説明

データエントリシステムおよびデータエントリ方法

【課題】帳票の画像を見ながら行うデータ入力作業を効率良く行えるようにする。
【解決手段】このデータエントリシステムは、複数の文字入力ボックスを並べ替えるための条件が記憶された配置条件記憶部と、前記複数の文字入力ボックスにそれぞれ対応する文字記載欄を前記画像から切り出す切出部と、前記条件に従って前記定義情報に定義されている前記順序を変更する配置替え部と、前記配置替え部により順序が変更された複数の文字入力ボックスと、その中で文字入力対象の文字入力ボックスに対応する前記文字記載欄の切り出し画像とをほぼ同時期に前記画面に表示する表示制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データエントリシステムおよびデータエントリ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば申込書などの帳票の画像を画面に表示し、オペレータが、その画面を見ながら、帳票の情報をキー入力してゆくためのデータエントリシステムがある。
【0003】
データエントリに関する技術として、例えば入力帳票のイメージデータを表示するイメージデータ表示部と、その下方に入力帳票に記載されたエントリデータを入力するための入力フィールドを表示する入力フィールド部とを有し、入力フィールド部には、入力帳票の各項目の順にデータ入力欄を配置したエントリ画面を表示するエントリ端末が公開されている(例えば特許文献1,段落0047、図4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−226329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のエントリ端末の場合、入力フィールド部には、データを入力する項目毎の入力欄が、帳票イメージの項目順に配置されている。
【0006】
オペレータは、帳票イメージを見ながらキー入力するが、帳票の項目の並びが、例えば申込番号、氏名、郵便番号、住所、電話番号…などとなっていた場合、数字キー、漢字キー、数字キー、漢字キー、数字キーなどというように、数字と漢字、全角/半角などの文字種の切り替え操作を行わなくてはならず、キー操作回数が増え、データ入力作業にロスが発生するという問題があった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、帳票の画像を見ながら行うデータ入力作業を効率良く行うことができるデータエントリシステムおよびデータエントリ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明のデータエントリシステムは、文字が記載された複数の文字記載欄を有する帳票を光学的に読み取った画像が記憶された画像記憶部と、前記複数の文字記載欄に対応する複数の文字入力ボックスを所定の順序で並べて画面に表示するための順序が定義された定義情報が記憶された定義情報記憶部と、文字の入力属性に従って前記文字入力ボックスを並べ替えるための条件が記憶された配置条件記憶部と、前記各文字入力ボックスにそれぞれ対応する文字記載欄を前記画像から切り出す切出部と、前記条件に従って前記定義情報に定義されている前記順序を変更する配置替え部と、前記配置替え部により順序が変更された複数の文字入力ボックスと、その中で文字入力対象の文字入力ボックスに対応する前記文字記載欄の切り出し画像とを前記画面にほぼ同時期に表示する表示制御部とを具備する。
【0009】
また、本発明のデータエントリ方法は、文字が記載された複数の文字記載欄を有する帳票を光学的に読み取った画像を記憶するステップと、前記複数の文字記載欄に対応する複数の文字入力ボックスを所定の順序で並べて画面に表示するための順序が定義された定義情報を記憶するステップと、文字の入力属性に従って前記文字入力ボックスを並べ替えるための条件を記憶するステップと、前記複数の文字入力ボックスにそれぞれ対応する文字記載欄を前記画像から切り出すステップと、前記条件に従って前記定義情報に定義されている前記順序を変更するステップと、順序が変更された複数の文字入力ボックスと、その中で文字入力対象の文字入力ボックスに対応する前記文字記載欄の切り出し画像とを前記画面にほぼ同時期に表示するステップとを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、帳票の画像を見ながら行うデータ入力作業を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態のデータエントリシステムの構成を示す図である。
