説明

デジタル放送受信機

【課題】 以前録画に失敗した番組の再放送を自動録画予約する場合、ユーザによる別の録画予約と重複しても、無条件で再放送の録画予約すべてがキャンセルされないようにしたことを目的とする。
【解決手段】 再放送判定部106がメモリ105に記憶された予約録画に失敗した番組情報と番組情報解析部103の番組情報を比較し、予約録画に失敗した番組の再放送に該当するか否かを判定し、重複予約判定部107は再放送判定部106が判定した予約録画に失敗した番組の再放送の自動録画予約及び予約時間がユーザが設定した録画予約及び予約時間と一部重複する場合には予約録画に失敗した期間がユーザが設定した録画予約及び録画時間と重複しないときは以前録画に失敗した期間部分の録画を予約設定し、これらの予約設定を録画実行部108に出力するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、録画予約機能を有するデジタル放送受信機において、録画予約を失敗した場合に行われる再放送の自動録画予約に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の録画予約機能を有するデジタル放送受信機においては、EPG(Electric Program Guide:電子番組表)が送られてくる放送の受信及び録画装置に受信監視手段と電源監視手段を設けた装置で、予約番組を録画中にチューナーの受信レベルを監視し、画像が乱れたり、画像が表示できない受信レベルの状態が有った場合や、停電などで番組の一部分又はすべてが録画出来なかった場合に、EPGから同じ番組の再放送を検索して該当する番組が有った場合、その放送日時を自動的に録画予約に設定する。(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−312323(第1頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の録画予約機能を有するデジタル放送受信機は、上述のように自動的に再放送の録画予約が設定されるが、その再放送がユーザが別に設定している録画予約と重複してしまう場合には、ユーザの録画予約設定を優先するため、再放送の録画予約がキャンセルされてしまい録画できないという問題があった。
【0004】
この発明は上述のような再放送の録画予約がキャンセルされてしまうといった問題を解消したデジタル放送受信機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るデジタル放送受信機は、EPG番組情報が付加された放送波を受信して番組情報を分離し、映像を出力するチューナ部と、
チューナ部から出力された映像を録画する録画実行部と、
チューナ部の放送波から分離されたEPG番組情報を解析する番組情報解析部と、
予約録画が正常に行われているかどうか監視する予約録画監視部と、
予約録画監視部からの予約録画に失敗した番組情報と時刻情報を記憶するメモリと、
メモリに記憶された予約録画に失敗した番組情報と番組情報解析部の番組情報を比較し、予約録画に失敗した番組の再放送に該当するか否かを判定する再放送判定部と、
再放送判定部が判定した予約録画に失敗した番組の再放送の自動録画予約及び予約時間がユーザが設定した録画予約及び予約時間と重複しない場合は再放送全体を予約設定し、該再放送の自動録画予約がユーザが設定した録画予約及び予約時間と一部重複する場合には予約録画に失敗した期間がユーザが設定した録画予約及び録画時間と重複しないときは以前録画に失敗した期間部分の録画を予約設定し、これらの予約設定を録画実行部に出力する重複予約判定部とを備えて構成されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係るデジタル放送受信機によれば、再放送判定部がメモリに記憶された予約録画に失敗した番組情報と番組情報解析部の番組情報を比較し、予約録画に失敗した番組の再放送に該当するか否かを判定し、重複予約判定部は、再放送判定部が判定した予約録画に失敗した番組の再放送の自動録画予約及び予約時間がユーザが設定した録画予約及び予約時間と重複しない場合は再放送全体を予約設定し、該再放送の自動録画予約がユーザが設定した録画予約及び予約時間と一部重複する場合には予約録画に失敗した期間がユーザが設定した録画予約及び録画時間と重複しないときは以前録画に失敗した期間部分の録画を予約設定し、これらの予約設定を録画実行部に出力するようにしたので、ユーザによる録画予約と再放送の録画予約が重複していても、以前録画に失敗した期間が重複していなければ再放送の録画予約はすべてがキャンセルされるのではなく、その失敗した期間を改めて録画予約に設定できることより、その期間がユーザにとって本当に視聴したい部分であった場合、録画予約のキャンセルによって再び見逃す心配がなくなるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
実施の形態1.
