説明

デジタルサイネージシステム

【課題】停留所で車両の到着を待っている乗客に対して、現在の車両の状況等を知らせることができるようにする。
【解決手段】車上情報提供装置1が公共交通機関の車両で発生しているイベントを検知して、そのイベントを示す車上イベント情報を通知するとともに、そのイベントが発生している車両を示す車両識別情報を通知する。地上情報提供装置2が車上情報提供装置1から通知された車上イベント情報及び車両識別情報を受信すると、その車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所に設置されている地上表示装置26に対して、その車上イベント情報が示すイベントの内容を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、電車やバスなどの公共交通機関の車両に設置されているディスプレイや、公共交通機関の駅やバス停などの停留所に設置されているディスプレイに対して、乗客に必要な情報(例えば、車両の混雑状況など)や広告などを表示するデジタルサイネージシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、以下の特許文献1に開示されているデジタルサイネージシステムには、1つの車両に設置されている複数の表示装置と、駅に設置されている複数の表示装置とに対して、同じ内容のコンテンツを表示する技術が開示されている。
これにより、表示対象のコンテンツが例えば広告であれば、乗客が車両の乗車前後において、同じ広告を見る機会が発生するため、広告効果を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−31476号公報(段落番号[0065])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のデジタルサイネージシステムは以上のように構成されているので、1つの車両に設置されている複数の表示装置と、停留所に設置されている複数の表示装置とに、同じ内容のコンテンツを表示することができる。しかし、車両で発生している事象(例えば、車両の混雑度、冷暖房状況)を検知して、その事象の内容を停留所に設置されている表示装置に表示することができず、停留所で車両の到着を待っている乗客に対して、現在の車両の状況等を知らせることができないなどの課題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、停留所で車両の到着を待っている乗客に対して、現在の車両の状況等を知らせることができるデジタルサイネージシステムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るデジタルサイネージシステムは、車上情報提供装置と地上情報提供装置から構成されており、その車上情報提供装置が公共交通機関の車両で発生している事象を検知する車上事象検知手段と、その車上事象検知手段により検知された事象を示す車上イベント情報を通知するとともに、その事象が発生している車両を示す車両識別情報を通知する車上情報通知手段とを有し、その地上情報提供装置が車上情報提供装置の車上情報通知手段から通知された車上イベント情報及び車両識別情報を受信する車上情報受信手段と、その車上情報受信手段により受信された車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所に設置されている地上表示装置に対して、車上情報受信手段により受信された車上イベント情報が示す事象の内容を表示する車上事象表示手段とを有するようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、車上情報提供装置が公共交通機関の車両で発生している事象を検知する車上事象検知手段と、その車上事象検知手段により検知された事象を示す車上イベント情報を通知するとともに、その事象が発生している車両を示す車両識別情報を通知する車上情報通知手段とを有し、地上情報提供装置が車上情報提供装置の車上情報通知手段から通知された車上イベント情報及び車両識別情報を受信する車上情報受信手段と、その車上情報受信手段により受信された車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所に設置されている地上表示装置に対して、車上情報受信手段により受信された車上イベント情報が示す事象の内容を表示する車上事象表示手段とを有するように構成したので、停留所で車両の到着を待っている乗客に対して、現在の車両の状況等を知らせることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1によるデジタルサイネージシステムを示す構成図である。
【図2】車上表示装置16が車両内のドアの近傍に設置されている一例を示す説明図である。
【図3】地上表示装置26〜26がホームの壁に設置されている一例を示す説明図である。
【図4】車上情報提供装置1が車両で発生しているイベントを検知して、そのイベントを示す車上イベント情報を地上情報提供装置2に通知する際の処理内容を示すフローチャートである。
【図5】地上情報提供装置2が車上情報提供装置1から車上イベント情報を受信して、その車上イベント情報が示すイベントの内容を表示する際の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】地上情報提供装置2が停留所で発生しているイベントを検知して、そのイベントを示す地上イベント情報を車上情報提供装置1に通知する際の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】車上情報提供装置1が地上情報提供装置2から地上イベント情報を受信して、その地上イベント情報が示すイベントの内容を表示する際の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるデジタルサイネージシステムを示す構成図である。
図1において、車上情報提供装置1は車両で発生しているイベント(事象)を検知して、そのイベントを示す車上イベント情報を中央管理装置3経由で地上情報提供装置2に通知する一方、地上情報提供装置2から中央管理装置3経由で送信された地上イベント情報を受信して、その地上イベント情報が示すイベントの内容を車両内の車上表示装置16に表示する処理を実施する。
【0010】
地上情報提供装置2は公共交通機関のホームやバス停などの停留所で発生しているイベント(事象)を検知して、そのイベントを示す地上イベント情報を中央管理装置3経由で車上情報提供装置1に通知する一方、車上情報提供装置1から中央管理装置3経由で送信された車上イベント情報を受信して、その車上イベント情報が示すイベントの内容を停留所に設置されている地上表示装置26に表示する処理を実施する。
【0011】
中央管理装置3は車上情報提供装置1から送信された車上イベント情報を受信して、その車上イベント情報を地上情報提供装置2に転送するとともに、地上情報提供装置2から送信された地上イベント情報を受信して、その地上イベント情報を車上情報提供装置1に転送する処理を実施し、また、車上表示装置及び地上表示装置に表示するコンテンツの内容及び表示タイミングを管理し、その表示タイミングにしたがって当該コンテンツを車上情報提供装置1及び地上情報提供装置2に配信する処理を実施する。
【0012】
車上情報提供装置1の車上イベント提供装置11は路線を走行している車両毎(K台の車両が連結されて、K両編成が構成されている場合には、K両編成中の号車毎)、あるいは、1つの車両中のドア毎に設置されており、車両で発生しているイベント(例えば、車両の混雑度、車両の冷暖房状況、車両の走行位置など)を検知する処理を実施する。
車両で発生しているイベントとして、例えば、車両の混雑度を検知する場合、車上イベント提供装置11は、車両内を撮影するカメラ、あるいは、車両内の乗客を検知する人体検出サンサーと、カメラの映像を解析して人間の頭を検出し、頭の検出個数から乗車人数を把握することで、車両の混雑度を算出する映像解析装置(あるいは、人体検出センサーから出力される検出情報から乗車人数を把握することで、車両の混雑度を算出する映像解析装置)とから構成される。