【図2】データエントリ画面の一例を示す図である。
【図3】初期設定の状態の入力フィールド定義情報の一例を示す図である。
【図4】統計情報の一例を示す図である。
【図5】配置パターンテーブルの一例を示す図である。
【図6】データエントリシステムの動作を示すフローチャートである。
【図7】配置換え処理を示すフローチャートである。
【図8】入力属性と統計情報に従ってデータエントリ画面に配置されたテキスト入力ボックスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の一つの実施の形態のデータエントリシステムを詳細に説明する。図1は第1実施形態のデータエントリシステムの構成を示す図である。
【0013】
図1に示すように、この第1実施形態のデータエントリシステムは、画像入力装置としてのイメージスキャナ1(以下「スキャナ1」と称す)と、例えばテキスト入力やデータエントリ開始操作や終了操作などの指示操作を行うキーボードなどの入力装置2と、コンピュータ本体3と、モニタなどの表示装置4を備えている。入力装置2としては、マウスやトラックボールなどのように画面上のポインタを操作する機器も含まれる。
【0014】
スキャナ1は、例えばCCDなどの撮像素子をライン状に配置したCCDラインセンサとこのCCDラインセンサへ帳票Pを連続して供給するための給紙機構を備えるものである。この他、スキャナ1は、帳票Pを一枚ずつ読み取るためのフラットベットを備えるものであってもよい。スキャナ1は、CCDラインセンサにより読取対象物(申込書などの帳票)をスキャニングし(読み取り)、帳票イメージ(デジタル画像)としてコンピュータ本体3に入力する。帳票Pには文字を記載した複数の文字記載欄が設けられている。
【0015】
この実施形態では、画像入力装置としてスキャナ1を例示したが、「帳票Pを光学的に読み取った画像」を入力するものであれば、例えばネットワーク上のサーバやネットワーク回線、その通信インターフェースなども画像入力装置に含まれる。この他、画像入力装置としては、様々なものを許容する。
【0016】
表示装置4は、コンピュータ本体3から出力されたデータ入力用の画面(図2のエントリ画面50参照)を表示する。すなわち、表示装置4は、帳票Pを光学的に読み取った画像を表示する表示部として機能する。
【0017】
コンピュータ本体3は、制御部31、メモリ32、イメージ記憶部33、入力データ保存部34、帳票情報記憶部35、入力フィールド定義体データベース36(以下「入力フィールド定義体DB36」と称す)、入力フィールド画面制御部37などを備えている。メモリ32以外の要素は、ハードディスク装置にインストールされたプログラムを、コンピュータ本体3に設けられたCPUが実行することで実現される。なお上記各要素はソフトウェアに限らずハードウェアで実現してもよい。
【0018】
制御部31は、入力装置1から入力されるテキストデータ等の入力データを入力データ保存部34に保存する。入力データ保存部34には、入力データが文字記載欄である項目単位に保存され、入力データが保存済みの項目にはその旨を示すフラグが付され、このフラグにより各項目に入力データが保存されているか否かをチェックできる。
【0019】
また、制御部31は、スキャナ1から入力された帳票Pのイメージデータ(以下これを「帳票イメージ」と称す)をメモリ32に記憶する。制御部31は、キーエントリのための操作がなされることで、帳票イメージから項目毎に切り出された文字記載欄の部分イメージ(以下これを「文字イメージ領域」と称す)をメモリ32から読み出して表示装置4に出力する。
【0020】
メモリ32は、制御部31および入力フィールド画面制御部37がデータエントリに関する処理を行うための作業領域(データの一時記憶領域)として機能する。
【0021】
イメージ記憶部33には、スキャナ1から入力された帳票イメージや文字イメージ領域などが保存される。入力データ保存部34には、入力装置2から入力されたテキストデータが保存される。
【0022】
帳票情報記憶部35には、帳票Pを識別するための帳票種別情報である帳票コードが記憶されている。帳票コードは、例えば001…自動車検査証、002…携帯電話申込書…等である。また帳票情報記憶部35には、それぞれの帳票コード毎にフォーマット情報(これを「帳票フォーマット」という)が記憶されている。
【0023】
