説明

データ処理システム、そのユーザ携帯端末とデータ処理装置、そのコンピュータプログラムとデータ処理方法

【課題】エンドユーザが商品販売店舗ごとのポイントカードを所持するような必要なく、各種の商品販売店舗でポイントサービスを受領するようなことを可能とすることができるデータ処理システムを提供する。
【解決手段】ユーザ携帯端末100は、商品売買処理のデータ通信を販売店舗端末200と実行すると売買履歴データSRDを生成して保持し、その売買履歴データSRDをデータ処理装置300に送信する。データ処理装置300は、送信された売買履歴データSRDを受信して蓄積し、エンドユーザごとに出力する。従って、商品売買処理に対応したサービスポイントSPDの発行や管理を店舗主体でなくすことができる。このため、エンドユーザが商品販売店舗ごとのポイントカードを所持するような必要なく、各種の商品販売店舗でポイントサービスを受領するようなことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドユーザに移動自在に携帯されるユーザ携帯端末と、前記エンドユーザへの販売商品の商品売買処理を実行する商品販売店舗の販売店舗端末と、前記エンドユーザごとに少なくとも前記商品売買処理の売買履歴データを記録するデータ処理装置と、を有するデータ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のポイントサービスはユーザーの囲い込みのために各種業種で企業や店舗ごとにサービスが提供されている場合が多い。このため、利用するユーザーは集めたいポイントサービスごとに契約や登録を行いポイントカードの管理、所有を行う必要があった。
【0003】
また、数多くのポイントサービスを受けるためには、常時ポイントカードを保持しておく必要があり、購入の際に提示を行ってポイントを取得する必要がある。このため、大量のポイントカードを保持する必要があるが物理的に保有する枚数には限りがあり、利用頻度の低い店舗での購入ではポイントカードを保有していないことによってポイントの取得ができない場合が発生する。
【0004】
さらに、ポイントカードごとにポイントを管理するため、ポイントを一元管理することができず、またポイントを統合するためには、共通のポイントとして管理するサービス:ユニバーサルポイントサービスに登録する必要がある。
【0005】
現在、上述のようなポイントサービスに関連する各種の提案がある(例えば、特許文献1〜5参照)。
【特許文献1】特開2003−346031号公報
【特許文献2】特開2004−070714号公報
【特許文献3】特開2004−334717号公報
【特許文献4】特開2005−108150号公報
【特許文献5】特開2005−115872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来は商品売買処理に対応したサービスポイントなどが商品販売店舗のPOS端末などで発行され、例えば、その商品販売店舗ごとや、チェーン店舗の本店などの、POSサーバなどで管理されていた。
【0007】
このように従来はサービスポイントの発行と管理とが店舗主体で実行されていたため、管理されているサービスポイントによるポイントサービスが商品販売店舗ごとなどとなっていた。
【0008】
このため、エンドユーザは、系列が相違する商品販売店舗ごとにポイントカードを所持するような必要があり、また、ある商品販売店舗のサービスポイントが他の商品販売店舗では利用できないなどの不便があった。
【0009】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、エンドユーザが商品販売店舗ごとのポイントカードを所持するような必要なく、各種の商品販売店舗でポイントサービスを受領するようなことを可能とすることができるデータ処理システム、そのユーザ携帯端末およびデータ処理装置、そのコンピュータプログラムおよびデータ処理方法、を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のデータ処理システムは、エンドユーザに移動自在に携帯されるユーザ携帯端末と、エンドユーザへの販売商品の商品売買処理を実行する商品販売店舗の販売店舗端末と、エンドユーザごとに少なくとも商品売買処理の売買履歴データを記録するデータ処理装置と、を有し、ユーザ携帯端末は、商品売買処理に必要なデータ通信を販売店舗端末と実行する購入処理手段と、実行された商品売買処理に対応して売買履歴データを生成する履歴生成手段と、生成された売買履歴データを保持する履歴保持手段と、保持された売買履歴データをデータ処理装置に送信する履歴送信手段と、を有し、データ処理装置は、ユーザ携帯端末から送信された売買履歴データを受信する履歴受信手段と、受信された売買履歴データをエンドユーザごとに蓄積する履歴蓄積手段と、蓄積された売買履歴データをエンドユーザごとに出力する履歴出力手段と、を有する。
