説明

デュアル通信リンクをサポートする物理接続ポイント識別子を用いる通信方法および装置

【課題】エンド・ノードとアクセス・ノードとの間で、別のアクセス・ノードを介してメッセージをルーティングする方法および装置を提供する。
【解決手段】例えば隣接しているような遠隔のアクセス・ノードをメッセージ宛先として識別する場合、物理レイヤ識別情報が使用される。従って、1または複数の物理レイヤ識別子に基づいて、例えば、宛先アクセス・ノードから受信した1または複数のダウンリンク信号から、無線端末に接続識別子が利用可能である場合、無線端末は、確立されたアップリンク接続を有するアクセス・ノードを経由してメッセージをルーティングするために、宛先ノードに対応する接続識別子を用いることができる。そのような接続識別情報は、例えばネットワーク・レイヤ・アドレス情報のように、宛先アドレス・ノードに関連付けられたその他のアドレシング情報が、無線端末に利用可能な場合でさえも使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関し、より詳しくは、例えば、セルラのような無線通信ネットワークにおける物理レイヤ情報に基づき、メッセージをルーティングする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オープン・システム・インターコネクション(OSI)参照モデルは、様々な通信動作やルーティング動作を説明するのに役に立つ。OSI参照モデルは、最上部レイヤであるアプリケーション・レイヤ、および最下部レイヤである物理レイヤを備えた7レイヤを含む。物理レイヤは、システムにおける実際の物理的な接続やそのような物理的接続の属性を取り扱っているレイヤである。物理レイヤ上にはデータ・リンク・レイヤが存在し、これはしばしばリンク・レイヤと称される。リンク・レイヤ(OSIモデル内のレイヤ2)はしばしば、技術に特有の転送レイヤとして記述される。リンク・レイヤ上にはネットワーク・レイヤ(OSIレイヤ3)が存在し、ここでは、ネットワーク・ルーティングや中継がサポートされる。ネットワーク・レイヤは、パケット・レイヤと称されることもある。例えば、1または複数のパスにおいて、ネットワークを介したメッセージ/パケットのルーティングが実行されるのは、ネットワーク・レイヤにおいてである。異なるレベルにおけるメッセージおよび信号を検出するために、異なるアドレシングも使用される可能性がある。例えば、ネットワーク・レイヤ・レベルでは、メッセージ/パケットをルーティングするために、例えばIPアドレスのようなネットワーク・アドレスが使用されうる。データリンク・レイヤ・レベルにおいてメッセージのルーティングを制御するために、MACアドレスが使用されることができる。OSIモデルの最下部レベルである物理レベルでは、1または複数の物理識別子が、実際の物理属性に対する関係、または、ソース・デバイスあるいは宛先デバイスの特性を有する。異なる通信レイヤや、これら各レイヤそれぞれに使用される異なるアドレシング技術の理解が、本発明の理解を容易にするだろう。
【0003】
しばしば通信システムは、例えば、モバイル・デバイスのようなエンド・ノードがネットワークに接続されるアクセス・ノードに結合された複数のネットワーク・ノードを含む。ネットワーク・ノードは、階層状に構成されうる。エンド・ノードは、一般に、アクセス・ノードとの間で確立された接続を介して、アクセス・ノードと直接通信する。そのようなシステムは、アクセス・ノードとエンド・ノードとの間の双方向通信リンクの存在に依存して、エンド・ノードとアクセス・ノードとの間の2方式通信を支援する。そのようなシステムにおいては、通常エンド・ノードは、目標とする宛先アドレス・ノードのネットワーク・レイヤ・アドレスが分からないが、通常はそのようなメッセージ・ルーティングのためのシステムには使用されないものの、一般的には、ブロードキャスト・チャネルを介して受信可能な物理レイヤ識別子を含む情報を知ることができることに着目して頂きたい。本アプローチにより、エンド・ノードが一度に1つのみの双方向通信リンクしか保持しない場合には、ハンドオフ遅延とパケット喪失とが生じる。
【0004】
たとえ目標アクセス・ノードに関するカレント・アップリンク通信リンクを持っていないエンド・ノードが、目標アクセス・ノードのネットワーク・アドレスを知らない場合であっても、エンド・ノードがカレント・アップリンク通信リンクを持つアクセス・ノードを介して、目標アクセス・ノードと通信することを可能たらしめる方法および装置に対するニーズがあることが理解されるべきである。
【0005】
幾つかのシステムでは、エンド・ノードは、異なるアクセス・ノードとの多くの双方向通信リンクを同時に保持できる。しかしながら、そのようなシステムは一般には、エンド・ノードが接続を持っている特定のアクセス・ノードに向けられたメッセージを、エンド・ノードが、その特定のアクセス・ノードに直接的に接続されたリンクを介して送ることを要求する。幾つかの場合、このアプローチは、非効率的である。なぜなら、リンクは、特に無線リンクである場合、品質(例えば、遅延や喪失といった特性)に関して変動する傾向にあるからである。その結果、目標とする宛先アクセスへのリンクは、この目標とする宛先アクセスへメッセージが送られる必要がある場合にエンド・ノードに利用可能な最良のリンクではないかもしれない。一般に、この制限は、ネットワーク・レイヤ・アドレス(例えばIPアドレス)を用いることによる多くのホップを経由してルーティングされるネットワーク・レイヤ通信に依存することによって克服される。ネットワーク・レイヤ・アドレスを用いるこのアプローチもまた、特に、メッセージングがリンク・レイヤ特有の機能を取り扱わねばならない場合には非効率的である。なぜなら、幾つかのシステムでは、ネットワーク・レイヤ・メッセージは、リンク・レイヤ・メッセージよりもはるかに大きい傾向にあるからである。そのような非能率的なシグナリングは、リソースが限定されたエア・リンクを介した通信には適していない。
【0006】
エンド・ノードが、メッセージが送られるアクセス・ノードと独立して、何れかの利用可能な無線通信リンクを経由してメッセージを送ることを可能にする方法に対するニーズもまた存在すると理解されるべきである。少なくとも幾つかの実施形態では、そのようなメッセージは、宛先アクセス・ノードへ情報をルーティングするために、例えばIPレイヤ・アドレスのようなネットワーク・レイヤ・アドレスの使用を含む通信のような、非効率的なネットワーク・レイヤ通信に依存する必要なく送られることが望ましいだろう。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、エンド・ノードとアクセス・ノードとの間で、その他のアクセス・ノードを介してメッセージを経路付ける方法および装置に関する。本発明の方法および装置は、例えば隣接しているような遠隔のアクセス・ノードをメッセージ宛先として識別する場合、物理レイヤ識別情報を用いることをサポートする。従って、例えば、宛先アクセス・ノードから受信した1または複数のダウンリンク信号から、1または複数の物理レイヤ識別子に基づく接続識別子が、無線端末に利用可能である場合、この無線端末は、無線端末との間の確立されたアップリンク接続を有するアクセス・ノードを経由してメッセージをルーティングするために、宛先ノードに対応する接続識別子を使用することができる。そのような接続識別子情報は、例えばネットワーク・レイヤ・アドレス情報のように、宛先アクセス・ノードに関連付けられたその他のアドレシング情報が無線端末に対して利用可能ではない場合でさえ、使用することができる。
【0008】
様々な斬新な特徴が、ブロードキャスト情報をアクセス・ノードから受信して、例えばアクセス・ノードに対応する接続識別子等の物理接続ポイント識別子を決定するエンド・ノード方法に導かれる。その他の特徴は、別のアクセス・ノードに対応する接続識別子を含む、1つのアクセス・ノードへ信号を送信することに導かれる。接続識別子は、物理レイヤ接続ポイントに関連する情報を提供する1または複数の情報単位に基づく。従って、本発明に従って、物理レイヤ情報を、接続識別子として使用することができる。
【0009】
本発明によれば、アクセス・ノードは、物理レイヤ識別情報に基づく接続識別子を、1または複数の高次レベル・アドレスへマップする情報を格納する。マッピング情報は、アクセス・ノードに格納される。アクセス・ノードは、例えば隣接しているようなその他のアクセス・ノードの物理レイヤ接続ポイントに対応する接続識別子に加えて、アクセス・ノードにローカルである物理レイヤ接続ポイントに対応する接続識別子のためのマッピング情報を含む。これは、物理的に隣接した基地局間のルーティングが、現在無線端末となっているアクセス・ノードとの既存の接続を経由して近隣のアクセス・ノードに配信されることになっているメッセージを送る場合に、無線端末がエアを介してリンク・レイヤ・アドレスまたはネットワーク・レイヤ・アドレスを送信する必要なく、物理レイヤ接続識別子に基づいて行なわれることを可能にする。
