説明

デバイス制御システム、デバイス制御方法及び制御端末

【課題】
制御端末に接続するデバイスを、中継端末を経由してサーバから制御できるようにする仕組みを提供する。
【解決手段】
サーバと、第1の制御端末と、デバイスが接続される第2の制御端末と、が接続されたシステムであって、前記サーバは、前記デバイスに対するデバイス制御情報を発行するデバイス使用部と、前記デバイス制御情報を送信する送信部と、を有し、
前記第1の制御端末は、前記サーバから送信された前記デバイス制御情報を受信し、前記第2の制御端末に転送する転送部を有し、
前記第2の制御端末は、前記第1の制御端末から受信した前記デバイス制御情報に基づいて、前記第2の制御端末に接続された前記デバイスを制御する制御部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信端末からなるデバイス制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの携帯情報端末や、ネットワークに接続するネットワークPC、あるいは、インターネットに接続するテレビなどの普及により、無線や有線を介してサーバに接続してサーバの機能を利用するユーザがますます増えている。特に、制御端末に接続されたUSBデバイスをサーバ側から制御したいというニーズは増加の一途を辿っている。
【0003】
これを実現するためには、サーバ側から、制御端末に接続されたUSBデバイスを制御するための仕組みが必要となり、これを実現するための方法として、特許文献1のような技術を用いることにより、制御端末に接続されたUSBデバイスをサーバ側で制御することができる。しかし、この方法では、一度サーバが制御端末に接続されたUSBデバイスの制御権を取得してしまうと、他のサーバから該USBデバイスの制御権を入手することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−004072公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、制御端末に接続するデバイスを、中継端末を経由してサーバから制御できるようにする仕組みを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
サーバと、第1の制御端末と、デバイスが接続される第2の制御端末と、が接続されたシステムであって、
前記サーバは、
前記デバイスに対するデバイス制御情報を発行するデバイス使用部と、
前記デバイス制御情報を送信する送信部と、
を有し、
前記第1の制御端末は、
前記サーバから送信された前記デバイス制御情報を受信し、前記第2の制御端末に転送する転送部を有し、
前記第2の制御端末は、
前記第1の制御端末から受信した前記デバイス制御情報に基づいて、前記第2の制御端末に接続された前記デバイスを制御する制御部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、制御端末に接続するデバイスを遠隔制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】システムのブロック図の例である。
【図2】サーバ11、中継端末21および制御端末22を含むシステム構成のブロック図の例である。
【図3】テーブル400及び接続情報410の説明図の例である。
【図4】経路情報500及びコネクション510の説明図の例である。
【図5】システムの動作フロー図の例である。
【図6】システムの動作フロー図の例である。
【図7】第二の実施例におけるシステムのブロック図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、システムの構成を示すブロック図の例である。本システムは、サーバ11、サーバ12、中継端末21、制御端末22、インターネット3、および無線、有線を介した通信路4、通信路5とから構成される。
【0011】
サーバ11と中継端末21を一組にしてシンクライアントシステム1を構成する。また、同様にサーバ12と制御端末22を一組にしてシンクライアントシステム2を構成する。サーバ11、サーバ12を、「サーバ」と呼ぶこともある。制御端末22と中継端末21を「クライアント」または単に「コンピュータ」と呼ぶこともある。
【0012】
サーバ11は、シンクライアントシステム1における制御端末装置であり、CPU51、通信装置52及び記憶装置50とから構成される。CPU51は記憶装置50に格納されたアプリケーション53を実行する。サーバ12は、シンクライアントシステム2における制御端末装置であり、CPU61、通信装置62及び記憶装置60とから構成される。CPU61は記憶装置62に格納されたアプリケーション63を実行する。
【0013】
このサーバ11、サーバ12は、たとえば、ブレードコンピュータのような固定式のコンピュータや、メインフレームのようなコンピュータである。中継端末21は、シンクライアントシステム1における表示装置であり、CPU71、通信装置72、記憶装置70、入力装置73及び表示装置74とから構成される。