【0011】
本発明のユーザ携帯端末は、本発明のデータ処理システムのユーザ携帯端末であって、商品売買処理に必要なデータ通信を販売店舗端末と実行する購入処理手段と、実行された商品売買処理に対応して売買履歴データを生成する履歴生成手段と、生成された売買履歴データを保持する履歴保持手段と、保持された売買履歴データをデータ処理装置に送信する履歴送信手段と、を有する。
【0012】
本発明のデータ処理装置は、本発明のデータ処理システムのデータ処理装置であって、ユーザ携帯端末から送信された売買履歴データを受信する履歴受信手段と、受信された売買履歴データをエンドユーザごとに蓄積する履歴蓄積手段と、蓄積された売買履歴データをエンドユーザごとに出力する履歴出力手段と、を有する。
【0013】
本発明の第一のコンピュータプログラムは、本発明のユーザ携帯端末のコンピュータプログラムであって、商品売買処理に必要なデータ通信を販売店舗端末と実行する商品購入処理と、実行された商品売買処理に対応して売買履歴データを生成する履歴生成処理と、生成された売買履歴データを保持する履歴保持処理と、保持された売買履歴データをデータ処理装置に送信する履歴送信処理と、をユーザ携帯端末に実行させる。
【0014】
本発明の第二のコンピュータプログラムは、本発明のデータ処理装置のコンピュータプログラムであって、ユーザ携帯端末から送信された売買履歴データを受信する履歴受信処理と、受信された売買履歴データをエンドユーザごとに蓄積する履歴蓄積処理と、蓄積された売買履歴データをエンドユーザごとに出力する履歴出力処理と、をデータ処理装置に実行させる。
【0015】
本発明の第一のデータ処理方法は、本発明のユーザ携帯端末のデータ処理方法であって、商品売買処理に必要なデータ通信を販売店舗端末と実行する購入処理動作と、実行された商品売買処理に対応して売買履歴データを生成する履歴生成動作と、生成された売買履歴データを保持する履歴保持動作と、保持された売買履歴データをデータ処理装置に送信する履歴送信動作と、を有する。
【0016】
本発明の第二のデータ処理方法は、本発明のデータ処理装置のデータ処理方法であって、ユーザ携帯端末から送信された売買履歴データを受信する履歴受信動作と、受信された売買履歴データをエンドユーザごとに蓄積する履歴蓄積動作と、蓄積された売買履歴データをエンドユーザごとに出力する履歴出力動作と、を有する。
【0017】
なお、本発明の各種の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、例えば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与されたデータ処理装置、コンピュータプログラムによりデータ処理装置に実現された所定の機能、これらの任意の組み合わせ、等として実現することができる。
【0018】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0019】
また、本発明のコンピュータプログラムおよびデータ処理方法は、複数の処理および動作を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の処理および複数の動作を実行する順番を限定するものではない。
【0020】
このため、本発明のコンピュータプログラムおよびデータ処理方法を実施するときには、その複数の処理および複数の動作の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0021】
さらに、本発明のコンピュータプログラムおよびデータ処理方法は、複数の処理および複数の動作が個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある処理および動作の実行中に他の処理および動作が発生すること、ある処理および動作の実行タイミングと他の処理および動作の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【0022】
