説明

データ再生装置

【課題】音声データの再生速度の高速化を図るとともに、消費電力の低減を図ること。
【解決手段】HDDに記録された楽曲データの中からバッファ304に記録した任意の音声データを再生する情報処理装置100において、1曲分の前記音声データをバッファに記録することが完了した段階でHDDの駆動を停止部307によって停止し、任意の楽曲データのうち先に再生する楽曲データの再生終了時点を算出部305によって算出し、算出された再生終了時点より前の所定のタイミングでHDDの駆動が停止していると判断した場合に、HDDの駆動を開始して任意の楽曲データの次に再生する楽曲データを記録部303によってバッファ304に記録する。そして、再生終了時点が到来した場合に、記録部303によって記録された音声データを再生するとともに、HDDの駆動を停止させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、HDDに記録された音楽データを再生する再生装置では、音楽データのデータサイズが小さいことを利用して、たとえば、1曲分の音楽データをバッファに一時的に保存し、保存した音楽データを再生に供するようにしたものがあった。このような再生装置によれば、保存した音楽データの再生中にはHDDの回転を停止するパワーセーブモードに遷移することができるので、消費電力の低減を図ることができる。
【0003】
また、従来、このような再生装置では、先に再生指示を受け付けた音楽データの再生が完了したタイミングでHDDをパワーセーブモードから復帰させ、次に再生指示を受け付けた音楽データをバッファに一時的に保存する。そして、保存した音楽データの再生中には再度パワーセーブモードに遷移させるようにしていた。
【0004】
また、従来、たとえば、利用者がシステムを使用していることを認識するとディスク回転モータを自動停止させないようにHDDタイマレジスタをリセットし、利用者の入力操作がなくなりHDDタイマレジスタがタイマによりカウントダウンされて「0」になると、そのタイマ割込み処理で、HDD内のモータオフレジスタにモータオフの指示データがセットされ、この指示データに従いディスク回転モータが自動停止制御されるようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開平9−237463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術では、先に再生指示を受け付けた音楽データの再生が完了したタイミングでHDDをパワーセーブモードから復帰させるため、消費電力の低減を図ることができるが、先に再生指示を受け付けた音楽データの再生が完了してから次に再生指示を受け付けた音楽データの再生を開始するまでの間に無音状態が生じ、受聴者を待たせてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかるデータ再生装置は、記録装置に記録されたデータの中からバッファに記録した任意のデータを再生するデータ再生装置において、所定曲分の前記データを前記バッファに記録することが完了した段階で前記記録装置の駆動を停止する停止手段と、前記任意のデータのうち先に再生するデータの再生終了時点を算出する算出手段と、前記記録装置が前記停止手段により停止しているか否かを判定する判定手段と、前記算出手段によって算出された再生終了時点より前の所定のタイミングで前記判定手段により前記記録装置の駆動が停止していると判断した場合に、前記記録装置の駆動を開始し、前記任意のデータの次に再生するデータを前記バッファに記録する記録手段と、を備え、前記再生終了時点が到来した場合に、前記記録手段によって記録された前記次に再生するデータを再生することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、先に再生するデータの再生終了時点が到来するまでに、次に再生するデータをバッファに記録しておくことで、先に再生するデータの再生終了後、次のデータの再生を迅速に開始するとともに、データを再生する間は記録装置の駆動を停止することができる。これによってデータ再生装置は、データの再生速度の高速化を図るとともに、データ再生装置における消費電力の低減を図ることができる。そして、これによってデータ再生装置の利用者は、たとえば、データ再生装置を携帯している場合にも、待たされることによる不快感を覚えることなく、長時間データを受聴することができる。
【0009】