【0014】
シンクライアントシステム1について説明する。クライアント装置である制御端末21は、入力装置83からユーザのマウス操作やキーボード操作を受け付け、マウスポインタ情報やキーボード入力情報などの入力情報を取得する。通知部305はこの入力情報をサーバ11に送信する。
【0015】
サーバ11のCPU61は、受信した入力情報を、OS(オペレーティングシステム)やアプリケーションなどに入力し、データ処理を行う。このデータ処理に応じた画面情報を生成し、その画面情報を制御端末21に送信する。
【0016】
制御端末21はサーバ装置からの画面情報をモニタなどに表示する。
このように、クライアント装置において入力した入力情報が、サーバ装置に送信され、サーバ装置で処理されて、画面情報などがクライアント端末に返信され、表示するものである。
【0017】
制御端末22は、シンクライアントシステム2における表示装置であり、CPU81、通信装置82、記憶装置80、入力装置83及び表示装置84とから構成される。この制御端末22にはデバイス41が接続し、CPU81で作動するプログラムや制御部304などによりデバイス41を制御することが可能である。
【0018】
デバイス41は、制御端末22に取り外しの可能な、ある特定の機能を持つ装置を指す。例えばUSBメモリなどの外付け記憶装置や、プリンタ装置、スキャナ、認証機器、カードリーダーライター、デバイスリーダーライターなどである。これらのデバイスは、USB(Universal Serial Bus)や、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)、IEEE1394などにより制御端末端末22や21と接続される。
【0019】
制御端末22とサーバ11がシンクライアントシステムを構築している場合に、制御端末22のユーザが、制御端末22に接続されたデバイス41に対する操作を行う処理について説明する。例えば、デバイス41は、制御端末22の制御部304により認識され、制御される。本システムはシンクライアントシステムであるため、制御部304はデバイス41を認識した後、デバイス41の識別情報を通知部305を介して、サーバ11に送信する。
【0020】
サーバ11のデバイス使用部100は、受信したデバイス41の識別情報により、デバイスを認識する。これにより、デバイス41はサーバ11に直接接続された複数のデバイスと同じように認識され、サーバ11に直接接続された複数のデバイスの中の1つのデバイスとして表示される。
【0021】
ユーザが、制御端末22の入力装置83により、画面に表示されたデバイスに対する操作を行う。入力されたマウスの座標情報や、キーボード入力情報などの、入力情報は、通知部305からサーバ11の通知部103に送信される。この入力情報を受信したサーバ11のOSやアプリケーション、やハードウェア回路などは、この入力に応じた処理を実行する。この処理に応じて、デバイス使用部100はデバイス41に対するコマンド等の「デバイス制御情報」を発行する。
【0022】
デバイス使用部100は、コマンドを転送部102を介して、制御端末22に送信する。制御端末22転送部303はコマンドを受信し、受信したコマンドを制御部304に送る。制御部304はコマンドに応じた処理をデバイス41に対して実行する。
【0023】
このように、本シンクライアントシステムでは、デバイス41の識別情報をクライアント装置からサーバ装置に送信することにより、サーバ装置がデバイス41を、自装置に直接接続されたデバイスと同じように認識することができる。また、サーバ装置からデバイス41に対するコマンドを発行し、このコマンドがクライアント装置に転送され、コマンドをクライアント装置で処理することで、サーバ装置から、デバイス41を操作することができる。
【0024】
中継端末21と制御端末22は同じ機能を有する装置である。単に、デバイス41を制御する制御情報を中継するコンピュータを中継端末21と呼び、デバイス41が接続しており制御情報を受信するコンピュータを制御端末22と呼ぶ。デバイス41が端末21に接続されており、端末22が制御情報を中継する場合には、端末21を制御端末21とよび、端末22を中継端末22と呼ぶ。
【0025】
図2は、図1で示したサーバ11、中継端末21及び制御端末22の構成を説明するブロック図の例である。
サーバ11は、デバイス使用部100と、登録部101と、転送部102と、通知部103と、切替部104と、検索部105とから構成される。デバイス使用部100は、デバイス41を制御するドライバを使用してデバイス41を制御する。
【0026】
転送部102は、デバイス使用部100がデバイス41に送受信する制御情報を中継端末21あるいは制御端末22に送受信する。登録部101は、該デバイス41を使用することを示す接続情報410を生成し、記憶装置50上に配置されたテーブル400に該接続情報410を登録する。
