デジタル放送受信機の試験装置及びこれに用いるプログラム
【課題】本発明は、デジタル放送受信機の動作試験を低コストで容易に行うことができる試験装置及びこれに用いるプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る試験装置は、TS入出力基板12と、シリアル入出力基板13と、演算部(PC14)とを備える試験装置である。そして、演算部は、取得したトランスポートストリームデータに第1タイムスタンプを付与するトランスポートストリーム解析部(TS解析部17a)と、取得したリモコンコード及び制御データのそれぞれに第2タイムスタンプを付与するリモコンコード・制御データ解析部(UART部16a)と、トランスポートストリームデータを再生する際に、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプとを同期させてリモコンコード及び制御データをデジタル放送受信機に出力して動作試験を行う試験処理部20とを備える。
【解決手段】本発明に係る試験装置は、TS入出力基板12と、シリアル入出力基板13と、演算部(PC14)とを備える試験装置である。そして、演算部は、取得したトランスポートストリームデータに第1タイムスタンプを付与するトランスポートストリーム解析部(TS解析部17a)と、取得したリモコンコード及び制御データのそれぞれに第2タイムスタンプを付与するリモコンコード・制御データ解析部(UART部16a)と、トランスポートストリームデータを再生する際に、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプとを同期させてリモコンコード及び制御データをデジタル放送受信機に出力して動作試験を行う試験処理部20とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信機の試験装置及びこれに用いるプログラムに係る発明であって、特に、デジタル放送受信機の動作試験を行うデジタル放送受信機の試験装置及びこれに用いるプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ユーザが通常のデジタル放送受信機を操作する際には、該デジタル放送受信機の電源を投入した後、リモコンにてボタンを押下し所望の動作を実現するのが一般的である。それため、開発途中において該デジタル放送受信機の動作を確認・試験する場合も、試験者が試験仕様書に記載されている各試験項目の試験手順を参照しながら、リモコンの所定ボタンの押下を繰り返して、本来あるべき動作をするか否かを確認している。該試験については、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−102550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されたデジタル放送受信機では、開発途中において試験者がその動作が適切なものかを試験仕様書に従って試験を行う必要がある。そして、該試験は、一度だけ行えばよいものではなく、該デジタル放送受信機に搭載するソフトウェアの開発リビジョンを更新した場合に逐一行う必要がある。また、その試験内容も、全く同じ内容のものを行わなければならず、従来のデジタル放送受信機の試験装置では、試験作業に掛かるコストが非常に膨大になる問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、デジタル放送受信機の動作試験を低コストで容易に行うことができるデジタル放送受信機の試験装置及びこれに用いるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る解決手段は、アンテナ部より受信した信号を復調して得られるトランスポートストリームデータをデジタル放送受信機との間で入出力するTS入出力基板と、リモコンより送信されたリモコンコード及びデジタル放送受信機の制御データをデジタル放送受信機との間で入出力するシリアル入出力基板と、TS入出力基板及びシリアル入出力基板を介して得たトランスポートストリーム、リモコンコード及び制御データに基づき、デジタル放送受信機における各種動作試験を制御する演算部とを備えるデジタル放送受信機の試験装置であって、演算部は、取得したトランスポートストリームデータに第1タイムスタンプを付与するトランスポートストリーム解析部と、取得したリモコンコード及び制御データのそれぞれに第2タイムスタンプを付与するリモコンコード・制御データ解析部と、トランスポートストリーム解析部より得られたトランスポートストリームデータを再生する際に、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプとを同期させてリモコンコード・制御データ解析部より得られたリモコンコード及び制御データをデジタル放送受信機に出力して動作試験を行う試験処理部とを備える。
【0007】
本発明に係る別の解決手段は、アンテナ部より受信した信号を復調して得られるトランスポートストリームデータをデジタル放送受信機との間で入出力するTS入出力基板と、リモコンより送信されたリモコンコード及びデジタル放送受信機の制御データをデジタル放送受信機との間で入出力するシリアル入出力基板と、TS入出力基板及びシリアル入出力基板を介して得たトランスポートストリーム、リモコンコード及び制御データに基づき、デジタル放送受信機における各種動作試験を制御する演算部とを備えるデジタル放送受信機の試験装置に用いるプログラムであって、演算部に、第1タイムスタンプが付与されたトランスポートストリームデータを再生する際に、第2タイムスタンプがそれぞれ付与されたリモコンコード及び制御データを第1タイムスタンプに同期させる機能と、同期させたリモコンコード及び制御データをデジタル放送受信機に出力して動作試験を行わせる機能とを実現させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に記載のデジタル放送受信機の試験装置及びこれに用いるプログラムは、トランスポートストリームデータを再生する際に、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプとを同期させてリモコンコード及び制御データをデジタル放送受信機に出力して動作試験を行うので、デジタル放送受信機の動作試験を低コストで容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係るデジタル放送受信機の試験装置(以下、単に試験装置ともいう)と試験対象となるデジタル放送受信機の概要を示したブロック図である。図1に示す放送局1は、電波に乗せて各種サービスを提供する。放送局1からの電波を受信するデジタル放送受信機3は、該電波情報を復調、デコードして対応した映像を出力するものである。そして、デジタル放送受信機3は、その内部にアンテナ2、フロントエンド4、バックエンド8を備えている。
【0010】
デジタル放送受信機3は、アンテナ2により受信された電波情報をフロントエンド4で復調し、トランスポートストリーム(TS)形式のデータにしてバックエンド8に入力される。更に、リモコン11からのリモコンコードは、フロントエンド4を介してバックエンド8に入力され、バックエンド8内部で該リモコンコードの動作に従いトランスポートストリームデータ(TSデータ)を処理する。バックエンド8で処理されたTSデータは、適切な映像として映像表示装置9に出力される。
【0011】
図1に示す試験装置10は、デジタル放送受信機3の動作試験を行う試験装置である。試験装置10は、TS入出力基板12、シリアル入出力基板13と演算部のパーソナルコンピュータ(PC)14及びこれに接続したメモリ部であるハードディスク(HDD)15を備えている。TS入出力基板12は、デジタル放送受信機3のフロントエンド4から復調したTSデータをPC14に取り込み、該取り込まれたTSデータはPC14に接続されたHDD15に格納される。シリアル入出力基板13は、デジタル放送受信機3のフロントエンド4から受信したリモコンコードをPC14に取り込む。逆に、取り込まれたTSデータはTS入出力基板12を、リモコンコードはシリアル入出力基板13を介して、デジタル放送受信機3のバックエンド8に出力される。
【0012】
図2は、本実施の形態に係る試験装置と試験対象となるデジタル放送受信機の動作を説明するためのブロック図である。まず、アンテナ2が電波情報を受信し、ユーザがリモコン11を操作した際の試験装置10の動作について説明する。アンテナ2で受信した電波情報は、チューナ5を介して復調及びデコード部6へと渡される。なお、チューナ5及び復調及びデコード部6が、図1に示すフロントエンド4を構成する。
【0013】
復調及びデコード部6は、復調LSI(DLSI)6a、デマルチプレクサ6b、MPEG2デコーダ6cから構成されており、受け取った電波情報を復調した後デコードしTSデータとしてバックエンド8へと引き渡す。一方、リモコン11は、ユーザの押下したボタンに対応するリモコンコードを送信し、該送信されたリモコンコードがデジタル放送受信機3のリモコン受光部7で受信される。リモコン受光部7で受信されたリモコンコードはバックエンド8へと渡される。
【0014】
ここで、例えばリモコン11からチャンネル選局の指示があった場合、チャンネル選局のリモコンコードを受け取ったバックエンド8は、チューナ5に対してチャンネル選局要求の制御データが送信される。該制御データを受け取ったチューナ5は、バックエンド8に対してその応答を送信する。復調及びデコード部6とバックエンド8との間でも、同様に制御データのやり取りが行われている。
【0015】
バックエンド8が処理したTSデータは、リモコンコードの処理内容に従って、AV出力インタフェース9aを介して映像表示装置9に出力される。更に、PC14は、シリアル入出力インタフェース16、UART部16a、PCカード17、TS解析部17a及び試験処理部20を備える。シリアル入出力インタフェース16は、シリアル入出力基板13からのリモコンコードや制御データをPC14へ取り込むインタフェースである。PCカード17は、TS入出力基板12からのTSデータをPC14へ取り込むインタフェースである。
【0016】
TS解析部17aは、復調及びデコード部6からのTSデータに第1タイムスタンプを付与してPC14又はHDD15に格納する。UART部16aは、バックエンド8とチューナ5やバックエンド8と復調及びデコード部6の間で送受信される制御データや、リモコンコードに第2タイムスタンプを付与してPC14又はHDD15に格納する。
【0017】
また、試験装置10は、HDD15に格納している登録済みのTSデータとリモコンコード等の手順を呼び出して、デジタル放送受信機3の動作試験を実行する場合、試験処理部20は、TSデータに付与された第1タイムスタンプと各種制御データやリモコンコードに付与された第2タイムスタンプとの間で同期を取る。そして、試験処理部20は、デジタル放送受信機3に対し同期を取ったTSデータを再生させ、同期を取った各種制御データやリモコンコードをデジタル放送受信機3に出力する。なお、図2に示すブロック図では、黒の矢印がTSデータの流れ、斜線の矢印が各種制御データの流れ、白の矢印がリモコンコードの流れをそれぞれ表している。
