データ同期システム、メモリモジュールおよびデータ同期方法
【課題】メモリカード間で直接データ同期することができる新しいデータ同期システムを提供する。
【解決手段】第1メモリを有する第1メモリモジュール、および第2メモリを有する第2メモリモジュールを備え、第1メモリモジュールは、外部機器から受信したデータを第1メモリに格納するデータ格納手段と、第2メモリモジュールとの間で無線通信路を確立する第1確立手段と、第1メモリに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する判定手段と、更新すると判定された場合、第1メモリに記憶されたデータを第2メモリモジュールに送信するデータ送信手段と、を備え、第2メモリモジュールは、第1メモリとの間で無線通信路を確立する第2確立手段と、受信したデータに基づいて第2メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、を備えるデータ同期システム。
【解決手段】第1メモリを有する第1メモリモジュール、および第2メモリを有する第2メモリモジュールを備え、第1メモリモジュールは、外部機器から受信したデータを第1メモリに格納するデータ格納手段と、第2メモリモジュールとの間で無線通信路を確立する第1確立手段と、第1メモリに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する判定手段と、更新すると判定された場合、第1メモリに記憶されたデータを第2メモリモジュールに送信するデータ送信手段と、を備え、第2メモリモジュールは、第1メモリとの間で無線通信路を確立する第2確立手段と、受信したデータに基づいて第2メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、を備えるデータ同期システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ同期システム、メモリモジュールおよびデータ同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、あるメモリモジュール(たとえば、SDカードなどの小型のメモリカード)に記憶されたデータを、他のメモリカードに記憶されたデータと同期(共有)しようとした場合、情報処理装置を介してデータを同期する方法が一般的に用いられている。具体的には、複製元のメモリカードや複製先のメモリカードを情報処理装置のインタフェーススロットに挿入し、複製元のメモリカードに記憶されたデータを、一旦、情報処理装置に記憶させ、該情報処理装置に記憶したデータを複製先のメモリカードに複製してデータを同期する方法である。
【0003】
また、メモリカードを情報処理装置のインタフェーススロットに挿入する以外にも、特許文献1に記載の技術のように、ICカード(メモリカード)に無線機能を搭載し、ICカードと情報処理装置とを無線通信によってデータ通信する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−91984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のデータ同期方法は、メモリカード間でデータを同期しようとした場合に、情報処理装置を介してデータ通信する構成が前提となっていたため、情報処理装置が無いとメモリカード間でデータ同期することができないという問題点があった。
【0006】
また、たとえ情報処理装置があっても、メモリカードごとに情報処理装置に対する種々の設定をユーザは気にしなければならず、利便性を欠いてしまう場合が多い。
【0007】
特に、メモリカードに無線機能を搭載し、メモリカードと情報処理装置とを無線通信によりデータ通信する方法では、全てのメモリカードが情報処理装置との間で無線通信可能な範囲内にあるときにしかデータ同期を実施できず、利便性を欠いてしまうという問題点が顕著になる。
【0008】
したがって、上記問題点を解決し、メモリカード間で直接データを同期することができる新しいデータ同期システム、データ同期方法およびメモリモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によるデータ同期システムは、第1メモリを有する第1メモリモジュール、および第2メモリを有する第2メモリモジュールを備え、第1メモリと第2メモリとに記憶されたデータを同期させるデータ同期システムである。第1メモリモジュールは、該第1メモリモジュールに接続された第1外部機器から受信したデータを第1メモリに格納する第1データ格納手段と、第2メモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立する第1確立手段と、無線通信路を介して第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて第1メモリに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する第1判定手段と、第1判定手段によって第1メモリに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、無線通信路を介して第1メモリに記憶されたデータを第2メモリモジュールに送信する第1データ送信手段と、を備える。また、第2メモリモジュールは、第1メモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立する第2確立手段と、無線通信路を介して第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を第1メモリモジュールに送信するメモリ情報送信手段と、無線通信路を介して第1メモリモジュールの第1データ送信手段からデータを受信し、該受信したデータに基づいて第2メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、第2メモリに記憶されたデータを読み出すデータ読出手段と、を備える。
【0010】
また、第1メモリモジュールは、無線通信路を介して第1メモリに記憶されたデータのメモリ情報を第2メモリモジュールに送信するメモリ情報送信手段と、無線通信路を介して第2メモリモジュールからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第1メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、第1メモリに記憶されたデータを読み出す読出手段と、第1データ格納手段による第1メモリへのデータの格納をプロテクトする第1プロテクト手段と、をさらに備えることができる。一方、第2メモリモジュールは、該第2メモリモジュールに接続された第2外部機器から受信したデータを格納する第2データ格納手段と、無線通信路を介して第1メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて第2メモリに記憶されたデータで第1メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する第2判定手段と、判定手段によって第2メモリに記憶されたデータで第1メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、無線通信路を介して第2メモリに記憶されたデータを第1メモリモジュールに送信する第2データ送信手段と、第2データ格納手段による第2メモリへのデータの格納をプロテクトする第2プロテクト手段と、をさらに備えることができる。そして、上記第1データ格納手段は、第1外部機器からデータを受信した場合、第2プロテクト手段にプロテクトを実行させるプロテクト設定通知を第2メモリモジュールに送信し、第2メモリモジュールからプロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、第1外部機器から受信したデータを第1メモリに格納する。また、上記第2データ格納手段は、第2外部機器からデータを受信した場合、第1プロテクト手段にプロテクトを実行させるプロテクト設定通知を第1メモリモジュールに送信し、第1メモリモジュールからプロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、第2外部機器から受信したデータを第2メモリに格納する。
【0011】
さらに、第2メモリモジュールは、該第2メモリモジュールに接続された第2外部機器から受信したデータを格納する第2データ格納手段と、第2データ格納手段による第2メモリへのデータの格納をプロテクトする第2プロテクト手段とをさらに備えることもできる。第1データ格納手段は、第1外部機器からデータを受信した場合、第2プロテクト手段にプロテクトを実行させるプロテクト設定通知を第2メモリモジュールに送信し、第2メモリモジュールからプロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、第1外部機器から受信したデータを第1メモリに格納する。
【0012】
さらに、第1メモリは、データ格納バッファおよびデータ同期バッファを備え、第1データ格納手段は、データ格納バッファに第1外部機器から受信したデータを格納する手段、およびデータ格納バッファのデータを所定のタイミングでデータ同期バッファに複製する手段を備えることもできる。第1判定手段は、データ同期バッファに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定し、第1データ送信手段は、第1判定手段によってデータ同期バッファに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、データ同期バッファに記憶されたデータを第2メモリモジュールに送信する。
【0013】
さらに、第2メモリは、第1バッファおよび第2バッファを備え、データ更新手段は、第1バッファおよび第2バッファのいずれか一方を更新用バッファとし、他方を読出用バッファとして指定する手段と、第1データ送信手段から受信したデータに基づいて更新用バッファに記憶されたデータを更新する手段と、前記データ更新ごとに更新用バッファおよび読出用バッファとして指定するバッファを切り替える手段とを備えることもできる。第1判定手段は、第1メモリに記憶されたデータで更新用バッファとして指定されているバッファに記憶されたデータを更新するか否かを判定し、第1データ送信手段は、第1判定手段によって第1メモリに記憶されたデータで更新用バッファとして指定されているバッファに記憶されたデータを更新すると判定された場合、第1メモリに記憶されたデータを前記第2メモリモジュールに送信する。
【0014】
さらに、第2メモリモジュールを複数有していてもよい。
【0015】
さらに、前記複数の第2メモリモジュールそれぞれは、無線通信路を介して他の第2メモリモジュールの他の第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて自身の第2メモリに記憶されたデータで他の第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する第2判定手段と、第2判定手段によって自身の第2メモリに記憶されたデータで他の第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、無線通信路を介して自身の第2メモリに記憶されたデータを他の第2メモリモジュールに送信する第2データ送信手段と、を備えることもできる。第2確立手段は、他の第2メモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立し、メモリ情報送信手段は、無線通信路を介して前記自身の第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を他の第2メモリモジュールに送信し、データ更新手段は、無線通信路を介して第2メモリモジュールの第2データ送信手段からデータを受信し、該受信したデータに基づいて自身の第2メモリに記憶されたデータを更新する。
【0016】
本発明の一態様によるメモリモジュールは、データを記憶する第1メモリと、外部機器から受信したデータを第1メモリに格納するデータ格納手段と、データ同期対象のメモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立する確立手段と、無線通信路を介してデータ同期対象のメモリモジュールの第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて第1メモリに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する判定手段と、判定手段によって更新すると判定された場合、無線通信路を介して第1メモリに記憶されたデータをデータ同期対象のメモリモジュールに送信するデータ送信手段と、無線通信路を介してデータ同期対象のメモリモジュールからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第1メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、を備える。
【0017】
