説明

データ処理装置

【課題】容易にEMIノイズを大きく低減することのできるデータ処理装置を実現する。
【解決手段】データ処理装置(201)は、サンプリング回路(50、50a〜50l)によってデータバス(30)を構成する各データライン(30a〜30c)のデータ(D0、D1、D2)をサンプリングした後、次のデータ(D0、D1、D2)が各データライン(30a〜30c)に供給される前に、各データライン(30a〜30c)の2本以上どうしを互いに短絡させるスイッチ(6)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に使用する駆動回路などのデータバスを備えるデータ処理装置におけるEMI(Electromagnetic Interference)ノイズ低減に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネル等表示装置は大型化・高精細化が進み、それに伴い、表示駆動用半導体集積回路(以下ドライバと称す)では、表示駆動用出力端子の端子数増加や、出力バッファの駆動能力の拡大が進められている。
【0003】
まず、従来のドライバの構成について説明する。図9は、n本(nは自然数)の液晶駆動用信号出力端子から、それぞれm階調(mは自然数)の出力電圧を出力可能なドライバ101の概念図である。ドライバ101は、外部にクロック入力端子102、複数の信号入力端子を備えた階調データ入力端子103、LOAD信号入力端子104、基準電源端子であるV0端子105・V1端子106・V2端子107・V3端子108・V4端子109を備えている。また、n個の液晶駆動用信号出力端子111−1〜111−n(以下、液晶駆動用信号出力端子を信号出力端子と称する。さらに、液晶駆動用信号出力端子111−1〜111−nを総称する場合は、信号出力端子111と称する。)を備えている。
【0004】
加えて、ドライバ101は、基準電源補正回路121、ポインタ用シフトレジスタ回路123、ラッチ回路部124、ホールド回路125、D/Aコンバータ(Digital Analog Converter:以下、DACと称する。)回路126、および出力バッファ127を備えている。
【0005】
ポインタ用シフトレジスタ回路123は、n段のシフトレジスタ123−1〜123−nにより構成される。さらに、ラッチ回路部124およびホールド回路125は、n個のラッチ回路124−1〜124−nにより構成される。DAC回路126は、DAC126−1〜126−nにより構成される。加えて、出力バッファ127はオペアンプにより構成される出力バッファ127−1〜127−nにより構成される。
【0006】
ポインタ用シフトレジスタ回路123は、クロック入力端子102から入力されたクロック入力信号に応じて、ラッチ回路124−1〜124−nのうち1つのラッチ回路を選択する。そして、階調データ入力端子103から入力された階調出力データが、選択されラッチ回路124に格納される。
【0007】
また、ポインタ用シフトレジスタ回路123から出力されるラッチ回路選択信号は、クロック入力端子102から入力されるクロック入力信号により1個目のラッチ回路124−1からn個目のラッチ回路124−nまで順次選択する。よって、n個のクロックが入力された場合には、全てのラッチ回路124−1〜124−nにデータを記憶させることができる。また、ラッチ回路124−1〜124−nは、それぞれ異なる値のデータを記憶することが可能である。ラッチ回路124−1〜124−nに記憶されたデータは、データLOAD信号により、それぞれ対応するn個のホールド回路125−1〜125−nへ転送され、DAC126−1〜126−nのデジタル入力データとなる。
【0008】
DAC回路126−1〜126−nは、上記デジタルデータにより、m種類の階調電圧値から選択出力する。m種類の階調電圧値は、基準電源端子であるV0端子105〜V4端子109から入力された電圧を基に、基準電源補正回路121によって作成される。
【0009】
さらに、出力バッファ127でインピーダンス変換が行われて、信号出力端子111−1〜111−nから液晶パネル駆動用信号として階調電圧が出力される。この階調電圧はデータ信号線を介して液晶パネルの各画素に供給される。
【0010】
階調データ入力端子103は、各色(RGB)毎に階調数だけ必要である。例えば256階調の階調を出力する場合には、8ビット(8入力)×RGBで構成される24の階調データ入力端子が必要であり、1024階調の場合には10ビット(10入力)×RGBで構成される30の階調データ入力端子が必要である。また、階調データ入力端子103から入力された階調データが伝送されるデータライン103Lは、ラッチ回路124−1〜124−nに共通に接続されるため、チップ幅全体に亘るように配置されている。
【0011】
これによりデータライン103Lの浮遊容量が大きくなるので、データライン103Lへの階調データのシリアル入力に伴って、当該浮遊容量の充放電を行うことによる消費電力が増加する。従って、ドライバ101の階調データ入力に伴う消費電力を低減するためには、階調データの入力バッファ(図示せず)においてスイッチングによって発生する貫通電流と、ドライバ101の入力容量およびデータライン103Lの浮遊容量を充放電する電流とを低減する必要がある。
【0012】
特許文献1には、データラインから発生するEMIノイズ低減のため、図10のようにデータライン30を第1のデータライン34と第2のデータライン36とに分割し、第1のデータライン34に切替回路としてのAND回路5を設けるとともに第2のデータライン36に切替回路としてのAND回路6を設けた構成が開示されている。この構成では、第1のデータライン34と第2のデータライン36とのそれぞれに対して、表示データを供給することと、一定の電位の信号を供給することとをAND回路5・6によって切り替える。
