説明

データ伝送装置、およびデータ伝送方法

【課題】
ローカルの情報処理装置の周辺機器を、ローカルの周辺機器として利用するか、ネットワーク経由で接続されている情報処理装置の周辺機器として利用するかを動的に切り換えることができず、ユーザにとって使い勝手が十分ではないという課題があった。
【解決手段】
第一の接続部を介して接続された外部機器を第一のプロトコル方式で制御しデータを送受信する外部機器接続部と、外部機器接続部を介して、前記外部機器との間でデータを送受信する制御部と、第二の接続部を介して接続された他のデータ伝送装置との間でデータを第二のプロトコル方式で送受信し、前記外部機器接続部を介して前記他のデータ伝送装置と前記外部機器との間でデータを送受信するデータ送受信処理部と、アプリケーション部が前記外部機器を使用しているか否かを判断する状態判断部と、前記状態判断部の判断結果に応じて、前記外部機器接続部との接続を、前記制御部または前記データ送受信処理部に切り換える接続切換部と、を備えるデータ伝送装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ユーザ操作情報、ユーザデータをネットワークを介して送受信する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野に関し、ネットワーク経由で接続されている情報処理装置の周辺機器をローカルの情報処理装置から利用できるように、また、ローカルの情報処理装置の周辺機器をネットワーク経由で接続されている情報処理装置の周辺機器として利用する方法が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−219711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、ローカルの情報処理装置の周辺機器を、ローカルの周辺機器として利用するか、ネットワーク経由で接続されている情報処理装置の周辺機器として利用するかを動的に切り換える考慮がなされておらず、ユーザにとって使い勝手が十分ではないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明では、それぞれの情報処理装置の動作状態に応じて、周辺機器の接続先を切り換える構成とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザにとって使い勝手のよいデータ伝送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】データ伝送装置を含む情報処理システムを示す形態図の一例である。
【図2】データ伝送装置の一実施例のブロック構成を示す図の一例である。
【図3】データ伝送装置の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図4】データ伝送装置の処理開始時のフローチャートの一例を示す図である。
【図5】データ伝送装置の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、データ伝送装置の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、データ伝送装置を含む情報処理システムの形態の一例である。1はデータ伝送装置であり、2は別のデータ伝送装置である。3は周辺機器を接続するインタフェース、4はインタフェース3によりデータ転送装置1に接続されている周辺機器、5はデータ伝送装置1とデータ伝送装置2を接続するネットワークである。周辺装置4は、データ伝送装置1の周辺装置として用いられる場合とデータ伝送装置2の周辺装置として用いられる場合がある。
【0010】
図2は、データ伝送装置1、およびデータ伝送装置2のブロック図の一例である。11はインタフェース3により、周辺機器4と接続する周辺機器接続部である。12はネットワーク5により、データ伝送装置2と接続するネットワーク接続部である。13は周辺機器を制御部14と接続するか、ネットワーク接続部12と接続するかを切り換える接続切り換え部である。14は周辺機器を制御する制御部である。15はデータ伝送装置1で動作している、所定の情報処理を行うアプリケーション部である。
【0011】
16は、周辺機器接続部11、ネットワーク接続部12、制御部14、アプリケーション部15の状態を受け、接続切り換え部13に状態の通知を行う状態判断部である。22はネットワーク5により、データ伝送装置1と接続するネットワーク接続部である。24は周辺機器4と接続する制御部である。25はデータ伝送装置2で動作している、所定の情報処理を行うアプリケーション部である。
【0012】
なお、データ伝送装置2のアプリケーション部25は、データ伝送装置1のアプリケーション部15から操作することが可能である。アプリケーション部25で動作する画面情報をネットワーク接続部22経由でデータ伝送装置1に送信し、データ伝送装置1の表示部に表示する。制御部14はユーザからの処理を入力を受け付け、この入力情報を送受信プロトコルでネットワーク接続部12を介してデータ伝送装置2に送信する。データ伝送装置2のアプリケーション部25はこの入力情報に応じて、処理を実行する。
