ディスポーザ

【課題】粉砕された厨芥を回転板上の破砕室から排出室へ効果的に排出させ、作業時間を短縮させる。
【構成】ディスポーザの破砕室８底部に回転板９を設け、排出室１２に回転板９の下面に取り付けたポンプ羽根１５をそなえる。ポンプ羽根１５の回転方向に対して後ろ側に回転板９を貫通して破砕室８と排出室１２を連通する排出通路１６を設けている。回転板９の回転でポンプ羽根１５の後ろ側が負圧になり排出通路１６を介して破砕室８の粉砕された厨芥および固定刃１１の溝１７内の厨芥を排出室１２に吸引排出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、シンクの排水口に取り付けて厨芥を粉砕処理するディスポーザにおいて、粉砕された厨芥の破砕室からの排出を促進させ、処理時間を短縮させる構造を提供する。
【背景技術】
【０００２】
シンクの排水口に取り付けて生ゴミなどの厨芥を粉砕処理するディスポーザは、厨芥を投入する破砕室の底部に回転板をそなえ、回転板上に受けた厨芥に遠心力を加えて回転板上の打撃刃や破砕室内壁との衝撃で破砕し、さらに回転板外周および回転板に固定された打撃刃とこれを囲んで設けた固定刃との間で粉砕して回転板下方の排出室に水とともに落下させ排出管に流出させるようにしている。
このようなディスポーザの固定刃は通常、縦方向の刃と溝で形成されており、回転板の回転方向に対して直角方向の刃を形成している。このため水流が直角に当たりスムーズに流れ落ちないで粉砕処理時間が長くなる問題があり、固定刃の方向を回転板の回転方向に沿って斜めに角度を付けて水の流れをスムーズにすることが提案されている。（特許文献１、特許文献２参照）
【０００３】
【特許文献１】特開平６−３４３８９４号
【特許文献２】特開２００５−３４７６４号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、粉砕された厨芥は固定刃相互の溝に沿って水とともに排出室に落下されるが、回転板（打撃刃を含む）と固定刃との隙間が小さく、粉砕された厨芥は回転板の回転で固定刃の前側の溝に押し込まれるので、押し込められた厨芥が溝に充満して円滑な排出が妨げられ、粉砕量が多いほど溝が詰まりやすく、とくに固定刃の上部には、打撃刃で粉砕された厨芥が付着し、処理時間を長くしても排出されないで残り、破砕室内の汚れや悪臭の原因になっている。
本発明は、回転板の遠心力による排出作用とともに、回転板外周部分に排出方向の吸引力を作用させて、粉砕された厨芥の排出室への流れを効果的に行なわせることを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
このため、ディスポーザの排出室に回転板下面に取り付けたポンプ羽根をそなえ、回転板の前記ポンプ羽根の回転方向に対して後ろ側の位置に、回転板を貫通する排出通路を設けており、この排出通路はなるべく回転板外周付近に設け、とくに好ましくは回転板外周に開口させた切り欠きに形成し開口部が固定刃に対向するようにしている。
【発明の効果】
【０００６】
このように本発明は、ディスポーザの排出室に回転板下面に取り付けたポンプ羽根をそなえ、このポンプ羽根の回転方向に対して後ろ側の位置に、回転板を貫通する排出通路を設けているので、処理中はポンプ羽根の回転に伴って排出室内のポンプ羽根の後ろ側が負圧になり、回転板の排出通路を介して回転板上の空気とともに厨芥や水に吸引力が作用して排出を促進させ、破砕室内の厨芥や汚水を有効に排出させる。
とくに、排出通路を回転板外周に開口する切り欠きとして開口部を固定刃に対向させることにより、固定刃の溝内に残っている厨芥を吸引剥離させ、固定刃の詰まりを防ぐ効果が得られる。
【実施例】
【０００７】
これを図に示す実施例について説明する。
図１は本発明を実施したディスポーザの側断面図、図２は回転板の下面図である。
図において１はシンク、２はディスポーザ、３は排水口の蓋、４は蓋３に埋め込まれたマグネット、５はセンサー、６は取付管、７は投入口、８は破砕室、９は破砕室底部の回転板、１０は回転板上に固着した打撃刃、１１は回転板を囲む固定刃、１２は排出室、１３は排出管、１４は回転板を駆動させるモータ、１５は排出室内の回転板下面に取り付けたポンプ羽根、１６は回転板９を貫通する排出通路、１７は固定刃の溝である。
蓋３を外してディスポーザ２の投入口７から破砕室８に投入された厨芥を回転板９で受け、蓋３を装着してマグネット４をセンサー５に合わせ水を供給すると、センサー５からの信号でモータ１４が起動して回転板９を回転させる。回転板９の遠心力で跳ね飛ばされた厨芥は、打撃刃１０と破砕室８内壁との衝撃で破砕され、さらに打撃刃１０および回転板９の外周と固定刃１１の間で粉砕されて回転板９と固定刃１１との隙間および溝１７から水とともに排出室１２に落下し、ポンプ羽根１５で排出管１３に排出される。
【０００８】
また、排出室１２は、ポンプ羽根１５が回転板９とともに回転し、矢印で示す回転方向の後ろ側が負圧になっているため、回転板を貫通する排出通路１６により、回転板９上面の空気とともに、回転板９上の粉砕された厨芥や溝１７に押し付けられている厨芥を排出室１２に吸引排出し、排出量を増大させ、処理時間を短縮させる。
【０００９】
排出通路１６は、図２のように回転板外周に開口する切り欠きにすることにより、固定刃の溝に押し込まれた厨芥に直接吸引力を作用させることができ、溝１７の詰まりを無くすことができる。
また、図３のように、排出通路１６を回転板９の外周付近に設けた貫通孔とすることもでき、形状や個数は任意に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明を実施するディスポーザの側断面図である。
【図２】回転板と固定刃の実施例を示す一部下面図である。
【図３】回転板と固定刃の他の実施例を示す一部下面図である。
【符号の説明】
【００１１】
１シンク
２ディスポーザ
３蓋
４マグネット
５センサー
６取付管
７投入口
８破砕室
９回転板
１０打撃刃
１１固定刃
１２排出室
１３排出管
１４モータ
１５ポンプ羽根
１６排出通路
１７溝

【特許請求の範囲】
【請求項１】
投入口から投入された厨芥を破砕室に設けた回転板上に受け、回転板の遠心力を利用して破砕し、回転板周囲の固定刃で粉砕した厨芥を水とともに回転板下の排出室に落として排出するディスポーザにおいて、排出室に回転板下面に取り付けたポンプ羽根をそなえ、回転板の前記ポンプ羽根の回転方向に対して後ろ側の位置に、回転板を貫通する排出通路を設けたことを特徴とするディスポーザ。
【請求項２】
前記排出通路が、回転板外周に開口する切り欠きである請求項１に記載したディスポーザ。
【請求項３】
前記排出通路が、回転板の外周付近に設けた貫通孔である請求項１に記載したディスポーザ。

【図１】