説明

デジタルカメラ

【課題】本発明は、撮影した画像を視野角上で直接確認することができるとともに携帯性に優れたデジタルカメラを提供する。
【解決手段】本発明のデジタルカメラ10は、イメージセンサ34、38が内蔵されたカメラ本体12と、撮影者の頭部に装着されるヘッドマウントファインダ14とから構成される。使用時には、ヘッドマウントファインダ14の表示部20が撮影者16の目前位置に位置するようにヘッドマウントファインダ14を撮影者の頭部に装着する。そして、撮影者17の片手で把持したカメラ本体12を被写体に向けて撮影すると、その画像がヘッドマウントファインダ14の表示部20に表示される。これにより、撮影した画像を視野角上で直接確認することができる。デジタルカメラ10の携帯時には、ヘッドマウントファインダ14の両支持フレーム22、22間に形成された略長丸状の開口部26に、略舟形状のカメラ本体12を収納保持させる。これにより、デジタルカメラ本体とヘッドマウントファインダ14とが一体化するので携帯性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタルカメラに係り、特にカメラ本体と頭部装着型表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)とを備え、カメラ本体にて撮像した画像を頭部装着型表示装置の表示部に表示させるようにしたデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人等は、特許文献1において、撮像開始点から撮像終了点までの画像をつなぎ合わせて一枚の画像とし、これを表示部に表示させるデジタルカメラを提案している。
【0003】
このデジタルカメラは、撮影者が握るドーナツ形状のグリップ部がカメラ本体として構成され、レンズを備えた撮影ヘッドであるマウント部がこのカメラ本体に回動自在に連結されている。このデジタルカメラを使用する場合、撮影者は、まずカメラ本体を握るとともに、マウント部を水平方向又は鉛直方向若しくは任意の方向に設定して被写体に向ける。次に、カメラ本体に設けられたボタンを操作して撮影モードに設定すると、撮影が開始され、撮影者の腕の動きに合わせて被写体像が、マウント部に内蔵されたイメージセンサの受光面に前記レンズを介して連続的に結像されていく。結像した被写体像は、イメージセンサにより光電変換されて画像処理部に順次出力される。画像処理部は、光電変換された画像信号を画像処理して連続的に撮影した画像をつなぎ合わせ、このつなぎ合わされた画像が、前記グリップ部に設けられた表示部に表示される。
【特許文献1】特開2003−134371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のデジタルカメラは、カメラを構えてフィンダを覗き構図を決めるという撮影者の既成動作を省き、空間を拭き取るようにカメラ本体を移動して撮像開始点から撮像終了点までを一枚の画像として撮像するデジタルカメラであり、自由なフレーミング及び画像の取り込みを可能とした斬新なカメラである。しかしながら、このデジタルカメラは、撮影した画像を確認するための表示部が、撮影時に移動するカメラ本体に設けられているため、その画像を視野角上で直接確認することができないという欠点があった。
【0005】
なお、カメラ本体と表示部とを別個に設けることも考えられるが、それらを別個に携帯することは携帯性を高めた昨今のデジタルカメラの潮流に逆行するとともに紛失の原因にもなる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、撮影した画像を視野角上で直接確認することができるとともに携帯性に優れたデジタルカメラを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するために、撮像素子が内蔵されたデジタルカメラ本体と、撮影者の頭部に装着されるとともに、前記デジタルカメラ本体で撮像された画像を表示する画像表示部が設けられた頭部装着型表示装置とを備え、前記頭部装着型表示装置は、撮影者の側頭部に装着されるとともに前記画像表示部を収納する収納部が形成された支持フレーム部を備え、該支持フレームに前記デジタルカメラ本体を保持する保持部が形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載のデジタルカメラは、デジタルカメラ本体と頭部装着型表示装置とから構成し、頭部装着型表示装置の画像表示部が撮影者の目前位置に位置するように頭部装着型表示装置を撮影者の頭部に装着する。そして、撮影者の手で把持したデジタルカメラ本体を被写体に向けて撮影すると、その画像が頭部装着型表示装置の画像表示部に表示される。