【0018】
図3は、本実施の形態に係るTS解析部17aで取り込むTSデータ30のデータフォーマットである。図3に示すTSデータ30は、複数のTSパケットから構成されており、1つのTSパケット毎にタイムスタンプを付与している。また、1つのTSパケットは、TSヘッダ31と184バイトのTSペイロード32とから構成されている。図3に示すTSヘッダ31には、8バイトの第1タイムスタンプ33のデータが付加されている。
【0019】
また、図3に示すTSヘッダ31は、同期バイト(SYNC:0x47)31a、パケット識別子(PID)31b、プログラム時刻基準値(PCR)31c等から構成されている。更に、第1タイムスタンプ33は、図3に示すようにタイムスタンプデータクロック数33aと状態フラグ33bの合計8バイトから構成されている。なお、図3に示す第1タイムスタンプ33は、入力クロック数が0x800である場合であり、MSBは最上位ビット、LSBは最下位ビットを表している。
【0020】
次に、図4は、本実施の形態に係る試験装置において入力された各種リモコンコードに第2タイムスタンプのデータが付与された場合の例を示している。図4に示すリモコンコード時刻情報40には、1バイト目と2バイト目の組み合わせからなるリモコンコードと、該リモコンコードが試験処理部20に取り込まれた際の入力クロック数である第2タイムスタンプのデータとが書き込まれている。なお、リモコンコード時刻情報40には、リモコンボタンとリモコンコードの対応情報は持っていない。
【0021】
図4に示す具体例として、リモコンコード0x33、0x32が送信された時刻は入力クロック数0x805であり、リモコンコード0x30、0x31が送信された時刻は入力クロック数0xC1Aである。
【0022】
次に、図5は、本実施の形態に係る試験装置において入力された各種制御データに第2タイムスタンプのデータが付与された場合の例を示している。図5に示す制御データ時刻情報41には、バックエンド8とチューナ5及び復調部及びデコード部6との間の各種制御データと、該制御データが試験処理部20に取り込まれた際の入力クロック数である第2タイムスタンプのデータとが書き込まれている。
【0023】
図5に示す制御データ時刻情報41では、制御データが制御応答コマンドと該制御応答コマンドの方向を示す方向フラグとで示されている。図5に示す方向フラグは、バックエンド8からチューナ5への場合は00、チューナ5からバックエンド8への場合は01、バックエンド8から復調LSI6aへの場合は10、復調LSI6aからバックエンド8への場合は11なる値を取る。
【0024】
図5に示す具体例として、制御応答コマンド0x11310010(方向フラグ00)が送信された時刻は入力クロック数0x253Cであり、それに対する制御応答コマンド0x31111010(方向フラグ01)が送信された時刻は入力クロック数0x28B7である。また、制御応答コマンド0x801A0060(方向フラグ11)が送信された時刻は入力クロック数0x30ACであり、それに対する制御応答コマンド0x1A801060(方向フラグ10)が送信された時刻は入力クロック数0x3209である。
【0025】
次に、図6は、本実施の形態に係る試験装置における試験手順を登録及び登録した試験を実行するためのユーザインタフェースの模式図である。図6に示す試験実行ツール50は、PC14に表示されるユーザインタフェースである。まず、試験実行ツール50は、一つの試験ファイルに試験1、試験2、試験3・・・と複数の試験を登録することが可能であり、ユーザが新たに試験を登録したい場合は「ファイル」−「試験ファイル設定」とプルダウンを選択して新たな試験ファイルを指定する。図6では、ユーザが試験1に「番組表表示後、右にカーソルを一つだけ移動し、その番組を決定する」なる内容を登録する場合について説明する。
【0026】
まず、ユーザは試験の前段階として、デジタル放送受信機3の電源を投入した後、リモコンで「電源」ボタンをOnにしておき、その間にPC14の電源も投入しておく。その後、TS解析部17aを起動してデジタル放送受信機3から現在放送されているTSデータ30にタイムスタンプを付与したものをHDD15に蓄積する。ここで、ユーザは、試験実行ツール50の「登録開始」ボタンをクリックして、以後の試験手順の登録を開始する。ユーザは、リモコン11の「番組表」ボタンを押下し番組表が開いたら、右向き矢印キーを押下して番組表のカーソルを右へ移動させる。そこで、ユーザは、リモコン11の「決定」ボタンを押下し決定したサービスの番組が選局されていることを確認した後、ユーザが試験実行ツール50の「登録終了」ボタンをクリックすることで試験手順の登録が完了する。更に、試験1に登録された試験が如何なる内容か備忘のため、上記試験手順や試験ストリームを「試験手順欄」に記載して「保存」ボタンをクリックして試験手順を保存する。
【0027】
ユーザが、再度試験1を実行する場合は、TS解析部17aにて該当する試験用のTSデータ30を選択して再生させた状態で、試験実行ツール50の「試験実行」ボタンをクリックすれば良い。
【0028】
次に、本実施の形態に係る試験装置の動作の前提となる従来の試験装置の動作シーケンスを図7に示す。図7に示す動作シーケンスは、バックエンド8、チューナ5、復調LSI6a、リモコン11の間におけるTSデータ30、リモコンコード、各種制御データの流れを図示している。また、図7に示す動作シーケンスでは、リモコン11は外部からデジタル放送受信機3に作用して動作に関わるため、アクターとして人型で表現している。
【0029】
まず、図7に示す動作シーケンスでは、アンテナ2で受信した放送波がチューナ5から復調LSI6aに映像データとして送られ、復調LSI6aで復調されたTSデータ30がバックエンド8へと渡される。ここで、ユーザがリモコン11の「番組表」ボタンを押下すると、リモコン11から番組表に対応するリモコンコード0x33、0x32がバックエンド8へと送られ、バックエンド8のシリアル入出力部が該リモコンコードを処理することとなる。同様に、ユーザがリモコン11の右向き矢印キー、続けて「決定」ボタンを押下すると、それに対応したリモコンコードがバックエンド8のシリアル入出力部で処理される。
【0030】
この時、デジタル放送受信機3は、他のサービスの番組を選局しなければならないので、バックエンド8の番組管理部がチューナ5に対し、チューナ制御の「Ch選局要求」0x11310010を送信し、該チューナ制御を受け取ったチューナ5はその応答「Ch選局応答」0x31111010をバックエンド8の番組管理部に返信する。また、復調LSI6aからはバックエンド8に対し制御データ0x801A0060を送信している。
【0031】
次に、図8は、本実施の形態に係る試験装置の動作シーケンスである。図8に示す動作シーケンスは、バックエンド8、チューナ5、復調LSI6a、リモコン11、試験処理部20及びHDD15の間におけるTSデータ30、リモコンコード、各種制御データの流れを図示している。なお、図8に示す動作シーケンスでは、ユーザによるリモコンコードと各種制御データの試験手順を登録する試験登録モードと、登録された試験手順を実行する試験実行モードについて図示している。また、図7に示す動作シーケンスと同様、リモコン11、試験処理部20は、外部からデジタル放送受信機3に作用して動作に関わるため、アクターとして人型で表現している。
【0032】
まず、図8に示す動作シーケンスにおいて、試験登録モードの動作を説明する。アンテナ2で受信した放送波は、チューナ5から復調LSI6aに映像データとして送られ、復調LSI6aで復調されたTSデータ30がバックエンド8へと渡される。更に、TSデータ30は、図示しないTS解析部17aにより各TSパケットに第2タイムスタンプのデータが付与され、HDD15に格納される。ここで、ユーザが試験処理部20の試験実行ツール50の「登録開始」ボタンをクリックして試験手順の登録を開始する。そして、ユーザがリモコン11の「番組表」ボタンを押下すると、リモコン11から「番組表」に対応するリモコンコード0x33、0x32がバックエンド8へと送られ、バックエンド8のシリアル入出力部が該リモコンコードを処理することとなる。
【0033】
それと同時に図示しないUART部16a経由で該リモコンコードが試験処理部20に送られ、第2タイムスタンプのデータが付与されてHDD15に格納される。同様に、ユーザがリモコンの右向き矢印キー、続けて「決定」ボタンを押下すると、それに対応したリモコンコードがバックエンド8のシリアル入出力部で処理される。更に、該リモコンコードには、図示しないUART部16aによってタイムスタンプデータが付与されてHDD15に格納される。この時、デジタル放送受信機3は、他のサービスの番組を選局しなければならないので、バックエンド8の番組管理部がチューナ5に対し、チューナ制御の「Ch選局要求」0x11310010を送信する。同時に、図示しないUART部16a経由で該チューナ制御信号が試験処理部20にも送付され、第2タイムスタンプのデータが付与されてHDD15に格納される。
【0034】
該チューナ制御を受け取ったチューナ5は、その応答「Ch選局応答」0x31111010をバックエンド8の番組管理部に返信し、更に該応答信号は図示しないUART部16aを介して第2タイムスタンプのデータが付与されてHDD15に格納される。続けて、復調LSI6aからは、同様にバックエンド8に対し制御データ0x801A0060を、バックエンド8からは試験処理部20に該制御データを送信している。最後に、ユーザが試験処理部20の試験実行ツール50の「登録終了」ボタンをクリックして試験手順の登録を終了する。
【0035】
次に、図8に示す動作シーケンスにおいて、試験実行モードの場合を説明する。まず、ユーザが試験処理部20の試験実行ツール50の「試験実行」ボタンをクリックして登録された試験の実行を開始する。試験処理部20は、各TSパケットに第1タイムスタンプのデータが付与されたTSデータ30をHDD15からロードし、TS入出力基板12経由でデジタル放送受信機3へと流し込む。試験処理部20は、この第1タイムスタンプのデータと同期を取りながら、図4のリモコンコード時刻情報40に記載された第2タイムスタンプのタイミングで対応するリモコンコードをバックエンド8へと出力する。
【0036】
例えば、第2タイムスタンプ0x805の時に、試験処理部20から「番組表」に対応するリモコンコード0x33、0x32がバックエンド8へと送られ、バックエンド8のシリアル入出力部が該リモコンコードを処理することとなる。同様に、試験処理部20から右向き矢印キー対応コード0x30、0x31、続けて「決定」ボタン対応コード0x30、0x34がバックエンド8のシリアル入出力部で処理される。この時、デジタル放送受信機3は他のサービスの番組を選局しなければならないので、例えばバックエンド8の番組管理部が試験処理部20に対し、チューナ制御の「Ch選局要求」0x11310010を送信する。
【0037】