【0010】
本発明の様々な特徴は、アクセス・ノード・アドレス解決失敗に関する識別子を表すアクセス・ノードから信号を受信し、このエンド・ノードに対して、新たなアクセス・ノード近隣の確立のための近隣通知メッセージを送らせるエンド・ノード方法に導かれる。
【0011】
幾つかの特徴が、無線端末に格納された本発明の新規なメッセージと同様に、無線端末方法および装置にも導かれている一方で、その他の特徴が、新規なアクセス・ノード方法および装置にも導かれている。本発明はまた、本発明の斬新なメッセージのうちの1または複数を格納する、例えばメモリ・デバイスのようなデータ記憶デバイスにも向けられている。
【0012】
様々な実施形態が上述した概要において説明されているが、必ずしも全ての実施形態が、同じ特徴を含む必要は無く、これら特徴のうちの何れかが、幾つかの実施形態において必ずしも望ましい訳ではないことが認識されよう。本発明の多くの追加機能、実施形態、および利点が、以下の詳細説明で述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に従って実施される一般的な通信システムのネットワークを例示している。
【図2】図2は、本発明に従って実施される一般的エンド・ノードを例示している。
【図3】図3は、本発明に従って実施される一般的アクセス・ノードを例示している。
【図4】図4は、本発明に従って実施される一般的接続識別子を例示している。
【図5】図5は、本発明に従って実施される図4の接続識別子を用いた一般的メッセージを例示している。
【図6】図6は、エンド・ノードが1つのアクセス・ノードへの双方向接続を保持し、別のアクセス・ノードと通信したい時、本発明に従って実行される一般的シグナリングを例示している。
【図7】図7は、エンド・ノードが多くの接続ノードとの双方向接続を保持する場合において本発明に従って実行される一般的シグナリングを例示している。
【図8】図8は、エンド・ノードが2つのアクセス・ノード間の近隣発見処理を開始させた場合に、本発明に従って実行される一般的シグナリングを例示している。
【図9】図9は、PIDと対応する高レベル・アドレスとの間のマップに使用される一般的PID対高レベル・アドレス・リゾリューション・テーブルを例示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による方法ならびに装置は、一例としてモバイル・デバイスのような1または複数のエンド・ノードとの通信セッションをサポートするために使用可能な、例えば物理レイヤ識別子のような物理レイヤ情報に基づいてメッセージをルーティングする。本発明の方法および装置は、広範囲の通信システムと共に使用することができる。例えば、本発明は、モデム、PDA、あるいはデバイス移動のための無線インタフェースをサポートするその他の様々なデバイスが装備されたノートブック・コンピュータのようなモバイル通信デバイスをサポートするシステムと共に使用することができる。
【0015】
図1は、セルラ通信ネットワークのように、通信リンクによって相互に接続された複数のノードを備え、本発明によって実施される典型的な通信システム100を例示している。典型的な通信システム100は、例えば、多元接続スペクトラム拡散直交周波数分割多重化(OFDM)無線通信システムである。この典型的な通信システム100におけるノードは、例えばインターネット・プロトコル(IP)のような通信プロトコルに基づいて、例えばメッセージのようなシグナルを用いて情報を交換する。このシステム100の通信リンクは、例えば、有線、光ファイバ・ケーブル、および/または無線通信技術を使用して実現されうる。この典型的な通信システム100は、複数のエンド・ノード144、146、144’、146’、144”、146”を含んでいる。これらは、複数のアクセス・ノード140、140’、140”を経由して通信システムへアクセスする。エンド・ノード144、146、144’、146’、144”、146”は、例えば無線通信デバイスまたは端末であり、アクセス・ノード140、140’、140”は、例えば基地局である。基地局は、無線アクセス・ルータとして実現されうる。典型的な通信システム100は更に、相互接続性を提供するため、または、特定のサービスまたは機能を提供するために使用される多くのその他のノード104、106,110、112をも含んでいる。特に、典型的な通信システム100は、エンド・ノードに関する状態の転送および記憶をサポートするために使用されるサーバ104を含む。サーバ・ノード104は、例えばAAAサーバでありうる。あるいは、コンテクスト転送サーバでありうる。あるいは、AAAサーバ機能とコンテクスト転送サーバ機能との両方を含むサーバでありうる。
【0016】
図1に示すような一般的なシステム100は、対応するネットワーク・リンク105および107によって各々中間ネットワーク・ノード110へ接続されたサーバ104およびノード106を含むネットワーク102を示している。また、ネットワーク102内の中間ネットワーク・ノード110は、ネットワーク・リンク111を経由して、ネットワーク102に関して外部にあるネットワーク・ノードに対する相互接続性をも提供する。ネットワーク・リンク111は、ネットワーク・リンク141、141’、141”をそれぞれ経由して複数のアクセス・ノード140、140’、140”への接続性を提供する別の中間のネットワーク・ノード112にも接続されている。
【0017】
各アクセス・ノード140、140’、140”は、おのおの対応するアクセス・リンク(145、147)、(145’、147’)、(145”、147”)を介して、N個の複数のエンド・ノード(144、146)、(144’、146’)、(144”、146”)に対する接続を提供するように示されている。一般的通信システム100では、各アクセス・ノード140、140’、140”は、アクセスを提供するために、例えば無線アクセス・リンクのような無線技術を使用することとして示される。例えば、アクセス・ノード140、140’、140”それぞれの通信セル148、148’、148”のようなラジオ有効範囲領域は、対応するアクセス・ノードを包む円として図示される。
【0018】
一般的通信システム100は、呼述するように、本発明の様々な実施形態の記述の基礎として用いられる。本発明の代替的な実施形態では、ネットワーク・ノードの数とタイプ、アクセス・ノードの数とタイプ、エンド・ノードの数とタイプ、サーバおよびその他のエージェントの数とタイプ、リンクの数とタイプ、および、ノード間の相互接続性が、図1で示された典型的な通信システム100のものと異なるうる様々なネットワーク・トポロジを含む。
【0019】
本発明における種々の実施形態においては、図1に示す機能エンティティのうちの幾つかが省略されたり、結合されたりすることが可能である。ネットワーク内のこれら機能エンティティの位置または配置もまた変わりうる。
【0020】
図2は、本発明に従って実現されるモバイル・ノードのような無線端末である一般的エンド・ノード200の詳細な記述である。図2に示す一般的なエンド・ノード200は、図1に示すエンド・ノード144、146、144’、146’、144”、146”のうちの何れか1つとして用いることが可能な装置を詳細に示している。図2の実施形態では、エンド・ノード200は、バス206によってともに接続されたプロセッサ204、無線通信インタフェース230、ユーザ入力/出力インタフェース240、およびメモリ210を含んでいる。従って、エンド・ノード200の様々な構成要素は、バス206を経由して、情報、信号、およびデータを交換することができる。エンド・ノード200の構成要素204、206、210、230、240は、ハウジング202の内部に配置されている。
【0021】
無線通信インタフェース230は、エンド・ノード200の内部構成要素が、例えばアクセス・ノードのようなネットワーク・ノードや外部デバイスとの間で信号を送受信することができるメカニズムを提供する。無線通信インタフェース230は、例えば、対応する受信アンテナ236を備えた受信機モジュール232と、エンド・ノード200を、例えば無線通信チャネルのようなその他のネットワーク・ノードへ結合するために使用され、対応する送信アンテナ238を備えた送信機モジュール234とを含んでいる。幾つかの実施形態では、送信機モジュール234は、直交周波数分割多重化(OFDM)送信機を含んでいる。