帳票フォーマットは、帳票イメージのどの位置にどういった情報が記載されているかといった情報である。すなわち、帳票情報記憶部35は、帳票Pにおける文字記載欄の配置を含む帳票フォーマットが記憶された帳票フォーマット記憶部として機能する。
【0024】
制御部31は、帳票Pの所定位置に印字された帳票コードを読み取り、読み取った帳票コードと帳票情報記憶部35内の帳票コードとが一致したとき、その帳票の帳票フォーマットを特定する。なお帳票コードはデータエントリ作業の際にオペレータによるキー操作で入力される場合もある。
【0025】
入力フィールド定義体DB36には、帳票イメージ内に存在する一つ一つの項目毎の文字イメージ領域の属性データの他、入力フィールドの属性データを含む入力フィールド定義情報(設定情報)、入力順序、文字イメージ領域と入力フィールドとの対応関係を示す情報などが記憶されている。
【0026】
文字イメージ領域の属性データは、帳票イメージ内のどの位置にどの項目の文字イメージ領域が存在するかといった配置データであり、例えば申込日という項目の文字イメージ領域の切り出し範囲を示す座標情報(始点(左上角)と終点(右下角))である。座標情報は、例えば帳票イメージの左上角を基準点(x0,y0など)とする2次元平面の座標である。
【0027】
入力フィールド定義情報(設定情報)の入力フィールドの属性データは、テキスト入力ボックスを表示する位置を示す座標情報(始点)、文字種(漢字/英数字、半角/全角等)、文字数、禁則文字、色(背景、文字)等である。入力順序は、複数のテキスト入力ボックスの中でテキストを入力すべき対象のテキスト入力ボックスをアクティブにする順序と、アクティブにされたテキスト入力ボックスに対応する文字イメージ領域を表示する順番である。
【0028】
すなわち、入力フィールド定義体DB36は、複数の文字記載欄に対応する複数の文字入力ボックスを所定の順序で並べて画面に表示するための順序が定義された入力フィールド定義情報が記憶された定義情報記憶部として機能する。
【0029】
入力フィールド画面制御部37は、各文字入力ボックスにそれぞれ対応する文字記載欄を帳票イメージから切り出す切出部として機能する。
入力フィールド画面制御部37は、配置パターン(条件)に従って入力フィールド定義情報に定義されている順序を変更する配置替え部として機能する。
【0030】
また、入力フィールド画面制御部37は、入力フィールドの属性データのうち、文字種(漢字/英数字、半角/全角等)に従って、その文字イメージ領域に対応するテキスト入力ボックスの並び順序またはレイアウトを変更する処理を行い、変更した並び順序またはレイアウトでテキスト入力ボックスをデータエントリ画面に表示する。
【0031】
すなわち、入力フィールド画面制御部37は、順序を変更した複数の文字入力ボックスと、その中で文字入力対象の文字入力ボックスに対応する文字記載欄の切り出し画像(文字イメージ領域)とを画面にほぼ同時期に表示する画面制御部として機能する。
【0032】
ここで、データエントリ画面について説明する。
表示装置4には、図2に示すように、データエントリ画面50が表示される。データエントリ画面50には、文字イメージ表示枠51を上段、テキストボックス表示枠52を中段、操作系表示枠53を下段というように、画面を3つに区分したフィールドが表示される。
【0033】
文字イメージ表示枠51には、帳票イメージから切り出された、アクティブな入力対象のテキスト入力ボックスに対応する文字イメージ領域56が表示される。
テキストボックス表示枠52には、入力フィールド定義体DB36の情報を基に入力フィールド画面制御部37により生成されたテキスト入力ボックス54が表示される。
【0034】
テキストボックス表示枠52に表示されたテキスト入力ボックス54のうち、最上部のものがアクティブなテキスト入力ボックス55であり、このアクティブなテキスト入力ボックス55にオペレータがテキストを入力する際に、参照される文字イメージ領域56が文字イメージ表示枠51に表示される。この例では、始めにアクティブにされたテキスト入力ボックス55は、帳票Pの記載順の「申込日」のテキスト入力ボックスである。
【0035】
テキスト入力ボックス55にテキストを入力後、エンターキーなどを操作することで、制御部31によりテキスト入力ボックス55に入力されたテキストデータ(入力データ)が入力データ保存部34に保存され、またアクティブなテキスト入力ボックス55が直下の「氏名」のテキスト入力ボックスに切り替えられる。
