説明

デカルトロボットクラスタツール構築

【課題】要求される装置性能目標を満たし、システムスループットを増加させ、処理シーケンスCoOを低減する形で基板の処理を行えるシステムを提供する。
【解決手段】基板支持面を有する基部901と、前記基部901上に位置決めされた反応部材908と、基板101を反応部材908に対して強制押圧するアクチュエータ910に結合している接触部材907と、接触部材907が基板901を反応部材908に対して強制押圧するように位置決めされた場合に、接触部材907の動作を禁止するように適合されたブレーキ部材920とを備える基板を移送する機器を用いてクラスタツールを構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般的に、複数の基板を並行処理することが可能な、複数の処理ステーションとロボットとを包含している統合型の処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
[0002]普通、電子装置の形成処理は、制御された処理環境内で基板(例えば半導体ウェーハ)を連続処理する機能を有するマルチチャンバ処理システム(例えばクラスタツール)にて行われる。トラックリソグラフィツールとして普通に知られた、フォトレジスト材料を堆積(即ちコート)および成長させるための、あるいは、湿式/乾式ツールとして普通に説明される、半導体洗浄プロセスを実行するために使用するための典型的なクラスタツールには、少なくとも1つの基板移送ロボットを収容するメインフレームが含まれ、この基板移送ロボットは、メインフレームに接続したポッド/カセット搭載装置と複数の処理チャンバの間で基板を移送する。多くの場合、クラスタツールは、基板を制御された処理環境内で繰り返し処理できるように使用される。制御された処理環境は多くの恩典を有し、その中には、移送の最中、および様々な基板処理ステップを完了する最中における基板の表面の汚染の最小化が含まれる。制御された環境内で処理を行うことにより、欠陥の生成数が低減され、装置生産高が増加する。
【0003】
[0003]基板製作処理の効果は、装置の生産性と所有コスト(CoO)といった、関連し合う重要な2つの要素によって測定されることが多い。これらの要素が重要であるのは、電子装置の生産コスト、さらに市場における装置製造業者の競争力に直接影響するためである。CoOは多くの要素によって影響されるが、中でもシステムおよびチャンバスループット、または単純に、所望の処理シーケンスを使用して1時間に処理される基板の枚数によって大きな影響を受ける。処理シーケンスは、一般的に、クラスタツール内の1つ以上の処理チャンバにて完了される装置製作ステップ、または処理レシピステップのシーケンスとして定義される。一般的に、処理シーケンスは様々な基板(またはウェーハ)電子装置製作処理ステップを包含している。多くの場合、電子装置製造業者は、CoOを低減する試みにおいて、クラスタツールアーキテクチャの制限とチャンバ処理時間を考慮した上で可能な限り高い基板スループットを達成するために、処理シーケンスおよびチャンバ処理時間を最適化することに多大な時間を費やしている。トラックリソグラフィタイプのクラスタツールの場合、チャンバ処理時間がかなり短く(例えば、処理完了まで約1分間)、典型的な1つの処理シーケンスを完了するのに要する処理ステップ数が大きいため、処理シーケンス完了にかかる時間のかなりの部分が様々な処理チャンバ間での基板の移送に割かれることになる。一般的に、典型的なトラックリソグラフィ処理シーケンスは以下のステップを含む:基板の表面上に1つ以上の均等なフォトレジスト(またはレジスト)層を堆積させ、次に、この基板をクラスタツールから別々のステッパまたはスキャナツールへ移送し、そこで、フォトレジスト層をフォトレジスト変形電磁放射線で露光し基板の表面にパターンを作成して、パターン付きフォトレジスト層を成長させるステップ。ロボットによってクラスタツール内の基板スループットが制限されない場合には、一般的に、最長の処理レシピステップによって処理シーケンスのスループットが制限される。通例、トラックリソグラフィ処理シーケンスでは、処理時間が短く処理ステップ数が多いため、こういったケースはない。従来の製作処理、例えば典型的な処理を実施中であるトラックリソグラフィツールの典型的なシステムスループットは、一般的に、基板100〜120枚/1時間である。
【0004】
[0004]CoO計算におけるこれ以外の重要な要素は、システムの信頼性と起動時間である。システムの基板処理不能時間が長いほどクラスタツール内で基板を処理する機会が消失し、ユーザは損害を被ることになるので、これらの要素はクラスタツールの有益性および/または有効性にとって非常に重要である。そのため、クラスタツールユーザおよび製造業者は、信頼性の高い処理、信頼性の高いハードウェア、さらに起動時間を増加させた信頼性の高いシステムの開発に多大な時間を費やしている。
【0005】
[0005]装置処理速度を向上させ、装置による熱の生成を低減することを目的とした半導体装置をサイズ縮小するための業界の推進により、業界の処理可変性の公差が低減した。トラックリソグラフィ処理シーケンスにおいて、処理のばらつきを最小化する上で重要な要因は、クラスタツールを通過する全ての基板が同じ「ウェーハ履歴」を有するようにすることである。一般的に、基板のウェーハ履歴は、後に装置の性能に影響を及ぼす可能性のある全ての装置製作処理のばらつきを制御でき、その結果、同じバッチ内の全ての基板を常に同一方法にて処理することが可能となるように処理エンジニアによって監視および制御される。全ての基板が同じ「ウェーハ履歴」を有するようにするためには、全ての基板が同じ繰り返し可能な基板処理ステップ(例えば、一貫したコーティング処理、一貫したハードベーク処理、一貫した冷蔵処理など)を経験する必要があり、また、各基板について、様々な製作ステップ間の時間を同一にする必要がある。リソグラフィタイプの装置製作処理は、処理のばらつきと装置性能に直接影響する、処理レシピのばらつきの変数と、最終的なレシピステップどうしの間の時間とに特に敏感であってもよい。したがって、処理不定性と、処理ステップどうしの間の時間の不定性とを最小化する処理シーケンスを実行できるクラスタツールおよび支持機器が必要である。また、均等かつ繰り返し可能な処理結果を送出する一方で、所望の基板スループットを達成する、装置製作処理の実行が可能なクラスタツールおよび支持機器も必要である。
【0006】
[0006]したがって、さらに、要求される装置性能目標を満たし、システムスループットを増加させ、処理シーケンスCoOを低減する形で基板の処理を行えるシステム、方法、機器が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明は一般的に、第1処理ラックであって、垂直方向に積層された2つ以上の基板処理チャンバを有するプロセスチャンバの第1グループと、垂直方向に積層された2枚以上の基板処理チャンバを有するプロセスチャンバの第2グループとを備え、第1または第2グループ内の2つ以上の基板処理チャンバは、第1方向に沿って整列した第1側部を有する第1処理ラックと、第1処理ラック内の基板処理チャンバへ基板を移送するように適合された第1ロボットアセンブリであって、基板受容面を有するロボットブレードを有する第1ロボットであって、一般的に第1平面に含有された1つ以上の地点に基板を位置決めするように適合されており、前記第1平面が、前記第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向とに平行している第1ロボットと、第1ロボットを一般的に第1平面に対して垂直な第3方向に位置決めするように適合されたアクチュエータアセンブリを有する第1動作アセンブリと、前記第1ロボットを一般的に前記第1方向と平行する方向に位置決めするように適合されたアクチュエータアセンブリを有する第2動作アセンブリと、第1ロボットが含有されている移送領域と、を備え、移送領域は、第2方向と平行な幅を有し、基板をロボットブレードの基板受容面上に位置決めした場合に、第2方向において基板の寸法よりも約5〜50%大きい、第1ロボットアセンブリと、を備える基板を処理するためのクラスタツールを提供する。
【0008】
[0008]本発明の実施形態はさらに、垂直方向に積層された、2つ以上の基板処理チャンバの2つ以上のグループを備える第1処理ラックであって、前記2つ以上のグループ内の前記2つ以上の基板処理チャンバが、前記基板処理チャンバにアクセスする第1方向に沿って整列した第1側部を有する第1処理ラックと、垂直方向に積層された、2つ以上の基板処理チャンバの2つ以上のグループを備える第2処理ラックであって、前記2つ以上のグループ内の前記2つ以上の基板処理チャンバが、前記基板処理チャンバにアクセスするために、第1方向に沿って整列した第1側部を有する第2処理ラックと、前記第1処理ラックと前記第2処理ラックの間に位置決めされた、基板を前記第1側部から前記第1処理ラック内の前記基板処理チャンバへ移送するように適合された第1ロボットアセンブリであって、基板を一般的に水平平面に含有されている1つ以上の地点に位置決めするように適合されたロボットと、前記ロボットを一般的に前記垂直方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する垂直動作アセンブリと、前記ロボットを、前記第1方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する水平動作アセンブリと、を備える第1ロボットアセンブリと、前記第1処理ラックと前記第2処理ラックの間に位置決めされた、基板を前記第1側部から前記第2処理ラック内の前記基板処理チャンバへ移送するように適合された第2ロボットアセンブリであって、基板を一般的に水平平面に含有されている1つ以上の地点に位置決めするように適合されたロボットと、前記ロボットを一般的に前記垂直方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する垂直動作アセンブリと、前記ロボットを一般的に前記第1方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する水平動作アセンブリと、を備える第2ロボットアセンブリと、前記第1処理ラックと前記第2処理ラックの間に位置決めされた、基板を前記第1側部から前記第1処理ラック内の前記基板処理チャンバへ、あるいは前記第1側部から前記第2処理ラック内の前記基板処理チャンバへ移送するように適合された第3ロボットアセンブリであって、基板を一般的に水平平面内に含有された1つ以上の地点に位置決めするように適合されたロボットと、前記ロボットを一般的に前記垂直方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する垂直動作アセンブリと、前記ロボットを一般的に前記第1方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する水平動作アセンブリと、を備える第3ロボットアセンブリと、を備える基板を処理するクラスタツールを提供する。
【0009】
[0009]本発明の実施形態はさらに、2つ以上の垂直に積層した基板処理チャンバの2つ以上のグループを備える第1処理ラックであって、前記2つ以上のグループ内の前記2つ以上の垂直に積層した基板処理チャンバが、前記基板処理チャンバにアクセスするための、第1方向に沿って整列した第1側部と、前記基板処理チャンバにアクセスするための、第2方向に沿って整列した第2側部とを有する第1処理ラックと、基板を、前記第1側部から前記第1処理ラック内の前記基板処理チャンバへ移送するように適合された第1ロボットアセンブリであって、基板を一般的に水平平面に含有されている1つ以上の地点に位置決めするように適合された第1ロボットと、前記第1ロボットを一般的に前記垂直方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する垂直動作アセンブリと、前記第1ロボットを一般的に前記第1方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する水平動作アセンブリと、を備える第1ロボットアセンブリと、基板を、前記第2側部から第1処理ラック内の前記基板処理チャンバへ移送するように適合された第2ロボットアセンブリであって、基板を一般的に水平平面に含有されている1つ以上の地点に位置決めするように適合された第2ロボットと、前記第2ロボットを一般的に前記垂直方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する垂直動作アセンブリと、前記第2ロボットを一般的に前記第2方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する水平動作アセンブリと、を備える第2ロボットアセンブリと、を備える、基板を処理するためのクラスタツールを提供する。
【0010】
[0010]本発明の実施形態はさらに、クラスタツール内に位置決めした2つ以上の基板処理チャンバと、基板を2つ以上の基板処理チャンバへ移送するように適合された第1ロボットアセンブリであって、基板を第1方向に位置決めするように適合された第1ロボットであって、第1端部と基板受容面とを有するロボットブレードであり、基板を前記基板受容面が受容および移送するように適合されているロボットブレードと、第1旋回点と第2旋回点を有する第1接合部材と、前記第2旋回点において前記第1接合部材と回転的に結合したモータと、前記ロボットブレードの前記第1端部に取り付けられ、前記第1旋回点において前記第1接合部材に回転的に結合した第1ギアと、前記第1ギアに回転的に結合し、前記第1接合部の前記第2旋回点と同心的に整列した第2ギアであって、前記第2ギアと前記第1ギアのギア比率が約3:1〜4:3である第2ギアと、を備える第1ロボットと、前記第1ロボットを一般的に前記第1方向に対して垂直な第2方向に位置決めするように適合された第1動作アセンブリと、前記第1ロボットを一般的に前記第2方向に対して垂直な第3方向に位置決めするように適合された、モータを有する第2動作アセンブリと、を備える第1ロボットアセンブリと、を備える、基板を処理するクラスタツールを提供する。
【0011】
[0011]本発明の実施形態はさらに、2つ以上の垂直に積層した基板処理チャンバの2つ以上のグループを備える第1処理ラックであって、前記2つ以上のグループ内の前記2つ以上の垂直に積層した基板処理チャンバが、前記基板処理チャンバにアクセスするための、第1方向に沿って整列した第1側部と、前記基板処理チャンバにアクセスするための、第2方向に沿って整列した第2側部とを有する第1処理ラックと、基板を、前記第1側部から前記第1処理ラック内の前記基板処理チャンバへ移送するように適合された第1ロボットアセンブリであって、基板を一般的に水平平面に含有されている1つ以上の地点に位置決めするように適合された第1ロボットと、前記第1ロボットを一般的に前記垂直方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する垂直動作アセンブリと、前記第1ロボットを一般的に前記第1方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する水平動作アセンブリと、を備える第1ロボットアセンブリと、基板を、前記第2側部から第1処理ラック内の前記基板処理チャンバへ移送するように適合された第2ロボットアセンブリであって、基板を一般的に水平平面に含有されている1つ以上の地点に位置決めするように適合された第2ロボットと、前記第2ロボットを一般的に前記垂直方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する垂直動作アセンブリと、前記第2ロボットを一般的に前記第2方向と平行する方向に位置決めするように適合されたモータを有する水平動作アセンブリと、を備える第2ロボットアセンブリと、を備える、基板を処理するためのクラスタツールを提供する。
【0012】
[0012]本発明の実施形態はさらに、クラスタツール内に位置決めした2つ以上の基板処理チャンバと、基板を2つ以上の基板処理チャンバへ移送するように適合された第1ロボットアセンブリであって、基板を第1方向に位置決めするように適合された第1ロボットであって、第1端部と基板受容面とを有するロボットブレードであり、基板を前記基板受容面が受容および移送するように適合されているロボットブレードと、第1旋回点と第2旋回点を有する第1接合部材と、前記第2旋回点において前記第1接合部材と回転的に結合したモータと、前記ロボットブレードの前記第1端部に取り付けられ、前記第1旋回点において前記第1接合部材に回転的に結合した第1ギアと、前記第1ギアに回転的に結合し、前記第1接合部の前記第2旋回点と同心的に整列した第2ギアであって、前記第2ギアと前記第1ギアのギア比率が約3:1〜4:3である第2ギアと、を備える第1ロボットと、前記第1ロボットを一般的に前記第1方向に対して垂直な第2方向に位置決めするように適合された第1動作アセンブリと、前記第1ロボットを一般的に前記第2方向に対して垂直な第3方向に位置決めするように適合された、モータを有する第2動作アセンブリと、を備える第1ロボットアセンブリと、を備える、基板を処理するクラスタツールを提供する。
【0013】
[0013]本発明の実施形態はさらに、基板を一般的に第1平面に含有されている1つ以上の地点に位置決めするように適合された第1ロボットと、垂直動作アセンブリであって、垂直方向に方位付けされた直線レールに結合しているブロックを備える滑動アセンブリと、前記ブロックと前記第1ロボットに結合した支持板と、前記支持板を、前記直線レールに沿った垂直位置に、垂直に位置決めするように適合されたアクチュエータとを備える垂直動作アセンブリと、水平動作アセンブリであって、前記垂直動作アセンブリと結合しており、また、前記第1ロボットと前記垂直動作アセンブリを水平方向に位置決めするように適合されている水平アクチュエータを有する水平動作アセンブリと、を備える、クラスタツール内で基板を移送する機器を提供する。
【0014】
[0014]本発明の実施形態は、基板を一般的に第1平面に含有されている1つ以上の地点に位置決めするように適合された第1ロボットと、垂直動作アセンブリであって、前記第1ロボットを垂直に位置決めするように適合されたアクチュエータアセンブリであり、前記第1ロボットを垂直に位置決めするように適合された垂直アクチュエータと、前記第1ロボットが前記垂直アクチュエータによって並進される際に、前記第1ロボットを案内するように適合された垂直滑動部とを備えるアクチュエータアセンブリと、1つ以上の壁を有する囲壁であって、前記1つ以上の壁が、前記垂直アクチュエータと前記垂直滑動部からなる群より選択された構成部品の少なくとも1つを包囲する内部領域を形成する囲壁と、前記内部領域と流体連通しし、前記囲壁内に負圧を生成するように適合されたファンと、を備える垂直動作アセンブリと、前記第1ロボットを一般的に前記第1処理ラックの前記第1側部と平行な方向に位置決めするように適合されている水平アクチュエータと水平案内部材を有する水平動作アセンブリと、を備える、クラスタツール内で基板を移送する機器を提供する。
【0015】
[0015]本発明の実施形態はさらに、基板を第1方向に位置決めするように適合された第1ロボットアセンブリであって、第1端部と基板受容面とを有するロボットブレードと、第1旋回点と第2旋回点とを有する第1接合部材と、前記ロボットブレードの前記第1端部に結合し、前記第1旋回点にて前記第1接合部材に回転的に結合している第1ギアと、前記第1ギアに回転的に結合し、前記第1接合部の前記第2旋回点と整列している第2ギアと、前記第1接合部材に回転的に結合している第1モータであって、前記第1接合部と前記第1ギアを前記第2ギアに関連して回転させることで、前記基板受容面を位置決めするように適合されている第1モータと、第1ロボットアセンブリと、前記第1ロボットを一般的に前記第1方向に対して垂直な第2方向に位置決めするように適合された第1動作アセンブリと、前記第1ロボットを一般的に前記第2方向に対して垂直な第3方向に位置決めするように適合された第2動作アセンブリと、を備える、クラスタツール内で基板を移送する機器を提供する。
【0016】
[0016]本発明の実施形態はさらに、基板を、第1面に含有されている弧に沿った1つ以上の地点に位置決めするように適合された第1ロボットアセンブリであって、第1端部と基板受容面とを有するロボットブレードと、前記ロボットブレードの前記第1端部に回転的に結合したモータとを備える第1ロボットアセンブリと、前記第1ロボットを、前記第1平面に対して一般的に垂直な第2方向に位置決めするように適合された第1動作アセンブリであって、前記第1ロボットを垂直に位置決めするように適合されたアクチュエータアセンブリであり、前記第1ロボットを垂直に位置決めするように適合された垂直アクチュエータと、前記第1ロボットが前記垂直アクチュエータによって並進される際に、前記第1ロボットを案内するように適合された垂直滑動部とを備えるアクチュエータアセンブリと、前記垂直アクチュエータと前記垂直滑動部からなる群より選択された構成部品の少なくとも1つを包囲する内部領域を形成する1つ以上の壁を有する囲壁と、前記内部領域と流体連通し、前記囲壁内に負圧を生成するように適合されたファンとを備える第1動作アセンブリと、前記第1ロボットを一般的に前記第2方向に対して垂直な前記第3方向に位置決めするように適合された第2アクチュエータを有する第2動作アセンブリと、を備える、クラスタツール内で基板を移送する機器を提供する。
【0017】
[0017]本発明の実施形態はさらに、基板を第1方向に位置決めするように適合された第1ロボットアセンブリであって、第1端部と基板受容面とを有するロボットブレードと、前記ロボットブレードの前記第1端部に結合した第1ギアと、前記第1ギアに回転的に結合した第2ギアと、前記第1ギアに回転的に結合した第1モータと、前記第2ギアに回転的に結合した第2モータと、を備え、前記第2モータが、可変ギア比率を作成するために、前記第2ギアを前記第1ギアに関連して回転させるように適合されている第1ロボットアセンブリと、前記第1ロボットを一般的に前記第1方向に対して垂直な第2方向に位置決めするように適合された第1動作アセンブリと、を備える、クラスタツール内で基板を移送する機器を提供する。
【0018】
[0018]本発明の実施形態はさらに、基板支持面を有する基部と、前記基部上に位置決めされた反応部材と、基板を前記反応部材に対して強制押圧するように適合された、アクチュエータに結合している接触部材と、前記接触部材が前記基板を前記反応部材に対して強制押圧するように位置決めされた場合に、一般的に前記接触部材の動作を禁止するように適合されたブレーキ部材と、を備える基板を移送する機器を提供する。
【0019】
[0019]本発明の実施形態はさらに、支持面を有する基部と、前記基部上に位置決めされた反応部材と、前記基部と結合したアクチュエータと、前記アクチュエータと結合した接触部材であって、前記アクチュエータが、前記接触部材を、前記支持面上に位置決めされ、前記反応部材によって1つの縁に支持されている基板の縁に対して強制押圧するように適合されている接触部材と、ブレーキ部材アセンブリであって、ブレーキ部材と、ブレーキアクチュエータ部材であって、一般的に基板移送プロセス中に前記接触部材の動作を禁止する拘束力を作成するために、前記ブレーキ部材を前記接触部材に対して強制押圧するように適合されているブレーキアクチュエータ部材を備えるブレーキ部材アセンブリと、を備える、基板を移送する機器を提供する。
【0020】
[0020]本発明の実施形態は、支持面を有する基部と、前記基部上に位置決めされた反応部材と、接触部材アセンブリであって、アクチュエータと、基板接触面と、前記接触面および前記アクチュエータの間に位置決めされた従順な部材とを有する接触部材とを備えており、前記アクチュエータが、前記反応部材の表面に位置決めされた基板に対して前記接触面を強制押圧するように適合されている接触部材アセンブリと、ブレーキ部材アセンブリであって、ブレーキ部材と、基板移送プロセス中における前記接触部材の動作を禁止するために、前記ブレーキ部材を前記接触部材に対して強制押圧するように適合されたブレーキアクチュエータ部材を備えるブレーキ部材アセンブリと、前記接触部材に結合したセンサであって、前記接触面の位置を感知するように適合されているセンサと、を備える、基板を移送する機器を提供する。