【0022】
また、一般的なエンド・ノード200は、例えばキーパッドのようなユーザ入力デバイス242と、例えばディスプレイのようなユーザ出力デバイス244とをも含んでいる。これらは、入力/出力インタフェース240を経由してバス206に接続されている。従って、ユーザ入力/出力デバイス242、244は、ユーザ入力/出力インタフェース240およびバス206を経由して、エンド・ノード200のその他の構成要素と情報、信号、およびデータを交換することができる。ユーザ入力/出力インタフェース240と関連するデバイス242、244は、様々なタスクを遂行するためにユーザがエンド・ノード200を操作することができるメカニズムを提供する。特に、ユーザ入力デバイス242およびユーザ出力デバイス244は、ユーザが、エンド・ノード200や、エンド・ノード200のメモリ210で実行する例えばモジュール、プログラム、ルーチン、および/または機能のようなアプリケーションを制御することを可能にする機能を提供する。
【0023】
メモリ210に含まれているルーチンのような様々なモジュールによって制御されるプロセッサ204は、後述するような様々なシグナリングや処理を実行するためにエンド・ノード200の動作を制御する。メモリ210に含まれるモジュールは、起動時、あるいは、その他のモジュールによる呼出に応じて実行される。実行時、モジュールは、データ、情報、および信号を交換することができる。実行時、モジュールは更に、データおよび情報を共有することができる。図2の実施形態では、本発明のエンド・ノード200のメモリ210は、シグナリング/制御モジュール212およびシグナリング/制御データ214を含んでいる。
【0024】
シグナリング/制御モジュール212は、状態情報記憶、検索、あるいは処理の管理を行うために、例えばメッセージのような、シグナルの送信および受信に関する処理を制御する。シグナリング/制御データ214は、例えば、パラメータ、状態、および/またはエンド・ノードの動作に関するその他の情報のような状態情報を含んでいる。特に、シグナリング/制御データ214は、例えばエンド・ノード識別情報のような設定情報216と、現在の処理状態、未解決の応答の状態等に関する情報のような動作情報218とを含む。モジュール212は、データ214へのアクセス、および/または、例えば設定情報216や動作情報218の更新のような修正を行う。
【0025】
メッセージ生成モジュール251は、エンド・ノード200の種々の動作のためのメッセージを生成する。近隣通知メッセージ280およびシグナリング・メッセージ281は、本発明に従って生成される典型的なメッセージである。
【0026】
リンク選択モジュール213は、エンド・ノード200によって送信される準備ができている次のメッセージの送信のために、エンド・ノード200に利用可能な複数のリンクから、例えば、最良のリンクのようなリンクを選択する。このようなリンク選択アルゴリズムは、限定される訳ではないが、リンク・レイテンシ要件、リンク・チャネル条件要件、リンク誤り率要件、およびリンク送信電力のうちの少なくとも幾つかを含む様々なリンク品質パラメータに基づく。
【0027】
物理レイヤ接続ポイント識別子(PID)決定モジュール270は、アクセス・ノードから受信したブロードキャスト信号に対応するPIDを決定する。PID決定モジュール270は、セル識別モジュール271と、キャリア識別モジュール272と、セクタ識別モジュール273とを含んでいる。全てではないものの、幾つかの実施形態では、セル識別子とキャリア識別子とセクタ識別子との組合せが、物理接続ポイント識別子として使用される。これら識別子要素の各々は、物理レイヤ識別情報に対応する。例えば、セル識別子は、物理セルまたはセル・タイプを識別する。キャリア識別子は、例えば、キャリア周波数またはトーン・ブロックのような物理キャリアを識別する一方、セクタ識別子は、対応するセル内のセクタを識別する。PIDを実現するためにこの情報の全てが必要ではなく、PIDの特定の要素は、システム実装に依存して変わりうる。例えば、セクタ化されたセルを使用しないシステムでは、セクタIDに対する必要はないだろう。同様に、シングル・キャリア・システムでは、キャリアIDに対する必要はないだろう。1つの典型的なシステムにおいて、PID決定を行うことは、セル識別子の決定のためにセル識別モジュール271を動作させることと、キャリア識別子の決定のためにキャリア識別モジュール272を動作させることと、セクタ識別子の決定のためにセクタ識別子モジュール273を動作させることとからなる各ステップを含む。従って、例えばアンテナのような単一の物理的な送信要素を通過する異なる信号は、異なる物理レイヤ接続ポイントに対応し、例えば、異なる物理レイヤ接続ポイントの各々は、物理識別子の組み合わせによって、少なくともローカルな領域でユニークに識別されることが認識されるべきである。例えば、第1のキャリア識別子と組み合わされたアンテナ識別子またはセクタ識別子の組み合せが、第1の物理レイヤ接続ポイントを識別するために使用される一方、同じアンテナ識別子またはセクタ識別子と組み合わされた第2のキャリア識別子が、第2の物理レイヤ接続ポイントを識別するために使用されうることが認識されるべきである。
【0028】
物理レイヤ接続ポイント識別子(PID)情報260は、PID決定モジュール260を用いて決定されたPIDのリスト(PID1 261、PID2 262)である。物理レイヤ接続ポイント識別子(PID)の1つの一般的な実施例は、メッセージの送信時と受信時との両方、または何れか一方の場合にメッセージに含まれている接続識別子(CID)でありうる。以下に、一般的なCIDについて説明する。
【0029】
メモリ210は、近隣通知モジュール290と、メッセージ送信制御モジュール292と、リンク確立モジュール294とをも含む。近隣通知モジュール290は、例えば、隣接通知メッセージ280のような近隣通知を、アクセス・ノードに送信するために使用される。メッセージ送信制御モジュール292は、送信機モジュール234を制御するために使用される。リンク確立モジュール294は、アクセス・ノードとの無線通信リンクを確立するために使用される。
【0030】
図3は、本発明に従って実現される一般的アクセス・ノード300の詳細例を提供している。図3に示すような一般的アクセス・ノード300は、図1に示すアクセス・ノード140、140’、140”のうちの任意の1つとして使用されうる装置を詳細に示すものである。図3の実施形態では、アクセス・ノード300は、バス306によって共に接続されたプロセッサ304、メモリ310、ネットワーク/インターネットワーク・インタフェース320、および無線通信インタフェース330を含んでいる。従って、アクセス・ノード300の様々な構成要素は、バス306を経由して、情報、信号、およびデータを交換することができる。アクセス・ノード300の構成要素304、306、310、320、330は、ハウジング302内部に配置される。
【0031】
ネットワーク/インターネットワーク・インタフェース320は、アクセス・ノード300の内部構成要素が外部装置およびネットワーク・ノードとの間で信号を送信および受信することが可能なメカニズムを提供する。ネットワーク/インターネットワーク・インタフェース320は、銅線や光ファイバ線によって、ノード300を他のネットワーク・ノードに接続するために使用される受信機モジュール322と送信機モジュール324とを含む。また、無線通信インタフェース330は、アクセス・ノード300の内部構成要素が、例えばエンド・ノードのようなネットワーク・ノードと外部デバイスとの間で信号を送受信することができるメカニズムを提供する。無線通信インタフェース330は、例えば、対応する受信アンテナ336を備えた受信機モジュール332と、対応する送信アンテナ338を備えた送信機モジュール334とを含む。インタフェース330は、例えば無線通信チャネルのような他のネットワーク・ノードへアクセス・ノード300を結合するために使用される。
【0032】
様々なシグナリングおよび処理のために、メモリ310に含まれるルーチンのような様々なモジュールの制御の下で、プロセッサ304は、アクセス・ノード300の動作を制御している。メモリ310に含まれる各々のモジュールは、起動時、または、メモリ310内に存在可能な他のモジュールによる呼出時に実行される。実行時、モジュールは、データ、情報、および信号を交換しうる。実行時、モジュールは更に、データおよび情報を共有しうる。
【0033】