本発明の一態様によるデータ同期方法は、第1メモリを有する第1メモリモジュール、および第2メモリを有する第2メモリモジュールを含み、第1メモリと第2メモリとに記憶されたデータを同期させるデータ同期方法であって、第1メモリモジュールが、該メモリモジュールに接続された第1外部機器から受信したデータを第1メモリに格納する段階と、第1メモリモジュールと第2メモリモジュールとが、無線通信による接続をし、無線通信路を確立する段階と、第2メモリモジュールが、無線通信路を介して第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を第1メモリモジュールに送信する段階と、第1メモリモジュールが、メモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて第1メモリに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する段階と、第1メモリモジュールが、第1メモリに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、無線通信路を介して第1メモリに記憶されたデータを第2メモリモジュールに送信する段階と、無線通信路を介して第2メモリモジュールが、第1メモリから受信したデータに基づいて第2メモリに記憶されたデータを更新する段階と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態のデータ同期システム1の概略構成の一例を示す図である。
【図2】第1実施形態のデータ同期方法の処理内容を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態の応用例を示す図である。
【図4】第2実施形態のデータ同期システム2の概略構成の一例を示す図である。
【図5】第2実施形態のデータ同期方法の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態の第1メモリ21Aについて説明するための図である。
【図7】第3実施形態のデータ同期方法3の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】第4実施形態の第2メモリ21Bについて説明するための図である。
【図9】第4実施形態のデータ同期方法4の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態の応用例を示す図である。
【図11】本実施形態の応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための好適な各実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態では、2つの対となるメモリモジュール間でデータ同期する場合を例にとって説明するものとし、また、メモリモジュールの一例としてメモリカード(たとえば、SDメモリカード(登録商標)などの小型カード)を用いるものとする。
<第1実施形態>
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態のデータ同期システム1の概略構成の一例を示す図である。
【0021】
データ同期システム1は、図1に示すとおり、第1外部機器10A、第2外部機器10B、および1対の第1メモリカード20Aおよび第2メモリカード20Bを有する。
【0022】
第1外部機器10Aは、第1メモリカード20Aを接続するカードスロットを有し、該カードスロットに接続された第1メモリカード20Aに含まれる第1メモリ(第1記憶手段)からデータを読み込む読込手段と、該第1メモリにデータを書き込む書込手段とを備える。第2外部機器10Bは、第1外部機器10Aと同様に、第2メモリカード20Bを接続するカードスロットを有し、該カードスロットに接続された第2メモリカード20Bに含まれる第2メモリ(第2記憶手段)からデータを読み込む読込手段と、該第2メモリにデータを書き込む書込手段とを備える。第1外部機器10Aおよび第2外部機器10Bは、それぞれ接続された第1メモリカード20Aおよび第2メモリカード20Bに対してデータ書き込みや無線通信に必要な電力を供給する。なお、第1外部機器10Aおよび第2外部機器10Bは、メモリカードのデータを読み書き可能な一般的な機器(たとえば、デジタルカメラ、携帯電話、プリンタ装置、またはコンピュータなど)とすることができるので、その構成および機能の詳細な説明は省略する。
【0023】
本実施形態における第1メモリカード20Aと第2メモリカード20Bは、同様の構成および機能を相互に備えることができるので、以下では、第1メモリカード20Aの構成および機能について説明し、第2メモリカード20Bの説明は省略する。
【0024】
第1メモリカード20A(第1記憶媒体)は、図1に示すとおり、第1メモリ21A、第1データ格納手段22A、第1確立手段23A、第1判定手段24A、第1データ送受信手段25A、第1データ更新手段26A、および第1データ読込手段27Aを備える。第1データ格納手段22A、第1確立手段23A、第1判定手段24A、および第1データ送受信手段25Aは、第1メモリカード20Aが複製元のメモリカードとなる場合に用いられる機能であって、また、第1確立手段23A、第1データ送受信手段25A、第1データ更新手段26A、および第1データ読込手段27Aは、第1メモリカード20Aが複製先のメモリカードとなる場合に用いられる機能である。なお、上記各手段は、メモリカードに搭載されるコントローラ(処理回路)により実現される。また、第1メモリカード20Aの規格・形状は、従来から存在するメモリカードの規格・形状に準ずるものとすることができる。
【0025】
第1メモリ21Aは、データを記憶するメモリであって、たとえば、不揮発性のフラッシュメモリである。第1メモリ21Aは、第1データ格納手段22Aによってデータが格納される。なお、第1メモリ21Aは、第1メモリカード20Aと対になる第2メモリカード20Bとの無線通信を行うための種々のデータを予め記憶する。
【0026】
第1データ格納手段22Aは、第1メモリカード20Aに接続された第1外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21Aに格納する。すなわち、第1データ格納手段22Aは、第1外部機器10Aからデータの書き込み命令(WRITE命令)を受信し、第1外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21Aに格納する。なお、第1データ格納手段22Aは、たとえば、データの格納を実行した時刻(データ更新時間)の情報をメモリ情報として第1メモリ21Aに記憶することができる。
【0027】
第1確立手段23Aは、第2メモリカード20Bとの間で無線通信によるピアツーピア接続をし、無線通信路を確立するものであって、第2メモリカード20Bの第2確立手段23Bとの間でピアツーピア接続に必要なデータ通信を相互に行う。具体的には、第1確立手段23Aは、たとえば、第1データ格納手段22Aによって第1メモリ21Aにデータの格納が行われたことをトリガとして、第2確立手段23Bとの間でピアツーピア接続するための接続信号を第1メモリカード20Aの周囲に向けて発信する。そして、無線通信が可能な範囲に第2メモリカード20Bが存在する場合、第2メモリカード20Bの第2確立手段23Bが接続信号を受信し、その応答信号を第1メモリカード20Aに対して発信する。そして、第1確立手段23Aは、応答信号を受信し、該応答信号が第2メモリカード20Bのものであるかの認証を行う。また、第1確立手段23は、接続の際、第2確立手段23Bと暗号鍵を交換することもできる。なお、第1確立手段23と第2確立手段23Bとの間での無線通信路の確立には、従来の無線通信技術(たとえば、IEEE802.11などの標準化された技術)を用いて実現することができるので、詳細な説明は省略する。
【0028】
第1判定手段24Aは、第2メモリカード20Bから受信したメモリ情報に基づいて第1メモリ21Aに記憶されたデータで第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新するか否かを判定する。具体的には、第1判定手段24Aは、上記受信したメモリ情報に含まれる第2メモリのデータの更新時間と、第1メモリ21Aのデータの更新時間とを比較し、第1メモリ21Aのデータの更新時間が第2メモリ21Bのデータの更新時間より最近のものであれば、第2メモリ21Bのデータを更新すると判定する。なお、第1判定手段24Aは、メモリ情報としてデータの更新時間を用いる場合に限られず、たとえば、チェックサム値などを用いてもよい。
【0029】
第1データ送受信手段25Aは、無線通信路を介して第2メモリカード20Bの第2データ送受信手段25Bとの間でデータの送受信を行うものである。第1データ送受信手段25Aは、第1判定手段24Aによって第1メモリ21Aに記憶されたデータで第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新すると判定された場合、第1メモリ21Aに記憶されたデータを第2メモリカード20Bに送信するデータ送信手段として機能し、また、第1外部機器10Aから送信されたデータ、および第2メモリカード20Bのデータ送受信手段25Bから送信されたデータを受信するデータ受信手段として機能する。
【0030】
第1データ更新手段26Aは、第2メモリカード20Bの第2データ送受信手段25Bからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第1メモリ21Aに記憶されたデータを更新する。第1データ更新手段26Aは、たとえば、全データを書き換えることによってデータ更新してもよいし、または、データ変更があった箇所のみデータ更新してもよい。
【0031】
第1データ読込手段27Aは、第1メモリカード20Aに接続された第1外部機器10Aからデータ読み込みの指令を受けて、該当するデータを第1メモリ21Aから取得して、第1外部機器10Aに送る。
【0032】
以下、図2に示すフローチャートを参照して、データ同期システム1を用いて実施される本実施形態のデータ同期方法を説明する。以下では、第1メモリカード20Aにおいて、接続された第1外部機器10Aからデータを受信した場合を例にとって説明する。なお、図2のフローチャートで示される各処理は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0033】
まず、第1メモリカード20Aにおいて、接続された第1外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21Aに格納する(ステップS100)。第1メモリカード20Aは、同時に、データを格納した時刻情報(データ更新時間)をメモリ情報の1つとして第1メモリ21Aに記憶する。なお、時刻情報は、第1外部機器10Aから取得することができる。
【0034】
次いで、第1メモリカード20Aにおいて、第2メモリカード20Bとの間で無線通信によるピアツーピア接続をし、無線通信路を確立する(ステップS101)。具体的には、第1メモリカード20Aは、第1メモリ21Aにデータの格納が行われたことをトリガとして、第2メモリカード20Bとピアツーピア接続するための接続信号を第1メモリカード20Aの周囲に向けて発信し、第2メモリカード20Bからの応答信号を受信することで、無線通信路の確立を行うことができる。無線通信路が確立していない場合(ステップS102:No)、ステップS101の処理に戻る。
【0035】
無線通信路が確立した場合(ステップS102:Yes)、第2メモリカード20Bは、無線通信路を介して第2メモリ21Bに記憶されたデータのメモリ情報を第1メモリカード20Aに送信し、第1メモリカード20Aは、第2メモリ21Bのデータのメモリ情報を受信する(ステップS103)。
【0036】
第1メモリカード20Aにおいて、第1メモリ21Aに記憶されたデータで第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新するか否かを判定する(ステップS104)。たとえば、第1メモリ21Aおよび第2メモリ21Bがそれぞれ保持するメモリ情報に含まれるデータの更新時間などの情報を用いて判定することができる。
【0037】
更新すると判定された場合(ステップS105:Yes)、第1メモリカード20Aにおいて、第1メモリ21Aに記憶されたデータを第2メモリカード20Bに送信する(ステップS106)。たとえば、第1メモリ21Aのデータのメモリ情報に含まれるデータ更新時間が、第2メモリ21Bのデータのメモリ情報に含まれるデータ更新時間より最近のものである場合に、第1メモリカード20Aにおいて、第1メモリ21Aに記憶されたデータを第2メモリカード20Bに送信する。
【0038】
次いで、第2メモリカード20Bにおいて、第1メモリ21Aからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新し(ステップS107)、ステップS103の処理に移る。なお、第2メモリカード20Bは、同時に、データを格納した時刻情報も合わせて第2メモリ21Bに記憶する。なお、時刻情報は、第2外部機器10Bから取得することができる。
【0039】
また、ステップS105の処理において、更新しないと判定された場合(ステップS105:No)、本処理フローを終了する。
【0040】
以上、第1実施形態のデータ同期システムおよびデータ同期方法によれば、データ同期するメモリカード(メモリモジュール)それぞれに無線通信によるピアツーピア接続し、無線通信路を確立する確立手段を備え、1つのメモリカードのメモリにデータが格納されることをトリガとして、自動的に対となる他のメモリカードのデータを更新することができ、情報処理装置を介さなくてもデータ同期することができる。その結果、従来のデータ同期システムおよびデータ同期方法と比較して、使用者に対する理解・設定・操作などの要求が少なく、利便性が向上する。
【0041】
なお、第1実施形態のデータ同期システムの1つの実施例として、たとえば、図3に示すように、対となるメモリカードのうち一方をデジタルカメラに接続し、他方をプリンタ装置に接続する。この場合、デジタルカメラで撮影が行われてメモリカードにデータが格納されると、このデータの格納をトリガとして、自動的に対となるプリンタ装置に接続されたメモリカードのメモリにおけるデータを更新し、プリンタ装置においてメモリカード内のデータ変化を検出して撮影画像を逐一印刷実行することができる。特に、結婚式のなどのように、撮影した画像を出席者に即座に手渡したいケースで有効である。
