説明

デジタル放送受信装置

【課題】音量を実際に自動調整する調整部を設けなくても、ユーザが音量調整を行う手間を低減することができるデジタル放送受信装置を提供する。
【解決手段】デジタル放送受信装置は、受信したデジタル放送のトランスポートストリームに含まれる圧縮デジタル音声信号を伸長して出力する第1音声デコーダ(例えば音声デコーダ103)と、少なくとも前記第1音声デコーダから出力されるデジタル音声信号をエンコードするエンコーダ(例えばエンコーダ105)と、前記エンコーダから出力される圧縮デジタル音声信号をデコードする第2音声デコーダ(例えば音声デコーダ106)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送を受信するデジタル放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送を受信するデジタル放送受信装置は、受信したデジタル放送のトランスポートストリームを処理する映像音声処理部を備えている。ここで、従来のデジタル放送受信装置が備える映像音声処理部の概略構成例を図9に示す。
【0003】
図9に示す映像音声処理部は、受信したデジタル放送のトランスポートストリームを圧縮デジタル映像信号、圧縮デジタル音声信号等に分離する分離部201と、分離部201から送られてくる圧縮デジタル映像信号を伸長して出力する映像デコーダ202と、分離部201から送られてくる圧縮デジタル音声信号を伸長して出力する音声デコーダ203と、映像デコーダ202から出力されるデジタル映像信号をD/A変換してアナログ映像信号を出力する映像D/Aコンバータ204と、音声デコーダ203から出力されるデジタル音声信号であるPCM(pulse code modulation)デジタル音声信号をD/A変換してアナログ音声信号を出力する音声D/Aコンバータ205とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−41144号公報
【特許文献2】特開2002−112173号公報
【特許文献3】特開2009−49474号公報(段落0006及び0031)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図9に示す映像音声処理部からは、放送局側が意図したレベルのままのアナログ音声信号が出力されることになる。
【0006】
一方、放送のデジタル化に伴い、多チャンネル化や高ダイナミックレンジ化の傾向にあり、異なる放送番組間、異なるチャンネル間、放送番組の本編とコマーシャル(以下、CMともいう)との間等で音量差が大きくなることがある。放送局側が意図したレベルのままのアナログ音声信号が映像音声処理部から出力されるにもかかわらず、このような大きな音量差が頻繁に生じると、ユーザはこまめに音量調整を行うことを強いられることになり、ユーザにとって不便である。
【0007】
ここで、特許文献1では、ネットワーク経由で圧縮されたコンテンツを受信し、受信した前記コンテンツをストレージ手段に記録するコンテンツ記録装置であって、前記コンテンツをデコードするデコード手段と、該デコード手段によってデコードされた前記コンテンツの音量を設定されている基準音量レベルに調整する音量レベル調整手段と、該音量レベル調整手段によって前記基準音量レベルに調整された前記コンテンツを設定されている基準圧縮率でエンコードするエンコード手段と具備し、前記エンコード手段によって前記基準圧縮率でエンコードされた前記コンテンツを前記ストレージ手段に記録することを特徴とするコンテンツ記録装置が提案されている。
【0008】
また、特許文献2では、入力される音声信号を記録媒体に記録再生可能な記録再生装置であって、入力される音声信号に対して出力する音声信号の音量を可変可能な音量可変手段と、入力される音声信号がコマーシャル信号であることを検出する検出手段と、前記検出手段でコマーシャル信号を検出した場合前記音量可変手段に対して音声信号の音量を可変するよう制御する音声制御手段とを備えたことを特徴とする記録再生装置が提案されている。
【0009】
特許文献1や特許文献2において提案されている装置では、音量を実際に自動調整することでユーザが音量調整を行う手間を低減することができるが、音量を実際に自動調整する調整部を必須としているため、構成上の制約がある。
【0010】
なお、特許文献3で提案されているシーンの重要度に応じてビットレートを調節することができる情報処理装置は、例えば、歓声の音量を検出し、歓声の音量の割合によって、評価値を設定している場合、歓声の音量を検出する音量検出部が設けられることになるため、音量に関連する発明になるが、ユーザが音量調整を行う手間を低減することができるものではない。