【0013】
これにより、データサンプリングの必要なタイミングに、第1のデータライン34と第2のデータライン36とのうち、当該データサンプリングに必要なデータラインのみを動作させるように回路を構成し制御が行われる。すなわち、階調データがデータライン30に供給されるときに、一方のデータラインのみを用いて目的のラッチ回路2・3・4に階調データを供給する。従って、階調データの更新に伴うデータラインの充放電容量が減少する結果、充放電電流も減少し、充放電電流に起因するEMIノイズの発生が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】日本国公開特許公報「特開2009−122348号公報(公開日:2009年6月4日)」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記特許文献1のデータラインに対するEMC対策には、必要なデータラインを動作させる制御回路が必要である。EMIノイズをさらに低減するためには、データラインのより細かなブロック分けが必要となり、制御回路の増大および制御の複雑化によりドライバのコスト上昇を招くという問題が発生する。
【0016】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、容易にEMIノイズを大きく低減することのできる表示駆動装置などのデータ処理装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のデータ処理装置は、上記課題を解決するために、
Nビット(Nは2以上の整数)のデータが上記データ間でシリアルの関係となるように入力され、入力された上記データをサンプリングし、サンプリングされた上記データに所定の処理を施して出力するデータ処理装置であって、
入力される上記データをデータビットごとに転送するデータバスとして、上記データを構成する各データビットに対応して設けられたN本のデータラインからなる1つ以上のデータバスと、
上記データバスの各上記データラインの上記データをサンプリングするサンプリング回路と、
上記サンプリング回路によってサンプリングされた上記データに所定の処理を施して処理後データを得るデータ処理回路と、
上記データ処理回路によって得られた上記処理後データを出力する出力回路と、
上記サンプリング回路によって各上記データラインの上記データをサンプリングした後、次の上記データが各上記データラインに供給される前に、少なくとも1つの上記データバスにおいて同じ上記データバスに含まれる上記データラインのうちの2本以上どうしを互いに短絡させるスイッチとを備えていることを特徴としている。
【0018】
上記の発明によれば、サンプリング回路によって各データラインのデータをサンプリングした後、次のデータが各データラインに供給される前に、スイッチによって少なくとも1つのデータバスのそれぞれにおいてデータラインどうしが短絡することにより、短絡したデータラインの互いの電荷が、短絡した各データラインの電位が等しくなるように再分配される。これにより、短絡したデータラインの電位は平均化される。従って、短絡したデータライン上のデータについて0から1または1から0といった遷移を最大遷移電圧よりも小さい範囲で行うことができる。それゆえ、データラインに流れる充放電電流が減少し、データラインで発生するEMIノイズが低減する。
【0019】
以上により、容易にEMIノイズを大きく低減することのできるデータ処理装置を実現することができるという効果を奏する。
【0020】
本発明のデータ処理装置は、上記課題を解決するために、
各上記データラインに対応して、上記データラインを駆動するバッファであって、制御信号によって、入出力間の導通状態と出力のハイインピーダンス状態とを切り替えることが可能なバッファを備えていることを特徴としている。
【0021】
上記の発明によれば、バッファの出力のハイインピーダンス状態において、スイッチを容易に短絡することができるという効果を奏する。
【0022】
本発明のデータ処理装置は、上記課題を解決するために、
奇数番目に入力される上記データが転送される上記データバスと、偶数番目に入力される上記データが転送される上記データバスとが個別に設けられていることを特徴としている。
【0023】
上記の発明によれば、データ処理装置の動作周波数が速い場合でも、当該動作周波数のクロック信号の2倍の周期のクロック信号によってデータサンプリングが行えるため、データのサンプリングを確実に行うことができるという効果を奏する。
【0024】
本発明のデータ処理装置は、上記課題を解決するために、
上記データは表示データであり、
入力されるパルスを順次シフトするシフトレジスタを備え、
上記サンプリング回路は、上記シフトレジスタの各段に対応して設けられているとともに、上記シフトレジスタからの出力に応じて上記データをサンプリングし、
上記データ処理回路は、上記シフトレジスタの各段に対応して設けられているとともに、上記サンプリング回路によってサンプリングされた上記データに対してデジタル−アナログ変換処理を行って上記処理後データを得、
上記出力回路は、上記シフトレジスタの各段に対応して設けられているとともに、上記データ処理回路によって得られた上記処理後データを出力することを特徴としている。
【0025】
