説明

デスク

【課題】運搬や移動を行なう作業を安定して行ない得るデスクを提供する。
【解決手段】デスク1は、支持アームの下縁の形状を凹ませることにより使用者に把持させるための持ち手部56を設けてなる。この持ち手部56は、天板4の両側且つ前後方向の重心に合致する位置に形成されている。これにより、持ち手部56をそれぞれ両手で掴んだ使用者がデスク1を持ち上げる場合、バランスが殆どくずれず、言い換えれば殆どふらつかずにデスク1を持ち上げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学校やオフィス等で好適に利用されるデスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、学校やオフィスにおいて、使用者が容易に移動させることができるデスクが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなデスクは、特に学校等の教育機関においては、いわゆる講義机として、好適に用いられている。これらのデスクを主に使用する学生等は、授業や作業の状況や形態に応じて、これらデスクを所望の位置へ持ち運んで使用する事が多い。そのため、これらのデスクは近年、使用者の容易な持ち運びに供するよう、これまで以上に軽量化が図られてきているのが現状である。
【0003】
しかしこれまで学校等で用いられてきたデスクにあっては、持ち運ぶ際に掴んだ位置によっては使用者の予想よりも大きな負担が掛かってしまうという場合もあった。つまり、上述のようにデスクを軽量化したとしても、使用者にとっての運搬のし易さには必ずしも直結していないということになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3114585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した点に着目したものであり、使用者にとっての持ち運びのし易さを有効に向上させたデスクを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0007】
すなわち本発明に係るデスクは、天板と、天板の下面を支持するとともに下方から脚体に支持される天板支持アームとを有するデスクであって、支持アームの下縁の一部を天板下面側へ凹ませることにより使用者に把持させるための持ち手部を設けてなることを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、使用者がデスクを手で持ち上げるなどして移動させる際には、自然と持ち手部を掴むよう促されることとなる。そのため、使用者はそれぞれ異なった箇所を掴んで様々な姿勢で運搬や移動を行なうということを有効に回避し、どのデスクも同じ体制で運ぶよう促されることになる。その結果、運搬や移動を行なう作業を安定して行ない得るものとなる。
【0009】
使用者が天板の上側から手を回わすことで、簡単に持つことができる具体的な態様としては、持ち手部を、天板の側縁部近傍に位置付けておくことが望ましい。
【0010】
加えて、持ち手部の周囲を隆起させて形成した隆起部を設けておけば、使用者は持ち手部を直接見なくとも、手探りでも持ち手部を容易に認識することができる。
【0011】
また、デスクとしての強度と持ち手部の持ちやすさとを有効に両立させるためには、天板支持アームが天板に取付けられるアーム本体と、このアーム本体を下方から被覆するカバーとを有するものとし、このカバーに持ち手部を形成することが望ましい。
【0012】
そして、デスクの前記アーム本体の基端部と前記脚体の上端部とを接続させているものである場合、アーム本体と脚支柱との接続箇所がアーム本体の基端部に現れるが、カバーが、このアーム本体と前記脚支柱との接続箇所の少なくとも一部を隠蔽し得る接続部隠蔽部を有しているものとすれば、接続箇所の設計を容易にすることができる。また、見栄えを良くするための後加工処理を簡便化することができる。
【0013】
特にこの接続部隠蔽部を、アーム本体の表面と脚体との表面とに連続する湾曲形状をなすものとすれば、持ち手部を持とうとする場合に脚支柱からも持ち手部へスムーズに手を案内することができるとともに、脚支柱と支持アームとの見た目上の一体感を惹起することができる。
【0014】
アーム本体に対するカバーの取付強度を有効に向上させるための具体的な構成として、アーム本体を水平壁を天板に密着させこの水平壁の両側から対をなす立壁を下方に垂下させた断面視コの字状のものとし、カバーを、立壁の内側面に密着または近接する添設壁と、アーム本体を下方から被覆する被覆板とを有するものとすることが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、使用者がデスクを手で持ち上げるなどして移動させる際には、自然と持ち手部を掴むよう促されることとなる。その結果、運搬や移動を行なう作業を安定して行ない得るデスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るデスクの斜視図。