【0011】
本発明は、上記の状況に鑑み、音量を実際に自動調整する調整部を設けなくても、ユーザが音量調整を行う手間を低減することができるデジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明に係るデジタル放送受信装置は、受信したデジタル放送のトランスポートストリームに含まれる圧縮デジタル音声信号を伸長して出力する第1音声デコーダと、少なくとも前記第1音声デコーダから出力されるデジタル音声信号をエンコードするエンコーダと、前記エンコーダから出力される圧縮デジタル音声信号をデコードする第2音声デコーダとを備える構成とする。
【0013】
また、前記第2音声デコーダから出力されるデジタル音声信号をD/A変換してアナログ音声信号を出力する音声D/Aコンバータを備えるようにしてもよい。
【0014】
また、前記エンコーダが、音声エンコードのビットレートを変更することができるエンコーダであってもよい。この場合、放送番組の本編からコマーシャルへの切り替わりが検出され、かつ、前記本編と前記コマーシャルとの音量差が閾値以上である場合、前記エンコーダが、音声エンコードのビットレートを変更前よりも変更後の方が小さくなるように変更すればよい。
【0015】
また、前記エンコーダ及び前記第2音声デコーダをバイパスするバイパス経路を備えてもよい。この場合、放送番組の本編からコマーシャルへの切り替わりが検出され、かつ、前記本編と前記コマーシャルとの音量差が閾値以上である場合、前記バイパス経路が、使用状態から不使用状態に切り替わるようにすればよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るデジタル放送受信装置は、上述の通り、受信したデジタル放送のトランスポートストリームに含まれる圧縮デジタル音声信号を伸長して出力する第1音声デコーダと、少なくとも前記第1音声デコーダから出力されるデジタル音声信号をエンコードするエンコーダと、前記エンコーダから出力される圧縮デジタル音声信号をデコードする第2音声デコーダとを備える構成である。
【0017】
このような構成によると、前記エンコーダの音声エンコードに伴う品質劣化によって、最終的に得られるアナログ音声信号の音質が悪くなり、ユーザにとって聞き取りにくくなるため、ユーザに音量が下がったと錯覚させることができる。すなわち、音量を実際に下げることなく、擬似的に音量を下げることが可能となる。したがって、音量を実際に自動調整する調整部を設けなくても、ユーザが音量調整を行う手間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るHDD搭載光ディスクレコーダの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るHDD搭載光ディスクレコーダが備える映像音声処理部の概略構成例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るHDD搭載光ディスクレコーダが備える映像音声処理部の他の概略構成例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るHDD搭載光ディスクレコーダが備える映像音声処理部の更に他の概略構成例を示す図である。
【図5】映像音声処理部の動作例を示すフローチャートである。
【図6】映像音声処理部の他の動作例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係るHDD搭載光ディスクレコーダが備えるバイパス経路を有する映像音声処理部の概略構成例を示す図である。
【図8】バイパス経路を有する映像音声処理部の動作例を示すフローチャートである。
【図9】従来のデジタル放送受信装置が備える映像音声処理部の概略構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。ここでは、本発明に係るデジタル放送受信装置としてHDD(Hard Disk Drive)搭載光ディスクレコーダを例に挙げて説明を行う。
【0020】
本発明の一実施形態に係るHDD搭載レコーダの概略構成を図1に示す。図1に示す本発明の一実施形態に係るHDD搭載光ディスクレコーダ100(以下、「HDD搭載光ディスクレコーダ100」と略す)は、デジタルチューナ1と、映像音声処理部2と、OSD(On Screen Display)部3と、出力部4と、HDD記録再生部5と、光ディスク記録再生部6と、制御部7と、不揮発性メモリ8と、受光部9と、本体操作キー群10とを備えている。