上記の発明によれば、データ処理装置をソースドライバなどの表示駆動装置として用いることができるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0026】
本発明のデータ処理装置は、以上のように、
Nビット(Nは2以上の整数)のデータが上記データ間でシリアルの関係となるように入力され、入力された上記データをサンプリングし、サンプリングされた上記データに所定の処理を施して出力するデータ処理装置であって、
入力される上記データをデータビットごとに転送するデータバスとして、上記データを構成する各データビットに対応して設けられたN本のデータラインからなる1つ以上のデータバスと、
上記データバスの各上記データラインの上記データをサンプリングするサンプリング回路と、
上記サンプリング回路によってサンプリングされた上記データに所定の処理を施して処理後データを得るデータ処理回路と、
上記データ処理回路によって得られた上記処理後データを出力する出力回路と、
上記サンプリング回路によって各上記データラインの上記データをサンプリングした後、次の上記データが各上記データラインに供給される前に、少なくとも1つの上記データバスにおいて同じ上記データバスに含まれる上記データラインのうちの2本以上どうしを互いに短絡させるスイッチとを備えている。
【0027】
以上により、容易にEMIノイズを大きく低減することのできるデータ処理装置を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、第1の実施例に係るデータ処理装置の構成を示す回路ブロック図である。
【図2】図1のデータ処理装置のデータバスラインにおける電位変化を説明する波形図である。
【図3】図1のデータ処理装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施形態を示すものであり、第2の実施例に係るデータ処理装置の構成を示す回路ブロック図である。
【図5】図4のデータ処理装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図6】(a)および(b)は、本発明の効果についての第1の説明を行う図である。
【図7】(a)および(b)は、本発明の効果についての第2の説明を行う図である。
【図8】本発明の実施形態を示すものであり、データ処理装置を備えた表示装置の構成を示すブロック図である。
【図9】従来技術を示すものであり、第1の表示駆動装置の構成を示す回路ブロック図である。
【図10】従来技術を示すものであり、第2の表示駆動装置の構成を示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態について図1ないし図8を用いて説明すれば、以下の通りである。
(表示装置の構成)
図8に、本実施形態に係るデータ処理装置としての表示駆動装置が用いられる表示装置の一例である液晶表示装置110の構成を示す。
【0030】
液晶表示装置110は、表示パネル120、フレキシブルプリント基板130、および、コントロール基板140を備えている。
【0031】
表示パネル120は、ガラス基板上にアモルファスシリコンを用いたTFTを用いて表示領域120a、複数のゲートバスライン(走査信号線)GL…、複数のソースバスライン(データ信号線)SL…、および、ゲートドライバ(走査信号線駆動回路)150が作り込まれたアクティブマトリクス型の表示パネルである。多結晶シリコン、CGシリコン、微結晶シリコン、IGZO(In−Ga−Zn−O)などを用いたTFTを用いて表示パネル12を作製することもできる。表示領域120aは、複数の絵素PIX…がマトリクス状に配置された領域である。絵素PIXは、絵素の選択素子であるTFT210、液晶容量CL、および、補助容量Csを備えている。TFT210のゲートはゲートバスラインGLに接続されており、TFT210のソースはソースバスラインSLに接続されている。液晶容量CLおよび補助容量CsはTFT210のドレインに接続されている。
【0032】
複数のゲートバスラインGL…はゲートバスラインGL1・GL2・GL3・…・GLn(nは自然数)からなり、それぞれゲートドライバ150の出力に接続されている。複数のソースバスラインSL…はソースバスラインSL1・SL2・SL3・…・SLm(mは自然数)からなり、それぞれ後述するソースドライバ200の出力に接続されている。また、図示しないが、絵素PIX…の各補助容量Csに補助容量電圧を与える補助容量配線が形成されている。
【0033】
ゲートドライバ150は、表示パネル120上で表示領域120aに対してゲートバスラインGL…の延びる方向の一方側に隣接する領域にモノリシックに設けられており、ゲートバスラインGL…のそれぞれに順次ゲートパルス(走査パルス)を供給する。
【0034】
フレキシブルプリント基板130は、ソースドライバ(表示駆動用装置)200を備えている。ソースドライバ200はソースバスラインSL…のそれぞれに、アナログ信号に変換されたデータ信号または2値のデータ信号を供給する。なお、図8にはソースドライバ200を1つのブロックで示してあるが、当該ソースドライバ200が1つのICチップからなっていてもよいし、このように1つのICチップからなるソースドライバ200を複数備えることも可能である。また、ソースドライバ200のチップの中に、ゲートドライバ150の構成が含まれていてもよいし、後述するコントロール基板140中の回路が含まれていてもよい。
【0035】