【図2】同実施形態に係る背面図。
【図3】同正面図。
【図4】同側面図。
【図5】同実施形態に係る要部の外観図。
【図6】同構成説明図。
【図7】同実施形態に係る他の構成説明図。
【図8】同実施形態に係る要部の外観図。
【図9】同構成説明図。
【図10】同上。
【図11】同実施形態に係る作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態に係る家具であるデスク1は、例えば大学をはじめとする教育機関や施設に好適に利用されるものである。特に教育機関では、いわゆる「講義机」として利用されるものである。
【0019】
デスク1は、天板支持アーム5に天板4を支持させてなる家具本体たるデスク本体2と、この天板支持アーム5を支持している脚体3とを有するものである。この脚体3は、天板支持アーム5に溶接継手であるアーム接続部71を介して剛結されることにより当該天板支持アーム5を支持している脚支柱7と、脚支柱7の下端側で、同じく溶接継手であるアーム接続部72を介して剛結することで当該脚支柱7の起立状態を維持するための脚ベース8とを有している。脚支柱7は、金属製のパイプ材からなり、その断面視形状は前後方向に長い略楕円形状をなしている。本実施形態では、脚支柱7の上端部において天板支持アーム5の基端部(小口)を脚支柱7の表面側から当接させアーム接続部71を介して接続している。天板支持アーム5と脚支柱7とは鈍角をなすように接続される。また、天板支持アーム5と脚支柱7は互いに異なる断面形状を成している。
【0020】
また本実施形態では図2に一部示すように、脚支柱7間に架設される幕板9の形状をスチール板タイプの通常のものから、軽量な半透明の樹脂製幕板9aとを交換し得るものとなっている。また図示しないが、当該デスク1は、これら天板4、脚体3並びに幕板9の色を適宜選択することにより、このデスク1を導入する空間の色合いに応じたデスク1として、空間全体としての見た目の統一感を持たせ得るものとなっている。
【0021】
ここで、本実施形態に係るデスク1は、支持アームの下縁の一部を天板下面側へ凹ませることにより使用者に把持させるための持ち手部56を設けてなることを特徴としているものである。
【0022】
以下、斯かるデスク1の構成について、図1ないし図11を参照して具体的に説明する。
【0023】
天板4は、図1ないし図4に示すように、本実施形態では一人の使用者が使用するに足る寸法をなす矩形状のものとし、裏(下)面側において側縁4bに沿って、一対の天板支持アーム5を取付けるためのアーム取付部41とこのアーム取付部41間には天板4の下方に使用者の荷物を収納するための荷物収納棚6を取付けるための棚取付部42とを形成したものとしている。当該天板4はまた、上面並びに側面側を汚れが付着し難くなるような、図示しない表面加工を施したものとなっている。
【0024】
天板支持アーム5は、天板4の両方の側縁1b近傍に、アーム取付部41を介して例えばねじ止めにより取付けられたものである。そして天板支持アーム5は、天板4に直接取付けられるアーム本体50と、このアーム本体50を下方から被覆するカバーたるアームカバー51と、アーム本体50に取付けられ、天板支持アーム5下方に使用者の鞄等を懸吊・保持するためのフック52とを有している。
【0025】
フック52は、本実施形態では例えば半透明の樹脂素材からなるものを、アーム本体50のフック取付部54にねじ止めされてなるものである。勿論、当該フック52の具体的な形状並びに材質は、既存の種々のものを適用し得るので、本実施形態では具体的な説明を省略するものとする。
【0026】
アーム本体50は、例えば板金材の折り曲げによってなる断面視コの字状のもので、天板4の裏面に密着する水平壁50aと、この水平壁50aの両端から垂下した対をなす立壁50bとを主体としたものであり、脚支柱7に溶接されている基端側の一部に立壁50bを上方に若干寸法凹ませた凹部50cを形成しているとともに、先端縁は下端から傾斜させながら水平壁50aに連続するように構成している。そしてこのアーム本体50は、水平壁50aにねじを挿通させるための開口を設けることによってなる天板取付部53と、内側の立壁50bにおける前後方向中間部分に複数のねじ孔を設けることによりこれらねじ孔にフック52を固定するためのフック取付部54と、両方の立壁50bを利用してアームカバー51を固定するためのカバー取付部55とを有している。このカバー取付部55は凹部50cを構成する立壁50bをそれぞれ2箇所ずつ計4箇所開口させた取付孔551からなるものであり、アームカバー51に設けられた後述する取付突起59を受け入れることで、アームカバー51を確実に位置決めする。
