説明

デシカント・シリカゲル収納装置

【課題】 環境問題を踏まえ、フロン触媒を用いたコンプレッサーでのヒートポンプや除湿、調湿などではなく、環境に優しい自然素材活用が求められる。
しかし、従前のデシカント・シリカゲル収納装置は、回転式ハニカム方式が主で、送風ロスや容量が極めて限定されるものであり、その問題を解決するため、シリカゲル大容量装置などもあるが、空気を晒すための表面積に限界があった。
【解決手段】 本発明は、公知の湿気を吸い、また排出する作用のあるシリカゲルを、該シリカゲルがこぼれない網目寸法のメッシュを菱形状に成形した収納体に収納し、該収納体を、空気が通過できるように吸気口と排気口を設けたケーシング内に納めた構造とする。
本発明は、シリカゲルという自然素材を活用することで環境問題にも安全で、また、収納体の個数とケーシングの大きさを調整するだけで、簡単に除湿、調湿の容量を大きくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカゲルを調湿、除湿、保湿、ヒートポンプに活用する大容量の湿気保有装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前のデシカント・シリカゲル収納装置は、回転式ハニカム方式が主で、送風ロスや容量が極めて限定されるものであった。
【0003】
上記の問題を解決するため、シリカゲル大容量装置などの参考文献があるが、空気を晒すための表面積に限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
環境問題を踏まえ、フロン触媒を用いたコンプレッサーでのヒートポンプや除湿、調湿などではなく、環境に優しい自然素材活用が求められる。本発明はこのような課題を克服するために為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、公知の湿気を吸い、また排出する作用のあるシリカゲル▲1▼を、該シリカゲル▲1▼がこぼれない網目寸法のメッシュ▲2▼を菱形状に成形した収納体▲7▼に収納する。該収納体▲7▼を、空気▲6▼が通過できるように吸気口▲4▼と排気口▲5▼を設けたケーシング▲3▼内に納めた構造とする。
【先行技術文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−117334
【特許文献2】特開2003−340234
【発明の効果】
【0007】
吸気口▲4▼から入った空気▲6▼が、収納体▲7▼に入ったシリカゲル▲1▼の表面を通過する際に、メッシュ▲2▼面から晒されたシリカゲル▲1▼の表面に突き出た水酸基に湿気が吸着される。
【0008】
菱形状とすることで、湿気を吸着するシリカゲル▲1▼が晒される表面積が大きくなり、かつ空気の流れを阻害しない。
【0009】
フィルターを使用していないため、吸湿、排出効果は低下せず、清掃や取換えの必要はない。
【0010】
シリカゲル▲1▼を詰めた菱形状の収納体▲7▼を多くする事で、大型建築物にも汎用可能である。
【0011】
収納体▲7▼に収納されたシリカゲル▲1▼の調湿、吸湿、排湿効果は、未収納のシリカゲルと同等である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の構造断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
効率よく湿気を吸放湿するためには、湿気を吸放湿するシリカゲルをできるだけ空気に触れさせることが必要である。
そのため、空気の流通を阻害せずに、かつシリカゲルの表面積を多くするために、メッシュで菱形状に成形した収納体にシリカゲルを収納した。
【実施例1】
【0014】
メッシュ▲2▼を硬質プラスティックで菱形状に成型した本発明の実施例。
【実施例2】
【0015】
メッシュ▲2▼を鉄やアルミ、ステンレスで菱形状に成型した本発明の実施例。
【実施例3】
【0016】
シリカゲル▲1▼を、公知の光触媒作用があるシリカゲルとし、吸着された有害物質を光触媒作用で分解させる、空気浄化作用を加えた本発明の実施例。
【実施例4】
【0017】
実施例3を、さらにケーシング▲3▼内側に、しわ寄せを施したアルミ箔を張り、ケーシング▲3▼内での乱反射作用で光触媒効果を促進させた本発明の実施例。
【実施例5】
【0018】
実施例3及び4で、光触媒作用を起こさせる光源にLEDを用いることで省エネを図る本発明の実施例。
【実施例6】
【0019】
実施例5で、LEDをパルス照射させる事で、さらなる省エネを図る本発明の実施例。
【実施例7】
【0020】
排気口▲5▼に排気送風機を用いた本発明の実施例。
【実施例8】
【0021】
吸気口▲4▼に吸気送風機を用いた本発明の実施例。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、戸建て住宅やアパートのほか、シリカゲルの容量を増やすことで、ビルなどの大型建築物にも利用可能となる。
【0023】
本発明は、調湿省エネでのエコ貢献が可能である。
【0024】
本発明は構造がシンプルで量産性が高く、大型建築物や新築、既存住宅の健康対策やエコ対策として安価に使用出来る事から、住宅業界の活性化に寄与する可能性がある。
【符号の説明】
【0025】
▲1▼ シリカゲル
▲2▼ メッシュ
▲3▼ ケーシング
▲4▼ 吸気口
▲5▼ 排気口
▲6▼ 空気
▲7▼ 収納体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿気の吸放湿作用のあるシリカゲル▲1▼を、該シリカゲル▲1▼がこぼれない網目寸法のメッシュ▲2▼を菱形状に成形した収納体▲7▼に収納し、該収納体▲7▼を、空気▲6▼を通過させるよう吸気口▲4▼と排気口▲5▼を設けたケーシング▲3▼内に納めた事を特徴としたデシカント・シリカゲル収納装置。

【図1】
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【公開番号】特開2013−52382(P2013−52382A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206589(P2011−206589)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(393001039)株式会社福地建装 (10)
【Fターム(参考)】