これにより、撮影した画像を視野角上で直接確認することができる。そして、デジタルカメラの携帯時には、頭部装着型表示装置の支持フレームに前記画像表示部を収納して画像表示部を支持フレームによって保護した後、支持フレームに形成された保持部にデジタルカメラ本体を保持させて、デジタルカメラ本体及び頭部装着型表示装置を一体化させる。これにより、携帯性に優れたデジタルカメラとなる。支持フレームに形成された保持部としては、凹部/凸部など形状による嵌合保持、及びマグネットによる吸着保持を含むものとする。また、表示部が枠体やケーシングによって予め保護されている場合には、表示部を支持フレームに収納する必要はない。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記頭部装着型表示装置は、略円弧状に形成された一対の前記支持フレームと、該一対の支持フレームの各々の前端部に連結された前記画像表示部とを有し、前記一対の支持フレームに前記画像表示部が収納された際に形成される一方の支持フレームと他方の支持フレームとの間の略長丸状の開口部に、略舟形状に形成された前記デジタルカメラ本体が収納保持されることを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載のデジタルカメラは、一対の支持フレームを、側頭部の形状に合った円弧状に形成するとともに、デジタルカメラ本体を略舟形状に形成し、このデジタルカメラ本体を、一方の支持フレームと他方の支持フレームとの間の略長丸状の開口部に収納保持した。これにより、携帯時のデジタルカメラはデジタルカメラ本体と頭部装着型表示装置とが一体化し、かつ、デジタルカメラ本体は一対の支持フレームによって挟持されるので、携帯性が向上し、かつ、形態時のデジタルカメラ本体を一対の支持フレームによって保護することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明において、撮像開始点から撮像終了点までを一枚の画像として撮像する機能を備えたデジタルカメラであることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載のデジタルカメラは、空間を拭き取るように又は黒板を消すようにデジタルカメラ本体を左右に斜め方向に移動して撮像開始点から撮像終了点までを一枚の画像として撮像することができ、自由なフレーミング及び画像の取り込みが可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1、2又は3のうちいずれか一つに記載の発明において、前記デジタルカメラには映像信号送信部が設けられ、前記頭部装着型表示装置には映像信号受信部が設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項4のデジタルカメラは、無線による信号伝送方式によりデジタルカメラ本体にて撮像した画像を頭部装着型表示装置に送信できるので、デジタルカメラ本体を信号伝送用ケーブルに邪魔されることなく、自由に移動させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の発明において、前記頭部装着型表示装置の画像表示部は、可撓性のある電子ディスプレイであることを特徴としている。
【0016】
請求項5のデジタルカメラは、画像表示部は、可撓性のある電子ディスプレイを適用することにより、支持フレームの形状に沿って収納し易くなり、支持フレームに対する収納性が向上する。電子ディスプレイとしては、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を用いた有機ELディスプレイを採用することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明に係るデジタルカメラによれば、デジタルカメラ本体と頭部装着型表示装置とから構成し、頭部装着型表示装置の画像表示部が撮影者の目前位置に位置するように頭部装着型表示装置を撮影者の頭部に装着し、撮影者の手で把持したデジタルカメラ本体を被写体に向けて撮影すると、その画像が頭部装着型表示装置の画像表示部に表示されるので、撮影した画像を視野角上で直接確認することができる。また、デジタルカメラの携帯時には、頭部装着型表示装置の支持フレームに画像表示部を収納し、支持フレームに形成された保持部にデジタルカメラ本体を保持させて、デジタルカメラ本体及び頭部装着型表示装置を一体化させたので、携帯性に優れたデジタルカメラとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下添付図面に従って、本発明に係るデジタルカメラの好ましい実施の形態について詳説する。