また、この発明にかかるデータ再生装置における前記記録装置は、前記任意のデータの前記バッファへの記録に際して、前記任意のデータが記録された記録媒体を回転駆動させることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、たとえば、広く普及しているHDD(ハードディスクドライブ)などのように、記録されたデータを読み出す際に物理的な動きをともなう記録装置を用いる場合に、再生に遅延を生じさせることなく記録装置を駆動することができる。これによってデータ再生装置は、記録装置の特性に応じて、先に再生するデータの再生終了後、次のデータの再生を迅速に開始するとともに、データを再生する間は記録装置の駆動を停止することができる。そして、これによってデータ再生装置の利用者は、たとえば、データ再生装置を携帯している場合にも、待たされることによる不快感を覚えることなく、長時間データを受聴することができる。
【0011】
また、この発明にかかるデータ再生装置における前記算出手段は、先に再生するデータの全量と、当該データのうち再生が完了したデータの量と、に基づいて前記再生終了時点を算出することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、再生終了時点を容易に算出することができるので、再生終了時点の算出にかかる処理負担を軽減することができる。これによってデータ再生装置は、再生終了時点を算出することによる処理負担の増大をともなうことなく消費電力の低減を図るとともに、データの再生に際しての待機時間の低減を図ることができる。そして、これによってデータ再生装置の利用者は、たとえば、データ再生装置を携帯している場合にも、待たされることによる不快感を覚えることなく長時間データを受聴することができる。
【0013】
また、この発明にかかるデータ再生装置における前記算出手段は、先に再生するデータのうち未再生部分のデータの再生に要する時間に基づいて前記再生終了時点を算出することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、再生終了時点を容易に算出することができるので、再生終了時点の算出にかかる処理負担を軽減することができる。これによってデータ再生装置は、再生終了時点を算出することによる処理負担の増大をともなうことなく消費電力の低減を図るとともに、データの再生に際しての待機時間の低減を図ることができる。そして、これによってデータ再生装置の利用者は、たとえば、データ再生装置を携帯している場合にも、待たされることによる不快感を覚えることなく長時間データを受聴することができる。
【0015】
また、この発明にかかるデータ再生装置は、前記算出手段によって算出した前記再生終了時点より、前記記録手段によって前記記録媒体を回転駆動させるのに必要な時間以上前に、前記記録手段が前記記録装置の駆動を開始することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、算出手段によって算出した再生終了時点から、記録手段によって記録媒体を回転駆動させるのに必要な時間以上遡った時点から、記録装置の駆動を開始することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるデータ再生装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。この実施の形態では、この発明にかかるデータ再生装置を情報処理装置に適用した例である。
【0018】
(情報処理装置の外観)
図1−1および図1−2は、この実施の形態にかかる情報処理装置の外観図((その1)および(その2))である。図1−1は情報処理装置の上面図を示しており、図1−2は情報処理装置の正面図を示している。図1−1に示したように、情報処理装置100は、SD(登録商標)メモリーカードスロット101、CFカードスロット102、およびCFカードイジェクトボタン103を備えている。SD(登録商標)メモリーカードスロット101には、SD(登録商標)メモリーカード・MMC(マルチメディアカード)などが挿入される。
【0019】
CFカードスロット102には、CFカード・マイクロドライブが挿入される。CFカードイジェクトボタン103は、CFカードスロット102に挿入されたCFカードを取り出すときに押下される。CFカードイジェクトボタン103が押下された場合には、CFカードスロット102に挿入されたCFカードが、情報処理装置100の外部へ排出される。図1−1中図示を省略するが、情報処理装置100は、USBコネクタを備えている。USBコネクタには、たとえば、USBケーブルを介してプリンタが接続される。
【0020】
図1−2に示したように、情報処理装置100は、高精細液晶ディスプレイ104、および各種操作キー105〜111を備えている。高精細液晶ディスプレイ104は、操作画面や画像データを表示する。高精細液晶ディスプレイ104としては、具体的には、たとえば4.1型の高精細液晶ディスプレイを使用することができる。各種操作キー105〜111のうち、図1−2中符号105は、「Print」ボタンを示している。「Print」ボタン105が印刷可能な画面で押下された場合、高精細液晶ディスプレイ104には印刷設定画面が表示される。