コントロール基板140はフレキシブルプリント基板130に接続されており、ゲートドライバ150にゲートスタートパルス信号およびゲートクロック信号などのタイミング信号、電源、必要ならばアドレス指定信号などを供給するとともに、ソースドライバ160にソーススタートパルス信号、ソースクロック信号、極性反転信号などのタイミング信号、階調データ、および電源を供給する。当該階調データは例えば外部からコントロール基板140にmini−LVDSなどのシリアル伝送方式により供給される。コントロール基板140は供給されたシリアルデータのタイミングを基にタイミング信号を生成することも可能である。
【0036】
次に、上記液晶表示装置110などの表示装置にソースドライバ200などとして用いられる表示駆動装置の実施例について説明する。
【実施例1】
【0037】
図1は、本実施例の表示駆動装置としてのドライバ201の概略構成を示す回路図である。具体的には、図1は本実施例におけるドライバ201のデータサンプリング回路等を示している。
【0038】
なお、図1は、ドライバ201の一例として、12出力分のデータサンプリング回路に3ビットのデータを入力する場合を示している。ドライバ201は、前記ソースドライバ200には限らず、データをサンプリングして出力する構成のドライバ一般に使用可能である。
【0039】
(ドライバの構成)
以下、前記ドライバ201の構成について順に説明する。
【0040】
(D−FF回路の配置)
本実施例のドライバ201には、a〜lの合計12個のD−FF回路(Delay Flip Flop回路,Dフリップフロップ回路:順序回路)1a〜1lが設けられることによって、合計12段のシフトレジスタ回路が構成されている。なお、以下前記12個のD−FF回路1a〜1lを一体として表現する場合や、aからlの別にこだわらず1個のD−FF回路を表現する場合等には、D−FF回路1との表記を用いることがある。また、前記a〜lを、段と表現することがある。他の回路や素子に付いても同様の表記・表現を用いることがある。
【0041】
(D−FF回路の端子)
このD−FF回路1には、サンプリング開始信号としてのイネーブル信号ENが入力される端子Dと、シフトクロック用入力信号(クロック信号)CKが入力される端子CKBと、リセット信号Rが入力される端子Rと、信号を出力する端子である端子Qとが設けられている。
【0042】
(D−FF回路の動作)
そして、本実施例のドライバ201では、前記シフトレジスタ回路は、前記リセット信号Rが“H”でリセットされ、前記シフトクロック用入力信号CKの立ち下がりで前記端子Dに入力された信号を端子Qから出力する。なお、前記端子Dに入力される信号は、ドライバ201のデータサンプリング開始信号(サンプリング開始信号)ENである。
【0043】
(ラッチ回路の構成)
また、本実施例のドライバ201には、前記D−FF回路1に接続されたラッチ回路が設けられている。具体的には、a〜lの合計12個のラッチ回路2a〜2l、a〜lの合計12個のラッチ回路3a〜3l、及び、a〜lの合計12個のラッチ回路4a〜4lが設けられている。ラッチ回路2a〜2lを総称してラッチ回路2、ラッチ回路3a〜3lを総称してラッチ回路3、ラッチ回路4a〜4lを総称してラッチ回路4とそれぞれ呼ぶこととする。
【0044】
(ラッチ回路の端子)
前記ラッチ回路2、ラッチ回路3及びラッチ回路4は、データをサンプリングするラッチ回路である。そして、前記各々のラッチ回路には、ゲート信号が入力される端子である端子Gと、データ(例えば、データビットD0、データビットD1、データビットD2からなる)が入力される端子である端子Dと、信号を出力する端子である端子Qとが設けられている。
【0045】
(ラッチ回路の動作)
そして、前記各ラッチ回路2・3・4は、前記端子Gから入力されるゲート信号が“H”の期間、前記端子Dから入力されたデータ(例えば、データビットD0、データビットD1、データビットD2からなる)を端子Qから出力する。そして、前記ゲート信号が“L”になった以降も、端子Qから前記出力を維持する。
【0046】
なお、前記a〜lの各段において、端子Gの入力の前段には2入力のAND回路40が設けられており、一方の入力となる制御信号SBが“L”の期間には、シフトレジスタからの“H”パルスが入力されないようにしている。
【0047】
同じ段に属する前記D−FF回路1、ラッチ回路2、ラッチ回路3及びラッチ回路4(例えば、D−FF回路1a、ラッチ回路2a、ラッチ回路3a及びラッチ回路4a)のそれぞれにおいては、以下の信号入出力関係がある。D−FF回路1のQ出力は、上記AND回路の他方の入力となり、ラッチ回路2、ラッチ回路3及びラッチ回路4の各ラッチタイミングを決定するのに用いられる。ラッチ回路2は後述するデータライン30aの階調データをラッチし、ラッチ回路3は後述するデータライン30bの階調データをラッチし、ラッチ回路4は後述するデータライン30cの階調データをラッチする。ラッチ回路2、ラッチ回路3及びラッチ回路4の各Q出力は、図9を用いて説明したのと同様の、同じ段に属するホールド回路に入力される。
(ラッチの表記)
また、前記各ラッチ回路2・3・4によって構成される回路群をサンプリング回路50とした場合、サンプリング回路50も、ドライバ201の段の数に対応して、サンプリング回路50a〜サンプリング回路50lまで12個形成される。
【0048】
そして、以下、1つのサンプリング回路50に属するラッチ回路群を、そのサンプリング回路50の段の名称に応じて呼称する。具体的には、例えば、データサンプリング用のラッチ回路群2a・3a・4aをラッチAとし、ラッチ回路群2b・2c・4bをラッチBとする。そして、以下同様にc〜lに対応したラッチ回路群をラッチCからラッチLとする。
【0049】
(データ)