【0036】
操作系表示枠53には、F1〜F12のファンクションキーの機能の表示、処理を次へ移行するための確定ボタンである「次へ」ボタン、アクティブなテキスト入力ボックス55の説明(メッセージ)などが表示される。
【0037】
部分イメージに対応してキー入力が可能なテキスト入力ボックスについては他の異なる形態で表示される。例えばテキスト入力ボックスの枠線の色を変える、またはテキスト入力ボックスにカーソルを点滅表示させるなどである。
【0038】
図3に示すように、入力フィールド定義情報36aには、データエントリ画面50に、テキスト入力ボックス54を表示するための定義情報として、テキスト入力ボックス54の表示順序を示す定義順(フィールド番号)、フィールド名、入力属性、入力桁数などが定義されており、初期設定(デフォルト値)では、帳票Pの記載順に定義順が設定されている。
【0039】
例えば定義順の「1」は、「申込日」という名称のフィールド名であり、入力属性は「半角数字」、入力桁数は「8」桁である。定義順の「2」は、「氏名」という名称のフィールド名であり、入力属性は「全角漢字」、入力桁数は「20」桁である。定義順の「3」は、「電話番号」という名称のフィールド名であり、入力属性は「半角数字」、入力桁数は「11」桁である。
【0040】
また、メモリ32には、予め配置パターンテーブル32aと統計情報40が記憶されている。配置パターンテーブル32aは、文字の入力属性に従って文字入力ボックス54を並べ替えるための配置パターン(条件)が記憶された配置条件記憶部として機能する。
【0041】
図4に示すように、統計情報40には、定義順の番号の欄に対応してフィールド名の欄と不一致回数の欄が設けられている。データエントリ業務では、通常、同じデータを複数人で何回かエントリすることにより入力精度を高めているが、例えば1回目と2回目で入力内容が不一致となった回数が、統計情報40の該当フィールド名の不一致回数の欄にカウントして記憶されている。
【0042】
図5に示すように、配置パターンテーブル32aには、「指定なし」、「入力属性」、「入力属性」のオプションとして、「桁数」、「統計情報」、「桁数+統計情報」などといった複数の配置パターン毎に定義順が設定されている。配置パターンは、テキスト入力ボックスの配置条件を示すものである。
【0043】
定義順の欄には、各入力フィールドに付与されている番号が配置順に設定される。配置換え処理の結果で該当する定義順の欄が更新されることで、テキスト入力ボックス54の配置が入れ替わる。予めいずれかの配置パターンを指定するフラグ(“1”など)を、キー入力などにより設定しておくことで、フラグが付されている配置パターンに従った自動配置が可能になる。
【0044】
配置パターンテーブル32aにおいて、例えば「指定なし」の設定は、入力フィールド定義情報36aの初期設定のまま、つまりデフォルト値のままテキスト入力ボックスを配置することを表す。
「入力属性」の設定は、文字種(漢字/英数字、半角/全角等)毎にテキスト入力ボックス54をまとめて表示するように定義順を入れ替えることを表す。
【0045】
「入力属性」の順の配置パターンの一例として、例えば半角数字→半角英数字→半角カナ→全角漢字の順にテキスト入力ボックス54の並びをソートするパターンが考えられる。この順序は一例であり、他の順序であってもよい。
【0046】
「桁数」の設定は、「入力属性」の順にテキスト入力ボックス54をまとめる中で、桁数の多い項目、または少ない項目から順に配置するオプション設定である。
「桁数」の順の配置パターンの一例として、例えば桁数小→桁数大の順にテキスト入力ボックス54の並びをソートするパターンが考えられる。なお順序を逆にしてもよい。
【0047】
「統計情報」の設定は、「入力属性」の順にテキスト入力ボックス54をまとめる中で、今までの入力履歴の中でエラーの多い項目、または少ない項目から順に配置するオプション設定である。
【0048】
「統計情報」の順の配置パターンの一例として、過去に帳票Pの記載とキー入力した結果が不一致になった回数が10回以上生じたフィールドを要注意フィールドとして先頭に配置するようにする。なお要注意フィールド内の順序については、上記「入力属性」や「桁数」のソート方法に従うものとする。「桁数+統計情報」の設定は上記条件を組み合わせてテキスト入力ボックス54の順序を入れ替えるオプション設定である。
【0049】
これら複数の配置パターンのうち、「入力属性」の順の配置パターンは必須であり、これに対して「桁数」、「統計情報」、「桁数+統計情報」が組み合わされる。