【0021】
各種操作キー105〜111のうち、図1−2中符号106は、「Menu」ボタンを示している。「Menu」ボタン106が押下された場合、高精細液晶ディスプレイ104には、「Menu」ボタン106が押下された時点で実行可能な操作項目が、ポップアップメニューなどで表示される。各種操作キー105〜111のうち、図1−2中符号107は、「↑↓←→」キー(4−Wayリング)を示している。4−Wayリング107の押下によって任意の項目を選択させることができる。
【0022】
各種操作キー105〜111のうち、図1−2中符号108は「OK」ボタンを示している。4−Wayリング107の押下によって選択された項目は、「OK」ボタン108の押下によって確定される。図示を省略するが、たとえば、「Print」ボタンが選択された状態で「OK」ボタン108が押下された場合、プリント出力処理に関する処理が開始される。各種操作キー105〜111のうち、図1−2中符号109は「Cancel」ボタンを示している。「Cancel」ボタン109が押下された場合、「Cancel」ボタン109が押下された時点で実行中の操作が中止され、一つ前の画面が表示される。
【0023】
各種操作キー105〜111のうち、図1−2中符号110は「Display」ボタンを示している。「Display」ボタン110が押下された場合、高精細液晶ディスプレイ104には、操作説明や画面の情報が表示される。各種操作キー105〜111のうち、図1−2中符号111は「Home」ボタンを示している。「Home」ボタン111が押下された場合、「Home」ボタン111が押下された時点で実行中の操作が中止され、「ホーム画面(初期メニュー画面)」が表示される。
【0024】
(情報処理装置のハードウエア構成)
図2は、この実施の形態にかかる情報処理装置のハードウエア構成図である。図2において、情報処理装置100は、CPU201と、メモリ202と、メモリコントローラ203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、ATA I/F(インターフェース)205と、入力デバイス206と、汎用入出力制御ユニット207と、ビデオI/F(インターフェース)208と、ビデオデコーダ209と、LED(Light Emittimg Diode)210と、上述した高精細液晶ディスプレイ104と、オーディオI/F(インターフェース)211と、オーディオデコーダ212と、スピーカ213と、ヘッドフォン214と、電源制御ユニット215と、バッテリ216と、を備えている。情報処理装置100が備える各部201〜216は、それぞれバス217によって接続される。
【0025】
CPU201は、メモリ202、HDD204などに記憶されたプログラムを実行することによって、情報処理装置100全体を制御する。メモリ202は、情報処理装置100の基本処理プログラムなどを記憶している。メモリ202としては、たとえばROM(Read Only Memory)やSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が用いられる。また、メモリコントローラ203は、CPU201の制御にしたがって、メモリ202に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。
【0026】
HDD204は、音声データ,画像データ,および制御プログラムなどの各種情報を記憶する。HDD204の代わりにあるいはHDD204に加えて、DVD、コンパクトディスク(CD)などの着脱可能な記憶媒体による記憶装置であってもよい。また、HDD204はATA I/F205によって、CPU201と接続されており、このATA I/F205により、HDD204に格納されているデータの読み出しおよび書き込みをおこなう。
【0027】
HDD204には、たとえば、クラッシックやPOPソングなどの楽曲データや会議における発話内容などを録音した録音データなどが音声データとして記憶されている。音声データは、たとえば、MPEG1 Audio Layer−3形式(MP3),Windows(登録商標)標準の無圧縮音声形式(WAV),Windows Media(登録商標)Audio音声形式(WMA)など、公知の各種の形式を用いて生成されている。
【0028】
入力デバイス206は、文字、数値、各種指示などの入力のための、たとえば図1−2に示すような各種ボタンによって構成されている。また、汎用入出力制御ユニット207は、入力デバイス206からの入出力を制御する。