該チューナ制御を受け取った試験処理部20の擬似チューナは、第2タイムスタンプの値に従いながら、その応答「Ch選局応答」0x31111010をバックエンド8の番組管理部に返信する。なお、図8に示す動作シーケンスでは、試験処理部20は、チューナ制御の「Ch選局要求」0x11310010をHDD15の該当データと比較する。続けて、試験処理部20の擬似復調LSIからは同様にバックエンド8に対し制御データ0x801A0060を送信している。
【0038】
以上のように、本実施の形態に係る試験装置では、試験処理部20がTSデータ30の第1タイムスタンプと、リモコンコードや制御データの第2タイムスタンプとの同期を取り、デジタル放送受信機の動作試験を行うので、デジタル放送受信機の動作試験を低コストで容易に行うことができる。
【0039】
また、本実施の形態に係る試験装置では、第1タイムスタンプを付加したTSデータ30、第2タイムスタンプを付加したリモコンコードや制御データがメモリ部であるHDD15に保存されるので、試験装置が指定したタイムスタンプデータに対応したデータへアクセスが可能になるという効果がある。
【0040】
なお、演算部であるPC14は、第1タイムスタンプが付与されたTSデータ30を再生する際に、第2タイムスタンプがそれぞれ付与されたリモコンコード及び制御データを第1タイムスタンプに同期させる機能と、同期させたリモコンコード及び制御データをデジタル放送受信機に出力して動作試験を行わせる機能とを実現させるためのプログラムを処理することで、試験処理部20を構成している。また、PC14は、取得したTSデータ30に第1タイムスタンプを付与する機能を実現させるためのプログラムを処理することでTS解析部17aを、取得したリモコンコード及び制御データのそれぞれに第2タイムスタンプを付与する機能を実現させるためのプログラムを処理することでUART部16aをそれぞれ構成している。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態1に係る試験装置では、リモコンボタンとリモコンコードの対応情報は持っていなかったが、本実施の形態に係る試験装置では、試験処理部20にリモコンコード登録機能を持たせている。なお、本実施の形態に係る試験装置の構成は、図1又は図2に示す構成と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0042】
具体的に、対応リモコンボタンとリモコンコードとの対応情報であるリモコンコード対応情報42を図9に示す。図9に示すリモコンコード対応情報42は、試験処理部20のリモコンコード登録機能によって、各リモコンコードとそれに対応するリモコンボタンの対応情報が設定されている。リモコンコード対応情報42は、PC14又はHDD15に保持させる。
【0043】
リモコンコード対応情報42では、リモコンコードが1バイト目と2バイト目の組み合わせからなり、該リモコンコードと対応するリモコンボタンの情報が書き込まれている。例えば、リモコンボタンの上向き矢印キーに対応するリモコンコードは0x30、0x30であり、リモコンボタンの右向き矢印キーに対応するリモコンコードは0x30、0x31である。
【0044】
図10は、本実施の形態におけるリモコンボタンとそのリモコンボタンに対応するリモコンコードとを登録するための試験処理部20のユーザインタフェースの模式図である。リモコンボタン登録ツール51は、ユーザが「ファイル」−「リモコンボタン登録」にて呼び出されるユーザインタフェースである。
【0045】
リモコンボタン登録ツール51には、実際に使用するリモコンのグラフィックと各ボタンに対応して、それが何のボタンなのか示すボタン種別のプルダウンと、そのボタンが押下された場合に発信されるリモコンコードを記載するためのテキストボックスとが並んでいる。リモコンコードは、1バイト目と2バイト目の組み合わせから成り、例えばリモコングラフィックの中央にある上向き矢印キーに対応するリモコンコードは0x30、0x30であり、右向き矢印キーに対応するリモコンコードは0x30、0x31である。更に、その他のボタンとそれに対応するリモコンコードも同様に記載して「登録」ボタンをクリックすれば良い。
【0046】
以上のように、本実施の形態に係る試験装置では、デジタル放送受信機3で使用するリモコン11におけるボタンとそれに対応するリモコンコードを保持しているので、試験装置が指定したリモコンボタンに対応したリモコンコードへのアクセスが可能になるという効果がある。
【0047】
なお、演算部であるPC14は、所定の試験手順に従い、デジタル放送受信機3で使用するリモコン11におけるボタンとそれに対応するリモコンコードを保持しているHDD15からリモコンコードを呼び出す機能と、当該リモコンコードをデジタル放送受信機3に出力し動作試験を行わせる機能とを実現させるためのプログラムを処理している。
【0048】
(実施の形態3)
実施の形態1に係る試験装置では、放送局1からデジタル放送受信機3へ送信される放送波を正常に受信できる環境を想定して動作試験が行われている。しかし、デジタル放送受信機3の設置される状況によっては放送波を受信できる環境は大きく異なり、TSパケットが受信できない環境も考えられる。そのため、本実施の形態では、さまざまな環境においてデジタル放送受信機3の動作試験が行える試験装置を示す。更に、TSパケットが受信できない場合に補正することが可能なデジタル放送受信機3に対しても動作試験が行える試験装置を示す。なお、本実施の形態に係る試験装置の構成は、図1又は図2に示す構成と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0049】
まず、図11に、バックエンド8へ送信されるTSデータ30のデータフォーマットの模式図を示す。図11に示すTSデータ30は、図3で説明した様にTSヘッダ31とTSペイロード32から構成されるTSパケットが連続して送信されるものである。また、図11の下部には、TSデータ30と各種判定信号とを拡大したものが図示されている。各種判定信号としては、クロック信号(CLOCK)35、データ有効判定信号(VALID)36、データ同期判定信号(SYNC)37がある。
【0050】
クロック信号(CLOCK)35は、入力クロックを示すものであり、データ有効判定信号(VALID)36は、有効である(ネゲートされていない)場合にDATA信号30を取得する様になっている。また、データ同期判定信号(SYNC)37は、TSデータ30のTSヘッダ31の先頭にある同期バイト(SYNC:0x47)31aに合わせて立ち上がる信号であり、該信号を計測することでデータの同期を取っている。
【0051】
更に、図11に示す模式図では、TSデータ30が破壊された場合に再度復帰したTSデータ30を取得する構成を示している。図11では、左から2番目のTSパケットが破壊されTSペイロード32が12バイト分受信不可であった場合を示している。そのため、左から3番目のTSパケットのTSヘッダ31の先頭にある同期バイト(SYNC:0x47)31aは、本来ならば図中の斜線部分に来るべきであるが、12バイト分前にずれてしまっており当該TSパケットを検出できていない。同期バイト31aが検出できないとVALID信号36は、即座にネゲートされ、4回目の同期バイト31a(左から7番目のTSパケットの同期バイト31a)を検出するまでネゲートが維持される。そのため、TSパケットを検出できずにVALID信号36がネゲートされると、TSパケットを3つロストすることになる。
【0052】
次に、図12も、バックエンド8へ送信するTSデータ30が破壊された例を示す模式図である。このようなTSデータ30が破壊される例としては、デジタル放送受信機3が自動車の様な移動体に搭載された場合であって、該デジタル放送受信機3を搭載した自動車が高速道路を走行中、ビル群の陰に隠れるなどして受信環境が変化する場合がある。
【0053】
上記の受信環境においてTSデータ30は、例えば図12に示した様に、図中の左から2つ目のTSペイロード32が12バイト分受信不可、3つ目のTSペイロード32が18バイト分受信不可、4つ目のTSヘッダの同期バイト31aが欠落、5つ目のTSペイロード32が12バイト分受信不可と連続する4つTSパケットが破壊されている。図12に示したTSデータ30のパターンを、デジタル放送受信機3を搭載した自動車が高速道路を走行中、ビル群の陰に隠れた際のデータ破壊パターンとして試験装置に保存しておけば、当該パターンを試験実行時に適応することが可能となる。
【0054】
図13は、バックエンド8へのTSデータ30の送信において、データ有効判定信号36が正規の箇所でネゲートされなかった場合に、これを補正したパターンを示す模式図である。図13に示すTSデータ30は、図11で示したパターンと同じで左から2番目のTSパケットが破壊されTSペイロード32が12バイト分受信不可である。しかし、図13に示すTSデータ30であれば、データ有効判定信号(VALID)36のネゲート位置は、本来斜線部から生じるはずであるが、図13に示すデータ有効判定信号(VALID)36は不適切な位置で2回ネゲートしている。この場合、上手くTSデータ30が受信できなくなる可能性があるので、これを回避するために図13では、適切な位置でネゲートする補正パターンのデータ有効判定信号(VALID)を設けている。本実施の形態に係る試験装置では、この補正パターンを保持し、選択できるようにすることで、TSデータ30が上手く受信できなかった場合でも受信できる補正パターンを試験実行時に適応することができる。
【0055】
次に、図14は、本実施の形態に係る試験装置における試験処理部20のユーザインタフェースの模式図である。図14に示す試験処理部20のユーザインタフェースは、試験ストリームの調整、新たな試験手順の作成及び作成した試験の実行するためのユーザインタフェースである。まず、試験手順生成ツール52は、ユーザが新たに試験手順を登録するためのユーザインタフェースである。具体的に該ユーザインタフェースは、試験ファイルを「ファイル」−「試験ファイル設定」にて指定し、一つの試験ファイルに対してプルダウンメニューから試験1、試験2、試験3・・・と選択することで複数の試験を登録することが可能である。
【0056】
以下に、ユーザが、試験2に新たな試験手順「番組表表示後、右にカーソルを一つだけ移動し5秒間Waitした後、その番組を決定する」を追加する例を説明する。まず、行ったことのない試験をするため、ユーザは試験手順生成ツール52にて試験環境や試験手順を編集する必要がある。試験環境の編集においては、例えば、図12で示したデジタル放送受信機3を搭載した自動車が高速道路を走行中、ビル群の陰に隠れた際の電波状態を再現するのであれば、「走行時電波状態再現」のチェックボックスにチェックを入れ、予め登録してある電波状態Bをプルダウンメニューから選択して「電波状態呼出」ボタンをクリックする。
【0057】