<第2実施形態>
【0042】
以下、本発明の第2実施形態のデータ同期システム2について説明する。図4は、第2実施形態のデータ同期システム2の概略構成の一例を示す図である。
【0043】
上記第1実施形態は、2つの対となった第1メモリカード20Aおよび第2メモリカード20B間でデータを同期する前に、たとえば、第1メモリカード20Aおよび第2メモリカード20Bにおいてそれぞれデータの書き込みが行われると、データ同期する際、いずれかのメモリカードでメモリに書き込まれるデータを消失してしまうおそれがある。そこで、第2実施形態のデータ同期システム2は、一方のメモリカードにデータの書き込みがあった場合、他方のメモリカードでのデータの書き込みをプロテクトすることで、データの書き込みが同時に行われないようにすることを目的としている。
【0044】
なお、データ同期システム2を構成する各手段において、第1実施形態のデータ同期システム1の構成と共通にすることができる手段は、その説明を省略する。また、第1メモリカード20A'と第2メモリカード20B'は、同様の構成および機能とすることができるので、以下では、第1メモリカード20A'の構成および機能について説明する。
【0045】
第1データ格納手段22A'は、第1外部機器10Aからデータを受信した場合、第2メモリカード20B'に向けてプロテクト設定通知(ロック命令)を送信し、第2メモリカード20B'からプロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、第1外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21A'に格納する。
【0046】
第1プロテクト手段28Aは、第1メモリ21Aへのデータの格納をプロテクトする。具体的には、第2メモリカード20Bからプロテクト設定通知を受信した場合、第1メモリ21Aへのデータの格納をプロテクトする。また、該プロテクトした後に第1メモリカード20Aに向けて応答通知を送信し、第1データ更新手段26Aによってデータ更新した後にプロテクトを解除する。すなわち、プロテクト手段28Aは、第1メモリ21Aに格納されたデータと第2メモリ21Bに格納されたデータとが一致するまで、プロテクト設定を解除せず、その間、第1メモリカード20Aに接続された第1外部機器10Aに対して「ライトプロテクト」として振る舞う。
【0047】
以下、図5に示すフローチャートを参照して、データ同期システム2を用いて実施される本実施形態のデータ同期方法を説明する。以下では、第1メモリカード20Aにおいて、接続された第1外部機器10Aからデータを受信した場合のデータ同期方法を例にとって説明する。なお、図5のフローチャートで示される各処理は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0048】
まず、第1メモリカード20Aにおいて、第1外部機器10Aからデータを受信する(ステップS200)。
【0049】
次いで、第1メモリカード20Aにおいて、第2メモリカード20Bとの間で無線通信によるピアツーピア接続をし、無線通信路を確立する(ステップS201)。具体的には、第1メモリカード20Aは、第1メモリ21Aにデータの受信が行われたことをトリガとして、第2メモリカード20Bとピアツーピア接続するための接続信号を第1メモリカード20Aの周囲に向けて発信し、第2メモリカード20Bからの応答信号を受信することで、無線通信路の確立を行うことができる。無線通信路が確立していない場合(ステップS202:No)、ステップS201の処理に戻る。
【0050】
無線通信路が確立した場合(ステップS202:Yes)、第1メモリカード20Aにおいて、メモリカード20Bに向けてプロテクト設定通知を送信する(ステップS203)。
【0051】
次いで、メモリカード20Bにおいて、プロテクト設定通知を受信してプロテクト設定を実行し、プロテクト設定通知に対する応答通知をメモリカード20Aに対して送信する(ステップS204)。メモリカード20Bにおいて、プロテクト設定されている間、メモリカード20Bに接続された第2外部機器10Bからのデータ書き込みが禁止される(「ライトプロテクト」)。
【0052】
メモリカード20Aにおいて、応答通知を受信した場合(ステップS205:Yes)、第1外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21Aに格納する(ステップS206)。
【0053】
次に、ステップS207以降の処理に移るが、ステップS207〜S211の処理は、図2に示す第1実施形態のデータ同期方法のフローにおけるステップS103〜S107の処理と同様とすることができるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0054】
ステップS211の処理の後、メモリカード20Bにおいて、プロテクト設定を解除する(ステップS211)。
【0055】
以上、第2実施形態のデータ同期システムによれば、外部機器からデータを受信して書き込みを指示されたメモリカードは、対となる他のメモリカードに対してプロテクト設定通知を送信し、他のメモリカードでの外部機器によるデータの書き込みを禁止する。したがって、対となるメモリカードにおいて、同時にデータの書き込みが行われないようになり、データを同期する際において、外部機器によるいずれかのメモリカードに書き込まれたデータが消失するのを防ぐことができる。
【0056】
なお、第2実施形態のデータ同期システムでは、第1外部機器10Aよりデータを受信した場合にプロテクト設定通知を送信する場合を例にとって説明したが、これに限られず、たとえば、ユーザがメモリカードに書き込みを所望する場合に、該書き込みしないメモリカードを該メモリカードに接続された外部機器からユーザがプロテクト設定してもよい。または、書き込み禁止のための物理的なスイッチをメモリカードに設けても良い。
<第3実施形態>
【0057】
以下、本発明の第3実施形態のデータ同期システム3について説明する。
【0058】
外部機器によるメモリカードへのデータの書き込みは、たとえば、単一の書き込み命令(WRITE命令)ではなく、複数の書き込み命令によって構成されうる。この場合、データの書き込み命令を受けるごとに、逐一、対となる他のメモリカードにデータを送信していたのでは、スループットに多大な影響を与えてしまうこととなる。そこで、第3実施形態のデータ同期システムでは、メモリカード内のメモリをデータ更新バッファと、データ同期バッファとのダブルバッファ構成とし、スループットに与える影響を抑制することを目的としている。
【0059】
なお、データ同期システム3を構成する各手段において、第1実施形態のデータ同期システム1の構成と共通にすることができる手段は、その説明を省略する。また、メモリカード20Aとメモリカード20Bは、同様の構成および機能とすることができるので、以下では、メモリカード20Aの構成および機能について説明する。
【0060】
第1メモリ21Aは、データ更新用バッファおよびデータ同期バッファを含む。データ更新用バッファは、第1データ格納手段22Aによって、受信したデータをメモリに格納するためのバッファである。データ同期バッファは、第1判定手段24Aによって、該データ同期バッファに記憶されたデータが、第2メモリカード20Bに含まれる第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新するか否かを判定するためのバッファである。
【0061】
第1データ格納手段22Aは、データ格納バッファに第1外部機器10Aから受信したデータを格納し、データ格納バッファのデータを所定のタイミングでデータ同期バッファに複製する。図6に、本実施形態の第1メモリ21A'のダブルバッファ構成についての概略図を示す。たとえば、書き込み命令を受信して、データ更新バッファにデータを格納する様子を図6(a)に示し、データ更新バッファのデータをデータ同期バッファに複製する様子を図6(b)に示す。ここで、所定のタイミングとは、たとえば、一定時間、外部機器よりデータの書き込み命令を受信しないタイミングである。なお、所定のタイミングは、上記タイミングに限られず、たとえば、ユーザ指示によるタイミングであってもよい。
【0062】
第1判定手段24Aは、データ同期バッファに記憶されたデータで第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新するか否かを判定する。
【0063】
データ送受信手段25Aは、第1判定手段24Aによってデータ同期バッファに記憶されたデータで第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新すると判定された場合、データ同期バッファに記憶されたデータを第2メモリカード20Bに送信する。
【0064】
以下、図7に示すフローチャートを参照して、データ同期システム3を用いて実施される本実施形態のデータ同期方法を説明する。以下では、第1メモリカード20Aにおいて、接続された外部機器10Aからデータを受信した場合のデータ同期方法を例にとって説明する。なお、図7のフローチャートで示される各処理は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0065】
まず、メモリカード20Aにおいて、外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21Aのデータ更新バッファに格納する(ステップS300)。
【0066】
次いで、第1メモリカード20Aにおいて、メモリカード20Bとの間で無線通信によるピアツーピア接続をし、無線通信路を確立する(ステップS301)。無線通信路が確立していない場合(ステップS302:No)、ステップS301の処理に戻る。
【0067】
無線通信路が確立している場合(ステップS302:Yes)、第2メモリカード20Bは、無線通信路を介して第2メモリ21Bに記憶されたデータのメモリ情報を第1メモリカード20Aに送信し、第1メモリカード20Aは、第2メモリ21Bのデータのメモリ情報を受信する(ステップS303)。
【0068】
第1メモリカード20Aにおいて、データ同期バッファに記憶されたデータで第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新するか否かを判定する(ステップS304)。
【0069】
更新すると判定された場合(ステップS305:Yes)、第1メモリカード20Aにおいて、第1メモリ21Aのデータ同期バッファに記憶されたデータを第2メモリカード20Bに送信する(ステップS306)。
【0070】
第2メモリカード20Bにおいて、受信したデータに基づいて第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新する(ステップS307)。次いで、ステップS304の処理に移る。
【0071】
また、ステップS305の処理において、更新しない場合であって(ステップS305:No)、第1メモリカード20Aにおいて、一定時間、外部機器からの書き込み命令が無い場合(ステップS308:Yes)、データ格納バッファのデータをデータ同期バッファに複製し(ステップS309)、データ格納バッファとデータ同期バッファとに記憶されるデータを一致させる。ステップS309の処理の後、または、外部機器からの書き込み命令がある場合(ステップS308:No)、ステップS304の処理に移る。
【0072】
以上、第3実施形態のデータ同期システム3およびその方法によれば、メモリカードのメモリがデータ格納バッファおよびデータ同期バッファを備え、該外部機器から受信したデータをデータ格納バッファに格納し、他のメモリカードとの間でのデータ同期をデータ同期バッファで行うことで、データ同期の際にデータ格納の影響を受けないため、データ更新が頻発して行われることを抑制し、スループットに与える影響を抑制することができる。
<第4実施形態>
【0073】
以下、本発明の第4実施形態のデータ同期システム4について説明する。
【0074】
上記実施形態で用いる無線通信は、たとえば、外部機器の移動などの要因によって、メモリカード間の無線通信が切断されてしまうおそれがあり、これがメモリカード間におけるデータ送受信中に発生してしまうと、メモリカード内のデータ消失につながってしまうおそれがある。これを防ぐため、第4実施形態のデータ同期システム4は、メモリカード内の記憶手段を「読出用」と「更新用」のダブルバッファ構成とし、メモリカード内のデータ消失を抑制することを目的としている。
【0075】
なお、データ同期システム4を構成する各手段において、第1実施形態のデータ同期システム1の構成と共通にすることができる手段は、その説明を省略する。また、第1メモリカード20Aと第2メモリカード20Bは、同様の構成および機能とすることができるので、以下では、第1メモリカード20Aの構成および機能について説明する。
【0076】
第1メモリ21Aは、第1バッファおよび第2バッファを含む。第1バッファまたは第2バッファは、第1データ更新手段26Aによって、一方が更新用バッファとして指定され、他方が読出用バッファとして指定される。更新用バッファとして指定されたバッファは、データ更新手段26Aによって、受信したデータに基づいて第1メモリのデータを更新するためのバッファである。読出用バッファとして指定されたバッファは、データ更新手段26Aによって更新されず、たとえば、該バッファに記憶されたデータを外部機器10Aを介してユーザに提供するためのバッファである。
【0077】