【0027】
検索部105は、中継端末21の登録部200あるいは制御端末22の登録部300と通信し、デバイス使用部100が使用する予定のデバイス41がそれら端末に接続されているか否かを問い合わせる。通知部103は、検索結果が含まれた接続情報410を受信する。切替部104は、該接続情報410に記録された経路情報500に従い、転送部102の制御情報の送受信先を切り換える。
【0028】
これらの処理部は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現する。一方、上記各処理部の機能は、CPU51が記憶装置50に格納されたアプリケーション53を実行することで、ソフトウェアにより実現してもよい。
【0029】
中継装置21は、登録部200と、検索部201と、転送部202と、削除部203と、切替部204と、通知部205と、認証部206とから構成される。転送部202は、サーバ11のデバイス使用部100がデバイス41に送受信する制御情報をサーバ11の転送部102と送受信し、制御端末22の転送部303に送受信する。
【0030】
登録部200は、サーバ11の検索部105から送られてきた接続情報410の経路情報500を更新した上で記憶装置70に設置されたテーブル400に接続情報410を登録する。検索部201は、制御端末22の登録部300と通信し、デバイス使用部100が使用する予定のデバイス41が制御端末22に接続されているか否かを問い合わせる。
【0031】
通知部205は、検索結果が含まれた接続情報410を受信し、サーバ11の通知部103に送信する。切替部204は、該接続情報410の経路情報500に従い転送部202の制御情報の送受信端末を切り換える。削除部203は、接続情報410の経路情報500に従い、登録部200によりテーブル400に登録された接続情報410を削除する。認証部206は、制御端末22と互いに通信可能であることを認証する。
【0032】
これらの処理部は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現する。一方、上記各処理部の機能は、CPU71が記憶装置70に格納されたアプリケーションを実行することで、ソフトウェアにより実現してもよい。
【0033】
制御端末22は、登録部300と、使用可否判断部301と、切替部302と、転送部303と、制御部304と、通知部305、認証部306、検索部307、とから構成される。制御部304は、デバイス41と接続して制御情報を送受信することによりデバイスを制御する。
【0034】
転送部303は、該制御部304の送受信する制御情報を中継端末21の転送部202あるいはサーバ11の転送部102と送受信する。登録部300は、中継端末21の検索部201が送信した接続情報410を更新した上で制御端末22の記憶装置80に設置されたテーブル400に該接続情報を登録する。
【0035】
使用可否判断部301は、デバイス41が使用中であるか否かを判断し、該接続情報410の使用中フラグ424を更新する。切替部302は、該接続情報410の経路情報500に従い、転送部303の送受信端末を切り換える。通知部305は、制御部304がデバイス41の制御を開始したタイミングで登録部300で登録した接続情報410を中継端末21の通知部21に送信する。
【0036】
認証部306は、中継端末21と互いに通信可能であることを認証する。検索部307は、記憶装置80に格納されたテーブル400を検索し、デバイス41に対応する接続情報410があるか否かを検査する。
【0037】
これらの処理部は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現する。一方、上記各処理部の機能は、CPU81が記憶装置80に格納されたアプリケーションを実行することで、ソフトウェアにより実現してもよい。
【0038】
次に、記憶装置50、記憶装置60、記憶装置70、記憶装置80、記憶装置90に記録されているテーブル400について図3、図4を用いて説明する。
図3はテーブル400および接続情報を説明する図の例である。
テーブル400は、1つあるいは複数の接続情報410を有する。記憶装置50、記憶装置60、記憶装置70、記憶装置80、記憶装置90は、テーブル400を有し、接続情報410を順に格納・取得する。
【0039】
接続情報410は、デバイス名421、送信元識別子422、送信先識別子423、使用中フラグ424、使用者識別子425及び経路情報500とを有する。デバイス名421は、デバイス41の名称を表し、どのデバイスであるかを一意に決定することのできる識別子である。送信元識別子422は、該デバイス名421の表すデバイスに対し、どのサーバ端末が制御するかを一意に表す識別子である。デバイス名421は、サーバ端末名であったり、IPアドレスであってもよい。
【0040】
