説明

デフォーカス画像を用いて表面状態を2値化する方法および装置

【目的】 平板状表面のしみ、よごれ、変色域、穴、くぼみ、突起や条痕等の自動的な定量化とそれに基づく平板状表面の性状の定量的判定を行えるような方法および装置を提供することである。
【構成】 ある表面のフォーカス画像を表わす第1のデジタルデータを作成し、その表面のデフォーカス画像を表わす第2のデジタルデータを作成し、各画素毎に第1のデジタルデータと第2のデジタルデータとの差を計算し、その計算結果の正負にしたがって2レベル値の一方または他方の値を割り当てていくことにより2値化データを作成し、その表面状態を2値化する。
【効果】 表面状態の2値化のために要する処理時間の大幅な短縮を図ることができ、特に大がかり画像処理を行わないため、専用の画像処理装置を必要とせず、ハードウエアのコストを低く抑えることができる。また、暗室等の特別な施設を必要としないので、工場内の通常の環境で扱うことができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平板状表面等の表面状態を2値化する方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空間的になめらか且つ2値化の対象となる事象に比べて大きな変状を有する平板状表面のしみ、よごれ、焼けこげ、塗装むら、文字、記号等の点在する変色域(固体表面の物理的性状の変化状態)、穴、くぼみ、みぞ、ひびわれ、瘤状突起、うね状突起および条痕の状態(固体表面の物理的形状の変化状態)の判定、空間的になめらか且つ2値化の対象となる事象に比べて大きな変状を有する写真、フィルム、紙、布等の表面に撮影された点在する変色域、印刷または塗装された点在する変色域、表面に投影された模様、しわの状態(固体表面の物理的性状の変化状態)の判定、空間的になめらか且つ2値化の対象となる事象に比べて大きな変状を有する液体表面の変色域の図形(液体表面の物理的性状の変化状態)、浮遊物、あわ、波紋の状態(液体表面の物理的形状の変化状態)の判定は、現在のところ、人の目による定性的な判断に頼るか、専用の画像処理システムによる処理に頼っている。人の目による判定では、熟練を要し、だれでもが容易に判定できるものでなく、また、その判定結果が必ずしも正確でない場合もでてきたり、作業効率も悪く、判定のために相当の時間を要していた。また、専用の画像処理システムを用いる場合には、複雑なハードウエアとソフトウエアが必要となり、システムが高価となり、処理に多くの時間がかかるという弱点がある。
【0003】したがって、このような表面状態の計測とその大きさ、個数等の定量的な判定を専用の画像処理システムを用いずに、より簡便な方法で自動化できれば、作業の効率化と品質の均一化およびコスト低減に大きく寄与できるものと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような表面状態の自動的な定量化とそれに基づく前記表面を有する対象物の品質良否等の定量的システムを構築するには、先ず、コンピュータ解析を利用することが考えられる。表面の状態をコンピュータで解析するためには、一つの方法として、表面を撮影した写真をイメージスキャナ等で走査して、その表面状態を表わすデジタルデータを得ることが考えられる。そして、このようにして得られたデジタルデータは、写真で明るく見えるところは値が大きく、暗く見えるところは値が小さくなる。
【0005】従って、たとえば、黒っぽいしみ、よごれや穴、くぼみ、瘤状突起や条痕の影ができているところ等は、その周囲に比べ相対的に値が小さく、それ以外の影のない平らなところや明るいところは相対的に値が大きくなっていると考えられる。また、周囲に比べ明るく見えるしみや点在する明るい変色域等は、その周囲に比べ相対的に値が大きく、それ以外の部分は相対的に値が小さくなっていると考えられる。そこで、ある値を境に、それよりも値の大きい画素と値の小さい画素に2分すれば、すなわち、2値化すれば、しみ、よごれ、穴、くぼみ、突起、点在する変色域等の識別の対象となる事象とその他の部分とを識別できるものと考えられる。
【0006】ところが、上記識別の対象となる事象のないほとんど均質に見える表面の表面状態について、このような一定値を境とした2値化データを得てみると、明暗のまだらのある表面状態を示すものとなってしまうことがある。これは、上記識別の対象となる事象のない表面でも、光のあたり方のむらや対象表面の素材の持つ色合いによる、上記識別の対象となる事象に比べ空間的にスケールの大きい明暗のまだらを、2値化によりとらえてしまっていることによるものである。これでは、実際には上記識別の対象となる事象のない表面でも、それらがあるものとして誤って判定されてしまうことになる。これは、光のあたり方のむらや対象表面の素材の持つ色合いによる上記識別の対象となる事象に比べ空間的にスケールの大きい明暗のまだらと、上記識別の対象となる事象による明暗のまだらとを、一定値を境とした2値化データでは区別しきれないということを意味している。