第1データ更新手段26Aは、前記第1バッファおよび前記第2バッファのいずれか一方を更新用バッファとし、他方を読出用バッファとして指定し、第1メモリカード20Aから受信したデータに基づいて更新用バッファに記憶されたデータを更新し、データ更新ごとに更新用バッファおよび読出用バッファとして指定するバッファを切り替える。図8に、本実施形態の第1メモリ21Aのダブルバッファ構成についての概略図を示す。たとえば、図8(a)に示すように、第1バッファが読出用バッファとして指定され、また、第2バッファが更新用バッファとして指定される。そして、更新用バッファにおいて、受信したデータに基づいたデータ更新完了後に、図8(b)に示すように、第1バッファが更新用バッファとして指定され、第2バッファが読出用バッファとして指定される。
【0078】
第1判定手段24Aは、第1メモリ21Aに記憶されたデータで更新用バッファとして指定されているバッファに記憶されたデータを更新するか否かを判定する。
【0079】
第1データ送信手段25Aは、第1判定手段24Aによって第1メモリ21Aに記憶されたデータで更新用バッファとして指定されているバッファに記憶されたデータを更新すると判定された場合、第1メモリ21Aに記憶されたデータを第2メモリカード20Bに送信する。
【0080】
以下、図9に示すフローチャートを参照して、データ同期システム4を用いて実施される本実施形態のデータ同期方法を説明する。以下では、第1メモリカード20Aにおいて、接続された第1外部機器10Aからデータを受信した場合であって、第2メモリカード20Bにおいて、最初に第1バッファが読出用バッファとして指定され、第2バッファが更新用バッタとして指定された場合のデータ同期方法を例にとって説明する。なお、図9のフローチャートで示される各処理は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0081】
まず、第1メモリカード20Aにおいて、接続された外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21Aに格納する(ステップS400)。
【0082】
次いで、第1メモリカード20Aにおいて、第2メモリカード20Bとの間で無線通信によるピアツーピア接続をし、無線通信路を確立する(ステップS401)。無線通信路が確立していない場合(ステップS402:No)、ステップS401の処理に戻る。
【0083】
次いで、第1メモリカード20Aにおいて、第2メモリカード20Bと無線通信を用いて通信可能に接続する(ステップS401)。接続が完了していない場合(ステップS402:No)、ステップS401の処理に戻る。
【0084】
無線通信路が確立した場合(ステップS402:Yes)、第2メモリカード20Bは、無線通信路を介して第2メモリ21Bに記憶されたデータのメモリ情報を第1メモリカード20Aに送信し、第1メモリカード20Aは、第2メモリ21Bのデータのメモリ情報を受信する(ステップS403)。
【0085】
第1メモリカード20Aにおいて、第1メモリ21Aに記憶されたデータで更新用バッファとして指定されたバッファに記憶されたデータを更新するか否かを判定する(ステップS404)。たとえば、第1メモリ21Aおよび第2メモリ21Bがそれぞれ保持するメモリ情報に含まれるデータの更新時間などの情報を用いて判定することができる。
【0086】
更新すると判定された場合(ステップS405:No)、第1メモリカード20Aにおいて、第1メモリ21Aに記憶されたデータを第2メモリカード20Bの更新用バッファに送信する(ステップS406)。
【0087】
次いで、第2メモリカード20Bにおいて、第1メモリ21Aからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新する(ステップS407)。
【0088】
更新が完了した場合(ステップS408:Yes)、第2メモリカード20Bにおいて、更新用バッファおよび読出用バッファとして指定するバッファを切り換える(ステップS409)。すなわち、第1バッファが公開用バッファから更新用バッファとして指定され、第2バッファが公開用バッファから更新用バッファとして指定される。
【0089】
ステップS409の処理後、または、ステップS405の処理において、更新しない場合(ステップS405:No)、本処理フローを終了する。
【0090】
以上、本実施形態のデータ同期システム4およびその方法によれば、メモリカードの記憶手段が第1バッファおよび第2バッファを備え、更新完了ごとに各バッファの役割を更新用バッファと公開用バッファとで切り替えることで、メモリカード間の無線通信が切断されてしまっても、一方のバッファに記憶されたデータは保持することができるので、メモリカード内のデータ消失を抑制することができる。
【0091】
なお、第4実施形態では、更新用バッファとして第1バッファまたは第2バッファを一定時間ごとに指定する場合を例にとって説明したが、これに限られず、たとえば、ユーザがメモリカードに書き込み、対となる他方のメモリカードのデータ更新を所望する場合に、他方のメモリカードに接続された外部機器の操作に基づいて、第1バッファまたは第2バッファを更新用バッファとして指定してもよい。
<変形例>
【0092】
以上のように本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるべきものではなく、特許請求の範囲に表現された思想および範囲を逸脱することなく、種々の変形、追加、および省略が当業者によって可能である。
【0093】
たとえば、上記各実施形態では、2つのメモリカード(メモリモジュール)間でデータ同期する場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限られず、複数のメモリカード間でデータ同期することもできる。
【0094】
具体的には、たとえば、図10に示すように、PCに接続されたメモリカードにおいて、PCから受信したデータが書き込まれた場合、無線通信の可能範囲(無線セル)内にある他の複数のメモリカードと通信可能に接続され、他の複数のメモリカードそれぞれにおいてデータ更新を行うシステムを実現できる。この際、他の複数のメモリカードに対して電波による電力供給を行うことで、他の複数のメモリカードが外部機器に接続されていない場合であってもデータ同期することが可能となる。このようなシステムによれば、自動的に無線セル内にあるメモリカードのデータを更新することができるため、従来よりもメモリカードの複製が安易になる。
【0095】
また、他の例として、展示会場やセミナーで電子データを配布したい場合、1つの外部機器からの書き込み可能な複製元のメモリカードと、対となる複製先のメモリカードを複数用意し、複製先のメモリカードを展示会場等の参加者に手渡すことで、電子データをリアルタイムで配布することができる。この場合、複製先同士でデータ更新を行うことで伝搬させることができる。具体的には、複製先のメモリカードにおいて、データ更新が行われた後のメモリに記憶されたデータで他のデータ同期対象のメモリカード内のメモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定し、更新すると判定された場合、自身のメモリに記憶されたデータを他のデータ同期対象のメモリカード内のメモリに送信し、データ更新が伝搬される。これにより、広い展示会場等で、複製元となるメモリカードの無線通信の可能範囲に全ての複製先のメモリカードが存在しなくても、参加者が保有するメモリカードを伝っていき、遠方のメモリカードもデータ更新することができる。また、この際、配布した複製先のメモリカードに「一定時間データ更新が無かった場合、記録データを消去する」などの機構を組み入れておけば、電子データの悪用を防止することができる。
【0096】
さらに、上記各実施形態では、メモリモジュールとしてメモリカードを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られず、たとえば、マルチメディアカードなど他のメモリカードとしての小型カードなどに応用することができる。
【0097】
さらに、上記各実施形態では、対となるメモリカード(メモリモジュール)が同一の構成および機能を有する場合を説明したが、本発明はこれに限られず、複製元のメモリカードと複製先のメモリカードとでそれぞれ必要に応じた手段を備えるようにしてもよい。たとえば、複製先のメモリカードを外部機器よりデータ書き込み可能なメモリカード(親)とし、複製元のメモリカードを外部機器よりデータ書き込み不可能なメモリカード(子)とした場合、第1実施形態の例でいえば、第1メモリカード20A(複製元のメモリカード)は、第1メモリ21A、第1データ格納手段22A、第1確立手段23A、第1判定手段24A、第1データ送受信手段25Aを備え、第2メモリカード20B(複製先のメモリカード)は、第2メモリ21B、第2確立手段23B、データ更新手段26Bを備えればよい。
【0098】
さらに、第1メモリカード20Aおよび第2メモリカード20Bには、用途に応じた各手段がそれぞれ備えられているが、第1メモリカード20Aおよび第2メモリカード20Bに備えられている各手段は、そのいくつかを一纏めにして構成されていてもよいし、一つの手段をさらに複数の手段に分割して構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 データ同期システム、10A 外部機器A、10B 外部機器B、20A メモリカード、20B メモリカード、21A 第1記憶手段、21B 第2記憶手段、22A 第1データ書き込み手段、22B 第2データ書き込み手段、23A 第1接続手段、
23B 第2接続手段、24A 第1判定手段、24B 第2判定手段、25A 第1データ送受信手段、25B 第2データ送受信手段、26A 第1データ更新手段、26B 第2データ更新手段、27A 第1データ読取手段、27B 第2データ読取手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ同期システム、メモリモジュールおよびデータ同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、あるメモリモジュール(たとえば、SDカードなどの小型のメモリカード)に記憶されたデータを、他のメモリカードに記憶されたデータと同期(共有)しようとした場合、情報処理装置を介してデータを同期する方法が一般的に用いられている。具体的には、複製元のメモリカードや複製先のメモリカードを情報処理装置のインタフェーススロットに挿入し、複製元のメモリカードに記憶されたデータを、一旦、情報処理装置に記憶させ、該情報処理装置に記憶したデータを複製先のメモリカードに複製してデータを同期する方法である。
【0003】
また、メモリカードを情報処理装置のインタフェーススロットに挿入する以外にも、特許文献1に記載の技術のように、ICカード(メモリカード)に無線機能を搭載し、ICカードと情報処理装置とを無線通信によってデータ通信する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−91984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のデータ同期方法は、メモリカード間でデータを同期しようとした場合に、情報処理装置を介してデータ通信する構成が前提となっていたため、情報処理装置が無いとメモリカード間でデータ同期することができないという問題点があった。
【0006】
また、たとえ情報処理装置があっても、メモリカードごとに情報処理装置に対する種々の設定をユーザは気にしなければならず、利便性を欠いてしまう場合が多い。
【0007】
特に、メモリカードに無線機能を搭載し、メモリカードと情報処理装置とを無線通信によりデータ通信する方法では、全てのメモリカードが情報処理装置との間で無線通信可能な範囲内にあるときにしかデータ同期を実施できず、利便性を欠いてしまうという問題点が顕著になる。
【0008】
したがって、上記問題点を解決し、メモリカード間で直接データを同期することができる新しいデータ同期システム、データ同期方法およびメモリモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によるデータ同期システムは、第1メモリを有する第1メモリモジュール、および第2メモリを有する第2メモリモジュールを備え、第1メモリと第2メモリとに記憶されたデータを同期させるデータ同期システムである。第1メモリモジュールは、該第1メモリモジュールに接続された第1外部機器から受信したデータを第1メモリに格納する第1データ格納手段と、第2メモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立する第1確立手段と、無線通信路を介して第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて第1メモリに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する第1判定手段と、第1判定手段によって第1メモリに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、無線通信路を介して第1メモリに記憶されたデータを第2メモリモジュールに送信する第1データ送信手段と、を備える。また、第2メモリモジュールは、第1メモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立する第2確立手段と、無線通信路を介して第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を第1メモリモジュールに送信するメモリ情報送信手段と、無線通信路を介して第1メモリモジュールの第1データ送信手段からデータを受信し、該受信したデータに基づいて第2メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、第2メモリに記憶されたデータを読み出すデータ読出手段と、を備える。
【0010】
