説明

デジタル・コンテンツに関する問合せに対して回答することを支援するためのシステム、プログラム、および方法

【課題】 複数のサーバにおいて公開されたデジタル・コンテンツに関するに対して回答することを支援するためのシステムを提供する。
【解決手段】 システムは、デジタル・コンテンツの識別子に関連付けて、複数のサーバのそれぞれにおける当該デジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスおよび公開期間を記録するデータベースに問合せを行う手段と、クライアントが閲覧したデジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスに関する情報およびデジタル・コンテンツを閲覧した時刻の入力を受ける手段と、ネットワーク・アドレスに関する情報に基づいて、デジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスを特定する手段と、特定されたネットワーク・アドレスと閲覧時刻に基づいて、デジタル・コンテンツの公開期間を使用し、当該デジタル・コンテンツの識別子を特定する手段と、デジタル・コンテンツの識別子と関連付けられた1以上の回答テンプレートを提示する手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、情報処理技術に関し、より詳細には、デジタル・コンテンツに関する問合せに回答することを支援するためのシステム、プログラム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネットの普及により、企業や個人がデジタル・コンテンツをウェブ・サイトで公開し、情報を広く提供することが日常的に行われている。例えば、コンピュータを製造し販売する企業は、消費者にそのコンピュータ製品に関する情報(製品の仕様、販売キャンペーン、リコールの通知など)を自社のウェブ・サイトや販売代理店のウェブ・サイトで提供している。
【0003】
ウェブ・サイトで公開されたデジタル・コンテンツを閲覧した消費者は更なる疑問を抱くことがある。そのような消費者の疑問に答えるために、そのウェブ・サイトを運営する企業は、コンタクト・センターを設置することがある。コンタクト・センターにおいては、オペレータは、電子メールや電話を通じて受けた問合せと同じコンテンツに関する過去の問合せに対する回答を回答テンプレートとして再利用して回答を行うようにされていることが多い。コンタクト・センターのオペレータは、かかる再利用によって一から回答を考えることと比較して、短い時間で回答をすることができる。すなわち、回答の再利用を促進することは、コンタクト・センターの業務の効率に大きな影響を及ぼす。
【0004】
これに関連する背景技術として、特開2003−296548号公報は、コンタクト・センターのオペレータが過去に参照した情報のURL(Uniform Resource Locator)の履歴データベースを作成しておき、同一の問題点の問合せがきた場合に、履歴データベースに基づいて、参照すべき情報のURLをオペレータに提示している。
また、他の背景技術として、特開2004−234225号公報は、コンピュータの販売サイトで部品を選択して注文されたコンピュータを出荷する際に、選択された部品のサポート情報サイトのURLを含むショートカットリンクをコンピュータのデスクトップ画面に設定しておく。コンピュータのデスクトップ画面からショートカットリンクが選択されると、FAQサーバは、URLを用いてFAQページとしてユーザ側に出力する。
【特許文献1】特開2003−296548号公報
【特許文献2】特開2004−234225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
企業や個人が、同一のウェブ・コンテンツを複数のウェブ・サイトに公開することがある。例えば、自社の製品に関する情報を、自社のウェブ・サイトと販売代理店のウェブ・サイトにおいて公開する場合などである。この場合、あるウェブ・サイトにおいてコンテンツを閲覧したクライアントの問合せに対する回答が、他のウェブ・サイトにおいて同一のコンテンツを閲覧したクライアントの問合せに対する回答として再利用できる可能性がある。しかし、オペレータが、受けた問合せをしたクライアントが閲覧しているとは異なるウェブ・サイトに公開されている同一のコンテンツに関する問合せに対する過去の回答を再利用することは、これを自動的に発見する手段がないことから困難である。
【0006】
特に、頻繁にバージョンアップがされるコンテンツの場合は、クライアントがどのバージョンのコンテンツについて問合せをしているのかを判別することは、困難であることが多い。なぜなら、それぞれのウェブ・サイトにおけるコンテンツの公開期間が異なることもあるからである。そのため、オペレータにとって、適切な回答テンプレートを選ぶことが困難で、正確な回答をすることに時間を要する場合があった。上記の特許文献1乃至4を含む従来技術やそれらの組合せは、このような課題を解決することはできない。