【0007】このような不具合を回避するために、一定値の代わりに、デジタルデータを面的に平滑化して得られる各画素の値を境界値として用いて、2値化することが考えられる。このような面的に平滑化した値を境とした2値化データによれば、確かに、上記識別の対象となる事象の存在をより明確に識別できる。しかしながら、このような方法では、いちいち、先ず面的に平滑化した値を演算装置による2次元平滑化演算により求める等の必要があり、必ずしも、簡単、安価、スピーディー且つ効率良く正確な判定を行えるとはいえなかった。
【0008】本発明の目的は、前述したような従来の技術の問題点を解消しうるような、平板表面等の表面状態を2値化する方法および装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による表面状態を2値化する方法は、ある表面のフォーカス画像を表わす第1のデジタルデータを作成し、前記表面のデフォーカス画像を表わす第2のデジタルデータを作成し、各画素毎に前記第1のデジタルデータと前記第2のデジタルデータとの差を計算し、その計算結果の正負にしたがって2レベル値の一方または他方の値を割り当てていくことにより2値化データを作成することを特徴とする。なお、前記第1のデジタルデータと前記第2のデジタルデータとの差を計算し、その計算結果の正負にしたがって2値化データを作成するにあたっては、抽出しようとする前記識別の対象となる事象を選別する目的で、計算結果に一定または可変のバイアス値を加える等の簡単な演算をほどこす場合もある。
【0010】また、本発明による表面状態を2値化する装置は、ある表面のフォーカス画像を表わす第1の映像信号および前記表面のデフォーカス画像を表わす第2の映像信号を発生するビデオカメラ手段と、該ビデオカメラ手段からの前記第1の映像信号および第2の映像信号をそれぞれデジタルデータに変換して第1のデジタルデータおよび第2のデジタルデータとして記憶するためのメモリ手段と、該メモリ手段に記憶された前記第1のデジタルデータと前記第2のデジタルデータとの差を画素毎に計算してその計算結果の正負にしたがって2レベル値の一方または他方の値を割り当てていくことにより2値化データを作成する演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】さらにまた、別の本発明による表面状態を2値化する装置は、ある表面のフォーカス画像を表わす第1のデジタルデータおよび前記表面のデフォーカス画像を表わす第2のデジタルデータを生成するイメージスキャナ手段と、それら第1のデジタルデータおよび第2のデジタルデータを記憶するためのメモリ手段と、該メモリ手段に記憶された前記第1のデジタルデータと前記第2のデジタルデータとの差を画素毎に計算してその計算結果の正負にしたがって2レベル値の一方または他方の値を割り当てていくことにより2値化データを作成する演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
【実施例】次に、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明をより詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の表面状態を2値化する方法を実施する装置の構成例を概略的に示している。図1に示すように、表面状態を判定すべき平板1を照明するためのライト2と、ライト2により照明された平板1の表面を撮影するように隣接して配列された2台のビデオカメラ3および4と、各ビデオカメラ3および4からのビデオ映像信号をフレーム毎にデジタル信号に変換して記憶するためのフレームメモリボード5および6と、各フレームメモリボード5および6からのデジタルデータを取り込んで演算を行い2値化、計数等を行うパーソナルコンピュータ7と、パーソナルコンピュータ7から出力される結果を表示するためのディスプレイ8とを備えている。
