説明

データ処理装置

【課題】蓋部が開状態である場合にメモリカードへのアクセスを禁止することを使用状況に応じて無効にする。
【解決手段】データ処理装置1は、ソケットと、筐体と、蓋部と、検出部23と、制御部24とを備える。ソケットには、メモリカード4が挿抜される挿入口が形成されている。筐体には、挿入口が外部に露出するようにソケットが設けられている。蓋部は、筐体に開閉自在に設けられ、閉状態である場合に挿入口を覆い、開状態である場合に挿入口を外部に露出させる。検出部23は、蓋部の開閉状態を検出する。制御部24は、ソケットに挿入されているメモリカード4へのアクセスを実行する。制御部24は、蓋部の開状態が検出部23で検出されるとアクセスを禁止するアクセス禁止機能を有効にする通常モードと、アクセス禁止機能を無効にする特別モードとを選択可能に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカードとの間でデータを授受する機能を有するデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、メモリカードとの間でデータを授受する機能を有するデータ処理装置が種々開発され市販されている(例えば特許文献1参照)。このようなデータ処理装置は、メモリカードが挿抜される挿入口が形成されたソケットと、挿入口が外部に露出するようにソケットが設けられている筐体と、ソケットおよびメモリカードを外部から保護するために筐体に設けられた蓋部とを備えている。蓋部は、閉状態である場合に挿入口を覆い、開状態である場合に挿入口を外部に露出させるように筐体に開閉自在に設けられている。データ処理装置は、蓋部が閉状態である場合、ソケットに挿入されているメモリカードへのアクセスを実行し、蓋部が開状態である場合、上記アクセスを禁止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−190292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のデータ処理装置では、メモリカードへのアクセス中に蓋部が開いたり筐体から外れたりした場合に、図8に示すように、蓋部の開状態を検出した時点(図8の時間t41)で、実行中のアクセスを途中で禁止してしまうため、メモリカードとのデータの授受に不具合が発生するという問題があった。
【0005】
また、従来のデータ処理装置では、蓋部の破損や紛失があった場合、新しい蓋部が筐体に取り付けられない限り、メモリカードへのアクセスを実行することができないという問題もあった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みて為され、本発明の目的は、蓋部が開状態である場合にメモリカードへのアクセスを禁止することを使用状況に応じて無効にすることができるデータ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のデータ処理装置は、メモリカードが挿抜される挿入口が形成されたソケットと、前記挿入口が外部に露出するように前記ソケットが設けられている筐体と、前記筐体に開閉自在に設けられ、閉状態である場合に前記挿入口を覆い、開状態である場合に前記挿入口を外部に露出させる蓋部と、前記蓋部の開閉状態を検出する検出部と、前記ソケットに挿入されている前記メモリカードへのアクセスを実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記蓋部の開状態が前記検出部で検出されると前記アクセスを禁止するアクセス禁止機能を有効にする通常モードと、前記アクセス禁止機能を無効にする特別モードとを選択可能に有することを特徴とする。
【0008】
このデータ処理装置において、前記制御部は、前記特別モードで前記アクセスを実行しているときに、前記蓋部の開状態が前記検出部で検出されると、前記アクセスが終了するまで前記特別モードを維持し、前記アクセスが終了した後に前記特別モードから前記通常モードに切り替えることが好ましい。
【0009】
このデータ処理装置において、前記通常モードと前記特別モードのいずれかのモードを前記制御部が選択するための指示の入力に用いられる操作部を備え、前記制御部は、前記特別モードで前記アクセスを実行しているときに、前記蓋部の開状態が前記検出部で検出されると、前記検出部の検出時点で前記操作部に入力された前記指示に従って前記通常モードと前記特別モードのいずれかのモードを選択することが好ましい。
【0010】