【0007】
したがって、本発明の目的の1つは、ネットワーク上の複数のサーバにおいて公開されたデジタル・コンテンツに関する問合せに回答するに際して、オペレータが過去の回答をより再利用できるようにするための方法、プログラム、システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、ネットワーク上の複数のサーバにおいて公開されたデジタル・コンテンツに関するクライアントからの問合せに対して回答することを支援するためのシステムが提供される。システムは、デジタル・コンテンツの識別子に関連付けて、前記複数のサーバのそれぞれにおける当該デジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスおよび公開期間を記録するデータベースに問合せを行う手段と、クライアントが閲覧したデジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスに関する情報およびデジタル・コンテンツを閲覧した時刻を、オペレータから入力を受ける手段と、ネットワーク・アドレスに関する情報に基づいて、デジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスを特定する手段と、特定されたネットワーク・アドレスと閲覧時刻に基づいて、デジタル・コンテンツの公開期間を使用し、当該デジタル・コンテンツの識別子を特定する手段と、デジタル・コンテンツの識別子と関連付けられた1以上の回答テンプレートを提示する手段を備える。
【0009】
回答テンプレートは、デジタル・コンテンツに関する過去の回答または過去の回答を加工して作成することが好ましい。また、回答テンプレートに基づいて作成した回答をクライアントに送信する手段と、当該送信した回答をデータベースに格納する手段をさらに備えることが好ましい。
【0010】
以上、ネットワーク上の複数のサーバにおいて公開されたデジタル・コンテンツに関するクライアントからの問合せに対して回答することを支援するためのシステムとして本発明の概要を説明したが、本発明は、問合せに対して回答することを支援するための方法、プログラム、またはプログラム製品として把握することもできる。プログラム製品は、例えば、前述のプログラムを格納した記憶媒体を含め、あるいはプログラムを伝送する媒体を含めることができる。
【0011】
上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの構成要素のコンビネーションまたはサブコンビネーションもまた、発明となり得ることに留意すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
また、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるべきものではない。また、実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須とは限らないことに留意されたい。実施の形態の説明の全体を通じて同じ要素には同じ番号を付している。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態によるネットワーク・システム100のハイレベルの概念図である。本発明の実施の形態によるネットワーク・システム100は、企業システム105、クライアント・コンピュータ110、ウェブ・サーバ120aおよび120b(以下、「ウェブ・サーバ120」と総称することがある)を含む。
【0015】
本発明の実施の形態によるネットワーク・システム100においては、企業システム105、クライアント・コンピュータ110、およびウェブ・サーバ120は、ネットワーク195を介して、相互に通信をすることができる。一例として、ネットワーク195は、よく知られたインターネットとして実現することができる。インターネットは、TCP/IPを用いてコンピュータの間を接続する。
【0016】
本発明の実施の形態においては、企業システム105を所有する企業は、インターネット195を通じて、自社製品に関する情報(例えば、製品の仕様、販売キャンペーン、リコールの通知など)のようなデジタル・コンテンツをウェブ・サーバ120にアップロードし、顧客または潜在的顧客115(以下、単に「顧客115」という)を対象に公開することができる。本発明の実施の形態においては、企業は、複数のウェブ・サーバに異なる期間の間、デジタル・コンテンツを公開できることに留意されたい。
【0017】
本発明の実施の形態においては、ウェブ・サーバ120は、企業システム105から受領したデジタル・コンテンツを、特定のネットワーク・アドレスと関連付けてワールドワイド・ウェブ上で公開することができる。本発明の実施形態においては、ネットワーク・アドレスは、W3C勧告に従うURL(Uniform Resource Locator)仕様に従うものとする。ウェブ・サーバ120は、クライアント・コンピュータ110からの特定のネットワーク・アドレスを含むデジタル・コンテンツのリクエストを受領したことに応じて、クライアント・コンピュータ110にデジタル・コンテンツを送信する。