図3の実施形態において、本発明のアクセス・ノード300のメモリ310は、信号生成のための信号生成モジュール314と、信号およびメッセージをルーティングするパケット・ルーティング・モジュール350と、ネットワーク・レイヤ・アドレスへPIDをマップするマッピング・モジュール312と、IPアドレス・マッピング317に対するPIDを含むアドレス・リゾリューション・テーブル311とを含む。メモリ310は更に、アクセス・ノード300が通信しているエンド・ノードを識別するエンド・ノード識別モジュール351と、アップリンク・リソースをエンド・ノードへ割り当て、エンド・ノードXに割り当てられたリソース341を含むアップリンク・リソース割当情報340と、ダウンリンク・リソースをエンド・ノードへ割り当て、エンド・ノードXに割り当てられたリソース346を含むダウンリンク・リソース割当情報345とも含む。
【0034】
図9を参照して手短に説明するが、図9は、図3に示すようなアドレス・リゾリューション・テーブル311として使用可能なアドレス・リゾリューション・テーブル311’を例示している。アドレス・リゾリューション・テーブル311’は、PID902、904、906、908、910、912と、対応するIPアドレス903、905、907、909、911、913を示す情報をそれぞれ含んでいる。PIDは、ローカルにそれぞれユニークであり、例えば、ちょうど隣接しているセルのPIDは、互いにユニークである。PIDの内容は、アクセス・ノードの物理特性と、PIDが対応するアクセス・ノードによってサポートされる物理レイヤ接続ポイントの数とに依存して変わりうることに留意されたい。図9の例において、PID902、904は、同じキャリアを用いる2つのセクタをサポートする第1のアクセス・ノード(AN1)に相当する。従って、AN1の場合、セル内の物理レイヤ接続ポイントをユニークに識別するために、PIDがセル識別子とセクタ・タイプ識別子とを含むことで十分である。PID906、908、910は、多数のキャリアおよび多数のセクタをサポートするセルに相当する。従って、アクセス・ノード2のPIDは、本明細書で更に説明するような様々な典型的な実施形態で使用されているのと同様に、CIDとして実施される。PID912は、単一セクタを含み単一キャリアを用いる第3のアクセス・ノードに相当する。従って、例えばセクタ識別子および/またはキャリア識別子のような追加の物理レイヤ識別情報となるが、第3のアクセス・ノードに対応するPID6は、セル識別子のみを含むことで十分である。そのような追加情報を含むことは、多くのセルに渡って一貫したPIDフォーマットが望ましい場合、処理の観点から望ましい。
【0035】
図4は、本発明に従って実施される一般的接続識別子(CID)400を例示する。CID400は、セル識別子であるスロープ410と、セクタ識別子であるセクタ420と、トーン・ブロック識別子としても知られているキャリア周波数識別子であるキャリア430とを含んでいる。
【0036】
OFDM技術を用いる一般的通信システムでは、物理レイヤで、スペクトルが多くのトーンに分割され、近隣地理的領域内のセルならびにセクタにて再使用される。干渉特性の改善のため、時間に亘り各セル/セクタのホップで使用されるトーンと、近隣の地理的領域内の異なるセルおよびセクタとは、トーンがどのようにホップするかを特定する別のホッピング・シーケンスを用いる。このホッピング・シーケンスは、2つの入力変数、すなわち、例えばスロープ値のようなセル識別子と、セクタ識別子とによって制御される予め定めた関数を用いて生成される。セクタ識別子は、特定のセクタが、複数の可能なセクタ・タイプのうちのどれに対応するのかを示すセクタ・タイプ識別子として実施される。1つの実施形態では、スロープ値は、1から112までの整数であり、セクタ識別値は、0から5までの整数である。近隣セルおよびセクタは、生成されたホッピング・シーケンスが異なるものになるように、スロープおよびセクタ識別子からなる異なるペアを用いる。1つの実施形態では、セル内の全てのセクタは、同じスロープ値であるが異なるセクタ識別子を用い、例えば物理的に隣接した近隣セルは、異なるスロープ値を用いる。
【0037】
一般的OFDM通信システムは更に、幾つかの実施形態において、多くのキャリアあるいはトーン・ブロックを用い、これにより、利用可能なトーンが、多数のトーン・ブロックにグループ化される。トーン・ブロック内のトーンは好適には隣接している。1つの典型的なシステムでは、与えられたトーン・ブロックにおけるトーンのホッピングは、そのトーン・ブロックに限定される。すなわち、ホッピング・シーケンスは、トーンがトーン・ブロック内でホップすることができるが、多数のトーン・ブロックにわたってホップすることはできない。トーン・ブロックはキャリア識別子を用いてインデクスされる。1つの実施形態では、キャリア識別子は、整数0、1、あるいは2である。
【0038】
無線ネットワーキング・サービスを取得するため、エンド・ノードが接続を設定すると、
ネットワーク側のエンティティは、例えばセル/セクタ内の基地局のようなアクセス・ノードであり、接続は、単一のトーン・ブロックに関して定義される。従って、上述したような一般的OFDM通信システムでは、スロープ、セクタ識別子、およびキャリア識別子の組み合せは、無線端末の接続を識別するローカルにユニークな識別子として使用することができる。従って、この組み合せは、1または複数の物理レイヤ識別子に基づく接続識別子である。1つの実施形態では、多くの無線端末が、同じトーン・ブロック上の同じ基地局セル/セクタとの接続を有することができる。これら接続は、通常、同じ接続識別子を共有するだろう。なぜなら、これら接続は、セル、セクタ、およびトーン・ブロックの組み合わせによって定義された同じ物理レイヤ接続ポイントに接続されるからである。接続識別子と無線端末識別子との組み合せは、特定の無線端末との通信接続を示すために使用することができる。
【0039】
接続識別子は、一般に、接続をローカルにかつユニークに識別する数字やその組み合わせである。様々な実施形態では、数字は、物理レイヤ特性パラメータである。例えば、CDMA通信システムの一般的実施形態のような他の実施形態においては、接続識別子は、擬似雑音(PN)シーケンス・オフセットと、例えば多数のキャリアが使用されているのであればキャリア識別子のようなその他のパラメータとの組み合わせでありうる。
【0040】
図5は、図4の接続識別子を用いる本発明に従う一般的メッセージ500を例示している。この一般的メッセージ500は、CID宛先/ソース・アドレスを含んでいるリンク・レイヤ・メッセージである。CID宛先/ソース・アドレスは、本発明の幾つかの実施形態に従ったリンク・レイヤ・メッセージ内のオプション・フィールドである。リンク・レイヤ・メッセージ500は、メッセージ500に含まれるメッセージ・ボディ530のタイプを識別するリンク・レイヤ制御(LLC)タイプ・フィールド510を含んでいる。CID520は、図4の接続ID400の形式である接続IDである。本発明の1つの実施形態では、ClDフィールド520は、本発明に従ってエンド・ノードからアクセス・ノードへ送られた場合、宛先物理接続ポイントを識別し、本発明に従ってアクセス・ノードからエンド・ノードへ送られた場合、ソース物理接続ポイントを識別する。
【0041】
図6は、本発明における様々な一般的実施形態に従って実行される一般的通信方法と対応するシグナリングを図示している。図6では、エンド・ノード630は、エンド・ノード630とアクセス・ノード620との間の無線アップリンク・リンクなしで、かつ、エンド・ノードが、アクセス・ノード620のIPアドレスを知る必要なく、アクセス・ノード610を経由してアクセス・ノード620と通信する。シグナリングは、図1に図示された典型的なシステム100に関して図示される。アクセス・ノード610、620は、図1のシステム100のアクセス・ノード140、140’、140”に類似しており、図3のアクセス・ノード300に従って実現される。エンド・ノード630は、図1のシステムのエンド・ノード144、146、144’、146’、144”、146”に類似しており、図2のエンド・ノード200に従って実現される。
【0042】