【0021】
[0021]本発明の実施形態はさらに、ロボットアセンブリであって、ロボットブレード上に第1方向に位置決めされた基板を移送するように適合された第1ロボットと、第1動作アセンブリであって、前記第1ロボットを第2方向に位置決めするように適合されたアクチュエータを有する第1動作アセンブリと、前記第1動作アセンブリに結合しており、また、前記第1ロボットと前記第1動作アセンブリを一般的に前記第2方向に対して垂直な第3方向に位置決めするように適合されている第2のアクチュエータを有する第2動作アセンブリとを備えるロボットアセンブリと、前記ロボットブレードに結合した基板掴持装置であって、基板を支持するように適合され、前記ロボット部材上に位置決めされた反応部材と、前記ロボットブレードに結合したアクチュエータと、前記アクチュエータに結合した接触部材であって、前記アクチュエータが、前記接触部材を、前記接触部材と前記反応部材の間に位置決めされた基板の縁に対して強制押圧することで、基板を拘束するように適合されている接触部材と、前記ブレーキ部材アセンブリであって、ブレーキ部材と、前記基板移送プロセス中に前記接触部材の動作を禁止するために、前記ブレーキ部材を前記接触部材に対して強制押圧するように適合されたブレーキ作動部材と、を備える基板掴持装置と、をさらに備える、基板を移送する機器を提供する。
【0022】
[0022]本発明の実施形態は、基板を、基板支持装置上の、やはり前記基板支持装置上に位置決めされた基板接触部材と反応部材の間に位置決めするステップと、アクチュエータを使用して、基板接触部材を基板に、また、基板を前記反応部材に強制押圧する基板保持力を生成するステップと、ブレーキアセンブリを使用する前記基板移送プロセスの最中に、前記基板接触部材の動作を拘束するように適合された拘束力を生成するステップと、を備える、基板を移送する方法を提供する。
【0023】
[0023]本発明の実施形態はさらに、基板を、基板支持装置上の、やはり前記基板装置上に位置決めされた基板接触部材と反応部材の間に位置決めするステップと、接続部材を有するアクチュエータを前記基板接触部材に結合することで、前記接続部材が前記アクチュエータを前記基板接触部材に結合できるようにするステップと、アクチュエータを使用して、前記基板接触部材を前記基板に、また、前記基板を前記反応部材に強制押圧する保持力を前記基板に付加するステップと、前記基板接触部材と前記接続部材の間に位置決めされた従順な部材にエネルギーを蓄積するステップと、前記保持力の付加後に、前記基板移送プロセス中における前記保持力の変化量を最小化するべく、前記接続部材の動作を拘束するステップと、前記従順な部材内に蓄積されたエネルギーを除去することで前記基板接触面の動作を感知することにより、前記基板の動作を感知するステップと、を備える、基板を移送する方法を提供する。
【0024】
[0024]本発明の実施形態はさらに、第1処理チャンバ内に位置決めされた基板をロボット基板支持部上に受容するステップであって、前記ロボット基板支持部上の基板を、ロボット基板支持部上に位置決めされている基板接触部材と反応部材の間に位置決めする工程と、アクチュエータを使用して、前記基板接触部材を前記基板に、また、前記基板を前記反応部材に強制押圧する基板保持力を生成する工程と、前記基板移送プロセス中に前記基板接触部材の動作を拘束する拘束力を生成するために、ブレーキアセンブリを位置決めする工程と、を備える前記基板を受容するステップと、前記基板を第1方向における所望の位置に、また第2方向における所望の位置に位置決めするように適合された第1ロボットアセンブリを使用して、前記基板と前記ロボット基板支持部を、前記第1プロセスチャンバ内の位置から、前記第1距離に沿って前記第1プロセスチャンバから或る距離で離間している第2プロセスチャンバ内の位置へ移送するステップであって、前記第2方向が一般的に前記第1方向と直交しているステップとをさらに備える、基板を移送する方法を提供する。
【0025】
[0025]本発明の実施形態はさらに、基板を第1方向における所望の位置、および第2方向における所望の位置に位置決めするように適合された第1ロボットアセンブリを使用して、前記第1方向に沿って位置決めされた第1アレイの処理チャンバへ基板を移送するステップであって、前記第2方向が一般的に前記第1方向と直交しているステップと、前記基板を第1方向における所望の位置に、また前記第2方向における所望の位置に位置決めするように適合された第2ロボットアセンブリを使用して、前記第1方向に沿って位置決めされた第2アレイの処理チャンバへ基板を移送するステップと、前記基板を前記第1方向における所望の位置、および第2方向における所望の位置に位置決めするように適合された第3ロボットアセンブリを使用して、前記第1方向に沿って位置決めされた第1および第2アレイの処理チャンバへ基板を移送するステップと、をさらに備える、クラスタツール内で基板を移送する方法を提供する。
【0026】
[0026]本発明の実施形態はさらに、基板を第1方向における所望の位置と、第2方向における所望の位置に位置決めするように適合された第1ロボットアセンブリを使用して、第1方向に沿って位置決めされた第1通過チャンバから第1アレイの処理チャンバへ基板を移送するステップであって、前記第2方向が一般的に前記第1方向と直交しているステップと、基板を前記第1方向における所望の位置と、前記第2方向における所望の位置に位置決めするように適合された第2ロボットアセンブリを使用して、前記第1通過チャンバから第1アレイの処理チャンバへ基板を移送するステップと、前端アセンブリ内に位置決めされた前端ロボットを使用して、基板カセットから前記第1通過チャンバへ基板を移送するステップであって、前記前端アセンブリが、前記第1アレイの処理チャンバ、前記第1ロボットアセンブリ、前記第2ロボットアセンブリを含有した移送領域と実質的に近接しているステップと、を備えるクラスタツール内で基板を移送する方法を提供する。
【0027】
[0027]添付の図面にて数例が図示されている実施形態を参照することにより、上に挙げた本発明の特徴を詳細に理解し、また、上で簡単に要約した本発明をより具体的に説明する方法が得られる。しかしながら、添付の図面は本発明の典型的な実施形態のみを図示するものであり、また本発明は、同等の効果を有する別の実施形態も許可することから、添付の図面は本発明の制限として考慮されるものではない点に留意する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】本発明のクラスタツールの一実施形態を図示した等角図である。
【図1B】本発明による、図1Aに図示した一実施形態を図示する処理システムの平面図である。
【図1C】本発明による、第1処理ラック60の一実施形態を図示した側面図である。
【図1D】本発明による、第2処理ラック80の一実施形態を図示した側面図である。
【図1E】本発明による、図1Bに図示した処理システムの平面図である。
【図1F】本明細書で説明しているクラスタツールの様々な実施形態と共に使用できる様々なプロセス手法ステップを含有したプロセスシーケンスの一実施形態を図示する。
【図1G】図1Bに図示した処理システムの平面図であり、図1Fに図示したプロセスシーケンスに従ってクラスタツールを通る基板の移送経路を図示している。
【図2A】本発明による、処理システムの平面図である。
【図2B】本発明による、図2Aに図示した処理システムの平面図である。
【図2C】図2Bに図示した処理システムの平面図であり、図1Fに図示したプロセスシーケンスを追随するクラスタツールを通る基板の移送経路を図示している。
【図3A】本発明による、処理システムの平面図である。
【図3B】図3Aに図示した処理システムの平面図であり、図1Fに図示したプロセスシーケンスに従ってクラスタツールを通る基板の移送経路を図示している。
【図4A】本発明による処理システムの平面図である。
【図4B】図4Aに図示した処理システムの平面図であり、図1Fに図示したプロセスシーケンスに従ってクラスタツールを通る基板の移送経路を図示している。
【図5A】本発明による、処理システムの平面図である。
【図5B】図5Aに図示した処理システムの平面図であり、図1Fに図示したプロセスシーケンスを従ってクラスタツールを通る基板の移送経路を図示している。
【図6A】本発明による、処理システムの平面図である。
【図6B】図6Aに図示した処理システムの平面図であり、図1Fに図示したプロセスシーケンスに従ってクラスタツールを通る2つの利用可能な基板の移送経路を図示している。
【図6C】本発明による、処理システムの平面図である。
【図6D】図6Cに図示した処理システムの平面図であり、図1Fに図示したプロセスシーケンスに従ってクラスタツールを通る2つの利用可能な基板の移送経路を図示している。
【図7A】本発明による、交換チャンバの一実施形態の側面図である。
【図7B】本発明による、図1Bに図示した処理システムの平面図である。
【図8A】本発明による、環境囲壁を取り付けた状態にある、図1Aに図示したクラスタツールの別の実施形態の図示した等角図である。
【図8B】本発明による、図8Aに図示したクラスタツールの断面図である。
【図8C】本発明による、一構成の断面図である。
【図9A】クラスタツールの様々な実施形態において基板を移送するように適合できるロボットの一実施形態を図示した等角図である。
【図10A】本発明による、1個のロボットアセンブリを有するロボットハードウェアアセンブリの一実施形態を図示した等角図である。
【図10B】本発明による、2個のロボットアセンブリを有するロボットハードウェアアセンブリの一実施形態を図示した等角図である。
【図10C】本発明による、図10Aに図示したロボットハードウェアアセンブリの一実施形態の断面図である。
【図10D】本発明による、図10Aに図示したロボットハードウェアアセンブリの一実施形態の断面図である。
【図10E】本発明による、図10Aに図示したロボットハードウェアアセンブリの一実施形態の断面図である。
【図11A】本発明による、ロボットブレードが基板を処理チャンバ内へ移送する際にとる様々な位置を図示したロボットアセンブリの一実施形態の平面図である。
【図11B】本発明による、基板を処理チャンバ内へ移送する際の、基板中心の様々な利用可能な経路を図示している。
【図11C】本発明による、ロボットブレードが基板を処理チャンバ内へ移送する際にとる様々な位置を図示したロボットアセンブリの一実施形態の平面図である。
【図11D】本発明による、ロボットブレードが基板を処理チャンバ内へ移送する際にとる様々な位置を図示したロボットアセンブリの一実施形態の平面図である。
【図11E】本発明による、ロボットブレードが基板を処理チャンバ内へ移送する際にとる様々な位置を図示したロボットアセンブリの一実施形態の平面図である。
【図11F】ロボットブレードが本発明に従って基板を処理チャンバ内へ移送する際にとる様々な位置を図示したロボットアセンブリの一実施形態の平面図である。
【図11G】本発明による、ロボットブレードが基板を処理チャンバ内へ移送する際にとる様々な位置を図示したロボットアセンブリの一実施形態の平面図である。
【図11H】本発明による、ロボットブレードが基板を処理チャンバ内へ移送する際にとる様々な位置を図示したロボットアセンブリの一実施形態の平面図である。
【図11I】本発明による、ロボットブレードが基板を処理チャンバ内へ移送する際にとる様々な位置を図示したロボットアセンブリの一実施形態の平面図である。
【図11J】本発明による、ロボットアセンブリの一実施形態の平面図である。
【図11K】処理ラック付近に位置決めされたロボットアセンブリの従来のSCARAロボットの平面図である。
【図12A】本発明による、図9Aに図示した水平動作アセンブリの断面図である。
【図12B】本発明による、図9Aに図示した水平動作アセンブリの断面図である。
【図12C】本発明による、図9Aに図示した水平動作アセンブリの断面図である。
【図13A】本発明による、図9Aに図示した垂直動作アセンブリの断面図である。
【図13B】クラスタツールの様々な実施形態において基板を移送するように適合できる、図13Aに図示したロボットの一実施形態を図示する等角図である。
【図14A】クラスタツールの様々な実施形態において基板を移送するように適合できるロボットの一実施形態を図示する等角図である。
【図15A】クラスタツールの様々な実施形態において基板を移送するように適合できるロボットの一実施形態を図示する等角図である。
【図16A】クラスタツールの様々な実施形態において基板を移送するように適合できるロボットブレードアセンブリの一実施形態を図示する平面図である。
【図16B】クラスタツールの様々な実施形態において基板を移送するように適合できる、図16Aに図示したロボットブレードアセンブリの一実施形態を図示した側部断面図である。
【図16C】クラスタツールの様々な実施形態において基板を移送するように適合できるロボットブレードアセンブリの一実施形態を図示した平面図である。
【図16D】クラスタツールの様々な実施形態において基板を移送するように適合できるロボットブレードアセンブリの一実施形態を図示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[0081]本発明は、一般的に、システムスループットが増加し、システムの信頼性が増加し、装置歩留まり性能が向上し、ウェーハ処理履歴(またはウェーハ履歴)がより繰り返し可能であり、フットプリントが減少する、マルチチャンバ処理システム(例えばクラスタツール)を使用して基板を処理する機器および方法を提供する。一実施形態では、クラスタツールは、基板を感光材料でコートした後にステッパ/スキャナへ移送し、ここで、感光材料を何らかの形式の放射線で露光して感光材料にパターンを形成するトラックリソグラフィプロセスと、これの後にクラスタツール内で完了される、感光材料の特定部分を除去するための成長プロセスとを実行するよう適合されている。別の実施形態では、クラスタツールは、内部の基板に対して様々な基板洗浄プロセスを実行する湿式/洗浄プロセスシーケンスを実行するように適合されている。
【0030】
[0082]図1〜図6は、本発明の様々な実施形態と共に使用できる様々なロボットプロセスチャンバ構成をいくつか図示している。一般的に、クラスタツール10の様々な実施形態は、基板上で所望の処理シーケンスを実行できるようにするために、処理ラック(例えば要素60、80など)内に維持された様々な処理チャンバ間で基板を移送する平行処理構成で構成された2つ以上のロボットを利用する。一実施形態では、この平行処理構成は2つ以上のロボットアセンブリ11(図1A、図1B中の要素11A、11B、11C)を含んでおり、このロボットアセンブリ11は、基板を垂直方向(これ以降「Z方向」と呼ぶ)、水平方向、即ち移送方向(x方向)、およびこの移送方向と直交する方向(y方向)へ移動することによって、移送方向に沿って整列した処理ラック(例えば要素60、80)内に維持されている様々な処理チャンバ内で基板を処理できるように適合されている。この平行処理構成の1つの利点は、ロボットの1つが動作不能となったり、サービスを提供するべく降ろされている場合でも、システムが、内部に維持された他のロボットを使用して基板の処理を継続できることである。一般的に、本明細書で説明している様々な実施形態は、基板処理チャンバの各ロウまたはグループが2つ以上のロボットによってサービスを受けることで、スループットとシステムの信頼性が増加するので有利である。さらに、本明細書で説明している様々な実施形態は、一般的に、基板移送機構によって生成された粒子を最小化および制御することで、クラスタツールのCoOに影響を及ぼす可能性のある装置歩留まり問題と基板スクラップ問題を防止するように構成されている。この構成の別の利点は、ユーザが自分のスループットの要望に合った個数の処理チャンバ、処理ラック、処理ロボットを構成することが可能な、柔軟でモジュール式の構築である。図1〜図6は、本発明の様々な態様を行うために使用できるロボットアセンブリ11の一実施形態を図示しているが、この一方で、別タイプのロボットアセンブリ11を、本発明の基本的範囲から変更せずに、同じ基板移送と位置決め機能(1つ以上)を実行するように適合することも可能である。
【0031】
第1クラスタツール構成
A.システム構成
[0083]図1Aは、有利に使用することができる本発明の多数の態様を図示した、クラスタツール10の一実施形態の等角図である。図1Aは3個のロボットを含有したクラスタツール10の実施形態を図示しており、これら3個のロボットは、第1処理ラック60と第2処理ラック80と外部モジュール5内に垂直に積層された様々な処理チャンバにアクセスするよう適合されている。1つの態様では、クラスタツール10を使用してフォトリソグラフィ処理シーケンスを完了する場合に、外部モジュール5は、後部領域45(図1Aには示していない)に取り付けてさらにいくつかの露光タイプ処理ステップ(1つ以上)を実行することができるステッパ/スキャナツールであってもよい。図1Aに図示しているように、クラスタツール10の一実施形態は前端モジュール24と中央モジュール25を含有している。
【0032】
[0084]図1Bは、図1Aに示したクラスタツール10の実施形態の平面図である。一般的に、前端モジュール24は1つ以上のポッドアセンブリ105(例えばアイテム105A〜D)と前端ロボットアセンブリ15(図1B)を含有している。一般的に、1つ以上のポッドアセンブリ105、または前端開口型の統合ポッド(FOUP)は、クラスタツール10内で処理する1つ以上の基板「W」あるいはウェーハを含有できる1つ以上のカセット106を受容するように適合されている。1つの態様では、前端モジュール24は、1つ以上の通過位置9(例えば図1B中の要素9A〜C)をさらに含有している。
【0033】
[0085]1つの態様では、中央モジュール25は第1ロボットアセンブリ11A、第2ロボットアセンブリ11B、第3ロボットアセンブリ11C、後部ロボットアセンブリ40、第1処理ラック60、第2処理ラック80を有する。第1処理ラック60と第2処理ラック80は、基板処理シーケンスで見られる様々な処理ステップを実行するよう適合された様々な処理チャンバ(例えば、以下で説明している(図1C〜図1D)コートチャンバ/成長チャンバ、ベーキングチャンバ、冷却チャンバ、湿式洗浄チャンバなど)を含有している。
【0034】
[0086]図1C、図1Dは、第1処理ラック60と第2処理ラック80が側部60Aに最も近い側部上に対向した状態で立っている状態において見た、第1処理ラック60と第2処理ラック80の一実施形態の側面図を図示している。図1C、図1Dは、したがって図1〜図6に示す図と一致する。一般的に、第1に処理ラック60と第2処理ラック80は、望ましい半導体またはフラットパネルディスプレイ装置製作処理ステップのいくつかを基板上に実行するよう適合された、1つ以上グループの垂直に積層された処理チャンバを含有している。例えば図1Cでは、第1処理ラック60は5グループまたは5列の垂直積層処理チャンバを有する。一般的に、これらの装置製作処理ステップは、基板の表面上に材料を堆積させること、基板の表面を洗浄すること、基板の表面をエッチングすること、基板上に1つ以上の物理的あるいは化学的変化を生じさせるために基板を何らかの形式の放射線に露光させることを含んでいてもよい。一実施形態では、第1処理ラック60と第2処理ラック80は、1つ以上のフォトリソグラフィ処理シーケンスステップを実行するよう適合できるこれらに含有されている1つ以上の処理チャンバを有する。1つの態様では、処理ラック60、80は1つ以上のコート/成長チャンバ160、1つ以上の冷却チャンバ180、1つ以上のベーキングチャンバ190、1つ以上の光学エッジリンス(OEBR)チャンバ162、1つ以上の露光後ベーキング(PEB)チャンバ130、1つ以上の支持チャンバ165、統合型のベーキング/冷却チャンバ800、および/または、1つ以上のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理チャンバ170を含有していてもよい。本発明の1つ以上の態様の利点となるよう適合できる例示的なコート/成長チャンバ、冷却チャンバ、ベーキングチャンバ、OEBRチャンバ、PEBチャンバ、支持チャンバ、統合型ベーキング/冷却チャンバ、および/または、HMDS処理チャンバは、2005年4月22に出願され、同時出願された米国特許出願番号11/112,281号においてより詳細に説明されている。上記出願の全体は、請求された本発明と矛盾しない範囲で本明細書に組み込まれる。本発明の1つ以上の態様の利点となるように適合できる統合型ベーキング/冷却チャンバの例は、同時出願された、2005年4月11日に出願された米国特許出願シリアル番号第11/111,154号、2005年4月11日に出願された米国特許出願シリアル番号第11/111,353号にさらに詳細に説明されている。上記の両方の出願全体は、請求された本発明と矛盾しない範囲で本明細書に組み込まれる。基板上で1つ以上の洗浄処理を実行するように適合できる、また、1つ以上の態様の利点となるように適合できる処理チャンバとシステムの例は、同時出願された、2001年6月25日に出願された米国特許出願シリアル番号第09/891,849号、2001年8月31日に出願された米国特許出願シリアル番号09/945,454号にさらに詳細に説明されている。上記の両方の出願全体は、請求された本発明と矛盾しない範囲で本明細書に組み込まれる。
【0035】
[0087]一実施形態では、図1Cに示すように、クラスタツール10は、フォトリソグラフィタイプのプロセスを実行するように適合されており、第1処理ラック60は8個のコート/成長チャンバ160(CD1〜CD8とラベルされた)、18個の冷却チャンバ180(C1〜C18とラベルされた)、8個のベーキングチャンバ190(B1〜B8とラベルされた)、6個のPEBチャンバ130(PEB1〜PEB6とラベルされた)、2個のOEBRチャンバ162(162とラベルされた)、および/または6個のHMDS処理チャンバ170(DP1〜DP6とラベルされた)を有していてもよい。一実施形態では、図1Dに示すように、クラスタツール10はフォトリソグラフィタイプの処理を実行するように適合されており、第2処理ラック80は、8個のコート/成長チャンバ160(CD1〜CD8とラベルされた)、6個の統合型ベーキング/冷却チャンバ800(BC1〜BC6とラベルされた)、6個のHMDS処理チャンバ170(DP1〜DP6とラベルされた)、および/または6個の支持チャンバ165(S1〜S6とラベルされた)を有していてもよい。図1C〜図1Dに示す処理チャンバの方位、位置決め、タイプ、個数は、本発明の範囲を限定することを意図したものではなく、本発明の実施形態を図示することを意図している。
【0036】
[0088]図1Bを参照すると、一実施形態において、前端ロボットアセンブリ15は、ポッドアセンブリ105(要素105A〜105Dを参照)内に搭載したカセット160と1つ以上の通過位置9(図1Bの通過位置9A〜9Cを参照)との間で基板を移送するように適合されている。別の実施形態では、前端ロボットアセンブリ15は、ポッドアセンブリ105内に搭載したカセットと、前端モジュール24と当接した第1処理ラック60または第2処理ラック80内の1つ以上の処理チャンバとの間で基板を移送するように適合されている。一般的に、前端ロボットアセンブリ15は水平動作アセンブリ15A、ロボット15Bを含有し、これらを組み合わせて使用することで、基板を前端モジュール24内の所望の水平および/または垂直位置、あるいは中央モジュール25内の隣接位置に位置決めすることができる。前端ロボットアセンブリ15は、1つ以上のロボットブレード15Cを使用し、システム制御装置101(以降で説明する)から送られたコマンドを使用して、1つ以上の基板を移送するように適合されている。1つのシーケンスでは、前端ロボットアセンブリ15は、カセット106から通過位置9(例えば図1B中の要素9A〜9C)の1つへと基板を移送するように適合されている。一般的に、通過位置は基板ステージ範囲であり、この基板ステージ範囲は、交換チャンバ533(図7A)と類似の特徴を有する通過処理チャンバまたは従来の基板カセット106を含有していてもよく、また、この範囲に第1ロボットから基板を受容することで、第2ロボットがこれを除去し再度位置決めできるようになっている。1つの態様では、通過位置内に搭載した通過処理チャンバは、所望の処理シーケンス、たとえば、HMDSプロセスステップにおける1つ以上の処理ステップ、あるいは冷却/クールダウン処理ステップ、もしくは基板切欠部の整列を実行するように適合できる。1つの態様では、中央ロボットアセンブリの各々(すなわち、第1ロボットアセンブリ11A、第2ロボットアセンブリ11B、第3ロボットアセンブリ11C)が通過位置の各々(図1B中の要素9A〜9C)にアクセスすることができる。