【0018】
本発明の実施の形態においては、顧客115に操作されるクライアント・コンピュータ110は、ウェブ・サーバ120にインターネット195を通じてアクセスし、アップロードされたデジタル・コンテンツを入手することができる。また、顧客115は、閲覧したデジタル・コンテンツに関する問合せを含む電子メールをクライアント・コンピュータ110から企業システム105にインターネット195を通じて送信することができる。また、顧客115は、電話回線190を通じて、企業に問合せをすることもできる。
【0019】
さらに具体的に本発明の実施形態の企業システム105を説明する。本発明の実施形態の企業システム105は、コンテンツ作成者185がウェブ・サーバ120において公開されるデジタル・コンテンツを作成するためのコンテンツ作成端末180、および作成されたデジタル・コンテンツを管理するためのコンテンツ管理サーバ160を含む。
【0020】
本発明の実施形態の企業システム105は、ウェブ・サーバ120にアップロードされたデジタル・コンテンツに関する問合せに対して回答するオペレータ135a〜c(以下、「オペレータ135」と総称することがある)に操作されるオペレータ端末130a〜c(以下、「オペレータ端末130」と総称することがある)、および問合せに対してオペレータが回答することを支援するためのオペレータ支援サーバ140をさらに含む。
【0021】
なお、これらの企業システム105内のコンピュータは、社内LAN170で相互に接続され、TCP/IPに従って通信することができる。また、企業システム105は、ファイアウォール150を介してインターネット195と接続されている。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態の企業システム105の機能ブロック図である。なお、図2の機能ブロック図に示す各要素は、図8に例示したハードウェア構成を有する情報処理装置において、ハードディスク装置13などに格納されたオペレーティング・システムやコンピュータ・プログラムをメインメモリ4にロードした上でCPU1に読み込ませ、ハードウェア資源とソフトウェアを協働させることによって実現することができる。
【0023】
企業システム105は、オペレータ端末130、オペレータ支援サーバ140、コンテンツ管理サーバ160、コンテンツ作成端末180を含む。コンテンツ作成端末180は、アップロード指示部282およびコンテンツ編集部284を含む。コンテンツ編集部284は、コンテンツ作成者185からの操作に応じて、インターネット195を通じてウェブ・サーバ120において公開されるデジタル・コンテンツを作成し、編集する機能を提供する。アップロード指示部282は、コンテンツ作成者185がコンテンツ編集部284を使用して作成し、コンテンツ・データベース266に記録されたデジタル・コンテンツをアップローダ264にアップロードさせる機能を有する。なお、図2においては、
説明をシンプルなものとするためにファイアウォール150はあえて図示されていないことに留意されたい。
【0024】
コンテンツ管理サーバ160は、更新履歴DB262、アップローダ264、コンテンツ・データベース266、およびコンテンツ更新部268を含む。コンテンツ更新部268は、コンテンツ作成者185がコンテンツ編集部284を使用して新規に作成または更新したデジタル・コンテンツに識別子(以下、「コンテンツID」という)を付与し、付与したコンテンツIDと関連付けてコンテンツ・データベース266に格納する。本発明の実施の形態では、付与されるコンテンツIDはシステム全体に渡って一意のものであるとする。コンテンツ・データベース266は、ウェブ・サーバ120において公開されるデジタル・コンテンツをコンテンツ更新部268によって付与されたコンテンツIDと関連付けて記録する。
【0025】
アップローダ264は、コンテンツ・データベース266に記録されたデジタル・コンテンツを、アップロード指示部282からの指示に応じて、所定のウェブ・サーバ120にアップロードする。また、アップローダ264は、アップロードしたデジタル・コンテンツのコンテンツIDと関連付けて、公開されたURLと公開開始時刻をコンテンツ更新履歴データベース262内に記録する。アップローダ264は、ウェブ・サーバ120において公開したデジタル・コンテンツを削除することもできる。アップローダ264は、削除されたウェブ・コンテンツについて更新履歴データベース262内に公開終了時刻を記録する。
【0026】
すなわち、更新履歴データベース262は、アップロードされたデジタル・コンテンツについて、少なくともコンテンツID、公開されたウェブ・サーバにおけるURL、公開開始時刻、および公開終了時刻が記録されることとなる。本発明の実施形態における更新履歴データベース262の内容の一例を図5に示す。