また、本発明で云うデータ処理装置は、コンピュータプログラムを読み取って対応する処理動作を実行できるように、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/F(Interface)ユニット、等の汎用デバイスで構築されたハードウェア、所定の処理動作を実行するように構築された専用の論理回路、これらの組み合わせ、等として実施することができる。
【0023】
なお、本発明でコンピュータプログラムに対応した各種動作をデータ処理装置に実行させることは、各種デバイスをデータ処理装置に動作制御させることなども意味している。
【0024】
例えば、データ処理装置に各種データを記憶させることは、データ処理装置に固定されているHDD(Hard Disc Drive)等の情報記憶媒体にCPUが各種データを格納すること、データ処理装置に交換自在に装填されているCD−R(Compact Disc-Recordable)等の情報記憶媒体にCPUがCDドライブで各種データを格納すること、等を許容する。
【発明の効果】
【0025】
本発明のデータ処理システムでは、ユーザ携帯端末は、商品売買処理に必要なデータ通信を販売店舗端末と購入処理手段で実行する。実行された商品売買処理に対応して売買履歴データを履歴生成手段で生成する。生成された売買履歴データを履歴保持手段で保持する。保持された売買履歴データを履歴送信手段でデータ処理装置に送信する。データ処理装置は、ユーザ携帯端末から送信された売買履歴データを履歴受信手段で受信する。受信された売買履歴データをエンドユーザごとに履歴蓄積手段で蓄積する。蓄積された売買履歴データをエンドユーザごとに履歴出力手段で出力する。従って、商品売買処理に対応した売買履歴データが販売店舗端末ではなくユーザ携帯端末で生成されて保持され、データ処理装置に送信されて蓄積されるので、商品売買処理に対応したサービスポイントの発行や管理を店舗主体でなくすことができる。このため、例えば、データ処理装置から各種の商品販売店舗に売買履歴データに対応したサービスポイントを送信するようなことにより、エンドユーザが商品販売店舗ごとのポイントカードを所持するような必要なく、各種の商品販売店舗でポイントサービスを受領するようなことを可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。本実施の形態のデータ処理システム1000は、図1および図2に示すように、エンドユーザEUに移動自在に携帯されるユーザ携帯端末100と、エンドユーザEUへの販売商品の商品売買処理を実行する商品販売店舗PSSの販売店舗端末200と、エンドユーザEUごとに少なくとも商品売買処理の売買履歴データSRDを記録するデータ処理装置300と、を有する。
【0027】
ユーザ携帯端末100は、商品売買処理に必要なデータ通信を販売店舗端末200と実行する購入処理部110と、実行された商品売買処理に対応して売買履歴データSRDを生成する履歴生成部120と、生成された売買履歴データSRDを保持する履歴保持部130と、保持された売買履歴データSRDをデータ処理装置300に送信する履歴送信部140と、を有する。
【0028】
データ処理装置300は、ユーザ携帯端末100から送信された売買履歴データSRDを受信する履歴受信部310と、受信された売買履歴データSRDをエンドユーザEUごとに蓄積する履歴蓄積部320と、蓄積された売買履歴データSRDをエンドユーザEUごとに出力する履歴出力部330と、を有する。
【0029】
さらに、本実施の形態のユーザ携帯端末100は、商品売買処理に対応したサービスポイントSPDも購入処理部110で生成する。生成されたサービスポイントSPDとともに売買履歴データSRDを履歴保持部130で保持する。保持されているサービスポイントSPDとともに売買履歴データSRDを履歴送信部140でデータ処理装置300に送信する。
【0030】
このため、本実施の形態のデータ処理装置300は、送信されたサービスポイントSPDとともに売買履歴データSRDをユーザ携帯端末から履歴受信部310で受信する。サービスポイントSPDとともに売買履歴データSRDをエンドユーザEUごとに履歴蓄積部320で蓄積する。蓄積されたサービスポイントSPDをエンドユーザEUごとに累計して履歴出力部330で出力する。