図1は本発明の実施形態に係るデジタル放送受信機の構成を示すブロック図、図2は同デジタル放送受信機の録画予約時に、正常に録画なかった期間の番組情報および時刻情報の抽出を示すフローチャート、図3は同デジタル放送受信機の再放送番組の録画予約設定を示すフローチャート、図4は同デジタル放送受信機の以前録画に失敗した期間のみ抜き出して再放送にて録画予約する動作を説明するためのタイムチャートである。
【0008】
図1において、デジタル放送受信機101は、EPG(Electric Program Guide:電子番組表)番組情報が付加された放送波を受信して番組情報を分離し、映像を出力するチューナ部102と、放送波から分離されたEPG番組情報を解析する番組情報解析部103と、予約録画が正常に行われているかどうか監視する予約録画監視部104と、予約録画に失敗した番組の情報と時刻情報が記憶されるメモリ105と、メモリ105にある番組情報と番組情報解析部103の番組情報を比較し、再放送に該当するかを判定する再放送判定部106と、重複した録画予約の設定時間を調整する重複予約判定部107と、デジタル放送受信機内又は外にある実際に録画を行う録画実行部108とを備えて構成されている。
【0009】
そして、チューナ部102から予約録画監視部104に受信レベル情報201が送られ、録画実行部108から録画装置情報202が送られる。
また、チューナ部102から番組情報解析部103に番組情報203が送られ、番組情報解析部103から予約録画監視部104へ番組情報204が送られ、番組情報解析部103から再放送判定部106に番組情報205が送られる。
【0010】
さらに、予約録画監視部104からメモリ105に予約録画失敗した番組情報と失敗時刻情報206が送られ、メモリ105から再放送判定部106に予約録画失敗した番組情報と失敗時刻情報207が送られる。
また、再放送判定部106から重複予約判定部107に再放送予約録画要求208が送られ、重複予約判定部107にはユーザより設定された録画予約209が送られ、重複予約判定部107から録画実行部108に予約録画実行要求210が送られ、チューナ部102から録画実行部108に映像・音声出力211が送られる。
【0011】
次に、本発明の実施の形態に係るデジタル放送受信機における録画予約時に、正常に録画なかった期間の番組情報および時刻情報の抽出を図2のフローチャートに基づいて説明する。
予約録画の実行中に(ステップS301)、予約録画監視部104はチューナ部102より取得する受信レベル情報201と、録画実行部110より取得する録画装置情報202とによって録画状態は良好かどうかを監視している(ステップS302)。
【0012】
そして、予約録画監視部104は受信レベルが低くなったり、録画装置に異常が発生したことにより録画が正常に行われていない、つまり失敗して録画状態が良好でないと判定した場合には、予約録画していた番組の番組情報204を番組情報解析部103より入手し、その番組情報および失敗した期間の時刻情報206をメモリ105へ記憶させる(ステップS303)。
また、予約録画監視部104は録画状態が良好であると判定した場合には、予約録画が終了したかどうかを判断し(ステップS304)、終了すれば終わりとなり、終了しなければ予約の終了時刻が来るまでS302、S303のステップが繰り返される。
【0013】
次に、録画に失敗した番組の再放送の自動予約録画設定動作について図3のフローチャートに基づいて説明する。
まず、再放送判定部106は番組情報解析部103より番組情報205を入手し(ステップS401)、メモリ105に記憶されている以前録画に失敗した番組情報および失敗した期間の時刻情報207と比較する(ステップS402)。
【0014】
そして、再放送判定部106が、同一番組の再放送であると判定した場合(ステップ403)、以前録画に失敗した期間の時刻情報を再放送の時刻に合わせて再設定し、その結果を番組情報と合わせて再放送予約録画要求208として重複予約判定部107へ送信する。
重複予約判定部107では、受け取った再放送予約録画要求208とユーザによって設定された録画予約209とを比較し、録画時間が重複していないか判定し(ステップ404)、重複していない場合は再放送の番組全体を録画予約に設定する(ステップ405)。
【0015】
受け取った再放送予約録画要求208とユーザによる録画予約209とが一部重複している場合は、重複予約判定部107は以前録画に失敗した期間の再設定された時刻情報とユーザによる録画予約209とを比較し(ステップ406)、その期間がユーザによる録画予約209と重複していない場合は、その失敗した期間のみを録画予約に設定する(ステップ407)。もし、その期間も重複していた場合は再放送を録画予約に設定すること自体をキャンセルとする(ステップ408)。
【0016】
次に、上述した以前録画に失敗した期間のみ再放送にて録画予約を設定する動作を図4のタイムチャートを用いて詳しく説明する。
図4において、Case1に示されるように、ユーザによる録画予約1、2の設定が再放送の自動録画予約設定と全く重複しない場合は、再放送は番組すべてを録画できるように録画予約を設定することができる。
【0017】
図4のCase2に示されるように、ユーザによる録画予約設定3と再放送の自動録画予約設定が一部重複してしまっている場合、再放送の自動録画予約のうちで、以前録画に失敗した期間1、2があるときに、以前録画に失敗した期間1はユーザによる録画予約設定3と重複しているため、ユーザによる録画予約設定3が優先されて以前録画に失敗した期間1を含むユーザによる録画予約設定3と重複している部分は再放送の録画予約の設定をすることができないが、以前録画に失敗した期間2はユーザによる録画予約設定3と重複していないため、以前録画に失敗した期間2のみを再放送の録画予約に設定する。