【0027】
オペレータ端末130は、回答作成部232および問合せ受付部234を含む。問合せ受付部234は、クライアント・コンピュータ110から電子メールなどの形態でコンテンツに関する問合せを受け、オペレータに提示する。なお、本発明の実施形態においては、オペレータ135は、電話回線190を通じて、かかる情報を受けることもできる。
【0028】
回答作成部232は、オペレータ135がデジタル・コンテンツに関する問合せに対する回答を作成する機能を提供する。本発明の実施形態では、オペレータは、回答を電子メールの形式で作成するものとする。また、回答作成部232は、顧客が閲覧したデジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスに関する情報、閲覧時刻に関する情報、絞込みキーワードの入力を受け、テンプレート検索部244に送信することによって得られた回答テンプレートを提示する機能をも有する。
【0029】
オペレータ支援サーバ140は、テンプレート更新部242、テンプレート検索部244、回答データベース246、回答送信部248を含む。回答送信部248は、回答作成部232において作成された回答を受けて顧客に送信するとともに、将来の回答テンプレートとしてその回答内容を回答データベース246に格納する。具体的には、回答送信部248は、回答テンプレートIDと関連付けて、問合せ対象のコンテンツID、問合せ時刻、問合せ内容、回答内容を回答データベース246に記録する。本発明の実施形態における回答データベース246の内容の一例を図6に示す。
【0030】
テンプレート更新部242は、オペレータ135の指示に従って、回答データベース246に格納された回答テンプレートを加工することができる。オペレータ135は、回答テンプレートをより推敲したり、一般化したりすることもできるし、回答内容を他のデジタル・コンテンツに関連付けることもできる。テンプレート検索部244は、回答データベース246に格納された回答テンプレートを、回答作成部232から受領したユーザから顧客が閲覧したデジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスに関する情報、閲覧時刻に関する情報、絞込みキーワードに基づいて検索し、回答作成部232に返信することができる。
【0031】
図3は、本発明の実施形態のネットワーク・システム100におけるデジタル・コンテンツの作成およびアップロードを表現するフローチャート300である。処理は、ステップ305でスタートする。まず、コンテンツ作成者185がコンテンツ作成端末180を操作し、ウェブ・サーバ120にアップロードされるデジタル・コンテンツを作成する(ステップ310)。さらに、コンテンツ・データベース266にステップ310において作成されたコンテンツを格納するとともに、当該デジタル・コンテンツにコンテンツIDを付与する(ステップ315)。
【0032】
アップロード指示部282からの指示に応じて、アップローダ264は、コンテンツ・データベース266に記録されたデジタル・コンテンツをウェブ・サーバ120にアップロードする(ステップ320)。次に、アップローダ264は、アップロードが終了したことに応じて、コンテンツID、アップロード先のURL、公開開始時刻(すなわち、アップロードが完了した時刻)を更新履歴データベース262に記録する(ステップ325)。
【0033】
さらに、処理は進み、当該デジタル・コンテンツに前のバージョンが更新され、前のバージョンのデータの削除をしたかどうかが判定される(ステップ330)。ステップ330において、前のバージョンのデータが削除されたと判定された場合、処理はステップ330からYESの矢印を介してステップ335に進み、前のバージョンのデータを削除した時刻を公開終了時刻として更新履歴データベース262に記録し、ステップ340へ進む。
【0034】
ステップ330において、前のバージョンのデータが存在しないために削除されていないと判定された場合、処理はステップ330からNOの矢印を介して、直接ステップ340に進む。
【0035】
さらにデジタル・コンテンツをアップロードする必要があるウェブ・サイトがあるかどうかが判定される(ステップ340)。ステップ340において、さらにアップロードする必要があるウェブ・サイトがあると判定された場合、処理はステップ340からYESの矢印を介してステップ320に戻り、ステップ320乃至335が繰り返される。この繰り返しのときに、コンテンツのID、公開開始時刻、公開終了時刻がそれぞれのURLごとに記録されることに留意されたい。ステップ340において、さらにアップロードする必要があるウェブ・サーバがないと判定された場合、処理はステップ340からNOの矢印を介してステップ345に進み、処理は終了する。
【0036】