このデータ処理装置において、前記アクセスを禁止するタイミングを設定する外部機器と通信する通信部を備え、前記制御部は、前記特別モードのときに、前記蓋部の開状態が前記検出部で検出されると、前記外部機器で設定された前記タイミングになるまで前記特別モードを維持し、前記タイミングになると前記特別モードから前記通常モードに切り替えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、蓋部が開状態である場合にメモリカードへのアクセスを禁止するアクセス禁止機能を無効にする特別モードを有することによって、蓋部が開いたり筐体から外れたりして蓋部の開状態を検出した場合であっても、例外的にアクセスを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態1に係るデータ処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同上に係るデータ処理装置の外観図である。
【図3】同上に係るデータ処理装置の蓋部が筐体から外れている状態の外観図である。
【図4】同上に係るデータ処理装置の動作を説明する図である。
【図5】実施形態2に係るデータ処理装置の動作を説明する図である。
【図6】実施形態3に係るデータ処理装置において、(a)は特別モードを選択した場合の動作を説明する図、(b)は通常モードを選択した場合の動作を説明する図である。
【図7】実施形態4に係るデータ処理装置の動作を説明する図である。
【図8】従来のデータ処理装置の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
実施形態1に係るデータ処理装置は、メモリカードとの間でデータ(プログラムを含む)を授受する装置である。図1に示すように、本実施形態のデータ処理装置1は、記憶部21と、メモリインタフェース22と、検出部23と、制御部24と、操作部25と、報知部26と、通信部27と、処理部28とを備えている。また、データ処理装置1は、図2,3に示すように、ソケット31と、筐体32と、蓋部33と、接続端子部34と、複数種類(図示例では2種類)のコネクタ35,36とを備えている。
【0014】
ソケット31は、メモリカード4が挿抜される挿入口311が形成され、メモリカード4を着脱自在に収納する。メモリカード4は、例えばSDメモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)などであり、記憶部21(図1参照)に記憶されているデータを外部に取り出す際に用いられる。
【0015】
筐体32は、例えば金属板で直方体状に形成され、記憶部21と検出部23と制御部24と通信部27と処理部28とが収納されている。筐体32には、挿入口311が外部に露出するようにソケット31が設けられている。また、筐体32は、係合孔321を左上部に備えている。さらに、筐体32には、凹所322が形成されている。
【0016】
蓋部33は、メモリカード4を用いる場合にソケット31およびメモリカード4を外部から保護するための部材であり、例えば外部からソケット31およびメモリカード4への粉塵を防止する。蓋部33は、筐体32の係合孔321と係止する係合部(図示せず)を一端側(図2の左側)に備えている。蓋部33の係合部と筐体32の係合孔321とが係止することによって、蓋部33は筐体32に固定されている。これにより、蓋部33は、閉状態である場合に挿入口311を覆い、開状態である場合に挿入口311を外部に露出させることができる。また、蓋部33は、閉状態であるときに筐体32の凹所322に挿入する突起部(図示せず)を裏面に備えている。
【0017】
接続端子部34は、筐体32の外面に露出するように設けられている。接続端子部34には、外部機器5(図1参照)が接続される。外部機器5としては、プログラマブルコントローラ(PLC)や、所定の計測を行う計測器などがある。
【0018】
コネクタ35は、筐体32の外面に露出するように設けられている。コネクタ35には、データ処理装置1を動作させるためのプログラムをデータ処理装置1に与えるコンピュータ(図示せず)や操作部25(図1参照)などが接続される。
【0019】
コネクタ36は、筐体32の外面に露出するように設けられている。コネクタ36には、データ処理装置1を動作させるためのプログラムをデータ処理装置1に与えるコンピュータ(図示せず)などがネットワーク(図示せず)を介して接続される。
【0020】
