説明

デジタルコンテンツリンクシステム及びこのシステムに用いられるデジタルコンテンツリンクサーバー

【課題】ウエブブラウザを搭載したセットボックス上で再生するのに適したデジタルコンテンツリンクシステムを提供する。
【解決手段】デジタルコンテンツリンクシステムは、電気通信回線103を通じてデータベース102(102a,102b,・・・)に蓄積されている複数のデジタルコンテンツをストリーミング配信する複数のストリーミングサーバー101(101a,101b,・・・)と、前記デジタルコンテンツを視聴するための再生プログラムを実行させる端末装置と、前記ストリーミングサーバーへのリンクサーバー10とから構成され、前記デジタルコンテンツの個々のURL(Uniform Resource Locator)が前記リンクサーバーの提供するウエブサイトから直接指定されることによって、前記デジタルコンテンツが前記リンクサーバーを介さずに直接配信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セットトップボックスのデジタルコンテンツ再生機能を利用してインターネットなどの電気通信回線を経由して配信されるデジタルコンテンツの視聴を可能にするデジタルコンテンツリンクシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ニュースや映画など様々なデジタルコンテンツがインターネット経由でストリーミング配信されている。デジタルコンテンツはストリーミングサーバーから配信されているが、このデジタルコンテンツを視聴するためには、パーソナルコンピュータ(PC)など、ウエブブラウザ及び必要なプログラムを搭載した特定の端末装置が必要とされる。
【0003】
図7は、ストリーミングサーバー101(101a,101b,・・・)からデジタルコンテンツが配信される従来の仕組みを説明したものである。この図に示すように、ストリーミングサーバー101aがウエブサイトをインターネット103を通じて公開しており、そのトップページのURLが例えば、「http://streeming.xxxxxx.co.jp/」で表される場合を想定する。ユーザーの端末装置104(例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)104a、ノート型PC104b、・・・)は、ウエブブラウザを搭載しており、ストリーミングサーバー101のトップページのURLにアクセスすることができる。なお、デジタルコンテンツは音声その他の音楽データなどを含む動画、或いは音楽だけの場合もあるが、これらは所定の規格でエンコードされたファイルとしてデータベース102(102a,102b,・・・)上に保存されている。
【0004】
デジタルコンテンツの配信は、端末装置104がHTML(HyperText Markup Language)で記述されたストリーミングサーバー上のデジタルコンテンツを配信することを要求(マウスクリック等)したときに開始される。このとき、ユーザー側の端末装置では、ウエブブラウザ上でデジタルコンテンツ再生のためのプログラム(デジタルコンテンツプレーヤー)が起動され、ストリーミングサーバーから送られるデジタルコンテンツの圧縮データが連続的にデコードされることで、端末装置上でそのコンテンツを視聴することができる。
【0005】
一般にデジタルコンテンツを提供するウエブサイトはPC上でそのコンテンツを視聴することを想定して作られている。そのため、単にウエブブラウザやプレーヤーが起動するだけでは足りず、その他の条件、例えば、特定のウエブブラウザを使用すること、ウエブブラウザ上でJavaScript(登録商標)やActiveX(登録商標)、フラッシュプレーヤー(登録商標)などのウエブプログラム(ウエブブラウザ上で動作するプログラム)が使用可能に設定されていること、などコンテンツ配信サイトごとに様々な条件が設けられている。
【0006】
このため、PC以外の端末装置でこのようなデジタルコンテンツを視聴しようした場合、視聴開始までの操作が非常に煩雑になったり、視聴そのものができなかったりする。
【0007】