【0037】
[0089]図1A〜図1Bを参照すると、第1ロボットアセンブリ11A、第2ロボットアセンブリ11B、第3ロボットアセンブリ11Cは、基板を、第1処理ラック60および第2処理ラック80内に含有された様々な処理チャンバへ移送するように適合されている。一実施形態では、クラスタツール10内で基板移送処理を実行するために、第1ロボットアセンブリ11A、第2ロボットアセンブリ11B、第3ロボットアセンブリ11Cは構成が類似するロボットアセンブリ11を有する。このロボットアセンブリ11の各々は、少なくとも1つの水平動作アセンブリ90、垂直動作アセンブリ95、ロボットハードウェアアセンブリ85を有しており、これらはシステム制御装置101と通信する。1つの態様では、第1処理ラック60の側部60B、第2処理ラック80の側部80Aの両方は、様々なロボットアセンブリのそれぞれの(即ち、第1ロボットアセンブリ11A、第2ロボットアセンブリ11B、第3ロボットアセンブリ11C)の水平動作アセンブリ90(以降で説明する)と平行した方向に沿って整列している。
【0038】
[0090]システム制御装置101は、移送処理を完了するために使用される様々な構成部品の位置と動作を制御するように適合されている。システム制御装置101は、一般的に、システム全体の制御と自動化を促進するように、また、典型的に中央処理ユニット(CPU)(図示せず)、メモリ(図示せず)、支持回路(またはI/O)(図示せず)を含むように設計されている。CPUは、様々なシステム機能、チャンバ処理、支持ハードウェア(例えば検出器、ロボット、モータ、ガス源ハードウェアなど)を制御する工業環境において使用し、システムおよびチャンバ処理(例えばチャンバ温度、処理シーケンススループット、チャンバ処理時間、I/O信号など)を監視する、任意形式のコンピュータプロセッサであってもよい。メモリはCPUに接続しており、また、1つ以上の容易に利用できるメモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、またはこれ以外のローカルまたはリモートの任意形式のデジタル記憶装置であってもよい。ソフトウェア命令およびデータは、CPUを命令するためのメモリ内に符号化および記憶される。支援回路はまた、プロセッサを従来の方法でサポートするためにCPUに接続することもできる。支持回路はキャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路要素、サブシステムなどを含んでいてもよい。システム制御装置101によって読み出し可能なプログラム(またはコンピュータ命令)が、どのタスクを基板に実行できるかを決定する。このプログラムは、システム制御装置101によって読み出し可能なソフトウェアであり、処理シーケンスタスクおよび様々なチャンバ処理手法ステップの監視および実行に関連したタスクを実行する符号を含んでいる。
【0039】
[0091]図1Bを参照すると、本発明の1つの態様において、第1ロボットアセンブリ11Aは基板にアクセスし、これを、例えば側部60Bといった少なくとも1側部から、第1処理ラック60内の処理チャンバ間を移送させるように適合されている。1つの態様では、第3ロボットアセンブリ11Cは、基板にアクセスし、これを、例えば側部80Aといった少なくとも1側部から、第2処理ラック80内の処理チャンバ間を移送させるように適合されている。1つの態様では、第2ロボットアセンブリ11Bは、基板にアクセスし、これを側部60Bから第1処理ラック60内の処理チャンバ間と、側部80Aから第2処理ラック80内の処理チャンバ間を移送させるように適合されている。図1Eは、図1Bに示したクラスタツール10の実施形態の平面図を図示している。この図1Eでは、第2ロボットアセンブリ11Bからロボットブレード87が、側部60Bを介して第1処理ラック60内の処理チャンバ内へ延びている。ロボットブレード87を処理チャンバ内へ延ばし、また、ここから引き込む能力は、一般的に水平動作アセンブリ90、垂直動作アセンブリ95、ロボットハードウェアアセンブリ85内の構成部品を協同動作させ、システム制御装置101から送信された命令を使用することで完了する。第1ロボットアセンブリ11Aと第2ロボットアセンブリ11B、または第2ロボットアセンブリ11Bと第3ロボットアセンブリ11Cといった、2つ以上のロボットが相互に「重なり合う」能力は基板移送の冗長性を可能にし、これにより、クラスタの信頼性とアップタイムが向上し、さらに基板スループットが増加するため有利である。一般的に、ロボットの「重なり合い」とは、2つ以上のロボットが基板にアクセスし、および/または、これを処理ラック内の同じ処理チャンバ間で独立的に移送する能力を意味する。2つ以上のロボットが処理チャンバに冗長的にアクセスする能力は、利用中のロボットがシステムスループットを制限しているロボットを援助することができるため、システムロボット移送の欠点を防止する上で重要な態様である。そのため、処理シーケンス中に各ロボットが受ける負荷を平衡化する作用によって、基板スループットを増加し、基板のウェーハ履歴の繰り返し可能性を高め、システムの信頼性を向上させることができる。
【0040】
[0092]本発明の1つの態様では、重なり合う様々なロボットアセンブリ(例えば、図1〜図6中の要素11A、11B、11C、11D、11Eなど)は、水平(x方向)または垂直(z方向)に近接し合った処理チャンバに同時にアクセスすることができる。例えば、図1B、図1Cに図示したクラスタツール構成を使用する場合には、第1ロボットアセンブリ11Aは第1処理ラック60内の処理チャンバCD6に、第2ロボットアセンブリ11Bは処理チャンバCD5に、互いに衝突または妨害し合うことなく同時にアクセスすることができる。別の例では、図1B、図1Dに図示したクラスタツール構成を使用する場合に、第3ロボットアセンブリ11Cが第2処理ラック80内の処理チャンバC6に、第2ロボットアセンブリ11Bが処理チャンバP6に、互いに衝突または妨害することなく同時にアクセスすることができる。
【0041】
[0093]1つの態様では、システム制御装置101は、算出した最適のスループットに基づいたクラスタツールを介して基板移送シーケンスを調整するように、あるいは、動作不能となった処理チャンバの周囲で作業するように適合されている。スループットを最適化するシステム制御装置101の特徴は、論理スケジューラとして知られている。論理スケジューラは、ユーザからの入力と、クラスタツール全体に分布している様々なセンサからの入力とに基づいて、タスクおよび基板動作に優先順位をつける。論理スケジューラは、様々なロボットのそれぞれ(例えば、前端ロボットアセンブリ15、第1ロボットアセンブリ11A、第2ロボットアセンブリ11B、第3ロボットアセンブリ11Cなど)に要求された、システム制御装置101のメモリ内に維持されている将来のタスクのリストをレビューして、様々なロボットの各々にかかる負荷の平衡化を助けるように適合することができる。クラスタツールの利用を最大化する目的でシステム制御装置101を使用することにより、クラスタツールのCoOが向上し、ウェーハ履歴の繰り返し可能性が高まり、クラスタツールの信頼性が高まる。
【0042】
[0094]1つの態様では、システム制御装置101は、重なり合う様々なロボット間の衝突を防止し、基板スループットを最適化するようにも適合されている。1つの態様では、システム制御装置101はさらに、全てのロボットを同時に動作させることで、クラスタツール内の全てのロボットの水平動作アセンブリ90、垂直動作アセンブリ95、ロボットハードウェアアセンブリ85の動作を監視および制御するように適合でき、これにより、ロボット間の衝突が防止され、システムスループットが向上する。このいわゆる「衝突防止システム」は複数の方法で実現できるが、一般的には、システム制御装置101は、移送処理中に衝突を回避するために、ロボット(1つ以上)上、あるいはクラスタツール内に位置決めされた様々なセンサを使用して各ロボットの位置を監視する。1つの態様では、システム制御装置は、移送処理中に各ロボットの動作および/または軌道を活発に変更することで、衝突を防止し、移送経路の長さを最短化するように適合されている。
【0043】
B.移送シーケンスの例
[0095]図1Fは、クラスタツール10を介した基板処理シーケンス500の一例を図示しており、ここで、多数の処理ステップ(例えば、実施形態501、520)は、移送ステップA〜A10のそれぞれが完了した後に実行することができる。処理ステップ501〜520のうち1つ以上のステップは、基板表面上に材料を堆積させるため、基板表面を洗浄するため、基板表面をエッチングするため、あるいは、何らかの放射線に基板を露光させて、基板上の1つ以上の領域に物理的もしくは化学的変化を生じさせるために、基板上で真空および/または流体処理ステップを実行させることができる。実行できる処理の典型的な例は、フォトリソグラフィ処理ステップ、基板洗浄処理ステップ、CVD堆積ステップ、ALD堆積ステップ、電気めっき処理ステップ、無電解めっき処理ステップである。図1Gは、図1Fで説明した処理シーケンス500の後に、クラスタツールにかけて移送される基板が追随する移送ステップの一例を図示しており、このクラスタツールは、図1Bに示したクラスタツールと同様に構成されたものである。この実施形態では、基板が前端ロボットアセンブリ15によってポッドアセンブリ105(アイテム#105D)から除去され、移送経路Aを追随して通過位置9Cに位置決めしたチャンバへ送出されることで、基板上での通過ステップ502が完了する。一実施形態では、通過ステップ502が基板の位置決めまたは維持を強制的に行うことで、別のロボットが通過位置9Cから基板を取り上げられるようになる。通過ステップ502の完了後、第3ロボットアセンブリ11Cが基板を移送経路Aを追随して第1処理チャンバ531へ移送し、ここで基板上での処理ステップ504が完了される。処理ステップ504の完了後、第3ロボットアセンブリ11Cが基板を移送経路Aを追随して第2処理チャンバ532へ移送する。処理ステップ506の実行後、第2ロボットアセンブリ11Bが基板を移送経路Aを追随して交換チャンバ533(図7A)へ移送する。処理ステップ508の実行後、次に、後部ロボットアセンブリ40が基板を移送経路Aを追随して外部処理システム536へ移送し、ここで処理ステップ510が実行される。実行処理ステップ510の後、後部ロボットアセンブリ40が基板を、移送経路6を追随して交換チャンバ533へ移送し、ここで処理512が実行される。一実施形態では、プロセスステップ508、512が基板の位置決めまたは維持を強制的に行うことで、別のロボットが交換チャンバ533から基板を取り上げられるようになる。処理ステップ512の実行後、第2ロボットアセンブリ11bが基板を、移送経路aを追随して処理チャンバ534へ移送し、ここでステップ514が実行される。次に、第1ロボットアセンブリ11aを使用して基板を、移送経路aを追随してプロセスチャンバ535へ移送する。処理ステップ516の完了後、第1ロボットアセンブリ11aが基板を、移送経路aを追随して、通過位置9aに位置決めされた通過チャンバへ移送する。一実施形態では、通過ステップ518が位置決めまたは維持を強制的に行うことで、別のロボットが通過位置9aから基板を取り上げられるようになる。通過ステップ518の実行後、前端ロボットアセンブリ15が基板を、移送経路a10を追随してポッドアセンブリ105dへ移送する。
【0044】
[0096]一実施形態では、処理ステップ504、506、510、514、516はそれぞれ、フォトレジストコートステップ、ベーキング/冷却ステップ、ステッパ/スキャナモジュール内で実行される露光ステップ、露光後ベーキング/冷却ステップ、成長ステップであり、これらについては、同時出願された、2005年4月22日に出願された米国特許出願番号11/112,281号にさらに説明されている。上記出願の全体は本明細書に組み込まれる。ベーキング/冷却ステップと露光後ベーキング/冷却ステップは、1個の処理チャンバ内で実行するか、あるいは、統合型ベーキング/冷却チャンバのベーキング区間と冷却区間の間で内部ロボット(図示せず)を使用して移送することができる。図1F〜図1Gは、クラスタツール10内での基板の処理に使用する処理シーケンスの一例を図示しているが、本発明の基本的な範囲から逸脱しない限り、これよりも幾分複雑な処理シーケンスおよび/または移送シーケンスを実行することも可能である。
【0045】
[0097]一実施形態ではまた、クラスタツール10は外部処理システム536に接続していないか、これと通信していないため、後部ロボットアセンブリ40はクラスタツール構成の一部ではなく、基板上で移送ステップA5〜A6、処理ステップ510が実行されない。この構成では、全ての処理ステップと移送ステップが、クラスタツール10内の位置間あるいは処理チャンバ間で実行される。
【0046】
第2クラスタツール構成
A.システム構成
[0098]図2Aは、2個の処理ラック(要素60、80)の間に位置決めされた、前端ロボットアセンブリ15、後部ロボットアセンブリ40、システム制御装置101、4個のロボットアセンブリ11(図9〜図11;図2A中の要素11A、11B、11C、11D)を有するクラスタツール10の一実施形態の平面図である。これらのアセンブリの全ては、処理ラック内の様々な処理チャンバを使用して、所望の基板処理シーケンスの少なくとも1つの態様を実行するように適合されている。図2Aに図示した実施形態は、第4ロボットアセンブリ11Dと通貨位置9Dが追加されている点を除いて、図1A〜図1Fに図示した構成と類似しているため、適切な場所には同様の符号を使用している。図2Aに図示したクラスタツール構成は、基板スループットがロボットによって制限される場合に有利であってもよい。これは、第4ロボットアセンブリ11Dを追加することが他のロボットへの重荷を除去する助けとなり、さらに、1つ以上の中央ロボットが動作不能となった場合にシステムが基板を処理できるようにする冗長性を持たせるためである。1つの態様では、第1処理ラック60の側部60Bと、第2処理ラック80の側部80Aの両方は、様々なロボットアセンブリ(例えば、第1ロボットアセンブリ11A、第2ロボットアセンブリ11Bなど)のそれぞれの水平動作アセンブリ90(図9A、図12A〜図12C)と平行した方向に沿って整列している。
【0047】
[0099]1つの態様では、第1ロボットアセンブリ11Aは、基板にアクセスし、これを側部60Bから第1処理ラック60内の処理チャンバ間で移送するように適合されている。1つの態様では、第3ロボットアセンブリ11Cは、基板にアクセスし、これを側部80Aから第2処理ラック80の内の処理チャンバ間で移送するように適合されている。1つの態様では、第2ロボットアセンブリ11Bは、基板にアクセスし、これを側部60Bから第1処理ラック60内の処理チャンバ間で移送するように適合されている。1つの態様では、第4ロボットアセンブリ11Dは、基板にアクセスし、これを側部80Aから第2処理ラック80内の処理チャンバ間で移送するように適合されている。1つの態様では、第2ロボットアセンブリ11Bと第4ロボットアセンブリ11Dはさらに、側部60Bから第1処理ラック60内の処理チャンバに、またに側部80Aから第2処理ラック80内の処理チャンバにアクセスするように適合されている。
【0048】
[00100]図2Bは、図2Aに示したクラスタツール10の一実施形態の平面図であり、ロボットブレード87が、第2ロボットアセンブリ11Bから、側部60Bを通って第1処理ラック60内の処理チャンバ内へ延びている。ロボットブレード87を処理チャンバ内へ延ばし、および/または、これを処理チャンバ内へ引き込む能力は、一般的に、水平動作アセンブリ90、垂直動作アセンブリ95、ロボットハードウェアアセンブリ85内に含有されたロボットアセンブリ11構成部品を協同動作させ、また、システム制御装置101から送信されたコマンドを使用することで完了する。上述したとおり、第2ロボットアセンブリ11Bと第4ロボットアセンブリ11D、並びにシステム制御装置101を、クラスタツール内の各ロボットが「重なり合える」ように、また、システム制御装置の論理スケジューラが、ユーザからの入力と、クラスタツール全体にかけて分布している様々なセンサからの入力とに基づいて、タスクおよび基板動作の優先順位をつけられるように、さらに、衝突防止システムを使用してロボットが基板をシステムにかけて最適に移送できるように適合することが可能である。クラスタツールの利用を最大化するためにシステム制御装置101を使用することで、クラスタツールCoOが向上し、ウェーハ履歴の繰り返し可能性が高まり、システムの信頼性が向上する。
【0049】
B.移送シーケンスの例
[00101]図2Cは、図1Fで説明した処理シーケンスを、図2Aに図示したクラスタツール構成によって完了するために使用可能な移送ステップの一例を図示している。この実施形態では、前端ロボットアセンブリ15がポッドアセンブリ105(アイテム#105D)から基板を除去し、通過位置9Cに位置決めしたチャンバへ移送経路Aを追随しながら送出されるため、基板上で通過ステップ502を完了することができる。通過ステップ502の完了後、次に、第3ロボットアセンブリ11Cが基板を、移送経路Aを追随して第1プロセスチャンバ531へ移送し、同チャンバ内でプロセスステップ504が基板上において完了する。プロセスステップ504の完了後、第4ロボットアセンブリ11Dが基板を、移送経路Aを追随して第2プロセスチャンバ532へ移送する。プロセスステップ506の実行後、第4ロボットアセンブリ11Dが基板を、移送経路Aを追随して交換チャンバ533へ移送する。プロセスステップ508の実行後、後部ロボットアセンブリ40が基板を、移送経路Aを追随して外部処理システム536へ移送し、ここでプロセスステップ510が実行される。プロセスステップ510の実行後、後部ロボットアセンブリ40が基板を、移送経路Aを追随して交換チャンバ533(図7A)へ移送し、ここでプロセスステップ512が実行される。プロセスステップ512の実行後に、第4ロボットアセンブリ11Dが、基板を、移送経路Aを追随してプロセスチャンバ534へ移送され、ここでプロセスステップ514が実行される。次に、第2ロボットアセンブリ11Bを使用して基板を、移送経路Aを追随してプロセスチャンバ535へ移送する。プロセスステップ516の完了後に、第1ロボットアセンブリ11Aが基板を、Aを追随して、通過位置9Aに位置決めされた通過チャンバへ移送する。通過ステップ518を実行した後に、前端ロボットアセンブリ15が基板を、移送経路A10を追随してポッドアセンブリ105Dへ移送する。
【0050】
[00102]1つの態様では、移送経路Aを、第4ロボットアセンブリ11Dが交換チャンバ533から基板を取り上げ、これを第4通過位置9Dへ移送する必要がある移送ステップと、第2ロボットアセンブリ11Bがこの基板を第4通過位置から取り上げて、プロセスチャンバ534へ移送する必要がある移送ステップとの2個の移送ステップに分割することができる。1つの態様では、各通過チャンバには、任意の中央ロボットアセンブリ(即ち、第1ロボットアセンブリ11A、第2ロボットアセンブリ11B、第3ロボットアセンブリ11C、第4ロボットアセンブリ11D)がアクセスすることができる。別の態様では、第2ロボットアセンブリ11Bは、基板を交換チャンバ533から取り上げてプロセスチャンバ534を移送することが可能である。
【0051】
[00103]さらに、一実施形態では、クラスタツール10は外部処理システム536に接続または通信していないため、後部ロボットアセンブリ40はクラスタツール構成の一部ではなく、したがって基板上で移送ステップA5〜A6、プロセスステップ510が実行されない。この構成では、処理ステップと移送ステップの全てはクラスタツール10内で実行される。
【0052】
第3クラスタツール構成
A.システム構成
[00104]図3Aは、2個の処理ラック(要素60、80)の周囲に位置決めされた前端ロボットアセンブリ15、後部ロボットアセンブリ40、システム制御装置101、3個のロボットアセンブリ11(図9〜図11;図3中の要素11A、11B、11C)を有するクラスタツール10の一実施形態の平面図である。これらのアセンブリは全て、処理ラック内に見られる様々な処理チャンバを使用して、所望の基板処理シーケンスの少なくとも1つの態様を実行するように適合されている。図3Aに図示した実施形態は、処理ラック60の側部60Aにおける第1ロボットアセンブリ11Aおよび通過位置9Aの位置決めと、第2処理ラック80の側部80Bにおける第3ロボットアセンブリ11Cおよび通過位置9Cの位置決めとを除いて、図1A〜図1Fに図示した構成と類似しているため、適当な箇所には類似の符号を使用している。このクラスタツール構成の1つの利点は、中央モジュール25内のロボットのうち1つが動作不能となった場合でも、システムは他の2個のロボットを使用して基板の処理を続行できることである。さらにこの構成では、隣り合って位置決めされたロボットの物理的な重なり合いが排除されるため、ロボットが様々な処理ラック内に搭載した処理チャンバ間で基板を移送する際に、衝突防止タイプの制御特徴の必要性が除去または最小化される。この構成の別の利点は、柔軟でモジュール式の構築により、ユーザが、スループットの必要性を満たすために必要な数の処理チャンバ、処理ラック、処理ロボットを構成できることである。
【0053】
[00105]この構成では、第1ロボットアセンブリ11Aは、側部60Aから第1処理ラック60内の処理チャンバにアクセスするように適合され、第3ロボットアセンブリ11Cは、側部80Bからに第2処理ラック80内の処理チャンバにアクセスするように適合され、第2ロボットアセンブリ11Bは、側部60Bから第1処理ラック60内の処理チャンバに、また、側部80Aから第2処理ラック80内の処理チャンバにアクセスするように適合されている。1つの態様では、第1処理ラック60の側部60B、第2処理ラック80の側部80Aの両方は、様々なロボットアセンブリ(即ち、第1ロボットアセンブリ11A、第2ロボットアセンブリ11B、第3ロボットアセンブリ11C)の水平動作アセンブリ90(以降で説明している)と平行な方向に沿って整列している。
【0054】
[00106]第1ロボットアセンブリ11A、第2ロボットアセンブリ11B、第3ロボットアセンブリ11C、並びにシステム制御装置101は、様々なロボットの「重なり合い」を可能にし、システム制御装置の論理スケジューラが、ユーザからの入力と、クラスタツール全体に分布した様々なセンサからの入力とに基づいて、タスクと基板動作に優先順位を付けられるように適合されている。クラスタツールの利用を最大化してCoOを向上させる目的でクラスタツール構築とシステム制御装置101を一緒に使用することで、ウェーハ履歴の繰り返し可能性が高まり、システムの信頼性が向上する。
【0055】
B.移送シーケンスの例