【0013】
このように、周辺機器4は、データ伝送装置1およびデータ伝送装置2のいづれからでも使用できるようになっており、例えばネットワーク5がインターネットであり、遠隔地のデータ伝送装置2がインターネットでユーザ宅のデータ伝送装置1と接続されている場合、ユーザは自宅のデータ伝送装置1に周辺機器4を接続し、データ伝送装置2の周辺機器として使用することが可能になる。例えば、USB(ユニバーサルシリアルバス)のようなインタフェースプロトコルで周辺機器が接続される。周辺機器としては、例えば、キーボード、マウス、プリンタ、ICメモリなどがある。
【0014】
例えば、データ伝送装置1、およびデータ伝送装置2は、それぞれ異なるアプリケーション部が動作しており、ユーザは、データ伝送装置1のアプリケーション部を制御してデータ伝送装置2のアプリケーション部を使用できるように切り換えることで実現される。
【0015】
図3は、第一の実施例における基本動作シーケンスの一例である。制御部14はユーザから周辺装置4の操作指示を受け付けると、データ伝送装置1の制御部14は、周辺装置4に処理開始を通知する(ステップS101)。周辺機器4は、データ伝送装置1との間の処理を開始する(ステップS102)。周辺機器4は、データ伝送装置1との間の処理を終了すると、処理が終了したことを通知する(ステップS103)。
【0016】
さらに、制御部24はユーザから周辺装置4の操作指示を受け付けると、データ伝送装置2の制御部24は、周辺装置4に処理の開始を通知する(ステップS104)。周辺機器4は、データ伝送装置2との間の処理を開始する(ステップS105)。周辺機器4は、データ伝送装置2との間の処理を終了すると、処理が終了したことを通知する(ステップS106)。
【0017】
図4は、本実施例における、処理開始時のフローチャートである。例えば、制御部14がユーザから操作を受け付け、周辺機器4の使用要求を受け付けた場合(ステップS401)、前述の状態判断部16は、周辺機器4が現在処理動作中であるかどうかをアプリケーション部15、制御部14、周辺機器接続部11、ネットワーク接続部12に問い合わせる。アプリケーション部15、制御部14、周辺機器接続部11、ネットワーク接続部12の状態から、周辺機器4が現在アプリケーション部15により使用されているかどうかを判断する(ステップ402)。
【0018】
また状態判断部16は、さらにはネットワーク5を介してアプリケーション部25に問い合わせる。アプリケーション部25の状態から周辺機器4が、アプリケーション部25により使用されているかどうかを判断する(ステップS402)。
【0019】
周辺機器4がアプリケーション部15または25により使用されていない場合、状態判断部16は、要求元がアプリケーション15であるかアプリケーション25であるかを判定する(ステップS403)。接続切り換え部13は、周辺機器4の処理要求元がアプリケーション15の場合は、接続をアプリケーション部15の動作側である(a)に切り換える。
【0020】
また、アプリケーション25からの周辺機器の使用要求の場合は(ステップS404)、接続切り換え部13はアプリケーション部25の動作側(b)に接続を切り換える(ステップS405)。この場合は、アプリケーション部25と周辺機器4との間でデータのやり取りが行われる。
【0021】
すなわち、周辺機器4とやり取りされるデータは、データ伝送装置1の周辺機器接続部11、接続切り換え部13、ネットワーク接続部12、ネットワーク5、データ伝送装置2のネットワーク接続部22、制御部24、アプリケーション25の流れで伝送される。状態判断部16に入力される各部の状態は、全部もしくはいくつかの状態の組み合わせで判断してもよい。
【0022】
この場合に、図示していないデータ送受信処理部が、前記ネットワーク接続部12を介して接続された他のデータ伝送装置2との間でデータを送受信プロトコル方式で送受信し、周辺機器接続部11を介して他のデータ伝送装置2と外部機器4との間でデータを送受信する。
【0023】
また、周辺機器4がアプリケーション部15または25により使用されている場合(S402でY)、状態判断部16は、周辺機器4の使用が終了しているかどうか定期的に確認する。状態判断部16は記憶手段から予め設定された確認回数情報を取得し、上記ループの確認が取得された確認回数情報を超えた場合には、図4の処理を終了する。
【0024】
本実施例によれば、例えばアプリケーション25が周辺機器4とのデータのやり取りを行っている際に、アプリケーション15からの周辺機器4との接続要求があっても、アプリケーション25が周辺機器4とのデータのやり取りが終了するまで接続されないので、アプリケーション25が周辺機器4とのデータのやり取りが中止されることがない。
【0025】