送信先識別子423は、該デバイス名421の表すデバイスがどのクライアント端末に接続されており、どのクライアント端末の制御部304により制御されているかを一意に表す識別子である。送信先識別子423は、クライアント端末名であったり、IPアドレスであってもよい。使用中フラグ424は、この接続情報410が示すデバイス41が使用中であるか否かを表すフラグであり、使用中であれば真の値を、使用中でなければ偽の値を取る論理値である。
【0041】
使用者識別子425は、デバイス41を使用している使用者を一意に識別する識別子である。使用者識別子425は、使用者の名前であったり、使用者を表すID番号などの、人間を一意に識別することができる情報であればなんでもよい。
【0042】
図4は、経路情報およびコネクションを説明する図の例である。
経路情報500は、接続情報410に関連付けられる情報であり、デバイスを制御する制御情報をどのサーバ端末からどのクライアント端末へと送受信すればよいかを表す経路の情報を格納した情報である。経路情報500は、複数のコネクション510を有する。コネクション510は、1つのサーバ端末から1つのクライアント端末への経路を表す情報である。
【0043】
コネクション510は、開始フラグ521と、終了フラグ522と、送信端末識別子523と、受信端末識別子524とを有する。開始フラグ521は、送信先端末識別子523で示す端末がデバイスを操作するサーバ端末であることを表す。接続情報410の送信元識別子422と送信先端末識別子523が同値である場合に開始フラグ521が真の値を取る。終了フラグ522は、受信端末識別子524で示すクライアント端末がデバイスを制御する制御端末22であることを表す。接続情報410の送信先識別子422と受信端末識別子524が同値である場合に終了フラグ522が真の値を取る。
【0044】
送信端末識別子523は、デバイス41を制御する制御情報が、どのサーバ端末から送られてくるかを示す識別子である。送信端末識別子523は、サーバ端末名であったり、IPアドレスであってもよい。受信端末識別子524は、デバイス41を制御する制御情報を、どのクライアント端末に送信すればよいかを示す識別子である。受信端末識別子524は、クライアント端末名であったり、IPアドレスであってもよい。
【0045】
たとえば、図2のシステム構成図の例において、サーバ11が中継端末21を介して制御端末22に接続するデバイス41を制御している状態を、コネクション510に格納する場合について説明する。サーバ11においては、開始フラグ521は真、終了フラグは偽、送信端末識別子523はなし、受信端末識別子524は中継端末21となる。中継端末21においては、開始フラグ521は偽、終了フラグは偽、送信端末識別子523はサーバ11、受信端末識別子524は制御端末22となる。
【0046】
制御端末22においては、開始フラグ521は偽、終了フラグは真、送信端末識別子523は中継端末21、受信端末識別子524はなし、となる。これらコネクション510が格納する経路情報500により、サーバ11が中継端末21を経由して制御端末22に接続するデバイス41を制御することを表現することが可能となる。
【0047】
図5は本システムのフローチャートの例である。
本実施例により、制御端末22に接続するデバイス41を、中継端末21を経由してサーバ11から制御できるようにする仕組みについて説明する。
サーバ11においては処理1000が、中継端末21においては処理1100が、制御端末22においては処理1200が実行される。
【0048】
サーバ11の検索部105は、記憶装置50に格納されたテーブル400を参照して接続情報410を検索する(S1002)。検索部105は、サーバ11が使用しようとするデバイス41がテーブル400に記録された接続情報410のデバイス名421と一致するかどうかを検査する(S1003)。もし一致しない場合には検索部105は中継端末21にデバイス41の検索を依頼する(S1101)。
【0049】
中継端末21の検索部201は、記憶装置70に格納されたたテーブル400を検索し、デバイス41に対応する接続情報410があるか否かを検査する(S1101)。否である場合には、検索部201は制御端末22にデバイス41の検索を依頼する(S1201)。制御端末22の検索部307は、記憶装置80に格納されたテーブル400を検索し、デバイス41に対応する接続情報410があるか否かを検査する(S1201)。
【0050】
ここで、デバイス41は制御端末22に接続されているが接続情報410は無い状態である。次に、使用可否判断部301は、デバイス41が使用可能であるか否かをデバイス41に問い合わせることにより調査し(S1202)、使用不可能である場合、その旨を通知部305を介してサーバ11に通知する(S1203のNo)。
【0051】
サーバ11の通知部103は、使用可否の情報を制御端末22の通知部305から受信し(S1004)、使用可否の情報が使用不可能を示す場合には(S1005)使用不可能である旨を表示部に表示し(S1013)、処理を終了する(S1012)。