[00107]図3Bは、図1Fで説明した処理シーケンスを、図3Aに示すクラスタツールを介して完了するために使用できる一連の移送ステップの一例を図示している。この実施形態では、前端ロボットアセンブリ15がポッドアセンブリ105(アイテム#105D)から基板を除去し、これを、通過位置9Cに位置決めされたチャンバへ移送経路Aを追随しながら送出する。これにより、基板上で通過ステップ502を完了することができるようになる。通過ステップ502の完了後、第3ロボットアセンブリ11Cが基板を、移送経路Aを追随して第1プロセスチャンバ531へ移送し、同チャンバにおいて基板上へのプロセスステップ504が完了する。プロセスステップ504の完了後に、第3ロボットアセンブリ11Cが基板を、移送経路Aを追随して第2プロセスチャンバ532へ移送する。プロセスステップ506の実行後に、第2ロボットアセンブリ11Bが基板を、移送経路Aを追随して交換チャンバ533(図7A)へ移送する。プロセスステップ508の実行後、後部ロボットアセンブリ40が基板を、移送経路Aを追随して外部処理システム536へ移送され、ここでプロセスステップ510が実行される。プロセスステップ510の実行後に、後部ロボットアセンブリ40が基板を、移送経路Aを追随して交換チャンバ533(図7A)へ移送し、ここでプロセスステップ512が実行される。プロセスステップ512の実行後、第2ロボットアセンブリ11Cが基板を、移送経路Aを追随してプロセスチャンバ534へ移送し、ここでプロセスステップ514が実行される。次に、第2ロボットアセンブリ11Bが基板を、移送経路Aを追随してプロセスチャンバ535へ移送する。プロセスステップ516の完了後に、第1ロボットアセンブリ11Aが基板を、移送経路Aを追随して、通過位置9Aに位置決めされた通過チャンバへ移送する。通過ステップ518の実行後、前端ロボットアセンブリ15が基板を、移送経路A10を追随してポッドアセンブリ105Dへ移送する。
【0056】
[00108]さらに一実施形態では、クラスタツール10は外部処理システム536に接続または通信しておらず、そのため、後部ロボットアセンブリ40がクラスタツール構成の一部ではないため、基板上に移送ステップA5〜A6、プロセスステップ510が実行されない。この構成では、全ての処理ステップおよび移送ステップはクラスタツール10内で実行される。
【0057】
第4クラスタツール構成
A.システム構成
[00109]図4Aは、2個の処理ラック(要素60、80)の周囲に位置決めされた前端ロボットアセンブリ15、後部ロボットアセンブリ40、システム制御装置101、2個のロボットアセンブリ11(図9〜図11;図4A中の要素11B、11C)を有するクラスタツール10の一実施形態の平面図である。これらのアセンブリは全て、処理ラック内に見られる様々な処理チャンバを使用して、所望の基板処理シーケンスの1つの態様を実行するように適合されている。図4Aに図示した実施形態は、第1処理ラック60の側部60A上の第1ロボットアセンブリ11Aおよび通過位置9Aが除去される点を除いて図3Aに図示した構成と類似しているため、適当な箇所には類似の符号を使用している。このシステム構成の1つの利点は、第1処理ラック60内の搭載されたチャンバに容易にアクセスできるため、クラスタツールが基板を処理している最中に、第1処理ラック60に搭載された1つ以上の処理チャンバを降ろして作業することができることである。別の利点は、第2ロボットアセンブリ11Bを使用して基板を処理している最中に、第3ロボットアセンブリ11Cおよび/または第2処理ラック80を作動させられることである。この構成はさらに、処理シーケンスにおいて頻繁に使用される、チャンバ処理時間が短い処理チャンバを第2処理ラック80内に位置決めすることで、2個の中央ロボット(即ち要素11B、11C)がこれらの処理チャンバに対応して、ロボット移送を制限する欠点を低減し、これによりシステムスループットが向上する。この構成ではまた、各ロボットが別のロボットのスペースを物理的に侵害することがないため、ロボットが処理ラック内に搭載された処理チャンバ間で基板を移送する際における、衝突防止タイプの制御特徴の必要性が除去あるいは最小化される。この構成にはこれ以外にも、柔軟でモジュール式の構築により、ユーザがスループットの必要性を満たすのに必要な個数の処理チャンバ、処理ラック、処理ロボットを構成できるという利点がある。
【0058】
[00110]この構成では、第3ロボットアセンブリ11Cは基板にアクセスし、これを側部80Bから第2処理ラック80内の処理チャンバ間で移送するように適合され、また、第2ロボットアセンブリ11Bは基板にアクセスし、これを側部60Bから第1処理チャンバラック60内の処理チャンバ間で移送するように適合され、また、側部80Aから第2処理ラック80内の処理チャンバ間で移送するように適合されている。1つの態様では、第1処理ラック60の側部60Bと、第2処理ラック80の側部80Aの両方は、様々なロボットアセンブリ(即ち第1ロボットアセンブリ11A、第2ロボットアセンブリ11B、第3ロボットアセンブリ11C)のそれぞれの水平動作アセンブリ90(以降で説明する)と平行する方向に沿って整列している。
【0059】
[00111]上述したように、第2ロボットアセンブリ11Bと第4ロボットアセンブリ11C、並びにシステム制御装置101は、システム制御装置の論理スケジューラが、ユーザからの入力と、クラスタツール全体に分布している様々なセンサからの入力とに基づいて、タスクと基板動作に優先順位を付けられるように適合されている。クラスタツールの利用を最大化し、CoOを向上させる目的で、クラスタツール構築とシステム制御装置101を共に使用することで、ウェーハ履歴の繰り返し可能性が高まり、システムの信頼性が向上する。
【0060】
B.移送シーケンスの例
[00112]図4Bは、図1Fで説明した処理シーケンスを、図4Aに示したクラスタツールを介して完了させるために使用できる一連の移送ステップの一例を図示する。この実施形態では、前端ロボットアセンブリ15がポッドアセンブリ105(アイテム#105D)から基板を除去し、移送経路Aを追随して、通過位置9Cにて位置決めされたチャンバへ送出する。これにより、基板上で通過ステップ502を完了できるようになる。通過ステップ502の完了後、次に、第3ロボットアセンブリ11Cが、基板を、移送経路Aを追随して第1プロセスチャンバ531へ移送し、ここで基板上でプロセスステップ504が完了される。プロセスステップ504の完了後に、今度は第3ロボットアセンブリ11Cが、基板を、移送経路Aを追随して第2プロセスチャンバ532へ移送する。プロセスステップ506の実行後、第3ロボット11Cが、基板を移送経路Aを追随して交換チャンバ533(図7A)へ移送する。処理ステップ508の実行後に、後部ロボットアセンブリ40が、基板を、移送経路Aを追随して外部処理システム536へ移送し、ここでプロセスステップ510が実行される。プロセスステップ510の実行後に、後部ロボットアセンブリ40が、基板を移送経路Aを追随して交換チャンバ533(図7A)へ移送し、ここでプロセスステップ512が実行される。プロセスステップ512の実行後、第2ロボットアセンブリ11Cが、基板を、移送経路Aを追随してプロセスチャンバ534へ移送し、ここでプロセスステップ514が実行される。次に、第2ロボットアセンブリ11Bを使用する基板を、移送経路Aを追随してプロセスチャンバ535へ移送する。プロセスステップ516の完了後、第2ロボットアセンブリ11Bが、基板を、移送経路Aを追随して、通過位置9Bに位置決めされた通過チャンバへ移送する。通過ステップ518の実行後に、前端ロボットアセンブリ15が、基板を、移送経路A10を追随してポッドアセンブリ105Dへ移送する。
【0061】
[00113]さらに一実施形態では、クラスタツール10は外部処理システム536と接続または通信しておらず、したがって後部ロボットアセンブリ40はクラスタツール構成の一部ではないため、基板上に移送ステップA5〜A6、プロセスステップ510が実行されない。この構成では、全ての処理ステップおよび移送ステップはクラスタツール10内で実行される。
【0062】
第5クラスタツール構成
A.システム構成
[00114]図5Aは、1個の処理ラック(要素60)の周囲に位置決めされた前端ロボットアセンブリ15、後部ロボット40、システム制御装置101、4個のロボットアセンブリ11(図9〜図11;図5A中の要素11A、11B、11C、11D)を有するクラスタツール10の一実施形態の平面図である。これらのアセンブリは全て、処理ラック60内に見られる様々な処理チャンバを使用して、所望の基板処理シーケンスの少なくとも1つの態様を実行するように適合されている。図5Aに図示した実施形態は、既に図示された構成と類似しているため、適当な箇所には類似の符号を使用している。この構成では、第1処理ラック60内に搭載したプロセスチャンバに冗長的にアクセスできる4個のロボットを使用することにより、3個以下のロボットを有するシステムが経験する基板移送の欠点を低減する。この構成は、処理シーケンスの処理ステップの数が多く、チャンバ処理時間が短い場合に、ロボットによって制限されるタイプの欠点を除去する上で特に有効である。
【0063】
[00115]この構成では、第1ロボットアセンブリ11Aと第2ロボットアセンブリ11Bは、基板にアクセスし、これを側部60Aから第1処理ラック60内の処理チャンバ間で移送するように適合されており、また、第3ロボットアセンブリ11Cと第4ロボットアセンブリ11Dは、基板にアクセスし、これを側部60Bから第1処理ラック60内の処理チャンバ間で移送するように適合されている。
【0064】
[00116]第1ロボットアセンブリ11Aおよび第2ロボットアセンブリ11B、第3ロボットアセンブリ11Cおよび第4ロボットアセンブリ11D、並びにシステム制御装置101は、様々なロボットの「重なり合い」を可能にし、また、システム制御装置の論理スケジューラに、ユーザからの入力と、クラスタツール全体に分布した様々なセンサからの入力とに基づいて、タスクと基板動作の優先順位を付けさせるように適合されており、さらに、ロボットがシステムにかけて基板を最適に移送できるようにするための衝突防止システムを使用することができる。クラスタツールの利用を最大化し、CoOの向上させる目的で、クラスタツール構築とシステム制御装置101を共に使用することで、ウェーハ履歴の繰り返し可能性画高まり、システムの信頼性が向上する。
【0065】
B.移送シーケンスの例
[00117]図5Bは、図5Aに示したクラスタツールを介して、図1Fで説明した処理シーケンスを完了するために、使用できる一連の移送ステップの一例を図示している。この実施形態では、前端ロボットアセンブリ15が基板をポッドアセンブリ105(アイテム#105D)から除去し、移送経路Aを追随して、通過位置9Cに位置決めしたチャンバへ送出する。これにより、基板上で通過ステップ502を完了できるようになる。通過ステップ502の完了後、第3ロボットアセンブリ11Cが、基板を、移送経路Aを追随して第1処理チャンバへ移送し、このチャンバにおいて、基板上でプロセスステップ504が完了される。プロセスステップ504の完了後に、第4ロボットアセンブリ11Dが、基板を、移送経路Aを追随して第2プロセスチャンバ532へ移送する。プロセスステップ506の実行後、次に第4ロボットアセンブリ11Dが、基板を、移送経路Aを追随して交換チャンバ533(図7A)へ移送する。プロセスステップ508の実行後に、後部ロボットアセンブリ40が、基板を、移送経路Aを追随して外部処理システム536へ移送し、ここでプロセスステップ510が実行される。プロセスステップ510の実行後、後部ロボットアセンブリ40が、基板を、移送経路Aを追随して交換チャンバ533(図7)へ移送し、ここでプロセスステップ512を実行する。プロセスステップ512の実行後、第1ロボットアセンブリ11Aが、基板を、移送経路Aを追随してプロセスチャンバ534へ移送し、ここでプロセスステップ514を実行する。続いて、第1ロボットアセンブリ11Aを使用して、基板を、移送経路Aを追随してプロセスチャンバ535へ移送する。プロセスステップ516の完了後、第2ロボットアセンブリ11Bが、基板を、移送経路Aを追随して、通過位置9Bに位置決めされた通過チャンバへ移送する。通過ステップ518の実行後に、前端ロボットアセンブリ15が、基板を、移送経路A10を追随してポッドアセンブリ105Dへ移送する。
【0066】
[00118]さらに、一実施形態では、クラスタツール10は外部処理システム536と接続または通信しておらず、したがって後部ロボットアセンブリ40はクラスタツール構成の一部ではないため、基板上で移送ステップA5〜A6、プロセスステップ510が実行されない。この構成では、全ての処理ステップおよび移送ステップはクラスタツール10内で実行される。
【0067】
第6クラスタツール構成
A.システム構成
[00119]図6Aは、前端ロボットアセンブリ15、後部ロボットアセンブリ40、システム制御装置101、2個の処理ラック(要素60、80)の周囲に位置決めされた8つのロボットアセンブリ11(図9〜図11;図6A中の要素11A、11B、11C、11D〜11H)を有するクラスタツール10の一実施形態の平面図であり、これらのアセンブリは全て、処理ラック内に見られる様々な処理チャンバを使用して、所望の基板処理シーケンスのうち少なくとも1つの態様を実行するように適合されている。図6Aに図示した実施形態は先に図示した構成と類似しているため、適切な箇所には類似の符号を使用している。この構成は、処理ラック60、80内に搭載されたプロセスチャンバに冗長的にアクセスできる8個のロボットを使用することで、ロボット使用数が少ないシステムが経験する基板移送の欠点を低減する。この構成は、プロセスシーケンスにおける処理ステップ数が多く、チャンバ処理時間が短い場合に多く見られる、ロボットにより制限されるタイプの欠点を除去する上で特に有効である。
【0068】
[00120]この構成では、第1ロボットアセンブリ11Aと第2ロボットアセンブリ11Bは、側部60Aから第1処理ラック60内の処理チャンバにアクセスするように適合され、また、第7ロボットアセンブリ11Gと第8ロボットアセンブリ11Hは、側部80Bから第2処理ラック80内の処理チャンバにアクセスするように適合されている。1つの態様では、第3ロボットアセンブリ11Cと第4ロボットアセンブリ11Dは、側部60Bから第1処理ラック60内の処理チャンバにアクセスするように適合されている。1つの態様では、第5ロボットアセンブリ11Eと第6ロボットアセンブリ11Fは、側部80Aから第2処理ラック80内の処理チャンバにアクセスするように適合されている。1つの態様では、第4ロボットアセンブリ11Dはさらに、側部80Aから第2処理ラック80内の処理チャンバにアクセスするように適合され、第5ロボットアセンブリ11Eはさらに、側部60Bから第1処理ラック60内の処理チャンバにアクセスするように適合されている。
【0069】
[00121]ロボットアセンブリ11A〜11H、並びにシステム制御装置101は、様々なロボットの「重なり合い」を可能にするように適合でき、また、システム制御装置の論理スケジューラが、ユーザからの入力と、クラスタツール全体に分布している様々なセンサからの入力とに基づいて、タスクおよび基板動作に優先順序をつけられるように適合でき、さらに、ロボットがシステムにかけて基板を最適に移送できるようにする衝突防止システムを使用することができる。クラスタツールの利用を最大化してCoOを向上させる目的で、クラスタツール構築とシステム制御装置101を共に使用することにより、ウェーハ履歴の繰り返し可能性が高まり、システムの信頼性が向上する。
【0070】
B.移送シーケンスの例
[00122]図6Bは、図1Fで説明した処理シーケンスを、図6Aに示すクラスタツールを介して完了するために使用できる移送ステップの第1処理シーケンスの一例を図示している。この実施形態では、前端ロボットアセンブリ15がポッドアセンブリ105(アイテム#105D)から基板を除去し、これを、移送経路Aを追随して通過チャンバ9Fへ送出する。これにより、基板上で通過ステップ502を完了できるようになる。通過ステップ502の完了後、次に第6ロボットアセンブリ11Fが、基板を、移送経路Aを追随して第1プロセスチャンバ531へ移送され、このチャンバにおいて、基板上でプロセスステップ504が完了される。プロセスステップ504の完了後、第6ロボットアセンブリ11Fが、基板を、移送経路Aを追随して第2プロセスチャンバ532へ移送する。プロセスステップ506の実行後に、第6ロボットアセンブリ11Fが、基板を、移送経路Aを追随して交換チャンバ533(図7A)へ移送する。プロセスステップ508の実行後、次に後部ロボットアセンブリ40が、基板を、移送経路Aを追随して外部処理システム536へ移送され、ここでプロセスステップ510が実行される。プロセスステップ510の実行後に、後部ロボットアセンブリ40が、基板を移送経路Aを追随して交換チャンバ533(図7A)へ移送し、ここでプロセスステップ512が実行される。プロセスステップ512を実行した後に、第5ロボットアセンブリ11Eを使用して基板を、移送経路Aを追随してプロセスチャンバ534へ移送し、ここでプロセスステップ514が実行される。次に、第5ロボットアセンブリ11Eが、基板を、移送経路Aを追随してプロセスチャンバ535へ移送する。プロセスステップ516の完了後、次に、第5ロボットアセンブリ11Eが、基板を、移送経路Aを追随して、通過位置9Eに位置決めされた通過チャンバへ移送する。通過ステップ518の実行後に、前端ロボットアセンブリ15が、基板を、移送経路A10を追随してポッドアセンブリ105Dへ移送する。
【0071】
[00123]図6Bはさらに第2処理シーケンスの一例を図示しており、この第2処理シーケンスは、第2処理ラック80内に見られる異なる処理チャンバを使用して、第1シーケンスと同時に完了される位相ステップを有する。図1C〜図1Dに図示しているように、第1処理ラックと第2処理ラックは、一般的に、所望の処理シーケンスを実行するために使用される同一のプロセスステップ(1つ以上)(例えば、図1CのCD1〜8、図1DのBC1〜6)を実行するように適合された多数の処理チャンバを含有している。したがって、この構成では、各処理シーケンスは、処理ラックに搭載された処理チャンバのいずれかを使用して実行されてもよい。一例では、第2プロセスシーケンスは、第1処理シーケンス(上述)と同じプロセスシーケンスであり、移送ステップA〜A10と同一の位相ステップを含有しているが、この場合にはこれらをA’〜A10’と表しており、また、上述の第5および第6中央ロボットアセンブリ(即ち要素11E〜11F)の代わりに第7および第8中央ロボット(即ち要素11G〜11H)をそれぞれ使用している。
【0072】
[00124]さらに、一実施形態では、クラスタツール10は外部処理システム536と接続または通信しておらず、したがって後部ロボットアセンブリ40はクラスタツール構成の一部ではないため、基板上に移送ステップA5〜A6、処理ステップ510が実行されない。この構成では、全ての処理ステップおよび移送ステップはクラスタツール10内で実行される。
【0073】
第7クラスタツール構成
A.システム構成
[00125]図6Cは、依然として高いシステムスループットを提供しながらシステム幅を低減するために、ロボットアセンブリ(即ちロボットアセンブリ11D)のうち1つを除去している点を除いて、図6Aに図示した構成と類似するクラスタツール10の一実施形態の平面図である。そのため、この構成では、クラスタツール10は前端ロボットアセンブリ15、後部ロボットアセンブリ40、システム制御装置101、2個の処理ラック(要素60、80)の周囲に位置決めした7個のロボットアセンブリ11(図9〜図11;図6C中の要素11A〜11C、11E〜11H9)を有しており、これらのアセンブリは全て、処理ラック内に見られる様々な処理チャンバを使用して所望の処理シーケンスのうち少なくとも1つの態様を実行するように適合されている。図6Cに図示した実施形態は先に図示した構成と類似しているため、適切な箇所に類似の符号を使用している。この構成は、処理ラック60、80内に搭載したプロセスチャンバに冗長的にアクセスできる7個のロボットを使用するため、これよりもロボット数の少ないシステムが経験する基板移送の欠点を低減することができる。この構成は、プロセスシーケンス内の処理ステップ数が多く、チャンバ処理時間が短い場合に多く見られる、ロボットにより制限されてしまうタイプの欠点を除去する上で特に有効である。
【0074】
[00126]この構成では、第1ロボットアセンブリ11Aと第2ロボットアセンブリ11Bは、側部60Aから第1処理ラック60内の処理チャンバにアクセスするように適合され、また、第7ロボットアセンブリ11Gと第8ロボットアセンブリ11Hは、側部80Bから第2処理ラック80内の処理チャンバにアクセスするように適合されている。1つの態様では、第3ロボットアセンブリ11Cと第5ロボットアセンブリ11Eは、側部60Bから第1処理ラック60内の処理チャンバにアクセスするように適合されている。1つの態様では、第5ロボットアセンブリ11Eと第6ロボットアセンブリ11Fは、側部80Aから第2処理ラック80内の処理チャンバにアクセスするように適合されている。
【0075】
[00127]ロボットアセンブリ11A〜11Cおよび11E〜11H、並びにシステム制御装置101は、様々なロボットの「重なり合い」を可能にするように適合でき、また、システム制御装置の論理スケジューラが、ユーザからの入力と、クラスタツール全体に分布している様々なセンサからの入力とに基づいて、タスクおよび基板動作に優先順位を付けられるように適合でき、またさらに、ロボットがシステムにかけて基板を最適に移送できるようにするための衝突防止システムを使用できる。クラスタツールの利用を最大化し、CoOを向上させる目的で、クラスタツール構築とシステム制御装置101を共に使用することにより、ウェーハ履歴の繰り返し可能性が高まり、システムの信頼性が向上する。
【0076】
B.移送シーケンスの例
[00128]図6Dは、図1Fで説明した処理シーケンスを、図6Cに示したクラスタツールを介して完了するために使用できる移送ステップの第1処理シーケンスの一例を図示している。この実施形態では、前端ロボットアセンブリ15が基板をポッドアセンブリ105(アイテム#105D)から除去し、移送経路Aを追随して通過チャンバ9Fへ送出する。これにより、基板上で通過ステップ502を完了できるようになる。通過ステップ502の完了後、次に、第6ロボットアセンブリ11Fが、基板を、移送経路Aを追随して第1プロセスチャンバ531へ移送し、このチャンバにおいて基板上でプロセスステップ504が完了される。プロセスステップ504の完了後、第6ロボットアセンブリ11Fが、基板を移送経路Aを追随して第2プロセスチャンバ532へ移送する。プロセスステップ506の実行後に、第6ロボットアセンブリ11Fが、基板を、移送経路Aを追随して交換チャンバ533(図7A)へ移送する。プロセスステップ508の実行後に、後部ロボットアセンブリ40が、基板を、移送経路Aを追随して外部処理システム536へ移送し、ここでプロセスステップ510を実行する。プロセスステップ510の実行後に、後部ロボットアセンブリ40が、基板を、移送経路Aを追随して交換チャンバ533(図7A)へ移送し、ここでプロセスステップ512が実行される。プロセスステップ512の後、第5ロボットアセンブリ11Eが、基板を、移送経路Aを追随してプロセスチャンバ534へ移送し、ここでプロセスステップ514が実行される。次に、第5ロボットアセンブリ11Eが、基板を、移送経路Aを追随してプロセスチャンバ535へ移送する。プロセスステップ516の完了後に、第5ロボットアセンブリ11Eは、基板を、移送経路Aを追随して、通過位置9Eに位置決めされた通過チャンバへ移送する。通過ステップ518の実行後、前端ロボットアセンブリ15は、基板を移送経路A10を追随してポッドアセンブリ105Dへ移送する。
【0077】