【0031】
しかも、本実施の形態のユーザ携帯端末100は、商品売買処理が実行されたときの端末位置データTSDをリアルタイムに検出する位置検出部150も有する。検出された端末位置データTSDとともに売買履歴データSRDを履歴保持部130で保持する。保持された売買履歴データSRDと端末位置データTSDとを履歴送信部140でデータ処理装置300に送信する。
【0032】
このため、本実施の形態のデータ処理装置300は、送信された売買履歴データSRDと端末位置データTSDとをユーザ携帯端末100から履歴受信部310で受信する。受信された売買履歴データSRDと端末位置データTSDとをエンドユーザEUごとに履歴蓄積部320で蓄積する。蓄積された売買履歴データSRDと端末位置データTSDとをエンドユーザEUごとに履歴出力部330で出力する。
【0033】
さらに、ユーザ携帯端末100は、商品売買処理が実行されたときの売買日時データSTDをリアルタイムに検出する日時検出部160も有する。検出された売買日時データSTDとともに売買履歴データSRDを履歴保持部130で保持する。
【0034】
保持された売買履歴データSRDと売買日時データSTDとを履歴送信部140でデータ処理装置300に送信する。このため、データ処理装置300は、送信された売買履歴データSRDと売買日時データSTDとをユーザ携帯端末100から履歴受信部310で受信する。
【0035】
受信された売買履歴データSRDと売買日時データSTDとをエンドユーザEUごとに履歴蓄積部320で蓄積する。蓄積された売買履歴データSRDと売買日時データSTDとをエンドユーザEUごとに履歴出力部330で出力する。
【0036】
より具体的には、ユーザ携帯端末100は、いわゆる多機能な携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistance)などからなり、図3に示すように、コンピュータユニットの主体としてCPU101を有する。
【0037】
このCPU101には、データバス等により、メモリデバイス103、液晶ディスプレイ等の表示装置104、キーボード等の入力デバイス105、GPS(Global Positioning System)ユニット106、カードスロット(図示せず)に装填されているICカード107、ABB(Analog Baseband)デバイス108を経由した無線部109、等が接続されている。
【0038】
ユーザ携帯端末100は、メモリデバイス103に適正なコンピュータプログラムが実装されている。このコンピュータプログラムがCPU101で読み取られて各部が統合制御されることにより、前述の各部110〜160が論理的に実現されている。
【0039】
例えば、購入処理部110は、CPU101がコンピュータプログラムに対応してICカード107と販売店舗端末200との電子決済のデータ通信を認識する機能などに相当する。
【0040】
また、履歴生成部120は、CPU101がコンピュータプログラムとICカード107の出力データとに対応して所定のデータ処理を実行する機能などに相当する。履歴保持部130は、CPU101がコンピュータプログラムに対応して認識するようにメモリデバイス103に構築された記憶エリアなどに相当する。
【0041】
位置検出部150は、CPU101がコンピュータプログラムに対応してGPSユニット106の出力データを認識する機能などに相当する。日時検出部160は、CPU101がコンピュータプログラムに対応して内部データを検出する機能などに相当する。履歴送信部140は、CPU101がコンピュータプログラムに対応してメモリデバイス103の記憶データを無線部109に無線送信させる機能などに相当する。
【0042】
このようなコンピュータプログラムは、例えば、商品売買処理に必要なデータ通信を販売店舗端末200と実行する商品購入処理と、実行された商品売買処理に対応して売買履歴データSRDを生成する履歴生成処理と、生成された売買履歴データSRDを保持する履歴保持処理と、保持された売買履歴データSRDをデータ処理装置300に送信する履歴送信処理と、をユーザ携帯端末100に実行させるように記述されている。
【0043】
本実施の形態の販売店舗端末200は、いわゆる既存のPOS端末などからなり、例えば、ユーザ携帯端末100のICカードと無線通信することにより、商品売買処理の電子決済を実行する。