【0019】
図1には、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ10の使用形態の一例が示されている。同図に示すデジタルカメラ10は、カメラ本体(デジタルカメラ本体)12とヘッドマウントファインダ(頭部装着型表示装置)14とから構成される。カメラ本体12は、撮影者16の片手によるハンドリングを容易にするために、そのケーシング18が細長い略舟状に形成されている。
【0020】
また、ヘッドマウントファインダ14は、図2に示すように、カメラ本体12による撮影時にファインダ14となる表示部(画像表示部)20を有している。この表示部20は、可撓性のある電子ディスプレイであり、実施の形態では、蛍光体を平面電極で挟み、強電界を印加することで発光する有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を用いた有機ELディスプレイが適用されている。この表示部20はその両端部が、ヘッドマウントファインダ14を構成する一対の支持フレーム22、22の各々の前端部に支持されるとともに、支持フレーム22、22の内部に形成された空間部(不図示)に全体が収納される。これらの支持フレーム22、22は、図1の如く撮影者16の側頭部に装着される部分であり、側頭部の形状に沿った円弧形状に形成されている。また、支持フレーム22、22の各々の後端部は、可撓性のあるバンド部材24によって連結され、このバンド部材24は、表示部20と同様に支持フレーム22、22の内部に形成された空間部(不図示)に全体が収納される。
【0021】
図3は、支持フレーム22、22に表示部20とバンド部材24とが収納され、これによって形成される両支持フレーム22、22間の略長丸状の開口部26に、略舟形状のカメラ本体12を収納保持させた図である。なお、支持フレーム22に対するカメラ本体12の保持手段は、凹部/凸部など形状による嵌合保持手段、及びマグネットによる吸着保持手段を例示できる。また、表示部20として有機ELディスプレイを例示したが、フィルム液晶ディスプレイ、電子インクディスプレイ等も例示できる。使用時において表示部20は図1の如く撮影者16の目前位置に位置されるため、表示部20の表面に、接眼レンズ機能を有するフィルム状のレンズを接着しておくことが、観察像を明瞭に観察する上で好ましい。また、図2において符号19は、カメラ本体12のケーシング18の側面に形成された指掛かり用凹部であり、また、符号23はヘッドマウントファインダ14の支持フレーム22に形成された耳掛かり用凹部である。
【0022】
図4に示すカメラ本体12の長円形状正面板28には、長径に沿ってスリット30が形成され、このスリット30に被写体像を取り入れるための透明板32が固着されている。また、透明板32の内側には、すなわち、カメラ本体12の内部には、透明板32を介して取り入れられた被写体像を撮像する撮像系が配置されている。この撮像系は、図5に示すイメージセンサ34と、このイメージセンサ34に被写体像を結像させる結像レンズ(不図示)とから構成される。また、図4の長円形状正面板28の一端部には、結像レンズ36が埋め込まれており、この結像レンズ36の結像位置には、すなわち、カメラ本体12には図5のイメージセンサ38が内蔵されている。なお、このイメージセンサ38をイメージセンサ34に兼用させてもよい。
【0023】
更にまた、図6に示すようにカメラ本体12の背面板40には、撮影者が撮像開始点や撮像終了点を指示するレリーズボタン42と、撮影範囲を指定するレリーズボタン44とが設けられている。レリーズボタン42を操作することにより、イメージセンサ34に被写体像が結像され、レリーズボタン44を操作することにより、イメージセンサ38に被写体像が結像される。なお、図示していないが、カメラ本体のケーシング18には、ヘッドマウントファインダ14の表示部20に表示されている項目から所望の項目をキャンセルする際等に指定するキャンセルボタンと、表示部20に表示されている項目から所望の項目を指定する際等に指定するメニューボタンと、撮像モードや再生モード等の各種のモードの切り替えを設定するとともに、表示部20に表示されている項目を移動する際に利用する十字ボタン等が設けられている。また、カメラ本体12には、図5の如く、撮像した画像やデジタルカメラの処理及び操作に関する情報を表示する液晶表示部46と、撮像した画像等の情報を記録する挿抜可能な記録媒体48と、カメラ本体の動作電源となる電池50とが設けられている。
【0024】
次に、図5に示したカメラ本体12の信号処理系ブロック図を更に詳しく説明する。
【0025】
