説明

デジタル信号処理装置

【課題】不要輻射を発生させずに動作モードに適した演算速度で信号処理を行う。
【解決手段】デジタル情報信号の信号処理を行うデジタル信号処理装置において、信号処理手段にデジタル情報信号を供給すると共に位相比較器の第1の入力端子へサンプリングクロック信号を第1の入力信号として入力する記録再生手段とを備え、マイクロコンピュータ45は、上記記録再生手段の記録再生動作におけるサンプリング周波数と上記記録再生手段が記録動作と再生動作の何れを行っているかの情報とを動作モードとして設定する動作モード設定手段によって設定された動作モードに適した演算速度で上記信号処理手段が処理を行うように上記分周比設定手段によって設定される分周器の分周比を決定し上記分周比設定手段に設定すると共に、上記動作モードが記録動作であるときには上記記録再生手段のサンプリング周波数を上記記録再生手段に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタル信号処理装置に関し、特に複数のサンプリング周波数で規格化されるデジタル情報信号が供給されて、該デジタル情報信号の信号処理を行うデジタル信号処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、コンピュータや画像信号処理装置や音声信号処理装置等に設けられて、供給されたデータやコマンド信号や画像信号やオーディオ信号等のデジタル情報信号の所定の信号処理を行うデジタル・シグナル・プロセッサ(Digital Signal Processor;以下、DSPと称する。)等のデジタル信号処理装置が普及している。
【0003】
上記デジタル信号処理装置は、供給されたデジタル情報信号のサンプリング周波数や該デジタル情報信号の情報量や演算回数等の演算条件に応じて分周比を設定し、外部から供給された外部クロック信号を該分周比で分周した動作クロック信号に同期して動作する。このため、デジタル信号処理装置では、該演算条件に最適な演算速度で信号処理を行う。
【0004】
【特許文献1】特開平4−216373号公報
【特許文献2】特開平5−189878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記外部クロック信号は、可変設定される複数の分周比の最小公倍数以上の周波数を必要とし、例えば動作クロックを数十KHz程度の周波数とする場合においても外部クロック信号を数MHz程度の周波数とする必要が有る。
【0006】
このため、上記デジタル信号処理装置は、該高周波の外部クロック信号が供給されて、該外部クロック信号の信号ラインから不要輻射を発生させるという問題点を生じている。
【0007】
本発明は、以上のような問題点に鑑み、不要輻射を発生させずに信号処理を行うデジタル信号処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、デジタル情報信号の信号処理を行うデジタル信号処理装置において、第1の入力端子から入力される第1の入力信号と第2の入力端子から入力される第2の入力信号の位相差を出力する位相比較器と、上記位相比較器の出力信号の高周波成分をカットする低域通過フィルタと、上記低域通過フィルタの出力信号の振幅値に基づく発振周波数で出力信号を発生する発振器と、指定された分周比で上記発振器の出力信号を分周して上記第2の入力端子に上記第2の入力信号として供給する分周器と、上記分周器の分周比を設定する分周比設定手段と、上記発振器の出力信号を動作クロックとして上記供給されたデジタル情報信号の信号処理を行う信号処理手段と、上記信号処理手段にデジタル情報信号を供給すると共に上記位相比較器の第1の入力端子へサンプリングクロック信号を上記第1の入力信号として入力する記録再生手段と、上記記録再生手段の記録再生動作におけるサンプリング周波数と上記記録再生手段が記録動作と再生動作の何れを行っているかの情報とを動作モードとして設定する動作モード設定手段と、上記動作モード設定手段によって設定された動作モードに適した演算速度で上記信号処理手段が処理を行うように上記分周比設定手段によって設定される上記分周器の分周比を決定し上記分周比設定手段に設定すると共に、上記動作モードが記録動作であるときには上記記録再生手段のサンプリング周波数を上記記録再生手段に設定するコントローラとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るデジタル信号処理装置では、動作モード設定手段によって設定された動作モードに適した演算速度で信号処理手段が処理を行うように分周比設定手段によって設定される分周器の分周比を決定して設定することにより、不要輻射を発生させずに動作モードに適した演算速度で信号処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係るデジタル信号処理装置の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。該デジタル信号処理装置がデジタルオーディオ・テープレコーダ(Digital Audio Taperecorder;以下、DATと称する。)に設けられた場合を示す。