図4は、本発明の実施形態におけるアップロードされたデジタル・コンテンツを閲覧した顧客からの問合せに回答する場合のシステムの動作を表現するフローチャート400である。処理は、ステップ405でスタートする。まず、オペレータが問合せ受付部234において顧客からの問合せを受け付ける(ステップ410)。本発明の実施形態における顧客からの問合せには、「2006年6月10日に、XYZ販売代理店のウェブ・サイトで御社(ABC株式会社)のパソコン製品の販売キャンペーン広告を見たが、キャンペーン対象のパソコン製品の仕様について教えて欲しい。」というように、顧客が閲覧したコンテンツのURLに関する情報、および閲覧時刻に関する情報が含まれることに留意されたい。
【0037】
オペレータ135は、顧客115が閲覧したデジタル・コンテンツのURLに関する情報、閲覧時刻、絞込みのためのキーワードを、回答作成部232を用いて入力する(ステップ415)。本発明の実施形態においては、URLに関する情報としては、例えば、「XYZ販売代理店」、「パソコン製品」、「販売キャンペーン」「広告」といったオペレータが顧客から受けた情報から、オペレータがURLを特定するために有用であると考えて抽出したキーワードを入力するようにするとよい。また、閲覧時刻は、「2006年6月10日」などのオペレータが顧客から受けた情報から抽出した情報を入力するようにするとよい。絞込みのためのキーワードは、例えば、「製品仕様」のような、オペレータが顧客から受けた情報から抽出したキーワードを入力することが考えられる。
【0038】
処理は進み、顧客115が閲覧したデジタル・コンテンツのURLに関する情報に基づいて、顧客の閲覧したデジタル・コンテンツのURLを特定する(ステップ420)。本発明の実施形態では、「XYZ販売代理店」、「パソコン製品」、「販売キャンペーン」「広告」という情報から、“URL:http://www。xyz_shop.com/abc_products/campaign.html”というURLが特定されたものとする(図5の更新履歴データベース262の例を参照)。
【0039】
次に、ステップ420で顧客の閲覧したデジタル・コンテンツのURLが特定されたかどうかが判定される(ステップ425)。ステップ425においてURLが特定されたと判定されなかった場合、処理は、ステップ425からNOの矢印を介して直接ステップ460に進む。この場合、オペレータは、回答テンプレートを使用することなく1から回答を作成することになる。
【0040】
ステップ425においてURLが特定されたと判定された場合、処理は、ステップ425からYESの矢印を介してステップ430に進む。更新履歴データベース262を使用して、特定されたURLおよび閲覧時刻に基づいてコンテンツIDが特定される(ステップ430)。本発明の実施形態では、“URL:http://www。xyz_shop.com/abc_products/campaign.html”というURLと、「2006年6月10日」という閲覧時刻から、“0003”というコンテンツIDが特定されたものとする(図5の更新履歴データベース262の例を参照)。
【0041】
さらに処理は進み、当該コンテンツIDを有するコンテンツに関する問合せに対する回答テンプレートが、回答データベースから抽出される(ステップ435)。ステップ435においては、ステップ415で絞込みキーワードが入力されている場合は、絞り込みキーワードを使用して絞り込まれた回答テンプレートのみが抽出される。本発明の実施形態では、「製品仕様」というキーワードに基づいて、テンプレートIDが“0002”の回答テンプレートが抽出されたものとする(図6の回答データベース246の例を参照)。
【0042】
次に、回答テンプレートがステップ435において抽出されたかどうかが判定される(ステップ440)。ステップ440において回答テンプレートが抽出されなかったと判定された場合、ステップ440からNOの矢印を介して直接ステップ460に進み、回答テンプレートを使用することなく1からオペレータ135が回答を作成することになる。
【0043】
ステップ440において回答テンプレートが抽出されたと判定された場合、ステップ440からYESの矢印を介してステップ445に進む。ステップ445においては、抽出された回答テンプレートのリストおよびテンプレートの概要が、オペレータ135に提示される。
【0044】
次に、オペレータ135は、提示されたリストをさらに絞り込むかどうかを選択する(ステップ450)。ステップ450において、さらに絞り込むことが選択された場合、ステップ450からYESの矢印を介してステップ455に進み、追加の絞込みキーワードを受け付けた後で、ステップ435乃至445が繰り返される。ステップ450において、さらに絞り込むことが選択されなかった場合、ステップ450からNOの矢印を介してステップ460に進む。この場合、オペレータは提示されたリストから、今回の回答に再利用できるテンプレートを選択し、そのテンプレートを用いて回答を作成する(ステップ460)。
【0045】
ステップ460で回答の作成が完了すると、回答送信部248は、顧客115に回答を送信するとともに、回答内容を次回以降の回答テンプレートとするために回答データベース246に記録する。処理は、ステップ470で終了する。