【0027】
アームカバー51は、アーム本体50の立壁50bの内側面にそれぞれ密着または近接する添設壁51aと、アーム本体50を下方から被覆する被覆板51bとを有した構成をなしており、この対をなす添設壁51aがアームの立壁50b間に位置することにより、アームカバー51のアーム本体50に対する幅方向でのがたつき無い取付けを実現している。そしてアームカバー51の先端部では添設壁51aを連結する連結リブ51cが形成されている。またこの連結リブ51cは、被覆板51bの先端部から一定距離を経て複数(本実施形態では2箇所)形成されている。これにより、アームカバー51は半透明の樹脂素材を用いてはいても、当該アームカバー51を取付けた状態では先端縁50d側からのぞき込んでも天板取付部53、フック52取付部に供されるねじ等が視認視得ずに好適に隠蔽されるものとなっている。
【0028】
そしてこのアームカバー51は、基端側において他の箇所よりも上方へ、つまりの天板4に近くなるように凹ませて形成されている持ち手部56と、持ち手部56の周囲を隆起させて形成した隆起部57と、持ち手部56よりもさらに基端側に形成された接続部隠蔽部たる湾曲隠蔽部58と、持ち手部56の内側に4箇所において形成された内方へ突出させた取付突起59とを有している。隆起部57は、持ち手部56の周囲、具体的には持ち手部56の側方並びに先端側の樹脂すなわち被覆板51bの部分を隆起させることにより、この隆起部57に囲まれた箇所を使用者に容易に認識させ得るようにしている。湾曲隠蔽部58は、溶接継手であるアーム接続部71の特に隅部を隠蔽しながら、脚支柱7の上端側とアーム本体50の基端側をカバーするものであり、脚支柱7の表面に密着した端部から湾曲させながらアーム本体50に密着させる形状をとるものである。これにより、アームカバー51を取付けた状態では天板支持アーム5と脚支柱7とが滑らかに連続する外形をなすように形成される。
【0029】
しかして本実施形態に係るデスク1は、アームカバー51の被覆板51bを一部上方へ凹ませることにより持ち手部56を構成している。この持ち手部56は、天板4下方における両方の側縁1b且つ反使用端近傍にそれぞれ形成される。そのため、使用者が持ち手部56を持つ場合には、天板4の上方から手を回し、掌の部分を天板4の上面に置いた状態から下方に指を伸ばして、親指以外の四指で持ち手部56を掴むことができる。こうすることで使用者は手全体を利用して天板4及び持ち手部56を強く把持することができる。加えて持ち手部56の表面は使用者の指が滑らないように、間欠的に形成されたドット状に樹脂が隆起する滑り止め561を形成している。
【0030】
そしてこのデスク1の場合、デスク本体2を脚体3が天板4の側面視反使用縁1a寄りの位置から側面視L字状の脚体3が接続するため、天板支持アーム5を持った場合にはその前後方向の重心が反使用縁1a側に大きく偏ることになる。そこで本実施形態に係る持ち手部56は、天板4の両側且つ前後方向の重心に合致する位置に形成されている。これにより、持ち手部56をそれぞれ両手で掴んだ使用者がデスク1を持ち上げる場合、バランスが殆どくずれず、言い換えれば殆どふらつかずにデスク1を持ち上げることができる。
【0031】
他方、脚体3を構成する脚支柱7は、上端部において天板支持アーム5に溶接により接続されるアーム接続部71を形成するとともに、下端において同じく脚体3を構成する脚ベース8にベース接続部72を介して溶接により一体的に接続される。そして下端部下面側には例えば樹脂製の接地板73を取付けることにより、床面を傷つけることなく設置し得るものである。本実施形態では、脚支柱7の下端部において脚ベース8の基端部(小口)を脚支柱7の表面側から当接させアーム接続部72を介して接続している。脚ベース8と脚支柱7とは鋭角を成すように接続される。また、脚ベース8と脚支柱7とは互いに異なる断面形状を成している。
【0032】
脚ベース8は、脚支柱7に一体的に接続されたベース本体80と、このベース本体80と、このベース本体80の上面を着脱可能に被覆し得るカバーすなわちベースカバー81と、ベース本体80の先端縁にねじ止めされ床面に接地する接地部たるアジャスタ82とを有している。
【0033】