図6では、エンド・ノード630は、アクセス・ノード610との双方向リンクを保持しているが、これは、エンド・ノード630がアクセス・ノード610との間でメッセージを送信したり受信できることを意味する。図6におけるエンド・ノード630は、アクセス・ノード620の送信範囲内であるが、アクセス・ノード620とのアップリンクを持たない。これは、エンド・ノード630が、アクセス・ノード620(例えば、ブロードキャスト・メッセージ640)によって送られたブロードキャスト情報を受信し処理することができるが、エンド・ノード630は、エアを介してアクセス・ノード620にメッセージを送ることができず、アクセス・ノード620は、エア・インタフェースを介してエンド・ノード630によって送られたメッセージを受信することも処理することもできないことを意味する。本発明の1つの実施形態では、これは起こりうる。なぜなら、エンド・ノード630およびアクセス・ノード620は、十分なタイミング同期を持たないからである。例えば、制限されたハードウェア機能のようなある制限によって、エンド・ノード630は、アクセス・ノード610との間に現在、双方向接続を有しているものの、アクセス・ノード620とのアップリンク接続を確立することができないかもしれない。1つの実施形態では、アクセス・ノード610およびアクセス・ノード620によって使用されるアップリンクは、異なるキャリアにある。例えば、アクセス・ノード610によって使用されるアップリンクの周波数帯域は、アクセス・ノード620によって使用されるアップリンクの周波数帯域とは異なる。例えば、エンド・ノード630は、コストに対する考慮から1つの無線周波数(RF)チェーンしか持たないので、エンド・ノード630が、与えられた時間において、1つの帯域内でしかアップリンク信号を生成できない場合、エンド・ノード630は、2つの個別の周波数帯域において2つのアップリンク接続を同時に保持することはできない。別の実施形態では、アクセス・ノード610、620によって使用されるアップリンクが同じ帯域にある場合、2つのアップリンクは、時間同期されないかもしれない。なぜなら、2つのアクセス・ノードが時間同期していなかったり、あるいは、エンド・ノード630からのアクセス・ノード610および620に達する信号の伝播遅延の違いのためである。例えば、エンド・ノード630が、一度に1つのタイミング同期スキームに限定された単一のデジタル処理チェーンしか有しておらず、エンド・ノード630が、一度に1つのタイミング同期スキームに従って1つのみのアップリンク信号しか生成できないのであれば、2つのアップリンク接続が、互いに十分にタイミング同期されていない場合、エンド・ノード630は、これら2つのアップリンク接続を同時に保持することはできない。
【0043】
エンド・ノード630は、アクセス・ノード620によって送信されたブロードキャスト信号640を受信する。本発明の実施形態に従う信号640は、ブロードキャスト信号640を送信するアクセス・ノード620の具体的物理接続に対応する、図4のCID400に類似した接続IDを十分に決定することができる。信号すなわち信号640は、1または複数のシンボル送信期間にわたって送信されうるビーコン信号および/またはパイロット信号を含むことができる。
【0044】
エンド・ノード630は、アクセス・ノード610にメッセージ650を送信する。本発明の一般的実施形態では、メッセージ650は、図5の一般的メッセージ500と同じか、または類似している。図5のCID520と同一であるメッセージ650のCIDフィールドは、信号640をブロードキャストするアクセス・ノード620の物理接続ポイントを識別する接続識別子に設定される。従って、このメッセージ650は、アクセス・ノード610へ送られていようとも、アクセス・ノード620に向けられている。例えば図6に示すようなエンド・ノード630は、アクセス・ノード620とのアップリンクを持たないので、アクセス・ノード620へと直接的にメッセージ650を送ることができないことに注目されたい。
【0045】
アクセス・ノード610は、メッセージ650を受信し、図5のCID520に対応するメッセージ650のCIDフィールドを確認し、リンク・レイヤ識別情報に格納されたCIDから、自身の物理接続ポイントのうちの1つを特定していないことを認識する。そのような場合、アクセス・ノード610は、アクセス・ノード620の対応する高次レイヤ識別子(例えば、IPアドレス)に対するマッピングを得るために、メッセージ650のCIDを求めてメモリを探索する。
【0046】
例えば、単一のリンク・レイヤ・コントローラの下で動作する多くのセクタ、および/または、単一のリンク・レイヤ・コントローラの下で用いられる多くのキャリアを含んでいる基地局は、単一のリンク・レイヤ・コントローラに対応するリンク・レイヤ識別子に対応する多くのCIDを有しうる。個別のリンク・レイヤ・コントローラが、各セクタおよび/またはキャリアのために用いられる実施形態においては、異なるセクタおよび/またはキャリアの各々のために、異なるリンク・レイヤ識別子を使用することができる。幾つかの実施形態では、物理接続ポイントとリンク・レイヤとの間に1対1のマッピングがある。しかし、これは必ずしも必要ではなく、単一のリンク・レイヤの下で動作する幾つかの物理接続ポイントが存在しうる。従って、多くの物理レイヤ識別子が、同じリンク・レイヤ・リンク識別子と一致しうるが、各物理レイヤ識別子接続識別子は、通常はせいぜい、単一のリンク・レイヤ・リンク識別子にマップする。
【0047】
高次レイヤ・アドレスへのマッピングが発見されたと仮定した場合、アクセス・ノード610は、アクセス・ノード620の識別子へ設定された宛先アドレスを含むネットワーク・レイヤ・メッセージ660の中へ、メッセージ650の少なくとも一部をカプセル化し、このメッセージ660をアクセス・ノード620へ送信する。この発明によれば、メッセージ660は更に、エンド・ノード630識別子を含む。この識別子は、実施形態に依存して、エンド・ノード630IPアドレス、エンド・ノード630ネットワーク・アクセス識別子(NAI)、およびテンポラリ識別子のうちの1つである。アクセス・ノード620は、このメッセージ660を受信し、このメッセージ660から、メッセージ650のカプセル化された部分を抽出する。アクセス・ノード620は、メッセージ650のカプセル化され抽出された部分のCIDフィールドを検査し、このCIDフィールドが、自身の物理接続ポイントのうちの1つを特定していることを認識する。
【0048】
アクセス・ノード620は、メッセージ660内にカプセル化され、メッセージ650の少なくとも一部を含んでいる、アクセス・ノード620によって受信されたメッセージ670を送る。このメッセージ670はまた、メッセージ660に含まれるものと類似のエンド・ノード630識別子を含む。そして、アクセス・ノード610は、メッセージ670を受信し、含まれているエンド・ノード識別子を検査することによって、このメッセージ670が、エンド・ノード630に向けられたメッセージ680をカプセル化していると判定する。その後、アクセス・ノード610は、メッセージ670のうちの少なくとも一部を含んでいるメッセージ680を送る。本発明に従って、メッセージ680は、信号640をブロードキャストするアクセス・ノード620の物理接続ポイントのCIDを含む。
【0049】
エンド・ノード630は、アクセス・ノード610からメッセージ680を受信するものの、例えばそれを、格納されたCID情報と比較することによって、メッセージ680に含まれるCIDフィールドを確認することによって、先に送ったメッセージ650に応答して、アクセス・ノード620からメッセージ680が来たものであると判定する。
【0050】
図7は、本発明の様々な実施形態に従って実施される一般的シグナリングを例示している。シグナリングは、図1に示す一般的システム100と関連付けられて例示される。エンド・ノード710は、図2のエンド・ノード200の簡略表示であり、図1のシステム100のエンド・ノード144、146、144’、146’、144”、146”と同一または類似している。アクセス・ノード740、750は、図1のシステムのアクセス・ノード140、140’、140”と類似しており、これらは、図3のアクセス・ノード300を用いて実現される。図7では、エンド・ノード710は、メッセージ生成モジュール720およびリンク選択モジュール730を含んでいる。図7のメッセージ生成モジュール720は、その目的のためのメッセージを生成するために、エンド・ノード710において動作するアプリケーションによって使用することができる。例えば、接続制御プロトコル・アプリケーションは、エンド・ノード710に含まれ、アクティブでありうる。これによって、エンド・ノード710は、アクセス・ノード740、750のうちの1つまたは両方と、エンド・ノード710との間のリンクの生成、切断、および/または変更を行う目的のためにアクセス・ノードと通信可能となる。他の例は、エンド・ノード710内に含まれうるサービス品質(QoS)アプリケーションである。QoSアプリケーションは、存在する場合、エンド・ノード710の様々なリンクのQoS特性を変更することができる。図7のリンク選択モジュール730は、リンク・レイテンシ要件、リンク・チャネル条件要件、リンク誤り率要件、およびリンク送信電力要件を含む接続品質のための様々な指標を測定し、例えば、メッセージ毎ベースで、あるいは特定の時点において、利用可能なリンクのうちのどれが、次のメッセージの送信のために最も適しているのかを判定する。