なお、本実施例では、状態制御部16、周辺機器接続部11、ネットワーク接続部12、アプリケーション部15、接続切り換え部13はそれぞれ集積回路で設計する等によりハードウェアで実現している。しかしながら、これらの機能を実現するソフトウェアで実装し、これらのソフトウェアが図示しない記憶部にロードされ、制御部14で実行されることにより、これらの上記機能を実現するようにしてもよい。
【0026】
また、アプリケーション部25は集積回路で設計する等によりハードウェアで実現している。しかしながら、この機能を実現するソフトウェアで実装し、このソフトウェアを図示しないメモリやハードディスク等の記憶部にロードし、制御部24で実行することにより、アプリケーション部25の機能を実現してもよい。
【実施例2】
【0027】
図5は、本発明によるデータ伝送装置の他の一実施形態を示す図の一例である。
図5において、1はデータ伝送装置の一実施例であるディジタル放送受信装置たるディジタルテレビ、126はバッファ制御部、1261は記録用バッファ、1262は再生用バッファ、1211はディジタルテレビ1に固定し内蔵される例えばハードディスクで構成される内蔵記録媒体、1212はディジタルテレビ1に着脱可能な例えばハードディスクで構成される外付け記録媒体である。
【0028】
1271はシステムデコーダ、1272は映像信号伸張部、1273は音声信号伸張部、1283は映像信号D/Aコンバータ、1284は音声信号D/Aコンバータ、1285は映像信号出力端子、1286は音声信号出力端子、122はネットワーク送受信部、123はネットワーク接続端子、124は制御部、111は周辺機器接続部、112は周辺機器接続端子、1281はグラフィックス部、1282は表示パネル、125はリモコン受信素子である。また、1263は暗号部、1264は復号部、141はディジタル放送信号入力端子、142はディジタルチューナである。
【0029】
さらに、2は1とネットワーク5を介して接続され他データ伝送装置であり、211はネットワーク送受信部、216はネットワーク接続端子、212は制御部、214はメモリ、215は例えばハードディスクで構成される記録媒体、213は、制御部212、メモリ214、記録媒体215、ネットワーク送受信部211のインタフェースを仲介するチップセットである。
【0030】
ディジタル放送信号入力端子141からは、衛星、ケーブル等から放送されたディジタル放送信号データが入力される。入力された信号はディジタルチューナ142において復調、選局処理がなされ、記録する場合には、システムストリームとして、記録媒体1211、あるいは記録媒体1212に記録される。視聴する場合には、システムデコーダ1271に入力される。
【0031】
ここで、記録されるシステムストリームのコピー制限情報が世代コピー可の制限をもつ場合、暗号部1263にてシステムストリームが暗号化され、記録媒体に記録される。暗号化は、記録バッファ1261に格納されているシステムストリームを暗号部1263で暗号化し、再度記録バッファ1261に格納する。その暗号化されたシステムストリームをバッファ制御部126を介して、記録媒体1211、1212に記録する。
【0032】
暗号化の際の鍵は、例えば、ディジタルテレビ1の持つ固有情報、記録媒体1211、1212の持つ固有情報、そのほか乱数などから生成される。
ここで、記録媒体1211、1212に記録されているシステムストリームの管理は、制御部124で行われ、システムストリームリストとして管理されている。
【0033】
ディジタルチューナ142から入力されるシステムストリームはバッファ制御部126を介してシステムデコーダ1271に入力される。また、記録媒体1211あるいは1212から再生されるシステムストリームは、バッファ制御部126を介して再生用バッファ1262に格納される。さらに、バッファ制御部126を介してシステムデコーダ1271に入力される。
【0034】
システムデコーダ1271に入力されたシステムストリームは、圧縮符号化映像データ、および圧縮符号化音声データのパケットにそれぞれ分離される。分離された各々のパケットから取り出した圧縮符号化映像データは、映像信号伸張部1272に入力される。また圧縮符号化音声データは、音声信号伸張部1273に入力される。映像信号伸張部1272で圧縮符号化映像データの伸張が施された後、グラフィックス部1281にて付属映像情報が重畳され、表示パネル1282に出力される。
【0035】
また、映像信号が映像信号D/Aコンバータ1283に、また音声信号は音声混合部1287を介して音声信号D/Aコンバータ1284に入力され、アナログ信号に変換され、映像信号出力端子1285、音声信号出力端子1286から出力される。
【0036】
また、ネットワーク接続端子123からは、ネットワークを介して、データ伝送装置2から、システムストリームが入力される。このネットワークは、例えばインターネットであり、データ伝送装置1とデータ伝送装置2はインターネットで接続される。ここで、例えば、データ伝送装置2は、データ伝送装置1のサーバ装置、逆にデータ伝送装置1は、データ伝送装置2のクライアント装置となっており、例えばデータ伝送装置2で動作しているアプリケーションプログラムの画面情報をシステムストリームとして入力する。