また、図13で示したデータ有効判定信号(VALID)36の不適切なネゲートによる受信不可を回避したければ、「VALID信号復調」のチェックボックスにチェックを入れることで補正パターンのデータ有効判定信号(VALID)が選択される。更に、本実施の形態に係る試験装置は、実施の形態2で述べたようにリモコンボタンに対応するリモコンコードをリモコンコード対応情報42として保持している。そのため、試験手順を編集する際には、リモコンボタンのプルダウンから所望のリモコンボタンを選択して「次へ」ボタンをクリックし、Waitを掛けたい場合は「Wait間隔」のテキストボックスに所望の数字を入力して「次へ」ボタンをクリックすれば良い。つまり、実際にリモコン11を操作する必要はない。試験手順の編集が完了した場合には「完了」ボタンをクリックする。以上の作業により作成した試験環境及び試験手順は、「手順保存」ボタンをクリックすることで保存される。
【0058】
次に、ユーザはTS解析部17aを起動してデジタル放送受信機3から現在放送されているTSデータ30にタイムスタンプを付与したものを、HDD15に蓄積していく。ここで、ユーザは試験手順生成ツール52の「試験試行」ボタンをクリックして、上記保存した試験環境及び試験手順を実行する。なお、試験手順において、各操作の間(例えば、「番組表」ボタンから右向き矢印キーの間)には適宜2秒程度のWaitが掛かる様になっており、各リモコンボタン処理が適切に実行できるように取り計られている。「試験試行」により実際試験が行われ、試験手順が完了したら「試験登録」ボタンをクリックして一連の試験を登録する。
【0059】
再度、ユーザが試験2を実行する場合には、TS解析部17aにて該当試験ストリームを選択し再生した状態で、試験手順生成ツール52の「試験実行」ボタンをクリックすれば良い。
【0060】
以上のように、本実施の形態に係る試験装置では、異なる環境や補正パターンを設定できるので、デジタル放送受信機3が異なる環境を再現でき、更に可能であればそのデータを補正でき、ユーザはさまざまな条件でデジタル放送受信機の動作試験が可能になる。
【0061】
なお、上記の実施の形態で説明した試験装置は、TS入出力基板12、シリアル入出力基板13、PC14及びHDD15から構成されているが、本発明はこれに限られず、必要に応じて他のハードウェアを備える場合がある。
【0062】
また、上記の実施の形態で説明した試験装置では、図2,図7及び図8に記載されている様に、各種制御データはバックエンド8とチューナ5、バックエンド8と復調及びデコード部6との間で行われている。そして、リモコンコードは、バックエンド8とリモコン受光部7との間で行われている。そのため、上記の実施の形態で説明した試験装置では、バックエンド8との間で各種制御データ及びリモコンコードをエミュレートしているが、本発明はこれに限られず、必要に応じて他の部位の間でも各種制御データ及びリモコンコードの送受信が行われても良い。
【0063】
更に、上記の実施の形態で説明した試験装置では、TS解析部17aにより各TSパケットに第1タイムスタンプのデータが付加され、図3に示すデータフォーマットとなっているが、本発明はこれに限られず、第1タイムスタンプのデータが各TSパケットに付加されていれば、他の付加方法及びデータフォーマットでも良い。
【0064】
また、上記の実施の形態で説明した試験装置では、UART部16aによりリモコンコード及び制御データに第2タイムスタンプのデータが付加され、図4及び図5に示すデータフォーマットとなっているが、本発明はこれに限られず、第2タイムスタンプのデータがリモコンコード及び制御データに付加されていれば、他の付加方法及びデータフォーマットでも良い。
【0065】
更に、上記の実施の形態で説明した試験装置では、図6、図10及び図14に記載されているGUIを用いているが、本発明はこれに限られず、他の形式のGUIを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態1に係る試験装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る試験装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るTSデータ30のデータフォーマットを説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るリモコンコード時刻情報を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る制御データ時刻情報を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る試験実行ツールを説明するための図である。
【図7】本発明の前提となる試験装置の動作シーケンスを説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る動作シーケンスを説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るリモコンコード対応情報を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係るリモコンボタン登録ツールを説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係るTSデータ30のデータフォーマットを説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係るTSデータ30のデータフォーマットを説明するための図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係るTSデータ30のデータフォーマットを説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態3に係る試験手順生成ツールを説明するための図である。
【符号の説明】
【0067】
1 放送局、2 アンテナ、3 デジタル放送受信機、4 フロントエンド、5 チューナ、6 復調及びデコード部、7 リモコン受光部、8 バックエンド、9 映像表示装置、10 試験装置、12 TS入出力基板、13 シリアル入出力基板、14 パーソナルコンピュータ、15 ハードディスク、16 シリアル入出力インタフェース、16a UART部、17 PCカード、17a TS解析部、20 試験処理部、31 TSヘッダ、31a 同期バイト、31b パケット識別子、31c プログラム時刻基準値、32 TSペイロード、33 第1タイムスタンプ、33a タイムスタンプデータクロック数、33b 状態フラグ、35 クロック信号、36 データ有効判定信号、37 データ同期判定信号、40 リモコンコード時刻情報、41 制御データ時刻情報、42 リモコンコード対応情報、50 試験実行ツール、51 リモコンボタン登録ツール、52 試験手順生成ツール。
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信機の試験装置及びこれに用いるプログラムに係る発明であって、特に、デジタル放送受信機の動作試験を行うデジタル放送受信機の試験装置及びこれに用いるプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ユーザが通常のデジタル放送受信機を操作する際には、該デジタル放送受信機の電源を投入した後、リモコンにてボタンを押下し所望の動作を実現するのが一般的である。それため、開発途中において該デジタル放送受信機の動作を確認・試験する場合も、試験者が試験仕様書に記載されている各試験項目の試験手順を参照しながら、リモコンの所定ボタンの押下を繰り返して、本来あるべき動作をするか否かを確認している。該試験については、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−102550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されたデジタル放送受信機では、開発途中において試験者がその動作が適切なものかを試験仕様書に従って試験を行う必要がある。そして、該試験は、一度だけ行えばよいものではなく、該デジタル放送受信機に搭載するソフトウェアの開発リビジョンを更新した場合に逐一行う必要がある。また、その試験内容も、全く同じ内容のものを行わなければならず、従来のデジタル放送受信機の試験装置では、試験作業に掛かるコストが非常に膨大になる問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、デジタル放送受信機の動作試験を低コストで容易に行うことができるデジタル放送受信機の試験装置及びこれに用いるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る解決手段は、アンテナ部より受信した信号を復調して得られるトランスポートストリームデータをデジタル放送受信機との間で入出力するTS入出力基板と、リモコンより送信されたリモコンコード及びデジタル放送受信機の制御データをデジタル放送受信機との間で入出力するシリアル入出力基板と、TS入出力基板及びシリアル入出力基板を介して得たトランスポートストリーム、リモコンコード及び制御データに基づき、デジタル放送受信機における各種動作試験を制御する演算部とを備えるデジタル放送受信機の試験装置であって、演算部は、取得したトランスポートストリームデータに第1タイムスタンプを付与するトランスポートストリーム解析部と、取得したリモコンコード及び制御データのそれぞれに第2タイムスタンプを付与するリモコンコード・制御データ解析部と、トランスポートストリーム解析部より得られたトランスポートストリームデータを再生する際に、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプとを同期させてリモコンコード・制御データ解析部より得られたリモコンコード及び制御データをデジタル放送受信機に出力して動作試験を行う試験処理部とを備える。
【0007】
本発明に係る別の解決手段は、アンテナ部より受信した信号を復調して得られるトランスポートストリームデータをデジタル放送受信機との間で入出力するTS入出力基板と、リモコンより送信されたリモコンコード及びデジタル放送受信機の制御データをデジタル放送受信機との間で入出力するシリアル入出力基板と、TS入出力基板及びシリアル入出力基板を介して得たトランスポートストリーム、リモコンコード及び制御データに基づき、デジタル放送受信機における各種動作試験を制御する演算部とを備えるデジタル放送受信機の試験装置に用いるプログラムであって、演算部に、第1タイムスタンプが付与されたトランスポートストリームデータを再生する際に、第2タイムスタンプがそれぞれ付与されたリモコンコード及び制御データを第1タイムスタンプに同期させる機能と、同期させたリモコンコード及び制御データをデジタル放送受信機に出力して動作試験を行わせる機能とを実現させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に記載のデジタル放送受信機の試験装置及びこれに用いるプログラムは、トランスポートストリームデータを再生する際に、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプとを同期させてリモコンコード及び制御データをデジタル放送受信機に出力して動作試験を行うので、デジタル放送受信機の動作試験を低コストで容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係るデジタル放送受信機の試験装置(以下、単に試験装置ともいう)と試験対象となるデジタル放送受信機の概要を示したブロック図である。図1に示す放送局1は、電波に乗せて各種サービスを提供する。放送局1からの電波を受信するデジタル放送受信機3は、該電波情報を復調、デコードして対応した映像を出力するものである。そして、デジタル放送受信機3は、その内部にアンテナ2、フロントエンド4、バックエンド8を備えている。