ここで、前記各データは、前記ドライバ201へ入力される3ビットの階調データである。データを構成するD0・D1・D2のそれぞれは同じデータのデータビットを表し、データどうしはドライバ201にシリアルに入力される。
【0050】
(データライン)
また、本実施例のドライバ201には、前記各データが送信される3本のデータライン30a・30b・30cからなるデータバス30が設けられている。データライン30aはデータビットD0を、データライン30bはデータビットD1を、データライン30cはデータビットD2をそれぞれ転送する。
【0051】
データライン30a・30b・30cは、制御端子への制御信号SBが“H”の期間に入力された信号を出力し、制御信号SBが“L”の期間の出力はハイインピーダンスとなる、イネーブル端子付きのバッファ5a〜5cにて駆動される(以後、バッファ5a〜5cを合わせた全体を表記する場合はバッファ5とする)。そして、制御端子の入力である短絡信号Sが“H”の期間に短絡されるスイッチ6a〜6cが設けられている(以後、スイッチ6a〜6cを合わせた全体を表記する場合はスイッチ6とする)。制御信号SBは短絡信号Sの反転信号である。短絡信号Sと制御信号SBとの制御信号により、短絡信号Sが“L”の期間に30a・30b・30cのそれぞれにはデータビットD0〜D2のうちの対応するものが入力され、短絡信号Sが“H”の期間に当該各データラインはスイッチ6を介して互いに短絡する。
(動作のタイミング)
つぎに、本実施例のドライバ201に関し、その回路の動作タイミングについて説明する。
【0052】
図3は、本実施例のドライバ201の動作タイミングを示す図である。以下、図3に基づいて、前記図1に示したドライバの回路動作について説明する。
【0053】
(リセット動作)
まず、リセット信号Rが“H”の期間、シフトレジスタ回路を構成するD−FF1aから1lがリセットされる。
【0054】
(シフトレジスタ回路動作)
つぎに、前記リセット信号Rが“L”になった以降に、サンプリング開始信号(イネーブル信号)ENに“H”が入力される。サンプリング開始信号ENは、図8においてはソースドライバ200に供給されるソーススタートパルス信号に相当する。
【0055】
(Qm)
そして、前記サンプリング開始信号ENの“H”を、D−FF1aが、シフトクロック用入力信号CKの立ち下がりで取り込み、図1に示すQ出力としての出力Q1を“H”にする。シフトクロック用入力信号CKは、図8においてはソースドライバ200に供給されるソースクロック信号に相当する。
【0056】
そして、以降、シフトクロック用入力信号CKの立ち上がりタイミングで“H”がシフトされ、D−FF1m(mはa〜lのそれぞれ)の各Q出力である出力Qm(Q1〜Q12)が順次“H”になる。
【0057】
(Qm’)
AND回路40の出力Qm’は制御信号SBがLの期間は“L”となるため、制御信号SBがHの期間に上記Qmが“H”となる期間においてのみ出力Qm’が”H”となる。出力Qn’が“H”の期間に、ラッチA〜Lはデータバス30からデータビットD0〜D2からなるデータをラッチする。
(データラインの動作)
データは、図3のD0〜D2に丸囲み数字1〜12で区切られて示された各タイミングでバッファ5に入力される。バッファ5a、5b、5cはそれぞれ、入出力間の導通状態と出力のハイインピーダンス状態とを切り替えることが可能なトライステートバッファで構成され、制御信号SBが“H”の期間に入力されたデータをデータバス30に出力する。制御信号SBが“L”の期間、すなわち短絡信号Sが“H”の期間では、バッファ5a、5b、5cの各出力がハイインピーダンスとなり、スイッチ6が短絡するので、データライン30a・30b・30cは互いに短絡し、互いが保持する電荷が、互いの電位が等しくなるように再分配される。データ(D2、D1、D0)が(0、1、1)から(1、0、0)へと変化するときのデータライン30a・30b・30cの電位波形を図2に示す。
【0058】
まず(D2、D1、D0)=(0、1、1)である期間t1に短絡信号Sが“L”となって、バッファ5からデータバス30にデータ(0、1、1)が入力される。データバス30の“H”レベルは2.7Vであり、“L”レベルは0Vである。従って、D2=0が入力されるデータライン30cは0V、D1=D0=1が入力されるデータライン30bおよび30aは2.7Vの電位をそれぞれ有する。
【0059】
次に期間t2に短絡信号Sが“H”となり、データライン30a・30b・30cはスイッチ6を介して互いに短絡される。この時電荷の喪失等が全くないとした場合、互いの電荷が、短絡したデータライン30a・30b・30cの電位が等しくなるように再分配されて、短絡したデータライン30a・30b・30cの各々は平均値の1.8Vになる。
【0060】
そして次の期間t3に短絡信号Sが“L”になり、バッファ5からデータバス30にデータ(1、0、0)が入力される。
【0061】
ここで、仮にスイッチ6による短絡が無いとした場合にはデータライン30cは、0Vから2.7Vへ2.7Vだけ変化する必要があるが、スイッチ6による短絡が行われたため1.8Vから2.7Vへ0.9Vだけ変化すればよく、その分、バッファ5cやデータライン30cで発生するEMIノイズが低減する。同様に、データライン30aおよび30bは、スイッチ6による短絡が無ければ2.7Vから0Vへ2.7Vだけ変化する必要のあるところが、1.8Vから0Vへの1.8Vの変化でよい。従って、バッファ5a、5bやデータライン30a・30bに流れる充放電電流が減少し、バッファ5a、5bやデータライン30a・30bで発生するEMIノイズが低減する。スイッチ6による短絡が行われて電位が平均化された状態を含むデータバス30上のデータを図3のD0’〜D2’に示す。