通常、上記入力フィールド定義情報36aの初期設定のままの定義順どおりにキー入力すると、「半角数字」の後に「全角漢字」を入力し、その後、「半角数字」に戻すといったキー操作が必要になり、操作数が増えてしまう。
【0050】
そこで、本実施形態では、データエントリの開始操作が行われると、入力フィールド画面制御部37は、入力フィールド定義体DB36から入力フィールド定義情報36aをメモリに読み込み、メモリ32に予め設定されている配置パターン(配置条件)に従ってデータエントリ画面50上における各テキスト入力ボックス54の配置を行う。
【0051】
この際に、配置パターン(配置条件)の文字種(漢字/英数字、半角/全角等)毎にテキスト入力ボックス54をまとめて表示するように定義順を入れ替える。これにより複数のテキスト入力ボックス54に同じ文字種の文字を連続してキー入力でき、文字種の切り換え操作を少なくすることができる。
【0052】
入力フィールド画面制御部37は、メモリ32に記憶された配置パターンテーブル32aの、フラグが設定されている配置パターンに従ってテキスト入力ボックス54を配置する。すなわち、入力フィールド画面制御部37は、予め設定された配置パターン(配置条件)に従って、テキスト入力ボックス54の順序やレイアウトを初期設定から変えるように配置する。
【0053】
以下、図5、図6を参照してこのデータエントリシステムの動作を説明する。
このデータエントリシステムでは、処理対象の帳票Pの帳票コードが指定され、データエントリ開始操作が行われると、スキャナ1により帳票Pがスキャニングされて(図6のステップS101)、帳票イメージがコンピュータ本体3に入力される。帳票コードは、スキャニングの際に、帳票イメージから検出してもよい。
【0054】
コンピュータ本体3では、制御部31が、スキャナ1から入力された帳票イメージをイメージ記憶部33に記憶する。帳票イメージは、例えばJPEG形式またはPNG形式等である。
【0055】
帳票イメージをイメージ記憶部33に記憶後、制御部31は、帳票コードに対応する帳票種別データおよび入力フィールド定義情報36aを、帳票情報記憶部35および入力フィールド定義体DB36から読み出して(ステップS102)、メモリ32に展開する。
【0056】
続いて、入力フィールド画面制御部37は、イメージ記憶部33から、データエントリ対象の帳票イメージを読み出して、入力フィールド定義情報36aに従って各文字イメージ領域56を切り出し、イメージ記憶部33に記憶する(ステップS103)。
【0057】
次に、入力フィールド画面制御部37は、メモリ32の配置パターンに従い、入力フィールド定義情報36aの元の定義順の番号を並べ替える配置換え処理を行う(ステップS104)。なお配置パターンが「指定なし」となっていた場合は配置換え処理を行わず、元の定義順の番号のままテキスト入力ボックス54が表示されることになる。
【0058】
フラグが設定された配置パターンが、例えば「入力属性」の順の場合、図5に示すように、配置パターンテーブル32aの「入力属性」の配置パターンの定義順は、入力されるテキストの文字種の順、すなわち定義順の番号でいうと「1」、「3」、「5」、「6」、「7」、「2」、「4」、「8」、「9」、「10」という順に並び替えられる。
【0059】
そして、入力フィールド画面制御部37は、並べ替えた番号の順に、テキスト入力ボックス54をデータエントリ画面50のテキスト入力ボックス枠52に上から順に配置して表示装置4に表示する(ステップS105)。
【0060】
これとほぼ同時に、入力フィールド画面制御部37は、入力対象のテキスト入力ボックスをアクティブにすると共に(ステップS106)、アクティブなテキスト入力ボックス55に対応する文字イメージ領域56をイメージ記憶部33から読み出して、データエントリ画面50のテキストボックス表示枠52に表示する(ステップS107)。
【0061】
そして、アクティブなテキスト入力ボックス55にテキストデータがキー入力され、エンターボタンなどで確定操作がなされると、制御部31は、テキスト入力ボックス55に入力されたテキストデータを入力データ保存部34へ保存する(ステップS108)。
【0062】
制御部31は、次のテキスト入力ボックスの有無を確認し(ステップS109)、次のテキスト入力ボックスがあれば(ステップS109のYes)、ステップS106の処理に戻り、次のテキスト入力ボックスをアクティブにする。