セットトップボックスは地上波デジタル放送などを受信したりDVDを再生することができる端末表示装置であり、近年はウエブブラウザ及びインターネットプロトコル(IP)に接続する機能が付加されているIPセットトップボックス(以下、「IP−STB」という。)が急速に普及している(例えば特許文献1等参照)。本発明において、IP−STBとは、テレビに接続してインターネットプロトコル網(IP網)経由で映像やデータなどのデジタルコンテンツ配信サービスを視聴できる装置の総称をいう。IP−STBを利用すると、ビデオオンデマンド(VOD)による映像の配信サービスを視聴したり、双方向のビデオチャット(テレビ電話)などが行えるようになる。
【特許文献1】特開2002−262262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
IP−STBは一般に大画面の表示装置を持っており、表示画面の解像度やデジタルデータのデコード部分や或いは音響装置など、デジタルコンテンツの再生に直接かかわる部分については、通常のPCと比較してハードウエア構成が充実しており、本来的に高画質高音質で再生する機能を持っている。
【0009】
その反面、IP−STBに搭載されているウエブブラウザは、一般のPCとは異なり、ウエブプログラムの処理能力が低いためにPC端末向けのデジタルコンテンツを再生することに適していない。例えばIP−STBのブラウザでは、フラッシュプレーヤー(登録商標)を利用できないものが殆どである。
【0010】
更に、デジタルコンテンツサイトには、多数の広告宣伝用のリンクが張られていたり、しかもそのリンクの画像がフラッシュプレーヤー(登録商標)などで動画表示されていたりするので、適切に表示できなかったり、或いは表示に時間がかかったり、必要なコンテンツを選択して視聴を開始するまでに多くの操作を必要としたりすることが問題となる。
【0011】
PCの場合はマウス操作で比較的容易に目的とするデジタルコンテンツのリンクにたどり着くことができるが、IP−STBにはキーボードやマウスなどの入力手段が存在しない。IP−STBの基本的な操作手段は、選択対象の移動ボタンと決定ボタンとキャンセルボタンなどしか持たない「リモコン」であり、必要とするデジタルコンテンツのリンク先を選択し、決定するまでには非常に多くの操作を必要とする。
【0012】
この解決方法として、IP−STB側のウエブブラウザをPC端末と同程度まで高機能化したり、入力装置としてマウスを設けるということも考えられるが、既存のIP−STBには対応できない。そもそもマウスによるポインタ操作などを前提として作成されたウエブサイトを、簡単な操作しかできないリモコンで操作することは困難である。また、ブラウザを高機能化してもデジタルコンテンツの再生には無関係の広告画像等が表示されるだけであり、むしろ必要でない画像は表示されない方が好ましい。
【0013】
DVD(デジタルビデオディスク)などの記録媒体に収められた映画などの大容量のデジタルコンテンツはすでに大画面のIP−STBで視聴することが一般的になりつつあり、これと同様に、ニュースや天気予報などの誰でも無料で閲覧できるインターネット上でストリーミング配信されるデジタルコンテンツをIP−STBで手軽に視聴することができれば非常に有用であると考えられる。
【0014】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ウエブブラウザを搭載したセットボックス上で再生するのに適したデジタルコンテンツリンクシステムと、このシステムに用いられるデジタルコンテンツリンクサーバーを提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るデジタルコンテンツリンクシステムは、電気通信回線103を通じてデータベース102(102a,102b,・・・)に蓄積されている複数のデジタルコンテンツをストリーミング配信する複数のストリーミングサーバー101(101a,101b,・・・)と、前記デジタルコンテンツを視聴するための再生プログラムを実行させる端末装置104(104a,104b,・・・)と、前記ストリーミングサーバーへのリンクサーバー10とから構成され、前記デジタルコンテンツの個々のURL(Uniform Resource Locator)が前記リンクサーバーの提供するウエブサイトから直接指定されることによって、前記デジタルコンテンツが前記リンクサーバーを介さずに直接前記端末装置に配信されることを特徴とする。
【0016】