【0037】
システムストリームは、バッファ制御部126を介して再生用バッファ1262に格納される。さらに、バッファ制御部126を介してシステムデコーダ1271に入力される。システムデコーダ1271に入力されたシステムストリームは、圧縮符号化映像データ、および圧縮符号化音声データのパケットにそれぞれ分離される。
【0038】
分離された各々のパケットから取り出した圧縮符号化映像データは、例えば映像信号伸張部1274に入力される。また圧縮符号化音声データは、音声信号伸張部1275に入力される。映像信号伸張部1274で圧縮符号化映像データの伸張が施された後、グラフィックス部1281において、付属映像情報が重畳され、表示パネル1282に出力される。
【0039】
状態制御部516は、周辺機器接続部111、ネットワーク接続部122、制御部124、アプリケーション部515の状態を受け、接続切り換え部513に状態の通知を行う。制御部124は周辺機器4の制御も行う。接続切り替え部513は、周辺機器4を制御部124と接続するか、ネットワーク接続部122と接続するかを切り換える。
【0040】
ここで、ユーザが、データ伝送装置2をサーバ装置として、データ伝送装置1をクライアント装置として、データ伝送装置2のアプリケーション部を使用することができる。つまり、データ伝送装置2のアプリケーション部525は、データ伝送装置1のアプリケーション部515から操作することが可能である。アプリケーション部525で動作する画面情報は、データ伝送装置2からのシステムストリームとして送信され、データ伝送装置1で復号、表示される。
【0041】
制御部14はユーザからの処理を入力を受け付け、この入力情報を送受信プロトコルを使用してネットワーク接続部12を介してデータ伝送装置2に送信する。データ伝送装置2のアプリケーション部25はこの入力情報に応じて、処理を実行する。つまりその映像を見ながらユーザが操作、データのやり取り等をデータ伝送装置1に接続された周辺機器4を用いて実行する。
【0042】
この場合に、図示していないデータ送受信処理部が、前記ネットワーク接続部122を介して接続された他のデータ伝送装置2との間でデータを送受信プロトコル方式で送受信し、周辺機器接続部111を介して他のデータ伝送装置2と外部機器4との間でデータを送受信する。
【0043】
ここで、周辺機器4が、データ伝送装置1に接続された場合の動作について説明する。周辺機器4が周辺機器接続端子112を介して周辺機器接続部111に接続される。ここでは、例えば、USB(ユニバーサルシリアルバス)のようなインタフェースプロトコルで周辺機器が接続される。周辺機器としては、例えば、キーボード、マウス、プリンタ、ICメモリなどである。
【0044】
例えばデータ伝送装置1がディジタル放送を受信している場合に、ユーザが周辺機器接続端子112に周辺機器4を接続したことを周辺機器接続部111が検知すると、図4で示したように、状態制御部516は、制御部124が周辺機器4を使用しているかどうかを判断する。使用されていない場合には、アプリケーション部515が処理するディジタル放送受信動作における周辺機器として接続される(ステップS404)。これにより、例えば、周辺機器4であるキーボードからの入力を制御部124が受け付け、アプリケーション部515で処理することにより、記録番組情報のキーボードによる文字入力などが行える。
【0045】
ここで、ユーザがディジタル放送受信機能から、クライアント機能に切り換えた場合、この切り替え指示を制御部124が受け付け、接続切り替え部513は周辺機器4の接続を、サーバ側のアプリケーション部525に切り換え(ステップS405)、キーボードによる文字入力などが行える。
【0046】
また、例えばデータ伝送装置1がデータ伝送装置2のクライアントとして動作している場合に、ユーザがICメモリを周辺機器接続端子112に接続した場合、この接続を周辺機器接続部111が検知すると、図4で示したように、接続切り替え部513はICメモリへの接続をサーバ側のアプリケーション部525に切り換える(ステップ405)。ここで、このICメモリから大容量のデータをデータ伝送装置2に転送する場合、前述のUSBプロトコルをインターネットプロトコルに載せて転送する。その転送途中にユーザがディジタル放送受信動作に切り換え、この切り替え指示を制御部124が受け付けた場合には、図4に示すように、状態判断部516が、周辺装置のがデータ伝送装置2との間でデータ転送処理中であり周辺機器4を使用していることを確認すると、そのデータ転送が終了するまでは、接続を切り換えないので、継続してデータ転送処理を行える(ステップ402)。
【0047】
具体的には、状態判断部516は、周辺機器4が現在処理動作中であるかどうかをアプリケーション部515、制御部124、周辺機器接続部111、ネットワーク接続部122に問い合わせる。アプリケーション部515、制御部124、周辺機器接続部111、ネットワーク接続部122の状態から、周辺機器4が現在アプリケーション部515により使用されているかどうかを判断する(ステップ402)。
【0048】