また、第1メモリモジュールは、無線通信路を介して第1メモリに記憶されたデータのメモリ情報を第2メモリモジュールに送信するメモリ情報送信手段と、無線通信路を介して第2メモリモジュールからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第1メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、第1メモリに記憶されたデータを読み出す読出手段と、第1データ格納手段による第1メモリへのデータの格納をプロテクトする第1プロテクト手段と、をさらに備えることができる。一方、第2メモリモジュールは、該第2メモリモジュールに接続された第2外部機器から受信したデータを格納する第2データ格納手段と、無線通信路を介して第1メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて第2メモリに記憶されたデータで第1メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する第2判定手段と、判定手段によって第2メモリに記憶されたデータで第1メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、無線通信路を介して第2メモリに記憶されたデータを第1メモリモジュールに送信する第2データ送信手段と、第2データ格納手段による第2メモリへのデータの格納をプロテクトする第2プロテクト手段と、をさらに備えることができる。そして、上記第1データ格納手段は、第1外部機器からデータを受信した場合、第2プロテクト手段にプロテクトを実行させるプロテクト設定通知を第2メモリモジュールに送信し、第2メモリモジュールからプロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、第1外部機器から受信したデータを第1メモリに格納する。また、上記第2データ格納手段は、第2外部機器からデータを受信した場合、第1プロテクト手段にプロテクトを実行させるプロテクト設定通知を第1メモリモジュールに送信し、第1メモリモジュールからプロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、第2外部機器から受信したデータを第2メモリに格納する。
【0011】
さらに、第2メモリモジュールは、該第2メモリモジュールに接続された第2外部機器から受信したデータを格納する第2データ格納手段と、第2データ格納手段による第2メモリへのデータの格納をプロテクトする第2プロテクト手段とをさらに備えることもできる。第1データ格納手段は、第1外部機器からデータを受信した場合、第2プロテクト手段にプロテクトを実行させるプロテクト設定通知を第2メモリモジュールに送信し、第2メモリモジュールからプロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、第1外部機器から受信したデータを第1メモリに格納する。
【0012】
さらに、第1メモリは、データ格納バッファおよびデータ同期バッファを備え、第1データ格納手段は、データ格納バッファに第1外部機器から受信したデータを格納する手段、およびデータ格納バッファのデータを所定のタイミングでデータ同期バッファに複製する手段を備えることもできる。第1判定手段は、データ同期バッファに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定し、第1データ送信手段は、第1判定手段によってデータ同期バッファに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、データ同期バッファに記憶されたデータを第2メモリモジュールに送信する。
【0013】
さらに、第2メモリは、第1バッファおよび第2バッファを備え、データ更新手段は、第1バッファおよび第2バッファのいずれか一方を更新用バッファとし、他方を読出用バッファとして指定する手段と、第1データ送信手段から受信したデータに基づいて更新用バッファに記憶されたデータを更新する手段と、前記データ更新ごとに更新用バッファおよび読出用バッファとして指定するバッファを切り替える手段とを備えることもできる。第1判定手段は、第1メモリに記憶されたデータで更新用バッファとして指定されているバッファに記憶されたデータを更新するか否かを判定し、第1データ送信手段は、第1判定手段によって第1メモリに記憶されたデータで更新用バッファとして指定されているバッファに記憶されたデータを更新すると判定された場合、第1メモリに記憶されたデータを前記第2メモリモジュールに送信する。
【0014】
さらに、第2メモリモジュールを複数有していてもよい。
【0015】
さらに、前記複数の第2メモリモジュールそれぞれは、無線通信路を介して他の第2メモリモジュールの他の第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて自身の第2メモリに記憶されたデータで他の第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する第2判定手段と、第2判定手段によって自身の第2メモリに記憶されたデータで他の第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、無線通信路を介して自身の第2メモリに記憶されたデータを他の第2メモリモジュールに送信する第2データ送信手段と、を備えることもできる。第2確立手段は、他の第2メモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立し、メモリ情報送信手段は、無線通信路を介して前記自身の第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を他の第2メモリモジュールに送信し、データ更新手段は、無線通信路を介して第2メモリモジュールの第2データ送信手段からデータを受信し、該受信したデータに基づいて自身の第2メモリに記憶されたデータを更新する。
【0016】
本発明の一態様によるメモリモジュールは、データを記憶する第1メモリと、外部機器から受信したデータを第1メモリに格納するデータ格納手段と、データ同期対象のメモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立する確立手段と、無線通信路を介してデータ同期対象のメモリモジュールの第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて第1メモリに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する判定手段と、判定手段によって更新すると判定された場合、無線通信路を介して第1メモリに記憶されたデータをデータ同期対象のメモリモジュールに送信するデータ送信手段と、無線通信路を介してデータ同期対象のメモリモジュールからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第1メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、を備える。
【0017】
本発明の一態様によるデータ同期方法は、第1メモリを有する第1メモリモジュール、および第2メモリを有する第2メモリモジュールを含み、第1メモリと第2メモリとに記憶されたデータを同期させるデータ同期方法であって、第1メモリモジュールが、該メモリモジュールに接続された第1外部機器から受信したデータを第1メモリに格納する段階と、第1メモリモジュールと第2メモリモジュールとが、無線通信による接続をし、無線通信路を確立する段階と、第2メモリモジュールが、無線通信路を介して第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を第1メモリモジュールに送信する段階と、第1メモリモジュールが、メモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて第1メモリに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する段階と、第1メモリモジュールが、第1メモリに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、無線通信路を介して第1メモリに記憶されたデータを第2メモリモジュールに送信する段階と、無線通信路を介して第2メモリモジュールが、第1メモリから受信したデータに基づいて第2メモリに記憶されたデータを更新する段階と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態のデータ同期システム1の概略構成の一例を示す図である。
【図2】第1実施形態のデータ同期方法の処理内容を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態の応用例を示す図である。
【図4】第2実施形態のデータ同期システム2の概略構成の一例を示す図である。
【図5】第2実施形態のデータ同期方法の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態の第1メモリ21Aについて説明するための図である。
【図7】第3実施形態のデータ同期方法3の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】第4実施形態の第2メモリ21Bについて説明するための図である。
【図9】第4実施形態のデータ同期方法4の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態の応用例を示す図である。
【図11】本実施形態の応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための好適な各実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態では、2つの対となるメモリモジュール間でデータ同期する場合を例にとって説明するものとし、また、メモリモジュールの一例としてメモリカード(たとえば、SDメモリカード(登録商標)などの小型カード)を用いるものとする。
<第1実施形態>
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態のデータ同期システム1の概略構成の一例を示す図である。
【0021】
データ同期システム1は、図1に示すとおり、第1外部機器10A、第2外部機器10B、および1対の第1メモリカード20Aおよび第2メモリカード20Bを有する。
【0022】
第1外部機器10Aは、第1メモリカード20Aを接続するカードスロットを有し、該カードスロットに接続された第1メモリカード20Aに含まれる第1メモリ(第1記憶手段)からデータを読み込む読込手段と、該第1メモリにデータを書き込む書込手段とを備える。第2外部機器10Bは、第1外部機器10Aと同様に、第2メモリカード20Bを接続するカードスロットを有し、該カードスロットに接続された第2メモリカード20Bに含まれる第2メモリ(第2記憶手段)からデータを読み込む読込手段と、該第2メモリにデータを書き込む書込手段とを備える。第1外部機器10Aおよび第2外部機器10Bは、それぞれ接続された第1メモリカード20Aおよび第2メモリカード20Bに対してデータ書き込みや無線通信に必要な電力を供給する。なお、第1外部機器10Aおよび第2外部機器10Bは、メモリカードのデータを読み書き可能な一般的な機器(たとえば、デジタルカメラ、携帯電話、プリンタ装置、またはコンピュータなど)とすることができるので、その構成および機能の詳細な説明は省略する。
【0023】
本実施形態における第1メモリカード20Aと第2メモリカード20Bは、同様の構成および機能を相互に備えることができるので、以下では、第1メモリカード20Aの構成および機能について説明し、第2メモリカード20Bの説明は省略する。
【0024】
第1メモリカード20A(第1記憶媒体)は、図1に示すとおり、第1メモリ21A、第1データ格納手段22A、第1確立手段23A、第1判定手段24A、第1データ送受信手段25A、第1データ更新手段26A、および第1データ読込手段27Aを備える。第1データ格納手段22A、第1確立手段23A、第1判定手段24A、および第1データ送受信手段25Aは、第1メモリカード20Aが複製元のメモリカードとなる場合に用いられる機能であって、また、第1確立手段23A、第1データ送受信手段25A、第1データ更新手段26A、および第1データ読込手段27Aは、第1メモリカード20Aが複製先のメモリカードとなる場合に用いられる機能である。なお、上記各手段は、メモリカードに搭載されるコントローラ(処理回路)により実現される。また、第1メモリカード20Aの規格・形状は、従来から存在するメモリカードの規格・形状に準ずるものとすることができる。
【0025】
第1メモリ21Aは、データを記憶するメモリであって、たとえば、不揮発性のフラッシュメモリである。第1メモリ21Aは、第1データ格納手段22Aによってデータが格納される。なお、第1メモリ21Aは、第1メモリカード20Aと対になる第2メモリカード20Bとの無線通信を行うための種々のデータを予め記憶する。
【0026】
第1データ格納手段22Aは、第1メモリカード20Aに接続された第1外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21Aに格納する。すなわち、第1データ格納手段22Aは、第1外部機器10Aからデータの書き込み命令(WRITE命令)を受信し、第1外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21Aに格納する。なお、第1データ格納手段22Aは、たとえば、データの格納を実行した時刻(データ更新時間)の情報をメモリ情報として第1メモリ21Aに記憶することができる。
【0027】