また、車両で発生しているイベントとして、例えば、車両の冷暖房状況を検知する場合、車上イベント提供装置11は、エアコン等の設定状況(例えば、通常冷房、弱冷房、設定温度、設定風量など)を収集して、車両の冷暖房状況を把握するマイコンなどから構成される。
また、車両で発生しているイベントとして、例えば、車両の走行位置を検知する場合、車上イベント提供装置11は、GPS衛星からGPS信号を受信するGPS受信機などから構成される。
なお、車上イベント提供装置11は車上事象検知手段を構成している。
【0013】
車上情報提供装置1の車上イベント制御装置12は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、車上イベント提供装置11により車両で発生しているイベントが検知されると、そのイベントを示す車上イベント情報の通知を指示する処理を実施する。
【0014】
車上情報提供装置1の車上情報送受信装置13は例えば中央管理装置3とネットワーク(例えば、LAN、インターネット)を介して接続されている場合、そのネットワークに対するインタフェース機器(例えば、LANカード)やデータ通信機器などから構成されており、車上イベント制御装置12の指示の下、車上イベント提供装置11により検知されたイベントを示す車上イベント情報、そのイベントが発生している車両を示す車両識別情報及びそのイベントが発生している車両内の位置を示す車両内位置情報を中央管理装置3経由で地上情報提供装置2に送信する処理を実施する。
また、車上情報送受信装置13は地上情報提供装置2から中央管理装置3経由で送信された地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報を受信する処理を実施する。
なお、車上情報送受信装置13は車上情報通知手段及び地上情報受信手段を構成している。
【0015】
車上情報提供装置1の車上ネットワーク装置14はN台の車上表示制御装置15〜15が接続されている車上ネットワーク(例えば、LAN)と接続されているネットワーク機器であり、N台の車上表示装置16〜16の中から、車上情報送受信装置13により受信された地上識別情報が示すホーム(停留所)に到着予定の車両に設置されている1以上の車上表示装置16を検索する処理を実施する。
また、車上ネットワーク装置14は地上識別情報が示すホームに到着予定の車両に設置されている1以上の車上表示装置16のうち、車上情報送受信装置13により受信された地上内位置情報が示すホーム内の位置に対応する箇所に設置されている車上表示装置16を特定し、その車上表示装置16に接続されている車上表示制御装置15に対して、車上情報送受信装置13により受信された地上イベント情報を出力する処理を実施する。
【0016】
車上表示制御装置15〜15は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、車上ネットワーク装置14から地上イベント情報を受けると、その地上イベント情報が示すイベントの内容を車上表示装置16〜16に表示する処理を実施する。
車上表示装置16〜16は路線を走行している車両毎(K台の車両が連結されて、K両編成が構成されている場合には、K両編成中の号車毎)、あるいは、1つの車両中のドア毎に設置されているディスプレイである。
なお、車上ネットワーク装置14、車上表示制御装置15〜15及び車上表示装置16〜16から地上事象表示手段が構成されている。
【0017】
図2は車上表示装置16が車両内のドアの近傍に設置されている一例を示す説明図である。
図2では、車上表示装置16が車両内のドアの近傍に設置されている例を示しているが、車上表示装置16の設置場所はドアの近傍に限るものではなく、例えば、車両の網棚の上や、車両の天井などに設置されていてもよい。
車上表示装置16〜16には、地上イベント情報が示すイベントの内容が表示されるが、通常は、広告情報や運行に関連する情報が表示される。
即ち、後述する中央管理装置3の統合編集装置32により管理されているコンテンツが表示スケジュールにしたがって配信されて、そのコンテンツが車上表示装置16〜16に表示される。
【0018】
図1では、車上情報提供装置1の構成要素である車上イベント提供装置11、車上イベント制御装置12、車上情報送受信装置13、車上ネットワーク装置14、車上表示制御装置15〜15及び車上表示装置16〜16のそれぞれが専用のハードウェアで構成されている例を示しているが、車上情報提供装置1がコンピュータで構成される場合、車上イベント提供装置11、車上イベント制御装置12、車上情報送受信装置13、車上ネットワーク装置14、車上表示制御装置15〜15及び車上表示装置16〜16の処理内容を記述しているプログラムを当該コンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
図4は車上情報提供装置1が車両で発生しているイベントを検知して、そのイベントを示す車上イベント情報を地上情報提供装置2に通知する際の処理内容を示すフローチャートである。
また、図7は車上情報提供装置1が地上情報提供装置2から地上イベント情報を受信して、その地上イベント情報が示すイベントの内容を表示する際の処理内容を示すフローチャートである。
【0019】
地上情報提供装置2の地上イベント提供装置21は公共交通機関のホームやバス停などの停留所に1以上設置されており、停留所で発生しているイベント(例えば、停留所のホーム柵に設置されている電気式開閉ドア(車両のドアと連動して、開閉する電気式のドア)の異常、ホームの混雑度など)を検知する処理を実施する。
停留所で発生しているイベントとして、例えば、電気式開閉ドアの異常を検知する場合、地上イベント提供装置21は、ドアの開閉センサーなどから構成される。
また、停留所で発生しているイベントとして、例えば、ホームの混雑度を検知する場合、地上イベント提供装置21は、ホーム内を撮影するカメラと、カメラの映像を解析して人間の頭を検出し、頭の検出個数から乗車人数を把握することで、ホームの混雑度を算出する映像解析装置とから構成される。
なお、地上イベント提供装置21は地上事象検知手段を構成している。
【0020】
地上情報提供装置2の地上イベント制御装置22は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、地上イベント提供装置21により停留所で発生しているイベントが検知されると、そのイベントを示す地上イベント情報の通知を指示する処理を実施する。
【0021】
地上情報提供装置2の地上情報送受信装置23は例えば中央管理装置3とネットワーク(例えば、LAN、インターネット)を介して接続されている場合、そのネットワークに対するインタフェース機器(例えば、LANカード)やデータ通信機器などから構成されており、地上イベント制御装置22の指示の下、地上イベント提供装置21により検知されたイベントを示す地上イベント情報、そのイベントが発生している停留所を示す地上識別情報及びそのイベントが発生している停留所内の位置を示す地上内位置情報を中央管理装置3経由で車上情報提供装置1に送信する処理を実施する。
また、地上情報送受信装置23は車上情報提供装置1から中央管理装置3経由で送信された車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を受信する処理を実施する。
なお、地上情報送受信装置23は地上情報通知手段及び車上情報受信手段を構成している。
【0022】
地上情報提供装置2の地上ネットワーク装置24はM台の地上表示制御装置25〜25が接続されている地上ネットワーク(例えば、LAN)と接続されているネットワーク機器であり、M台の地上表示装置26〜26の中から、地上情報送受信装置23により受信された車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所に設置されている1以上の地上表示装置26を検索する処理を実施する。