【0051】
結果的に得られるリンク品質情報は、様々な実施形態において、多くの同時リンクのうち、特定の時点において、メッセージが送信されるべきものを判定するために使用されうる。
【0052】
図7では、エンド・ノード710が、アクセス・ノード740,750との双方向リンクを保持しているが、これは、アクセス・ノード740,750とメッセージを送信したり受信できることを意味する。本発明のこの実施形態では、エンド・ノード710のメッセージ生成モジュール720が、最終的な宛先アクセス・ノード740を持つメッセージ759を生成する。メッセージ759は、まずエンド・ノード710のリンク選択モジュール730内に送られる。リンク選択モジュール730は、次のメッセージが送信されるアクセス・ノード740,750とのリンクを選択する。このリンク決定機能は、リンク・レイテンシ要件、リンク条件要件、リンク誤り率要件、およびリンク送信電力要件のうちの少なくとも1つを含むリンク特性に基づく。
【0053】
図7に示すような本発明の一般的実施形態では、リンク選択モジュール730がアクセス・ノード740へのリンクを選択し、このリンクを介してメッセージ760を送信する。メッセージ760は、メッセージ759のうちの幾つかの部分を含んでおり、本発明の幾つかの実施形態では、エンド・ノード710とアクセス・ノード740との間のリンクを介したメッセージの送信に使用される追加フィールドを含んでいる。例えば、この追加フィールドは、幾つかの実施形態では、リンク・フレーム・フィールドである。メッセージ759,760の最終的な宛先はアクセス・ノード740であるので、アクセス・ノード740は、メッセージ760を受信し、この受信したメッセージを処理し、例えば、エンド・ノード710にメッセージ765を送信することによって応答する。メッセージ765は、エンド・ノード710によって受信され、メッセージ766としてメッセージ生成モジュールに配信される。メッセージ生成モジュール720は、最終的な宛先としてアクセス・ノード740を有する第2のメッセージ769を生成する。メッセージ769は、メッセージ769が送信されるリンクを選択するリンク選択モジュール730へ送られる。本発明のこの実施形態では、アクセス・ノード750へのリンクが選択され、メッセージ770がアクセス・ノード750へ送信される。メッセージ770は、メッセージ769の少なくとも一部を含んでおり、本発明の幾つかの実施形態では、エンド・ノード710とエンド・ノード750と間のリンクを介したメッセージの送信のために使用される追加フィールドを含んでいる。例えば、この追加フィールドは、幾つかの実施形態では、リンク・フレーム・フィールドである。
【0054】
本発明の1つの実施形態では、リンク選択モジュール730は、メッセージ770を構成する際に、例えば、物理接続ポイント識別子のようなアクセス・ノード740の識別子を、メッセージ769の少なくとも一部とともに加える。なぜなら、メッセージ770の送信のためにリンク選択モジュール730によって選択されたリンクは、アクセス・ノード740であるメッセージ770の最終的な宛先と一致していないからである。本発明の別の実施形態では、メッセージ760,770を、これらの送信のために選択されたリンクから独立して送信する前に、リンク選択モジュールは、メッセージ760,770の最終的な宛先の識別子を加える。本発明の更なる実施形態では、メッセージ759,769は、それらの最終的な宛先の識別子を含んでいる。例えば、図7の典型的な実施形態の例では、最終的な宛先の識別子は、アクセス・ノード740と一致する。
【0055】
本発明の1つの一般的実施形態では、メッセージ770は、CIDフィールド520がアクセス・ノード740を特定する図5のメッセージ500に従って実施される。アクセス・ノード750は、メッセージ770を受信し、処理する。例えば、図5のメッセージ500のCIDフィールド520における物理接続ポイント識別子のような、メッセージの最終的な宛先を検査することによって、アクセス・ノード750は、メッセージ770が、自分自身ではなく、(例えば、CIDフィールド内のCIDのような)最終宛先識別子によって識別されるその他のノードに向けられていると判定する。アクセス・ノード750は、メッセージ770に含まれたPIDに対応するネットワーク・アドレス(例えば、IPアドレス)を見つけるために、そのアドレス・リゾリューション・テーブル(図3のアクセス・ノード300におけるアドレス・リゾリューション・テーブル311を参照)内のメッセージ770に含まれた物理接続ポイント識別子(PID)を調べる。
【0056】
アクセス・ノード750は、メッセージ770のうちの少なくとも一部を、適切なネットワーク・レイヤ・ヘッダ内にカプセル化し、メッセージ775をアクセス・ノード740に送信する。メッセージ775は、少なくとも、メッセージ770の一部と、アクセス・ノード740のIPアドレスのうちの少なくとも幾つかとを含む。更に、メッセージ775は、幾つかの実施形態において、アクセス・ノード750のIPアドレス、メッセージ770に含まれたアクセス・ノード740のPID、メッセージ770が受信されたアクセス・ノード750のPID、エンド・ノード710識別子、および、アクセス・ノード750とアクセス・ノード740との間のメッセージのカプセル化(トンネリングとも称される)のためのセッション識別子のうちの幾つかまたは全てを含むことができる。アクセス・ノード740は、メッセージ775を受信し、メッセージ775に含まれる宛先PIDから、それが自身に向けられたメッセージであると認識する。
【0057】
本発明の1つの実施形態では、アクセス・ノード740は、メッセージ775のうちの少なくとも一部を含むメッセージ780を送信することにより応答する。アクセス・ノード750は、エンド・ノード710を含むメッセージ780を受信し、メッセージ785をエンド・ノード710に送る。メッセージ785は、メッセージ780の少なくとも一部を含んでいる。エンド・ノード710は、メッセージ785を受信し、メッセージ786をメッセージ生成モジュール720へ転送する。
【0058】
本発明の他の実施形態においては、アクセス・ノード740は、メッセージ775のうちの少なくとも一部を含むメッセージ780’をエンド・ノード710に送信することによって応答する。メッセージ780’は、アクセス・ノード740とエンド・ノード710との間の直接的なリンクによって送信される。
【0059】
図8は、本発明の一般的実施形態に従って実行される一般的シグナリングを例示しており、エンド・ノードが、近隣発見およびCIDルーティング情報更新処理の一部として用いられる。シグナリングは、図1で示されたシステム100のような典型的なシステムに関連して例示される。エンド・ノード810は、図2のエンド・ノード200の単純化された図であり、図1のシステム100のエンド・ノード144、146、144’、146’、144”、146”と同一または類似している。アクセス・ノード840、850は、図1のシステム100のアクセス・ノード140、140’、140”と同一または類似しており、例えば図3に例示するタイプのアクセス・ノードを用いて実現される。図8では、例となるエンド・ノード810は、アクセス・ノード840との双方向通信リンクを持っており、これによって、アクセス・ノード840とのメッセージの送受信が可能となる。
【0060】
図8では、エンド・ノード810がメッセージ860を生成し、それをアクセス・ノード840へ送信する。メッセージ860は、アクセス・ノード850をこのメッセージの宛先であると識別する識別子を含んでいる。アクセス・ノード840は、メッセージ860を受信し、例えば図3のアクセス・ノード300のアドレス・リゾリューション・テーブル311のようなアドレス・リゾリューション・テーブルを探索することによって、ネットワーク・アドレスへのメッセージに含まれるアクセス・ノード850識別子を決定することを試みる。図8の例では、アクセス・ノード840は、識別子を決定することに失敗する。そして、アクセス・ノード840は、エンド・ノード810へとメッセージ865を送信する。メッセージ865は、決定失敗によって、メッセージのルーティングができなかったことの表示を含む。
【0061】