また、次のテキスト入力ボックスがなければ(ステップS109のNo)、この帳票イメージの処理を終了する。
【0063】
続いて、図7、図8を参照して上記ステップS104の配置換え処理を詳細に説明する。
この場合、入力フィールド画面制御部37は、入力フィールド定義DB36より入力フィールド定義情報36aを読み込み、配置パターンテーブル32aのどの配置パターンにフラグが設定されているかを確認する(図7のステップS201)。
【0064】
ここで、「入力属性」にフラグが設定されていた場合(ステップS202のYes)、入力フィールド画面制御部37は、入力フィールド定義情報36aの定義順の番号を予め設定された文字種の順(半角数字→半角英数字→半角カナ→全角漢字の順)に並べ替える(ステップS203)。すなわち、入力属性による並び替えを行い、他のオプションにフラグがない場合(ステップS204のNo、ステップS206のNo)、配置パターンテーブル32aの該当配置パターン「入力属性」の定義順を更新する(ステップS209)。
【0065】
また、上記確認の結果、「入力属性」と「桁数」にフラグが設定されていた場合(ステップS204のYes)、入力フィールド画面制御部37は、「入力属性」の順に並び替えた定義順のうち、同じ文字種の入力フィールドについて桁数が少ない順に定義順の番号を再度並べ替えを行い(ステップS205)、他のオプションにフラグがない場合(ステップS206のNo)、配置パターンテーブル32aの該当配置パターン「桁数」の定義順を更新する(ステップS209)。
【0066】
さらに、上記確認の結果、「入力属性」と「統計情報」にフラグが設定されていた場合(ステップS204のNo、ステップS206のYes)、入力フィールド画面制御部37は、予めメモリ32に記憶されている統計情報40(図4参照)の中で不一致回数が所定回数以上(この例では10回以上)のフィールド名(この例ではフィールド名「住所」)を検出し、「入力属性」の順に並び替えた定義順のうち、そのフィールド名「住所」と同じ文字種(ここでは全角漢字)の入力フィールドの中で、フィールド名「住所」の番号「4」を最上位に並べ替え(ステップS208)、配置パターンテーブル32aの該当配置パターン「統計情報」の定義順を更新する(ステップS209)。
【0067】
また、上記確認の結果、「入力属性」と「桁数」+「統計情報」にフラグが設定されていた場合(ステップS204のYes、ステップS206のYes)、入力フィールド画面制御部37は、予めメモリ32に記憶されている統計情報40(図4参照)の中で不一致回数が所定回数以上(この例では10回以上)のフィールド名(この例ではフィールド名「住所」)を検出し(ステップS207)、「入力属性」の順および「桁数」の順に並び替えた定義順のうち、そのフィールド名「住所」と同じ文字種(ここでは全角漢字)の入力フィールドの中で、フィールド名「住所」の番号「4」を最上位に並べ替え(ステップS208)、配置パターンテーブル32aの該当配置パターン「桁数」+「統計情報」の定義順を更新する(ステップS209)。
【0068】
図8に「入力属性」とそのオプションの「統計情報」により並べ替えて表示されたテキスト入力ボックスの例を示す。
同図に示すように、この例では、データエントリ画面50のテキスト入力ボックス枠52には、配置パターンテーブル32aの配置パターン「統計情報」の定義順に従って配置したテキスト入力ボックス54が表示されている。
【0069】
配置パターン「入力属性」の定義順とこの配置パターン「入力属性」+「統計情報」とでは、フィールド名「住所」の番号「4」とフィールド名「氏名」の番号「2」が入れ替えられており、テキスト入力ボックス54もそのように表示されている。
【0070】
また「統計情報」から不一致回数の多い要注意入力フィールドとされたテキスト入力ボックス54には、他のテキスト入力ボックス54とは一見して異なるように、該当テキスト入力ボックス54の項目名(入力フィールド名)の「住所」を囲う枠81が表示され、「住所」の表示が強調されている。この他、要注意入力フィールド名やそのテキストボックスの枠を他の異なる特徴的な色(赤色など)で着色したり、点滅表示してもよい。
【0071】
このようにこの実施形態のデータエントリシステムによれば、予め文字入力ボックス54を入力属性の順に並べ替えるための配置パターン(配置条件)を記憶しておき、データエントリ画面を表示させる際に、配置パターン(配置条件)に従って文字入力ボックス54を入力属性の順に(文字種毎にまとめて)並べ替えた上でデータエントリ画面50に表示するので、オペレータがキー入力するときの文字種切換操作の回数が削減でき、データ入力作業を効率良く行うことができる。