また、地上ネットワーク装置24は車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所に設置されている1以上の地上表示装置26のうち、地上情報送受信装置23により受信された車両内位置情報が示す車両内の位置に対応する箇所に設置されている地上表示装置26を特定し、その地上表示装置26に接続されている地上表示制御装置25に対して、地上情報送受信装置23により受信された車上イベント情報を出力する処理を実施する。
【0023】
地上情報提供装置2の地上表示制御装置25〜25は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、地上ネットワーク装置24から車上イベント情報を受けると、その車上イベント情報が示すイベントの内容を地上表示装置26〜26に表示する処理を実施する。
地上表示装置26〜26は公共交通機関の停留所に1以上設置されているディスプレイである。
なお、地上ネットワーク装置24、地上表示制御装置25〜25及び地上表示装置26〜26から車上事象表示手段が構成されている。
【0024】
図3は地上表示装置26〜26がホームの壁に設置されている一例を示す説明図である。
図3では、地上表示装置26〜26がホームの壁に設置されている例を示しているが、地上表示装置26〜26の設置場所はホームの壁に限るものではなく、例えば、ホーム柵や、ホーム中央の案内板などに設置されていてもよい。
地上表示装置26〜26には、車上イベント情報が示すイベントの内容が表示されるが、通常は、広告情報や運行に関連する情報が表示される。
即ち、後述する中央管理装置3の統合編集装置32により管理されているコンテンツが表示スケジュールにしたがって配信されて、そのコンテンツが地上表示装置26〜26に表示される。
【0025】
図1では、地上情報提供装置2の構成要素である地上イベント提供装置21、地上イベント制御装置22、地上情報送受信装置23、地上ネットワーク装置24、地上表示制御装置25〜25及び地上表示装置26〜26のそれぞれが専用のハードウェアで構成されている例を示しているが、地上情報提供装置2がコンピュータで構成される場合、地上イベント提供装置21、地上イベント制御装置22、地上情報送受信装置23、地上ネットワーク装置24、地上表示制御装置25〜25及び地上表示装置26〜26の処理内容を記述しているプログラムを当該コンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
図5は地上情報提供装置2が車上情報提供装置1から車上イベント情報を受信して、その車上イベント情報が示すイベントの内容を表示する際の処理内容を示すフローチャートである。
また、図6は地上情報提供装置2が停留所で発生しているイベントを検知して、そのイベントを示す地上イベント情報を車上情報提供装置1に通知する際の処理内容を示すフローチャートである。
【0026】
中央管理装置3のネットワーク装置31は例えば車上情報提供装置1及び地上情報提供装置2とネットワーク(例えば、LAN、インターネット)を介して接続されており、そのネットワークに対するインタフェース機器(例えば、LANカード)やデータ通信機器などから構成されている。
ネットワーク装置31は車上情報提供装置1から送信された車上イベント情報等を受信すると、イベント処理装置34の指示の下、その車上イベント情報等を地上情報提供装置2に転送し、また、地上情報提供装置2から送信された地上イベント情報等を受信すると、イベント処理装置34の指示の下、その地上イベント情報等を車上情報提供装置1に転送する処理などを実施する。
【0027】
中央管理装置3の統合編集装置32は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、車上表示装置16及び地上表示装置26に表示するコンテンツの内容及び表示タイミングを管理し、そのコンテンツの内容や表示タイミングを編集する処理などを実施する。
中央管理装置3の情報配信装置33は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、統合編集装置32により管理されている表示タイミングにしたがって表示対象のコンテンツを車上情報提供装置1及び地上情報提供装置2に配信する処理を実施する。
中央管理装置3のイベント処理装置34は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、車上イベント情報や地上イベント情報等の転送を指示する処理などを実施する。
【0028】
図1では、中央管理装置3の構成要素であるネットワーク装置31、統合編集装置32、情報配信装置33及びイベント処理装置34のそれぞれが専用のハードウェアで構成されている例を示しているが、中央管理装置3がコンピュータで構成される場合、ネットワーク装置31、統合編集装置32、情報配信装置33及びイベント処理装置34の処理内容を記述しているプログラムを当該コンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
【0029】
次に動作について説明する。
この実施の形態1では、説明の便宜上、IPネットワークが構築されて、車上情報提供装置1、地上情報提供装置2及び中央管理装置3が相互に接続されているものとして説明する。
ただし、IPネットワーク以外のネットワークで接続されていてもよいことは言うまでもない。
したがって、中央管理装置3の情報配信装置33及びイベント処理装置34は、車上表示制御装置15〜15及び地上表示制御装置25〜25のIPアドレスなどの識別情報を認識しており、コンテンツやイベント情報の配信等が可能になっている。
【0030】
また、中央管理装置3の情報配信装置33及びイベント処理装置34は、各IPアドレスが割り当てられている車上表示制御装置15〜15に接続されている車上表示装置16〜16の物理的な設置場所や、各IPアドレスが割り当てられている地上表示制御装置25〜25に接続されている地上表示装置26〜26の物理的な設置場所を把握している。
車上表示装置16〜16の場合は、例えば、IPアドレスが“○○○.△△△.□.×××”であれば、X号車進行方向右側のY番目ドアの上に設置されている表示装置であるなどが把握されるものとする。
また、地上表示装置26〜26の場合は、例えば、IPアドレスが“○○○.△△△.◇.▽▽▽”であれば、○○駅P番線ホーム上り方向Q番目のホームドア横に設置されている表示装置であるなどが把握されるものとする。
【0031】
以下、車上情報提供装置1、地上情報提供装置2及び中央管理装置3の処理内容を具体的に説明する。
最初に、車上情報提供装置1が車両で発生しているイベントを検知して、そのイベントを示す車上イベント情報を地上情報提供装置2に通知し、地上情報提供装置2が車上イベント情報が示すイベントの内容を地上表示装置26に表示する際の処理内容を説明する。
【0032】
車上情報提供装置1の車上イベント提供装置11は、例えば、予め設定されている時間を経過する毎(例えば、5分おき)、あるいは、路線上の所定の地点の通過を検知したときに(所定の地点の通過は、GPS信号を受信することで検知してもよいし、図示せぬ列車情報管理システム(列車情報管理システムは、車両の力行・ブレーキ指令、放送・空調・ドア開閉、キロ程演算・運転手ナビゲーション機能、各車の乗車率演算・表示などの機能を集約しているシステムである)からの通報により検知してもよい)、車両で発生しているイベントの検知処理を行う(図4のステップST1)。
【0033】
車上イベント提供装置11が車両で発生しているイベントとして、例えば、車両の混雑度を検知する場合、内蔵のカメラを用いて車両内を撮影し、内蔵の映像解析装置が、カメラの映像を解析して、車両内の人間の頭を検出し、頭の検出個数から乗車人数を把握することで、車両の混雑度を算出する。
カメラの映像を解析して、車両内の人間の頭を検出する処理自体は公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、頭の検出個数(=乗車人数)を車両の定員で除算すれば、車両の混雑度を表す指標となる車両の乗車率を算出することができる。
ここでは、カメラの映像を解析して乗車人数を把握するものを示したが、カメラの代わりに、人体検出センサーを搭載し、その人体検出センサーから出力される検出情報から乗車人数を把握するようにしてもよい。