【0046】
図7は、本発明の実施形態における図4のフローチャート400の処理において、オペレータ135が使用する、オペレータ端末130に表示されるグラフィカル・ユーザ・インターフェース700の一例である。
【0047】
本発明の実施形態では、オペレータ135が、入力フィールド710、720、730のそれぞれにURLに関する情報、閲覧時刻に関する情報、絞込みキーワードをそれぞれ入力し、検索ボタン740をクリックすると、抽出された回答テンプレートのリスト750が表示される。そして、使用する回答テンプレートをダブル・クリックなどでリストから選択すると、本文に回答テンプレートが挿入された電子メールを作成するためのポップアップ・ウィンドウが発生するようにされている。なお、当業者は、このようなグラフィカル・ユーザ・インターフェースを適宜設計できるので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0048】
図8は、本発明の実施の形態によるオペレータ支援サーバ、ファイアウォール、コンテンツ管理サーバ、オペレータ端末、コンテンツ作成端末、クライアント・コンピュータ、ウェブ・サーバ等を実現するのに好適な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示した図である。情報処理装置は、バス2に接続されたCPU(中央処理装置)1とメインメモリ4を含んでいる。ハードディスク装置13、30、およびCD−ROM装置26、29、フレキシブル・ディスク装置20、MO装置28、DVD装置31のようなリムーバブル・ストレージ(記録メディアを交換可能な外部記憶システム)がフロッピーディスクコントローラ19、IDEコントローラ25、SCSIコントローラ27などを経由してバス2へ接続されている。
【0049】
フレキシブル・ディスク、MO、CD−ROM、DVD−ROMのような記憶メディアが、リムーバブル・ストレージに挿入される。これらの記憶メディアやハードディスク装置13、30、ROM14には、オペレーティング・システムと協働してCPU等に命令を与え、本発明を実施するためのコンピュータ・プログラムのコードを記録することができる。メインメモリ4にロードされることによってコンピュータ・プログラムは実行される。コンピュータ・プログラムは圧縮し、また複数に分割して複数の媒体に記録することもできる。
【0050】
情報処理装置は、キーボード/マウス・コントローラ5を経由して、キーボード6やマウス7のような入力デバイスからの入力を受ける。情報処理装置は、視覚データをユーザに提示するための表示装置11にDAC/LCDC10を経由して接続される。
【0051】
情報処理装置は、ネットワーク・アダプタ18(イーサネット(R)・カードやトークンリング・カード)等を介してネットワークに接続し、他のコンピュータ等と通信を行うことが可能である。図示はされていないが、パラレルポートを介してプリンタと接続することや、シリアルポートを介してモデムを接続することも可能である。
【0052】
以上の説明により、本発明の実施の形態によるデータ処理システム100を実現するのに好適な情報処理装置は、通常のパーソナルコンピュータ、ワークステーション、メインフレームなどの情報処理装置、または、これらの組み合わせによって実現されることが容易に理解されるであろう。ただし、これらの構成要素は例示であり、そのすべての構成要素が本発明の必須構成要素となるわけではない。
【0053】
本発明の実施の形態において使用される情報処理装置の各ハードウェア構成要素を、複数のマシンを組み合わせ、それらに機能を配分し実施する等の種々の変更は当業者によって容易に想定され得ることは勿論である。それらの変更は、当然に本発明の思想に包含される概念である。
【0054】
オペレータ支援サーバ等は、マイクロソフト・コーポレーションが提供するWindows(R)オペレーティング・システム、アップル・コンピュータ・インコーポレイテッドが提供するMacOS(R)、X Window Systemを備えるUNIX(R)系システム(たとえば、インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションが提供するAIX(R))のような、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)マルチウインドウ環境をサポートするオペレーティング・システムを採用することができる。
【0055】
以上から、本発明の実施の形態において使用されるオペレータ支援サーバは、特定のマルチウインドウ・オペレーティング・システム環境に限定されるものではないことを理解することができる。
【0056】