また状態判断部516は、さらにはネットワーク5を介してアプリケーション部525に問い合わせる。アプリケーション部525の状態から周辺機器4が、アプリケーション部525により使用されているかどうかを判断する(ステップS402)。
【0049】
周辺機器4がアプリケーション部515または525により使用されていない場合、状態判断部516は、要求元がアプリケーション515であるかアプリケーション525であるかを判定する(ステップS403)。接続切り換え部513は、周辺機器4の処理要求元がアプリケーション515の場合は、周辺機器4との接続をアプリケーション部515に切り換える。
【0050】
また、アプリケーション525からの周辺機器の使用要求の場合は(ステップS404)、接続切り換え部513は、周辺機器4との接続をアプリケーション部525に切り換える(ステップS405)。この場合は、アプリケーション部525と周辺機器4との間でデータのやり取りが行われる。
【0051】
すなわち、周辺機器4とやり取りされるデータは、データ伝送装置1の周辺機器接続部111、接続切り換え部513、ネットワーク接続部122、ネットワーク5、データ伝送装置2のネットワーク接続部211、制御部212、アプリケーション部525の流れで伝送される。状態判断部516に入力される各部の状態は、全部もしくはいくつかの状態の組み合わせで判断してもよい。
【0052】
また、周辺機器4がアプリケーション部515または525により使用されている場合(S402でY)、状態判断部516は、周辺機器4の使用が終了しているかどうか定期的に確認する。状態判断部516は記憶手段から予め設定された確認回数情報を取得し、上記ループの確認が取得された確認回数情報を超えた場合には、図4の処理を終了する。
【0053】
上記例では、ICメモリ4がデータ伝送装置2に転送しており、ICメモリ4をアプリケーション部525が使用している。この使用を状態判断部516が検知するため、接続切り替え部513は、周辺機器4の接続を切り替えないため、データ転送が終了するまでは、接続を切り換えないので、継続してデータ転送処理を行える。
【0054】
状態判断部516は、周辺機器4の使用が終了しているかどうか定期的に確認しているが、その後、データ転送が終了すると、周辺機器4がアプリケーション部525で使用されていないことを検知するため、接続切り替え部513は周辺機器4の接続をアプリケーション部515に切り替える。
【0055】
本実施例によれば、サーバ装置であるデータ伝送装置2が周辺機器4とのデータのやり取りを行っている際に、データ伝送装置2のアプリケーションであるディジタル放送受信に切り換えられても、データ伝送装置2が周辺機器4とのデータのやり取りが終了するまで接続されないので、データ伝送装置2が周辺機器4とのデータのやり取りを終了まで継続できる。
【0056】
なお、本実施例では、状態制御部516、周辺機器接続部111、ネットワーク接続部122、アプリケーション部515、接続切り換え部513はそれぞれ集積回路で設計する等によりハードウェアで実現している。しかしながら、これらの機能を実現するソフトウェアで実装し、これらのソフトウェアが記憶媒体1211,1212にロードされ、制御部124で実行されることにより、これらの上記機能を実現するようにしてもよい。
【0057】
また、アプリケーション部525は集積回路で設計する等によりハードウェアで実現している。しかしながら、この機能を実現するソフトウェアで実装し、このソフトウェアをメモリ214または記憶媒体215にロードし、制御部212で実行することにより、アプリケーション部525の機能を実現してもよい。
【0058】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0059】
また、上記の各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、制御部がそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能実行時には、対応するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は記憶媒体1211,1212等のメモリまたはキャッシュメモリに置くことができる。非実行時には、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、記憶媒体1211,1212等のメモリや、ハードディスク装置、または、ICカード等に置くことができる。