[00129]図6Dはまた第2処理シーケンスの一例を図示しており、この第2処理シーケンスは、第2処理ラック80内に見られる異なる処理チャンバを使用して第1シーケンスと同時に完了される位相ステップを有する。図1C〜図1Dに図示しているように、第1処理ラックと第2処理ラックは、一般的に、所望の処理シーケンスを実行するために使用するものと同一のプロセスステップ(1つ以上)(例えば、図1CのCD1〜8、図1DのBC1〜6)を実行するように適合された多数の処理チャンバを含有している。そのため、この構成では、各処理シーケンスを、処理ラック内に搭載された任意の処理チャンバを使用して実行できる。一例では、第2プロセスシーケンスは、第1プロセスシーケンス(上述)と同一のプロセスシーケンスであり、同一の移送ステップA〜A10を含有しているが、この場合にはこれらをA’〜A10’で表しており、この移送ステップでは、第5および第6中央ロボットアセンブリ(即ち要素11E〜11F)の代わりにそれぞれ第7および第8中央ロボット(即ち要素11G〜11H)を上述のとおり使用する。
【0078】
[00130]さらに、一実施形態では、クラスタツール10は外部処理システム536と接続または通信しておらず、したがって後部ロボットアセンブリ40はクラスタツール構成の一部ではないため、基板上で移送ステップA5〜A6、プロセスステップ510が実行されない。この構成では、全ての処理ステップおよび移送ステップはクラスタツール10内で実行される。
【0079】
後部ロボットアセンブリ
[00131]一実施形態では、図1〜図6に示すように、中央モジュール25は、外部モジュール5と、交換チャンバ533のような第2処理ラック80内の処理チャンバとの間で基板を移送するように適合された後部ロボットアセンブリ40を含有している。図1Eを参照すると、1つの態様において、後部ロボットアセンブリ40は一般的に、1つのアーム/ブレード40Eを有する、従来型の選択的に従順な連結式ロボットアーム(SCARA)ロボットを含有している。別の実施形態では、後部ロボットアセンブリ40は、2つのグループの間で基板の交換および/または移送を行うために、2個の独立的に制御可能なアーム/ブレード(図示せず)を有したSCARAタイプのロボットであってもよい。2個の独立的に制御可能なアーム/ブレードタイプのロボットは、例えば、ロボットが、次の基板を同じ位置に置く前に、基板を所望の位置から除去する必要がある場合に有利である。例示的な2個の独立的に制御可能なアーム/ブレードタイプのロボットは、カリフォルニア州フレモントにあるアシスト・テクノロジー(Asyst Technologies)社から購入できる。図1〜図6は、後部ロボットアセンブリ40を含有した構成を図示しているが、この一方で、クラスタツール10の一実施形態は後部ロボットアセンブリ40を含有していない。
【0080】
[00132]図7Aは、処理ラック(例えば要素60、80)内の支持チャンバ165(図1D)内に位置決めできる交換チャンバ533の一実施形態を図示する。一実施形態では、交換チャンバ533は、クラスタツール10内の少なくとも2個のロボットが、基板への堆積または基板の取り上げを行うために、基板を受容および維持できるように適合されている。1つの態様では、後部ロボットアセンブリ40と、中央モジュール25内の少なくとも1つのロボットとが、交換チャンバ533からの基板に堆積を行うように、および/または基板を受容するように適合されている。一般的に交換チャンバ533は、基板支持アセンブリ601と、囲壁602と、囲壁602の壁に形成された少なくとも1つのアクセスポート603とを含有している。一般的に、基板支持アセンブリ601は複数の支持フィンガ610(図7Aには6本を示す)を有する。これらの支持フィンガは、上に位置決めされた基板を支持および維持するための基板受容面611を有する。囲壁602は、一般的に、交換チャンバ533内に維持されている基板の周囲の環境を制御するために、基板支持アセンブリ601を包囲するための1つ以上の壁を有する構造である。一般的に、アクセスポート603は、外部ロボットが基板を取り上げて、支持フィンガ610へ降ろせるようにするために、囲壁602の1壁に設けた開口部である。1つの態様では、基板支持アセンブリ601は、囲壁602にアクセスするよう適合された、少なくとも90°の角度で離間している2つ以上のロボットによって、基板を基板受容面611上に位置決めし、さらにここから除去するように適合されている。
【0081】
[00133]図7Bに図示したクラスタツール10の一実施形態では、後部ロボットアセンブリ40の基部40Aは、スライドアセンブリ40Bに接続した支持部ブラケット40C上に搭載されており、したがって、基部40Aは、スライドアセンブリ40Bの長さに沿った任意の地点に位置決めされる。この構成では、後部ロボットアセンブリ40は、基板を処理チャンバから第1処理ラック60内、第2処理ラック80内、および/または外部モジュール5内へ移送するように適合されている。一般的に、スライドアセンブリ40Bは、これの上に支持ブラケット40Cと後部ロボットアセンブリ40を維持するために、当分野で周知の直線ボールベアリングスライド(図示せず)とリニアアクチュエータ(図示せず)を含有している。リニアアクチュエータは、イリノイ州ウッドデールにあるダナハー・モーション社(Danaher Motion)より購入できる駆動直線無ブラシサーボモータであってもよい。図7Bに図示しているように、スライドアセンブリ40Bはy方向に向いていてもよい。この構成では、ロボットアセンブリ11A、11B、11Cとの衝突を防止するために、制御装置は、スライドアセンブリ40Bが他の中央ロボットアセンブリ(例えば、要素11A、11Bなど)と衝突せずに移動できる場合に、後部ロボットアセンブリ40のみを移動するように適合される。一実施形態では、後部ロボットアセンブリ40は、他の中央ロボットアセンブリを妨害しないように位置決めされたスライドアセンブリ40B上に搭載されている。
【0082】
環境制御
[00134]図8Aは、取り付け式の環境制御アセンブリ110を有するクラスタツール10の一実施形態を図示しており、このアセンブリ110は、クラスタツール10を閉鎖することで、所望の処理シーケンスに見られる様々な基板処理ステップを実行する制御された処理環境を提供する。図8Aは、図1Aに図示したものと同じクラスタツール10構成を図示しているが、この場合には処理チャンバの上に環境閉鎖部が位置決めされている。一般的に、環境制御アセンブリ110は、1つ以上の濾過ユニット112、1つ以上のファン(図示せず)および光学クラスタツール基部10Aを含有している。1つの態様では、1つ以上の壁113をクラスタツール10に追加してこれを閉鎖することで、基板処理ステップを実行するための制御された環境を提供している。一般的に、環境制御アセンブリ110は、クラスタツール10内における空気流量、流れ状況(例えば、層流あるいは乱流)および微粒子汚染レベルを制御するように適合されている。1つの態様では、環境制御アセンブリ110はまた、空気温度、相対湿度、空気中の静電電荷量と、さらにこれ以外の、従来型のクリーンルームに適合可能な加熱換気および空調(HVAC)システムの使用によって制御できる、典型的な処理パラメータとを制御することができる。動作中に、環境制御アセンブリ110が、ファン(図示せず)を使用して、クラスタツール10の外部に設けたソース(図示せず)または領域から空気を引き入れる。次にファンは空気をフィルタ111に通し、クラスタツール10へ送り、クラスタツール基部10Aを介してクラスタツール10から排出する。1つの態様では、フィルタ111は高効率微粒子空気(HEPA)フィルタである。一般的に、クラスタツールベース10Aはクラスタツールの床または底部領域であり、ファン(1つ以上)によってクラスタツール10から空気を押し通し排出させることが可能な多数の溝10B(図12A)か多孔部を含有している。
【0083】
[00135]図8Aはさらに、複数の別々の環境制御アセンブリ110A〜Cを有する環境制御アセンブリ110の一実施形態を図示しており、この環境制御アセンブリ110A〜Cは、所望の処理シーケンスに見られる様々な基板処理ステップを提供する制御された処理環境を提供する。また、この別々の環境制御アセンブリ110A〜Cのそれぞれは、中央モジュール25内のロボットアセンブリ11(例えば、図1〜図6の要素11A、11Bなど)の上に位置決めされており、各ロボットアセンブリ11の上を通る空気の流れを別々に制御する。この構成は、ロボットアセンブリどうしが処理ラックによって相互から物理的に隔離されているため、図3A、図4Aに図示した構成において特に有利であり得る。一般的に、別々の環境制御アセンブリ110A〜Cは、制御された空気を排出するために、濾過ユニット112、ファン(図示せず)、および光学クラスタツール基部10Aを含有している。
【0084】
[00136]図8Bは、クラスタツール10に搭載された1個の濾過ユニット112を有する環境制御アセンブリ110の断面図を図示しており、またこの図は、y方向およびz方向と平行に方位付けされた断面平面を使用して見たものである。この構成では、環境制御アセンブリ110は1個の濾過ユニット112、1つ以上のファン(図示せず)、およびクラスタツール基部10Aを有する。またこの構成では、環境制御アセンブリ110からクラスタツール10内へ垂直に送出された空気(要素「A」)は、処理ラック60、80およびロボットアセンブリ11A〜Cの周囲を流れた後に、クラスタツール基部10Aから排出される。1つの態様では、壁113は、クラスタツール10内部に処理領域を封鎖および形成するように適合されているため、処理ラック60、80内に維持された処理チャンバ周囲の処理環境を、環境制御アセンブリ110から送出された空気によって制御することができる。
【0085】
[00137]図8Cは、クラスタツール10上に搭載された複数の別々の環境制御アセンブリ110A〜Cを有する環境制御アセンブリ110の断面図を図示しており、この図は、y方向およびz方向(図1A)と平行して方位付けされた断面平面を使用して見たものである。この構成では、環境制御アセンブリ110はクラスタツール基部10Aと、3個の環境制御アセンブリ110A〜Cと、環境制御アセンブリ110A〜Cの下面114へ、またはこれよりも上へ延びた第1処理ラック60と、環境制御アセンブリ110A〜Cの下面114へ、またはこれよりも上へ延びた第2処理ラックとを含有している。一般的に、3個の環境制御アセンブリ110A〜Cのそれぞれは、1つ以上のファン(図示せず)とフィルタ111を含有している。この構成では、空気は環境制御アセンブリ110A〜Cのそれぞれからクラスタツール10へ垂直方向(要素「A」)に送出され、処理ラック60、80とロボットアセンブリ11A〜Cの間を通り、クラスタツール基部10Aから排出される。1つの態様では、壁113は、クラスタツール10内部において処理領域を封入および形成するように適合されているため、処理ラック60、80内に維持された処理チャンバ周囲の処理環境を、環境制御アセンブリ110から送出された空気によって制御することができる。
【0086】
[00138]別の実施形態では、クラスタツール10は、微粒子含有率の低い空気をクラスタツール10から所望の速度で送出し、その後クラスタツール基部10Aから排出するように適合されたクリーンルーム環境内に置かれている。この構成では、一般的に環境制御アセンブリ110は不要であるため使用していない。クラスタツール10内に維持された処理チャンバ周囲の空気および環境の性質を制御する能力は、微粒子汚染により装置生産性の問題を引き起こす可能性のある、粒子蓄積の制御および/または最小化において重要な要因である。
【0087】
ロボットアセンブリ
[00139]一般的に、本明細書で説明したクラスタツール10の様々な実施形態は、ロボットアセンブリ(例えば図9Aの要素11)のサイズの縮小化によって生じたクラスタツールフットプリントと、基板移送プロセス中に、ロボットが別のクラスタツール構成部品(例えば、ロボット(1つ以上)、プロセスチャンバ)が占有するスペースに物理的に侵害することを最小化するロボット設計とのために、従来技術の構成にかけて特に有利である。物理的な侵害を低減することにより、ロボットと他の外部の構成部品との衝突を防止できる。クラスタツールのフットプリントを低減する一方で、本明細書で説明しているロボットの実施形態はさらに、移送動作を実行するために制御する必要のある軸の本数を減少させることによる特定の利点を有している。この態様は、ロボットアセンブリ、さらにはクラスタツールの信頼性を向上させるために重要である。この局面の重要性は、システムの信頼性がシステム内の各構成部品の信頼性の積に比例することに留意することでより理解される。各起動時間99%の3個のアクチュエータのシステム起動時間は97.03%であり、各起動時間99%の4個のアクチュエータのシステム起動時間は96.06%であるため、起動時間99%の3個のアクチュエータを有するロボットは、起動時間99%の4個のアクチュエータを有するロボットよりも常に優れていることになる。
【0088】
[00140]本明細書で説明したクラスタツール10の実施形態はさらに、クラスタツールにかけて基板を移送するために必要な通過チャンバ(たとえば、図1Bの要素9A〜C)の数を低減したために、従来技術の構成にかけて特定の利点を有する。従来技術のクラスタツール構成は、普通に、処理シーケンスにおいて2つ以上の通過チャンバ、または一時的な基板維持ステーションを設置することで、処理シーケンス中にクラスタツールロボットが、1つ以上の処理チャンバの間の中央に位置決めされたロボットと、1つ以上の他の処理チャンバとの間で基板を移送できるようにする。次の処理ステップを実行しない複数の通過チャンバ内に基板を連続的に置くプロセスは時間の無駄であり、ロボット(1つ以上)の利用可能性を低下させ、クラスタツール内のスペースを無駄にし、ロボット(1つ以上)の摩擦を増加させる。また、通過ステップを追加すると、基板の受け渡し数が増加して裏面の粒子汚染が増加するため、装置生産性が悪影響を受ける。さらに、複数の通過ステップを含有した基板処理シーケンスの基板ウェーハ履歴は、通過チャンバ内で経過した時間を各基板毎に制御しない限りそれぞれ根本的に異なったものになる。通過チャンバ内に滞在する時間を制御することにより、プロセス変数が追加されることでシステムの複雑性が増してしまい、これの結果、達成可能な最大基板スループットに害が及ぶ可能性がある。このクラスタツール構成は一般的に、基板上で任意の処理が生じる以前と、基板上で全ての処理ステップが完了した後にのみ通過ステップ(例えば、図1Fのステップ502および518)を有することで、処理ステップ間の通過ステップが除去されるため、一般的に基板ウェーハ履歴への影響が殆どあるいは全くなくなり、処理シーケンス基板移送時間が大幅に延長することがなくなる。したがって、本明細書で説明した本発明の態様は従来技術の構成の落とし穴を防止できる。
【0089】
[00141]システムスループットがロボットによって制限される場合には、クラスタツールの最大基板スループットを、プロセスシーケンス完了までのロボット動作の総数と、ロボットを動作させるために要する時間とによって管理する。ロボットに所望の動作をさせるために要する時間は、通常、ロボットハードウェア、処理チャンバ間の距離、関係する基板の清潔度、システム制御の制限によって制限される。典型的に、ロボットの動作時間は、ロボットのタイプ毎にそれほどの違いはなく、ほぼ一定の業界幅を保っている。したがって、処理シーケンスを完了するためのロボット動作が根本的に少ないクラスタツールは、処理シーケンスの完了により多くの動作を要するクラスタツール、例えば複数の通過ステップを含有したクラスタツールよりもシステムスループットが高い。
【0090】
デカルトロボット構成
[00142]図9Aは、1つ以上のロボットアセンブリ11(例えば、図1〜図6で上述した要素11A〜H)として使用できるロボットアセンブリ11の一実施形態を図示している。一般的に、ロボットアセンブリ11はロボットハードウェアアセンブリ85、1つ以上の垂直ロボットアセンブリ95および1つ以上の水平ロボットアセンブリ90を含有している。そのため、システム制御装置101より送信されたコマンドに従って、ロボットハードウェアアセンブリ85、垂直ロボットアセンブリ95および水平ロボットアセンブリ90を協働させることで、基板をクラスタツール10内のx、y、zのうち任意の所望位置に位置決めすることができる。
【0091】
[00143]一般的に、ロボットハードウェアアセンブリ85は、システム制御装置101から送信されたコマンドを使用して1つ以上の基板を維持、移送および位置決めするように適合された、1つ以上の移送ロボットアセンブリ86を含有している。一実施形態では、図9〜図11に示した移送ロボットアセンブリ86は、例えば図11Aに図示したX方向とY方向を含む平面のような水平面上で、様々な移送ロボットアセンブリ86構成部品の動作によって基板を移送するように適合されている。1つの態様では、移送ロボットアセンブリ86は、ロボットブレード87の基板支持面87C(図10C)と一般的に平行な平面にて基板を移送するように適合されている。図10Aはロボットハードウェアアセンブリ85の一実施形態を図示しており、このアセンブリは、基板を移送するように適合された1つの移送ロボットアセンブリ86を含有している。図10Bは、ブレード87A〜B(および第1接合部310A〜310B)を短い距離で離間させて置くことができるよう、相互に対向する方位に位置決めされた2個の移送ロボットアセンブリ86を含有したロボットハードウェアアセンブリ85の一実施形態を図示している。図10Bに示した構成、または「上/下」タイプのブレード構成は、例えば、「除去された」基板を別のチャンバへ移動するために(即ち基板の「取り換え」)ロボットハードウェアアセンブリ85を基本位置から離れさせることなく、次に処理する基板を処理チャンバに置く前に同処理チャンバから基板を除去することが望ましい場合に有利であり得る。別の態様では、ロボットはこの構成により、全てのブレードを充填した後に、基板を2枚以上毎のグループにてツール内の所望の場所に移送することができる。基板を2枚以上毎にグループ化するプロセスは、基板移送に要するロボット動作の数を減少できるため、クラスタツール内の基板スループットの向上を助ける。図10A〜図10Bに表した移送ロボットアセンブリ86は2本の棒を接合させたロボット305タイプのロボット(図10C)であるが、この構成は、本明細書で説明した実施形態と共に使用できるロボットアセンブリの方位およびタイプに関して制限することを意図したものではない。一般的に、図10Bの図示にあるような2個の移送ロボットアセンブリ86を有するロボットハードウェアアセンブリ85の実施形態は、同一の基本構成部品を含有した2個の移送ロボットアセンブリ86を有するため、これ以降での1つの移送ロボットアセンブリ86の説明はまた、2個のロボットアセンブリの態様(1つ以上)に見られる構成部品の説明も兼ねるものとする。
【0092】
[00144]移送ロボットアセンブリ86を包囲し、内部において、ロボット構成部品と基板が、ロボットアセンブリ11の外部にある他のクラスタツール構成部品と衝突することなく自由に動作できる領域のサイズを縮小できることは、図9〜図11に図示したクラスタツールおよびロボット構成の1つの利点である。ロボットおよび基板が自由に動作できる範囲は、「移送領域」(図11Cの要素91)として知られている。一般的に移送領域91は、基板を、他のクラスタツール構成部品と衝突しないようにロボットブレード上に維持した状態で、ロボットが内部において自由に動作できる容量(x、yおよびz方向)として定義できる。移送領域は容量として説明できるが、一方で、移送領域の最も重要な態様は、クラスタツールのフットプリントおよびCoOに直接影響することから、移送領域が占有する水平範囲(xおよびy方向)であることが多い。移送領域の水平な構成部品が少ないほど、様々なロボットアセンブリ(例えば、図1〜図6の要素11A、11B、11Cなど)をロボットと共に、あるいはロボットにより接近させて置くことができ、または、ロボットを処理ラックにより接近させて置くことができるため、移送領域の水平範囲はクラスタツールのフットプリントを定義する上での重要な要因である。移送領域のサイズを定義する上での1つの要因に、移送領域が、他のクラスタツール構成部品が占有しているスペースをロボットが物理的に侵害することを低減あるいは防止できるほどに十分大きく確保されている必要性がある。この実施形態はロボットアセンブリ86構成部品を水平動作アセンブリ90の移送方向(x方向)に沿って移送領域内に引き込む方法をとるため、本明細書で説明した実施形態は従来技術にかけて有する特定の利点を有する。
【0093】
[00145]図11Jを参照すると、一般的に水平範囲は幅「W」(y方向)と長さ「L」(x方向)の2個の構成部分に分けることができる。本明細書で説明している実施形態は、さらに、ロボットを包囲する隙間範囲の幅「W」の縮小により、ロボットが基板を処理チャンバ内に高い信頼性で位置決めできるため、さらなる利点を有する。一般的に、従来型のSCARAロボット(例えば、図11KのアイテムCR)は、引き込み状態にてロボット(例えばアイテムC)の中心から或る距離だけ延びたアーム(例えば要素A)を有しており、そのため、ロボット周囲の範囲は何も設けられていない状態で、アーム構成要素を、他のクラスタツール構成部品(例えば、他のロボット、処理ラック構成部品)を妨害することなく回転可能に方位付けできなければならないために、ロボットの相互に対する相対空間(即ち幅「W」)が増加することに留意することで、従来型の複数の棒を接合させた選択的なコンプライアンスアセンブリロボットアーム(SCARA)タイプのロボットにかけての、幅「W」縮小の改善による恩典を理解することができる。さらに、従来型SCARAタイプのロボット構成は、基板を処理チャンバ内で方位付けおよび位置決めさせるために制御する軸の本数も多いため、本明細書で説明したいくつかの実施形態よりも複雑である。図11Jを参照すると、1つの態様において、移送領域91の幅Wは、基板(即ち、図11Jの基板「S」)のサイズよりも約5〜50%大きい。基板が300mmの半導体ウェーハである一例においては、移送領域の幅Wは約315〜450mm、好ましくは約320〜360mmである。図1Bを参照すると、一例において、第1処理ラック60の側部60Bと第2処理ラック80の側部80Aの間の距離は、300mmの基板処理ツールの場合で約945mm(例えば315%)であってもよい。別の例では、第1処理ラック60の側部60Bと第2処理ラック80の側部80Aの間の距離は、300mmの基板処理ツールの場合で約1350mm(例えば450%)であってもよい。一般的に、移送領域とは、ロボット周囲の領域であり、その領域内では、ロボットは、所望の位置で基板を取り上げた後にロボットブレードが引き込まれると、処理シーケンスにおいて次の処理チャンバの外にあるスタート位置(SP)へ到達するまで動作可能となることの説明を意図したものである点に留意すべきである。
【0094】
2本の棒を接合させたロボットアセンブリ
[00146]図10Aおよび図10Cは、一般的に、支持板321、第1接合部310、ロボットブレード87、伝送システム312(図10C)、囲壁313、モータ320を含有した、2本の棒を接合させたロボット305タイプの移送ロボットアセンブリ86の一実施形態を図示している。この構成では、移送ロボットアセンブリ86は、垂直アクチュエータアセンブリ560(図13A)に取り付けた支持板321を介して、垂直動作アセンブリ95に取り付けられている。図10Cは、2本の棒を接合させたロボット305タイプの移送ロボットアセンブリ86の一実施形態の側断面図を図示している。一般的に、この2本の棒を接合させたロボット305内の伝送システム312は、例えばモータ320の回転というような電力伝送要素の動作によってロボットブレード87を動作させるように適合された、1つ以上の電力伝送要素を含有している。一般的に、伝送システム312は、1つの要素から別の要素への回転または並進動作を移送するように適合された従来型のギア、滑車などを含有していてもよい。本明細書で使用されている用語「ギア」を一般的に、ベルト、歯またはこれ以外の典型的な手段によって第2構成部品に回転的に結合しており、1つの要素から別の要素へ動作を伝送するように適合された構成部品を説明することが意図されている。一般的に、本明細書で使用しているギアは、従来のギアタイプの装置または滑車タイプの装置でもよく、それらは、平歯車、ベベルギア、ラックおよび/またはピニオン、ウォームギア、タイミング滑車、v字型ベルト滑車のような構成部品を含んでいてもよいが、しかしこれに限定されるものではない。1つの態様では、図10Cに示す伝送システム312は、第1滑車システム355と第2滑車システム361を含有している。第1滑車システム355はモータ320に取り付けた第1滑車358と、第1接合部310に取り付けた第2滑車と、さらに、モータ320が第1接合部310を駆動できるようにするための、第1滑車358を第2滑車356に取り付けるベルト359とを有する。1つの態様では、複数のベアリング356Aは、第2滑車356が第3滑車354の軸Vの周囲で回転できるように適合されている。