図1に示す記憶部21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備えている。ROMとしては、データの書き換えができないマスクROM、データの書き換えができるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリなどが用いられる。記憶部21には、各種データが記憶されたり、制御部24や処理部28などを動作させるためのプログラムが記憶されたりしている。
【0021】
メモリインタフェース22は、ソケット31(図3参照)と制御部24との間に介在し、制御部24の指示に従って、ソケット31に挿入されているメモリカード4からデータを取得したり、記憶部21のデータを外部に取り出す際に上記データをメモリカード4に記憶させたりする。使用者は、データ処理装置1からメモリカード4に取り出されたデータを外部装置(例えばパーソナルコンピュータなど)で確認することができる。
【0022】
検出部23は、スイッチ231と、判断部232とを備え、蓋部33(図2参照)の開閉状態(着脱状態)を検出する。
【0023】
スイッチ231は、例えばモーメンタリ動作の押しボタンスイッチであり、押操作部が筐体32の凹所322(図3参照)付近に設置されている。蓋部33が閉じられているとき、蓋部33の突起部(図示せず)が凹所322に入ってスイッチ231を押操作することによって、スイッチ231はオン状態になる。一方、蓋部33が開いたとき、蓋部33の突起部がスイッチ231から離れるため、スイッチ231は元の状態に戻ってオフ状態になる。蓋部33が筐体32から外れている場合も、スイッチ231はオフ状態になる。なお、スイッチ231としては、押操作されたときにオフ状態になり、押操作されていないときにオン状態になるスイッチを採用してもよい。また、スイッチ231は、上記のような押しボタンスイッチに限定されず、他のスイッチであってもよい。
【0024】
判断部232は、マイクロプロセッサ(MPU:Micro Processing Unit)を主構成要素とし、記憶部21に格納されているプログラムに従って動作することによって、スイッチ231のオンオフ情報を用いて、蓋部33が開状態であるか閉状態であるかを判断する。なお、蓋部33が筐体32から外れている場合、判断部232は、蓋部33が開状態であると判断する。
【0025】
制御部24は、マイクロプロセッサを主構成要素とし、記憶部21に格納されているプログラムに従って動作することによって、データ処理装置1の各部を制御する。例えば、制御部24は、検出部23を制御して、蓋部33の開閉状態の情報を検出部23から取得する。また、制御部24は、ソケット31に挿入されているメモリカード4へのアクセスを実行するアクセス実行機能と、蓋部33の開状態が検出部23で検出されると上記アクセスを禁止するアクセス禁止機能とを有している。さらに、制御部24は、アクセス禁止機能を有効にする通常モードと、アクセス禁止機能を無効にする特別モードとを選択可能に有している。上記より、本実施形態の制御部24は、蓋部33の閉状態が検出部23で検出されると、メモリカード4へのアクセスを実行し、蓋部33の開状態が検出部23で検出されると、上記アクセスを禁止することになる。
【0026】
操作部25は、例えばキーパッドやキーボードなどであり、使用者がデータ処理装置1への指示を入力するときに用いられる入力装置である。操作部25には、使用者の入力操作によって各種指示が入力される。操作部25に入力された指示は、操作部25から制御部24に出力される。
【0027】
報知部26は、例えばLEDなどであり、筐体32に露出して設けられている。報知部26は、制御部24の指示に従って、点灯したり点滅したりすることによって、制御部24のモードや蓋部33の開閉状態、メモリカード4の挿抜、エラーの発生などを報知する。報知部26による報知によって、使用者は、制御部24のモード、蓋部33が開状態であるか閉状態であるか、メモリカード4がソケット31に挿入されているか否か、エラーが発生しているか否かを知ったりすることができる。
【0028】
通信部27は、接続端子部34(図2参照)に接続される外部機器5と通信する機能を有し、制御部24の指示に従って、外部機器5にデータを送信したり、外部機器5からデータを受信したりする。
【0029】
処理部28は、マイクロプロセッサを主構成要素とし、記憶部21に格納されているプログラムに従って動作することによって、外部からデータを取得し、取得したデータに対して所定の処理を実行し、処理後のデータを記憶部21に記憶させる。
【0030】