【0021】
デジタルチューナ1は、アンテナANTから受け取ったテレビ放送信号の選局及び復調(例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調)を行う。映像音声処理部2は、デジタルチューナ1から受け取ったトランスポートストリームに含まれる映像音声信号又はHDD記録再生部5若しくは光ディスク記録再生部6で再生された映像音声信号を信号処理してから出力部4に送ったり、デジタルチューナ1から受け取ったトランスポートストリームに含まれる映像音声信号をHDD記録再生部5又は光ディスク記録再生部6に送ったりする。OSD部3は、制御部7からの指示に基づいて生成したOSD画像データを出力部4に送る。出力部4は、映像音声処理部2から受け取ったアナログ映像信号とOSD部3から受け取ったOSD画像データとを合成した合成映像信号を外部に出力したり、上記合成処理を行わず映像音声処理部2から受け取ったアナログ映像信号をそのまま外部に出力したり、上記合成処理を行わずOSD部3から受け取ったOSD画像データをそのまま外部に出力したり、映像音声処理部2から受け取ったアナログ音声信号を外部に出力したりする。出力部4の出力信号は、HDD搭載光ディスクレコーダ100に接続されるテレビ受像機(不図示)に送出される。HDD搭載光ディスクレコーダ100に接続されるテレビ受像機は、出力部4の出力信号に基づく映像表示および音声出力を行う。
【0022】
HDD記録再生部5は、映像音声処理部2から受け取った映像音声信号をハードディスクに記録したり、ハードディスクに記録されている映像音声信号を再生したりする。また、光ディスク記録再生部6は、映像音声処理部2から受け取った映像音声信号を光ディスクに記録したり、光ディスクに記録されている映像音声信号を再生したりする。なお、光ディスクは、光ディスク記録再生部6に対して着脱自在に装着される。
【0023】
受光部9は、リモコン送信機(不図示)から送信されたリモコン赤外線信号を受光して電気信号に変換し、さらにその電気信号から操作コードを抽出して制御部7に出力する。制御部7は、不揮発性メモリ8に格納されている制御プログラム及び各種設定(例えば、各操作コードと各機能との対応関係を示すデータテーブル等)と、受光部9から受け取った操作コードと、複数の本体キーを有する本体操作キー群10から出力される信号によって定まる操作コードとに応じて、HDD搭載光ディスクレコーダ100の各部を制御する。
【0024】
次に、HDD搭載光ディスクレコーダ100が備える映像音声処理部2は、例えば、図2に示す構成や図3に示す構成にする。
【0025】
図2に示す構成では、映像音声処理部2は、受信したデジタル放送のトランスポートストリームを圧縮デジタル映像信号、圧縮デジタル音声信号等に分離する分離部101と、分離部101から送られてくる圧縮デジタル映像信号を伸長して出力する映像デコーダ102と、分離部101から送られてくる圧縮デジタル音声信号を伸長して出力する音声デコーダ103と、映像デコーダ102から出力されるデジタル映像信号をD/A変換してアナログ映像信号を出力する映像D/Aコンバータ104と、音声デコーダ103から出力されるデジタル音声信号であるPCMデジタル音声信号をエンコードするエンコーダ105と、エンコーダ105から出力される圧縮デジタル音声信号をデコードする音声デコーダ106と、音声デコーダ106から出力されるデジタル音声信号であるPCMデジタル音声信号をD/A変換してアナログ音声信号を出力する音声D/Aコンバータ107とを備えている。なお、エンコーダ105は、エンコードのビットレートを変更することができるエンコーダである。
【0026】
また、図3に示す構成は、図2に示す構成においてエンコーダ105の代わりに、映像デコーダ102から出力されるデジタル映像信号及び音声デコーダ103から出力されるデジタル音声信号をエンコードするエンコーダ108を設け、更にエンコーダ108と映像D/Aコンバータ104の間に映像デコーダ109を設け、エンコーダ108と音声D/Aコンバータ107の間に音声デコーダ110を設けた構成である。したがって、図3に示す構成では、エンコーダ108が、映像デコーダ102から出力されるデジタル映像信号及び音声デコーダ103から出力されるデジタル音声信号をエンコードし、映像デコーダ109が、エンコーダ108から出力される圧縮デジタル映像信号をデコードし、音声デコーダ110が、エンコーダ108から出力される圧縮デジタル音声信号をデコードし、映像D/Aコンバータ104が、映像デコーダ109から出力されるデジタル映像信号をD/A変換してアナログ映像信号を出力し、音声D/Aコンバータ107が、音声デコーダ110から出力されるデジタル音声信号であるPCMデジタル音声信号をD/A変換してアナログ音声信号を出力することになる。エンコーダ108は、音声エンコードのビットレートを変更することができるエンコーダである。