【0029】
ビデオI/F208は、ビデオデコーダ209を介して、上述した高精細液晶ディスプレイ104と接続される。このビデオI/F208は、たとえば、高精細液晶ディスプレイ104の全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、高精細液晶ディスプレイ104を表示制御する制御ICなどによって構成される。具体的には、ビデオI/F208は、グラフィックコントローラから出力された画像データをビデオデコーダ209によって復号化し、その復号化した画像データに基づいて、高精細液晶ディスプレイ104を表示制御する。LED210は、点灯または点滅することによって、利用者に情報処理装置100の状態あるいは利用者へ所定の情報(たとえば警告情報など)を告知する。
【0030】
オーディオI/F211は、オーディオデコーダ212を介してスピーカ213およびヘッドフォン214に接続される。具体的には、オーディオI/F211から出力された音声データをオーディオデコーダ212によって復号化し、スピーカ213およびヘッドフォン214から音声出力する。
【0031】
電源制御ユニット215は、利用者によって情報処理装置100の電源がONにされた際に、バッテリ216からの電力を各構成部に供給する。また、利用者によって情報処理装置100の電源がOFFにされた際には、各構成部に対する電力の供給を終了する。加えて、図示を省略するが、情報処理装置100は、USBコネクタに接続されたプリンタとの間で通信をおこなう通信I/Fを備えている。
【0032】
(情報処理装置の機能的構成)
図3は、この実施の形態にかかる情報処理装置100の機能的構成を示すブロック図である。図3に示したように、情報処理装置100は、記録装置301と、再生部302と、記録部303と、バッファ304と、算出部305と、計時部306と、停止部307と、を備えている。
【0033】
記録装置301は、音声データを、読み出し可能に記憶する。記録装置301は、音声データが記録された記録媒体を備えており、音声データの読み出し要求があった場合には、記録媒体を回転駆動させることで音声データの読み出しを可能とする。記録装置301は、記録媒体に対する音声データの記録時、あるいは、記録媒体に記録された音声データの読み出し時以外は、記録媒体の回転を停止させる。具体的に、記録装置301は、たとえば、上述したHDDなどによって実現することができる。
【0034】
再生部302は、記録装置301に記録された音声データを再生する。音声データの再生に際して、再生部302は、記録装置301に記録された音声データの中から再生対象となる音声データのうち、記録部303によってバッファ304に記録された音声データを再生する。上述した記録装置301は、再生部302における音声データの再生に先立って記録部303によって音声データをバッファ304へ記録する際に、記録媒体を回転駆動させる。
【0035】
算出部305は、バッファ304に記録された音声データのうち、先に再生する音声データの再生終了時点を算出する。たとえば、算出部305は、先に再生する音声データの全量と、当該音声データのうち再生が完了した音声データの量と、に基づいて再生終了時点を算出する。また、たとえば、算出部305は、先に再生する音声データのうち未再生部分の音声データの再生に要する時間に基づいて再生終了時点を算出するようにしてもよい。
【0036】
また、算出部305は、たとえば、バッファ304に記録された音声データの再生途中で、当該音声データの開始位置あるいは途中位置まで戻ってから再生をおこなう指示操作(巻き戻し指示操作)があった場合に、当該指示操作に応じて再度再生終了時点を算出するようにしてもよい。
【0037】
計時部306は、時刻あるいは再生開始時点からの経過時間を計時する。記録部303は、計時部306によって計時される時刻あるいは時間にしたがって、算出部305によって算出された再生終了時点より前の所定のタイミングが到来した場合には、当該所定のタイミングで記録装置301の駆動を開始し、任意の音声データの次に再生する音声データをバッファ304に記録する。
【0038】
停止部307は、1曲分の前記音声データをバッファに記録することが完了した段階でHDD204の駆動をする。また、停止部307は、計時部306によって計時される時刻あるいは時間にしたがって、算出部305によって算出された再生終了時点が到来した場合に、記録部303によって記録された音声データを再生するとともに、記録装置301の駆動を停止させる。
【0039】