次に、本実施形態に係るデータ処理装置1の動作について図4を用いて説明する。制御部24は特別モードを予め選択している。最初に、制御部24がメモリカード4へのアクセスを開始する。その後、アクセス中に蓋部33が筐体32から外れると(図4の時間t1)、検出部23が蓋部33の開状態を検出する。もし通常モードである場合、アクセス禁止機能が働いて、図4の破線のように制御部24は上記アクセスを禁止する。しかしながら、制御部24は、上記アクセスを開始する前に特別モードを選択してアクセス禁止機能を無効にしているので、図4の実線のように上記アクセスを継続する。上記アクセスが終了した後も、制御部24は、特別モードを維持するので、新しいアクセスを実行することができる。
【0031】
なお、制御部24がメモリカード4へのアクセスを開始する前から蓋部33が開状態であった場合も、制御部24は、特別モードを選択していれば、上記アクセスを開始することができる。
【0032】
次に、本実施形態に係るデータ処理装置1の使用例について説明する。まず、第1の使用例として、データ処理装置1を画像処理装置に用いた場合について説明する。この場合、図1の処理部28は、撮像装置(図示せず)の撮像によって得られた画像の画像データを上記撮像装置から取得し、取得した画像データを用いて画像処理を行う。上記撮像装置から取得した画像データおよび上記画像処理が行われた後の画像データは、記憶部21に記憶される。制御部24は、記憶部21に記憶されている画像データをメモリカード4に記憶させる場合、特別モードを選択していると、メモリカード4へのアクセス中に蓋部33が開いたり、筐体32から外れたりしても、実行中のアクセスを継続する。
【0033】
続いて、第2の使用例として、データ処理装置1をデータ収集装置に用いた場合について説明する。この場合、処理部28は、例えば電力メータや水道メータ、ガスメータなどの計測器から計測データを取得してデータ処理を行う(例えば、計測器ごとにデータを時系列に処理したり、複数の計測器からの計測データを時間ごとに処理したりする)。データ処理が行われた後の計測データは、記憶部21に記憶される。制御部24は、記憶部21に記憶されている計測データをメモリカード4に記憶させる場合、特別モードを選択していると、メモリカード4へのアクセス中に蓋部33が開いたり、筐体32から外れたりしても、実行中のアクセスを継続する。
【0034】
以上、本実施形態のデータ処理装置1によれば、蓋部33が開状態である場合にメモリカード4へのアクセスを禁止するアクセス禁止機能を無効にする特別モードを制御部24が有することによって、蓋部33が開いたり筐体32から外れたりして検出部23が蓋部33の開状態を検出した場合であっても、制御部24が例外的にアクセスを実行することができる。
【0035】
(実施形態2)
実施形態2に係るデータ処理装置1は、蓋部33の開状態が検出された場合に実行中のアクセスが終了した後に新しいアクセスを禁止する点で、実施形態1に係るデータ処理装置1と相違する。以下、本実施形態のデータ処理装置1について図1〜3および図5を用いて説明する。なお、実施形態1のデータ処理装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
本実施形態の制御部24は、特別モードでアクセスを実行しているときに、蓋部33の開状態が検出部23で検出されると、アクセスが終了するまで特別モードを維持し、アクセスが終了した後に特別モードから通常モードに切り替える。
【0037】
次に、本実施形態に係るデータ処理装置1の動作について図5を用いて説明する。制御部24は特別モードを予め選択している。最初に、制御部24がメモリカード4へのアクセスを開始する。その後、アクセス中に蓋部33が筐体32から外れると(図5の時間t11)、検出部23が蓋部33の開状態を検出する。もし通常モードである場合、アクセス禁止機能が働いて、図5の破線のように制御部24は上記アクセスを禁止する。しかしながら、制御部24は、上記アクセスを開始する前に特別モードを選択してアクセス禁止機能を無効にしているので、図5の実線のように上記アクセスを継続する。上記アクセスが終了した後(時間t12)、制御部24は、特別モードから通常モードに切り替わり、新しいアクセスを禁止する。
【0038】
以上、本実施形態のデータ処理装置1によれば、制御部24がアクセスを実行しているときに検出部23が蓋部33の開状態を検出した場合であっても、制御部24が実行中のアクセスをそのまま継続することができるので、データの破損などを低減することができる。
【0039】