また、図示せぬ列車情報管理システムから車両の混雑度を示す情報を収集するようにしてもよい。
【0034】
なお、車両が1両編成ではなく、K(K≧2)台の車両が連結されて、K両編成が構成されており、K両編成中の号車毎に車上イベント提供装置11が設置されている場合、K両編成中の号車毎に車両の混雑度を算出するようにする。
また、1つの車両中のドア毎に車上イベント提供装置11が設置されている場合、各ドアの近傍の混雑度を算出するようにする。
【0035】
車上イベント提供装置11が車両で発生しているイベントとして、例えば、車両の冷暖房状況を検知する場合、車両のエアコン等の設定状況(例えば、通常冷房、弱冷房、設定温度、設定風量など)を収集することで、車両の冷暖房状況を把握する。
車両のエアコン等の設定状況を収集するに際して、車両に設置されているエアコンから設定状況を示す情報を収集してもよいが、図示せぬ列車情報管理システムから設定状況を示す情報を収集するようにしてもよい。
また、車両が1両編成ではなく、K(K≧2)台の車両が連結されて、K両編成が構成されており、K両編成中の号車毎に車上イベント提供装置11が設置されている場合、K両編成中の号車毎に車両の冷暖房状況を把握するようにする。
【0036】
車上イベント提供装置11が車両で発生しているイベントとして、例えば、車両の走行位置を検知する場合、内蔵のGPS受信機がGPS衛星からGPS信号を受信することで、車両の走行位置を検知するようにする。
車両の走行位置を検知するに際して、図示せぬ列車情報管理システムから車両の走行位置を示す情報を収集するようにしてもよい。
ここでは、車両で発生しているイベントとして、車両の混雑度、車両の冷暖房状況、車両の走行位置を検知する例を示したが、これは一例に過ぎず、他のイベントを検知してもよいことは言うまでもない。
【0037】
車上イベント提供装置11は、車両で発生しているイベントを検知すると(ステップST2)、そのイベントを示す車上イベント情報を車上イベント制御装置12に出力する。
ここでは、車上イベント提供装置11が定期的にイベントを検知、あるいは、路線上の所定の地点の通過を検知したときに、車両で発生しているイベントを検知して、そのイベントを示す車上イベント情報を車上イベント制御装置12に出力するものについて示したが、例えば、車両で発生しているイベントが、車両の混雑度を算出するイベントであれば、車両の混雑度を表す指標となる車両の乗車率が規定の乗車率より高い場合や、隣接する車両の乗車率よりも著しく乗車率が高い場合などのときに限り、そのイベントを示す車上イベント情報を車上イベント制御装置12に出力するようにしてもよい。
【0038】
なお、車上イベント提供装置11は、車上イベント情報を車上イベント制御装置12に出力する際、イベントが発生している車両を示す車両識別情報と、そのイベントが発生している車両内の位置(例えば、K両編成中の号車毎で検知していれば号車番号、車両中のドア毎に検知していれば、当該ドアの位置)を示す車両内位置情報を車上イベント制御装置12に出力する。
例えば、車両が6両編成であり、各車両に片側3個のドアが設置されている場合、通常、18台(=6×3台)の車上イベント提供装置11が設置され、18台の車上イベント提供装置11から車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報がそれぞれ出力される。
【0039】
車上情報提供装置1の車上イベント制御装置12は、車上イベント提供装置11から車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を受けると、その車上イベント情報等を地上情報提供装置2に与えるために、その車上イベント情報等の通知を車上情報送受信装置13に指示する。
車上情報提供装置1の車上情報送受信装置13は、車上イベント制御装置12の指示の下、車上イベント提供装置11から出力された車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を中央管理装置3に送信する(ステップST3)。
【0040】
中央管理装置3のネットワーク装置31は、車上情報提供装置1から送信された車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を受信すると、それらの情報を一時的に保持するとともに、イベント処理装置34に出力する。
中央管理装置3のイベント処理装置34は、ネットワーク装置31から車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を受けると、その車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を参照して、どの車両のどの位置で、どのようなイベントが発生しているかを把握し、そのイベントの内容を停留所内の乗客に知らせることが望ましいか否かを判別する。
例えば、イベントが車両の混雑度を算出するイベントであって、車両の乗車率が規定の乗車率より高いことを示しているイベントであれば、そのイベントの内容を停留所内の乗客に知らせることは望ましいと判別される形態などが考えられるが、車上情報提供装置1で検知された全てのイベントの内容は、停留所内の乗客に知らせることが望ましいと判別される形態を採用してもよい。
【0041】
イベント処理装置34は、イベントの内容を停留所内の乗客に知らせることが望ましいと判別すると、例えば、時刻表を参照して、複数の地上情報提供装置2の中から(ここでは説明の便宜上、路線上の全ての停留所に、地上情報提供装置2が設置されているものとする)、その車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所(例えば、次に到着する駅(1番目に到着する駅)と、2番目に到着する駅)を把握し、到着予定の停留所に設置されている地上情報提供装置2を検索する。
イベント処理装置34は、到着予定の停留所に設置されている地上情報提供装置2を検索すると、ネットワーク装置31に対して、車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を当該地上情報提供装置2に転送する指示を行う。
ネットワーク装置31は、イベント処理装置34の指示の下、一時的に保持している車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を当該地上情報提供装置2に転送する。
【0042】
地上情報提供装置2の地上情報送受信装置23は、中央管理装置3のネットワーク装置31により転送された車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を受信し(図5のステップST11)、その車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を地上ネットワーク装置24に出力する。
【0043】
地上情報提供装置2の地上ネットワーク装置24は、地上情報送受信装置23から車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を受けると、M台の地上表示装置26〜26の中から、地上情報送受信装置23により受信された車両識別情報が示す車両の到着予定のホーム(停留所)に設置されている1以上の地上表示装置26を検索する(ステップST12)。
地上情報提供装置2が設置されている停留所に、例えば、H個のホームが存在する場合、H個のホームの中から、車両識別情報が示す車両の到着予定のホームを特定し(地上ネットワーク装置24は、各車両が到着するホームを予め記憶しているものとする)、そのホームに設置されている1以上の地上表示装置26を検索する。
ここでは、説明の便宜上、M台の地上表示装置26〜26の中から、6台の地上表示装置26〜26が検索されるものとする。
【0044】
地上ネットワーク装置24は、6台の地上表示装置26〜26を検索すると、6台の地上表示装置26〜26のうち、地上情報送受信装置23により受信された車両内位置情報が示す車両内の位置に対応する箇所に設置されている地上表示装置26を特定する(ステップST13)。
