち当りで規定される該ランセットの移動端の位置を該穿刺針の突出方向で変更することにより、該穿刺針の該ハウジングからの突出量を調節可能としたことを特徴とするディスポーザブル型採血器具。
【請求項2】
採血部の皮膚表面に押し当てられる押当部材と該押当部材に対して移動可能に組み合わされた操作部材とを含んで前記ハウジングが構成されており、前記ばね部材で付勢された前記ランセットの該押当部材に対する係止状態を該操作部材で解除することにより、該押当部材から前記穿刺針が突出して穿刺作動されるようになっていると共に、前記保護キャップが該押当部材で支持されることによって前記ストッパ部を構成するようになっている請求項1に記載のディスポーザブル型採血器具。
【請求項3】
前記押当部材と前記操作部材が何れも有底の筒形状とされており、互いに開口部側で嵌め合わされて軸方向に相対移動可能に組み合わされることにより前記ハウジングが中空構造で形成されていると共に、該ハウジングの軸方向で移動可能に前記ランセットが収容されて、該ランセットの前記穿刺針が該押当部材の底部に向かって突設されていると共に、該押当部材の底部には穿刺用孔が形成されており、該押当部材の底部を採血部の皮膚表面に押し当てた状態で該操作部材を該押当部材に対して押圧操作することで、該ランセットの該押当部材に対する係止状態が解除されて、該ハウジングと該ランセットとの間に配設された前記ばね部材の付勢力によって該ランセットが該押当部材の底部に向かって移動し、該穿刺針の先端が該押当部材の該穿刺用孔から外部に突出して穿刺作動するようになっている請求項2に記載のディスポーザブル型採血器具。
【請求項4】
前記操作部材において、前記ばね部材で付勢された前記ランセットの前記押当部材に対する係止状態を解除する操作を阻止するセーフティロック機構を設けた請求項2又は3に記載のディスポーザブル型採血器具。
【請求項5】
前記押当部材に対して前記操作部材を中心軸回りで相対回転させることにより、該押当部材で支持された前記保護キャップと該操作部材で支持された前記ランセットが相対回転されて、該保護キャップに形成された前記ストッパ部と該ランセットとの当接位置が変化することに伴って、該ストッパ部への打ち当りで規定される該ランセットの移動端の位置が変更されるようになっている請求項2〜4の何れか1項に記載のディスポーザブル型採血器具。
【請求項6】
前記ストッパ部において前記ランセットが当接される当接面の位置が、前記穿刺針の突出方向で変更可能とされている請求項1〜5の何れか1項に記載のディスポーザブル型採血器具。
【請求項7】
前記穿刺作動に際して前記操作部材に及ぼされる操作力を前記保護キャップに伝達することにより、該保護キャップを前記穿刺針から離脱させて前記ストッパ部を構成する位置に導く連動機構を設けた請求項2〜6の何れか1項に記載のディスポーザブル型採血器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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