【0011】
上記DATは、図1に示すように装着された磁気テープ40の走行方向及び走行速度を切換え設定可能に該磁気テープ40を走行させる走行手段と、該走行手段で走行された磁気テープ40の主面に走査方向に1回転する毎に1トラック分の情報信号を記録再生するドラム型の回転ヘッド41と、該回転ヘッド41で再生されたオーディオ信号をPCM復調して音声出力させたり、供給されたオーディオ信号をPCM変調して記録する記録・再生装置42と、該記録・再生装置42でPCM復調された情報信号を信号処理して、該記録・再生装置42に供給するデジタル信号処理装置10と、該該記録・再生装置42及びデジタル信号処理装置10を制御するマイクロコンピュータ45と、該DATの動作モードに応じて該マイクロコンピュータ45に制御条件を設定するモード設定手段46と備える。
【0012】
上記マイクロコンピュータ45は、モード設定手段46で設定された制御条件に応じて上記記録・生成装置42にサンプリング周波数を設定して、該記録・生成装置42及び上記デジタル信号処理装置10をサンプリングクロック信号fsに同期させて動作させ、該デジタル信号処理装置10にコマンド信号に応じた信号処理を行わせる。
【0013】
このDATの規格には、図2に示すように4個の記録・再生モードと2個の再生専用モードが存在する。
【0014】
上記記録・再生モードには、サンプリング周波数が48KHzで量子化ビット数が16ビットの48kモードと、各々サンプリング周波数が32KHzで、量子化ビット数が16ビットの32kモード、量子化ビット数が12ビットでチャンネル数が2CHの32k−LPモード及び量子化ビット数が12ビットでチャンネル数が4CHの32k−4CHモードとを有しており、該48kモードは標準装備が義務付けられており、他のモードはオプションで装備される。
【0015】
また、上記再生専用モードには、各々サンプリング周波数が44.1KHz、量子化ビット数が16ビットで、磁気テープの走行速度及びトラックピッチが標準の44kモードと、該磁気テープの走行速度及びトラックピッチが標準の1.5倍である44k−WTモードとを有しており、いずれのモードも標準装備が義務付けられている。
【0016】
このDATでは、2トラックの情報信号を1フレームとして、回転ヘッド1により磁気テープ40のメインデータ領域に1トラック毎のデジタル情報信号を記録する。該1フレームの各トラックは互いにインターリーブが施されており、該インターリーブが施されることにより上記磁気テープ40のトラック位置と上記回転ヘッド1の位置ずれ等による誤り情報を分散させることで、情報信号の欠落を抑えている。
【0017】
上記メインデータ領域は、図3Aに示すように128ブロックからなり、先頭から順番に同期信号(SYNC)、メインID信号W1、メインID信号W2、メインIDパリティ信号及びメインデータMD1、MD2で構成される。
【0018】
上記メインデータMD1とメインデータMD2は、オーディオ信号からなり、互いにインターリーブが施されており、該インターリーブが施されることにより上記回転ヘッド1からの上記磁気テープ40の浮き等による誤り情報を分散させることで、情報信号の欠落を抑えており、かつ2重化(32.28)リード・ソロモン符号によるパリティ符号C1、C2が施されて、誤り訂正が可能となっている。
【0019】
また、上記図2に示した回転ヘッド41の回転速度、サンプリング周波数及び量子化ビット数等の上記各記録・再生モードの仕様でメインデータMD1、MD2を記録した場合、いずれのモードにおいても該メインデータMD1、MD2に空き領域が生じる。この空き領域には、図3B、3Cに示すように各々8ブロックからなるサブデータSD1、SD2が記録される。また、該メインデータMD1、MD2は、各々8個の領域に分割され、該分割された該メインデータMD1、MD2の各領域に各1ブロックのサブデータSD1、SD2が順番に割付けられて記録される。
【0020】