【0062】
上述したスイッチ6による短絡により、データバス30上のデータについての0から1または1から0の遷移を、最大遷移電圧の2.7Vよりも小さい範囲で行うことができる。従って、データバス30において(0、0、0)あるいは(1、1、1)のデータが供給されていた状態から他の値のデータや同じ値のデータに遷移する場合には、(0、0、0)あるいは(1、1、1)に対応する電位の平均値が平均前と等しくなって上記遷移電圧を低減することはできないが、データバス30における(0、0、0)および(1、1、1)というデータの出現確率は、表示期間全体を通して0と1とが混在するデータの出現確率よりも一般に低いため、この性質を活かした非常に簡易な回路構成によるEMIノイズの低減を実現することが可能となる。
【0063】
本実施例を、3ビットのデータを扱う構成から一般のNビット(Nは2以上の整数)のデータを扱う構成に拡張することは、バッファ5、スイッチ6、データバス30、ラッチ回路群50をNビット分に対応するように用意すればすむので容易である。
【実施例2】
【0064】
図4は、本実施例の表示駆動装置としてのドライバ202の概略構成を示す回路図である。ドライバ202は、Nビット(Nは2以上の整数)の表示データを、ドライバ内部でドライバ入力本数の2倍の本数にしたデータラインでサンプリングを行う。ドライバ202は、前記ソースドライバ200には限らず、データをサンプリングして出力する構成のドライバ一般に使用可能である。図5は、ドライバ202の動作を示すタイミング図である。
【0065】
図4において、図中太線でドライバ202におけるデータバスの範囲を示す。データとしてビットごとにドライバ202にシリアル入力される画像データDataはNビットで構成される画像データであり、各画像データDataは、それぞれがN本のデータラインからなる2つのデータバス31に等しく転送される。ドライバ202に設けられたD−FF回路7a、7bは、それぞれ別々のデータバス31に設けられ、ドライバ202の外部にて動作クロック信号CLKを2分周して生成されてドライバ202に供給されたクロック信号CLK2に同期して、対応するデータバス31に転送される画像データDataをサンプリングする。D−FF回路7a、7bはN本のデータラインに対応して設けられたN個のD−FFで構成され、データラインのそれぞれが対応するD−FFのD入力につながる。D−FF7aは図5に示すように、CLK2の立ち下がりでデータバス31から画像データDataをサンプリングする。一方、同様の構成のD−FF7bはクロック信号CLK2の立ち上がりでデータバス31から画像データDataをサンプリングする。D−FF7aおよび7bにより、画像データDataは、図5に示すように奇数番目に転送されるデータD(odd)と偶数番目に転送されるデータD(even)とに分けられる。D−FF7aがデータD(odd)を抽出し、D−FF7bがデータD(even)を抽出する。データD(odd)およびD(even)もそれぞれNビットで構成されており、それぞれが、N本のデータラインからなるデータバスで転送される。データD(odd)およびD(even)は、各データラインに対応して設けられたバッファ8を介してラッチ回路側に転送される。バッファ8は入出力間の導通状態と出力のハイインピーダンス状態とを切り替えることが可能なトライステートバッファで構成され、図1と同様の制御信号SBに従い、制御信号SBが’H’のときにデータD(odd)をD(odd')とし、データD(even)をD(even')としてラッチ回路側へ出力する。データD(odd')およびD(even')もNビットで構成されており、それぞれが、N本のデータラインからなるデータバスで転送される。
【0066】
図4の構成では、D−FF11a〜11fで構成されるシフトレジスタ11と、D−FF12a〜12fで構成されるシフトレジスタ12とにより、データラッチのタイミングを作成する。D−FF11a〜11fはクロック信号CLK2の立ち下がりで動作し、D−FF12a〜12fはクロック信号CLK2の立ち上がりで動作を行う。
【0067】
D−FF11aのD入力へのEN信号に“H”が入力されることにより、D−FF11aが動作を開始してQ出力としてのパルスである出力Q1を発生すると、シフトレジスタ11においてはD−FF11b以降がパルスである出力Q3、Q5、Q7、Q9、Q11を順次発生する。また、D−FF11aの出力Q1によりD−FF12aが動作を開始してQ出力としてのパルスである出力Q2を発生すると、シフトレジスタ12においてはD−FF12b以降がパルスである出力Q4、Q6、Q8、Q10、Q12を順次発生する。
【0068】
D−FF11a〜11fの出力Q1、Q3、Q5、Q7、Q9、Q11は、対応する段に設けられたAND回路41によって制御信号SBとの論理積をとられて出力Q1’、Q3’、Q5’、Q7’、Q9’、Q11’となる。制御信号SBが“H”のときに出力Q1、Q3、Q5、Q7、Q9、Q11が“H”になると、出力Q1’、Q3’、Q5’、Q7’、Q9’、Q11’が“H”となって、奇数番目のラッチ回路60(60a、60c、60e、60g、60i、60k)がデータD(odd')のデータバスから奇数番目のデータをサンプリングしてラッチする。
【0069】
D−FF12a〜12fの出力Q2、Q4、Q6、Q8、Q10、Q12は、対応する段に設けられたAND回路41によって制御信号SBとの論理積をとられて出力Q2’、Q4’、Q6’、Q8’、Q10’、Q12’となる。制御信号SBが“H”のときに出力Q2、Q4、Q6、Q8、Q10、Q12が“H”になると、出力Q2’、Q4’、Q6’、Q8’、Q10’、Q12’が“H”となって、偶数番目のラッチ回路60(60b、60d、60f、60h、60j、60l)がデータD(even')のデータバスから偶数番目のデータをサンプリングしてラッチする。