【0095】
[00147]第2滑車システム361は、支持板321に取り付けた第3滑車354と、ブレードに取り付けた87に取り付けた第4滑車352と、第3滑車354を第4滑車352に接続されたベルト362とを有しており、これにより、第1接合部310が回転するとブレード87が第1接合部310に結合したベアリング軸353(図11Aの旋回部V)の周囲で回転できるようになっている。基板の移送時に、モータが第1滑車358を駆動させると第2滑車356が駆動し、これにより第1接合部310が回転することで、第1接合部310の角度回転と並進3滑車354周囲のベルト362とによって第4滑車352が回転される。一実施形態では、モータ320とシステム制御装置101は、モータ320の角位置と、これに取り付けられた全ての構成部品との制御を可能にする閉鎖ループ制御システムを形成するように適合されている。1つの態様では、モータ320はステッパモータあるいは直流サーボモータである。
【0096】
[00148]1つの態様では、第1滑車システム355および第2滑車システム361の伝送率(例えば、直径率、ギア歯数の比率)を、経路(例えば、図11Cまたは図11Dの要素P)の所望の形状と分解を達成するように設計することができる。基板は、移送ロボットアセンブリ86によって位置決めされるとこの経路に沿って動作する。これ以降、伝送率を、被駆動要素サイズに対する駆動要素サイズとして、あるいはこの場合では、たとえば、第4滑車352上の歯数に対する第3滑車354の歯数の比率として定義する。そのため、例えば、第1接合部310を270°回転させることでブレード87が180°回転した場合には、伝送率0.667、あるいはギア比率3:2と見なされる。ギア比率という用語は、第1ギアのターン数Dによって第2ギアのターン数D、あるいはD:D比率が生じることを意味するものである。したがって、3:2比率とは、第1ギアが3回ターンすると第2ギアが2回ターンするため、第1ギアのサイズを第2ギアのサイズの2/3にする必要があることを意味する。1つの態様では、第3滑車354と第4滑車352のギア比率は約3:1〜4:3、好ましくは約2:1〜3:2である。
【0097】
[00149]図10Eは、一般的に支持板321、第1接合部310、ロボットブレード87、伝送第1システム312(図10E)、囲壁313、モータ320、第2モータ371を含有した、2本の棒を接合させたロボット305タイプの移送ロボットアセンブリ86の別の実施形態を図示している。図10Eに図示の実施形態は、第2モータ371と制御装置101からのコマンドとを使用して第3滑車354の回転位置を調整できる点を除いて、図10Cに示した実施形態と類似している。図10Cおよび図10Eは類似しているため、明瞭化の目的で同様の符号を使用している。この構成では、移送ロボットアセンブリ86は、垂直アクチュエータアセンブリ560(図13A)に取り付けた支持板321によって、垂直動作アセンブリ95に取り付けられている。図10Eは、2本の棒を接合させたロボット305のタイプの移送ロボットアセンブリ86の一実施形態の側断面図を図示している。2本の棒を接合させたロボット305における伝送システム312は、一般的に、モータ320および/または第2モータ371の動作によってロボットブレード87を動作させるように適合された、2個の電力伝送要素を含有している。一般的に、伝送システム312は、1つの要素から別の要素へ回転または並進動作を移送するように適合されたギア、滑車などを含有していてもよい。1つの態様では、伝送システム312は第1滑車システム355と第2滑車システム361を含有している。第1滑車システム355は、モータ320に取り付けた第1滑車358と、第1接合部310に取り付けた第2滑車356と、第1滑車358を第2滑車356に接続するベルト359とを有しており、これにより、モータ320が第1接合部310を駆動できるようになっている。1つの態様では、複数のベアリング356Aは、第2滑車356を第3滑車354の軸Vの周囲で回転させるように適合されている。図10Eには図示されていない1つの態様では、ベアリング356Aは、図10Eに示すように第3滑車354ではなく、支持板321上に形成された特徴部の上に搭載されている。
【0098】
[00150]第2滑車システム361は、第2モータ371に取り付けた第3滑車354と、ブレード87に取り付けた第4滑車352と、第3滑車354を第4滑車352に接続させるベルト362とを有し、これにより、第1接合部310が回転するとブレード87が第1接合部310に結合しているベアリング軸353(図11Aの旋回部V)の周囲で回転できるようになっている。第2モータ371は支持板321上に搭載されている。基板の移送時に、モータ320が第1滑車358を駆動させると第2滑車356と第1接合部310が回転し、これにより、第1接合部310と、第3滑車354周囲のベルト362とが角回転することで第4滑車352が回転される。この構成では、図10Cに示した構成と比較して、モータ320が第1接合部310を回転させている最中に第3滑車を回転することができる。これにより、第3滑車354と第4滑車352の間の相対動作を調整することで、第3滑車354と第4滑車352の間のギア比率を変更できるようになる。このギア比率が、第1接合部310に対するロボットブレード87の動作に影響を与えることに留意する。この構成では、ギア比率はギアサイズによって固定されていないため、動作を移送するロボットブレードの各部分においてギア比率を変更することで、所望のロボットブレード移送経路(図11Dを参照)を達成することが可能である。一実施形態では、モータ320、第2モータ371およびシステム制御装置101は、モータ320の角位置と、第2モータ371の角位置と、およびこれらの要素に取り付けられている全ての構成部品とを制御できる閉鎖ループ制御システムを形成するように適合されている。1つの態様では、モータ320と第2モータ371はステッパモータまたは直流サーボモータである。
【0099】
[00151]図11A〜図11Dは、2本の棒を接合させたロボット305構成を使用して、基板を、クラスタツール10内で維持された第2処理チャンバ532の所望の位置へ移送および位置決めするロボットアセンブリ11の一実施形態の平面図を図示している。一般的に、2本の棒を接合させるロボット305は、モータ320(図10A〜図10C)、第1接合部310およびロボットブレード87を含有しており、これらは、モータ320の回転動作によって第1接合部310が回転し、これによって、次にロボットブレード87が回転できるように、および/または所望の経路に沿って並進できるように接続している。この構成の利点は、別のロボットまたはシステム構成部品によって現在占有されている、あるいはこれから占有されるスペース内にロボットの構成部品を延ばさなくても、ロボットがクラスタツール内の所望の位置へ基板を移送できる能力である。
【0100】
[00152]図11A〜図11Cは、基板が処理チャンバ532内へ移送される際の、様々な移送ロボットアセンブリ86を位置決めする時間(例えば、それぞれ図11A〜図Cに関連したT〜T)における多数の連続スナップショットを図示することによって、ハードウェアアセンブリ85内の移送ロボットアセンブリ86の動作を図示している。図11Aを参照すると、時間Tにて、移送ロボットアセンブリ86は、垂直動作アセンブリ95構成部品を使用して、所望の垂直方位(z方向)に、また、水平動作アセンブリ90構成部品を使用して、所望の水平位置(x方向)に位置決めされる。図11Aに示すTにおけるロボット位置を、本明細書ではスタート位置(アイテムSP)と呼ぶ。図11Bを参照すると、時間Tにて、第1接合部310が、2本の棒を接合させたロボット305内の旋回点V周囲で旋回され、これにより、結合しているロボットブレード87が旋回点Vの周囲で並進または回転し、この一方で、水平動作アセンブリ90構成部品とシステム制御装置101とを使用して、移送ロボットアセンブリ86のx方向における位置が調整される。図11Cを参照すると、時間Tにて、ロボットブレード87が、移送領域91の中心線Cからy方向へ所望の距離(要素Y)だけ延長されており、また、基板を所望の最終位置(アイテムFP)、あるいは処理チャンバ532内の受け渡し位置に置くために、所望のx方向位置(要素X)に置かれている。ロボットが基板を最終位置に位置決めすると、基板は次に処理チャンバ基板受容構成部品、例えばリフトピンまたは他の基板支持構成部品(例えば、図11Aの要素532A)へ移送される。基板をプロセスチャンバ受容構成部品へ移送した後、ロボットブレードは、次に、上述したステップと逆行するステップに従って引き込まれる。
【0101】
[00153]図11Cはさらに、先の図11A〜図11Cの図示にあるように、スタート位置から最終位置へ移動するときに、基板の中心を通る利用可能な経路(アイテムP)の一例を図示している。本発明の1つの態様では、経路の形状は、水平動作アセンブリ90を使用して、x方向に沿った移送ロボットアセンブリ86の位置に対する第1接合部310の回転位置を調整することで変更できる。様々なプロセスチャンバ基板受容構成部品(例えば要素532A)と衝突することなく、または他のロボットの移送領域a1を侵害することなく、ロボットブレード87が処理チャンバにアクセスできるように曲線の形状を明確に適合させられるため、この特徴には利点がある。この利点は、処理チャンバを、複数の異なる方向または方位からアクセスできるように構成し、これにより、基板を高い信頼性をもって支持するため、およびロボットブレード87と基板受容構成部品の間の衝突を防止するために使用できる基板受容構成部品の位置および方位が制限されるようにすることで特に明確となる。
【0102】
[00154]図11Dは、基板を処理チャンバ532内の所望の位置へ移送するために使用できる、利用可能な経路P〜Pの数例を図示している。図11D〜図11Fに図示のこれら経路P〜Pは、ロボットアセンブリ11構成要素が基板を位置決めする際に、基板の中心の動作、またはロボットブレード87の基板支持範囲の中心の動作を示すことを意図している。図11Dに図示した基板移送経路Pは、移送ロボットアセンブリ86の第2滑車システム361の伝送率が2:1である場合の基板の経路を図示している。2:1の伝送率を使用した場合の基板動作は直線であるため、この構成では、ロボットブレード87をY方向へ延長させながら、ロボットハードウェアアセンブリ85をX方向へ並進させる必要がない。この構成における動作複雑性の低減の恩典は、いくつかの場合においては、処理チャンバの様々な側部から処理チャンバ内へ基板を移送する際にロボットブレード87を妨害することがない、信頼性の高い基板受容構成部品を設計できないことによって損なわれてしまう可能性がある。
【0103】
[00155]図11E〜図11Fは、基板を処理チャンバ532内へ移送する際のマルチステップ式移送動作を図示している。一実施形態では、このマルチステップ式移送動作を、基板を処理チャンバ532内へ移送する(図11E)、あるいは処理チャンバから移送する(図11F)ために使用できる3つの移送経路(経路P〜P)に分割している。この構成は、移送プロセス中に単軸制御を可能な限り使用することによって、移送プロセス中に基板とロボットアセンブリ11が経験する高い加速を低減し、さらに、ロボット動作の複雑性を減少させる上で特に有効である。ロボットが経験した高い加速はロボットアセンブリ内に振動を生成でき、移送プロセスの位置決め精密性、ロボットアセンブリの信頼性、さらに恐らくはロボットブレード上での基板の動作に影響を及ぼしかねない。ロボットアセンブリ11が経験する高い加速が生じる1つの原因は、基板の移送に調整した動作を使用する際に生じると考えられている。本明細書で使用している用語「調整した動作」とは、基板を或る地点から別の地点へ移動させる、同時に発生させた2本またはこれ以上の軸(例えば、移送ロボットアセンブリ86、水平動作アセンブリ90、垂直動作アセンブリ95)の動作を説明するものである。
【0104】
[00156]図11Eは、処理チャンバ532内に見られる基板受容構成部品532Aへ基板を移送するために使用する、3つの移送経路マルチステップ移送動作を図示している。マルチステップ移送第1動作プロセスを実行する前に、一般的に、移送ロボットアセンブリ86がスタート位置(図11EのSP)に位置決めされるが、これには、基板を、垂直動作アセンブリ95構成部品を使用して所望の垂直方位(z方向)へ、および、水平動作アセンブリ90構成部品を使用して所望の水平位置(x方向)へ移動させる必要があり得る。1つの態様では、基板は、スタート位置に着くと、次に、移送ロボットアセンブリ86、水平動作アセンブリ90およびシステム制御装置101を使用して、経路Pに沿って最終位置(FP)へと移動される。別の態様では、基板は、減数した制御軸、例えば1本のみの制御軸を使用して、経路Pに沿って位置決めされる。例えば、1本の制御軸の使用は、ロボットブレードおよび基板を動作させ、制御装置101と通信している移送ロボットアセンブリ86を制御することで可能になる。この構成では、単軸を使用することにより、基板またはロボットブレードの動作の制御を大幅に単純化し、スタート位置から中間位置までの移動時間を短縮することができる。マルチステップ移送動作プロセスにおける次のステップでは、次に、垂直動作アセンブリ95構成部品を使用してZ方向に移動することで、または基板受容構成部品アクチュエータ(図示せず)を使用して基板受容構成部品532Aを垂直方向に移動することで、基板を、リフトピンまたは他の基板支持構成部品(例えば、図11Aの要素532A)のようなプロセスチャンバ基板受容構成部品へ移送する。1つの態様では、図11E、図11Fに示すように、移送ロボットアセンブリ86は、基板をXおよびY方向と平行した平面上で、経路PおよびPで図示したとおりに基板Wを平行移動させるように適合されている。
【0105】
[00157]基板をプロセスチャンバ受容構成部品へ移送した後、次にロボットブレードを経路P、Pを追随して引き込むことができる。いくつかの場合において、経路Pでは、移送ロボットアセンブリ86と水平動作アセンブリ90の間に調整した動作を介入させることにより、ロボットブレード87が処理チャンバ532から引き込まれている最中に基板支持構成部品532Aにぶつからないようにする必要がある。1つの態様では、図11Eに示すように、ロボットブレード87の基板支持範囲の中心の動作を示す経路Pは、最終位置(FP)から、最終位置とエンドポイント(EP)位置の間のいずれかの中間点(IP)まで延びた直線経路である。一般的に、この中間点は、ロボットブレードが、単純化または加速化された動作で経路Pに沿ってエンドポイント点位置まで移動される際に、任意のチャンバ構成部品と接触しないくらい十分な距離を保って引き込まれた点である。1つの態様では、ロボットブレードが中間点位置に到達すると、次に移送ロボットアセンブリ86、水平動作アセンブリ90およびシステム制御装置101を使用して、経路Pに沿ってエンドポイントへ基板が移動される。1つの態様では、1本の制御軸、例えば制御装置101と通信している移送ロボットアセンブリ86の動作を使用して、基板をエンドポイント(EP)に位置決めする。この構成では、単軸を使用することで、動作制御を大幅に単純化でき、中間点(IP)からエンドポイント(EP)位置までの移動に要する時間を短縮できる。
【0106】
[00158]図11Fは、処理チャンバ532内に見られる基板受容構成部品532Aから基板を除去するために使用される、3つの移送経路マルチステップ移送動作を図示している。図11Fに示したマルチステップ移送動作プロセスを実行する前に、一般的に移送ロボットアセンブリ86をスタート位置(図11FのSP)に位置決めする。この場合、基板を、垂直動作アセンブリ95構成部品を使用して所望の垂直方位(z方向)へ、また、水平動作アセンブリ90構成部品を使用して所望の水平位置(x方向)へ移動する必要があるかもしれない。1つの態様では、基板はスタート位置に到達すると、次に移送ロボットアセンブリ86、水平動作アセンブリ90およびシステム制御装置101を使用して、経路Pに沿って中間位置(IP)へ移動される。一般的に、中間点とは、ロボットブレードが、単純化および加速された動作で経路Pに沿って中間点へ移動される際に、任意のチャンバ構成部品とも接触しない所まで挿入される点である。別の態様では、基板を、減数した制御軸、例えば1本のみの制御軸により、経路Pに沿って位置決めする。例えば、1本の制御軸の使用は、制御装置101と通信している移送ロボットアセンブリ86を制御して、ロボットブレードおよび基板を動作させることで可能となる。この構成では、単軸の使用によって、基板またはロボットブレード動作の制御を大幅に単純化でき、スタート地点から中間位置までの移動時間を短縮できる。
【0107】
[00159]基板を中間位置へ移送した後に、ロボットブレードを、次に経路Pを追随してチャンバ内にさらに挿入することができる。いくつかの場合において、経路Pでは、移送ロボットアセンブリ86および水平動作アセンブリ90の間に調整した動作を介入させて、ロボットブレード87が処理チャンバ532内へ延長される際に、基板支持構成部品532Aにぶつからないようにする必要がある。1つの態様では、図11Fに示すように、ロボットブレード87の基板支持範囲の中心の動作を示す経路Pは、中間点(IP)からさ最終位置(FP)まで延びた直線経路である。ロボットブレードを最終位置に位置決めしたら、次に、垂直動作アセンブリ95を使用してZ方向に移送ロボットアセンブリ86を移動することで、または、基板受容構成部品アクチュエータ(図示せず)を使用して基板受容構成部品532Aを垂直に移動することで、プロセスチャンバ基板受容構成部品532Aから基板を除去する。
【0108】
[00160]プロセスチャンバ受容構成部品から基板を除去した後、次に、ロボットブレードは経路Pを追随して引き込まれ得る。いくつかの場合において、経路Pでは、移送ロボットアセンブリ86および水平動作アセンブリ90の間に、調整した動作の介入を必要とする可能性がある。1つの態様では、基板は、例えば制御装置101と通信している移送ロボットアセンブリ86の動作による、1本のみの制御軸を使用して、エンドポイント(EP)に位置決めされる。この構成では、単軸の使用により、動作制御を大幅に単純化でき、最終地点(FP)からエンドポイント(EP)位置までの移動に要する時間を短縮できる。1つの態様では、図11Fに示すように、ロボットブレード87の基板支持範囲の中心の動作を示す経路Pは、最終位置(FP)からエンドポイント(EP)のいずれかの位置まで延びた非直線経路である。
【0109】
単軸ロボットアセンブリ
[00161]図10Dおよび図11G〜図11Iは、ロボットアセンブリ11の別の実施形態を図示している。このロボットアセンブリ11の実施形態では、移送ロボットアセンブリ86Aは、基板をクラスタツール10内の第2プロセスチャンバ532の所望の位置へ移送および位置決めする単軸接合部306(図10D)構成である。この単軸接合部306は、一般的に、モータ307(図10D)およびロボットブレード87を含有しており、これらは、モータ320の回転動作によりロボットブレード87が回転するように接続している。この構成の利点は、ロボット構成部品を、移送プロセス中に別のロボットが占有する可能性のあるスペース内へ延長させる機会を低減しながら、その一方で、複雑性を低減し、よりコスト効率的となった、ブレード87を制御する単軸のみを使用して、基板をクラスタツール内の所望の位置へ移送するロボットの能力である。
【0110】
[00162]図10Dは、一般的に、モータ307、支持板321およびロボットブレード87を含有した単軸接合部306の側断面図である。これらのモータ、支持板、ロボットブレードはモータ307に接続している。一実施形態では、図10Dに示すように、ロボットブレード87は第1滑車システム355に接続している。第1滑車システム355は、モータ320に取り付けられた第1滑車358と、ロボットブレード87に取り付けられた第2滑車356と、第1滑車358を第2滑車356に接続するためのベルト359とを有する。この構成では、モータ307がロボットブレード87を回転できるように、第2滑車356が、ベアリング354Aにより支持板321に取り付けた旋回部364上に搭載されている。単軸接合部306の一実施形態では、ロボット構成部品の数を低減し、ロボットアセンブリコストと複雑性を低減し、構成部品を第1滑車システム355内に維持する必要性を低減するために、ロボットブレード87がモータ307に直接結合している。単軸接合部306は、単純化した動作制御システムおよび、これによって向上したロボットおよびシステムの信頼性のために利点を有する。
【0111】
[00163]図11G〜図11Jは、単軸接合部306タイプの移送ロボットアセンブリ86の平面図であり、基板が処理チャンバ532内へ移送される際の、様々な移送ロボットアセンブリ86構成部品の位置を位置決めする時間(例えば、アイテムT〜T)における多数の連続スナップショットを示すことにより、単軸接合部306の動作を図示している。図11Gを参照すると、時間Tにて、移送ロボットアセンブリ86は、一般的に、垂直動作アセンブリ95構成部品を使用して所望の垂直方位(z方向)に、さらに、水平動作アセンブリ90構成部品を使用して所望の水平位置(x方向)に位置決めされる。図11Cに示すTにおけるロボットの位置を、本明細書ではスタート位置(上述したアイテムSP)と呼ぶ。図11Hを参照すると、時間Tにて、ロボットブレード87が旋回点V周囲で旋回することでロボットブレード87が回転し、これと同時に、システム制御装置101が移送ロボットアセンブリ86の位置をx方向に調整する。図11を参照すると、時間Tにて、基板を処理チャンバ532内の所望の最終位置(アイテムFP)または受け渡し位置に配置するために、ロボットブレード87が所望の角度へ回転し、ロボットアセンブリが所望のx方向位置に位置決めされている。また、上述の図11Dも、単軸接合部306を使用して基板を処理チャンバ532内の所望の位置へ移送するために使用できる、利用可能な経路P〜Pの数例を図示している。基板をプロセスチャンバ受容構成部品へ移送した後、次に、ロボットブレードを、上述したステップと逆行するステップを追随して引き込むことができる。
【0112】
水平動作アセンブリ
[00164]図12Aは、y方向と平行する平面に沿って取った水平動作アセンブリ90の一実施形態の断面図を図示している。図12Bは、水平動作アセンブリ90の長さを中心に向かって縮小したロボットアセンブリ11の一実施形態の側断面図である。水平動作アセンブリ90は、一般的に、囲壁460、アクチュエータアセンブリ443およびスレッド搭載部451を含有している。一般的に、アクチュエータアセンブリ443は、少なくとも1つの水平直線滑動アセンブリ468および動作アセンブリ442を含有する。垂直動作アセンブリ95は、スレッド搭載部451を介して水平動作アセンブリ90に取り付けられている。スレッド搭載部451は、水平動作アセンブリ90が垂直動作アセンブリ95を位置決めする際に作成された様々な負荷を支持する構造部品である。一般的に、水平動作アセンブリ90は2個の水平直線スライドアセンブリ468を含有しており、これらのそれぞれは直線レール455と、ベアリングブロック458と、スレッド搭載部451および垂直動作アセンブリ95の重量を支持するための支持搭載部452とを含有している。この構成によって、垂直動作アセンブリ95を、水平動作アセンブリ90の長さに沿って滑らかかつ精密に並進させることが可能になる。直線レール455とベアリングブロック458は、当分野で周知の直線ボールベアリング滑動部または従来の直線案内部であってもよい。
【0113】