カメラ本体12の画像処理部には、被写体像を受光面に結像させて光電変換し、画像信号として出力するイメージセンサ34、38と、画像サイズの変更、シャープネス補正、輪郭処理、コントラスト補正等の処理を行う画像処理部52と、アナログの画像信号をデジタルの画像データに変換するA/D変換器54とが設けられている。
【0026】
イメージセンサ34、38は、二次元の画像を撮像することが可能なCCDに代表されるエリアセンサであってもよいし、1次元のラインセンサであってもよい。イメージセンサ34、38に二次元センサを用いることによって、後段の回路でより複雑な処理を実施することが可能となる。
【0027】
また、カメラ本体12には、画像処理部52によって処理された映像信号を搬送波に乗せて送信する送信部56が設けられる。搬送波として電波を使用する場合にはアンテナ(映像信号送信部)58が設けられ、また、搬送波として赤外線を使用する場合には赤外線照射部が設けられる。アンテナ58から送信された映像信号は、図2に示すヘッドマウントファインダ14の支持フレームに接着されたアンテナ(映像信号受信部)59に受信され、ヘッドマウントファインダ14の表示部20にその画像が表示される。
【0028】
更に、図5の如くカメラ本体12には、画像データ等の情報をJPEGやモーションJPEGに代表される手法で圧縮処理又は間引き処理を施したり圧縮した画像データ等を伸張展開処理する圧縮伸張部60と、撮像した画像や各種の文字、デジタルカメラ10の操作に関するメッセージ等を表示して利用者に通知する液晶表示部46と、撮像して得た画像データに対してホワイトバランス処理を実施したり、ガンマ変換、YC変換処理、画素数の変換処理、電子ズーム処理、トリミング処理等を実施する信号処理部61とが設けられている。
【0029】
また、カメラ本体12には、電源スイッチやレリーズボタン42、44、ファンクションスイッチ、キャンセルボタン、メニューボタン、十字ボタン等から構成される入力部62と、入力部62を介して入力された入力情報及びLED等の通知手段用の情報を入出力するインターフェースであるI/O64と、記録媒体48を着脱可能に装着するとともに記録媒体48に対して画像データ等の情報を記録したり読み出したりする記録媒体装着部66とが設けられている。なお、記録媒体48は、メモリーカード等の半導体や、MO等に代表される磁気記録式、光記録式等に代表される着脱可能な記録媒体である。
【0030】
更に、カメラ本体12には、デジタルカメラ10全体の制御を行うとともに画像データのサンプリングタイミング制御、レートセンサ68や送信部56から取得した情報の解析処理、画像データの結合処理、画像データの抽出処理、画像データの合成処理、画像データのパターンマッチング処理、画像データの記録制御、画像データの図形認識、画像の記録に関する制御、表示制御等の制御を行う情報処理部70が設けられている。
【0031】
更にまた、カメラ本体12には、デジタルカメラ10の動作プログラムや定数、その他の各種の情報を電源遮断後も記憶し続けることが可能な不揮発性メモリ72と、プログラム実行時の作業領域となる高速読み書き可能な記憶手段であるRAM74とが設けられている。
【0032】
また、カメラ本体12には、時を刻むとともに時刻に関する情報を情報処理部70に出力することが可能なカレンダ時計76と、デジタルカメラを駆動するための各種電力を供給する電源50が設けられている。同図に示すように情報処理部70とその周辺の各器機はバス78で接続されており、互いに情報の伝達を高速で行うことが可能であるとともに、情報処理部70が実行する処理プログラムに基づいて周辺の各機器を制御することが可能となっている。
【0033】
なお、イメージセンサ34、38は、情報処理部70の指示に基づいて、各時刻毎(0.1秒毎など)、カメラ本体12の移動位置毎(0.1mm毎、0.1rad毎など)に複数画像を撮像することが可能となっている。
【0034】
また、情報処理部70は、撮像した画像から縦方向の一部又は横方向の一部を抽出することが可能となっている。更に、情報処理部70は、前記時刻毎、又はカメラ本体12の移動位置毎の前記抽出した画像の一部をつなぎ合わせて、新たな一枚の画像を生成することが可能となっている。更にまた、情報処理部70は、前記時刻毎、又はカメラ本体12の移動位置毎の前記抽出した画像の一部を、時刻又はデジタルカメラの位置の情報に関して等間隔につなぎ合わせるようにしてもよいし、撮影者の指示に基づいて故意に不等間隔につなぎ合わせるようにしてもよい。
【0035】
また、情報処理部70が画像をつなぎ合わせる際には、前記複数の画像を正確に合成するようにしてもよいし、横方向に拡大した画像を生成してつなぎ合わせるようにしてもよいし、横方向に縮小した画像をつなぎ合わせるようにしてもよい。また、縦方向に拡大又は縮小してつなぎ合わせるようにしてもよい。