例えば、片側3個のドアが設置されている2両編成の車両の各ドア(1号車前方のドア、1号車中央のドア、1号車後方のドア、2号車前方のドア、2号車中央のドア、2号車後方のドア)でイベントが発生している場合、車両内位置情報が示す車両内の位置に対応する箇所に設置されている地上表示装置26として、1号車前方のドアと対応する電気式開閉ドア(車両がホームに停車したときに、1号車前方のドアと対向する位置に設置されている電気式開閉ドア)の近傍に設置されている地上表示装置26を特定する。
【0045】
同様に、車両内位置情報が示す車両内の位置に対応する箇所に設置されている地上表示装置26として、1号車中央のドアと対応する電気式開閉ドアの近傍に設置されている地上表示装置26を特定し、1号車後方のドアと対応する電気式開閉ドアの近傍に設置されている地上表示装置26を特定する。
また、2号車前方のドアと対応する電気式開閉ドアの近傍に設置されている地上表示装置26を特定し、2号車中央のドアと対応する電気式開閉ドアの近傍に設置されている地上表示装置26を特定し、2号車後方のドアと対応する電気式開閉ドアの近傍に設置されている地上表示装置26を特定する。
【0046】
ここでは、電気式開閉ドア付のホーム柵がホームに設置されている例を示したが、ホーム柵が設置されていないような場合、車両内位置情報が示す車両内の位置に対応する箇所に設置されている地上表示装置26として、例えば、1号車前方のドアが停止する付近のホームの壁等に設置されている地上表示装置26や、1号車中央のドアが停止する付近のホームの壁等に設置されている地上表示装置26などを特定するようにする。
【0047】
地上ネットワーク装置24は、車両内位置情報が示す車両内の位置に対応する箇所に設置されている地上表示装置26を特定すると、その車両内の位置のイベントを示す車上イベント情報を当該地上表示装置26に接続されている地上表示制御装置25に出力する。
例えば、1号車前方のドアの近傍で検知されたイベントを示す車上イベント情報は地上表示制御装置25に出力し、1号車中央のドアの近傍で検知されたイベントを示す車上イベント情報は地上表示制御装置25に出力し、1号車後方のドアの近傍で検知されたイベントを示す車上イベント情報は地上表示制御装置25に出力する。
また、2号車前方のドアの近傍で検知されたイベントを示す車上イベント情報は地上表示制御装置25に出力し、2号車中央のドアの近傍で検知されたイベントを示す車上イベント情報は地上表示制御装置25に出力し、2号車後方のドアの近傍で検知されたイベントを示す車上イベント情報は地上表示制御装置25に出力する。
【0048】
地上情報提供装置2の地上表示制御装置25〜25は、地上ネットワーク装置24から車上イベント情報を受けると、その車上イベント情報が示すイベントの内容を地上表示装置26〜26に表示する(ステップST14)。
車上イベント情報が示すイベントが、車両のドア付近の混雑度を検知するイベントであれば、ドア付近の混雑度を表示する。
これにより、ホームの乗客が地上表示装置26〜26を見れば、各ドア付近の混雑度を把握することができるため、空いているドアを選んで乗車することが可能になる。
ここでは、地上表示制御装置25〜25がドア付近の混雑度を表示するものについて示したが、ドア付近の混雑度の他に、空いている車両の号車やドアを提示して、乗客を誘導できるようにしてもよい。
【0049】
また、車上イベント情報が示すイベントが、車両の冷暖房状況を検知するイベントであれば、車両の冷暖房状況を表示する。
これにより、ホームの乗客が地上表示装置26〜26を見れば、好みの温度に設定されている車両を選んで乗車することが可能になる。
【0050】
また、車上イベント情報が示すイベントが、車両の走行位置を検知するイベントであれば、車両の走行位置を路線図上に表示する。また、車両の接近情報を表示する。
これにより、ホームの乗客が地上表示装置26〜26を見れば、次に到着する車両が、どの辺りを走行しており、あとどのくらいで到着するかを把握することができる。
したがって、上記の車両の混雑度と一緒に車両の走行位置を表示すれば、例えば、次に到着する車両が混雑しているときに、同じ線区(例えば、山手線)の車両を一本やり過ごして、後続の車両に乗った方が良いか否かの判断や、違う線区(例えば、特定駅における山手線と京浜東北線など)の車両に乗った方が良いか否かの判断などが可能になる。
【0051】
次に、地上情報提供装置2が停留所で発生しているイベントを検知して、そのイベントを示す地上イベント情報を車上情報提供装置1に通知し、車上情報提供装置1が地上イベント情報が示すイベントの内容を車上表示装置16に表示する際の処理内容を説明する。
【0052】
地上情報提供装置2の地上イベント提供装置21は、例えば、予め設定されている時間を経過する毎(例えば、5分おき)、停留所で発生しているイベントの検知処理を行う(図6のステップST21)。
地上イベント提供装置21が停留所で発生しているイベントとして、例えば、ホーム柵に設置されている電気式開閉ドアの異常を検知する場合、ドアの開閉センサーのセンサー情報から電気式開閉ドアの異常を把握することができる。
なお、ホーム柵にL台の電気式開閉ドアが設置されており、L台の地上イベント提供装置21が設置されている場合、L台の電気式開閉ドアの異常を把握するようにする。
【0053】
また、地上イベント提供装置21が停留所で発生しているイベントとして、例えば、ホームの混雑度を検知する場合、内蔵のカメラを用いてホーム内を撮影し、内蔵の映像解析装置が、カメラの映像を解析して、ホーム内の人間の頭を検出し、頭の検出個数からホームに存在する人数を把握することで、ホームの混雑度を算出する。
ここでは、カメラの映像を解析してホームに存在する人数を把握するものを示したが、カメラの代わりに、人体検出センサーを搭載し、その人体検出センサーから出力される検出情報から人数を把握するようにしてもよい。
また、図示せぬ列車情報管理システムからホームの混雑度を示す情報を収集するようにしてもよい。
【0054】
ここでは、停留所で発生しているイベントとして、電気式開閉ドアの異常、ホームの混雑度を検知する例を示したが、これは一例に過ぎず、他のイベントを検知してもよいことは言うまでもない。
【0055】
地上イベント提供装置21は、停留所で発生しているイベントを検知すると(ステップST22)、そのイベントを示す地上イベント情報を地上イベント制御装置22に出力する。
ここでは、地上イベント提供装置21が定期的にイベントを検知して、そのイベントを示す地上イベント情報を地上イベント制御装置22に出力するものについて示したが、例えば、停留所で発生しているイベントが、電気式開閉ドアの異常を検知するイベントであれば、異常を検知しなければ、地上イベント情報を地上イベント制御装置22に出力せず、異常を検知したときに限り、そのイベントを示す地上イベント情報を地上イベント制御装置22に出力するようにしてもよい。
【0056】
なお、地上イベント提供装置21は、地上イベント情報を地上イベント制御装置22に出力する際、イベントが発生している停留所を示す地上識別情報と、そのイベントが発生している停留所内の位置(例えば、異常が発生している電気式開閉ドアの位置)を示す地上内位置情報を地上イベント制御装置22に出力する。
例えば、ホーム柵に8台の電気式開閉ドアが設置されている場合、通常、8台の地上イベント提供装置21が設置され、8台の地上イベント提供装置21から地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報がそれぞれ出力される。
【0057】
地上情報提供装置2の地上イベント制御装置22は、地上イベント提供装置21から地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報を受けると、その地上イベント情報等を車上情報提供装置1に与えるために、その地上イベント情報等の通知を地上情報送受信装置23に指示する。
地上情報提供装置2の地上情報送受信装置23は、地上イベント制御装置22の指示の下、地上イベント提供装置21から出力された地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報を中央管理装置3に送信する(ステップST23)。