【0010】
デジタル放送受信機3は、アンテナ2により受信された電波情報をフロントエンド4で復調し、トランスポートストリーム(TS)形式のデータにしてバックエンド8に入力される。更に、リモコン11からのリモコンコードは、フロントエンド4を介してバックエンド8に入力され、バックエンド8内部で該リモコンコードの動作に従いトランスポートストリームデータ(TSデータ)を処理する。バックエンド8で処理されたTSデータは、適切な映像として映像表示装置9に出力される。
【0011】
図1に示す試験装置10は、デジタル放送受信機3の動作試験を行う試験装置である。試験装置10は、TS入出力基板12、シリアル入出力基板13と演算部のパーソナルコンピュータ(PC)14及びこれに接続したメモリ部であるハードディスク(HDD)15を備えている。TS入出力基板12は、デジタル放送受信機3のフロントエンド4から復調したTSデータをPC14に取り込み、該取り込まれたTSデータはPC14に接続されたHDD15に格納される。シリアル入出力基板13は、デジタル放送受信機3のフロントエンド4から受信したリモコンコードをPC14に取り込む。逆に、取り込まれたTSデータはTS入出力基板12を、リモコンコードはシリアル入出力基板13を介して、デジタル放送受信機3のバックエンド8に出力される。
【0012】
図2は、本実施の形態に係る試験装置と試験対象となるデジタル放送受信機の動作を説明するためのブロック図である。まず、アンテナ2が電波情報を受信し、ユーザがリモコン11を操作した際の試験装置10の動作について説明する。アンテナ2で受信した電波情報は、チューナ5を介して復調及びデコード部6へと渡される。なお、チューナ5及び復調及びデコード部6が、図1に示すフロントエンド4を構成する。
【0013】
復調及びデコード部6は、復調LSI(DLSI)6a、デマルチプレクサ6b、MPEG2デコーダ6cから構成されており、受け取った電波情報を復調した後デコードしTSデータとしてバックエンド8へと引き渡す。一方、リモコン11は、ユーザの押下したボタンに対応するリモコンコードを送信し、該送信されたリモコンコードがデジタル放送受信機3のリモコン受光部7で受信される。リモコン受光部7で受信されたリモコンコードはバックエンド8へと渡される。
【0014】
ここで、例えばリモコン11からチャンネル選局の指示があった場合、チャンネル選局のリモコンコードを受け取ったバックエンド8は、チューナ5に対してチャンネル選局要求の制御データが送信される。該制御データを受け取ったチューナ5は、バックエンド8に対してその応答を送信する。復調及びデコード部6とバックエンド8との間でも、同様に制御データのやり取りが行われている。
【0015】
バックエンド8が処理したTSデータは、リモコンコードの処理内容に従って、AV出力インタフェース9aを介して映像表示装置9に出力される。更に、PC14は、シリアル入出力インタフェース16、UART部16a、PCカード17、TS解析部17a及び試験処理部20を備える。シリアル入出力インタフェース16は、シリアル入出力基板13からのリモコンコードや制御データをPC14へ取り込むインタフェースである。PCカード17は、TS入出力基板12からのTSデータをPC14へ取り込むインタフェースである。
【0016】
TS解析部17aは、復調及びデコード部6からのTSデータに第1タイムスタンプを付与してPC14又はHDD15に格納する。UART部16aは、バックエンド8とチューナ5やバックエンド8と復調及びデコード部6の間で送受信される制御データや、リモコンコードに第2タイムスタンプを付与してPC14又はHDD15に格納する。
【0017】
また、試験装置10は、HDD15に格納している登録済みのTSデータとリモコンコード等の手順を呼び出して、デジタル放送受信機3の動作試験を実行する場合、試験処理部20は、TSデータに付与された第1タイムスタンプと各種制御データやリモコンコードに付与された第2タイムスタンプとの間で同期を取る。そして、試験処理部20は、デジタル放送受信機3に対し同期を取ったTSデータを再生させ、同期を取った各種制御データやリモコンコードをデジタル放送受信機3に出力する。なお、図2に示すブロック図では、黒の矢印がTSデータの流れ、斜線の矢印が各種制御データの流れ、白の矢印がリモコンコードの流れをそれぞれ表している。
【0018】
図3は、本実施の形態に係るTS解析部17aで取り込むTSデータ30のデータフォーマットである。図3に示すTSデータ30は、複数のTSパケットから構成されており、1つのTSパケット毎にタイムスタンプを付与している。また、1つのTSパケットは、TSヘッダ31と184バイトのTSペイロード32とから構成されている。図3に示すTSヘッダ31には、8バイトの第1タイムスタンプ33のデータが付加されている。
【0019】
また、図3に示すTSヘッダ31は、同期バイト(SYNC:0x47)31a、パケット識別子(PID)31b、プログラム時刻基準値(PCR)31c等から構成されている。更に、第1タイムスタンプ33は、図3に示すようにタイムスタンプデータクロック数33aと状態フラグ33bの合計8バイトから構成されている。なお、図3に示す第1タイムスタンプ33は、入力クロック数が0x800である場合であり、MSBは最上位ビット、LSBは最下位ビットを表している。
【0020】
次に、図4は、本実施の形態に係る試験装置において入力された各種リモコンコードに第2タイムスタンプのデータが付与された場合の例を示している。図4に示すリモコンコード時刻情報40には、1バイト目と2バイト目の組み合わせからなるリモコンコードと、該リモコンコードが試験処理部20に取り込まれた際の入力クロック数である第2タイムスタンプのデータとが書き込まれている。なお、リモコンコード時刻情報40には、リモコンボタンとリモコンコードの対応情報は持っていない。
【0021】
図4に示す具体例として、リモコンコード0x33、0x32が送信された時刻は入力クロック数0x805であり、リモコンコード0x30、0x31が送信された時刻は入力クロック数0xC1Aである。
【0022】
次に、図5は、本実施の形態に係る試験装置において入力された各種制御データに第2タイムスタンプのデータが付与された場合の例を示している。図5に示す制御データ時刻情報41には、バックエンド8とチューナ5及び復調部及びデコード部6との間の各種制御データと、該制御データが試験処理部20に取り込まれた際の入力クロック数である第2タイムスタンプのデータとが書き込まれている。
【0023】
図5に示す制御データ時刻情報41では、制御データが制御応答コマンドと該制御応答コマンドの方向を示す方向フラグとで示されている。図5に示す方向フラグは、バックエンド8からチューナ5への場合は00、チューナ5からバックエンド8への場合は01、バックエンド8から復調LSI6aへの場合は10、復調LSI6aからバックエンド8への場合は11なる値を取る。
【0024】
図5に示す具体例として、制御応答コマンド0x11310010(方向フラグ00)が送信された時刻は入力クロック数0x253Cであり、それに対する制御応答コマンド0x31111010(方向フラグ01)が送信された時刻は入力クロック数0x28B7である。また、制御応答コマンド0x801A0060(方向フラグ11)が送信された時刻は入力クロック数0x30ACであり、それに対する制御応答コマンド0x1A801060(方向フラグ10)が送信された時刻は入力クロック数0x3209である。
【0025】
次に、図6は、本実施の形態に係る試験装置における試験手順を登録及び登録した試験を実行するためのユーザインタフェースの模式図である。図6に示す試験実行ツール50は、PC14に表示されるユーザインタフェースである。まず、試験実行ツール50は、一つの試験ファイルに試験1、試験2、試験3・・・と複数の試験を登録することが可能であり、ユーザが新たに試験を登録したい場合は「ファイル」−「試験ファイル設定」とプルダウンを選択して新たな試験ファイルを指定する。図6では、ユーザが試験1に「番組表表示後、右にカーソルを一つだけ移動し、その番組を決定する」なる内容を登録する場合について説明する。
【0026】
まず、ユーザは試験の前段階として、デジタル放送受信機3の電源を投入した後、リモコンで「電源」ボタンをOnにしておき、その間にPC14の電源も投入しておく。その後、TS解析部17aを起動してデジタル放送受信機3から現在放送されているTSデータ30にタイムスタンプを付与したものをHDD15に蓄積する。ここで、ユーザは、試験実行ツール50の「登録開始」ボタンをクリックして、以後の試験手順の登録を開始する。ユーザは、リモコン11の「番組表」ボタンを押下し番組表が開いたら、右向き矢印キーを押下して番組表のカーソルを右へ移動させる。そこで、ユーザは、リモコン11の「決定」ボタンを押下し決定したサービスの番組が選局されていることを確認した後、ユーザが試験実行ツール50の「登録終了」ボタンをクリックすることで試験手順の登録が完了する。更に、試験1に登録された試験が如何なる内容か備忘のため、上記試験手順や試験ストリームを「試験手順欄」に記載して「保存」ボタンをクリックして試験手順を保存する。
【0027】
ユーザが、再度試験1を実行する場合は、TS解析部17aにて該当する試験用のTSデータ30を選択して再生させた状態で、試験実行ツール50の「試験実行」ボタンをクリックすれば良い。
【0028】
次に、本実施の形態に係る試験装置の動作の前提となる従来の試験装置の動作シーケンスを図7に示す。図7に示す動作シーケンスは、バックエンド8、チューナ5、復調LSI6a、リモコン11の間におけるTSデータ30、リモコンコード、各種制御データの流れを図示している。また、図7に示す動作シーケンスでは、リモコン11は外部からデジタル放送受信機3に作用して動作に関わるため、アクターとして人型で表現している。
【0029】
まず、図7に示す動作シーケンスでは、アンテナ2で受信した放送波がチューナ5から復調LSI6aに映像データとして送られ、復調LSI6aで復調されたTSデータ30がバックエンド8へと渡される。ここで、ユーザがリモコン11の「番組表」ボタンを押下すると、リモコン11から番組表に対応するリモコンコード0x33、0x32がバックエンド8へと送られ、バックエンド8のシリアル入出力部が該リモコンコードを処理することとなる。同様に、ユーザがリモコン11の右向き矢印キー、続けて「決定」ボタンを押下すると、それに対応したリモコンコードがバックエンド8のシリアル入出力部で処理される。
【0030】