【0052】
もしステップ1202において、使用可否判断部301がデバイス41が使用可能であると判断した場合(S1203)、登録部300は接続情報410を生成する。このとき登録部300は、接続情報410のデバイス名421に制御部304がデバイス41から取得したデバイス41を識別するデバイス識別情報を登録する。
【0053】
また、接続情報410に使用中フラグ424、使用者識別子425を追加する。登録部300は、経路情報500に、コネクション510の開始フラグ521、終了フラグ522、送信端末識別子523及び受信端末識別子524を追加する(S1204)。次に、登録部300は、生成した接続情報410をテーブル400に登録する(S1205)。
【0054】
そして、制御端末22の通知部305は、該接続情報410を中継端末21に対し送信する(S1206)。中継端末21の通知部205は、該接続情報410を受信し(S1103)、登録部200は新たに接続情報410を生成する。
【0055】
このとき登録部200は、接続情報410に、経路情報500としてコネクション510の開始フラグ521、終了フラグ522、送信端末識別子523及び受信端末識別子524を追加する(S1104)。次に、登録部200は、中継端末21のテーブル400に該経路情報500を含む接続情報410を登録し(S1105)、通知部205は、サーバ11に登録終了を通知する(S1106)。
【0056】
サーバ11の通知部103は、該接続情報410を受信し(S1006)、登録部101は新たに接続情報410を生成する。このとき、登録部101は、接続情報410に、経路情報500としてコネクション510の開始フラグ521、終了フラグ522、送信端末識別子523及び受信端末識別子524を追加する(S1007)。
【0057】
次に、登録部101は、該接続情報410を記憶装置50に格納されたテーブル400に登録する(S1008)。サーバ11は、格納された接続情報410に記載されたデバイス名421により、デバイス41を認識し、デバイス41に対するドライバを動作可能に設定する。通知部103は、登録終了通知を中継端末21及び制御端末22に送信する(S1009)。
【0058】
切替部104は、送信が終了したタイミングで、経路情報500の情報に従ってサーバ11の転送部102が送受信する制御情報の送信先を切替え(S1010)、デバイス41の使用を開始する(S1011)図2のシステム構成図の例では、切替部104は、経路情報500の情報を取得し、受信端末識別子524に記載された中継端末21宛に送信先を切り替える。
【0059】
中継端末21の切替部204は、接続情報410を受信したタイミングで(S1107)中継端末21の転送部202が送受信する制御情報の送信先を切替え(S1108)、サーバ11のデバイス使用部100から送られてくる制御情報の転送を実施する(S1109)。図2のシステム構成図の例では、切替部204は、経路情報500の情報を取得し、送信端末識別子523に記載されたサーバ11からの情報を、受信端末識別子524に記載された中継端末22宛に送信するように、送信先を切り替える。
【0060】
制御端末22の切替部302は、接続情報410を受信したタイミングで(S1107)制御端末22の転送部303が送受信する制御情報の受信先を切替える(S1108)。図2のシステム構成図の例では、切替部302は、経路情報500の情報を取得し、送信端末識別子523に記載された中継端末21からの情報を、受信するように、送信先を切り替える。該制御情報を制御部304に入力し、制御部304が該制御情報をデバイス41に送信することによりデバイスの制御を実行する(S1209)。
【0061】
以上の動作により、制御端末22に接続するデバイス41を、中継端末21を経由してサーバ11から制御できるようにする仕組みを実現することができる。
また、サーバ11は、制御端末22に接続されたデバイス41のデバイス情報を中継端末21を経由して取得することが可能である。これにより、デバイス41はサーバ11に接続された複数のデバイスの中の1つのデバイスとして表示される。
【0062】
次に、中継端末を経由してデバイスを制御する場合に、その経由する中継端末の数を少なくする仕組みを実現する動作について説明する。
図6は、本システムのフローチャートの例である。
まず、サーバ11においては処理2000が、中継端末21においては処理2100が、制御端末22においては処理2200が実行される。以下、フローチャートに従い説明する。
【0063】
サーバ11の検索部105は、記憶装置50に格納されたテーブル400を参照して接続情報410を検索する(S2002)。ここで、検索部105は、サーバ11が使用しようとするデバイス41がテーブル400に記録された接続情報410のデバイス名421と一致するかどうかを検査する(S2003)。もし一致しない場合には検索部105は中継端末21にデバイス41の検索を依頼する(S2101)。