図示を省略するが、情報処理装置100は、HDD204が停止部307により停止しているか否かを判定する判定部を備えていてもよい。この場合、上述した記録部303は、算出部305によって算出された再生終了時点より前の所定のタイミングで判定部によりHDD204の駆動が停止していると判断した場合に、HDD204の駆動を開始し、任意の音声データの次に再生する音声データをバッファに記録する。
【0040】
(情報処理装置の処理手順)
図4は、情報処理装置100の処理手順を示すフローチャートである。つぎに、図4を用いて、この発明の実施の形態にかかる情報処理装置100の処理手順について説明する。実施の形態では、HDD204に記憶されている音声データの中で、複数の楽曲データの再生指示を受け付けた場合を想定して説明する。
【0041】
図4のフローチャートにおいて、まず、4−Wayリング107の押下などによる再生指示があるまで待って(ステップS401:No)、再生指示があった場合(ステップS401:Yes)には、HDD204の駆動を開始して(ステップS402)、HDD204に記録されている楽曲データバッファに楽曲データを記録する(ステップS403)。ステップS403においては、1曲分の楽曲データをバッファ304へ記録する。
【0042】
ステップS403において、1曲分の楽曲データをバッファ304へ記録すると、HDD204の駆動を停止し(ステップS404)、バッファ304へ記録した楽曲データの再生終了時点を算出する(ステップS405)。そして、算出された再生終了時点を計時するタイマを設定する(ステップS406)とともに、バッファ304に記録した楽曲データの再生を開始する(ステップS407)。また、現在再生中の楽曲データの次に再生する楽曲データ(以下、「次の楽曲データ」という)があるか否かを判断する(ステップS408)。
【0043】
ステップS408において、次の楽曲データがある場合(ステップS408:Yes)には、現在再生中の楽曲データを終了時点まで再生するために要する時間(以下、「残りの再生時間」という)が、あらかじめ設定された時間T以下となるまで待つ(ステップS409:No)。
【0044】
ここで、時間Tとは、停止状態にあるHDD204に記憶された音声データが読み出し可能になるまでに要する、HDD204の起動時間と同等あるいは当該起動時間以上の長さの時間である。HDD204の起動時間は、HDD204の特性などに応じて設定され、たとえば、実測などによって得られる既知の値である。ステップS409において、残りの再生時間が時間T以下となった場合(ステップS409:Yes)には、ステップS402へ戻り、次の楽曲データの再生にかかる処理をおこなう。
【0045】
なお、上述したHDD204の起動時間以上の長さの時間には、次の曲データをバッファに読み込み完了するまでの時間を含めてもよい。この場合、曲間が無く次の曲を再生することが可能となる。
【0046】
ステップS408において、次の楽曲データがない場合(ステップS408:No)には、現在再生中の楽曲データの再生が終了するまで待って(ステップS410:No)、再生が終了した場合(ステップS410:Yes)には、一連の処理を終了する。
【0047】
なお、曲をデコードおよび再生するプロセスは、曲ごとに分かれていてもよい。また、HDD204を起動する指示は、曲のデコードおよび再生のプロセスとは別のプロセスにより監視して起動の指示をおこなってもよい。
【0048】
なお、上述した図4に示した処理は、ステップS401:Yesにおいて再生指示があったタイミングでは、HDD204の駆動が停止していることを想定して説明したがこれにかぎるものではない。図示を省略するが、ステップS401:Yesにおいて再生指示があったタイミングにおいて、別の処理によって既にHDD204は駆動している状況を想定して、ステップS401:Yesにおいて再生指示があった場合、HDD204の駆動を実際に開始する前に、HDD204が停止しているか否かを判断するようにしてもよい。
【0049】
この場合、HDD204が停止している場合には、図4中のステップS402へ移行して、HDD204の駆動を開始する。一方、HDD204が停止していない場合には、図4中のステップS403へ移行して、楽曲データを記録する。
【0050】
上述したように、実施の形態の情報処理装置100によれば、先に再生する楽曲データの再生終了時点が到来するまでに、次に再生する楽曲データをバッファ304に記録しておくことで、先に再生する楽曲データの再生終了後、次の楽曲データの再生を迅速に開始するとともに、楽曲データを再生する間はHDD204の駆動を停止することができる。これによって情報処理装置100は、楽曲データの再生速度の高速化を図るとともに、情報処理装置100における消費電力の低減を図ることができる。
【0051】