第1確立手段23Aは、第2メモリカード20Bとの間で無線通信によるピアツーピア接続をし、無線通信路を確立するものであって、第2メモリカード20Bの第2確立手段23Bとの間でピアツーピア接続に必要なデータ通信を相互に行う。具体的には、第1確立手段23Aは、たとえば、第1データ格納手段22Aによって第1メモリ21Aにデータの格納が行われたことをトリガとして、第2確立手段23Bとの間でピアツーピア接続するための接続信号を第1メモリカード20Aの周囲に向けて発信する。そして、無線通信が可能な範囲に第2メモリカード20Bが存在する場合、第2メモリカード20Bの第2確立手段23Bが接続信号を受信し、その応答信号を第1メモリカード20Aに対して発信する。そして、第1確立手段23Aは、応答信号を受信し、該応答信号が第2メモリカード20Bのものであるかの認証を行う。また、第1確立手段23は、接続の際、第2確立手段23Bと暗号鍵を交換することもできる。なお、第1確立手段23と第2確立手段23Bとの間での無線通信路の確立には、従来の無線通信技術(たとえば、IEEE802.11などの標準化された技術)を用いて実現することができるので、詳細な説明は省略する。
【0028】
第1判定手段24Aは、第2メモリカード20Bから受信したメモリ情報に基づいて第1メモリ21Aに記憶されたデータで第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新するか否かを判定する。具体的には、第1判定手段24Aは、上記受信したメモリ情報に含まれる第2メモリのデータの更新時間と、第1メモリ21Aのデータの更新時間とを比較し、第1メモリ21Aのデータの更新時間が第2メモリ21Bのデータの更新時間より最近のものであれば、第2メモリ21Bのデータを更新すると判定する。なお、第1判定手段24Aは、メモリ情報としてデータの更新時間を用いる場合に限られず、たとえば、チェックサム値などを用いてもよい。
【0029】
第1データ送受信手段25Aは、無線通信路を介して第2メモリカード20Bの第2データ送受信手段25Bとの間でデータの送受信を行うものである。第1データ送受信手段25Aは、第1判定手段24Aによって第1メモリ21Aに記憶されたデータで第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新すると判定された場合、第1メモリ21Aに記憶されたデータを第2メモリカード20Bに送信するデータ送信手段として機能し、また、第1外部機器10Aから送信されたデータ、および第2メモリカード20Bのデータ送受信手段25Bから送信されたデータを受信するデータ受信手段として機能する。
【0030】
第1データ更新手段26Aは、第2メモリカード20Bの第2データ送受信手段25Bからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第1メモリ21Aに記憶されたデータを更新する。第1データ更新手段26Aは、たとえば、全データを書き換えることによってデータ更新してもよいし、または、データ変更があった箇所のみデータ更新してもよい。
【0031】
第1データ読込手段27Aは、第1メモリカード20Aに接続された第1外部機器10Aからデータ読み込みの指令を受けて、該当するデータを第1メモリ21Aから取得して、第1外部機器10Aに送る。
【0032】
以下、図2に示すフローチャートを参照して、データ同期システム1を用いて実施される本実施形態のデータ同期方法を説明する。以下では、第1メモリカード20Aにおいて、接続された第1外部機器10Aからデータを受信した場合を例にとって説明する。なお、図2のフローチャートで示される各処理は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0033】
まず、第1メモリカード20Aにおいて、接続された第1外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21Aに格納する(ステップS100)。第1メモリカード20Aは、同時に、データを格納した時刻情報(データ更新時間)をメモリ情報の1つとして第1メモリ21Aに記憶する。なお、時刻情報は、第1外部機器10Aから取得することができる。
【0034】
次いで、第1メモリカード20Aにおいて、第2メモリカード20Bとの間で無線通信によるピアツーピア接続をし、無線通信路を確立する(ステップS101)。具体的には、第1メモリカード20Aは、第1メモリ21Aにデータの格納が行われたことをトリガとして、第2メモリカード20Bとピアツーピア接続するための接続信号を第1メモリカード20Aの周囲に向けて発信し、第2メモリカード20Bからの応答信号を受信することで、無線通信路の確立を行うことができる。無線通信路が確立していない場合(ステップS102:No)、ステップS101の処理に戻る。
【0035】
無線通信路が確立した場合(ステップS102:Yes)、第2メモリカード20Bは、無線通信路を介して第2メモリ21Bに記憶されたデータのメモリ情報を第1メモリカード20Aに送信し、第1メモリカード20Aは、第2メモリ21Bのデータのメモリ情報を受信する(ステップS103)。
【0036】
第1メモリカード20Aにおいて、第1メモリ21Aに記憶されたデータで第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新するか否かを判定する(ステップS104)。たとえば、第1メモリ21Aおよび第2メモリ21Bがそれぞれ保持するメモリ情報に含まれるデータの更新時間などの情報を用いて判定することができる。
【0037】
更新すると判定された場合(ステップS105:Yes)、第1メモリカード20Aにおいて、第1メモリ21Aに記憶されたデータを第2メモリカード20Bに送信する(ステップS106)。たとえば、第1メモリ21Aのデータのメモリ情報に含まれるデータ更新時間が、第2メモリ21Bのデータのメモリ情報に含まれるデータ更新時間より最近のものである場合に、第1メモリカード20Aにおいて、第1メモリ21Aに記憶されたデータを第2メモリカード20Bに送信する。
【0038】
次いで、第2メモリカード20Bにおいて、第1メモリ21Aからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新し(ステップS107)、ステップS103の処理に移る。なお、第2メモリカード20Bは、同時に、データを格納した時刻情報も合わせて第2メモリ21Bに記憶する。なお、時刻情報は、第2外部機器10Bから取得することができる。
【0039】
また、ステップS105の処理において、更新しないと判定された場合(ステップS105:No)、本処理フローを終了する。
【0040】
以上、第1実施形態のデータ同期システムおよびデータ同期方法によれば、データ同期するメモリカード(メモリモジュール)それぞれに無線通信によるピアツーピア接続し、無線通信路を確立する確立手段を備え、1つのメモリカードのメモリにデータが格納されることをトリガとして、自動的に対となる他のメモリカードのデータを更新することができ、情報処理装置を介さなくてもデータ同期することができる。その結果、従来のデータ同期システムおよびデータ同期方法と比較して、使用者に対する理解・設定・操作などの要求が少なく、利便性が向上する。
【0041】
なお、第1実施形態のデータ同期システムの1つの実施例として、たとえば、図3に示すように、対となるメモリカードのうち一方をデジタルカメラに接続し、他方をプリンタ装置に接続する。この場合、デジタルカメラで撮影が行われてメモリカードにデータが格納されると、このデータの格納をトリガとして、自動的に対となるプリンタ装置に接続されたメモリカードのメモリにおけるデータを更新し、プリンタ装置においてメモリカード内のデータ変化を検出して撮影画像を逐一印刷実行することができる。特に、結婚式のなどのように、撮影した画像を出席者に即座に手渡したいケースで有効である。
<第2実施形態>
【0042】
以下、本発明の第2実施形態のデータ同期システム2について説明する。図4は、第2実施形態のデータ同期システム2の概略構成の一例を示す図である。
【0043】
上記第1実施形態は、2つの対となった第1メモリカード20Aおよび第2メモリカード20B間でデータを同期する前に、たとえば、第1メモリカード20Aおよび第2メモリカード20Bにおいてそれぞれデータの書き込みが行われると、データ同期する際、いずれかのメモリカードでメモリに書き込まれるデータを消失してしまうおそれがある。そこで、第2実施形態のデータ同期システム2は、一方のメモリカードにデータの書き込みがあった場合、他方のメモリカードでのデータの書き込みをプロテクトすることで、データの書き込みが同時に行われないようにすることを目的としている。
【0044】
なお、データ同期システム2を構成する各手段において、第1実施形態のデータ同期システム1の構成と共通にすることができる手段は、その説明を省略する。また、第1メモリカード20A'と第2メモリカード20B'は、同様の構成および機能とすることができるので、以下では、第1メモリカード20A'の構成および機能について説明する。
【0045】
第1データ格納手段22A'は、第1外部機器10Aからデータを受信した場合、第2メモリカード20B'に向けてプロテクト設定通知(ロック命令)を送信し、第2メモリカード20B'からプロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、第1外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21A'に格納する。
【0046】
第1プロテクト手段28Aは、第1メモリ21Aへのデータの格納をプロテクトする。具体的には、第2メモリカード20Bからプロテクト設定通知を受信した場合、第1メモリ21Aへのデータの格納をプロテクトする。また、該プロテクトした後に第1メモリカード20Aに向けて応答通知を送信し、第1データ更新手段26Aによってデータ更新した後にプロテクトを解除する。すなわち、プロテクト手段28Aは、第1メモリ21Aに格納されたデータと第2メモリ21Bに格納されたデータとが一致するまで、プロテクト設定を解除せず、その間、第1メモリカード20Aに接続された第1外部機器10Aに対して「ライトプロテクト」として振る舞う。
【0047】
以下、図5に示すフローチャートを参照して、データ同期システム2を用いて実施される本実施形態のデータ同期方法を説明する。以下では、第1メモリカード20Aにおいて、接続された第1外部機器10Aからデータを受信した場合のデータ同期方法を例にとって説明する。なお、図5のフローチャートで示される各処理は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0048】
まず、第1メモリカード20Aにおいて、第1外部機器10Aからデータを受信する(ステップS200)。
【0049】
次いで、第1メモリカード20Aにおいて、第2メモリカード20Bとの間で無線通信によるピアツーピア接続をし、無線通信路を確立する(ステップS201)。具体的には、第1メモリカード20Aは、第1メモリ21Aにデータの受信が行われたことをトリガとして、第2メモリカード20Bとピアツーピア接続するための接続信号を第1メモリカード20Aの周囲に向けて発信し、第2メモリカード20Bからの応答信号を受信することで、無線通信路の確立を行うことができる。無線通信路が確立していない場合(ステップS202:No)、ステップS201の処理に戻る。
【0050】
無線通信路が確立した場合(ステップS202:Yes)、第1メモリカード20Aにおいて、メモリカード20Bに向けてプロテクト設定通知を送信する(ステップS203)。
【0051】
次いで、メモリカード20Bにおいて、プロテクト設定通知を受信してプロテクト設定を実行し、プロテクト設定通知に対する応答通知をメモリカード20Aに対して送信する(ステップS204)。メモリカード20Bにおいて、プロテクト設定されている間、メモリカード20Bに接続された第2外部機器10Bからのデータ書き込みが禁止される(「ライトプロテクト」)。
【0052】
メモリカード20Aにおいて、応答通知を受信した場合(ステップS205:Yes)、第1外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21Aに格納する(ステップS206)。
【0053】
次に、ステップS207以降の処理に移るが、ステップS207〜S211の処理は、図2に示す第1実施形態のデータ同期方法のフローにおけるステップS103〜S107の処理と同様とすることができるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0054】
ステップS211の処理の後、メモリカード20Bにおいて、プロテクト設定を解除する(ステップS211)。
【0055】
以上、第2実施形態のデータ同期システムによれば、外部機器からデータを受信して書き込みを指示されたメモリカードは、対となる他のメモリカードに対してプロテクト設定通知を送信し、他のメモリカードでの外部機器によるデータの書き込みを禁止する。したがって、対となるメモリカードにおいて、同時にデータの書き込みが行われないようになり、データを同期する際において、外部機器によるいずれかのメモリカードに書き込まれたデータが消失するのを防ぐことができる。
【0056】
なお、第2実施形態のデータ同期システムでは、第1外部機器10Aよりデータを受信した場合にプロテクト設定通知を送信する場合を例にとって説明したが、これに限られず、たとえば、ユーザがメモリカードに書き込みを所望する場合に、該書き込みしないメモリカードを該メモリカードに接続された外部機器からユーザがプロテクト設定してもよい。または、書き込み禁止のための物理的なスイッチをメモリカードに設けても良い。
<第3実施形態>
【0057】
以下、本発明の第3実施形態のデータ同期システム3について説明する。
【0058】