ウエブブラウザとはインターネットなどの電気通信回線上で公開されたウエブサイトを閲覧するためのプログラムである。一般に、デジタルコンテンツを視聴するためには、ウエブブラウザとデジタルコンテンツの再生プログラム(プレーヤー)が必要であるが、PC向けのデジタルコンテンツサイトは端末装置側のプログラムの起動等をサーバー側から制御するために、ウエブサイトがJavaScript(登録商標)やActiveX(登録商標)などのウエブプログラムを用いて記述されている。
【0017】
本発明におけるリンクサーバー10が提供するウエブサイトは、このようなウエブプログラムを含まず、いわゆる静的なHTMLによって記述されていることを意味する。但し、デジタルコンテンツ再生プログラムの動作とは無関係の動作を行わせるためのウエブプログラム、例えばアクセスカウンタを提供するためのCGIなどが含まれていることは構わない。また、ストリーミング配信以外の方法によるデジタル動画コンテンツの配信、例えば、動画ファイルを一旦端末装置にダウンロードしてこれを再生する場合などは、ストリーミングサーバーによる配信とは異なるものである。
【0018】
本発明に係るデジタルコンテンツリンクサーバー10は、デジタルコンテンツを保存した複数のストリーミングサーバーのURL(Uniform Resource Locator)リストをそれぞれ解析するHTML解析手段11と、前記ファイルのリストを抽出するファイルリスト抽出手段12と、前記ファイルのURLリストを抽出するURLリスト抽出手段13と、前記ファイルリスト抽出手段12と前記URLリスト抽出手段13とによって抽出されたファイルリストとURLリストとから前記ファイルを再生可能なものと再生不可能なものとに区分すると共に前記再生可能なファイルをコンテンツのカテゴリー別に分類することによりページ構成を行うページ構成手段14と、前記カテゴリーの分類に基づいて前記ファイルのURLに直接リンクさせるためのメニューページを生成するメニューページ画面生成手段15とを備えていることを特徴とする。
【0019】
上記構成によると、IP−STB端末20はインターネットを通じて公開された一つのデジタルコンテンツリンクサーバー10のメニューページ画面を通じて、個々のストリーミングサーバー101のデジタルコンテンツにアクセスし、そのコンテンツを再生することができる。ユーザーにとっては、カテゴリーの分類に基づいたシンプルな画面構成のメニューがIP−STBの画面上に表示されるので、簡単なリモコン操作のみで所望のデジタルコンテンツを視聴することが可能となる。なお、ここで重要なことは、本発明に係るデジタルコンテンツリンクサーバー10は、それ自体デジタルコンテンツを一切持たないという点である。デジタルコンテンツそれ自体はあくまで個々のコンテンツサイトが提供するもの、具体的にはストリーミングサーバーに接続されているデータベース上のコンテンツ)利用するのである。
【0020】
更に、前記ストリーミングサーバー101がXML(eXtensible Markup Language)ファイルによってコンテンツの更新情報を提供している場合には、その更新情報に基づいて前記メニューページを更新する更新情報確認手段16を更に備えるように構成することが好ましい。更新情報としては、例えばRSS情報が挙げられる。
【0021】
ストリーミングサーバーが配信するデジタルコンテンツは不定期に更新されるので、上記のように更新情報を常に監視することで、IP−STBが本発明に係るデジタルコンテンツリンクサーバー10を介してストリーミングサーバー101に接続する場合でも、コンテンツ更新のタイムラグを最小限にして、常に最新のコンテンツを視聴できるようにすることができるからである。
【0022】
前記ファイルリスト抽出手段12は、前記ストリーミングサーバー101が前記更新情報、サイトのサイトマップ情報、サイトの検索機能のいずれかを利用してファイルリストを抽出することが好ましい。また、前記URLリスト抽出手段13は、XML形式のメニュー情報又はメニューページの解析結果に含まれるURLリストを抽出するように構成することが好ましい。
【0023】
このうち、URLリスト抽出手段13は、具体的には以下のようなプログラムとして実装される。すなわち、本発明に係るデジタルコンテンツリンクサーバー用のURLリスト抽出プログラムは、ストリーミングサーバーが保持するXML形式のメニュー定義ファイルを含むデジタルコンテンツを指定するためのURLリストを抽出する下記S1〜S4のステップをデジタルコンテンツリンクサーバーに実行させることを特徴とするように構成してもよい。
S1:XML形式のメニュー定義ファイル(menu.xml)を取得するステップ
S2:プログラム名から指定番組idを検索するステップ