この時、デジタル放送受信機3は、他のサービスの番組を選局しなければならないので、バックエンド8の番組管理部がチューナ5に対し、チューナ制御の「Ch選局要求」0x11310010を送信し、該チューナ制御を受け取ったチューナ5はその応答「Ch選局応答」0x31111010をバックエンド8の番組管理部に返信する。また、復調LSI6aからはバックエンド8に対し制御データ0x801A0060を送信している。
【0031】
次に、図8は、本実施の形態に係る試験装置の動作シーケンスである。図8に示す動作シーケンスは、バックエンド8、チューナ5、復調LSI6a、リモコン11、試験処理部20及びHDD15の間におけるTSデータ30、リモコンコード、各種制御データの流れを図示している。なお、図8に示す動作シーケンスでは、ユーザによるリモコンコードと各種制御データの試験手順を登録する試験登録モードと、登録された試験手順を実行する試験実行モードについて図示している。また、図7に示す動作シーケンスと同様、リモコン11、試験処理部20は、外部からデジタル放送受信機3に作用して動作に関わるため、アクターとして人型で表現している。
【0032】
まず、図8に示す動作シーケンスにおいて、試験登録モードの動作を説明する。アンテナ2で受信した放送波は、チューナ5から復調LSI6aに映像データとして送られ、復調LSI6aで復調されたTSデータ30がバックエンド8へと渡される。更に、TSデータ30は、図示しないTS解析部17aにより各TSパケットに第2タイムスタンプのデータが付与され、HDD15に格納される。ここで、ユーザが試験処理部20の試験実行ツール50の「登録開始」ボタンをクリックして試験手順の登録を開始する。そして、ユーザがリモコン11の「番組表」ボタンを押下すると、リモコン11から「番組表」に対応するリモコンコード0x33、0x32がバックエンド8へと送られ、バックエンド8のシリアル入出力部が該リモコンコードを処理することとなる。
【0033】
それと同時に図示しないUART部16a経由で該リモコンコードが試験処理部20に送られ、第2タイムスタンプのデータが付与されてHDD15に格納される。同様に、ユーザがリモコンの右向き矢印キー、続けて「決定」ボタンを押下すると、それに対応したリモコンコードがバックエンド8のシリアル入出力部で処理される。更に、該リモコンコードには、図示しないUART部16aによってタイムスタンプデータが付与されてHDD15に格納される。この時、デジタル放送受信機3は、他のサービスの番組を選局しなければならないので、バックエンド8の番組管理部がチューナ5に対し、チューナ制御の「Ch選局要求」0x11310010を送信する。同時に、図示しないUART部16a経由で該チューナ制御信号が試験処理部20にも送付され、第2タイムスタンプのデータが付与されてHDD15に格納される。
【0034】
該チューナ制御を受け取ったチューナ5は、その応答「Ch選局応答」0x31111010をバックエンド8の番組管理部に返信し、更に該応答信号は図示しないUART部16aを介して第2タイムスタンプのデータが付与されてHDD15に格納される。続けて、復調LSI6aからは、同様にバックエンド8に対し制御データ0x801A0060を、バックエンド8からは試験処理部20に該制御データを送信している。最後に、ユーザが試験処理部20の試験実行ツール50の「登録終了」ボタンをクリックして試験手順の登録を終了する。
【0035】
次に、図8に示す動作シーケンスにおいて、試験実行モードの場合を説明する。まず、ユーザが試験処理部20の試験実行ツール50の「試験実行」ボタンをクリックして登録された試験の実行を開始する。試験処理部20は、各TSパケットに第1タイムスタンプのデータが付与されたTSデータ30をHDD15からロードし、TS入出力基板12経由でデジタル放送受信機3へと流し込む。試験処理部20は、この第1タイムスタンプのデータと同期を取りながら、図4のリモコンコード時刻情報40に記載された第2タイムスタンプのタイミングで対応するリモコンコードをバックエンド8へと出力する。
【0036】
例えば、第2タイムスタンプ0x805の時に、試験処理部20から「番組表」に対応するリモコンコード0x33、0x32がバックエンド8へと送られ、バックエンド8のシリアル入出力部が該リモコンコードを処理することとなる。同様に、試験処理部20から右向き矢印キー対応コード0x30、0x31、続けて「決定」ボタン対応コード0x30、0x34がバックエンド8のシリアル入出力部で処理される。この時、デジタル放送受信機3は他のサービスの番組を選局しなければならないので、例えばバックエンド8の番組管理部が試験処理部20に対し、チューナ制御の「Ch選局要求」0x11310010を送信する。
【0037】
該チューナ制御を受け取った試験処理部20の擬似チューナは、第2タイムスタンプの値に従いながら、その応答「Ch選局応答」0x31111010をバックエンド8の番組管理部に返信する。なお、図8に示す動作シーケンスでは、試験処理部20は、チューナ制御の「Ch選局要求」0x11310010をHDD15の該当データと比較する。続けて、試験処理部20の擬似復調LSIからは同様にバックエンド8に対し制御データ0x801A0060を送信している。
【0038】
以上のように、本実施の形態に係る試験装置では、試験処理部20がTSデータ30の第1タイムスタンプと、リモコンコードや制御データの第2タイムスタンプとの同期を取り、デジタル放送受信機の動作試験を行うので、デジタル放送受信機の動作試験を低コストで容易に行うことができる。
【0039】
また、本実施の形態に係る試験装置では、第1タイムスタンプを付加したTSデータ30、第2タイムスタンプを付加したリモコンコードや制御データがメモリ部であるHDD15に保存されるので、試験装置が指定したタイムスタンプデータに対応したデータへアクセスが可能になるという効果がある。
【0040】
なお、演算部であるPC14は、第1タイムスタンプが付与されたTSデータ30を再生する際に、第2タイムスタンプがそれぞれ付与されたリモコンコード及び制御データを第1タイムスタンプに同期させる機能と、同期させたリモコンコード及び制御データをデジタル放送受信機に出力して動作試験を行わせる機能とを実現させるためのプログラムを処理することで、試験処理部20を構成している。また、PC14は、取得したTSデータ30に第1タイムスタンプを付与する機能を実現させるためのプログラムを処理することでTS解析部17aを、取得したリモコンコード及び制御データのそれぞれに第2タイムスタンプを付与する機能を実現させるためのプログラムを処理することでUART部16aをそれぞれ構成している。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態1に係る試験装置では、リモコンボタンとリモコンコードの対応情報は持っていなかったが、本実施の形態に係る試験装置では、試験処理部20にリモコンコード登録機能を持たせている。なお、本実施の形態に係る試験装置の構成は、図1又は図2に示す構成と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0042】
具体的に、対応リモコンボタンとリモコンコードとの対応情報であるリモコンコード対応情報42を図9に示す。図9に示すリモコンコード対応情報42は、試験処理部20のリモコンコード登録機能によって、各リモコンコードとそれに対応するリモコンボタンの対応情報が設定されている。リモコンコード対応情報42は、PC14又はHDD15に保持させる。
【0043】
リモコンコード対応情報42では、リモコンコードが1バイト目と2バイト目の組み合わせからなり、該リモコンコードと対応するリモコンボタンの情報が書き込まれている。例えば、リモコンボタンの上向き矢印キーに対応するリモコンコードは0x30、0x30であり、リモコンボタンの右向き矢印キーに対応するリモコンコードは0x30、0x31である。
【0044】
図10は、本実施の形態におけるリモコンボタンとそのリモコンボタンに対応するリモコンコードとを登録するための試験処理部20のユーザインタフェースの模式図である。リモコンボタン登録ツール51は、ユーザが「ファイル」−「リモコンボタン登録」にて呼び出されるユーザインタフェースである。
【0045】
リモコンボタン登録ツール51には、実際に使用するリモコンのグラフィックと各ボタンに対応して、それが何のボタンなのか示すボタン種別のプルダウンと、そのボタンが押下された場合に発信されるリモコンコードを記載するためのテキストボックスとが並んでいる。リモコンコードは、1バイト目と2バイト目の組み合わせから成り、例えばリモコングラフィックの中央にある上向き矢印キーに対応するリモコンコードは0x30、0x30であり、右向き矢印キーに対応するリモコンコードは0x30、0x31である。更に、その他のボタンとそれに対応するリモコンコードも同様に記載して「登録」ボタンをクリックすれば良い。
【0046】
以上のように、本実施の形態に係る試験装置では、デジタル放送受信機3で使用するリモコン11におけるボタンとそれに対応するリモコンコードを保持しているので、試験装置が指定したリモコンボタンに対応したリモコンコードへのアクセスが可能になるという効果がある。
【0047】
なお、演算部であるPC14は、所定の試験手順に従い、デジタル放送受信機3で使用するリモコン11におけるボタンとそれに対応するリモコンコードを保持しているHDD15からリモコンコードを呼び出す機能と、当該リモコンコードをデジタル放送受信機3に出力し動作試験を行わせる機能とを実現させるためのプログラムを処理している。
【0048】
(実施の形態3)
実施の形態1に係る試験装置では、放送局1からデジタル放送受信機3へ送信される放送波を正常に受信できる環境を想定して動作試験が行われている。しかし、デジタル放送受信機3の設置される状況によっては放送波を受信できる環境は大きく異なり、TSパケットが受信できない環境も考えられる。そのため、本実施の形態では、さまざまな環境においてデジタル放送受信機3の動作試験が行える試験装置を示す。更に、TSパケットが受信できない場合に補正することが可能なデジタル放送受信機3に対しても動作試験が行える試験装置を示す。なお、本実施の形態に係る試験装置の構成は、図1又は図2に示す構成と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0049】
まず、図11に、バックエンド8へ送信されるTSデータ30のデータフォーマットの模式図を示す。図11に示すTSデータ30は、図3で説明した様にTSヘッダ31とTSペイロード32から構成されるTSパケットが連続して送信されるものである。また、図11の下部には、TSデータ30と各種判定信号とを拡大したものが図示されている。各種判定信号としては、クロック信号(CLOCK)35、データ有効判定信号(VALID)36、データ同期判定信号(SYNC)37がある。
【0050】
クロック信号(CLOCK)35は、入力クロックを示すものであり、データ有効判定信号(VALID)36は、有効である(ネゲートされていない)場合にDATA信号30を取得する様になっている。また、データ同期判定信号(SYNC)37は、TSデータ30のTSヘッダ31の先頭にある同期バイト(SYNC:0x47)31aに合わせて立ち上がる信号であり、該信号を計測することでデータの同期を取っている。