【0070】
本実施例においては、同じデータバスのデータラインどうしを短絡するスイッチ9aと9cとを備えている。スイッチ9aは、各々の一端がデータD(even')の互いに異なるデータラインに接続されているとともに他端どうしが短絡されたN個のスイッチで構成されている。スイッチ9cは、各々の一端がデータD(odd')の互いに異なるデータラインに接続されているとともに他端どうしが短絡されたN個のスイッチで構成されている。図4では、スイッチ9aおよび9bを、それぞれ同じデータバスのN本のデータラインどうしを短絡するものとして便宜的な表記を行っている。
【0071】
短絡信号Sが“H”の期間には、バッファ8がハイインピーダンスとなるとともに、データD(even')のデータラインどうし、および、データD(odd')のデータラインどうしが互いに短絡される。このことにより、データD(even')のデータラインどうし、および、データD(odd')のデータラインどうしでは、互いの電位が等しくなるように電荷が再分配される。但し、データD(even')の更新タイミングとデータD(odd')の更新タイミングとは図5からも分かるように互いに異なっているので、短絡信号Sを図5に示すように、データD(odd')用には短絡信号S1、データD(even')用には短絡信号S2として、例えば、互いの位相をクロック信号S2の半周期分ずらすとともに互いのアクティブ期間が重ならないようにして個別に供給する。
【0072】
図5に示した本実施例の構成によれば、ドライバ202の水平周波数に従って周波数が設定される動作クロックCLKに対して2倍の周期のクロック信号CLK2によってデータサンプリングが行えるため、動作周波数が速い場合でもデータのサンプリングを確実に行うことができる。
【0073】
以上、各実施例について説明を行った。
【0074】
なお、上記例のデータビットD0〜D2からなるデータや画像データDataは、表示を行う画像データとして画面の水平方向に並ぶように順次入力される信号である。このため、データの変化(データラインの電位変化)は、対象画像データの水平方向における画像データの並ぶ構成に依存する。
【0075】
一例として、図6および図7に、画像と当該画像の水平断面波形を示す。
【0076】
図6(b)は、図6(a)の水平方向の破線部X1−X2の位置における色成分波形を示している。横軸は画像のドット位置に対応し、縦軸は階調を示している。ここでは階調範囲を0〜255としている。
【0077】
同様に、図7(b)は、図7(a)の水平方向の破線部X1−X2の位置における色成分波形を示している。
【0078】
図6(b)では色成分の変化が大きいが、図7(b)では色成分の変化は少ない。上記分析からわかるように、図6(a)の画像では、データラインにおけるデータの変化(0から1、もしくは1から0)が頻繁に起こっているため、本発明の構成でデータラインどうしを短絡し電荷の再分配を行うことにより、ドライバでのEMIノイズの低減が大きい。
【0079】
図7(a)の画像では、データラインにおけるデータの変化が少なく、本発明の構成によるEMIノイズの低減効果は図6の場合よりも少ない。しかしながら、図7(a)の画像では、もともとデータの変動が少ないためEMIノイズの発生は少ない。
【0080】
表示装置では、多様な画像を表示する必要がある。本発明を用いることにより、EMIノイズの発生が大きい画像に対してノイズの発生を低減することができ、表示装置全体として、EMIノイズの発生を抑えることができる。
【0081】
実施例1ではデータを3ビット、データバスを3本のデータラインで構成した例で説明し、これをNビットへ拡張することが可能であることを述べたが、例えば表示装置に頻繁に適用されるように、本発明をデータが8ビット以上でデータラインが8本以上の構成であるデータバスに対して実施するのが好ましい。
【0082】
また、実施例2のように、データがNビット(Nは2以上の整数)であって内部サンプリング速度を確保するために表示駆動装置中のデータラインの総本数をN×M(Mは2以上の整数)とした場合には、データラインの全寄生容量が増加するため、ノイズの発生の低減に特に有効である。
【0083】
また、実施例1および2の構成を拡張し、1つの表示データを構成する各データビットに対応したデータラインである、少なくとも1つのデータバスにおいて同じデータバスに含まれる複数のデータラインのうちの、少なくとも2本を、当該データラインに供給する表示データを更新する前にスイッチ6、9に相当するスイッチによって互いに短絡するようにしてもよい。これによっても、短絡の結果、表示データの更新時におけるデータラインの電位変化が小さくなる機会が上記少なくとも2本のデータラインにおいて得られることから、前記例と同様にEMIノイズの発生を抑えることができる。
【0084】
図9に示した構成では、入力がデジタルの表示データであって出力がアナログのデータ信号である場合を示しているが、画素がバイナリデータによって輝度を調整される構成などでは、入力がデジタルの表示データであって出力もデジタルのデータ信号である場合が考えられる。
【0085】
また、表示装置としてはEL表示装置などの他のマトリクス型表示装置も挙げられる。
【0086】