【0018】
また、図4のCase3に示されるように、Case2と同様にユーザによる録画予約設定3と再放送の自動録画予約設定が一部重複してしまっている場合、再放送の自動録画予約のうちで、以前録画に失敗した期間1、2があるときに、以前録画に失敗した期間2はユーザによる録画予約設定4と重複しているため、ユーザによる録画予約設定4が優先されて以前録画に失敗した期間1を含むユーザによる録画予約設定4と重複している部分は再放送の録画予約の設定をすることができないが、以前録画に失敗した期間1はユーザによる録画予約設定4と重複していないため、以前録画に失敗した期間1のみを再放送の録画予約に設定する。
【0019】
さらに、図4のCase4に示されるように、ユーザによる録画予約設定5と再放送の自動録画予約設定が重複してしまっており、さらに以前録画に失敗した期間1、2もすべて重複内に入ってしまっている場合は、再放送の録画予約自体をキャンセルとし、ユーザによる録画予約設定5が優先されることとなる。
【0020】
上述したように、この実施の形態によれば、再放送判定部106がメモリ105に記憶された予約録画に失敗した番組情報と番組情報解析部103の番組情報を比較し、予約録画に失敗した番組の再放送に該当するか否かを判定し、重複予約判定部107は、再放送判定部106が判定した予約録画に失敗した番組の再放送の自動録画予約及び予約時間がユーザが設定した録画予約及び予約時間と重複しない場合は再放送全体を予約設定し、該再放送の自動録画予約がユーザが設定した録画予約及び予約時間と一部重複する場合には予約録画に失敗した期間がユーザが設定した録画予約及び録画時間と重複しないときは以前録画に失敗した期間部分の録画を予約設定し、これらの予約設定を録画実行部108に出力し、予約録画に失敗した期間がユーザが設定した録画予約及び録画時間と重複するときには再放送の予約録画をキャンセルするようにしたので、ユーザによる録画予約と再放送の録画予約と重複し、以前録画に失敗した複数の期間もすべて重複内に入ってしまっている場合は、再放送の録画予約自体をキャンセルとし、ユーザによる録画予約設定が優先されるが、ユーザによる録画予約と再放送の録画予約とが一部重複している場合には、依然録画に失敗した機関が重複していなければ、再放送の録画予約はすべてキャンセルされるのではなく、その失敗した期間を改めて録画予約に設定できるため、その期間がユーザにとって本当に視聴したい部分であった場合、ユーザによる録画予約による録画予約のキャンセルによって再び見逃すという心配がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態のデジタル放送受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】同デジタル放送受信機の録画予約時に、正常に録画なかった期間の番組情報および時刻情報の抽出を示すフローチャートである。
【図3】同デジタル放送受信機の再放送番組の録画予約設定を示すフローチャートである。
【図4】同デジタル放送受信機の以前録画に失敗した期間のみ抜き出して再放送にて録画予約する動作を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
【0022】
101 デジタル放送受信機全体、102 チューナ部、103 番組情報解析部、104 予約録画監視部、105 メモリ、106 再放送判定部、107 重複予約判定部、108 録画実行部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EPG番組情報が付加された放送波を受信して番組情報を分離し、映像を出力するチューナ部と、
チューナ部から出力された映像を録画する録画実行部と、
チューナ部の放送波から分離されたEPG番組情報を解析する番組情報解析部と、
予約録画が正常に行われているかどうか監視する予約録画監視部と、
予約録画監視部からの予約録画に失敗した番組情報と時刻情報を記憶するメモリと、
メモリに記憶された予約録画に失敗した番組情報と番組情報解析部の番組情報を比較し、予約録画に失敗した番組の再放送に該当するか否かを判定する再放送判定部と、
再放送判定部が判定した予約録画に失敗した番組の再放送の自動録画予約及び予約時間がユーザが設定した録画予約及び予約時間と重複しない場合は再放送全体を予約設定し、該再放送の自動録画予約がユーザが設定した録画予約及び予約時間と一部重複する場合には予約録画に失敗した期間がユーザが設定した録画予約及び録画時間と重複しないときは以前録画に失敗した期間部分の録画を予約設定し、これらの予約設定を録画実行部に出力する重複予約判定部と、
を備えたことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項2】
前記重複予約判定部は、前記再放送の自動録画予約がユーザが設定した録画予約及び予約時間と一部重複する場合に、予約録画に失敗した期間がユーザが設定した録画予約及び録画時間に重複するときには再放送の予約録画をキャンセルすることを特徴とする請求項1記載のデジタル放送受信機。
【請求項3】
前記重複予約判定部は、予約録画に失敗した期間が大小複数箇所ある場合に、ユーザが設定した録画予約及び録画時間に含まれない箇所のすべての録画の予約設定を録画実行部に出力することを特徴とする請求項1又は2記載のデジタル放送受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−25078(P2006−25078A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200271(P2004−200271)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】