【0051】
更に、図11に示す模式図では、TSデータ30が破壊された場合に再度復帰したTSデータ30を取得する構成を示している。図11では、左から2番目のTSパケットが破壊されTSペイロード32が12バイト分受信不可であった場合を示している。そのため、左から3番目のTSパケットのTSヘッダ31の先頭にある同期バイト(SYNC:0x47)31aは、本来ならば図中の斜線部分に来るべきであるが、12バイト分前にずれてしまっており当該TSパケットを検出できていない。同期バイト31aが検出できないとVALID信号36は、即座にネゲートされ、4回目の同期バイト31a(左から7番目のTSパケットの同期バイト31a)を検出するまでネゲートが維持される。そのため、TSパケットを検出できずにVALID信号36がネゲートされると、TSパケットを3つロストすることになる。
【0052】
次に、図12も、バックエンド8へ送信するTSデータ30が破壊された例を示す模式図である。このようなTSデータ30が破壊される例としては、デジタル放送受信機3が自動車の様な移動体に搭載された場合であって、該デジタル放送受信機3を搭載した自動車が高速道路を走行中、ビル群の陰に隠れるなどして受信環境が変化する場合がある。
【0053】
上記の受信環境においてTSデータ30は、例えば図12に示した様に、図中の左から2つ目のTSペイロード32が12バイト分受信不可、3つ目のTSペイロード32が18バイト分受信不可、4つ目のTSヘッダの同期バイト31aが欠落、5つ目のTSペイロード32が12バイト分受信不可と連続する4つTSパケットが破壊されている。図12に示したTSデータ30のパターンを、デジタル放送受信機3を搭載した自動車が高速道路を走行中、ビル群の陰に隠れた際のデータ破壊パターンとして試験装置に保存しておけば、当該パターンを試験実行時に適応することが可能となる。
【0054】
図13は、バックエンド8へのTSデータ30の送信において、データ有効判定信号36が正規の箇所でネゲートされなかった場合に、これを補正したパターンを示す模式図である。図13に示すTSデータ30は、図11で示したパターンと同じで左から2番目のTSパケットが破壊されTSペイロード32が12バイト分受信不可である。しかし、図13に示すTSデータ30であれば、データ有効判定信号(VALID)36のネゲート位置は、本来斜線部から生じるはずであるが、図13に示すデータ有効判定信号(VALID)36は不適切な位置で2回ネゲートしている。この場合、上手くTSデータ30が受信できなくなる可能性があるので、これを回避するために図13では、適切な位置でネゲートする補正パターンのデータ有効判定信号(VALID)を設けている。本実施の形態に係る試験装置では、この補正パターンを保持し、選択できるようにすることで、TSデータ30が上手く受信できなかった場合でも受信できる補正パターンを試験実行時に適応することができる。
【0055】
次に、図14は、本実施の形態に係る試験装置における試験処理部20のユーザインタフェースの模式図である。図14に示す試験処理部20のユーザインタフェースは、試験ストリームの調整、新たな試験手順の作成及び作成した試験の実行するためのユーザインタフェースである。まず、試験手順生成ツール52は、ユーザが新たに試験手順を登録するためのユーザインタフェースである。具体的に該ユーザインタフェースは、試験ファイルを「ファイル」−「試験ファイル設定」にて指定し、一つの試験ファイルに対してプルダウンメニューから試験1、試験2、試験3・・・と選択することで複数の試験を登録することが可能である。
【0056】
以下に、ユーザが、試験2に新たな試験手順「番組表表示後、右にカーソルを一つだけ移動し5秒間Waitした後、その番組を決定する」を追加する例を説明する。まず、行ったことのない試験をするため、ユーザは試験手順生成ツール52にて試験環境や試験手順を編集する必要がある。試験環境の編集においては、例えば、図12で示したデジタル放送受信機3を搭載した自動車が高速道路を走行中、ビル群の陰に隠れた際の電波状態を再現するのであれば、「走行時電波状態再現」のチェックボックスにチェックを入れ、予め登録してある電波状態Bをプルダウンメニューから選択して「電波状態呼出」ボタンをクリックする。
【0057】
また、図13で示したデータ有効判定信号(VALID)36の不適切なネゲートによる受信不可を回避したければ、「VALID信号復調」のチェックボックスにチェックを入れることで補正パターンのデータ有効判定信号(VALID)が選択される。更に、本実施の形態に係る試験装置は、実施の形態2で述べたようにリモコンボタンに対応するリモコンコードをリモコンコード対応情報42として保持している。そのため、試験手順を編集する際には、リモコンボタンのプルダウンから所望のリモコンボタンを選択して「次へ」ボタンをクリックし、Waitを掛けたい場合は「Wait間隔」のテキストボックスに所望の数字を入力して「次へ」ボタンをクリックすれば良い。つまり、実際にリモコン11を操作する必要はない。試験手順の編集が完了した場合には「完了」ボタンをクリックする。以上の作業により作成した試験環境及び試験手順は、「手順保存」ボタンをクリックすることで保存される。
【0058】
次に、ユーザはTS解析部17aを起動してデジタル放送受信機3から現在放送されているTSデータ30にタイムスタンプを付与したものを、HDD15に蓄積していく。ここで、ユーザは試験手順生成ツール52の「試験試行」ボタンをクリックして、上記保存した試験環境及び試験手順を実行する。なお、試験手順において、各操作の間(例えば、「番組表」ボタンから右向き矢印キーの間)には適宜2秒程度のWaitが掛かる様になっており、各リモコンボタン処理が適切に実行できるように取り計られている。「試験試行」により実際試験が行われ、試験手順が完了したら「試験登録」ボタンをクリックして一連の試験を登録する。
【0059】
再度、ユーザが試験2を実行する場合には、TS解析部17aにて該当試験ストリームを選択し再生した状態で、試験手順生成ツール52の「試験実行」ボタンをクリックすれば良い。
【0060】
以上のように、本実施の形態に係る試験装置では、異なる環境や補正パターンを設定できるので、デジタル放送受信機3が異なる環境を再現でき、更に可能であればそのデータを補正でき、ユーザはさまざまな条件でデジタル放送受信機の動作試験が可能になる。
【0061】
なお、上記の実施の形態で説明した試験装置は、TS入出力基板12、シリアル入出力基板13、PC14及びHDD15から構成されているが、本発明はこれに限られず、必要に応じて他のハードウェアを備える場合がある。
【0062】
また、上記の実施の形態で説明した試験装置では、図2,図7及び図8に記載されている様に、各種制御データはバックエンド8とチューナ5、バックエンド8と復調及びデコード部6との間で行われている。そして、リモコンコードは、バックエンド8とリモコン受光部7との間で行われている。そのため、上記の実施の形態で説明した試験装置では、バックエンド8との間で各種制御データ及びリモコンコードをエミュレートしているが、本発明はこれに限られず、必要に応じて他の部位の間でも各種制御データ及びリモコンコードの送受信が行われても良い。
【0063】
更に、上記の実施の形態で説明した試験装置では、TS解析部17aにより各TSパケットに第1タイムスタンプのデータが付加され、図3に示すデータフォーマットとなっているが、本発明はこれに限られず、第1タイムスタンプのデータが各TSパケットに付加されていれば、他の付加方法及びデータフォーマットでも良い。
【0064】
また、上記の実施の形態で説明した試験装置では、UART部16aによりリモコンコード及び制御データに第2タイムスタンプのデータが付加され、図4及び図5に示すデータフォーマットとなっているが、本発明はこれに限られず、第2タイムスタンプのデータがリモコンコード及び制御データに付加されていれば、他の付加方法及びデータフォーマットでも良い。
【0065】
更に、上記の実施の形態で説明した試験装置では、図6、図10及び図14に記載されているGUIを用いているが、本発明はこれに限られず、他の形式のGUIを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態1に係る試験装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る試験装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るTSデータ30のデータフォーマットを説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るリモコンコード時刻情報を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る制御データ時刻情報を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る試験実行ツールを説明するための図である。
【図7】本発明の前提となる試験装置の動作シーケンスを説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る動作シーケンスを説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るリモコンコード対応情報を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係るリモコンボタン登録ツールを説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係るTSデータ30のデータフォーマットを説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係るTSデータ30のデータフォーマットを説明するための図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係るTSデータ30のデータフォーマットを説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態3に係る試験手順生成ツールを説明するための図である。
【符号の説明】
【0067】
1 放送局、2 アンテナ、3 デジタル放送受信機、4 フロントエンド、5 チューナ、6 復調及びデコード部、7 リモコン受光部、8 バックエンド、9 映像表示装置、10 試験装置、12 TS入出力基板、13 シリアル入出力基板、14 パーソナルコンピュータ、15 ハードディスク、16 シリアル入出力インタフェース、16a UART部、17 PCカード、17a TS解析部、20 試験処理部、31 TSヘッダ、31a 同期バイト、31b パケット識別子、31c プログラム時刻基準値、32 TSペイロード、33 第1タイムスタンプ、33a タイムスタンプデータクロック数、33b 状態フラグ、35 クロック信号、36 データ有効判定信号、37 データ同期判定信号、40 リモコンコード時刻情報、41 制御データ時刻情報、42 リモコンコード対応情報、50 試験実行ツール、51 リモコンボタン登録ツール、52 試験手順生成ツール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ部より受信した信号を復調して得られるトランスポートストリームデータをデジタル放送受信機との間で入出力するTS入出力基板と、