[00165]図12A〜図12Bを参照すると、動作アセンブリ442は、一般的に、スレッド搭載部451と、水平ロボットアクチュエータ367(図10Aおよび図12A)と、駆動ベルト440と、さらに、垂直動作アセンブリ95の位置を水平動作アセンブリ90の長さに沿って制御するように適合した2つ以上の駆動ベルト滑車454Aとを含有している。一般的に、駆動ベルト440はスレッド搭載部451に(例えば、接着、ボルト留めまたはクランプ留めによって)取り付けられて、水平動作アセンブリ90の長さに沿って走行する連続ループを形成し、水平動作アセンブリ90の両端部において、2つ以上の駆動ベルト滑車454Aによって支持されている。図12Bは、4個の駆動ベルト滑車を有する一構成を図示している。一実施形態では、滑車454Aの回転動作が、垂直動作アセンブリ95に取り付けられた駆動ベルト440とスレッド搭載部451を、水平直線滑動アセンブリ468に沿って移動できるようにするために、水平ロボットアクチュエータ367が駆動ベルト滑車454Aの1つに取り付けられている。一実施形態では、ロボットを水平直線滑動アセンブリ468に対して移動するように適合された、水平ロボットアクチュエータ367は直接駆動型の直線無ブラシサーボモータである。
【0114】
[00166]囲壁460は、一般的に基部464、1つ以上の外壁463および囲壁頂部板462を含有している。囲壁460は、安全性と汚染除去の理由で、水平動作アセンブリ90内の構成部品をカバーおよび支持するように適合されている。機械構成部品がローリング、滑動または相互接触することで粒子が生成されるため、基板がクラスタツール10を通って移送されている間に、水平動作アセンブリ90内の構成部品が基板表面を汚染しないようにすることが重要である。そのため、囲壁460は包囲された領域を形成し、囲壁460内で生成された粒子が基板表面へと向かう機会を最小化する。微粒子汚染は装置生産性と、さらにクラスタツールのCoOに直接影響を及ぼす。
【0115】
[00167]囲壁頂部板462は複数の溝471を含有しており、この溝により、水平直線滑動アセンブリ468内の複数の支持搭載部452が囲壁頂部板462を通って延び、スレッド搭載部451に接続することができる。1つの態様では、溝471の幅(y方向への開口サイズ)は、粒子が水平動作アセンブリ90の外部へ向かう機会を最小化するサイズになっている。
【0116】
[00168]囲壁460の基部は、スレッド搭載部451と垂直動作アセンブリ950の重量により作成された負荷と、垂直動作アセンブリ95の動作により作成された負荷支持するように設計された構造部材である。1つの態様では、基部464はさらに、水平動作アセンブリ90の長さに沿って位置決めされた複数の基部溝464Aを含有している。これらの基部溝464Aによって囲壁頂部板462の溝471に空気が流入し、基部溝464Aを介して囲壁から流出し、クラスタツール基部10A内に形成された溝10Bから排出されることが可能となる。クラスタツール10の一実施形態では、クラスタツール基部10Aを全く使用しておらず、従って、水平動作アセンブリ90と処理ラックを、内部にクラスタツール10が設置される領域の床の上に位置決めすることができる。1つの態様では、囲壁支持部461を使用して、基部464をクラスタツール基部10Aまたは床よりも上に位置決めすることで、空気が水平動作アセンブリ90を通るための、規制されない均一な流路が提供される。1つの態様では、囲壁支持部461はさらに、従来の振動ダンパとして作用するように適合されていてもよい。環境制御アセンブリ110またはクリーンルーム環境によって作成され、囲壁を1方向、好ましくは下方へ流れる空気の流れによって、囲壁460内部で生成された粒子が基板表面へ向かう可能性の低減が促進される。1つの態様では、囲壁の頂部板462に形成された溝471および基部溝464Aは、環境制御アセンブリ110から流れて来た空気の容量を規制し、囲壁頂部板462の外部と囲壁460の内部領域の間で少なくとも0.1”wgの圧力降下が達成されるように設計されている。1つの態様では、囲壁460の中央領域は、内壁465を使用して、この領域を水平動作アセンブリの他の部分から隔離するように形成されている。内壁465を追加することで、囲壁460内に流入する空気の再循環が最小化され、また、この内壁460は空気流案内特徴として機能する。
【0117】
[00169]図12Aおよび図13Aを参照すると、囲壁460の1つの態様では、駆動ベルトは、駆動ベルト440と、囲壁頂部板462内に形成された駆動ベルト溝472との間に小さな間隙を形成するように位置決めされている。この構成は、囲壁460内で生成された粒子が囲壁460外部へ向かわないようにする上で有利であり得る。
【0118】
[00170]図12Cを参照すると、囲壁460の別の1つの態様では、ファンユニット481が基部464に取り付けられてもよく、基部464内に形成された基部溝464Aを介して囲壁460内部から空気を引き出すように適合されてもよい。別の局面では、ファンユニット481が、微粒子を含有した空気をフィルタ482に通して押し出すことにより、この空気がクラスタツール基部10Aまたは床を通って排出される前に(アイテム「A」を参照)粒子を除去する。この構成では、ファンユニット内に含有されたファン483は、囲壁460内で負圧を作成することで、囲壁の外部から内部へ空気が引き込まれ、これにより囲壁460内で生成された粒子が外部へ漏出する可能性を制限できるように設計されている。一実施形態では、フィルタ482は、生成された微粒子を空気から除去することができるHEPAタイプまたは他タイプのフィルタである。1つの態様では、溝471の長さと幅、およびファン483のサイズは、囲壁460の外部の1地点と内部の1地点との間における圧力降下が約0.02水柱インチ(〜5Pa)と約1水柱インチ(〜250Pa)の間となるように選択される。
【0119】
[00171]水平動作アセンブリ90の一実施形態では、水平動作アセンブリ90内部で生成された粒子が基板へ向かわないようにするために、シールドベルト479が溝471をカバーするように位置決めされている。この構成では、シールドベルト479が、水平動作アセンブリ90の長さに沿って走行する連続ループを形成しており、さらに、シールドベルト479と囲壁頂部板462の間に形成される空き範囲が可能な限り小さくなるように、溝471内に位置決めされている。一般的に、シールドベルト479は、水平動作アセンブリ90の長さに沿って走行し、水平動作アセンブリ90の端部で2つ以上の駆動ベルト滑車(図示せず)によって支持される連続ループを形成するために、支持搭載部452に(例えば接着、ボルト留め、またはクランプ留めにより)取り付けられている。図12Cに図示したこの構成では、シールドベルト479を、溝471(図示せず)の高さにおいて支持搭載部452に取り付けてもよく、水平動作アセンブリ90を通り、基部464内部に機械工作されたチャネル478内へ入って輪となってもよく、これによって連続ループが形成されてもよい。こうしてシールドベルト(1つ以上)479が水平動作アセンブリ90の内部領域を包囲する。
【0120】
垂直動作アセンブリ
[00172]図13A〜図13Bは、垂直動作アセンブリ95の一実施形態を図示している。図13Aは、様々な設計態様を図示した垂直動作アセンブリ95の平面図である。一般的に、水平動作アセンブリ95は垂直支持部570、垂直アクチュエータアセンブリ560、ファンアセンブリ580、支持板321および垂直囲壁590を含有している。一般的に垂直支持部570は、スレッド搭載部451にボルト留め、溶接、または搭載された構造部材であり、垂直動作アセンブリ95内に見られる様々な構成部品を支持するように適合されている。
【0121】
[00173]一般的に、ファンアセンブリ580はファン582およびファン582と流体連通したプレナム領域584を形成する管581とを含有している。ファン582は、一般的に何らかの機械手段、たとえば回転ファンブレード、移動型蛇腹、移動型ダイヤフラム、または移動型高精度機械ギアを使用して空気を動作させるように適合された装置である。ファン582は、管581および内部領域586内に形成された複数の溝585と流体連通しているプレナム領域584内に負圧を作成することで、囲壁590の外部に関連して囲壁590の内部領域586に負圧を引き入れるように適合されている。1つの態様では、溝585は円形、楕円形あるいは長方形であってもよく、これらの個数、サイズおよび分布は、垂直動作アセンブリ95の全ての範囲から空気を均等に引き入れるように設計されている。1つの態様では、また、内部領域586は、システム制御装置101によって、様々なロボットハードウェアアセンブリ86と垂直動作アセンブリ95構成部品の構成部品との間での信号を移送するために使用する複数のケーブル(図示せず)を収容するように適合することもできる。1つの態様では、ファン582は、水平動作アセンブリ90の内部領域586から中央領域430へ除去された空気を送出するように適合されており、中央領域にて、空気は次に基部溝464Aを介して水平動作アセンブリ90から一掃される。
【0122】
[00174]一般的に垂直アクチュエータアセンブリ560は、垂直モータ507(図12Aおよび図13B)、滑車アセンブリ576(図13B)、および垂直滑動アセンブリ577を含有している。垂直滑動アセンブリ577は、一般的に、滑車アセンブリ576の垂直支持部570および動作ブロック572に取り付けられた直線レール574およびベアリングブロック573を含有している。垂直滑動アセンブリ577は、ロボットハードウェアアセンブリ85を案内し、滑らかで精密な並進を提供するように、さらに、ロボットハードウェアアセンブリ85が垂直動作アセンブリ95の長さに沿って動作したことで作成された負荷の重量を支持するように適合されている。直線レール574とベアリングブロック573は、直線ボールベアリング滑動部、精密なシャフト案内システム、または従来の直線案内部であってもよい。これらは全て当分野で周知である。典型的な直線ボールベアリング滑動部、精密なシャフト案内システム、または従来の直線案内部は、SKF USA Inc.、またはペンシルバニア州アーウィンにあるパーカー・ハニフィン社(Parker Hannifin Corporation)のディーダル部(Daedal Division)より購入可能である。
【0123】
[00175]図13Aおよび図13Bを参照すると、一般的に、滑車アセンブリ576は駆動ベルト571、動作ブロック572および2つ以上の滑車575(例えば要素575Aおよび575B)を含有しており、これらは垂直支持部570および垂直モータ507に回転的に取り付けられているため、支持板(例えば図13Bの要素321A〜321B)、さらにロボットハードウェアアセンブリ85を垂直動作アセンブリ95の長さに沿って位置決めすることができる。一般的に、駆動ベルト571は、垂直動作アセンブリ95の長さに沿って走行する連続ループを形成するために、(例えば、接着、ボルト留め、またはクランプ留めによって)動作ブロック572に取り付けられており、また、垂直動作アセンブリ95の端部において、2つ以上の駆動ベルト滑車575(例えば、要素575Aおよび575B)によって支持されている。図13Bは、2個の駆動ベルト滑車575A〜Bを有する1つの構成を図示している。1つの態様では、垂直モータ507が駆動ベルト滑車575Bの1つに取り付けられているため、滑車575Bの回転動作により、駆動ベルト571と支持板(1つ以上)、さらにロボットハードウェアアセンブリ85が垂直直線滑動アセンブリ577に沿って移動することができる。一実施形態では、垂直モータ507は直接駆動無ブラシサーボモータであり、ロボットハードウェアアセンブリ85を垂直滑動アセンブリ577に関連して移動させるように適合されているため、駆動ベルト571および2つ以上の滑車575が不要となる。
【0124】
[00176]一般的に、垂直囲壁590は1つ以上の外壁591、囲壁頂部592(図9A)および溝593(図9A、図12Aおよび図13A)を含有している。垂直囲壁590は、安全性および汚染除去の理由で、垂直動作アセンブリ95内の構成部品をカバーするように適合されている。1つの態様では、垂直囲壁590は垂直支持部570に取り付けられ、これによって支持されている。ローリング、滑動または相互接触する機械構成部品によって粒子が生成されるので、垂直動作アセンブリ95内の構成部品が、クラスタツール10を通って移送中の基板の表面を汚染しないことが重要である。そのため、囲壁590は、囲壁590内で生成された粒子が基板表面へ向かう機会を最小化する封鎖領域を形成する。微粒子汚染は、クラスタツールの装置生産性、さらにこれによりCoOに直接悪影響を及ぼす。そのため、1つの態様では、スロット593のサイズ(即ち長さおよび幅)および/またはファン582のサイズ(例えば流量)は、垂直動作アセンブリ95から逃げることができる粒子の数を最小化するように構成される。1つの態様では、溝593の長さ(Z方向)と幅(X方向)と、ファン582のサイズは、外壁591外部の或る地点と、内部領域586との間に作成される圧力降下が約0.02水柱インチ(〜5Pa)〜約1水柱インチ(〜250Pa)の間となるように選択される。1つの態様では、溝593の幅は約0.25〜約6インチである。
【0125】
[00177]本明細書で説明した実施形態は、一般的に、最下垂直位置に到達するべく元の状態に戻すために折り畳み、入れ子式はめ込み、または引き込みを行う必要がある構成部品を使用してロボット構成部品を上昇させるように適合された従来技術の設計にかけて利点を有する。垂直動作構成部品の妨害のために、ロボットの最下位置が、元の状態に戻すために折り畳み、入れ子式はめ込み、または引き込みを行う必要がある垂直動作構成部品のサイズと方位によって制限されることで問題が生じる。最大限にまで引き込んだ状態にある従来技術の垂直動作構成部品の位置は、最下ロボット位置は引き込み状態にある構成部品の高さによって制限されるという事実から、「デッドスペース」または「確実な高さ」としばしば呼ばれる。一般的に1つ以上の移送ロボットアセンブリ86の基部がこれの下で垂直動作アセンブリ96内の構成部品によって支持されておらず、そのため、最下位置は直線レール574の長さおよびロボットハードウェアアセンブリ85構成部品のサイズによってのみ制限されるため、本明細書で説明した実施形態はこの問題を回避することができる。一実施形態では、図13A〜図13Bに図示するように、ロボットアセンブリは、片持ち梁方式で、垂直滑動アセンブリ577に搭載した支持板321によって支持されている。支持板321およびロボットハードウェアアセンブリ85の方位を調整して、垂直動作アセンブリ95の所望の構造硬性および/または所望の垂直打撃を達成するように適合できるため、図10C〜図10Eに示した支持板321の構成および、ロボットハードウェアアセンブリ85内の構成部品の構成は、本明細書で説明した本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0126】
[00178]本明細書で説明した垂直動作アセンブリ95の実施形態はさらに、垂直滑動アセンブリ577に沿って動作を拘束することで、ロボットハードウェアアセンブリ85の動作の正確性および/または精密性が向上するため、例えば元の状態に戻るために折り畳み、入れ子式はめ込み、または引き込みを行う必要がある従来技術の垂直動作設計にかけて利点となる。そのため、本発明の1つの態様では、ロボットハードウェアアセンブリの動作は、構成部品が垂直動作アセンブリ95の長さに沿って移動する際にこれに構造的硬性および位置精密性を提供する硬質な部材(たとえば垂直滑動アセンブリ577)によって常に案内される。
【0127】
2個の水平動作アセンブリを設けた構成
[00179]図14Aは、先の図1〜図6に示した1つ以上のロボットアセンブリ11A〜Hとしての使用が可能な2個の水平動作アセンブリ90を使用したロボットアセンブリ11の一実施形態を図示している。この構成では、一般的に、ロボットアセンブリ11はロボットハードウェアアセンブリ85、垂直動作アセンブリ95、2個の水平ロボットアセンブリ90(例えば要素90Aおよび90B)を含有している。そのため、システム制御装置101から送信されたコマンドに従って、ロボットハードウェアアセンブリ85、垂直ロボットアセンブリ95および水平ロボットアセンブリ90A〜Bを協働させることにより、基板を所望のx、y、z位置に位置決めすることができる。この構成の1つの利点は、移送方向(x方向)に沿って垂直動作アセンブリ95がダイナミック動作を実施している最中にロボットアセンブリ11構造の硬性を拡張でき、これにより動作中により高い加速が得られ、基板移送時間が向上することである。
【0128】
[00180]1つの態様では、垂直動作アセンブリ95、上方水平動作アセンブリ90Bおよび、下方水平動作アセンブリ90A内に見られる構成部品は、上述したものと同じ基本構成部品を含有しているため、適切な箇所には同様の符号を使用する。1つの態様では、垂直動作アセンブリ95は、水平動作アセンブリ90Aおよび90Bのそれぞれの内部に維持されている動作アセンブリ442を使用して、x方向に沿って位置決めされた下方スレッド搭載部451Aと上方スレッド搭載部451Bに接続している。ロボットアセンブリ11の別の実施形態では、水平動作アセンブリの一方の(例えば要素90A)と他方水平動作アセンブリ(例えば要素90B)に搭載された単一動作アセンブリ442が、垂直動作アセンブリ95の一端を案内する支持部としてのみ作用する。
【0129】
基板のグループ化
[00181]電子装置製造業者は、市場にてより競合的となり、所有コスト(CoO)を低減する努力において、プロセスシーケンスおよびチャンバ処理時間を最適化しようと多大な時間を費やし、クラスタツール構築制限とチャンバ処理時間が設定された状態で可能な限り最大の基板スループットを達成しようと試みてきた。チャンバ処理時間が短く、処理ステップ数が多いプロセスシーケンスでは、基板処理に要する時間の大部分が、基板を様々な処理チャンバ間で移送するプロセスにかかってしまう。クラスタツール10の一実施形態では、2枚以上の基板を1グループとしてグループ化し、このグループ単位で移送および処理を行うことでCoOを低減させている。この平行処理形式によりシステムスループットが増加し、基板を処理チャンバ間で移送するためにロボットが行う動作数が低減することで、ロボットの疲労が低減し、システムの信頼性が向上する。
【0130】
[00182]クラスタツール10の一実施形態では、前端ロボットアセンブリ15、ロボットアセンブリ11(例えば、図1〜図6の要素11A、11Bなど)、および/または後部ロボットアセンブリ40は、基板の平行処理によりシステムスループットを向上させるために、基板を2枚以上のグループで移送するように適合できる。例えば、1つの態様では、ロボットハードウェアアセンブリ85は、複数の処理チャンバから1つ以上の基板を取り上げて、これを次の複数の処理チャンバ内へ基板を移送および堆積するために使用される、独立的に制御可能な複数の移送ロボットアセンブリ86Aおよび86B(図10B)を有する。別の態様では、各移送ロボットアセンブリ86(たとえば、86Aまたは86B)は、複数の基板を個別に取り上げる、移送する、そして降荷するように適合されている。この場合、例えば、2個の移送ロボットアセンブリ86を有するロボットハードウェアアセンブリ85は、第1ブレード87Aを使用して第1処理チャンバから基板「W」を取り上げ、次にこれを第2処理チャンバへ移動し、第2ブレード87Bを使用して基板を取り上げることで、グループ化した基板の移送と降荷を可能にしている。
【0131】
[00183]ロボットアセンブリ11の一実施形態では、図15Aに図示しているように、ロボットハードウェアアセンブリ85は、少なくとも1つの移送ロボットアセンブリ86を有する2個のロボットハードウェアアセンブリ85(例えば、要素85Aおよび85B)を含有し、上記移送ロボットアセンブリ86は所望の距離またはピッチ(要素「A」)で離間しており、また、2個の異なる処理チャンバから基板の取り上げまたは降荷を同時に行うように適合されている。2個のロボットハードウェアアセンブリ85間におけるこの間隔またはピッチAは、処理ラックの1個に搭載された2個の処理チャンバ間の間隔を関連付けし、ロボットアセンブリ11が2個の処理チャンバに同時にアクセスできるように構成されている。したがって、この構成は、2枚以上の基板を1グループとして移送できるため、基板スループットとクラスタツールの信頼性を向上させる上で特に有利である。
【0132】
ロボットブレードハードウェア構成
[00184]図16A〜図16Dは、ロボットアセンブリ11を使用して基板「W」をクラスタツール10にかけて移送する際に、基板を支持および維持するために、本明細書で説明した実施形態のいくつかと共に使用できるロボットブレードアセンブリ900の一実施形態を図示している。一実施形態では、ロボットブレードアセンブリ900は、ブレード87を交換するように適合できるため、ブレード基部901内に形成された接続点(要素「CP」)において、図10A〜図10Eに図示した第1滑車システム355構成部品または第2滑車システム361構成部品と結合できる。本発明のロボットブレードアセンブリ900は、移送プロセス中に基板が経験する加速によって基板位置がロボットブレードアセンブリ900上の既知の位置から移動してしまわないように、基板「W」を保持、「掴持」、拘束するように適合されている。移送プロセス中に基板が移動することで粒子が生成され、ロボットにより基板設置の正確性と繰り返し可能性が低減する。最悪の場合には、加速のためにロボットブレードアセンブリ900が基板を落としてしまう可能性もある。
【0133】
[00185]基板が経験する加速は、水平半径方向加速成分、水平軸方向加速成分、垂直加速要素の3つの成分に分割することができる。基板が経験する加速は、クラスタツール10にかけての動作中に基板がX、Y、Z方向に加速あるいは減速される際に生成される。図16を参照すると、水平半径方向加速成分と水平軸方向加速成分を力F、Fとしてそれぞれ示している。経験される力は、基板の加速から、基板とロボットブレードアセンブリ900構成部品との間に作成された任意の摩擦力を減算した基板時間の質量に関連している。上述した実施形態では、半径方向への加速は、移送ロボットアセンブリ86が基板をある位置へと回転させる際に一般的に作成され、また、いずれかの方向(即ち+Y、−Y方向)に作用することができる。一般的に、軸方向への加速は、基板をX方向に位置決めする際に、水平動作アセンブリ90によって、および/または移送ロボットアセンブリ86の水平動作によって作成され、また、いずれかの方向(即ち、+Xまたは−X方向)に作用することができる。一般的に、垂直加速は、垂直動作アセンブリ95が基板をZ方向に位置決めする際に作成され、いずれかの方向(即ち、+Zまたは−Z方向)に、あるいは片持ち梁によって誘発した構造振動において作用することができる。
【0134】
[00186]図16Aは、基板「W」を支持するように適合されたロボットブレードアセンブリ900の一実施形態の略平面図である。ロボットブレードアセンブリ900は、一般的に、ブレード基部901、アクチュエータ910、ブレーキ機構920、位置センサ930、クランプアセンブリ905、1つ以上の反応部材908(例えばこれの1つを図示)、1つ以上の基板支持構成部品909を含有している。クランプアセンブリ905は、一般的に、クランプ板906と、クランプ板906上に搭載された1つ以上の接触部材907(即ち、図16Aに示した2個の接触部材)とを含有している。クランプ板906、接触部材907、反応部材908、ブレード基部901は、金属(例えばアルミニウム、ニッケルコートしたアルミニウム、SST)、セラミック材料(例えば炭化ケイ素)、移送中にロボットブレードアセンブリ900が経験する加速(例えば10〜30m/s)に高い信頼性で耐えることができ、基板との相互作用によって粒子を生成あるいは引き起こすことのないプラスチック材料から作られていてもよい。図16Bは、図16Aに示したロボットブレードアセンブリ900の側部略断面であり、ロボットブレードアセンブリ900の中心にかけて切断されている。明瞭化の目的で、ブレーキアセンブリ930は維持しながら、図16Bの断面平面の後ろに位置決めされている構成部品(例えば接触部材907)を除外している。