【0014】平板1は、鉄板、銅板、アルミニウム板等の金属板製造ラインにおけるコンベアに乗って次々と送られていく金属板の1枚であってもよく、また、ベニヤ板、集成材板等の木板の1枚、コンクリート面、しっくい等建築構造物や土木構造物の壁面の1つ、紙製造ラインにおける紙面、物体や現象を撮影した写真の1枚であってもよい。このような装置において使用するフレームメモリボード5および6は、例えば、カノープス電子 Super CVIまたはこれと同等以上の機能を持つものが適当である。パーソナルコンピュータ7は、ディスプレイ8およびハードディスクを含むもので、例えば、NEC PC9801DAまたはこれと同等以上の機能を持つものが適当である。
【0015】次に、このような装置にて、平板1の表面状態を表わす2値化データを得る手順、すなわち、定量化手順について、図2のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0016】先ず、この装置を使用する時には、図2のフローチャートのステップ10に示すように、電源投入し、常時、ビデオカメラ3および4、ライト2およびパーソナルコンピュータ7の電源をオンにする。また、ステップ11に示すように、プログラムを、常時、実行状態にする。
【0017】こうして、この実施例では、平板1に対し、しみ、よごれ、変色域等を識別したいのであれば、平板をほぼ一様に明るくするように光をあて、穴、くぼみ、突起等を識別したいのであれば、斜め横から光をあて、穴、くぼみ、突起等の影ができるようにし、これを2台のビデオカメラ3および4で撮影する。2台のビデオカメラ3および4は、互いにできる限り隣接させて設置し、平板1上の同じ範囲を撮影するように方向を定めている。一方のビデオカメラ3は、平板表面の通常の画像(ピントを合わせたフォーカス画像)を撮影する。他方のビデオカメラ4は、作為的にピントをずらすか、またはレンズにフィルターを着けて、平板表面のピンボケの画像(デフォーカス画像)を撮影するようになっている。これは、一方のビデオカメラ3によるフォーカス画像を面的に平滑化したデータに相当するデータを得るためのもので、このデフォーカス画像では、しみ、よごれ、変色域や穴、くぼみ、突起の影等、識別の対象となる事象は、ボヤケて識別できない。
【0018】ステップ12にて、平板1がビデオカメラ3および4の視野内にあるかないかは、平板1がビデオカメラに写っているかいないかで判定する。これは、別途、平板の位置を検出するセンサー等により行っても良い。ステップ13にて示すように、例えば、コンベア上の平板1が静止するまで待つ。それから、ステップ14にて示すように、それぞれのビデオカメラ3および4からの映像信号は、2つのフレームメモリボード5および6により、別々にデジタルデータ(画素ごとのR、G、Bの値)に変換し、パーソナルコンピュータ7に取り込む。
【0019】次いで、パーソナルコンピュータ7は、ステップ15における定量化処理を行う。その定量化処理は、次のような処理である。すなわち、フレームメモリボード5からの第1のデジタルデータから、フレームメモリボード6からの第2のデジタルデータを減算する計算を各画素ごとに行い、必要に応じて、その計算結果に一定または可変のバイアス値を加算する等の簡単な演算をほどこし、その計算結果がマイナス(負)ならば0(暗い部分)、プラス(正)ならば1(明るい部分)というように、2値化データを作成する。
【0020】パーソナルコンピュータ7は、そのようにして得た2値化データに基づき、平板表面の識別の対象となる事象に相当する暗い部分または明るい部分の1つ1つについて、それを認識し、面積や横幅と縦方向の長さを求めるような演算も行う。さらにまた、パーソナルコンピュータ7は、その演算結果から、暗い部分または明るい部分の総数、暗い部分または明るい部分の面積、横幅と縦方向長さ別の個数等を求め、それらより平板表面の性状をランキングして、結果をディスプレイ8に表示したり、ファイルに出力したり、必要に応じてはプリンタを接続してプリンタに出力したり、ホストマシン等と接続してホストマシン等に通知したりするような演算、制御(ステップ16)も行える。
【0021】図1の実施例では、フォーカス画像を撮るためのビデオカメラと、デフォーカス画像を撮るためのビデオカメラとの2台のビデオカメラを用いているのであるが、本発明は、これに限らず、1台のビデオカメラにて、先ずフォーカス画像を撮りデータを記憶させておき、次いで、デフォーカス画像を撮りデータを記憶させるようにすることによっても、実施することができる。