リモコンより送信されたリモコンコード及び前記デジタル放送受信機の制御データを前記デジタル放送受信機との間で入出力するシリアル入出力基板と、
前記TS入出力基板及び前記シリアル入出力基板を介して得た前記トランスポートストリーム、前記リモコンコード及び前記制御データに基づき、前記デジタル放送受信機における各種動作試験を制御する演算部とを備えるデジタル放送受信機の試験装置であって、
前記演算部は、
取得した前記トランスポートストリームデータに第1タイムスタンプを付与するトランスポートストリーム解析部と、
取得した前記リモコンコード及び前記制御データのそれぞれに第2タイムスタンプを付与するリモコンコード・制御データ解析部と、
前記トランスポートストリーム解析部より得られた前記トランスポートストリームデータを再生する際に、前記第1タイムスタンプと前記第2タイムスタンプとを同期させて前記リモコンコード・制御データ解析部より得られた前記リモコンコード及び前記制御データを前記デジタル放送受信機に出力して動作試験を行う試験処理部とを備えることを特徴とするデジタル放送受信機の試験装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル放送受信機の試験装置であって、
前記演算部は、前記トランスポートストリーム解析部より得られた前記トランスポートストリームデータ、前記リモコンコード・制御データ解析部より得られた前記リモコンコード及び前記制御データを保存・蓄積するためのメモリ部を更に備えることを特徴とするデジタル放送受信機の試験装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のデジタル放送受信機の試験装置であって、
前記メモリ部は、前記デジタル放送受信機で使用する前記リモコンにおけるボタンとそれに対応する前記リモコンコードを保持していることを特徴とするデジタル放送受信機の試験装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデジタル放送受信機の試験装置であって、
前記試験処理部は、所定の試験手順に従い、前記メモリ部から前記リモコンコードを呼び出し、前記デジタル放送受信機に出力し動作試験を行うことを特徴とするデジタル放送受信機の試験装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のデジタル放送受信機の試験装置であって、
前記演算部は、所定の環境における前記デジタル放送受信機の前記トランスポートストリームデータのパターンを前記メモリ部に保持させ、
前記試験処理部は、前記メモリから前記所定の環境における前記トランスポートストリームデータのパターンを呼び出し、前記デジタル放送受信機で再生させて動作試験を行うことを特徴とするデジタル放送受信機の試験装置。
【請求項6】
請求項5に記載のデジタル放送受信機の試験装置であって、
前記演算部は、前記所定の環境に対する前記トランスポートストリームデータの補正パターンも前記メモリ部に保持させ、
前記試験処理部は、前記メモリから前記所定の環境における前記トランスポートストリームデータのパターンを呼び出す際に対応する前記補正パターンも呼び出し、前記デジタル放送受信機で前記補正パターンを適用した前記トランスポートストリームデータを再生させて動作試験を行うことを特徴とするデジタル放送受信機の試験装置。
【請求項7】
アンテナ部より受信した信号を復調して得られるトランスポートストリームデータをデジタル放送受信機との間で入出力するTS入出力基板と、
リモコンより送信されたリモコンコード及び前記デジタル放送受信機の制御データを前記デジタル放送受信機との間で入出力するシリアル入出力基板と、
前記TS入出力基板及び前記シリアル入出力基板を介して得た前記トランスポートストリーム、前記リモコンコード及び前記制御データに基づき、前記デジタル放送受信機における各種動作試験を制御する演算部とを備えるデジタル放送受信機の試験装置に用いるプログラムであって、
前記演算部に、第1タイムスタンプが付与された前記トランスポートストリームデータを再生する際に、第2タイムスタンプがそれぞれ付与された前記リモコンコード及び前記制御データを前記第1タイムスタンプに同期させる機能と、
同期させた前記リモコンコード及び前記制御データを前記デジタル放送受信機に出力して動作試験を行わせる機能とを実現させるためのデジタル放送受信機の試験装置に用いるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のデジタル放送受信機の試験装置に用いるプログラムであって、
前記演算部に、所定の試験手順に従い、前記デジタル放送受信機で使用する前記リモコンにおけるボタンとそれに対応する前記リモコンコードを保持している前記メモリ部から前記リモコンコードを呼び出す機能と、
当該前記リモコンコードを前記デジタル放送受信機に出力し動作試験を行わせる機能とを実現させるためのデジタル放送受信機の試験装置に用いるプログラム。
【請求項1】
アンテナ部より受信した信号を復調して得られるトランスポートストリームデータをデジタル放送受信機との間で入出力するTS入出力基板と、
リモコンより送信されたリモコンコード及び前記デジタル放送受信機の制御データを前記デジタル放送受信機との間で入出力するシリアル入出力基板と、
前記TS入出力基板及び前記シリアル入出力基板を介して得た前記トランスポートストリーム、前記リモコンコード及び前記制御データに基づき、前記デジタル放送受信機における各種動作試験を制御する演算部とを備えるデジタル放送受信機の試験装置であって、
前記演算部は、
取得した前記トランスポートストリームデータに第1タイムスタンプを付与するトランスポートストリーム解析部と、
取得した前記リモコンコード及び前記制御データのそれぞれに第2タイムスタンプを付与するリモコンコード・制御データ解析部と、
前記トランスポートストリーム解析部より得られた前記トランスポートストリームデータを再生する際に、前記第1タイムスタンプと前記第2タイムスタンプとを同期させて前記リモコンコード・制御データ解析部より得られた前記リモコンコード及び前記制御データを前記デジタル放送受信機に出力して動作試験を行う試験処理部とを備えることを特徴とするデジタル放送受信機の試験装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル放送受信機の試験装置であって、
前記演算部は、前記トランスポートストリーム解析部より得られた前記トランスポートストリームデータ、前記リモコンコード・制御データ解析部より得られた前記リモコンコード及び前記制御データを保存・蓄積するためのメモリ部を更に備えることを特徴とするデジタル放送受信機の試験装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のデジタル放送受信機の試験装置であって、
前記メモリ部は、前記デジタル放送受信機で使用する前記リモコンにおけるボタンとそれに対応する前記リモコンコードを保持していることを特徴とするデジタル放送受信機の試験装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデジタル放送受信機の試験装置であって、
前記試験処理部は、所定の試験手順に従い、前記メモリ部から前記リモコンコードを呼び出し、前記デジタル放送受信機に出力し動作試験を行うことを特徴とするデジタル放送受信機の試験装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のデジタル放送受信機の試験装置であって、
前記演算部は、所定の環境における前記デジタル放送受信機の前記トランスポートストリームデータのパターンを前記メモリ部に保持させ、
前記試験処理部は、前記メモリから前記所定の環境における前記トランスポートストリームデータのパターンを呼び出し、前記デジタル放送受信機で再生させて動作試験を行うことを特徴とするデジタル放送受信機の試験装置。
【請求項6】
請求項5に記載のデジタル放送受信機の試験装置であって、
前記演算部は、前記所定の環境に対する前記トランスポートストリームデータの補正パターンも前記メモリ部に保持させ、
前記試験処理部は、前記メモリから前記所定の環境における前記トランスポートストリームデータのパターンを呼び出す際に対応する前記補正パターンも呼び出し、前記デジタル放送受信機で前記補正パターンを適用した前記トランスポートストリームデータを再生させて動作試験を行うことを特徴とするデジタル放送受信機の試験装置。
【請求項7】
アンテナ部より受信した信号を復調して得られるトランスポートストリームデータをデジタル放送受信機との間で入出力するTS入出力基板と、
リモコンより送信されたリモコンコード及び前記デジタル放送受信機の制御データを前記デジタル放送受信機との間で入出力するシリアル入出力基板と、
前記TS入出力基板及び前記シリアル入出力基板を介して得た前記トランスポートストリーム、前記リモコンコード及び前記制御データに基づき、前記デジタル放送受信機における各種動作試験を制御する演算部とを備えるデジタル放送受信機の試験装置に用いるプログラムであって、
前記演算部に、第1タイムスタンプが付与された前記トランスポートストリームデータを再生する際に、第2タイムスタンプがそれぞれ付与された前記リモコンコード及び前記制御データを前記第1タイムスタンプに同期させる機能と、
同期させた前記リモコンコード及び前記制御データを前記デジタル放送受信機に出力して動作試験を行わせる機能とを実現させるためのデジタル放送受信機の試験装置に用いるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のデジタル放送受信機の試験装置に用いるプログラムであって、
前記演算部に、所定の試験手順に従い、前記デジタル放送受信機で使用する前記リモコンにおけるボタンとそれに対応する前記リモコンコードを保持している前記メモリ部から前記リモコンコードを呼び出す機能と、
当該前記リモコンコードを前記デジタル放送受信機に出力し動作試験を行わせる機能とを実現させるためのデジタル放送受信機の試験装置に用いるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−124559(P2009−124559A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298044(P2007−298044)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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