【0044】
本実施の形態のデータ処理装置300は、例えば、エンドユーザEUと契約してポイントサービスを提供するサービスプロバイダのデータベースサーバなどからなる。このデータ処理装置は、コンピュータプログラムを読み取って対応する処理動作を実行できるように、CPU、ROM、RAM、通信ユニット、等の汎用デバイスで構築されている(図示せず)。
【0045】
このようなデータ処理装置300のコンピュータプログラムは、ユーザ携帯端末から送信された売買履歴データSRDを受信する履歴受信処理と、受信された売買履歴データSRDをエンドユーザEUごとに蓄積する履歴蓄積処理と、蓄積された売買履歴データSRDをエンドユーザEUごとに出力する履歴出力処理と、をデータ処理装置300に実行させるように記述されている。
【0046】
上述のような構成において、本実施の形態のデータ処理システム1000では、例えば、エンドユーザEUはユーザ携帯端末100を常時所持しており、所望により商品販売店舗PSSで販売商品を購入する。
【0047】
この商品販売店舗PSSは、現実に物理的に存在する実在店舗の他、ユーザ携帯端末100が通信するインターネットなどの通信ネットワークCINに論理的に構築されている仮想店舗でもよい。
【0048】
上述のようにエンドユーザEUが商品販売店舗PSSで販売商品を購入するとき、所望によりユーザ携帯端末100で販売店舗端末200と電子決済することができる。この場合、図5に示すように、ユーザ携帯端末100は、商品売買処理に必要なデータ通信を販売店舗端末200と購入処理部110で実行する(ステップS1−Y,S2)。
【0049】
すると、ユーザ携帯端末100は、実行された商品売買処理に対応して売買履歴データSRDを履歴生成部120で生成する(ステップS3)。このとき、ユーザ携帯端末100は、例えば、販売店舗端末200とデータ通信することにより商品売買処理に対応したサービスポイントSPDも生成する。
【0050】
同時に、ユーザ携帯端末100は、端末位置データTSDを位置検出部150でリアルタイムに検出するとともに(ステップS4)、売買日時データSTDを日時検出部160でリアルタイムに検出する(ステップS5)。
【0051】
つぎに、ユーザ携帯端末100は、個体ごとに事前に登録されているエンドユーザEUのユーザID(Identity)を読み出し(ステップS6)、これら各種データを売買履歴データSRDに関連させる(ステップS7)。
【0052】
そして、ユーザ携帯端末100は、上述のように各種データを関連させた売買履歴データSRDを、例えば、図4に示すように、履歴保持部130で保持する(ステップS8)。
【0053】
本実施の形態のユーザ携帯端末100は、上述のように販売店舗端末200と商品売買処理を実行するごとに各種データが関連された売買履歴データSRDを保持する(ステップS1〜S8)。
【0054】
そして、このユーザ携帯端末100は、例えば、一日一回などの所定の送信タイミングとなると(ステップS9−Y)、保持していた売買履歴データSRDを履歴送信部140によりインターネットなどの通信ネットワークCINでデータ処理装置300に送信する(ステップS10)。
【0055】
このとき、保持していた売買履歴データSRDに送信の有無で二値フラグを設定し、未送信の売買履歴データSRDのみ送信してもよく、メモリデバイス103のオーバーフローなどを防止するために送信した売買履歴データSRDは消去してもよい。
【0056】
図6に示すように、上述のようにユーザ携帯端末100から売買履歴データSRDを受信したデータ処理装置300は(ステップT1−Y)、その売買履歴データSRDをユーザIDによりエンドユーザEUごとに蓄積する(ステップT2)。
【0057】
これでデータ処理装置300には多数のエンドユーザEUの売買履歴データSRDが蓄積されることになる(ステップT1−Y,T2)。そこで、例えば、特定のエンドユーザEUにポイントサービスを実行する場合、売買履歴データSRDの出力指示が入力される(ステップT3)。
【0058】
この売買履歴データSRDの出力指示は、サービスプロバイダの作業者により手動入力されてもよく、例えば、ポイントサービスを実行する商品販売店舗PSSの販売店舗端末200からデータ通信で入力されてもよい。
【0059】