また、本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現可能である。ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによる実行において、所定のプログラムを有するデータ処理システムにおける実行が典型的な例として挙げられる。かかる場合、該所定プログラムが該データ処理システムにロードされ実行されることにより、該プログラムは、データ処理システムを制御し、本発明にかかる処理を実行させる。このプログラムは、任意の言語・コード・表記によって表現可能な命令群から構成される。そのような命令群は、システムが特定の機能を直接、または1.他の言語・コード・表記への変換、2.他の媒体への複製、のいずれか一方もしくは双方が行われた後に、実行することを可能にするものである。
【0057】
もちろん、本発明は、そのようなプログラム自体のみならず、プログラムを記録した媒体もその範囲に含むものである。本発明の機能を実行するためのプログラムは、フレキシブル・ディスク、MO、CD−ROM、DVD、ハードディスク装置、ROM、MRAM、RAM等の任意のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することができる。かかるプログラムは、記録媒体への格納のために、通信回線で接続する他のデータ処理システムからダウンロードしたり、他の記録媒体から複製したりすることができる。また、かかるプログラムは、圧縮し、または複数に分割して、単一または複数の記録媒体に格納することもできる。また、様々な形態で、本発明を実施するプログラム製品を提供することも勿論可能であることにも留意されたい。
【0058】
上記の実施の形態に、種々の変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。従って、そのような変更または改良を加えた形態も当然に本発明の技術的範囲に含まれる。
【0059】
以上、本発明の実施形態によれば、ネットワーク上の複数のサーバにおいて公開されたデジタル・コンテンツに関する問合せに回答するに際して、オペレータが過去の回答をより再利用できるようにすることができる。従って、例えば、コンタクト・センターにおいて、複数のサイトで公開されたウェブ・コンテンツに関する問合せを顧客から受けたオペレータが回答をすることの生産性を高めることができることが容易に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態によるシステムのハイレベルの概念図である。
【図2】本発明の実施の形態の企業システム105の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態におけるネットワーク・システムのデジタル・コンテンツの作成およびアップロードを表現するフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態におけるアップロードされたデジタル・コンテンツを閲覧した顧客からの問合せに回答する場合のシステムの動作を表現するフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態における更新履歴データベースの内容の一例である。
【図6】本発明の実施形態における回答データベースの内容の一例である。
【図7】本発明の実施形態におけるオペレータ端末に表示されるグラフィカル・ユーザ・インターフェースの一場面である。
【図8】本発明の実施の形態におけるオペレータ支援サーバ等を実現するのに好適な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上の複数のサーバにおいて公開されたデジタル・コンテンツに関する問合せに対して回答することを支援するためのシステムであって、
デジタル・コンテンツの識別子に関連付けて、前記複数のサーバのそれぞれにおける当該デジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスおよび公開期間を記録するデータベースに問合せを行う手段と、
クライアントが閲覧したデジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスに関する情報および閲覧時刻に関する情報の入力を受ける手段と、
前記ネットワーク・アドレスに関する情報に基づいて、前記デジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスを特定する手段と、
前記特定されたネットワーク・アドレスと前記閲覧時刻に関する情報に基づいて、前記デジタル・コンテンツの公開期間を使用し、当該デジタル・コンテンツの識別子を特定する手段と、