ベース本体80は、板金材を適宜折り曲げることによって概略筒状に形成されたもので、断面視縦長の蒲鉾状を成している。詳細には、上面を板金の曲げによって構成された湾曲面80aとするとともに、湾曲面80aの両端縁を鋭角に折り曲げた端部同士を溶接することで、断面視逆V字状をなす下面80bを形成している。そしてベース本体80は筒状であるため、先端縁80cはこれら湾曲面80a及び下面80bの端面がそのまま現れるように形成されている。一方先端面80cと略等しい相似断面形状を有する基端縁は、上記の通りアーム接続部72を介して脚支柱7に表面側から溶接される。そして、ベース本体80の上面には、若干基端よりの計四箇所を開口させることによりカバー取付部83を形成するとともに、先端縁80c近傍の下面80bには、板ナットを溶接することにより形成されたアジャスタ取付部84を設けている。
【0034】
ベースカバー81は、例えば上記のアームカバー51と同じ素材からなる、断面視概略U字状をなす例えば半透明の樹脂製のものである。このベースカバー81は、基端側おいて表面を上方へ延出させてベース取付部を隠蔽する接続部隠蔽部たる湾曲隠蔽部85と、湾曲隠蔽部85近傍から長手方向中間部において内面側に四箇所で突出する取付突起86と、長手方向略全域に亘ってベース本体80の下端よりも上側をカバーすることにより、樹脂の下端部でベース本体80上面から段状に形成する下向き段部87と、滑らかに湾曲させた表面形状をなし、ベース本体80の先端縁を被覆・隠蔽する先端隠蔽部88と、先端隠蔽部88の中央から突出させた樹脂に設けた開口であり、アジャスタ82の取付軸822を収容させ得る軸収容孔89とを有している。湾曲隠蔽部85は、溶接継手であるベース接続部72の特に隅部を隠蔽しながら、脚支柱7の下端側とベース本体80の基端側をカバーするものであり、脚支柱7の表面に密着した端部から湾曲させながらベース本体80に密着させる形状をとるものである。これにより、ベースカバー81を取付けた状態では脚ベース8と脚支柱7とが滑らかに連続する外形をなすように形成される。取付突起86は、上記カバー取付部83に両側から嵌ることにより、ベースカバー81をベース本体80に対して位置決めするものである。下向き段部87は、ベース本体80の表面とともにカバーの下端部を段状に位置付けることにより、ベースカバー81の交換等の取り外しの際には当該下向き段部87の何れの位置からもベースカバー81を取り外し得るものとなっている。先端隠蔽部88は、上述のとおり表面側では滑らかな部分球形状をなすとともに内側では先端縁80cを収容し得る端面収容部881とV地面882とを有している。そして軸収容孔89は、アジャスタ82の取付軸を収容した状態では当該取付軸822に干渉され、ベース本体80の長手方向への移動が禁止されるように設定されているものである。
【0035】
しかして本実施形態では、ベース本体80の上面が前記脚支柱7から斜め下方向に延びるものであり、脚ベース8が、前記ベース本体80に対して所定の取付位置に位置決めする第1の係合部たるカバー取付部83並びに取付突起86と、当該カバー取付部83に位置決めされたベースカバー81の斜め下方向への抜脱を禁止し得る第2の係合部である軸収容孔89及び取付軸822とを有している。
【0036】
すなわち、図9ないし図11に示すように、本実施形態ではベースカバー81をベース本体80に取付ける際、まずベースカバー81の基端側を若干上昇させた角度から、ベース本体80の先端縁を先端隠蔽部88の端面収容部に収容させる、しかる後、図11に示すように、ベースカバー81の基端側を下方に押し付けることにより第1の係合部を係合させる。そしてさらにアジャスタ82の接地板を上方へねじ回しすることにより、取付軸822を上方へ移動させ、先端を軸収容孔89へ収容させる。また併せて、ベース本体80のV字状をなす下面80bの上方からV字面882が当接することにより、ベースカバー81は上下方向に確実に位置決めされる。
【0037】
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係るデスク1は、上述したような持ち手部56を設けることにより、使用者がデスク1を手で持ち上げるなどして移動させようとする際には、自然と持ち手部56を掴むよう促されることとなるので、使用者はそれぞれ異なった箇所を掴んで様々な姿勢で運搬や移動を行なうということを有効に回避し、どのデスク1も同じ体制で運ぶよう促されることになる。その結果、運搬や移動を行なう作業を安定して行ない得るものとなる。
【0038】
特に本実施形態では、持ち手部56をデスク1の前後方向重心に持ち手部56を位置付けているので、持ち上げたデスク1が安定し、その結果、省力的な持ち運びが実現される。
【0039】
また、持ち上げた際に使用者の手の位置がずれ難く安定して持ちやすい持ち手部56の具体的な構成として本実施形態では、持ち手部56の表面を天板支持アーム5の他の箇所よりも天板4に近くなるように上方へ凹ませて形成している。
【0040】
そして本実施形態では、使用者が天板4の上側から手を回わすことで、簡単に持つことができるように、持ち手部56を、天板4の側縁部近傍に位置付けている。