【0072】
データエントリ業務において、同じデータを複数人で何回かエントリする中で、例えばある回と今回で入力内容が不一致となった回数を入力フィールド毎にカウントして統計情報として記録しておき、例えば不一致回数が10回以上の不一致回数の多い入力フィールドについては、要注意入力フィールドとして他の入力フィールドとは異なる表示(図8のように要注意入力フィールド名である「住所」を枠81で囲うなど)を行うことで、データエントリ画面50にて、オペレータに注意を促すことができる。すなわち、過去の入力状況の統計をとっておき、その統計情報を配置替えの一つのパラメータにして、配置換えの順に重み付けを行うことで、データ入力作業のさらなる効率を図ることができる。
【0073】
なお、本願発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形してもよい。例えば各構成要素を、コンピュータのハードディスク装置などのストレージにインストールしたプログラムで実現してもよい。
また上記プログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体:electronic mediaに記憶しておき、プログラムを電子媒体からコンピュータに読み取らせることで本発明の機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。電子媒体としては、例えばCD−ROM等の記録媒体やフラッシュメモリ、リムーバブルメディア:Removable media等が含まれる。
さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。
【符号の説明】
【0074】
P…帳票、1…スキャナ、2…入力装置、3…コンピュータ本体、4…表示装置、50…データエントリ画面、31…制御部、32…メモリ、32a…配置パターンテーブル、33…イメージ記憶部、34…入力データ保存部、35…帳票情報記憶部、36…入力フィールド定義体データベース(入力フィールド定義体DB)、37…入力フィールド画面制御部、40…統計情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字が記載された複数の文字記載欄を有する帳票を光学的に読み取った画像が記憶された画像記憶部と、
前記複数の文字記載欄に対応する複数の文字入力ボックスを所定の順序で並べて画面に表示するための順序が定義された定義情報が記憶された定義情報記憶部と、
文字の入力属性に従って前記文字入力ボックスを並べ替えるための条件が記憶された配置条件記憶部と、
前記各文字入力ボックスにそれぞれ対応する文字記載欄を前記画像から切り出す切出部と、
前記条件に従って前記定義情報に定義されている前記順序を変更する配置替え部と、
前記配置替え部により順序が変更された複数の文字入力ボックスと、その中で文字入力対象の文字入力ボックスに対応する前記文字記載欄の切り出し画像とを前記画面にほぼ同時期に表示する表示制御部と
を具備することを特徴とするデータエントリシステム。
【請求項2】
文字が記載された複数の文字記載欄を有する帳票を光学的に読み取った画像を記憶するステップと、
前記複数の文字記載欄に対応する複数の文字入力ボックスを所定の順序で並べて画面に表示するための順序が定義された定義情報を記憶するステップと、
文字の入力属性に従って前記文字入力ボックスを並べ替えるための条件を記憶するステップと、
前記複数の文字入力ボックスにそれぞれ対応する文字記載欄を前記画像から切り出すステップと、
前記条件に従って前記定義情報に定義されている前記順序を変更するステップと、
順序が変更された複数の文字入力ボックスと、その中で文字入力対象の文字入力ボックスに対応する前記文字記載欄の切り出し画像とを前記画面にほぼ同時期に表示するステップと
を有することを特徴とするデータエントリ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−60185(P2011−60185A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211746(P2009−211746)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】