【0027】
図3に示す構成では、エンコーダ108が映像信号と音声信号とを同期して処理するために、アナログ映像信号とアナログ音声信号とにずれが生じない。これに対して、図2に示す構成では、エンコーダ105及び音声デコーダ106の処理時間が長ければ、アナログ映像信号に対してアナログ音声信号が遅れることになる。したがって、エンコーダ105及び音声デコーダ106の処理時間が長い場合等には、例えば図4に示す構成のように、映像デコーダ102と映像D/Aコンバータ104の間に遅延回路111を設けるようにすればよい。
【0028】
次に、映像音声処理部2の動作例について図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0029】
映像音声処理部2の動作開始時には、映像音声処理部2の各部が動作を開始する(ステップS10)。ステップS10に続くステップS20において、放送番組(デジタルチューナ1から送られてくるものに限らず、例えばHDD記録再生部5や光ディスク記録再生部6によって再生された放送番組も含む)の本編とCMとの切り替わりが検出され、かつ、本編とCMとの音量差が閾値以上であるか否かが判定される。判定の主体は、例えば、映像音声処理部2から出力される情報に基づき当該判定を行って判定結果を映像音声処理部2に送る制御部7としてもよく、映像音声処理部2に配置され映像音声処理部2全体を制御する制御部(不図示)としてもよい。なお、本編とCMとの切り替わりの検出方法としては、例えば音声デコーダから出力される音声信号を用いて音量を検知し、音量が大きい期間をCMととし、音量が小さい期間を本編とする検出方法が挙げられる。
【0030】
放送番組の本編とCMとの切り替わりが検出されない場合、又は、放送番組の本編とCMとの切り替わりは検出されたが本編とCMとの音量差が閾値未満である場合(ステップS20のNO)、ステップS20に戻り、上記の判定を継続する。
【0031】
一方、放送番組の本編とCMとの切り替わりが検出され、かつ、本編とCMとの音量差が閾値以上である場合(ステップS20のYES)、エンコーダ105あるいは108のエンコードを一時停止する(ステップS30)。このような一時停止動作が入るため、必要に応じてエンコーダ105あるいは108の前段にバッファメモリ等を設けるようにしてもよい。
【0032】
ステップS30に続くステップS40において、エンコーダ105あるいは108は音声エンコードのビットレートを変更する。本編からCMに切り替わったときは音声エンコードのビットレートを変更前よりも変更後の方が小さくなるようにし、CMから本編に切り替わったときは音声エンコードのビットレートを変更前よりも変更後の方が大きくなるようにする。
【0033】
ステップS40に続くステップS50において、エンコーダ105あるいは108のエンコードを再開し、その後ステップS20に戻り、上記の判定を継続する。
【0034】
エンコーダ105あるいは108において音声エンコードのビットレートを小さくした場合、その後デコードして得られるアナログ音声信号の音質が悪くなり、ユーザにとって聞き取りにくくなるため、ユーザに音量が下がったと錯覚させることができる。すなわち、エンコーダ105あるいは108において音声エンコードのビットレートを小さくすることによって、音量を実際に下げることなく、擬似的に音量を下げることが可能となる。
【0035】
なお、放送番組の本編とCMとの間だけでなく、異なる放送番組間、異なるチャンネル間、異なるコンテンツのソース間(例えば、非外部入力系統と外部入力系統との間、地上デジタル放送と衛星デジタル放送との間など)においても、音量差が大きくなる場合がある。このため、映像音声処理部2が例えば図6に示す動作を行うようにしてもよい。なお、図6に示すフローチャートでは、図5に示すフローチャートにステップS21〜S23を追加している。
【0036】
図6に示すフローチャートでは、放送番組の本編とCMとの切り替わりが検出されない場合、又は、放送番組の本編とCMとの切り替わりは検出されたが本編とCMとの音量差が閾値未満である場合(ステップS20のNO)、ステップS21に移行する。放送番組の本編とCMとの切り替わりが検出され、かつ、本編とCMとの音量差が閾値以上である場合(ステップS20のYES)、図5に示すフローチャートと同様に、ステップS30に移行する。
【0037】