さらに、例えば、上述のようなサービスプロバイダSPの作業者により、ポイントサービスが実行されるエンドユーザEUのユーザIDがデータ処理装置300に入力されると(ステップT4−Y)、そのユーザIDで蓄積されている売買履歴データSRDが検索される(ステップT5)。
【0060】
これでデータ処理装置300で売買履歴データSRDが検索されないと(ステップT6−N)、例えば、「××さん(エンドユーザEU)のデータがありません」などのエラーガイダンスが前述の作業者に出力される(ステップT8)。
【0061】
一方、売買履歴データSRDがデータ処理装置300により検索されると(ステップT6−Y)、例えば、そのサービスポイントSPDが累積されて前述の作業者に出力される(ステップT7)。
【0062】
このため、例えば、エンドユーザEUの要望により商品販売店舗PSSの販売店舗端末200がデータ処理装置300からサービスポイントSPDを取得するようなことができ、商品販売店舗PSSに依存することなくポイントサービスをエンドユーザEUに提供するようなことができる。
【0063】
本実施の形態のデータ処理システム1000では、上述のようにユーザ携帯端末100は、商品売買処理に必要なデータ通信を販売店舗端末200と購入処理部110で実行する。
【0064】
実行された商品売買処理に対応して売買履歴データSRDを履歴生成部120で生成する。生成された売買履歴データSRDを履歴保持部130で保持する。保持された売買履歴データSRDを履歴送信部140でデータ処理装置300に送信する。
【0065】
データ処理装置300は、ユーザ携帯端末100から送信された売買履歴データSRDを履歴受信部310で受信する。受信された売買履歴データSRDをエンドユーザEUごとに履歴蓄積部320で蓄積する。蓄積された売買履歴データSRDをエンドユーザEUごとに履歴出力部330で出力する。
【0066】
従って、商品売買処理に対応した売買履歴データSRDが販売店舗端末200ではなくユーザ携帯端末100で生成されて保持され、データ処理装置300に送信されて蓄積されるので、商品売買処理に対応したサービスポイントSPDの発行や管理を店舗主体でなくすことができる。
【0067】
このため、例えば、データ処理装置300から各種の商品販売店舗PSSに売買履歴データSRDに対応したサービスポイントSPDを送信するようなことにより、エンドユーザEUが商品販売店舗PSSごとのポイントカードを所持するような必要なく、各種の商品販売店舗PSSでポイントサービスを受領するようなことができる。
【0068】
しかも、本実施の形態のユーザ携帯端末100は、上述のように販売店舗端末200とデータ通信して商品売買処理が実行されるときに、端末位置データTSDと売買日時データSTDも検出されて売買履歴データSRDに関連される。
【0069】
このため、例えば、どのようなエンドユーザEUが、どのような場所で、どのような時間に、どのような販売商品を購入しているのか、などを多面的にデータ収集して分析するようなことができる。
【0070】
特に、本実施の形態のデータ処理システム1000では、データ処理装置300は特定の商品販売店舗PSSに依存することなく、多様なエンドユーザEUから上述のような売買履歴データSRDをデータ収集することができるので、様々なデータ分析を可能とすることができる。
【0071】
しかも、本実施の形態のデータ処理システム1000では、前述のようにエンドユーザEUはユーザ携帯端末100により、インターネットなどの仮想店舗の商品販売店舗PSSから販売商品を購入することができる。
【0072】
この場合、仮想店舗には物理的な位置がないため、従来は仮想店舗での商品購入とユーザ行動を関連させて分析するようなことができなかった。しかし、本実施の形態のデータ処理システム1000では、ユーザ携帯端末100により仮想の商品販売店舗PSSと商品売買処理が実行されたとき、ユーザ携帯端末100により端末位置データTSDを検出して売買履歴データSRDに関連させる。
【0073】
このため、物理的な位置がない仮想店舗での商品購入に、物理データであるユーザ位置を関連させることができる。従って、遊園地や動物園などのユーザ行動と仮想店舗での商品購入とを関連させて分析するようなことが可能である。
【0074】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではユーザ携帯端末100が売買履歴データSRDとともにサービスポイントSPDも発生することを例示した。