【0060】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1、2…データ伝送装置、3…周辺機器接続インタフェース、4…周辺機器、5…ネットワーク、11…周辺機器接続部、12…ネットワーク接続部、13…接続切り換え部、14…制御部、15…アプリケーション部、16…状態判断部、22…ネットワーク接続部、24…制御部、25…アプリケーション部、111…周辺機器接続部、112…周辺機器接続端子、122…ネットワーク送受信部、123…ネットワーク接続端子、126…バッファ制御部、1261…記録用バッファ、1262…再生用バッファ、1211…記録媒体、1212…記録媒体、1271…システムデコーダ、1272…映像信号伸張部、1273…音声信号伸張部、1283…映像信号D/Aコンバータ、1284…音声信号D/Aコンバータ。124…制御部、1281…グラフィクス部、1263…暗号部、1264…復号部、1282…表示パネル、123…ネットワーク接続端子、125…リモコン受信素子、141…ディジタル放送信号入力端子、142…ディジタルチューナ、211…ネットワーク送受信部、212…制御部、213…チップセット、214…メモリ、215…記録媒体、216…ネットワーク接続端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器と接続する第一の接続部と、
前記第一の接続部を介して接続された外部機器を第一のプロトコル方式で制御しデータを送受信する外部機器接続部と、
外部機器接続部を介して、前記外部機器との間でデータを送受信する制御部と、
他のデータ伝送装置と接続する第二の接続部と、
前記第二の接続部を介して接続された他のデータ伝送装置との間でデータを第二のプロトコル方式で送受信し、前記外部機器接続部を介して前記他のデータ伝送装置と前記外部機器との間でデータを送受信するデータ送受信処理部と、
前記外部機器に対する処理を行うアプリケーション部と、
前記アプリケーション部が前記外部機器を使用しているか否かを判断する状態判断部と、
前記状態判断部の判断結果に応じて、前記外部機器接続部との接続を、前記制御部または前記データ送受信処理部に切り換える接続切換部と、
を備えることを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ伝送装置において、
前記データ伝送装置の前記アプリケーション部が前記外部機器と情報処理を行う場合には、前記状態判断部は、前記切換部により、前記外部機器接続部と、前記制御部とを接続することを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ伝送装置において、
前記データ伝送装置の前記アプリケーション部が、前記他のデータ伝送装置のアプリケーション部に対して情報処理を行う場合には、前記状態判断部は、前記切換部により、前記外部機器接続部と、前記データ送受信部とを接続することを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項4】
請求項1に記載のデータ伝送装置において、
前記状態判断部は、前記外部機器接続部と前記制御部の動作状態を判断し、
前記アプリケーション部が前記外部機器と情報処理を行う状態から前記他のデータ伝送装置のアプリケーション部と情報処理を行う状態に移行する場合には、前記状態判断部は、前記外部機器接続部と前記制御部との間のデータ送受信がなされていない場合に、前記切換部が、前記外部機器接続部と、前記データ送受信部とを接続することを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項5】
請求項1に記載のデータ伝送装置において、
前記状態判断部は、前記外部機器接続部と前記データ送受信処理部の動作状態を判断し、
前記アプリケーション部が前記他のデータ伝送装置と情報処理を行う状態から前記外部機器と情報処理を行う状態に移行する場合には、前記状態判断部は、前記外部機器接続部と前記データ送受信処理部との間のデータ送受信がなされていない場合に、前記切換部が、前記外部機器接続部と、前記処理部とを接続することを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項6】
第一の接続部が外部機器と接続し、
外部機器接続部が、前記第一の接続部を介して接続された外部機器を第一のプロトコル方式で制御しデータを送受信し、
制御部が、外部機器接続部を介して、前記外部機器との間でデータを送受信し、
第二の接続部が他のデータ伝送装置と接続し、
データ送受信処理部が、前記第二の接続部を介して接続された他のデータ伝送装置との間でデータを第二のプロトコル方式で送受信し、前記外部機器接続部を介して前記他のデータ伝送装置と前記外部機器との間でデータを送受信し、
アプリケーション部が前記外部機器に対する処理を行い、
状態判断部が、前記アプリケーション部が前記外部機器を使用しているか否かを判断し、
接続切換部が、前記状態判断部の判断結果に応じて、前記外部機器接続部との接続を、前記制御部または前記データ送受信処理部に切り換える、
ことを特徴とするデータ伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−128741(P2011−128741A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284669(P2009−284669)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】