【0135】
[00187]図16A、図16Bを参照すると、基板「W」は使用時に、アクチュエータ910によりクランプアセンブリ905内の接触部材907を介して基板「W」へ送出された維持力(F)によって、反応部材908の維持面908Bに対して押圧される。1つの態様では、接触部材907は、基板「W」の縁「E」を維持面908Bと接触し、これを強制押圧するように適合されている。1つの態様では、保持力は約0.01〜3キログラムフォース(kgf)であってもよい。一実施形態では、図16Aに示すように、接触部材907を角度距離「A」で離間させて分布させることで、ロボットアセンブリ11が基板を移送する際に、基板に軸方向および半径方向への支持を提供することが望ましい。
【0136】
[00188]ロボットブレードアセンブリ900を使用して高い信頼性で基板をクラスタツール10にかけて移送するために基板を拘束するプロセスは、一般的に3つのステップで完了する。以下で説明する1つ以上のステップは、本明細書で説明した本発明の基本範囲を変更しない限り、同時または連続的に完了できることに留意すべきである。基板取り上げステップをスタートする前に、クランプアセンブリ905を+X方向(図示せず)へ引き込む。第1ステップは、基板支持構成部品(例えば、図11A〜図11Iの要素532A、図2A、図3Aの通過位置9A〜Hなど)から基板が取り上げられた時点でスタートするため、基板を、反応部材908および基板支持構成部品909上の基板支持面908Aおよび909Aの上で静止させておくことができる。次に、アクチュエータ910がクランプアセンブリ905内の接触部材907と反応部材908を介して基板「W」へ送出した保持力(F)によって、基板がロボットブレードアセンブリ900上に拘束されるまで、クランプアセンブリ905を−X方向へ移動させる。最後のステップでは、クランプアセンブリ905をブレーキ機構920によって適所にて維持または「ロック」することで、移送プロセス中における基板の加速が保持力(F)を大幅に変化させ、基板が支持面に関連して移動してしまうことが防止される。ブレーキ機構920がクランプアセンブリ905を拘束した後、基板はクラスタツール10内の別の地点へ移送される。基板支持構成部品に基板を堆積させる場合は、上述したステップを逆方向に完了する。
【0137】
[00189]ロボットブレードアセンブリ900の1つの態様では、移送プロセス中にクランプアセンブリ905の動作を少なくとも一方向(例えば+X方向)へ制限するようにブレーキ機構920を適合する。クランプアセンブリ905により提供された保持力(F)と逆方向に向かうクランプアセンブリ905の動作を制限する能力は、水平軸方向への加速(1つ以上)が保持力を大幅に減少させることで、粒子生成の原因となる基板の動き回りを防ぎ、また、移送プロセス中にブレードアセンブリ900から基板が落下することを防ぐ。別の態様では、ブレーキ機構920は、クランプアセンブリ905の少なくとも2方向(例えば+X方向、−X方向)への動作を制限するように適合されている。この構成では、クランプアセンブリの動作を保持力(F)方向と平行する方向に制限する能力によって、水平軸方向への加速(1または複数)が保持力を大幅に増加させて基板の破損または欠けを生じさせたり、あるいは、保持力を大幅に減少させて粒子を発生させるか、もしくは基板を落下させたりすることを防ぐ。さらに別の実施形態では、ブレーキ機構905は、クランプアセンブリ905の6度の自由度を全て制限するように、または、基板の動作を防ぐ、あるいは最小化するように適合されている。クランプアセンブリ905の所望の方向への動作を制限する能力は、クランプアセンブリ905の動作を拘束するよう適合された構成部品を使用して達成できる。クランプアセンブリ905の動作を拘束するために使用できる典型的な構成部品には、従来型のラッチ機構(例えば、ドアラッチタイプの機構)、またはこれ以外の類似の装置が含まれる。1つの態様では、クランプアセンブリ905の動作は、拘束力(図16Aの要素F)を付加する機構、例えば以降で説明する対向ブレーキアセンブリ920Aによって拘束される。
【0138】
[00190]一実施形態では、位置センサ930を使用してクランプ板906の位置を感知することにより、制御装置101が、移送プロセス中の任意の時間にブレードアセンブリ900の状態を決定できるようになっている。1つの態様では、位置センサ930は、アクチュエータ910より送出された力からクランプ板906までの位置により、クランプ板906が−X方向に遠く離れ過ぎたことを知徳することによって、ブレードアセンブリ900上に基板が位置決めされていないこと、あるいは、基板が支持表面(例えば要素908Aおよび909A)上の誤った場所に置かれていないことを感知するように適合されている。同様に、クランプ板906の位置が許容可能な位置の範囲内にあることを、基板の存在時に関連して知徳することにより基板の存在を感知するように、位置センサ930と制御装置101を適合することができる。1つの態様では、位置センサ930は、所望の地点に位置決めした複数の光学位置センサと、直線可変変位トランスデューサ(LVDT)、またはこれ以外で、これと類似した、クランプ板906の許容可能な位置と許容不能な位置を区別するために使用できる位置感知装置とからなる。
【0139】
[00191]図16Cは、図16Aのブレーキ機構920の略図に代わる、対向したブレーキアセンブリ920Aを有するブレードアセンブリ(要素900A)の実施形態の平面図を概略的に図示している。対向するブレーキアセンブリ920Aは、基板移送プロセス中にクランプ板906を適所に維持するように適合されている。図16Cに図示した実施形態は、対向したブレーキアセンブリ920A、アクチュエータアセンブリ910Aおよび様々な支持構成部品が追加されている点を除いて、図16A〜図16Bに図示した構成と類似していているため、明瞭化の目的で適切な箇所には同様の要素符号を使用している。ロボットブレードアセンブリ900Aの実施形態は、一般的に、ブレード基部901、アクチュエータアセンブリ910A、対向するブレーキ機構920A、位置センサ930、クランプアセンブリ905、反応部材908および基板支持構成部品909を含有している。一実施形態では、クランプ板906は、これの動作を所望の方向(例えばX方向)に整列および拘束するために、ブレードベース901に取り付けた直線滑動部(図示せず)上に搭載されている。
【0140】
[00192]一実施形態では、アクチュエータアセンブリ910Aはアクチュエータ911、アクチュエータ結合シャフト911A、結合部材912、案内アセンブリ914、接続部材915および接続部材915によって結合部材912およびクランプ板に接続した接続板916を含有している。結合部材912は、様々な動作制御構成部品どうしを接続するために普通に使用されている従来型の結合接合部または「浮遊接合部」であってもよい。一実施形態では、接続板916は、アクチュエータ911のアクチュエータ結合シャフト911Aに直接接続している。案内アセンブリ914は、接続板、さらにクランプ板906の動作を整列させ、案内するために、接続板916に接続した従来型の直線滑動アセンブリ、またはボールベアリング滑動部である。アクチュエータ911は、結合シャフト911A、結合部材912、接続部材915および接続板916を移動することにより、クランプ板906を位置決めするように適合されている。1つの態様では、アクチュエータ911は空気シリンダ、直線モータ、またはこれ以外の類似した位置決め装置および力送出装置である。
【0141】
[00193]一実施形態では、対向するブレーキアセンブリ920Aはアクチュエータ921を含有しており、このアクチュエータ921はブレード基部901に接続し、ブレーキ接触部材922と結合している。この構成では、対向するブレーキアセンブリ921Aはクランプ板906を「ロック」するか、あるいは対向ブレーキアセンブリ920Aによって生成された拘束F力で拘束するように適合されている。一実施形態では、拘束力Fは、アクチュエータ921がブレーキ接触部材922を接続板916に対して押圧する(要素F)際に、接続板916とブレーキ接触部材922の間に形成された摩擦力によって生成される。この構成では、案内アセンブリ914は、アクチュエータ921から送出されたブレーキ力Fより生成された滑動負荷を受容するように設計されている。生成された、クランプ板906を適所に保持するための拘束力Fは、ブレーキ力Fに、ブレーキ接触部材922と接続板916の間に作成された静電摩擦係数をかけたものと等しい。アクチュエータ921のサイズ、ブレーキ接触部材922、接続板916の材料および表面仕上げの選択を最適化することで、生成された拘束力が、移送プロセスにおいて基板が加速している最中に作成されたどの力よりも確実に常に大きくなる。1つの態様では、作成された拘束力Fは約0.5〜3.5キログラムフォース(kgf)の範囲内である。1つの態様では、ブレーキ接触部材922は、例えば、ポリウレタン、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、天然ゴム、ブチルゴムまたは他の適切なポリマー材料のようなゴムまたはポリマータイプの材料からなっていてもよく、また、接続板916はアルミニウム合金かステンレススチール合金からなる。図示にはない一実施形態では、アクチュエータ911の結合シャフト911Aはクランプ板906に直接結合しており、また対向するブレーキアセンブリ920Aのブレーキ接触部材922は、結合シャフト911Aまたはクランプ板と接触してこれらの動作を阻止するように適合されている。
【0142】
[00194]図16Dは、図16Cに図示したものとは異なる対向するブレーキアセンブリ920A構成を有するブレードアセンブリ900Aの一実施形態の平面図を概略的に図示している。この構成では、対向するブレーキアセンブリ920Aは、一端でブレーキ接触部材922に接続し、他端でアクチュエータ921に接続したレバーアーム923と、レバーアームのいずれかの端部の間の或る地点に位置決めされた旋回点「P」とを含有している。1つの態様では、旋回点はブレード基部901に接続しており、レバーアーム923と、ブレーキ接触部材922が接続板916に対して押圧された際にアクチュエータ921からレバーアーム923に供給された力Fとを支持するように適合されている。この構成では、旋回点「P」の計画的な位置決めにより、アクチュエータ921の力生成構成部品との直接接触によって達成された力を超えたブレーキ力F、さらに拘束力Fを供給するために使用できる機械的な利点を、レバーアーム923を使用して作成することができる。
【0143】
[00195]図16Dはまた、従順な部材917を含有したブレードアセンブリ900Aの一実施形態を図示しており、従順な部材917は、ブレードアセンブリ900A上における基板の有無の感知を補助するために、クランプ板906と接続部材915の間に位置決めされている。一般的に、この従順な部材は、接続板916に拘束力Fが付加された後にブレードアセンブリ900A上の基板の有無を感知するために、位置センサ930および制御装置101と共に使用されるさらなる自由度を追加する。ブレードアセンブリ900A内に他の自由度が存在しない場合には、クランプ板906の動作を阻止または禁止する拘束力Fが、基板移送プロセス以前またはこの最中に位置センサ930と制御装置101が基板の動作あるいは損失を感知することを阻止する。
【0144】
[00196]したがって、一実施形態では、アクチュエータアセンブリ910Aは一般的にアクチュエータ911、アクチュエータ結合シャフト911A、結合部材912、案内アセンブリ914、接続部材915、従順な部材917、クランプ板案内アセンブリ918、接続部材915および従順な部材917によって結合部材912およびクランプ板906に接続した接続板916を含有している。クランプ板案内アセンブリ918は一般的に、クランプ板906に接続し、これの動作を整列および案内する、従来型の直線滑動アセンブリまたはボールベアリング滑動部である。
【0145】
[00197]一般的に、従順な部材917は、例えばバネ、屈曲部、あるいはこれ以外の類似の装置といった柔軟な構成部品であり、この柔軟な構成部品は、保持力Fの付加中に歪むことで生成された電位エネルギーの解放時に十分な力を送出して、基板が移動または「損失」した際に、クランプ板906を、位置センサ930により高い信頼性で測定できる距離だけ移動させることができる。1つの態様では、従順な部材917は、基板に保持力Fが付加された際に「確実な高さ」に到達できる十分に低いバネ値を有するバネである。別の態様では、接続部材915、従順な部材917、クランプ板906は、保持力Fが付加されると、接続部材915がクランプ板906と接触するか、またはクランプ板906上に「底付き」するように設計されている。これらのタイプの構成の1つの利点に、移送プロセス中に基板が経験する加速によって従順な部材917がこれ以上歪むことができないため、移送プロセス中における保持力Fの変化が阻止され、これにより粒子の生成数が低減し、基板の損失が阻止されるというものがある。
【0146】
[00198]以下のステップは、接続板916に拘束力Fを付加した後にブレードアセンブリ900Aにおける基板の存在を感知する際の、従順な部材917の使用方法の一例を図示するものである。第1ステップでは、アクチュエータ911が、クランプアセンブリ905内の接触部材907と反応部材908を介して、保持力Fを基板に付加し、これにより柔軟な部材917が、接続部材915とクランプ板906の間に収縮のための間隙「G」を生じられるだけ歪む。次に、制御装置101が、位置センサ930から受信した情報の監視と記録によって、クランプ板906が受容可能な位置にあることを確認する。基板が感知されると、即ち基板がブレードアセンブリ900A上の所望の位置に置かれると、拘束力Fが接続板916に付加されて、接続板916の、保持力(F)方向と平行する方向への動作が制限される。基板が動いた場合、および/または「掴持されていない状態」となった場合に、保持力Fの付加中に従順な部材917が歪むことでこれの内部で生成された電位エネルギーが、クランプ板906を拘束された接続板916から離し、次に位置センサ930と制御装置101がこのクランプ板906を感知する。位置センサ930によって記録されたクランプ板906の動作は、制御装置101に移送プロセスを停止させる、または移送プロセスの発生を阻止させることができ、これにより基板およびシステムへの損傷の阻止が促進される。
【0147】
[00351]先述の説明は、本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の基本範囲から逸脱しない限り、本発明のこれ以外およびさらなる実施形態を考案することが可能である。この基本範囲は特許請求の範囲によって決定されたものである。
【符号の説明】
【0148】
5…外部モジュール、10…クラスタツール、11…ロボットアセンブリ、25…中央モジュール、60…第1処理ラック、80…第2処理ラック、90…水平動作アセンブリ、95…垂直動作アセンブリ、101…システム制御装置、105…ポッドアセンブリ、110…環境制御アセンブリ、112…濾過ユニット、305…2本の棒を接合させたロボット、310… 第1接合部、312…伝送システム、313…囲壁、320…モータ、353…ベアリング軸、442…動作アセンブリ、454…駆動ベルト滑車、460…囲壁、471…溝、532…処理チャンバ、560…垂直アクチュエータアセンブリ、570…垂直支持部、573…ベアリングブロック、574…直線レール、577…垂直直線滑動アセンブリ、590…囲壁、900…ロボットブレードアセンブリ、901…ブレード基部、910…アクチュエータ、910…ブレーキ機構、930…位置センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持面を有する基部と、
前記基部上に位置決めされた反応部材と、
基板を前記反応部材に対して強制押圧するアクチュエータに結合している接触部材と、
前記接触部材が前記基板を前記反応部材に対して強制押圧するように位置決めされた場合に、前記接触部材の動作を禁止するように適合されたブレーキ部材と、
を備える基板を移送する機器。
【請求項2】
前記拘束力が、前記ブレーキ部材と前記接触部材が接触することで作成される、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記結合部材に結合し、前記接触部材の位置を感知するように適合されたセンサをさらに備える、請求項1に記載の機器。
【請求項4】
基板が前記支持面上の誤った場所に置かれたことを感知するために、前記アクチュエータおよびセンサと通信する制御装置をさらに備える、請求項1に記載の機器。
【請求項5】
支持面を有する基部と、
前記基部上に位置決めされた反応部材と、
前記基部と結合したアクチュエータと、
前記アクチュエータと結合した接触部材であって、前記アクチュエータが、前記接触部材を、前記支持面上に位置決めされ、前記反応部材によって1つの縁に支持されている基板の縁に対して強制押圧するように適合されている接触部材と、
ブレーキ部材アセンブリであって、ブレーキ部材と、ブレーキアクチュエータ部材であって、基板移送プロセス中に前記接触部材の動作を禁止する拘束力を作成するために、前記ブレーキ部材を前記接触部材に対して強制押圧するように適合されているブレーキアクチュエータ部材とを備えるブレーキ部材アセンブリと、
を備える、基板を移送する機器。
【請求項6】
前記拘束力が、前記ブレーキ部材と前記接触部材が接触することで作成される、請求項5に記載の機器。
【請求項7】
前記拘束力が、前記接触部材の表面と前記ブレーキ部材の間に作成された摩擦力である、請求項5に記載の機器。
【請求項8】
前記結合部材に結合し、前記接触部材の位置を感知するように適合されたセンサをさらに備える、請求項5に記載の機器。
【請求項9】
基板が前記支持面上の誤った場所に置かれたことを感知するために、前記アクチュエータおよびセンサと通信する制御装置をさらに備える、請求項8に記載の機器。
【請求項10】
支持面を有する基部と、
前記基部上に位置決めされた反応部材と、
接触部材アセンブリであって、アクチュエータと、基板接触面と、前記接触面および前記アクチュエータの間に位置決めされた従順な部材とを有する接触部材とを備えており、前記アクチュエータが、前記反応部材の表面に位置決めされた基板に対して前記接触面を強制押圧するように適合されている接触部材アセンブリと、
ブレーキ部材アセンブリであって、ブレーキ部材と、基板移送プロセス中における前記接触部材の動作を禁止するために、前記ブレーキ部材を前記接触部材に対して強制押圧するように適合されたブレーキアクチュエータ部材とを備えるブレーキ部材アセンブリと、
前記接触部材に結合したセンサであって、前記接触面の位置を感知するように適合されているセンサと、
を備える、基板を移送する機器。
【請求項11】
前記従順な部材がバネである、請求項10に記載の機器。
【請求項12】
前記ブレーキ部材アセンブリがさらに、前記ブレーキアクチュエータ部材に結合した第1端部と、前記ブレーキ部材に結合した第2端部とを有するレバーアームを備えており、前記レバーアームが、1つの旋回点に結合しており、また、前記接触部材の動作を禁止し、前記ブレーキアクチュエータ部材が生成した力よりも大きなブレーキ力を生成するように適合されている、請求項10に記載の機器。
【請求項13】
基板を移送する機器であって:
ロボットアセンブリであって、
ロボットブレード上に第1方向に位置決めされた基板を移送するように適合された第1ロボット、
第1動作アセンブリであって、前記第1ロボットを第2方向に位置決めするように適合されたアクチュエータを有する第1動作アセンブリ、
前記第1動作アセンブリに結合しており、また、前記第1ロボットと前記第1動作アセンブリを前記第2方向に対して垂直な第3方向に位置決めするように適合されている第2のアクチュエータを有する第2動作アセンブリ、
を備える、前記ロボットアセンブリと;
前記ロボットブレードに結合した基板掴持装置であって、基板を支持するように適合され、
前記ロボットブレード上に位置決めされた反応部材、
前記ロボットブレードに結合したアクチュエータ、
前記アクチュエータに結合した接触部材であって、前記アクチュエータが、前記接触部材を、前記接触部材と前記反応部材の間に位置決めされた基板の縁に対して強制押圧することで、基板を拘束するように適合されている接触部材、
前記ブレーキ部材アセンブリであって、
ブレーキ部材、
前記基板移送プロセス中に前記接触部材の動作を禁止するために、前記ブレーキ部材を前記接触部材に対して強制押圧するように適合されたブレーキ作動部材、
を備える前記ブレーキ部材アセンブリ、
を備える、前記基板掴持装置と;
をさらに備える、前記機器。
【請求項14】
前記基板掴持装置が、前記接触部材に結合して、また、前記接触部材の位置を感知するように適合されたセンサをさらに備える、請求項13に記載の機器。
【請求項15】
前記基板掴持装置が、基板が誤った場所に置かれていることを感知するために、前記アクチュエータおよび前記センサと通信する制御装置をさらに備える、請求項13に記載の機器。
【請求項16】
前記基板掴持装置が、前記接触部材とアクチュエータの間に位置決めされ、また、前記アクチュエータが前記接触部材を基板に対して強制押圧する際にエネルギーを蓄積するように適合された従順な部材をさらに備える、請求項13に記載の機器。
【請求項17】
基板を処理するクラスタツールであって:
クラスタツール内に位置決めした2つ以上の基板処理チャンバと;
基板を2つ以上の基板処理チャンバへ移送するように適合された第1ロボットアセンブリと;を備え、前期第1ロボットアセンブリが、
前記基板を第1方向に位置決めするように適合された第1ロボットであって、
第1端部と基板受容面とを有するロボットブレードであり、基板を前記基板受容面が受容および移送するように適合されているロボットブレード、
第1旋回点と第2旋回点を有する第1接合部材、
前記第2旋回点において前記第1接合部材と回転的に結合したモータと、
前記ロボットブレードの前記第1端部に取り付けられ、前記第1旋回点において前記第1接合部材に回転的に結合した第1ギア、
前記第1ギアに回転的に結合し、前記第1接合部の前記第2旋回点と同心的に整列した第2ギアであって、前記第2ギアと前記第1ギアのギア比率が約3:1〜4:3である第2ギア、
を備える第1ロボット、
前記第1ロボットを前記第1方向に対して垂直な第2方向に位置決めするように適合された第1動作アセンブリ、
前記第1ロボットを一般的に前記第2方向に対して垂直な第3方向に位置決めするように適合された、モータを有する第2動作アセンブリ、
を備える、前記クラスタツール。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図11G】
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【図11H】
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【図11I】
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【図11J】
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【図11K】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図15A】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【公開番号】特開2013−30787(P2013−30787A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−195132(P2012−195132)
【出願日】平成24年9月5日(2012.9.5)
【分割の表示】特願2008−507704(P2008−507704)の分割
【原出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】