S3:前記S2で取得した指定番組idをXMLファイル名として、そのxm lを読み込むステップ
S4:前記S3で読み込んだXMLファイルから前記端末装置で再生可能な所定の拡張子を含むファイルを指定しているURLを検索するステップ
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るデジタルコンテンツリンクシステムを通じてストリーミングサーバーにアクセスすると、ウエブブラウザとデジタルコンテンツの再生プログラムを備えているがJavaScript(登録商標)やActiveX(登録商標)などのウエブプログラムを利用できない環境の端末装置からも、デジタルコンテンツを視聴することができる。例えば、IP−STB、携帯電話或いはセキュリティの観点からウエブプログラムの起動を制限しているPCなどの端末装置からも、デジタルコンテンツを視聴することができる。特に、IP−STBは一般に大画面で高機能のデジタルコンテンツ再生回路及び高性能の音響システム等を備えており、一般のPCなどと比べて、動画像や音楽などのデジタルコンテンツを視聴することに適しているので、本発明に係るデジタルコンテンツリンクシステムの端末装置としてはIP−STBが特に適している。
【0025】
また、本発明に係るデジタルコンテンツリンクサーバー10を端末装置20のウエブブラウザ側からみると、単純なHTMLで記述されたリンクページとして認識されるので、リンクサーバー自体がデジタルコンテンツを保持する必要はない。更に、端末装置20にはデジタルコンテンツの再生に必要のない画像及びリンクは一切表示されないようにすることができるので、端末装置20のウエブブラウザの動作が軽快であり、ユーザーは簡単な操作で所望のデジタルコンテンツを視聴できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るデジタルコンテンツリンクシステムのシステム構成を説明している。複数のストリーミングサーバー101(101a,101b,・・・)がインターネット103を通じて各ストリーミングサーバーに接続されているデータベース102(102a,102b,・・・)に保存されたデジタルコンテンツを公開していることを示している。
【0027】
このデジタルコンテンツリンクシステムは、ストリーミングサーバー101と、このサーバー101のデジタルコンテンツにリンクさせるためのウエブサイトを提供するデジタルコンテンツリンクサーバー10(以下、単に「リンクサーバー」という。)と、デジタルコンテンツを再生するための端末装置20(20a,20b,・・・)とから構成される。
【0028】
端末装置20はデジタルコンテンツリンクサーバーに接続可能なウエブブラウザを含むデジタルコンテンツ再生プログラムを含んでいるデジタルコンテンツ再生装置であり、例えばデジタル放送受像機などのIP−STBが該当する。
【0029】
このIP−STBに通常搭載されているウエブブラウザは、通常のパーソナルコンピュータ(PC)で動作するブラウザとは異なり、デジタルコンテンツ再生プログラムを制御するためのウエブプログラムを実行する機能を含まないものである。そのため、端末装置20から直接ストリーミングサーバー101にアクセスして所望のデジタルコンテンツを再生するためには当該ファイルのURLを直接指定するなどの方法を用いなければならない。
【0030】
ところが、デジタルコンテンツリンクサーバー10は、デジタルコンテンツへのリンクサーバーとして機能するので、ユーザーはこのリンクサーバー10が提供するメニュー画面を選択していくことにより、容易に所望のデジタルコンテンツを視聴することが可能となる。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、第1の実施形態で説明したシステムにおけるリンクサーバー10について説明する。この実施形態では、端末装置20がIP−STBであるとして説明する。リンクサーバー10は基本的にはウエブサーバーであり、HTMLで記述されたファイルをインターネット等の電気通信回線を通じてウエブサイト上に公開する機能を持っている。しかし、ストリーミングサーバーとしての機能は持っておらず、ストリーミングサーバーのデジタルコンテンツへのURLリンクを提供する機能のみを持つものである。
【0032】