なお、本実施形態のデータ処理装置1も、実施形態1のデータ処理装置1と同様に、画像処理装置として用いたり、データ収集装置として用いたりすることができる。以下の実施形態3,4においても同様である。
【0040】
(実施形態3)
実施形態3に係るデータ処理装置1は、蓋部33が閉状態から開状態になったときに実行中のアクセスを継続するのか禁止するのかを使用者が選択することができる点で、実施形態1に係るデータ処理装置1と相違する。以下、本実施形態のデータ処理装置1について図1〜3および図6を用いて説明する。なお、実施形態1のデータ処理装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
本実施形態の操作部25は、蓋部33が閉状態から開状態になった場合に、通常モードと特別モードのいずれかのモードを制御部24が選択するための指示を使用者が入力するために用いられる。使用者は、報知部26による報知によって、蓋部33が閉状態から開状態になったことを知ることができる。
【0042】
本実施形態の制御部24は、特別モードでアクセスを実行しているときに、蓋部33が閉状態から開状態になったことが検出部23で検出されると、蓋部33が開状態であることを報知するように報知部26を制御する。その後、制御部24は、検出部23の検出時点で操作部25に入力された指示に従って通常モードと特別モードのいずれかのモードを選択する。
【0043】
次に、本実施形態に係るデータ処理装置1の動作について図6を用いて説明する。最初に、制御部24がメモリカード4へのアクセスを開始する。その後、アクセス中に蓋部33が筐体32から外れると(図6の時間t21)、検出部23が蓋部33の開状態を検出する。報知部26が蓋部33の開状態を報知する。使用者は、報知部26の報知によって蓋部33の開状態を認識し、操作部25を用いて通常モードか特別モードかを選択するための指示を入力する。その後、制御部24は、操作部25からの指示に従って、通常モードか特別モードのいずれかのモードを選択する。操作部25からの指示が特別モードである場合、制御部24は、図6(a)に示すように、アクセス禁止機能を無効にし、上記アクセスを継続する。上記アクセスが終了した後(時間t22)、制御部24は、特別モードから通常モードに切り替わり、新しいアクセスを禁止する。一方、操作部25からの指示が通常モードである場合、制御部24は、図6(b)に示すように、アクセス禁止機能によって、上記アクセスおよび新しいアクセスを禁止する。
【0044】
以上、本実施形態のデータ処理装置1によれば、検出部23が蓋部33の開状態を検出した場合に、実行中のアクセスを制御部24が継続するか禁止するかを使用状況に応じて使用者に決定させることができる。
【0045】
(実施形態4)
実施形態4に係るデータ処理装置1は、所望のタイミングで制御部24がメモリカード4へのアクセスを禁止することができる点で、実施形態1に係るデータ処理装置1と相違する。以下、本実施形態のデータ処理装置1について図1〜3および図7を用いて説明する。なお、実施形態1のデータ処理装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
本実施形態の外部機器5は、プログラマブルコントローラであり、メモリカード4へのアクセスを制御部24が禁止するタイミングを設定する装置である。外部機器5は、これまで実行されていたアクセスが終了したという情報を通信部27から取得すると、プログラムなどで予め設定されたタイミングでアクセス禁止の指示を通信部27に送信する。これまで実行されていたアクセスが終了したという情報を取得する前に、蓋部33が開状態であるという情報を通信部27から受信すると、外部機器5は、実行中のアクセスを継続するという情報を通信部27に送信する。
【0047】
本実施形態の通信部27は、蓋部33が閉状態である場合、制御部24の指示に従って、蓋部33が開状態であるという情報を外部機器5に送信する。また、通信部27は、これまで実行していたアクセスが終了した後、上記アクセスが終了したという情報を外部機器5に送信する。一方、通信部27は、蓋部33が開状態であるという情報を送信した後に、実行中のアクセスを継続するという情報を外部機器5から受信する。また、通信部27は、これまで実行していたアクセスが終了したという情報を送信した後、アクセスを禁止するタイミングの情報を外部機器5から取得する。通信部27は、外部機器5から取得した情報を制御部24に出力する。
【0048】