【0058】
中央管理装置3のネットワーク装置31は、地上情報提供装置2から送信された地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報を受信すると、それらの情報を一時的に保持するとともに、イベント処理装置34に出力する。
中央管理装置3のイベント処理装置34は、ネットワーク装置31から地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報を受けると、その地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報を参照して、どの停留所のどの位置で、どのようなイベントが発生しているかを把握し、そのイベントの内容を車両内の乗客に知らせることが望ましいか否かを判別する。
例えば、イベントが電気式開閉ドアの異常を検知するものであれば、そのイベントの内容を車両内の乗客に知らせることは望ましいと判別される形態などが考えられるが、地上情報提供装置2で検知された全てのイベントの内容は、車両内の乗客に知らせることが望ましいと判別される形態を採用してもよい。
【0059】
イベント処理装置34は、イベントの内容を車両内の乗客に知らせることが望ましいと判別すると、例えば、時刻表を参照して、各車両に設置されている車上情報提供装置1の中から、その地上識別情報が示す停留所の到着予定の車両を把握し、その車両に設置されている車上情報提供装置1を検索する。
イベント処理装置34は、到着予定の車両に設置されている車上情報提供装置1を検索すると、ネットワーク装置31に対して、地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報を当該車上情報提供装置1に転送する指示を行う。
ネットワーク装置31は、イベント処理装置34の指示の下、一時的に保持している地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報を当該車上情報提供装置1に転送する。
【0060】
車上情報提供装置1の車上情報送受信装置13は、中央管理装置3のネットワーク装置31により転送された地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報を受信し(図7のステップST31)、その地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報を車上ネットワーク装置14に出力する。
【0061】
車上情報提供装置1の車上ネットワーク装置14は、車上情報送受信装置13から地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報を受けると、N台の車上表示装置16〜16の中から、車上情報送受信装置13により受信された地上識別情報が示すホームに到着予定の車両に設置されている1以上の車上表示装置16を検索する(ステップST32)。
例えば、ある路線を走行中の複数両編成の車両がN台の車上表示装置16〜16を搭載していても、途中、一部の車両が切り離されることがあり、複数両編成の車両の全てが、地上識別情報が示すホームに到着するとは限らないので、N台の車上表示装置16〜16の中から、地上識別情報が示すホームに到着予定の車両に設置されている1以上の車上表示装置16を検索する。
ここでは、説明の便宜上、N台の車上表示装置16〜16の中から、6台の車上表示装置16〜16が検索されるものとする。
【0062】
車上ネットワーク装置14は、6台の車上表示装置16〜16を検索すると、6台の車上表示装置16〜16のうち、車上情報送受信装置13により受信された地上内位置情報が示すホーム内の位置に対応する箇所に設置されている車上表示装置16を特定する(ステップST33)。
例えば、ホームに到着予定の車両が、片側3個のドアが設置されている2両編成の車両であり、2両編成の車両の各ドア(1号車前方のドア、1号車中央のドア、1号車後方のドア、2号車前方のドア、2号車中央のドア、2号車後方のドア)に対応する電気式開閉ドアの異常を検知するイベントが行われている場合、2両編成の車両の各ドアの近傍に設置されている車上表示装置16〜16を特定する。
【0063】
具体的には、10台の電気式開閉ドアが設置されている下り線ホームに対して、片側3個のドアが設置されている2両編成の車両が、先頭から3番目の電気式開閉ドア〜8番目の電気式開閉ドアの間に到着する場合、地上内位置情報が示すホーム内の位置に対応する箇所に設置されている車上表示装置16として、3番目の電気式開閉ドアに対応する1号車前方のドアの近傍に設置されている車上表示装置16を特定する。
同様に、地上内位置情報が示すホーム内の位置に対応する箇所に設置されている車上表示装置16として、4番目の電気式開閉ドアに対応する1号車中央のドアの近傍に設置されている車上表示装置16を特定し、5番目の電気式開閉ドアに対応する1号車後方のドアの近傍に設置されている車上表示装置16を特定する。
また、地上内位置情報が示すホーム内の位置に対応する箇所に設置されている車上表示装置16として、6番目の電気式開閉ドアに対応する2号車前方のドアの近傍に設置されている車上表示装置16を特定し、7番目の電気式開閉ドアに対応する2号車中央のドアの近傍に設置されている車上表示装置16を特定し、8番目の電気式開閉ドアに対応する2号車後方のドアの近傍に設置されている車上表示装置16を特定する。
【0064】
車上ネットワーク装置14は、地上内位置情報が示すホーム内の位置に対応する箇所に設置されている車上表示装置16を特定すると、そのホーム内の位置のイベントを示す地上イベント情報を当該車上表示装置16に接続されている車上表示制御装置15に出力する。
例えば、3番目の電気式開閉ドア(1号車前方のドアに対応するドア)で検知されたイベントを示す地上イベント情報は車上表示制御装置15に出力し、4番目の電気式開閉ドア(1号車中央のドアに対応するドア)で検知されたイベントを示す地上イベント情報は車上表示制御装置15に出力し、5番目の電気式開閉ドア(1号車後方のドアに対応するドア)で検知されたイベントを示す地上イベント情報は車上表示制御装置15に出力する。
また、6番目の電気式開閉ドア(2号車前方のドアに対応するドア)で検知されたイベントを示す地上イベント情報は車上表示制御装置15に出力し、7番目の電気式開閉ドア(2号車中央のドアに対応するドア)で検知されたイベントを示す地上イベント情報は車上表示制御装置15に出力し、8番目の電気式開閉ドア(2号車後方のドアに対応するドア)で検知されたイベントを示す地上イベント情報は車上表示制御装置15に出力する。
【0065】
車上情報提供装置1の車上表示制御装置15〜15は、車上ネットワーク装置14から地上イベント情報を受けると、その地上イベント情報が示すイベントの内容を車上表示装置16〜16に表示する(ステップST34)。
地上イベント情報が示すイベントが、電気式開閉ドアの異常を検知するイベントであれば、異常が検知された電気式開閉ドアに対応する車両のドアの付近に設置されている車上表示装置16には、「ドア故障のため、他のドアを利用してください」などのメッセージ等を表示することができる。
【0066】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、車上情報提供装置1が公共交通機関の車両で発生しているイベントを検知する車上イベント提供装置11と、車上イベント提供装置11により検知されたイベントを示す車上イベント情報を通知するとともに、そのイベントが発生している車両を示す車両識別情報を通知する車上情報送受信装置13とを有し、地上情報提供装置2が車上情報提供装置1の車上情報送受信装置13から通知された車上イベント情報及び車両識別情報を受信する地上情報送受信装置23と、地上情報送受信装置23により受信された車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所に設置されている地上表示装置26に対して、地上情報送受信装置23により受信された車上イベント情報が示すイベントの内容を表示する地上表示制御装置25とを有するように構成したので、停留所で車両の到着を待っている乗客に対して、現在の車両の状況等を知らせることができる効果を奏する。