本発明の1つの実施形態においては、この時点においてエンド・ノード810が、図8において2方向矢印メッセージ870として示されている様々なメッセージを交換することにより、アクセス・ノード850との双方向通信リンクを確立する。しかし、双方向リンクが既にアクセス・ノード850との間に存在するのであれば、これは必ずしも必要ではない。本発明が使用される別の一例において、エンド・ノード810は、アクセス・ノード840との双方向リンクに加えて、アクセス・ノード850との双方向リンクも既に有している。
【0062】
アクセス・ノード850との双方向リンクを用いることによって、エンド・ノード810は、新たな近隣通知メッセージ875をアクセス・ノード850へ送信する。メッセージ875は、少なくとも、アクセス・ノード840の識別子と、アクセス・ノード840のネットワーク・レイヤ・アドレスとを含む。このように、アクセス・ノード850には、例えば、アクセス・ノード840のPIDのような識別子と、例えば、アクセス・ノード850が物理レイヤの将来の決定のためにネットワーク・レイヤ識別子をアドレスし格納することができるMACアドレスのような、対応するリンク・レイヤ・アドレスとの両方が与えられる。本発明の1つの実施形態では、アクセス・ノード840識別子は、物理接続ポイント識別子であり、本発明の別の実施形態では、リンク・レイヤ識別子である。アクセス・ノード840のネットワーク・レイヤ識別子は、アクセス・ノード840とのリンクの確立中または確立後に、エンド・ノード810へ通信された通信メッセージ897からエンド・ノード810に知られている。
【0063】
本発明の代替的な実施形態では、エンド・ノード810は、メッセージ875の代わりにメッセージ875’を送る。メッセージ875’は、メッセージ875と同じまたは類似のメッセージ内容を持つが、アクセス・ノード850へ直接送られる代わりに、アクセス・ノード840を経由してアクセス・ノード850へと送られる。アクセス・ノード840は、その後、メッセージ875’をメッセージ875”としてアクセス・ノード850へとルーティングする。メッセージ860とは異なり、メッセージ875’は、アクセス・ノード850ネットワーク・アドレスをその宛先として含むネットワーク・レイヤ・メッセージであることに着目されたい。アクセス・ノード850のネットワーク・アドレスは、アクセス・ノード850とのリンクの確立中に、あるいはその確立後に、通信された通信メッセージ899から、エンド・ノード810へ知られる。この理由により、アクセス・ノード840は、アドレス・リゾリューション動作に対してCIDを実行する必要なく、例えばIPアドレスのようなアクセス・ノード850のネットワーク・アドレスを用いて、メッセージ875”をアクセス・ノード850へとルーティングすることができる。
【0064】
アクセス・ノード850は、メッセージ875を受信し、メッセージ875から検索されたアクセス・ノード840のネットワーク・アドレスへ新たな近隣生成メッセージ880を送る。メッセージ880は、アクセス・ノード850に対するネットワーク・レイヤ・アドレス・マッピングへの接続識別子を含んでいる。本発明の他の実施形態においては、メッセージ880は、アクセス・ノード850に対するネットワーク・レイヤ・アドレス・マッピングへのリンク・レイヤ識別子を含んでいる。本発明の別の実施形態では、メッセージ880は、限定される訳ではないが、アクセス・ノード840,850間のパケット転送のためのトンネル・アドレス識別子およびトンネル・セッション識別子と、サポートされているアプリケーション、プロトコル、負荷、およびサービス品質に関するアクセス・ノード850機能とを含むエンド・ノード・ハンドオフの収容のために使用される更なる近隣情報を含んでいる。アクセス・ノード840は、メッセージ880を受信し、例えばネットワーク・アドレス・リゾリューション動作に対するCIDにおける将来の使用のために、メッセージ880に含まれている情報をメモリ内に格納する。アクセス・ノード840は、メッセージ880に含まれた情報の受信をアクノレッジするメッセージ882で応答する。
【0065】
本発明の実施形態においては、アクセス・ノード840は、メッセージ882内に、アクセス・ノード850のネットワーク・レイヤ・アドレス・マッピングに対する接続識別子と、アクセス・ノード850のネットワーク・レイヤ・アドレス・マッピングに対するリンク・レイヤ識別子と、限定されるものではないものの、アクセス・ノード840,850間のパケット転送のためのトンネル・アドレス識別子とトンネル・セッション識別子、および/または、サポートされているアプリケーション、プロトコル、負荷、およびサービス品質に関するアクセス・ノード840の機能を示す情報を含むエンド・ノード・ハンドオフの収容のために使用される近隣情報を含む。アクセス・ノード840は、メッセージ880を受信し、例えば、メッセージをルーティングする際における将来の使用のために、メッセージ880に含まれる情報をメモリ内に格納する。本発明の特定の実施形態では、メッセージ883,884は使用されない。
【0066】
本発明の別の実施形態においては、アクセス・ノード840メッセージ882は、メッセージ880に含まれた情報の受信のアクノレッジメントを含んでいる。本発明のこの実施形態では、アクセス・ノード840は、アクセス・ノード850のネットワーク・レイヤ・アドレス・マッピングに対する接続識別子と、アクセス・ノード850のネットワーク・レイヤ・アドレス・マッピングに対するリンク・レイヤ識別子と、限定される訳ではないものの、アクセス・ノード840,850間のパケット転送のためのトンネル・アドレス識別子とトンネル・セッション識別子、サポートされているアプリケーション、プロトコル、負荷、およびサービス品質に関するアクセス・ノード840の機能を含むエンド・ノード・ハンドオフの収容のために使用される近隣情報とのうちの少なくとも幾つかを含むメッセージ883を送る。アクセス・ノード850は、メッセージ883を受信し、メッセージ883に含まれた情報を、例えば将来の使用のために、メモリ内に格納する。アクセス・ノード850は、この情報の受信をアクノレッジするメッセージ884で応答する。
【0067】
メッセージ880,882およびオプションとして883,884を介したアクセス・ノード840,850間でのアドレス・マッピングに対する識別子と近隣情報との交換後において、エンド・ノード810は、メッセージ890をアクセス・ノード840へ送る。
【0068】
メッセージ890と同様に、本発明の1つの実施形態では、メッセージ890はまた、図5のメッセージ500と同一または類似である。メッセージ890は、その最終的な宛先をアクセス・ノード850として識別する。アクセス・ノード840は、メッセージ890を受信し、アクセス・ノード850のネットワーク・アドレスと、アクセス・ノード850識別子との間のマッピングを求めてメモリを探索し、メッセージ880によって既に占められたアドレス・リゾリューション・テーブルにおいてそのネットワーク・アドレスを見つける。アクセス・ノード840は、リゾリューション・テーブル内の情報に従ってメッセージ890をカプセル化し、それをメッセージ891の形式でアクセス・ノード850に送る。アクセス・ノード850は、再び、メッセージ891およびアドレス・リゾリューション・テーブル内の情報を用いたメッセージ892で応答する。アクセス・ノード840は、アクセス・ノード850から受信したメッセージ892のうちの少なくとも一部を含むメッセージ893をエンド・ノード810へ送り、アクセス・ノード840を経由したエンド・ノード810とアクセス・ノード850との間の通信交換を完了する。
【0069】
上述したような方法では、エンド・ノード810からのメッセージを用いることによって、アクセス・ノード840,850は、受信したメッセージのルーティングに使用することができる互いに関するアドレスおよび/またはPID情報が提供される。従って、アクセス・ノードがネットワークに加えられると、エンド・ノードは、ブロードキャスト信号からそれらの存在を発見し、新たな近隣ノードにアクセス・ノードを通知することができる。この通知処理の一部として、この通知処理が完了した後、ネットワークPIDベースのメッセージのルーティングを容易にするために十分なアドレス情報が配信される。
【0070】