【0041】
加えて本実施形態では、持ち手部56の周囲を隆起させて形成した隆起部57を設けていることにより、使用者は持ち手部56を直接見なくとも、手探りでも持ち手部56を容易に認識することができる。
【0042】
また、デスク1としての強度と持ち手部56の持ちやすさとを有効に両立させるために本実施形態では、天板支持アーム5が天板4に取付けられるアーム本体50と、このアーム本体50を下方から被覆するアームカバー51とを有するものとし、このアームカバー51に持ち手部56を形成している。
【0043】
特に本実施形態では、角が形成されることにより埃が溜まりやすく掃除が行ない難い接続箇所であるアーム接続部71の特に隅部を湾曲隠蔽部58が隠蔽することで、接続箇所が汚れることを有効に回避している。
【0044】
特にこの湾曲隠蔽部58により、アーム本体50の表面と脚支柱7との表面とに連続する湾曲形状をなして連続するので、持ち手部56を持とうとする場合に脚支柱7からも持ち手部56へスムーズに案内し得るとともに、脚支柱7と支持アームとの見た目上の一体感も惹起している。
そして、アーム本体50に対するアームカバー51の取付強度を有効に向上させるために本実施形態では、アーム本体50を水平壁50aを天板4に密着させこの水平壁50aの両側から対をなす立壁50bを下方に垂下させた断面視コの字状のものとし、アームカバー51を、立壁50bの内側面に密着または近接する添設壁51aと、アーム本体50を下方から被覆する被覆板51bとを有するものとしている。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0046】
例えば、上記実施形態ではデスクとして、講義机として用いられるものに本発明を適用した態様を開示したが、勿論、例えば幅寸法を上記よりも大きく設定することにより、複数の使用者が並んで使用し得るデスクに本発明を適用しても良い。また、上記実施形態では持ち手部を天板の側縁よりの位置に設定したが勿論、天板の反使用端側に持ち手部を設けたものとしてもよい。さらには、カバーを用いることなく、天板支持アームを適宜凹ませることのみによって持ち手部を形成下ものであっても良い。その他、カバーの形状やアーム本体とカバーとの係り合いの態様といった具体的な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は学校やオフィス等で好適に利用されるデスクとして利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1…デスク
4…天板
5…天板支持アーム
50…アーム本体
50a…水平壁
50b…立壁
51…カバー(アームカバー)
51a…添設壁
51b…被覆板
56…持ち手部
57…隆起部
58…接続部隠蔽部(湾曲隠蔽部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、天板の下面を支持するとともに脚体に支持される天板支持アームとを有するデスクであって、
支持アームの下縁の一部を天板下面側へ凹ませることにより使用者に把持させるための持ち手部を設けてなることを特徴とするデスク。
【請求項2】
前記持ち手部が、天板の側縁部近傍に位置付けられている請求項1記載のデスク。
【請求項3】
前記持ち手部の周囲を隆起させて形成した隆起部を設けている請求項1または2記載のデスク。
【請求項4】
前記天板支持アームが天板に取付けられるアーム本体と、このアーム本体を下方から被覆するカバーとを有するものであり、このカバーに前記持ち手部を形成している請求項1、2または3記載のデスク。
【請求項5】
前記アーム本体の基端部と前記脚体の上端部とを接続させ、前記カバーがこのアーム本体と前記脚体との接続箇所の少なくとも一部を隠蔽し得る接続部隠蔽部を有している4記載のデスク。
【請求項6】
前記接続部隠蔽部が、前記アーム本体の表面と脚体との表面とに連続する湾曲形状をなす請求項5記載のデスク。
【請求項7】
前記アーム本体が水平壁を天板に密着させこの水平壁の両側から対をなす立壁を下方に垂下させた断面視コの字状のものであり、
前記カバーが、前記立壁の内側面に密着または近接する添設壁と、前記アーム本体を下方から被覆する被覆板とを有している請求項4、5または6記載のデスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−29995(P2012−29995A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174036(P2010−174036)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】