本実施形態の制御部24は、特別モードのときに、蓋部33の開状態が検出部23で検出されると、蓋部33が開状態であるという情報を外部機器5に送信するように通信部27を制御する。その後、これまで実行していたアクセスが終了すると、制御部24は、上記アクセスが終了したという情報を外部機器5に送信するように通信部27を制御する。その後、制御部24は、外部機器5で設定されたタイミングの情報を通信部27から取得すると、上記タイミングになるまで特別モードを維持する。その後、上記タイミングになると、制御部24は、特別モードから通常モードに切り替える。
【0049】
次に、本実施形態に係るデータ処理装置1の動作について図7を用いて説明する。制御部24は特別モードを予め選択している。最初に、制御部24がメモリカード4へのアクセスを開始する。その後、アクセス中に蓋部33が筐体32から外れると(図7(a)の時間t31)、検出部23が蓋部33の開状態を検出する。通信部27は、蓋部33が開状態であるという情報を外部機器5に送信する。外部機器5は、蓋部33の開状態を検知し、実行中のアクセスを継続するという情報を通信部27に送信する。通信部27が上記情報を受信すると、制御部24は、実行中のアクセスを継続する。上記アクセスが終了すると(図7(a)の時間t32)、通信部27は、上記アクセスが終了したという情報を外部機器5に送信する。外部機器5は、上記情報を受信すると、アクセスを禁止するタイミングの情報を通信部27に送信する。通信部27が上記情報を受信した後、上記タイミングに到達すると(図7(a)の時間t33)、制御部24は、特別モードから通常モードに切り替えて、アクセスを禁止する。なお、外部機器5は、上記タイミングの情報を通信部27に送信する際に、蓋部33が開状態であることを報知して、使用者に知らせることができる。
【0050】
以上、本実施形態のデータ処理装置1によれば、アクセスを禁止するタイミングについて外部機器5を用いて使用者に自由に設定させることができる。
【符号の説明】
【0051】
1 データ処理装置
23 検出部
24 制御部
25 操作部
27 通信部
31 ソケット
32 筐体
33 蓋部
4 メモリカード
5 外部機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリカードが挿抜される挿入口が形成されたソケットと、
前記挿入口が外部に露出するように前記ソケットが設けられている筐体と、
前記筐体に開閉自在に設けられ、閉状態である場合に前記挿入口を覆い、開状態である場合に前記挿入口を外部に露出させる蓋部と、
前記蓋部の開閉状態を検出する検出部と、
前記ソケットに挿入されている前記メモリカードへのアクセスを実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記蓋部の開状態が前記検出部で検出されると前記アクセスを禁止するアクセス禁止機能を有効にする通常モードと、前記アクセス禁止機能を無効にする特別モードとを選択可能に有する
ことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記特別モードで前記アクセスを実行しているときに、前記蓋部の開状態が前記検出部で検出されると、前記アクセスが終了するまで前記特別モードを維持し、前記アクセスが終了した後に前記特別モードから前記通常モードに切り替えることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記通常モードと前記特別モードのいずれかのモードを前記制御部が選択するための指示の入力に用いられる操作部を備え、
前記制御部は、前記特別モードで前記アクセスを実行しているときに、前記蓋部の開状態が前記検出部で検出されると、前記検出部の検出時点で前記操作部に入力された前記指示に従って前記通常モードと前記特別モードのいずれかのモードを選択する
ことを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記アクセスを禁止するタイミングを設定する外部機器と通信する通信部を備え、
前記制御部は、前記特別モードのときに、前記蓋部の開状態が前記検出部で検出されると、前記外部機器で設定された前記タイミングになるまで前記特別モードを維持し、前記タイミングになると前記特別モードから前記通常モードに切り替える
ことを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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