図2は、リンクサーバー10の各機能ブロックを説明するための図である。この図に示すように、リンクサーバー10は、ストリーミングサーバー101が提供するデジタルコンテンツサイトのHTMLソースを解析するHTML解析手段11と、デジタルコンテンツのリストを抽出するファイルリスト抽出手段12と、デジタルコンテンツのURLリストを抽出するURLリスト抽出手段13と、抽出されたファイルリストとURLリストとからデジタルコンテンツを再生可能なコンテンツと再生不可能なコンテンツとに区分すると共に前記再生可能なコンテンツをカテゴリー別に分類することによりページ構成を行うページ構成手段14と、カテゴリーの分類に基づいて各デジタルコンテンツサイトのコンテンツへリンクさせるためのメニューページを生成するメニューページ画面生成手段15とを備えている。
【0033】
ファイルリスト検出手段12は、IP−STB用サイトメニューページのHTMLソースを解析し、ファイル名を以下(1)〜(3)のいずれか一つの方法を選択して取得し、ここからファイルリストを生成する。
(1)デジタルコンテンツサイトがRSS情報を提供している場合
この場合は、RSS情報から必要なファイル名を取得する。
(2)サイトマップ情報が利用できる場合
この場合はサイトマップのHTMLソースからファイル名を取得する。
(3)サイトの検索機能が利用できる場合
この場合はサイトの検索機能を利用してファイル名を取得する。
【0034】
なお、サイトが区分するジャンル・カテゴリーが利用できる場合には、このジャンル・カテゴリーに従って取得したデジタルコンテンツを分類することができる。
【0035】
図2に示すURLリスト抽出手段13はコンピュータープログラムにより実現することができる。
図3は、URLリスト抽出手段13の処理の手順を示すフローチャートである。すなわち、URLリスト抽出手段13は、
S1:XML形式のメニュー定義ファイル(menu.xml)を取得するステップと、
S2:プログラム名から指定番組idを検索するステップと、
S3:前記S2で取得した指定番組idをXMLファイル名として、そのxm lを読み込むステップと、
S4:前記S3で読み込んだXMLファイルからIP−STBで再生可能な拡張子(例えば「MPEG−1」、「MPEG−2」、「DivX」、「Xvid」、「MPEG−4」、「H.264」、「.wmv」)を含むファイルを指定しているURLを検索するステップと、
を実行させるプログラムによって構成される。
【0036】
また、拡張子が「.asx」である場合には、そのファイルの中に再生可能な形式のファイルが記述されているので、そのファイルが指定されているURLを抽出する。
【0037】
図4(a)は、端末装置20がデジタルコンテンツサイトのファイルにアクセスするまでの動作シーケンスを説明するための図である。初めに、端末装置20の電源をオンにして端末装置を起動する。次に、ブラウザを起動して上述したリンクサーバー10のトップページを表示させる。
【0038】
図4(b)は端末装置20に表示されるデジタルコンテンツサイトのトップページ例示している。このようにリンク先のコンテンツを示す項目名のみが表示されており、リモコンを操作するなどしてコンテンツ選択し決定する(図4(a))。各コンテンツはそれぞれの項目が表すファイルを配信するストリーミングサーバー101のURLにリンクが張られている。そして、コンテンツを選択するとリンクサーバー10はそのリンク先のURLからデジタルコンテンツのストリーミング配信を要求し、そのコンテンツデータが端末装置20に配信される。そして、端末装置20はデジタルコンテンツ再生プログラムを起動し、データを再生する(図4(a))。
【0039】
このように、本発明に係るシステムは、デジタルコンテンツデータの要求信号をアップロードする際は必ずリンクサーバー10を経由するのに対し、デジタルコンテンツをダウンロードする際はストリーミングサーバー101から直接端末装置20に配信されるという点で、上りと下りとで伝送路が異なっているという特徴を持っている。
【0040】
なお、ストリーミングサーバー101のコンテンツは頻繁に更新されるので、RSS情報などの更新情報が利用できるときは、RSSリーダなどによりRSS情報を取得してメニューページを自動的に更新するように構成することが望ましい。
【0041】