外部機器によるメモリカードへのデータの書き込みは、たとえば、単一の書き込み命令(WRITE命令)ではなく、複数の書き込み命令によって構成されうる。この場合、データの書き込み命令を受けるごとに、逐一、対となる他のメモリカードにデータを送信していたのでは、スループットに多大な影響を与えてしまうこととなる。そこで、第3実施形態のデータ同期システムでは、メモリカード内のメモリをデータ更新バッファと、データ同期バッファとのダブルバッファ構成とし、スループットに与える影響を抑制することを目的としている。
【0059】
なお、データ同期システム3を構成する各手段において、第1実施形態のデータ同期システム1の構成と共通にすることができる手段は、その説明を省略する。また、メモリカード20Aとメモリカード20Bは、同様の構成および機能とすることができるので、以下では、メモリカード20Aの構成および機能について説明する。
【0060】
第1メモリ21Aは、データ更新用バッファおよびデータ同期バッファを含む。データ更新用バッファは、第1データ格納手段22Aによって、受信したデータをメモリに格納するためのバッファである。データ同期バッファは、第1判定手段24Aによって、該データ同期バッファに記憶されたデータが、第2メモリカード20Bに含まれる第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新するか否かを判定するためのバッファである。
【0061】
第1データ格納手段22Aは、データ格納バッファに第1外部機器10Aから受信したデータを格納し、データ格納バッファのデータを所定のタイミングでデータ同期バッファに複製する。図6に、本実施形態の第1メモリ21A'のダブルバッファ構成についての概略図を示す。たとえば、書き込み命令を受信して、データ更新バッファにデータを格納する様子を図6(a)に示し、データ更新バッファのデータをデータ同期バッファに複製する様子を図6(b)に示す。ここで、所定のタイミングとは、たとえば、一定時間、外部機器よりデータの書き込み命令を受信しないタイミングである。なお、所定のタイミングは、上記タイミングに限られず、たとえば、ユーザ指示によるタイミングであってもよい。
【0062】
第1判定手段24Aは、データ同期バッファに記憶されたデータで第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新するか否かを判定する。
【0063】
データ送受信手段25Aは、第1判定手段24Aによってデータ同期バッファに記憶されたデータで第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新すると判定された場合、データ同期バッファに記憶されたデータを第2メモリカード20Bに送信する。
【0064】
以下、図7に示すフローチャートを参照して、データ同期システム3を用いて実施される本実施形態のデータ同期方法を説明する。以下では、第1メモリカード20Aにおいて、接続された外部機器10Aからデータを受信した場合のデータ同期方法を例にとって説明する。なお、図7のフローチャートで示される各処理は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0065】
まず、メモリカード20Aにおいて、外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21Aのデータ更新バッファに格納する(ステップS300)。
【0066】
次いで、第1メモリカード20Aにおいて、メモリカード20Bとの間で無線通信によるピアツーピア接続をし、無線通信路を確立する(ステップS301)。無線通信路が確立していない場合(ステップS302:No)、ステップS301の処理に戻る。
【0067】
無線通信路が確立している場合(ステップS302:Yes)、第2メモリカード20Bは、無線通信路を介して第2メモリ21Bに記憶されたデータのメモリ情報を第1メモリカード20Aに送信し、第1メモリカード20Aは、第2メモリ21Bのデータのメモリ情報を受信する(ステップS303)。
【0068】
第1メモリカード20Aにおいて、データ同期バッファに記憶されたデータで第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新するか否かを判定する(ステップS304)。
【0069】
更新すると判定された場合(ステップS305:Yes)、第1メモリカード20Aにおいて、第1メモリ21Aのデータ同期バッファに記憶されたデータを第2メモリカード20Bに送信する(ステップS306)。
【0070】
第2メモリカード20Bにおいて、受信したデータに基づいて第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新する(ステップS307)。次いで、ステップS304の処理に移る。
【0071】
また、ステップS305の処理において、更新しない場合であって(ステップS305:No)、第1メモリカード20Aにおいて、一定時間、外部機器からの書き込み命令が無い場合(ステップS308:Yes)、データ格納バッファのデータをデータ同期バッファに複製し(ステップS309)、データ格納バッファとデータ同期バッファとに記憶されるデータを一致させる。ステップS309の処理の後、または、外部機器からの書き込み命令がある場合(ステップS308:No)、ステップS304の処理に移る。
【0072】
以上、第3実施形態のデータ同期システム3およびその方法によれば、メモリカードのメモリがデータ格納バッファおよびデータ同期バッファを備え、該外部機器から受信したデータをデータ格納バッファに格納し、他のメモリカードとの間でのデータ同期をデータ同期バッファで行うことで、データ同期の際にデータ格納の影響を受けないため、データ更新が頻発して行われることを抑制し、スループットに与える影響を抑制することができる。
<第4実施形態>
【0073】
以下、本発明の第4実施形態のデータ同期システム4について説明する。
【0074】
上記実施形態で用いる無線通信は、たとえば、外部機器の移動などの要因によって、メモリカード間の無線通信が切断されてしまうおそれがあり、これがメモリカード間におけるデータ送受信中に発生してしまうと、メモリカード内のデータ消失につながってしまうおそれがある。これを防ぐため、第4実施形態のデータ同期システム4は、メモリカード内の記憶手段を「読出用」と「更新用」のダブルバッファ構成とし、メモリカード内のデータ消失を抑制することを目的としている。
【0075】
なお、データ同期システム4を構成する各手段において、第1実施形態のデータ同期システム1の構成と共通にすることができる手段は、その説明を省略する。また、第1メモリカード20Aと第2メモリカード20Bは、同様の構成および機能とすることができるので、以下では、第1メモリカード20Aの構成および機能について説明する。
【0076】
第1メモリ21Aは、第1バッファおよび第2バッファを含む。第1バッファまたは第2バッファは、第1データ更新手段26Aによって、一方が更新用バッファとして指定され、他方が読出用バッファとして指定される。更新用バッファとして指定されたバッファは、データ更新手段26Aによって、受信したデータに基づいて第1メモリのデータを更新するためのバッファである。読出用バッファとして指定されたバッファは、データ更新手段26Aによって更新されず、たとえば、該バッファに記憶されたデータを外部機器10Aを介してユーザに提供するためのバッファである。
【0077】
第1データ更新手段26Aは、前記第1バッファおよび前記第2バッファのいずれか一方を更新用バッファとし、他方を読出用バッファとして指定し、第1メモリカード20Aから受信したデータに基づいて更新用バッファに記憶されたデータを更新し、データ更新ごとに更新用バッファおよび読出用バッファとして指定するバッファを切り替える。図8に、本実施形態の第1メモリ21Aのダブルバッファ構成についての概略図を示す。たとえば、図8(a)に示すように、第1バッファが読出用バッファとして指定され、また、第2バッファが更新用バッファとして指定される。そして、更新用バッファにおいて、受信したデータに基づいたデータ更新完了後に、図8(b)に示すように、第1バッファが更新用バッファとして指定され、第2バッファが読出用バッファとして指定される。
【0078】
第1判定手段24Aは、第1メモリ21Aに記憶されたデータで更新用バッファとして指定されているバッファに記憶されたデータを更新するか否かを判定する。
【0079】
第1データ送信手段25Aは、第1判定手段24Aによって第1メモリ21Aに記憶されたデータで更新用バッファとして指定されているバッファに記憶されたデータを更新すると判定された場合、第1メモリ21Aに記憶されたデータを第2メモリカード20Bに送信する。
【0080】
以下、図9に示すフローチャートを参照して、データ同期システム4を用いて実施される本実施形態のデータ同期方法を説明する。以下では、第1メモリカード20Aにおいて、接続された第1外部機器10Aからデータを受信した場合であって、第2メモリカード20Bにおいて、最初に第1バッファが読出用バッファとして指定され、第2バッファが更新用バッタとして指定された場合のデータ同期方法を例にとって説明する。なお、図9のフローチャートで示される各処理は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0081】
まず、第1メモリカード20Aにおいて、接続された外部機器10Aから受信したデータを第1メモリ21Aに格納する(ステップS400)。
【0082】
次いで、第1メモリカード20Aにおいて、第2メモリカード20Bとの間で無線通信によるピアツーピア接続をし、無線通信路を確立する(ステップS401)。無線通信路が確立していない場合(ステップS402:No)、ステップS401の処理に戻る。
【0083】
次いで、第1メモリカード20Aにおいて、第2メモリカード20Bと無線通信を用いて通信可能に接続する(ステップS401)。接続が完了していない場合(ステップS402:No)、ステップS401の処理に戻る。
【0084】
無線通信路が確立した場合(ステップS402:Yes)、第2メモリカード20Bは、無線通信路を介して第2メモリ21Bに記憶されたデータのメモリ情報を第1メモリカード20Aに送信し、第1メモリカード20Aは、第2メモリ21Bのデータのメモリ情報を受信する(ステップS403)。
【0085】
第1メモリカード20Aにおいて、第1メモリ21Aに記憶されたデータで更新用バッファとして指定されたバッファに記憶されたデータを更新するか否かを判定する(ステップS404)。たとえば、第1メモリ21Aおよび第2メモリ21Bがそれぞれ保持するメモリ情報に含まれるデータの更新時間などの情報を用いて判定することができる。
【0086】
更新すると判定された場合(ステップS405:No)、第1メモリカード20Aにおいて、第1メモリ21Aに記憶されたデータを第2メモリカード20Bの更新用バッファに送信する(ステップS406)。
【0087】
次いで、第2メモリカード20Bにおいて、第1メモリ21Aからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第2メモリ21Bに記憶されたデータを更新する(ステップS407)。
【0088】
更新が完了した場合(ステップS408:Yes)、第2メモリカード20Bにおいて、更新用バッファおよび読出用バッファとして指定するバッファを切り換える(ステップS409)。すなわち、第1バッファが公開用バッファから更新用バッファとして指定され、第2バッファが公開用バッファから更新用バッファとして指定される。
【0089】
ステップS409の処理後、または、ステップS405の処理において、更新しない場合(ステップS405:No)、本処理フローを終了する。
【0090】
以上、本実施形態のデータ同期システム4およびその方法によれば、メモリカードの記憶手段が第1バッファおよび第2バッファを備え、更新完了ごとに各バッファの役割を更新用バッファと公開用バッファとで切り替えることで、メモリカード間の無線通信が切断されてしまっても、一方のバッファに記憶されたデータは保持することができるので、メモリカード内のデータ消失を抑制することができる。
【0091】
なお、第4実施形態では、更新用バッファとして第1バッファまたは第2バッファを一定時間ごとに指定する場合を例にとって説明したが、これに限られず、たとえば、ユーザがメモリカードに書き込み、対となる他方のメモリカードのデータ更新を所望する場合に、他方のメモリカードに接続された外部機器の操作に基づいて、第1バッファまたは第2バッファを更新用バッファとして指定してもよい。
<変形例>
【0092】
以上のように本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるべきものではなく、特許請求の範囲に表現された思想および範囲を逸脱することなく、種々の変形、追加、および省略が当業者によって可能である。
【0093】
たとえば、上記各実施形態では、2つのメモリカード(メモリモジュール)間でデータ同期する場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限られず、複数のメモリカード間でデータ同期することもできる。
【0094】
具体的には、たとえば、図10に示すように、PCに接続されたメモリカードにおいて、PCから受信したデータが書き込まれた場合、無線通信の可能範囲(無線セル)内にある他の複数のメモリカードと通信可能に接続され、他の複数のメモリカードそれぞれにおいてデータ更新を行うシステムを実現できる。この際、他の複数のメモリカードに対して電波による電力供給を行うことで、他の複数のメモリカードが外部機器に接続されていない場合であってもデータ同期することが可能となる。このようなシステムによれば、自動的に無線セル内にあるメモリカードのデータを更新することができるため、従来よりもメモリカードの複製が安易になる。
【0095】