上記メインデータMD1、MD2の1ブロックのフォーマットは、図4Aに示すように1シンボル(=8ビット)毎に先頭から順番に同期信号(SYNC)、メインID信号W1、メインID信号W2及びメインIDパリティ信号と、8×32シンボルのメインデータとで構成される。
【0021】
上記メインID信号W1は、図4Bに示すように記録再生に必要な各仕様が設定されるフォーマットID0〜ID7、及び上記磁気テープの走行方向の各トラック毎に割り当てられるフレームアドレスで構成される。例えば該フォーマットID2には、図4Cに示すようにデジタル情報信号のサンプリング周波数が設定される。該フォーマットID3には、1トラック内のメインデータのチャンネル数が設定される。該フォーマットID4には、量子化ビット数等の量子化規則が設定される。該フォーマットID5には、トラックピッチが設定される。
【0022】
上記メインID信号W2には、図4Bに示すように各トラックの先頭から8ブロック毎のブロックアドレスを記録する。
【0023】
上記サブデータ領域の1ブロックのフォーマットは、図5Aに示すように1シンボル毎に先頭から順番に同期信号(SYNC)、サブID信号SW1、サブID信号SW2及びサブIDパリティ信号と、8×32シンボルのサブデータとで構成される。
【0024】
上記サブID信号SW1、SW2には、図5A、図5Bに示すように高速サーチに必要なデータが設定されるコントロールID、データID、パックID及びプログラムID1〜ID3等からなる。該コントロールIDには、曲の先頭位置や各楽章毎の配置位置や容量等の目録として機能するTable of Contents情報(以下、TOC情報と称する。)が設定される。該データIDには、該サブID信号SW1、SW2の使用目的が設定される。該パックIDには、該サブID信号SW1、SW2の構成や各データの配置が設定される。該プログラムID1〜ID3には、編集用等のプログラムが設定される。
【0025】
上記DATに設けられた本発明に係るデジタル信号処理装置10は、該DATに設けられた上記マイクロコンピュータ45の制御により、図6に示すように第1の入力端子1aと第2の入力端子1bから供給された入力信号の位相を出力する位相比較器1と、該位相比較器1の出力信号の高周波成分をカットする低域通過フィルタ2と、該低域通過フィルタ2の出力信号に応じて発振する発振器3と、該発振器3の出力信号を分周し、上記比較器1の第2の入力端子1bに供給する分周器4と、上記発振器4の出力信号に同期して、供給された情報信号の信号処理を行う信号処理手段5とを備える。
【0026】
上記位相比較器1は、第1の入力端子1aに供給されたサンプリングクロック信号fsと第2の入力端子1bに供給された分周器4の出力信号の排他的論理和を出力するイクスクルーシブオア回路で構成される。
【0027】
上記低域通過フィルタ2は、抵抗31、コンデンサ32及びインバータ33が閉ループ状に直列接続されて構成される。該低域通過フィルタ2のカットオフ周波数は、外付けされる該抵抗31の抵抗値とコンデンサ32の容量により設定される。
【0028】
上記発振器3は、低域通過フィルタ2の出力信号の振幅値に応じた発振周波数の出力信号を発生する電圧制御形発振回路で構成される。
【0029】
上記分周器4は、上記マイクロコンピュータ45で分周比が設定され、該分周比で上記発振器3の出力信号を分周するプログラマデバイダで構成される。
【0030】
信号処理手段5は、デジタル情報信号の入出力を行うインターフェース7と、該インターフェース7から供給されたデジタル情報信号に所定の係数を対応付ける係数設定手段8と、該係数設定手段8で対応付けられたデジタル情報信号と係数の演算を行う演算手段9と、該インターフェース7、係数設定手段8及び演算手段9の相互間を接続するバス30とを有する。
【0031】
上記インターフェース7は、デジタル情報信号が供給される入力ポート11と、該入力ポート11に供給されたデジタル情報信号をサンプリングクロック信号fsに同期して上記バス30に順次送出する入力レジスタ12と、該サンプリングクロック信号fsに同期して該バス30からデジタル情報信号が供給される出力レジスタ13と、該出力レジスタ13から供給されたデジタル情報信号を送出する出力ポート14とを有する。
【0032】
上記係数設定手段8は、インストラクションアドレスを生成するインストラクションアドレス生成器16と、該インストラクションアドレス毎にインストラクションが読み出されるインストラクションメモリ17と、該読み出されたインストラクションに基づいて係数用アドレス、データ用アドレスを生成する係数アドレス生成器18、データアドレス生成器19と、該係数用アドレス毎に読み出し可能に係数を書き込む係数メモリ20と、該データ用アドレス毎に読み出し可能にデータを書き込むデータメモリ21と、該係数メモリ20又は上記バス30から供給された係数を選択して送出する係数セレクタ22と、該データメモリ21又は該バス30から供給されたデータを選択して送出するデータセレクタ23とを有する。