ページ構成手段14はデジタルコンテンツを再生可能なコンテンツと再生不可能なコンテンツの区分けを行う。再生不可能なコンテンツとは、端末装置(IP−STB)20のデジタルコンテンツ再生プログラムがデコードできない形式の動画ファイル、或いは有料の動画ファイルなどが該当する。このように再生不可能なファイルが選択されたときは、端末装置20において、再生不可能である旨の表示を行う。一方、端末装置20が再生可能なファイルを選択した場合には、当該コンテンツのリンク先のURLにアクセスし、ストリーミング配信を開始する要求を配信する。
【0042】
メニューページ画面生成手段15は抽出したファイルリスト及びリンク先のURLとから、メニューページを生成する。
【0043】
図5(a)は、端末装置20のウエブブラウザのトップページを例示したものである。トップページは例えば非動画サイトへのリンク群(非動画サイト1〜4)と、動画サイトへのリンク群(1〜4)とから構成される。非動画サイトへのリンクは本発明に係るリンクサーバー10を介さず直接端末装置20のブラウザのドメインネームサーバーが指定するURLへジャンプするものである。これに対し、動画サイトへのリンクは本発明に係るリンクサーバー10の各ストリーミングサーバーごとのトップページにリンクされている。
【0044】
例えば、図5(a)において、動画サイト2を選択したとする。このとき、端末装置20の画面は図5(b)のように遷移する。図5(b)は本発明に係る端末装置20の表示画面が、一つのストリーミングサーバー(例えば101a)が提供する動画コンテンツへのリンクページとなっていることを示している。
【0045】
そして、ニュース・天気、映画などのようにカテゴリー別に区分されて階層構造にリンクされている。
【0046】
図6(a)は、動画サイト2の一つのカテゴリー「ニュース・天気」を選択した次の画面遷移を例示したものである。同一のカテゴリーに属する多数のコンテンツ名が表れる。勿論、デジタルコンテンツの量や使いやすさを考慮してより深い階層構造に分類されていても構わない。
【0047】
図6(b)は、比較のため、一般的なPCのウエブブラウザにより表示したストリーミングサーバーのファイル選択画面を例示したものである。このように、通常のPC向けのサイトは様々な文字フォントや画像或いはフラッシュプレーヤー(登録商標)による短い動画再生機能等を駆使してウエブブラウザ上に多くの情報を表示するように工夫されていることが通常である。これに対し、IP−STBのような画面表示機能の貧弱なウエブブラウザでは、予定された画面が表示されなかったり、リモコン操作で一つずつリンク先の候補を選択していくため必要なリンク先に到達するまでに手間がかかるなどの問題が生じることが明らかである。
【0048】
従って、本発明に係るリンクサーバー10を用いて必要なデジタルコンテンツへのリンク情報のみを提供することにより、ウエブプログラムを使用できないブラウザ上でもデジタルコンテンツを視聴することが可能となる。本実施形態では、端末装置20がIP−STBであるとして説明したが、動画再生プログラムとブラウザを最低限備えている装置であればこれに限られるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、インターネット上のデジタルコンテンツサイトが要求する再生プログラムの条件さえ満たしていればデジタルコンテンツの視聴が可能となる。特に、地上波デジタル放送などを受信したりDVDを再生できる表示端末であって、ウエブブラウザが搭載されインターネットに接続する機能を備えている端末装置の一つであるIP−STBは、動画再生機能は充実しているがウエブ端末としての表示機能は充実していないため、本発明を適用した場合に特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態に係るデジタルコンテンツリンクシステムのシステム構成を説明している。
【図2】図2は、リンクサーバー10の各機能ブロックを説明するための図である。
【図3】図3は、URLリスト抽出手段13の処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】図4(a)は、端末装置20が動画コンテンツサイトの動画ファイルにアクセスするまでの動作シーケンスを説明するための図である。図4(b)は端末装置20に表示される動画コンテンツサイトのトップページ例示している。
【図5】図5(a)は、端末装置20のウエブブラウザのトップページを例示したものである。図5(b)は本発明に係る端末装置20の表示画面が、一つのストリーミングサーバー(例えば101a)が提供するデジタルコンテンツへのリンクページとなっていることを示している。