【0064】
中継端末21の検索部201は、記憶装置70に格納されたテーブル400を検索し、デバイス41に対応する接続情報410があるか否かを検査する。否である場合には、検索部201は制御端末22の検索部307にデバイス41の検索を依頼する(S2102)。制御端末22の検索部307は、記憶装置80に格納されたテーブル400を検索し、デバイス41に対応する接続情報410があるか否かを検査する(S2201)。
【0065】
接続情報410が見つかった場合、検索部307は、該接続情報410の経路情報500を調べ、開始フラグ521が真であるコネクション510の中から、送信端末識別子523が接続情報410の送信元識別子422と一致するコネクション510を取得する。また、終了フラグが真であるコネクション510の中から、受信端末識別子524が接続情報410の送信先識別子423と一致するコネクション510を取得する。
【0066】
検索部307は、ステップ2202でコネクション510を取得でき、かつデバイス41がその他のサーバから使用されていないことが確認されたならば短絡が可能であると判断し(S2202)ステップ2203を実行する。デバイス41がその他のサーバから使用されていないことの確認は、デバイス41に対応するデバイス名421をもつ接続情報410のうち、使用中フラグ424が使用中を示すものが他に無ければ、他のサーバから使用されていないことが分かる。
【0067】
もし短絡が不可能である場合にはステップ2207を実行し、制御部304がデバイスの制御を継続する。制御端末22の通知部305は、短絡することができる旨を中継端末21に通知する(S2203)。
【0068】
登録部300は、該コネクション510を整理してサーバ21と制御端末22を直接接続するコネクション510を新たに作成して接続情報410を更新する(S2204)。中継端末21の通知部103は、短絡を実行する旨の情報を制御端末22の通知部305から受信しする(S2103)。その後登録部200は、テーブル400に登録されている接続情報410を削除し(S2104)、通知部205は、その旨をサーバ11の通知部103に通知する(S2105)。
【0069】
サーバ11の通知部103は、短絡を行う旨の情報を中継端末21の通知部205から受信する(S2004)。登録部101は、該コネクション510を整理してサーバ21と制御端末22を直接接続するコネクション510を新たに作成して接続情報410を更新する(S2005)。そして、通知部103は、登録が終了した旨を中継端末21と制御端末21に通知する。
【0070】
そして、サーバ11の転送部102の情報の送受信先を制御端末22の転送部303に切り換え(S2007)、デバイスの使用を継続する(S2008)。中継端末21の通知部205は、短絡を実行する旨の情報を受信する(S2106)。その後、中継端末21の転送部202の情報の送受信先を切替え(S2107)、制御情報の転送を停止する(S2108)。
【0071】
制御端末22の通知部305は、短絡を実行する旨の情報を受信する(S2205)、制御端末22の転送部303は、情報の送受信先をサーバ11の転送部102に切替え(S2206)、制御部304はデバイスの制御を実行する(S2207)。
以上の動作により、中継端末を経由してデバイスを制御する場合に、その経由する中継端末の数を少なくする仕組みを実現することができる。
【実施例2】
【0072】
以下、実施例2について説明する。
図7は、システムの構成を示すブロック図の例である。本システムは、サーバ11、サーバ12、中継端末21、テレビ装置23、インターネット3、および無線、有線を介した通信路4、通信路5とから構成される。サーバ11と中継端末21を一組にしてシンクライアントシステム1を構成する。また、同様にサーバ12とテレビ装置23を一組にしてシンクライアントシステム2を構成する。
【0073】
サーバ11、サーバ12、中継端末21については、実施例1における説明で述べたものと同一である。テレビ装置23は、実施例1におけるシンクライアントシステム2における表示装置であり、制御端末22と同一の機能を持つCPU91、通信装置92、記憶装置90、入力装置93、表示装置94と、テレビ画像の受信のための機能であるチューナ96、DEMUX97、デコーダ98及びデバイスコントローラ95とから構成される。
【0074】
このテレビ装置23にはデバイス41が接続し、CPU91で作動するプログラムによりデバイスを制御することが可能である。また、ハードウェアで実装する場合には、図2の制御端末22と同様に、登録部と、使用可否判断部と、切替部と、転送部と、制御部と、通知部、認証部、検索部、とを有してもよい。これらの処理部は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現する。一方、上記各処理部の機能は、CPU91が記憶装置90に格納されたアプリケーションを実行することで、ソフトウェアにより実現してもよい。