【0033】
上記インストラクションアドレス生成器16は、上記サンプリングクロック立ち上がりでアドレスがリセットされ、該動作クロック毎にアドレスを1インクリメントする。
【0034】
インストラクションメモリ17は、予め各アドレス毎にインストラクションが書き込まれて、上記インストラクションアドレス生成器16で生成されたアドレス毎にインストラクションが読み出される。
【0035】
上記係数アドレス生成器18は、予め各インストラクション毎に係数用アドレスが書き込まれて、上記インストラクションメモリ17から読み出されたインストラクション毎に該係数用アドレスが読み出される。
【0036】
上記データアドレス生成器19は、予め各インストラクション毎にデータ用アドレスが書き込まれて、上記インストラクションメモリ17から読み出されたインストラクション毎に該データ用アドレスが読み出される。
【0037】
上記係数セレクタ22は、インストラクションに従い、上記バス30介して供給された演算データ又は該係数メモリ20から読み出された係数を選択して送出する。また、上記データセレクタ23は、インストラクションに従い、上記バス30介して供給されたメインデータMD1、MD2又は上記データメモリ21から読み出されたメインデータMD1、MD2を選択して送出する。
【0038】
上記演算手段9は、上記係数設定手段8の係数セレクタ22から供給される係数とデータセレクタ23から供給されるメインデータMD1、MD2を乗算する乗算器24と、該乗算器24の出力信号を順次シフトしながら保持可能なシフター25と、一方の入力端子に該シフター25から出力信号が供給され、該出力信号と他の入力端子に供給される信号を加算する加算器26と、該加算器26の出力信号を記憶するアキュムレータ27と、該アキュムレータ27に記憶された信号か0を選択して加算器26の他の入力端子に供給するセレクタ28と、該アキュムレータ27の出力信号を上記バス30の語長に丸めて、該バス30に供給するクリッパー29とを有する。
【0039】
上記演算手段9では、例えばサンプリング周波数fs毎の8ビット単位のメインデータMD1、MD2を構成するオーディオ信号のインパルス信号がセレクタ23から供給され、該各インパルス信号の係数bがセレクタ22から供給され、乗算器24でインパルス信号と係数bの乗算を1発目のインパルス信号からN発目に遅延したインパルス信号まで順次行い、該N+1個の乗算結果を加算器26で順次加算し、アキュムレータ27で該加算結果を順次畳み込むことにより下記(1)式に示す、実周波数特性のインパルス応答H(Z)を出力する。
【0040】
このように演算手段9は、有限長インパルス応答(finite impulse response:以下、FIRと称する。)型の非巡回型デジタルフィルタとして機能し、オーディオ信号のRchとLchに所定の時間差を生じさせる演算を行うことにより、該オーディオ信号による音場の差臨場感を向上させること等が可能である。また、同手法により、周波数をコントロールすることも可能である。
【0041】
【数1】

【0042】
以上の構成によるデジタル信号処理装置10は、信号処理手段5で発振器3の出力信号に基づくクロック信号に同期して信号処理を行う。このように信号処理手段5のクロック信号を内部の発振器3で生成することで、クロック信号を外部から供給する必要がないため、不要輻射の発生が抑制される。
【0043】
また、発振器3の出力信号に基づくクロック信号の周波数は、デジタル情報信号のサンプリング周波数に応じて分周比設定手段で分周器の分周比を可変設定することで設定される。このため、デジタル情報信号のサンプリング周波数に応じて信号処理手段5を高速動作させながら該クロック信号の周波数を抑えて、不要輻射の発生を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るデジタル信号処理装置が設けられたDATの概略構成図である。
【図2】上記DATの記録・再生モード及び再生専用モードの要部の規格を示す図である。
【図3】上記DATの1トラックのデジタル情報信号のフォーマットの概略構成図を示し、同図(A)はメインデータ領域の構成図であり、同図(B)、(C)はメインデータ領域の空き領域に設けられるサブデータ領域の構成図である。