【図6】図6(a)は、動画サイト2の一つのカテゴリー「ニュース・天気」を選択した次の画面遷移を例示したものである。図6(b)は、比較のため、一般的なPCのウエブブラウザにより表示したストリーミングサーバーのファイル選択画面を例示したものである。
【図7】図7は、ストリーミングサーバーから動画コンテンツが配信される従来の仕組みを説明したものである。
【符号の説明】
【0051】
10 デジタルコンテンツリンクサーバー
11 HTML解析手段
12 ファイルリスト抽出手段
13 URLリスト抽出手段
14 ページ構成手段
15 メニューページ画面生成手段
16 更新情報確認手段
20 端末装置
101 ストリーミングサーバー
102 データベース
103 インターネット
104 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気通信回線を通じてデータベースに蓄積されている複数のデジタルコンテンツをストリーミング配信する複数のストリーミングサーバーと、前記デジタルコンテンツを視聴するための再生プログラムを実行させる端末装置と、前記ストリーミングサーバーへのリンクサーバーとから構成され、
前記デジタルコンテンツの個々のURL(Uniform Resource Locator)が前記リンクサーバーの提供するウエブサイトから直接指定されることによって、前記デジタルコンテンツが前記リンクサーバーを介さずに直接前記端末装置に配信されることを特徴とするデジタルコンテンツリンクシステム。
【請求項2】
デジタルコンテンツを保存した複数のストリーミングサーバーのURL(Uniform Resource Locator)リストをそれぞれ解析するHTML解析手段と、前記デジタルコンテンツのファイルリストを抽出するファイルリスト抽出手段と、前記ファイルのURLリストを抽出するURLリスト抽出手段と、前記ファイルリスト抽出手段と前記URLリスト抽出手段とによって抽出されたファイルリストとURLリストとから前記ファイルを再生可能なものと再生不可能なものとに区分すると共に前記再生可能なファイルをコンテンツのカテゴリー別に分類することによりページ構成を行うページ構成手段と、前記カテゴリーの分類に基づいて前記ファイルのURLに直接リンクさせるためのメニューページを生成するメニューページ画面生成手段とを備えていることを特徴とするデジタルコンテンツリンクサーバー。
【請求項3】
前記ストリーミングサーバーがXML(eXtensible Markup Language)ファイルによってコンテンツの更新情報を提供している場合には、その更新情報に基づいて前記メニューページを更新する更新情報確認手段を更に備えることを特徴とする請求項2記載のデジタルコンテンツリンクサーバー。
【請求項4】
前記ファイルリスト抽出手段は、前記ストリーミングサーバーが前記更新情報、サイトのサイトマップ情報のいずれかを利用してファイルリストを抽出することを特徴とする請求項2記載のデジタルコンテンツリンクサーバー。
【請求項5】
前記URLリスト抽出手段は、XML形式のメニュー情報又はメニューページの解析結果に含まれるURLリストを抽出することを特徴とする請求項2記載のデジタルコンテンツリンクサーバー。
【請求項6】
ストリーミングサーバーが保持するXML形式のメニュー定義ファイルを含むデジタルコンテンツを指定するためのURLリストを抽出する下記S1〜S4のステップをデジタルコンテンツリンクサーバーに実行させるためのプログラム。
S1:XML形式のメニュー定義ファイル(menu.xml)を取得するステップ
S2:プログラム名から指定番組idを検索するステップ
S3:前記S2で取得した指定番組idをXMLファイル名として、そのxmlを読み込むステップ
S4:前記S3で読み込んだXMLファイルから前記端末装置で再生可能な所定の拡張子を含むファイルを指定しているURLを検索するステップ

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−283265(P2008−283265A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123368(P2007−123368)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(504277481)株式会社ゼンテック・テクノロジー・ジャパン (5)
【Fターム(参考)】