また、実施の形態の情報処理装置100によれば、記録された音声データを読み出す際にハードディスクを物理的に回転させるHDD204を、再生に遅延を生じさせることなく駆動することができる。これによって情報処理装置100は、HDD204の特性に応じて、先に再生する楽曲データの再生終了後、次の楽曲データの再生を迅速に開始するとともに、楽曲データを再生する間はHDD204の駆動を停止することができる。これによって情報処理装置100は、楽曲データの再生速度の高速化を図るとともに、情報処理装置100における消費電力の低減を図ることができる。
【0052】
また、実施の形態の情報処理装置100において、先に再生する音声データの全量と、当該音声データのうち再生が完了した音声データの量と、に基づいて再生終了時点を算出したり、先に再生する音声データのうち未再生の音声データの再生が終了するまでに要する時間に基づいて再生終了時点を算出したりすることで、再生終了時点を容易に算出することができるので、再生終了時点の算出にかかる処理負担を軽減することができる。
【0053】
これによって情報処理装置100は、再生終了時点を算出することによる処理負担の増大をともなうことなく消費電力の低減を図るとともに、音声データの再生に際しての待機時間の低減を図ることができる。
【0054】
そして、上述した実施の形態の情報処理装置100によって、情報処理装置100の利用者は、たとえば、情報処理装置100を携帯している場合にも、待たされることによる不快感を覚えることなく、長時間音声データを受聴することができる。
【0055】
以上説明したように、実施の形態の情報処理装置100によれば、楽曲データの再生速度の高速化を図るとともに、情報処理装置100における消費電力の低減を図ることができる。これによって、情報処理装置100の利用者は、待たされることによる不快感を覚えることなく、情報処理装置100を携帯しながら長時間音声データを受聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1−1】この実施の形態にかかる情報処理装置の外観図(その1)。
【図1−2】この実施の形態にかかる情報処理装置の外観図(その2)。
【図2】この実施の形態にかかる情報処理装置のハードウエア構成図。
【図3】この実施の形態にかかる情報処理装置の機能的構成を示すブロック図。
【図4】情報処理装置の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0057】
100 情報処理装置、301 記録装置、303 記録部、304 バッファ、305 算出部、306 計時部、307 停止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録装置に記録されたデータの中からバッファに記録した任意のデータを再生するデータ再生装置において、
所定曲分の前記データを前記バッファに記録することが完了した段階で前記記録装置の駆動を停止する停止手段と、
前記任意のデータのうち先に再生するデータの再生終了時点を算出する算出手段と、
前記記録装置が前記停止手段により停止しているか否かを判定する判定手段と、
前記算出手段によって算出された再生終了時点より前の所定のタイミングで前記判定手段により前記記録装置の駆動が停止していると判断した場合に、前記記録装置の駆動を開始し、前記任意のデータの次に再生するデータを前記バッファに記録する記録手段と、
を備え、
前記再生終了時点が到来した場合に、前記記録手段によって記録された前記次に再生するデータを再生することを特徴とするデータ再生装置。
【請求項2】
前記記録装置は、前記任意のデータの前記バッファへの記録に際して、前記任意のデータが記録された記録媒体を回転駆動させることを特徴とする請求項1に記載のデータ再生装置。
【請求項3】
前記算出手段は、先に再生するデータの全量と、当該データのうち再生が完了したデータの量と、に基づいて前記再生終了時点を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ再生装置。
【請求項4】
前記算出手段は、先に再生するデータのうち未再生部分のデータの再生に要する時間に基づいて前記再生終了時点を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ再生装置。
【請求項5】
前記算出手段によって算出した前記再生終了時点より、前記記録手段によって前記記録媒体を回転駆動させるのに必要な時間以上前に、前記記録手段が前記記録装置の駆動を開始することを特徴とする請求項2に記載のデータ再生装置。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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