【図4】上記DATのメインデータの1ブロックのフォーマットの概略構成図を示し、同図(A)は全体図であり、同図(B)はメインIDの構成図であり、同図(C)は各メインIDの機能を示す図である。
【図5】上記DATのサブデータの1ブロックのフォーマットの概略構成図を示し、同図(A)は全体図であり、同図(B)はサブIDの構成図である。
【図6】本発明に係るデジタル信号処理装置の要部の構成図である。
【符号の説明】
【0045】
1 位相比較器、2 低域通過フィルタ、3 発振器、4 分周器、5 信号処理手段、6 マイクロコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル情報信号の信号処理を行うデジタル信号処理装置において、
第1の入力端子から入力される第1の入力信号と第2の入力端子から入力される第2の入力信号の位相差を出力する位相比較器と、
上記位相比較器の出力信号の高周波成分をカットする低域通過フィルタと、
上記低域通過フィルタの出力信号の振幅値に基づく発振周波数で出力信号を発生する発振器と、
指定された分周比で上記発振器の出力信号を分周して上記第2の入力端子に上記第2の入力信号として供給する分周器と、
上記分周器の分周比を設定する分周比設定手段と、
上記発振器の出力信号を動作クロックとして上記供給されたデジタル情報信号の信号処理を行う信号処理手段と、
上記信号処理手段にデジタル情報信号を供給すると共に上記位相比較器の第1の入力端子へサンプリングクロック信号を上記第1の入力信号として入力する記録再生手段と、
上記記録再生手段の記録再生動作におけるサンプリング周波数と上記記録再生手段が記録動作と再生動作の何れを行っているかの情報とを動作モードとして設定する動作モード設定手段と、
上記動作モード設定手段によって設定された動作モードに適した演算速度で上記信号処理手段が処理を行うように上記分周比設定手段によって設定される上記分周器の分周比を決定し上記分周比設定手段に設定すると共に、上記動作モードが記録動作であるときには上記記録再生手段のサンプリング周波数を上記記録再生手段に設定するコントローラと
を備えることを特徴とするデジタル信号処理装置。
【請求項2】
上記デジタル情報信号はオーディオ信号を含むことを特徴とする請求項1記載のデジタル信号処理装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル情報信号の信号処理を行うデジタル信号処理装置において、
第1の入力端子から入力される第1の入力信号と第2の入力端子から入力される第2の入力信号の位相差を出力する位相比較器と、
上記位相比較器の出力信号の高周波成分をカットする低域通過フィルタと、
上記低域通過フィルタの出力信号の振幅値に基づく発振周波数で出力信号を発生する発振器と、
指定された分周比で上記発振器の出力信号を分周して上記第2の入力端子に上記第2の入力信号として供給する分周器と、
上記分周器の分周比を設定する分周比設定手段と、
上記発振器の出力信号を動作クロックとして上記供給されたデジタル情報信号の信号処理を行う信号処理手段と、
上記信号処理手段にデジタル情報信号を供給すると共に上記位相比較器の第1の入力端子へサンプリングクロック信号を上記第1の入力信号として入力する記録再生手段と、
上記記録再生手段の記録再生動作における少なくともサンプリング周波数と上記記録再生手段が記録動作と再生動作の何れを行っているかの情報とを動作モードとして設定する動作モード設定手段と、
上記動作モード設定手段によって設定された動作モードに基づいて、上記サンプリング周波数における一のサンプリング周期内に所定量のサンプリングデータを処理するために必要な演算速度で上記信号処理手段の処理が行われるように、上記分周器の分周比を決定し上記分周比設定手段に設定するコントローラ
を備えることを特徴とするデジタル信号処理装置。
【請求項2】
上記デジタル情報信号はオーディオ信号を含むことを特徴とする請求項1記載のデジタル信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−202472(P2006−202472A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35794(P2006−35794)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【分割の表示】特願平7−106745の分割
【原出願日】平成7年4月28日(1995.4.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】