また、前記例では、データ処理装置として表示駆動装置を挙げたが本発明はこれに限ることなく、Nビット(Nは2以上の整数)のデータが上記データ間でシリアルの関係となるように入力され、入力された上記データをサンプリングし、サンプリングした上記データに所定の処理を施して出力するデータ処理装置であってもよい。ここで、各データのデータビットはパラレルにデータ処理装置に供給されてもよいし、各データのデータビットもシリアルにデータ処理装置に供給されてデータ処理装置内でパラレルに変換されてもよい。
【0087】
図1および図4の構成においては、上記所定の処理は、図9に示したようなホールド処理を含めたデジタル−アナログ変換処理である。従って、この場合のデータ処理回路は、図9のホールド回路125とDAC回路126とから構成される。
【0088】
データ処理装置としては、全体がDAコンバータとして機能するものでもよく、表示駆動とは無関係であってもよい。この場合の所定の処理は、例えばホールド処理を含めたデジタル−アナログ変換処理である。さらに、アナログ出力のレベルシフト処理などが加わってもよい。また、データ処理装置としては、シリアル入力の関係にあるデータをデータビットごとにパラレル変換して異なる出力端子から出力するシリアル−パラレル変換回路でもよい。この場合の所定の処理はシリアル−パラレル変換である。
【0089】
このような所定の処理を施す部分をデータ処理回路と呼ぶことができる。また、図9の出力バッファ127などのように、データ処理回路によって所定の処理が施されて得られたデータである処理後データを出力する部分を出力回路と呼ぶことができる。
【0090】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態を技術常識に基づいて適宜変更したものやそれらを組み合わせて得られるものも本発明の実施形態に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、表示装置のドライバに好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0092】
5、5a、5b、5c バッファ
6、6a、6b、6c スイッチ
8、8a、8c バッファ
9、9a、9c スイッチ
200 ソースドライバ(データ処理装置、表示駆動装置)
201 ドライバ(データ処理装置、表示駆動装置)
202 ドライバ(データ処理装置、表示駆動装置)
30 データバス
30a、30b、30c
データライン
31 データバス
50、50a〜50l サンプリング回路
127、127a〜127n
出力バッファ(出力回路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Nビット(Nは2以上の整数)のデータが上記データ間でシリアルの関係となるように入力され、入力された上記データをサンプリングし、サンプリングされた上記データに所定の処理を施して出力するデータ処理装置であって、
入力される上記データをデータビットごとに転送するデータバスとして、上記データを構成する各データビットに対応して設けられたN本のデータラインからなる1つ以上のデータバスと、
上記データバスの各上記データラインの上記データをサンプリングするサンプリング回路と、
上記サンプリング回路によってサンプリングされた上記データに所定の処理を施して処理後データを得るデータ処理回路と、
上記データ処理回路によって得られた上記処理後データを出力する出力回路と、
上記サンプリング回路によって各上記データラインの上記データをサンプリングした後、次の上記データが各上記データラインに供給される前に、少なくとも1つの上記データバスにおいて同じ上記データバスに含まれる上記データラインのうちの2本以上どうしを互いに短絡させるスイッチとを備えていることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
各上記データラインに対応して、上記データラインを駆動するバッファであって、制御信号によって、入出力間の導通状態と出力のハイインピーダンス状態とを切り替えることが可能なバッファを備えていることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
奇数番目に入力される上記データが転送される上記データバスと、偶数番目に入力される上記データが転送される上記データバスとが個別に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
上記データは表示データであり、
入力されるパルスを順次シフトするシフトレジスタを備え、
上記サンプリング回路は、上記シフトレジスタの各段に対応して設けられているとともに、上記シフトレジスタからの出力に応じて上記データをサンプリングし、
上記データ処理回路は、上記シフトレジスタの各段に対応して設けられているとともに、上記サンプリング回路によってサンプリングされた上記データに対してデジタル−アナログ変換処理を行って上記処理後データを得、
上記出力回路は、上記シフトレジスタの各段に対応して設けられているとともに、上記データ処理回路によって得られた上記処理後データを出力することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のデータ処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−88653(P2012−88653A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237456(P2010−237456)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】