様々な実施形態においては、本明細書で記載されたノードは、例えば信号処理ステップ、メッセージ生成ステップ、および/または送信ステップのような、本発明の1または複数の方法に対応したステップを実行するために、1または複数のモジュールを用いて実現される。したがって、幾つかの実施形態では、本発明の様々な機能はモジュールを使用して実施される。そのようなモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、あるいはソフトウェアとハードウェアの組み合わせを使用して実施されうる。上述された方法あるいは方法ステップの多くは、例えばRAM、フロッピー(登録商標)ディスク等のメモリ・デバイスのような機械読取可能媒体内に含まれるソフトウェアのような機械実行可能命令を用いて実現され、例えば、追加ハードウェアを備えているかあるいは備えていない汎用コンピュータのような機械が制御され、1または複数のノードのような上述した方法の全てまたは一部が実現される。従って、本発明は、例えばプロセッサや関連するハードウェアのような機械に対して、上述した方法のうちの1または複数のステップを実行させるための、機械実行可能命令を含む機械読取可能媒体に関する。
【0071】
上述した本発明の方法および装置に関する多くの更なる変形例は、本発明の上記説明を考慮して当業者に明らかになるであろう。そのような変形例は、本発明の範囲内であると考えられよう。本発明の方法および装置は、様々な実施形態において、CDMA、直交周波数分割多重化(OFDM)、またはアクセス・ノードとモバイル・ノードとの間に無線通信リンクを提供するために使用されるその他様々なタイプの通信技術が用いられうる。幾つかの実施形態では、アクセス・ノードは、OFDMおよび/またはCDMAを使用して、モバイル・ノードとの通信リンクを確立する基地局として実施される。様々な実施形態において、モバイル・ノードは、本発明の方法を実現するために、ノート型コンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント、あるいは受信機/送信機回路およびロジックおよび/またはルーチンを含む他のポータブル・デバイスとして実施される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアクセス・ノードを持つ第1の通信リンクと、第2のアクセス・ノードを持つ第2の通信リンクとを有する無線端末を動作させる方法であって、前記第1のリンクは、第1の物理接続ポイント識別子によって識別される第1の物理接続ポイントにおいて、前記第1のアクセス・ノードにおいて終端しており、前記第2のリンクは、第2の物理接続ポイント識別子によって識別される第2の物理接続ポイントにおいて、前記第2のアクセス・ノードにおいて終端しており、前記方法は、
前記第1および第2の物理接続ポイント識別子のうちの1つである物理接続ポイント識別子を含むメッセージを生成することと、
前記メッセージの通信に使用されるために、前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクとのうちの1つを選択することと
を備える方法。
【請求項2】
前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクとのうちの選択された1つを介して、前記メッセージを送信することを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択することは、リンク・レイテンシ要件、リンク・チャネル条件要件、リンク誤り率要件、およびリンク送信電力要件のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクとのうちの1つを選択することを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1および第2の通信リンクのうち、前記メッセージに含まれる前記物理接続ポイント識別子によって識別される物理接続ポイントにおいて終端しない1つが、前記メッセージを通信するために選択される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記物理接続ポイント識別子は、セル識別子を含む請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記物理接続ポイント識別子は更にキャリア識別子を含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記物理接続ポイント識別子は更にセクタ識別子を含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のアクセス・ノードによって送信された多くのブロードキャスト信号から、前記第1の物理接続ポイント識別子を決定することを更に備える請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のアクセス・ノードによって送信された多くのブロードキャスト信号から、前記第2の物理接続ポイント識別子を決定することを更に備える請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のアクセス・ノードと前記第2のアクセス・ノードとは基地局であり、
前記メッセージを送信することは、OFDM信号を送信することを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1のアクセス・ノードを持つ第1の通信リンクと、第2のアクセス・ノードを持つ第2の通信リンクとを有する無線端末であって、前記第1のリンクは、第1の物理接続ポイント識別子によって識別される第1の物理接続ポイントにおいて、前記第1のアクセス・ノードにおいて終端しており、前記第2のリンクは、第2の物理接続ポイント識別子によって識別される第2の物理接続ポイントにおいて、前記第2のアクセス・ノードにおいて終端しており、前記無線端末は、
前記第1および第2の物理接続ポイント識別子のうちの1つである物理接続ポイント識別子を含むメッセージを生成するメッセージ生成モジュールと、
前記メッセージの通信に使用されるために、前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクとのうちの1つを選択するリンク選択モジュールと
を備える無線端末。
【請求項12】
前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクとのうちの選択された1つを介して、前記メッセージを送信する送信機モジュールを更に備える請求項11に記載の無線端末。
【請求項13】
前記リンク選択モジュールは、リンク・レイテンシ要件、リンク・チャネル条件要件、リンク誤り率要件、およびリンク送信電力要件のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクとのうちの1つを選択する請求項12に記載の無線端末。
【請求項14】
前記第1および第2の通信リンクのうち、前記メッセージに含まれる前記物理接続ポイント識別子によって識別される物理接続ポイントにおいて終端しない1つが、前記メッセージを通信するために選択される請求項13に記載の無線端末。
【請求項15】
前記無線端末は、前記第1の物理接続ポイント識別子および前記第2の物理接続ポイント識別子をメモリに格納し、前記第1の物理接続ポイント識別子および前記第2の物理接続ポイント識別子の各々は、セル識別子を含む請求項12に記載の無線端末。
【請求項16】
前記格納された第1および第2の物理接続ポイント識別子は各々、キャリア識別子を更に含む請求項15に記載の無線端末。
【請求項17】
前記格納された第1および第2の物理接続ポイント識別子は各々、セクタ識別子を更に含む請求項16に記載の無線端末。
【請求項18】
前記第1のアクセス・ノードによって送信された多くのブロードキャスト信号から、前記第1の物理接続ポイント識別子を決定する物理接続ポイント識別子決定モジュールを更に備える請求項14に記載の無線端末。
【請求項19】
前記物理接続ポイント決定モジュールは、前記第2のアクセス・ノードによって送信された多くのブロードキャスト信号から、前記第2の物理接続ポイント識別子をも決定する請求項18に記載の無線端末。
【請求項20】
前記第1のアクセス・ノードと前記第2のアクセス・ノードとは基地局であり、前記送信機モジュールは、OFDM送信機を含む請求項18に記載の無線端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−134982(P2012−134982A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−284015(P2011−284015)
【出願日】平成23年12月26日(2011.12.26)
【分割の表示】特願2008−547575(P2008−547575)の分割
【原出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】