【0075】
しかし、ユーザ携帯端末100が生成した売買履歴データSRDがデータ処理装置300に提供されたときに、このデータ処理装置300が売買履歴データSRDからサービスポイントSPDを生成してもよい。このような場合、データ処理装置300が売買履歴データSRDにより販売店舗端末200とデータ通信してサービスポイントSPDを生成してもよい。
【0076】
また、上記形態ではユーザ携帯端末100が販売店舗端末200との商品売買処理に対応してサービスポイントSPDを生成することのみ説明した。しかし、このユーザ携帯端末100によるサービスポイントSPDの生成が、販売店舗端末200とのデータ通信で制御されてもよい。
【0077】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態のデータ処理システムの論理構造を示す模式的なブロック図である。
【図2】データ処理システムの物理構造を示すブロック図である。
【図3】ユーザ携帯端末の物理構造を示すブロック図である。
【図4】売買履歴データが各種データとともに保持されているデータ構造を示す模式図である。
【図5】ユーザ携帯端末のデータ処理方法を示すフローチャートである。
【図6】データ処理装置のデータ処理方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
100 ユーザ携帯端末
101 CPU
102 データバス
103 メモリデバイス
104 表示装置
105 入力デバイス
106 GPSユニット
107 ICカード
108 ABBデバイス
109 無線部
110 購入処理部
120 履歴生成部
130 履歴保持部
140 履歴送信部
150 位置検出部
160 日時検出部
200 販売店舗端末
300 データ処理装置
310 履歴受信部
320 履歴蓄積部
330 履歴出力部
1000 データ処理システム
CIN 通信ネットワーク
EU エンドユーザ
PSS 商品販売店舗
SPD サービスポイント
SRD 売買履歴データ
STD 売買日時データ
TSD 端末位置データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドユーザに移動自在に携帯されるユーザ携帯端末と、前記エンドユーザへの販売商品の商品売買処理を実行する商品販売店舗の販売店舗端末と、前記エンドユーザごとに少なくとも前記商品売買処理の売買履歴データを記録するデータ処理装置と、を有し、
前記ユーザ携帯端末は、前記商品売買処理に必要なデータ通信を前記販売店舗端末と実行する購入処理手段と、実行された前記商品売買処理に対応して売買履歴データを生成する履歴生成手段と、生成された前記売買履歴データを保持する履歴保持手段と、保持された前記売買履歴データを前記データ処理装置に送信する履歴送信手段と、を有し、
前記データ処理装置は、前記ユーザ携帯端末から送信された前記売買履歴データを受信する履歴受信手段と、受信された前記売買履歴データを前記エンドユーザごとに蓄積する履歴蓄積手段と、蓄積された前記売買履歴データを前記エンドユーザごとに出力する履歴出力手段と、を有するデータ処理システム。
【請求項2】
前記ユーザ携帯端末は、前記商品売買処理に対応したサービスポイントも前記購入処理手段で生成し、生成された前記サービスポイントとともに前記売買履歴データを前記履歴保持手段で保持し、前記サービスポイントとともに前記売買履歴データを前記履歴送信手段で前記データ処理装置に送信し、
前記データ処理装置は、送信された前記サービスポイントとともに前記売買履歴データを前記ユーザ携帯端末から前記履歴受信手段で受信し、前記サービスポイントとともに前記売買履歴データを前記エンドユーザごとに前記履歴蓄積手段で蓄積し、蓄積された前記サービスポイントを前記エンドユーザごとに累計して前記履歴出力手段で出力する請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
前記ユーザ携帯端末は、前記商品売買処理が実行されたときの端末位置データをリアルタイムに検出する位置検出手段を、さらに有し、検出された前記端末位置データとともに前記売買履歴データを前記履歴保持手段で保持し、保持された前記売買履歴データと前記端末位置データとを前記履歴送信手段で前記データ処理装置に送信し、