【0075】
デバイス91は、テレビ装置23に取り外しの可能な、ある特定の機能を持つ装置を指す。例えばUSBメモリなどの外付け記憶装置や、プリンタ装置、スキャナ、認証機器、カードリーダーライター、デバイスリーダーライターなどである。これらのデバイスは、USB(Universal Serial Bus)や、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)、IEEE1394などにより制御端末端末22や21と接続される。デバイスコントローラ95は、図2の制御部304に対応する。
【0076】
チューナ96は、アンテナ99で受信した放送波のチューニングを行い電波を受信する装置である。DEMUX(De- multiplexer)97は、チューナ96で受信した放送波、あるいは通信装置92で受信したIP(Internet Protocol)情報に含まれる映像情報を取得する装置である。デコーダ98は、DEMUX97で取得した映像情報を表示できる情報に加工したり暗号のデコードを行う装置である。
【0077】
こうして取得された情報を表示装置94に送ることで、受信した放送波あるいはIP情報を動画像の形で表示することが可能である。本実施例2における機能の働きについては、実施例1における図2で示したサーバ11、中継端末21及び制御端末22の構成を説明するブロック図における説明と同一であり、実施例1の制御端末22を実施例2のテレビ装置23と置き換えたものである。
【0078】
また、中継端末21とテレビ装置23は同じものであり、機能的な差はない。単に、デバイス41を制御する制御情報を中継するテレビ装置を中継端末21と呼び、デバイス41が接続しており制御情報を受信するテレビ装置をテレビ装置23と呼ぶ。
【0079】
以上の実施例2により、制御端末22がテレビ装置23と置き換えた場合に、テレビ装置23に接続するデバイス41を、中継端末21を経由してサーバ11から制御できるようにする仕組み、及び中継端末21を経由してデバイスを制御する場合に、その経由する中継端末21の数を少なくする仕組みを実現することが可能となる。
【0080】
本発明によれば、制御端末に接続するデバイスを遠隔制御できるようにすることができる。また中継端末を経由してデバイスを制御する場合に、その経由する中継端末の数を少なくすることを実現することが可能となる。
【0081】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0082】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0083】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0084】
11…サーバ、
21…中継端末、
22…制御端末、
23…テレビ装置、
400…テーブル、
410…接続情報、
500…経路情報、
510…コネクション、
1000…サーバ11における処理フロー、
1100…中継端末21における処理フロー、
1200…制御端末22における処理フロー、
2000…サーバ11における処理フロー、
2100…中継端末21における処理フロー、
2200…制御端末22における処理フロー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、第1の制御端末と、デバイスが接続される第2の制御端末と、が接続されたデバイス制御システムであって、
前記サーバは、
前記デバイスに対するデバイス制御情報を発行するデバイス使用部と、
前記デバイス制御情報を送信する送信部と、
を有し、
前記第1の制御端末は、
前記サーバから送信された前記デバイス制御情報を受信し、前記第2の制御端末に転送する転送部を有し、
前記第2の制御端末は、
前記第1の制御端末から受信した前記デバイス制御情報に基づいて、前記第2の制御端末に接続された前記デバイスを制御する制御部を有する、
ことを特徴とするデバイス制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイス制御システムであって、
前記第1の制御端末は、前記デバイス制御情報を送信してくる送信端末を示す送信端末識別子と、前記デバイス制御情報を受信する受信端末を示す受信端末識別子と、を有する、経路情報を有しており、
前記第1の制御端末の前記転送部は、前記経路情報から前記送信端末識別子と前記受信端末識別子とを取得し、前記送信端末識別子の示す前記サーバから受信した前記デバイス制御情報を、前記受信端末識別子の示す前記第2の制御端末に転送する
ことを特徴とするデバイス制御システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のデバイス制御システムであって、
前記第2の制御端末は、
前記デバイスから取得された前記デバイスを識別するデバイス識別情報を前記サーバに送信する第2の送信部を有し、