【0022】図3は、本発明の表面状態を2値化する方法を実施する装置のもう一つの構成例を概略的に示している。図3に示すように、この実施例の装置は、ビデオカメラに代えて1台のイメージスキャナ23を用いるものである。イメージスキャナ23は、表面状態を判定すべき平板21を載せ、その平板21の表面を読み取るための読み取り面23Aを有しており、読み取った画像をデジタルデータとして出力できるものである。この実施例の装置は、さらに、デフォーカス画像を取り込む時に、平板21とイメージスキャナ23の読み取り面23Aとの間に挿入する透明板22と、イメージスキャナ23からのデジタルデータを受け取り記憶するためのフレームメモリボード24と、フレームメモリボード24からのデジタルデータを取り込んで演算を行い、画像の2値化、計数等を行うパーソナルコンピュータ25と、パーソナルコンピュータ25から出力される結果を表示するためのディスプレイ26とを備える。
【0023】平板21は、製紙工程の製品からサンプルとして抜き取った用紙等の1枚であってもよいし、物体や現象を撮影した写真等の1枚であってもよい。このような装置において使用するフレームメモリボード24は、例えば、デジタルアーツ社のHyPER−FRAME+またはこれと同等以上の機能を持つものが適当である。パーソナルコンピュータ25は、ディスプレイおよびハードディスクを含むもので、例えば、NEC PC9801DAまたはこれと同等以上の機能を持つものが適当である。
【0024】次に、このような装置にて、平板の表面状態を表わす2値化データを得る手順、すなわち、定量化手順について説明する。先ず、この装置を使用する時には、電源を投入し、常時イメージスキャナ23およびパーソナルコンピュータ25の電源をオンにし、次いで、プログラムを、常時、実行状態にする。
【0025】はじめに、図3のAに示すように、平板21をイメージスキャナ23の読み取り面23Aに密着させて載せ、平板表面の通常の画像(ピントを合わせたフォーカス画像)を読み取る。こうして読み取ったフォーカス画像のデジタルデータは、フレームメモリボード24に送られ、それに記憶される。次に、図3のBに示すように、平板21とイメージスキャナ23の読み取り面23Aとの間に、一様の厚さの透明板22を挿入し、平板21とイメージスキャナ23との間に一定の間隔を置いた状態にして、平板表面のピンボケの画像(デフォーカス画像)を読み取る。こうして読み取ったデフォーカス画像のデジタルデータは、フレームメモリボード24に送られ、前記フォーカス画像のデジタルデータとは別の記憶領域に記憶される。2番目に読み取ったデフォーカス画像は、最初に読み取ったフォーカス画像を面的に平滑化したデータに相当するデータである。
【0026】次いで、パーソナルコンピュータ25は、次のような定量化処理を行う。すなわち、フレームメモリボード24から、前記フォーカス画像のデジタルデータと前記デフォーカス画像のデジタルデータをパーソナルコンピュータ25に取り込み、第1のデジタルデータから、第2のデジタルデータを減算する計算を各画素ごとに行い、必要に応じて、その計算結果に一定または可変のバイアス値を加算する等の簡単な演算を施し、その計算結果がマイナス(負)ならば0(暗い部分)、プラス(正)ならば1(明るい部分)というように、2値化データを作成する。
【0027】パーソナルコンピュータ25は、そのようにして得た2値化データに基づき、平板表面の識別の対象となる事象に相当する暗い部分または明るい部分の1つ1つについて、それを認識し、面積や横幅、縦方向の長さを求めるような演算も行う。さらにまた、パーソナルコンピュータ25は、その演算結果から、暗い部分または明るい部分の総数、暗い部分または明るい部分の個々の面積、横幅と縦方向長さ別の個数等を求め、それらより平板表面の性状をランキングして、結果をディスプレイに表示したり、ファイルに出力したり、必要に応じてはプリンタを接続してプリンタに出力したり、ホストマシン等と接続してホストマシン等に通知したりするような演算、制御も行える。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、画像のデジタルデータの面的平滑化をコンピュータに計算させるのではなく、もう1台のビデオカメラ、または1台のビデオカメラまたはイメージスキャナで面的平滑化をしたことに相当する画像データを取り込んでしまうことにより、面的平滑化という時間のかかる計算を省略でき、処理時間の大幅な短縮を図ることができる。
【0029】特に大がかりな画像処理を行わないため、専用の画像処理装置を必要とせず、ハードウエアのコストを低く抑えることができる。
【0030】表面の明るさに光のあて方等によるむらがあっても良く、暗室等の特別な施設を必要としないので、工場内の通常の環境で扱うことができる。