ステップS21では、或る放送番組からそれとは別の放送番組への切り替わりが検出され、かつ、或る放送番組とそれとは別の放送番組との音量差が閾値以上であるか否かが判定される。なお、ステップS21の判定の主体は、例えば、EPG等を用いて当該判定を行って判定結果を映像音声処理部2に送る制御部7とすればよい。
【0038】
或る放送番組からそれとは別の放送番組への切り替わりが検出されない場合、又は、或る放送番組からそれとは別の放送番組への切り替わりは検出されたが或る放送番組とそれとは別の放送番組との音量差が閾値未満である場合(ステップS21のNO)、ステップS22に移行する。一方、或る放送番組からそれとは別の放送番組への切り替わりが検出され、かつ、或る放送番組とそれとは別の放送番組との音量差が閾値以上である場合(ステップS21のYES)、ステップS30に移行する。
【0039】
ステップS22では、或るチャンネルからそれとは別のチャンネルへの切り替わりが検出され、かつ、或るチャンネルとそれとは別のチャンネルとの音量差が閾値以上であるか否かが判定される。なお、ステップS22の判定の主体は、例えば、把握している選局状態から当該判定を行って判定結果を映像音声処理部2に送る制御部7とすればよい。
【0040】
或るチャンネルからそれとは別のチャンネルへの切り替わりが検出されない場合、又は、或るチャンネルからそれとは別のチャンネルへの切り替わりは検出されたが或るチャンネルとそれとは別のチャンネルとの音量差が閾値未満である場合(ステップS22のNO)、ステップS23に移行する。一方、或るチャンネルからそれとは別のチャンネルへの切り替わりが検出され、かつ、或るチャンネルとそれとは別のチャンネルとの音量差が閾値以上である場合(ステップS22のYES)、ステップS30に移行する。
【0041】
ステップS23では、或るコンテンツのソースからそれとは別のコンテンツのソースへの切り替わりが検出され、かつ、或るコンテンツのソースとそれとは別のコンテンツのソースとの音量差が閾値以上であるか否かが判定される。なお、ステップS23の判定の主体は、例えば、把握しているコンテンツのソースから当該判定を行って判定結果を映像音声処理部2に送る制御部7とすればよい。
【0042】
或るコンテンツのソースからそれとは別のコンテンツのソースへの切り替わりが検出されない場合、又は、或るコンテンツのソースからそれとは別のコンテンツのソースへの切り替わりは検出されたが或るコンテンツのソースとそれとは別のコンテンツのソースとの音量差が閾値未満である場合(ステップS23のNO)、ステップS20に戻る。一方、或るコンテンツのソースからそれとは別のコンテンツのソースへの切り替わりが検出され、かつ、或るコンテンツのソースとそれとは別のコンテンツのソースとの音量差が閾値以上である場合(ステップS23のYES)、ステップS30に移行する。
【0043】
次に、バイパス経路を有する映像音声処理部2について説明する。上述した映像音声処理部2(図2〜図4参照)はバイパス経路を有さない構成であるが、例えば図7に示すようにバイパス経路112を有する構成にすることも可能である。図7に示す映像音声処理部2は、図2に示す構成に、バイパス経路112と、スイッチ113及び114とを追加した構成である。スイッチ113はエンコーダ105とバイパス経路112を択一的に選択し、選択した方に音声デコーダ103から出力されるPCMデジタル音声信号を供給する。スイッチ114は音声デコーダ106とバイパス経路112を択一的に選択し、選択した方から出力されるPCMデジタル音声信号を音声D/Aコンバータ107に供給する。なお、図7に示す構成では、エンコーダ105は、音声エンコードのビットレートを変更することができなくても構わない。
【0044】
次に、バイパス経路を有する映像音声処理部2である図7に示す映像音声処理部2の動作例について図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0045】
ステップS10及びS20については図5に示すフローチャートと同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0046】
放送番組の本編とCMとの切り替わりが検出されない場合、又は、放送番組の本編とCMとの切り替わりは検出されたが本編とCMとの音量差が閾値未満である場合(ステップS20のNO)、ステップS20に戻る。
【0047】