前記サーバの前記デバイス使用部は、
送信された前記デバイス識別情報に基づいて、前記デバイスを認識する
ことを特徴とするデバイス制御システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載のデバイス制御システムであって、
前記第2の制御端末は、
前記デバイスから取得された前記デバイスを識別するデバイス識別情報を前記サーバに送信する第2の送信部を有し、
前記サーバの前記デバイス使用部は、
送信された前記デバイス識別情報に基づいて、前記デバイスを表示する画面を生成する
ことを特徴とするデバイス制御システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイス制御システムであって、
前記第2の制御端末は、
前記デバイス制御情報を転送する経路を示す経路情報と、
前記経路情報により、前記第1の制御端末による前記デバイス制御情報の転送を行わなくてもよいことが確認できた場合に、前記デバイス制御情報の受信元を前記サーバに切り替える切替部と、
を有することを特徴とするデバイス制御システム。
【請求項6】
サーバと、第1の制御端末と、デバイスが接続される第2の制御端末と、が接続されたシステムにおけるデバイス制御方法であって、
前記サーバは、
前記デバイスに対するデバイス制御情報を発行し、
前記デバイス制御情報を送信し、
を有し、
前記第1の制御端末は、
前記サーバから送信された前記デバイス制御情報を受信し、前記第2の制御端末に転送し、
前記第2の制御端末は、
前記第1の制御端末から受信した前記デバイス制御情報に基づいて、前記第2の制御端末に接続された前記デバイスを制御する、
ことを特徴とするデバイス制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載のデバイス制御方法であって、
前記第1の制御端末は、前記デバイス制御情報を送信してくる送信端末を示す送信端末識別子と、前記デバイス制御情報を受信する受信端末を示す受信端末識別子と、を有する、経路情報を有しており、
前記第1の制御端末は、前記経路情報から前記送信端末識別子と前記受信端末識別子とを取得し、前記送信端末識別子の示す前記サーバから受信した前記デバイス制御情報を、前記受信端末識別子の示す前記第2の制御端末に転送する
ことを特徴とするデバイス制御方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載のデバイス制御方法であって、
前記第2の制御端末は、
前記デバイスから取得された前記デバイスを識別するデバイス識別情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
送信された前記デバイス識別情報に基づいて、前記デバイスを認識する
ことを特徴とするデバイス制御方法。
【請求項9】
請求項6または7に記載のデバイス制御方法であって、
前記第2の制御端末は、
前記デバイスから取得された前記デバイスを識別するデバイス識別情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
送信された前記デバイス識別情報に基づいて、前記デバイスを表示する画面を生成する
ことを特徴とするデバイス制御方法。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか1項に記載のデバイス制御方法であって、
前記第2の制御端末は、
前記デバイス制御情報を転送する経路を示す経路情報により、前記第1の制御端末による前記デバイス制御情報の転送を行わなくてもよいことが確認できた場合に、前記デバイス制御情報の受信元を前記サーバに切り替える
ことを特徴とするデバイス制御方法。
【請求項11】
サーバと、デバイスが接続される第2の制御端末と、がネットワークを介して接続された第1の制御端末であって、
前記第1の制御端末は、
前記サーバから送信された、前記第2の制御端末に接続された前記デバイスを制御するためのデバイス制御情報を受信する受信部と、
受信された前記デバイス制御情報を、前記第2の制御端末に転送する転送部と、
を有する
ことを特徴とする第1の制御端末。
【請求項12】
請求項11に記載の第1の制御端末であって、
前記デバイス制御情報を送信してくる送信端末を示す送信端末識別子と、前記デバイス制御情報を受信する受信端末を示す受信端末識別子と、を有する、経路情報を有し、
前記転送部は、前記経路情報から前記送信端末識別子と前記受信端末識別子とを取得し、前記送信端末識別子の示す前記サーバから受信した前記デバイス制御情報を、前記受信端末識別子の示す前記第2の制御端末に転送する
ことを特徴とする第1の制御端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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