【0036】
このように、つなぎ合わせる画像を故意に縦方向又は横方向に、拡大又は縮小してつなぎ合わせることによって、独特な流れや歪みのある画像を得ることが可能となる。また、撮像時に撮影者がカメラ本体12の動かし方を変えることによって、同じシーンを撮像しても大きく異なった画像を取得することが可能となる。
【0037】
また、撮影者が前記画像合成部が画像を合成する際の画像の拡大率又は縮小率の設定を、入力部62を操作して変更することによって、撮像後に複数の異なった雰囲気の画像を作り出すことが可能となる。なお、これらの画像合成部の処理は、撮像前に変更してもよいし、撮像後に変更してもよい。更にまた、情報処理部70が画像をつなぎ合わせる場合には、イメージセンサ34、38が撮像した複数の画像パターンマッチングを行って、一致した部分にもとづいてその画像の縦方向の一部又は横方向の一部を抽出して、該抽出した画像をつなぎ合わせて一枚の画像を生成するようにしてもよい。このようにパターンマッチングを実施することによって、移動レートや移動位置の情報がなくても画像のつなぎ合わせ処理を実施することが可能となる。
【0038】
前記の如く構成されたデジタルカメラ10によれば、イメージセンサ34、38が内蔵されたカメラ本体12と、撮影者の頭部に装着されるヘッドマウントファインダ14とから構成し、このヘッドマウントファインダ14の表示部20が撮影者16の目前位置に位置するようにヘッドマウントファインダ14を撮影者の頭部に装着する。そして、撮影者17の片手で把持したカメラ本体12を被写体に向けて撮影すると、その画像がヘッドマウントファインダ14の表示部20に表示される。
【0039】
これにより、デジタルカメラ10によれば、撮影した画像を視野角上で直接確認することができる。そして、デジタルカメラ10の携帯時には、図3の如くヘッドマウントファインダ14の両支持フレーム22、22間に形成された略長丸状の開口部26に、略舟形状のカメラ本体12を収納保持させる。これにより、携帯時のデジタルカメラ10はデジタルカメラ本体とヘッドマウントファインダ14とが一体化するので、各々が別体のデジタルカメラと比較して携帯性が向上する。また、カメラ本体12は、一対の支持フレーム22、22によって挟持されるので、形態時のカメラ本体12を一対の支持フレーム22、22によって保護することができる。
【0040】
更にまた、実施の形態のデジタルカメラ10によれば、撮影者16がレリーズボタン42を押下操作して撮像開始点を指定し、図1の二点鎖線Aの矢印の如く、空間を拭き取るように又は黒板を消すようにカメラ本体12を左右に斜め方向に移動し、この後、撮像終了点を指示することにより、撮像開始点から撮像終了点までを一枚の画像として撮像し、表示部20に表示することができる。また、撮影者16がレリーズボタン44を押下操作して撮像開始点を指定し、円弧を描くようにカメラ本体12を移動し、この後、撮像終了点を指示することにより、撮像開始点から撮像終了点まで囲んだ範囲の被写体を一枚の画像として撮像し、表示部20に表示することができる。これにより、自由なフレーミング及び画像の取り込みが可能となる。
【0041】
また、デジタルカメラ10は、電波、又は赤外線等の搬送波による信号伝送方式により、カメラ本体12にて撮像した画像をヘッドマウントファインダ14側に送信するように構成したので、カメラ本体12を信号伝送用ケーブルに邪魔されることなく、自由に移動させることができる。
【0042】
また、デジタルカメラ10によれば、表示部20として、有機ELディスプレイ等の可撓性のある電子ディスプレイを適用したので、表示部20の支持フレーム22に対する収納性が向上する。
【0043】
図7は、他の実施の形態のヘッドマウントファインダ114にカメラ本体12が、保持のために装着された例を示す上面図、図8は、ヘッドマウントファインダ114によってカメラ本体12が保持された状態を示す上面図である。
【0044】
これらの図に示すヘッドマウントファインダ114は、表示部120、1本の支持フレーム122、及びホルダ部材124等から構成される。支持フレーム122は、撮影者の側頭部に装着される部分であり、その前端の屈曲部123に表示部120が固定されている。この表示部120は、有機ELディスプレイ等の可撓性表示部でもよく、また、液晶表示部でもよい。また、ホルダ部材124は、撮影者の後頭部に装着される部分であり、後頭部全体を保持できるように半円弧状に形成されている。このホルダ部材124は、可撓自在な材料で構成されるとともに、支持フレーム122の内部に収納可能に構成されている。更に、ホルダ部材124の先端部125は、ヒンジ部126及びトグルばね(不図示)を介してホルダ部材124に折り畳み自在に連結されている。