一方、放送番組の本編とCMとの切り替わりが検出され、かつ、本編とCMとの音量差が閾値以上である場合(ステップS20のYES)、スイッチ113及び114が選択の切り替えを行い(ステップS31)、その後ステップS20に戻る。放送番組の本編からCMに切り替わる場合、スイッチ113はバイパス経路112からエンコーダ105に選択を切り替え、スイッチ114はバイパス経路112から音声デコーダ106に選択を切り替える。逆に、放送番組のCMから本編に切り替わる場合、スイッチ113はエンコーダ105からバイパス経路112に選択を切り替え、スイッチ114は音声デコーダ106からバイパス経路112に選択を切り替える。
【0048】
スイッチ113及び114が、バイパス経路112を選択していない場合、エンコーダ105の音声エンコードに伴う品質劣化によってアナログ音声信号の音質が悪くなり、ユーザにとって聞き取りにくくなるため、ユーザに音量が下がったと錯覚させることができる。すなわち、音量を実際に下げることなく、擬似的に音量を下げることが可能となる。
【0049】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実行することができる。
【0050】
例えば、図2から図7への変形と同様の変形を図3や図4に対しても行うことができる。また、図5から図6への変形と同様の変形を図8に対しても行うことができる。また、図6からステップS21〜S23のいずれか一つあるいはいずれか二つを取り除くことも可能である。
【0051】
また、HDD搭載光ディスクレコーダ自体は映像D/Aコンバータや音声D/Aコンバータを備えず、HDD搭載光ディスクレコーダの出力端に接続される機器が映像D/Aコンバータや音声D/Aコンバータを備えるようにしてもよい。
【0052】
また、本発明は、HDD搭載光ディスクレコーダ以外のデジタル放送受信装置(例えばテレビ受像機)にも適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 デジタルチューナ
2 映像音声処理部
3 OSD部
4 出力部
5 HDD記録再生部
6 光ディスク記録再生部
7 制御部
8 不揮発性メモリ
9 受光部
10 本体操作キー群
101、201 分離部
102、109、202 映像デコーダ
103、106、110、203 音声デコーダ
104、204 映像D/Aコンバータ
105、108 エンコーダ
107、205 音声D/Aコンバータ
111 遅延回路
112 バイパス経路
113、114 スイッチ
ANT アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したデジタル放送のトランスポートストリームに含まれる圧縮デジタル音声信号を伸長して出力する第1音声デコーダと、
少なくとも前記第1音声デコーダから出力されるデジタル音声信号をエンコードするエンコーダと、
前記エンコーダから出力される圧縮デジタル音声信号をデコードする第2音声デコーダとを備えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記第2音声デコーダから出力されるデジタル音声信号をD/A変換してアナログ音声信号を出力する音声D/Aコンバータを備えることを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記エンコーダが、音声エンコードのビットレートを変更することができるエンコーダであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
放送番組の本編からコマーシャルへの切り替わりが検出され、かつ、前記本編と前記コマーシャルとの音量差が閾値以上である場合、前記エンコーダが、音声エンコードのビットレートを変更前よりも変更後の方が小さくなるように変更することを特徴とする請求項3に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
前記エンコーダ及び前記第2音声デコーダをバイパスするバイパス経路を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項6】
放送番組の本編からコマーシャルへの切り替わりが検出され、かつ、前記本編と前記コマーシャルとの音量差が閾値以上である場合、前記バイパス経路が、使用状態から不使用状態に切り替わることを特徴とする請求項5に記載のデジタル放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−41197(P2013−41197A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179396(P2011−179396)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】