前記デジタル・コンテンツの識別子と関連付けられた1以上の回答テンプレートを提示する手段と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記回答テンプレートは、前記デジタル・コンテンツに関する過去の回答または過去の回答を加工して作成されたものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記回答テンプレートに基づいて作成した回答をクライアントに送信する手段と、当該送信した回答をデータベースに格納する手段をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記デジタル・コンテンツを、複数のサーバにアップロードする手段と、前記デジタル・コンテンツがアップロードされたことに応じて、前記複数のサーバのそれぞれにおけるデジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスおよび公開期間を前記データベースに記録させる手段と、をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
回答テンプレートの絞込みを行うための1以上のキーワードを受ける手段をさらに備え、前記提示する手段は、前記1以上のキーワードに基づいて絞り込まれた回答テンプレートを提示する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ネットワーク・アドレスは、URL(Uniform Resource Locator)である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記デジタル・コンテンツは、ウェブ・ページである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ネットワーク・アドレスに関する情報は、当該デジタル・コンテンツを閲覧したクライアントから電子メールを介してオペレータが受領した情報の全部または一部である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ネットワーク・アドレスに関する情報は、当該デジタル・コンテンツを閲覧したクライアントから電話を介してオペレータが受領した情報の全部または一部である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
ネットワーク上の複数のサーバにおいて公開されたデジタル・コンテンツに関するクライアントからの問合せに対して回答することを支援するためのプログラムであって、
デジタル・コンテンツの識別子に関連付けて、前記複数のサーバのそれぞれにおける当該デジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスおよび公開期間を記録するステップと、
クライアントが閲覧したデジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスに関する情報およびデジタル・コンテンツを閲覧した時刻を、オペレータから入力を受けるステップと、
前記ネットワーク・アドレスに関する必要な情報に基づいて、前記デジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスを特定するステップと、
前記特定されたネットワーク・アドレスと前記閲覧時刻を使用し、前記デジタル・コンテンツの公開期間に基づいて、当該デジタル・コンテンツの識別子を特定するステップと、
前記デジタル・コンテンツの識別子と関連付けられた1以上の回答テンプレートをオペレータに提示するステップと、
をコンピュータ・システムに実行させる、プログラム。
【請求項11】
ネットワーク上の複数のサーバにおいて公開されたデジタル・コンテンツに関するクライアントからの問合せに対して回答することを支援するための方法であって、
前記複数のサーバのそれぞれにおけるデジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスおよび公開期間と関連付けて、当該デジタル・コンテンツの識別子を記録するステップと、
クライアントが閲覧したデジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスに関する情報およびデジタル・コンテンツを閲覧した時刻の入力を受けるステップと、
前記ネットワーク・アドレスに関する情報に基づいて、前記デジタル・コンテンツのネットワーク・アドレスを特定するステップと、
前記特定されたネットワーク・アドレスと前記閲覧時刻を使用し、前記デジタル・コンテンツの公開期間に基づいて、当該デジタル・コンテンツの識別子を特定するステップと、
前記デジタル・コンテンツの識別子と関連付けられた1以上の回答テンプレートを提示するステップと、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−27380(P2008−27380A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202352(P2006−202352)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(592073101)日本アイ・ビー・エム株式会社 (42)
【Fターム(参考)】