前記データ処理装置は、送信された前記売買履歴データと前記端末位置データとを前記ユーザ携帯端末から前記履歴受信手段で受信し、受信された前記売買履歴データと前記端末位置データとを前記エンドユーザごとに前記履歴蓄積手段で蓄積し、蓄積された前記売買履歴データと前記端末位置データとを前記エンドユーザごとに前記履歴出力手段で出力する請求項1または2に記載のデータ処理システム。
【請求項4】
前記ユーザ携帯端末は、前記商品売買処理が実行されたときの売買日時データをリアルタイムに検出する日時検出手段を、さらに有し、検出された前記売買日時データとともに前記売買履歴データを前記履歴保持手段で保持し、保持された前記売買履歴データと前記売買日時データとを履歴送信手段で前記データ処理装置に送信し、
前記データ処理装置は、送信された前記売買履歴データと前記売買日時データとを前記ユーザ携帯端末から前記履歴受信手段で受信し、受信された前記売買履歴データと前記売買日時データとを前記エンドユーザごとに前記履歴蓄積手段で蓄積し、蓄積された前記売買履歴データと前記売買日時データとを前記エンドユーザごとに前記履歴出力手段で出力する請求項1ないし3の何れか一項に記載のデータ処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載のデータ処理システムの前記ユーザ携帯端末であって、
前記商品売買処理に必要なデータ通信を前記販売店舗端末と実行する購入処理手段と、
実行された前記商品売買処理に対応して前記売買履歴データを生成する履歴生成手段と、
生成された前記売買履歴データを保持する履歴保持手段と、
保持された前記売買履歴データを前記データ処理装置に送信する履歴送信手段と、
を有するユーザ携帯端末。
【請求項6】
請求項1に記載のデータ処理システムの前記データ処理装置であって、
前記ユーザ携帯端末から送信された前記売買履歴データを受信する履歴受信手段と、
受信された前記売買履歴データを前記エンドユーザごとに蓄積する履歴蓄積手段と、
蓄積された前記売買履歴データを前記エンドユーザごとに出力する履歴出力手段と、
を有するデータ処理装置。
【請求項7】
請求項5に記載のユーザ携帯端末のコンピュータプログラムであって、
前記商品売買処理に必要なデータ通信を前記販売店舗端末と実行する商品購入処理と、
実行された前記商品売買処理に対応して前記売買履歴データを生成する履歴生成処理と、
生成された前記売買履歴データを保持する履歴保持処理と、
保持された前記売買履歴データを前記データ処理装置に送信する履歴送信処理と、
をユーザ携帯端末に実行させるコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項6に記載のデータ処理装置のコンピュータプログラムであって、
前記ユーザ携帯端末から送信された前記売買履歴データを受信する履歴受信処理と、
受信された前記売買履歴データを前記エンドユーザごとに蓄積する履歴蓄積処理と、
蓄積された前記売買履歴データを前記エンドユーザごとに出力する履歴出力処理と、
をデータ処理装置に実行させるコンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項5に記載のユーザ携帯端末のデータ処理方法であって、
前記商品売買処理に必要なデータ通信を前記販売店舗端末と実行する購入処理動作と、
実行された前記商品売買処理に対応して前記売買履歴データを生成する履歴生成動作と、
生成された前記売買履歴データを保持する履歴保持動作と、
保持された前記売買履歴データを前記データ処理装置に送信する履歴送信動作と、
を有するデータ処理方法。
【請求項10】
請求項6に記載のデータ処理装置のデータ処理方法であって、
前記ユーザ携帯端末から送信された前記売買履歴データを受信する履歴受信動作と、
受信された前記売買履歴データを前記エンドユーザごとに蓄積する履歴蓄積動作と、
蓄積された前記売買履歴データを前記エンドユーザごとに出力する履歴出力動作と、
を有するデータ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−128657(P2010−128657A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300795(P2008−300795)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】