【0067】
また、この実施の形態1によれば、地上情報提供装置2が公共交通機関の停留所で発生しているイベントを検知する地上イベント提供装置21と、地上イベント提供装置21により検知されたイベントを示す地上イベント情報を通知するとともに、そのイベントが発生している停留所を示す地上識別情報を通知する地上情報送受信装置23とを有し、車上情報提供装置1が地上情報提供装置2の地上情報送受信装置23から通知された地上イベント情報及び地上識別情報を受信する車上情報送受信装置13と、車上情報送受信装置13により受信された地上識別情報が示す停留所に到着予定の車両に設置されている車上表示装置16に対して、車上情報送受信装置13により受信された車上イベント情報が示すイベントの内容を表示する車上表示制御装置15とを有するように構成したので、車両内の乗客に対して、現在の停留所の状況等を知らせることができる効果を奏する。
【0068】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、中央管理装置3の統合編集装置32が、車上表示装置16及び地上表示装置26に表示するコンテンツの内容及び表示タイミングを管理し、中央管理装置3の情報配信装置33が、統合編集装置32により管理されている表示タイミングにしたがって表示対象のコンテンツを車上情報提供装置1及び地上情報提供装置2に配信するようにしているが、表示対象のコンテンツを以下のように決定してもよい。
【0069】
中央管理装置3の情報配信装置33は、ネットワーク装置31が車上情報提供装置1の車上情報送受信装置13から送信された車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を受信すると、その車両識別情報が、予め設定されている特定の車両IDと一致しているか否かを判定する。
情報配信装置33は、その車両識別情報が特定の車両IDと一致する場合、その車両識別情報が示す車両に搭載されている車上情報提供装置1に対して、現在提供しているコンテンツと同一のコンテンツを一斉に地上情報提供装置2に配信する。
【0070】
地上情報提供装置2の地上ネットワーク装置24は、地上情報送受信装置23が中央管理装置3の情報配信装置33から配信されたコンテンツと、車上情報提供装置1の車上情報送受信装置13から中央管理装置3経由で送信された車両識別情報とを受信すると、M台の地上表示装置26〜26の中から、その車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所に設置されている地上表示装置26を検索し、その地上表示装置26に対して、地上情報送受信装置23により受信されたコンテンツを表示する。
これにより、車両に乗車していた乗客は、車両内で見ていたコンテンツ(例えば、広告情報)と同一のコンテンツを、車両から降りた停留所でも見ることが可能になり、同一のコンテンツを見る機会が増える。このため、コンテンツが広告であれば、広告効果を高めることができる効果を奏する。
【0071】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、中央管理装置3の統合編集装置32が、車上表示装置16及び地上表示装置26に表示するコンテンツの内容及び表示タイミングを管理し、中央管理装置3の情報配信装置33が、統合編集装置32により管理されている表示タイミングにしたがって表示対象のコンテンツを車上情報提供装置1及び地上情報提供装置2に配信するようにしているが、表示対象のコンテンツを以下のように決定してもよい。
【0072】
中央管理装置3の情報配信装置33は、ネットワーク装置31が車上情報提供装置1の車上情報送受信装置13から送信された車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を受信すると、その車両識別情報が、ラッピングされている車両(車両の全体がラッピングされているような外装が施されていて、車両が広告媒体になっているもの)のIDと一致しているか否かを判定する。
情報配信装置33は、その車両識別情報がラッピングされている車両のIDと一致する場合、その車両に施されているラッピングの内容と関連するコンテンツを統合編集装置32から取得し(ラッピングの内容と関連するコンテンツは、予め統合編集装置32に記憶されているものとする)、そのコンテンツを一斉に地上情報提供装置2に配信する。
例えば、車両に施されているラッピングの内容が、指輪などのジュエリーの広告であれば、そのラッピングの内容と関連するコンテンツとして、そのジュエリーの価格やサイズ、販売店などの情報等を含むコンテンツなどが考えられる。
【0073】
地上情報提供装置2の地上ネットワーク装置24は、地上情報送受信装置23が中央管理装置3の情報配信装置33から配信されたコンテンツと、車上情報提供装置1の車上情報送受信装置13から中央管理装置3経由で送信された車両識別情報とを受信すると、M台の地上表示装置26〜26の中から、その車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所に設置されている地上表示装置26を検索し、その地上表示装置26に対して、地上情報送受信装置23により受信されたコンテンツを表示する。
これにより、停留所内の乗客は、停留所に到着した車両に施されているラッピングを見た上で、その車両に乗車すると、そのラッピングの内容と関連するコンテンツを車両内で見る機会が生じるため、広告効果を高めることができる効果を奏する。
【0074】
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、地上表示装置26〜26がホーム柵などに設置されている例を示したが、地上表示装置26〜26の一部が大型ディスプレイで構成されて、大型ディスプレイがホームの対向壁に設置されることがある。
大型ディスプレイは視認性が高いので、ホームの乗客などに広告等をはっきり見せることができるが、車両がホームに入線する際、車両の運転手が、大型ディスプレイが発する光によって、横からの眩しさを感じることがある。
そこで、この実施の形態4では、大型ディスプレイの視認性を確保しながら、車両の運転手に対する横からの眩しさを軽減できるようにしている。
具体的には、以下のとおりである。
【0075】
この実施の形態4では、車両の接近を検知して、車両の接近検知情報を中央管理装置3に送信する車両接近検知装置(図示せず)をホーム端に設置している。
中央管理装置3のイベント処理装置34は、その車両接近検知装置から送信された車両の接近検知情報を受信すると、その車両接近検知装置が設置されている停留所に係る地上情報提供装置2に対して、大型ディスプレイで構成されている地上表示装置26の輝度を下げる旨を示す表示状態の変更指令を送信する。
【0076】
地上情報提供装置2の地上表示制御装置25は、中央管理装置3のイベント処理装置34から地上表示装置26の輝度を下げる旨を示す表示状態の変更指令を受信すると、その地上表示装置26における車両の入線側から順番に輝度を下げるようにする。
例えば、車両の入線方向が、地上表示装置26の左側である場合に、左側の縦ラインから順番に右側の縦ラインの方向に輝度を落としていくことで、グラデーション的に輝度が落ちていくようにする。
これにより、停留所内の乗客が、車両が停留所に到着する直前まで広告を視認できる一方、車両の運転手に対する横からの眩しさを軽減することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 車上情報提供装置、2 地上情報提供装置、3 中央管理装置、11 車上イベント提供装置(車上事象検知手段)、12 車上イベント制御装置、13 車上情報送受信装置(車上情報通知手段、地上情報受信手段)、14 車上ネットワーク装置、15〜15 車上表示制御装置(地上事象表示手段)、16〜16 車上表示装置(地上事象表示手段)、21 地上イベント提供装置(地上事象検知手段)、22 地上イベント制御装置、23 地上情報送受信装置(地上情報通知手段、車上情報受信手段)、25〜25 地上表示制御装置(車上事象表示手段)、26〜26 地上表示装置(車上事象表示手段)、31 ネットワーク装置、32 統合編集装置、33 情報配信装置、34 イベント処理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公共交通機関の車両で発生している事象を検知する車上事象検知手段と、上記車上事象検知手段により検知された事象を示す車上イベント情報を通知するとともに、その事象が発生している車両を示す車両識別情報を通知する車上情報通知手段とを有する車上情報提供装置と、