【0045】
カメラ本体12をヘッドマウントファインダ114に保持させる場合には、まず、図7の如くマグネット等の保持手段によってカメラ本体12を1本の支持フレーム122に保持させる。次に、支持フレーム122にホルダ部材124を収納した後、ヒンジ部126を支点として先端部125を図8の如く折り畳み、先端部125を不図示のトグルばねの付勢力によってカメラ本体12に押圧する。これにより、カメラ本体12の端部が先端部125と支持フレーム122とによって挟圧保持されるので、カメラ本体12がヘッドマウントファインダ114に確実に保持される。すなわち、図7、図8の例によれば、1本の支持フレーム122を有するヘッドマウントファインダ114であっても、カメラ本体12を保持可能であることを示している。また、表示部120を支持フレーム122に収納することなく、カメラ本体12を支持フレーム122に保持する態様を示している。
【0046】
上記は全てデジタルカメラの例として記載したが、携帯電話やPDA等の撮影機能内蔵機器でも同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施の形態に係るデジタルカメラの使用形態の一例を示した説明図
【図2】図1に示したデジタルカメラの斜視図
【図3】図1に示したデジタルカメラにおいてデジタルカメラ本体がヘッドマウントファインダに収納保持された状態を示す斜視図
【図4】図3に示したデジタルカメラ本体の正面図
【図5】図3に示したデジタルカメラ本体の制御系を示したブロック図
【図6】図3に示したデジタルカメラ本体の背面図
【図7】他の実施の形態のヘッドマウントファインダによってデジタルカメラ本体が保持される状態を示した上面図
【図8】図7に示したヘッドマウントファインダによってデジタルカメラ本体が保持された状態を示した上面図
【符号の説明】
【0048】
10…デジタルカメラ、12…カメラ本体、14、114…ヘッドマウントファインダ、18…ケーシング、20、120…表示部、22、122…支持フレーム、24…バンド部材、26…開口部、32…透明板、34、38…イメージセンサ、42、44…レリーズボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子が内蔵されたデジタルカメラ本体と、撮影者の頭部に装着されるとともに、前記デジタルカメラ本体で撮像された画像を表示する画像表示部が設けられた頭部装着型表示装置とを備え、
前記頭部装着型表示装置は、撮影者の側頭部に装着されるとともに前記画像表示部を収納する収納部が形成された支持フレーム部を備え、該支持フレームに前記デジタルカメラ本体を保持する保持部が形成されていることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記頭部装着型表示装置は、略円弧状に形成された一対の前記支持フレームと、該一対の支持フレームの各々の前端部に連結された前記画像表示部とを有し、
前記一対の支持フレームに前記画像表示部が収納された際に形成される一方の支持フレームと他方の支持フレームとの間の略長丸状の開口部に、略舟形状に形成された前記デジタルカメラ本体が収納保持されることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記デジタルカメラは、撮像開始点から撮像終了点までを一枚の画像として撮像する機能を備えたデジタルカメラであることを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記デジタルカメラには映像信号送信部が設けられ、前記頭部装着型表示装置には映像信号受信部が設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3のうちいずれか一つに記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記頭部装着型表示装置の画像表示部は、可撓性のある電子ディスプレイであることを特徴とする請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載のデジタルカメラ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−60583(P2006−60583A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−241164(P2004−241164)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】