【0031】本発明の方法および装置を利用すれば、平板状の様々な対象物の表面のしみ、よごれ、変色域、穴、くぼみ、突起、条痕、しわ、模様等の抽出とその大きさ、個数等の計測、計数およびそれらによる表面性状の定量的な判定を自動化でき、生産コストの低減、作業の効率化と品質の均一化に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面状態を2値化する方法を実施する装置の構成例を概略的に示す図である。
【図2】図1の装置における処理の流れを示す図である。
【図3】本発明の表面状態を2値化する方法を実施する装置の別の構成例を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 平板
2 ライト
3 ビデオカメラ
4 ビデオカメラ
5 フレームメモリボード
6 フレームメモリボード
7 パーソナルコンピュータ
8 ディスプレイ
21 平板
22 透明板
23 イメージスキャナ
23A 読み取り面
24 フレームメモリボード
25 パーソナルコンピュータ
26 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ある表面のフォーカス画像を表わす第1のデジタルデータを作成し、前記表面のデフォーカス画像を表わす第2のデジタルデータを作成し、各画素毎に前記第1のデジタルデータと前記第2のデジタルデータとの差を計算し、その計算結果の正負にしたがって2レベル値の一方または他方の値を割り当てていくことにより2値化データを作成することを特徴とする表面状態を2値化する方法。
【請求項2】 前記表面状態は、固体表面の物理的形状の変化状態、固体表面の物理的性状の変化状態、液体表面の物理的形状の変化状態、または液体表面の物理的性状の変化状態である請求項1記載の方法。
【請求項3】 ある表面の表面状態を2値化する装置において、前記表面のフォーカス画像を表わす第1の映像信号および前記表面のデフォーカス画像を表わす第2の映像信号を発生するビデオカメラ手段と、該ビデオカメラ手段からの前記第1の映像信号および第2の映像信号をそれぞれデジタルデータに変換して第1のデジタルデータおよび第2のデジタルデータとして記憶するためのメモリ手段と、当該メモリ手段に記憶された前記第1のデジタルデータと前記第2のデジタルデータとの差を画素毎に計算してその計算結果の正負にしたがって2レベル値の一方または他方の値を割り当てていくことにより2値化データを作成する演算手段とを備えたことを特徴とする装置。
【請求項4】 前記表面状態は、固体表面の物理的形状の変化状態、固体表面の物理的性状の変化状態、液体表面の物理的形状の変化状態、または液体表面の物理的性状の変化状態である請求項3記載の装置。
【請求項5】 前記ビデオカメラ手段は、前記表面に向けて隣接して配列された2台のビデオカメラからなり、一方のビデオカメラは、前記表面に対して正確に焦点合わせされていて、前記フォーカス画像を表わす第1の映像信号を発生し、他方のビデオカメラは、前記表面に対して焦点をずらされているか、同様の効果を得るためのフィルターがレンズにかけられていて、前記デフォーカス画像を表わす第2の映像信号を発生し、前記演算手段は、パーソナルコンピュータである請求項3または4記載の装置。
【請求項6】 前記ビデオカメラ手段は、前記表面に向けて設置された1台のビデオカメラからなり、このビデオカメラは、前記表面を2回撮影し、そのうちの1回の撮影は、前記表面に対して正確に焦点を合わせて行い、前記フォーカス画像を表わす第1の映像信号を発生し、他の1回の撮影は、前記表面に対して焦点をずらされているか、同様の効果を得るためのフィルターをレンズにかけて、前記デフォーカス画像を表わす第2の映像信号を発生し、前記演算手段は、パーソナルコンピュータである請求項3または4記載の装置。
【請求項7】 ある表面の表面状態を2値化する装置において、前記表面のフォーカス画像を表わす第1のデジタルデータおよび前記表面のデフォーカス画像を表わす第2のデジタルデータを取り込むためのイメージスキャナ手段と、前記第1のデジタルデータおよび第2のデジタルデータを記憶するためのメモリ手段と、当該メモリ手段に記憶された前記第1のデジタルデータと前記第2のデジタルデータとの差を画素毎に計算してその計算結果の正負にしたがって2レベル値の一方または他方の値を割り当てていくことにより2値化データを作成する演算手段とを備えることを特徴とする装置。
【請求項8】 前記表面状態は、固体表面の物理的形状の変化状態、固体表面の物理的性状の変化状態、液体表面の物理的形状の変化状態、または液体表面の物理的性状の変化状態である請求項7記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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