上記車上情報提供装置の車上情報通知手段から通知された車上イベント情報及び車両識別情報を受信する車上情報受信手段と、上記車上情報受信手段により受信された車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所に設置されている地上表示装置に対して、上記車上情報受信手段により受信された車上イベント情報が示す事象の内容を表示する車上事象表示手段とを有する地上情報提供装置と
を備えたデジタルサイネージシステム。
【請求項2】
車上情報提供装置の車上情報通知手段は、車上イベント情報及び車両識別情報を通知する際、事象が発生している車両内の位置を示す車両内位置情報を通知し、
地上情報提供装置の車上情報受信手段は、上記車上情報通知手段から通知された車上イベント情報、車両識別情報及び車両内位置情報を受信し、
上記地上情報提供装置の車上事象表示手段は、上記車上情報受信手段により受信された車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所に設置されている1以上の地上表示装置のうち、上記車上情報受信手段により受信された車両内位置情報が示す車両内の位置に対応する箇所に設置されている地上表示装置に対して、上記車上情報受信手段により受信された車上イベント情報が示す事象の内容を表示する
ことを特徴とする請求項1記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項3】
公共交通機関の停留所で発生している事象を検知する地上事象検知手段と、上記地上事象検知手段により検知された事象を示す地上イベント情報を通知するとともに、その事象が発生している停留所を示す地上識別情報を通知する地上情報通知手段とを有する地上情報提供装置と、
上記地上情報提供装置の地上情報通知手段から通知された地上イベント情報及び地上識別情報を受信する地上情報受信手段と、上記地上情報受信手段により受信された地上識別情報が示す停留所に到着予定の車両に設置されている車上表示装置に対して、上記地上情報受信手段により受信された地上イベント情報が示す事象の内容を表示する地上事象表示手段とを有する車上情報提供装置と
を備えたデジタルサイネージシステム。
【請求項4】
地上情報提供装置は、公共交通機関の停留所で発生している事象を検知する地上事象検知手段と、上記地上事象検知手段により検知された事象を示す地上イベント情報を通知するとともに、その事象が発生している停留所を示す地上識別情報を通知する地上情報通知手段とを有し、
車上情報提供装置は、上記地上情報提供装置の地上情報通知手段から通知された地上イベント情報及び地上識別情報を受信する地上情報受信手段と、上記地上情報受信手段により受信された地上識別情報が示す停留所に到着予定の車両に設置されている車上表示装置に対して、上記地上情報受信手段により受信された地上イベント情報が示す事象の内容を表示する地上事象表示手段とを有している
ことを特徴とする請求項1記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項5】
地上情報提供装置の地上情報通知手段は、地上イベント情報及び地上識別情報を通知する際、事象が発生している停留所内の位置を示す地上内位置情報を通知し、
車上情報提供装置の地上情報受信手段は、上記地上情報通知手段から通知された地上イベント情報、地上識別情報及び地上内位置情報を受信し、
上記車上情報提供装置の地上事象表示手段は、上記地上情報受信手段により受信された地上識別情報が示す停留所に到着予定の車両に設置されている1以上の車上表示装置のうち、上記地上情報受信手段により受信された地上内位置情報が示す停留所内の位置に対応する箇所に設置されている車上表示装置に対して、上記地上情報受信手段により受信された地上イベント情報が示す事象の内容を表示する
ことを特徴とする請求項3または請求項4記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項6】
車上事象検知手段は、公共交通機関の車両で発生している事象として、車両の混雑度、車両の冷暖房状況、あるいは、車両の走行位置を検知する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項7】
地上事象検知手段は、公共交通機関の停留所で発生している事象として、停留所に設置されているホーム柵における電気式開閉ドアの異常を検知する
ことを特徴とする請求項3から請求項5のうちのいずれか1項記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項8】
車上表示装置及び地上表示装置に表示するコンテンツの内容及び表示タイミングを管理し、その表示タイミングにしたがって当該コンテンツを車上情報提供装置及び地上情報提供装置に配信する中央管理装置が設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項9】
中央管理装置は、車上情報提供装置の車上情報通知手段から通知された車両識別情報が特定の車両IDと一致する場合、その車両識別情報が示す車両に搭載されている車上情報提供装置に提供しているコンテンツと同一のコンテンツを地上情報提供装置に配信し、
上記地上情報提供装置の車上事象表示手段は、その車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所に設置されている地上表示装置に対して、上記中央管理装置から配信されたコンテンツを表示する
ことを特徴とする請求項8記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項10】
中央管理装置は、車上情報提供装置の車上情報通知手段から通知された車両識別情報がが、ラッピングされている車両のIDと一致する場合、その車両に施されているラッピングの内容と関連するコンテンツを地上情報提供装置に配信し、
上記地上情報提供装置の車上事象表示手段は、その車両識別情報が示す車両の到着予定の停留所に設置されている地上表示装置に対して、上記中央管理装置から配信されたコンテンツを表示する
ことを特徴とする請求項8記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項11】
停留所に対する車両の接近を検知して、車両の接近検知情報を送信する車両接近検知装置が設けられている場合、
中央管理装置は、上記車両接近検知装置から送信された車両の接近検知情報を受信すると、地上表示装置における表示状態の変更を地上情報提供装置に指示する
ことを特徴とする請求項8記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項12】
中央管理装置は、車両接近検知装置から送信された車両の接近検知情報を受信すると、地上表示装置の輝度を下げる指示を行う
ことを特徴とする請求項11記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項13】
中央管理装置は、地上表示装置の輝度を下げる際、上記地上表示装置における車両の入線側から順番に輝度を下げる指示を行う
ことを特徴とする請求項12記載のデジタルサイネージシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−14351(P2012−14351A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149309(P2010−149309)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】