また、他の例として、展示会場やセミナーで電子データを配布したい場合、1つの外部機器からの書き込み可能な複製元のメモリカードと、対となる複製先のメモリカードを複数用意し、複製先のメモリカードを展示会場等の参加者に手渡すことで、電子データをリアルタイムで配布することができる。この場合、複製先同士でデータ更新を行うことで伝搬させることができる。具体的には、複製先のメモリカードにおいて、データ更新が行われた後のメモリに記憶されたデータで他のデータ同期対象のメモリカード内のメモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定し、更新すると判定された場合、自身のメモリに記憶されたデータを他のデータ同期対象のメモリカード内のメモリに送信し、データ更新が伝搬される。これにより、広い展示会場等で、複製元となるメモリカードの無線通信の可能範囲に全ての複製先のメモリカードが存在しなくても、参加者が保有するメモリカードを伝っていき、遠方のメモリカードもデータ更新することができる。また、この際、配布した複製先のメモリカードに「一定時間データ更新が無かった場合、記録データを消去する」などの機構を組み入れておけば、電子データの悪用を防止することができる。
【0096】
さらに、上記各実施形態では、メモリモジュールとしてメモリカードを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られず、たとえば、マルチメディアカードなど他のメモリカードとしての小型カードなどに応用することができる。
【0097】
さらに、上記各実施形態では、対となるメモリカード(メモリモジュール)が同一の構成および機能を有する場合を説明したが、本発明はこれに限られず、複製元のメモリカードと複製先のメモリカードとでそれぞれ必要に応じた手段を備えるようにしてもよい。たとえば、複製先のメモリカードを外部機器よりデータ書き込み可能なメモリカード(親)とし、複製元のメモリカードを外部機器よりデータ書き込み不可能なメモリカード(子)とした場合、第1実施形態の例でいえば、第1メモリカード20A(複製元のメモリカード)は、第1メモリ21A、第1データ格納手段22A、第1確立手段23A、第1判定手段24A、第1データ送受信手段25Aを備え、第2メモリカード20B(複製先のメモリカード)は、第2メモリ21B、第2確立手段23B、データ更新手段26Bを備えればよい。
【0098】
さらに、第1メモリカード20Aおよび第2メモリカード20Bには、用途に応じた各手段がそれぞれ備えられているが、第1メモリカード20Aおよび第2メモリカード20Bに備えられている各手段は、そのいくつかを一纏めにして構成されていてもよいし、一つの手段をさらに複数の手段に分割して構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 データ同期システム、10A 外部機器A、10B 外部機器B、20A メモリカード、20B メモリカード、21A 第1記憶手段、21B 第2記憶手段、22A 第1データ書き込み手段、22B 第2データ書き込み手段、23A 第1接続手段、
23B 第2接続手段、24A 第1判定手段、24B 第2判定手段、25A 第1データ送受信手段、25B 第2データ送受信手段、26A 第1データ更新手段、26B 第2データ更新手段、27A 第1データ読取手段、27B 第2データ読取手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1メモリを有する第1メモリモジュール、および第2メモリを有する第2メモリモジュールを備え、前記第1メモリと前記第2メモリとに記憶されたデータを同期させるデータ同期システムであって、
前記第1メモリモジュールは、
該第1メモリモジュールに接続された第1外部機器から受信したデータを前記第1メモリに格納する第1データ格納手段と、
前記第2メモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立する第1確立手段と、
前記無線通信路を介して前記第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて前記第1メモリに記憶されたデータで前記第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段によって前記第1メモリに記憶されたデータで前記第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、前記無線通信路を介して前記第1メモリに記憶されたデータを前記第2メモリモジュールに送信する第1データ送信手段と、を備え、
前記第2メモリモジュールは、
前記第1メモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立する第2確立手段と、
前記無線通信路を介して前記第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を前記第1メモリモジュールに送信するメモリ情報送信手段と、
前記無線通信路を介して前記第1メモリモジュールからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第2メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、
前記第2メモリに記憶されたデータを読み出すデータ読出手段と、
を備えるデータ同期システム。
【請求項2】
前記第1メモリモジュールは、
前記無線通信路を介して前記第1メモリに記憶されたデータのメモリ情報を前記第2メモリモジュールに送信するメモリ情報送信手段と、
前記無線通信路を介して前記第2メモリモジュールからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第1メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、
前記第1メモリに記憶されたデータを読み出す読出手段と、
前記第1データ格納手段による前記第1メモリへのデータの格納をプロテクトする第1プロテクト手段と、をさらに備え、
前記第2メモリモジュールは、
該第2メモリモジュールに接続された第2外部機器から受信したデータを格納する第2データ格納手段と、
前記無線通信路を介して前記第1メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて前記第2メモリに記憶されたデータで前記第1メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段によって前記第2メモリに記憶されたデータで前記第1メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、前記無線通信路を介して前記第2メモリに記憶されたデータを前記第1メモリモジュールに送信する第2データ送信手段と、
前記第2データ格納手段による前記第2メモリへのデータの格納をプロテクトする第2プロテクト手段と、をさらに備え、
前記第1データ格納手段は、前記第1外部機器からデータを受信した場合、前記第2プロテクト手段に前記プロテクトを実行させるプロテクト設定通知を前記第2メモリモジュールに送信し、前記第2メモリモジュールから前記プロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、前記第1外部機器から受信したデータを前記第1メモリに格納し、
前記第2データ格納手段は、前記第2外部機器からデータを受信した場合、前記第1プロテクト手段に前記プロテクトを実行させるプロテクト設定通知を前記第1メモリモジュールに送信し、前記第1メモリモジュールから前記プロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、前記第2外部機器から受信したデータを前記第2メモリに格納する請求項1に記載のデータ同期システム。
【請求項3】
前記第2メモリモジュールは、
該第2メモリモジュールに接続された第2外部機器から受信したデータを格納する第2データ格納手段と、
前記第2データ格納手段による前記第2メモリへのデータの格納をプロテクトする第2プロテクト手段と、をさらに備え、
前記第1データ格納手段は、前記第1外部機器からデータを受信した場合、前記第2プロテクト手段に前記プロテクトを実行させるプロテクト設定通知を前記第2メモリモジュールに送信し、前記第2メモリモジュールから前記プロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、前記第1外部機器から受信したデータを前記第1メモリに格納する請求項1に記載のデータ同期システム。
【請求項4】
前記第1メモリは、データ格納バッファおよびデータ同期バッファを備え、
前記第1データ格納手段は、前記データ格納バッファに前記第1外部機器から受信したデータを格納する手段、および前記データ格納バッファのデータを所定のタイミングで前記データ同期バッファに複製する手段、を備え、
前記第1判定手段は、前記データ同期バッファに記憶されたデータで前記第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定し、
前記第1データ送信手段は、前記第1判定手段によって前記データ同期バッファに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、前記データ同期バッファに記憶されたデータを前記第2メモリモジュールに送信する請求項1〜3のいずれか1項に記載のデータ同期システム。
【請求項5】
前記第2メモリは、第1バッファおよび第2バッファを備え、
前記データ更新手段は、前記第1バッファおよび前記第2バッファのいずれか一方を更新用バッファとし、他方を読出用バッファとして指定する手段と、前記第1メモリモジュールから受信したデータに基づいて前記更新用バッファに記憶されたデータを更新する手段と、前記データ更新ごとに更新用バッファおよび読出用バッファとして指定するバッファを切り替える手段を備え、
前記第1判定手段は、前記第1メモリに記憶されたデータで前記更新用バッファとして指定されているバッファに記憶されたデータを更新するか否かを判定し、
前記第1データ送信手段は、前記第1判定手段によって前記第1メモリに記憶されたデータで前記更新用バッファとして指定されているバッファに記憶されたデータを更新すると判定された場合、前記第1メモリに記憶されたデータを前記第2メモリモジュールに送信する請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータ同期システム。
【請求項6】
前記第2メモリモジュールを複数有する請求項1に記載のデータ同期システム。
【請求項7】
前記複数の第2メモリモジュールそれぞれは、
無線通信路を介して他の第2メモリモジュールの他の第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて自身の第2メモリに記憶されたデータで前記他の第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段によって前記自身の第2メモリに記憶されたデータで前記他の第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、前記無線通信路を介して前記自身の第2メモリに記憶されたデータを前記他の第2メモリモジュールに送信する第2データ送信手段と、を備え、
前記第2確立手段は、前記他の第2メモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立し、
前記メモリ情報送信手段は、前記無線通信路を介して前記自身の第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を前記他の第2メモリモジュールに送信し、
前記データ更新手段は、前記無線通信路を介して前記他の第2メモリモジュールの前記第2データ送信手段からデータを受信し、該受信したデータに基づいて自身の第2メモリに記憶されたデータを更新する請求項6に記載のデータ同期システム。
【請求項8】
データを記憶する第1メモリと、
外部機器から受信したデータを前記第1メモリに格納するデータ格納手段と、
データ同期対象のメモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立する確立手段と、
前記無線通信路を介して前記データ同期対象のメモリモジュールの第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて前記第1メモリに記憶されたデータで前記第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記更新すると判定された場合、前記無線通信路を介して前記第1メモリに記憶されたデータを前記データ同期対象のメモリモジュールに送信するデータ送信手段と、
前記無線通信路を介して前記データ同期対象のメモリモジュールからデータを受信し、該受信したデータに基づいて前記第1メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、
を備えるメモリモジュール。
【請求項9】
第1メモリを有する第1メモリモジュール、および第2メモリを有する第2メモリモジュールを含み、前記第1メモリと前記第2メモリとに記憶されたデータを同期させるデータ同期方法であって、
前記第1メモリモジュールが、該メモリモジュールに接続された第1外部機器から受信したデータを前記第1メモリに格納する段階と、
前記第1メモリモジュールと前記第2メモリモジュールとが、無線通信による接続をし、無線通信路を確立する段階と、
前記第2メモリモジュールが、前記無線通信路を介して前記第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を前記第1メモリモジュールに送信する段階と、
前記第1メモリモジュールが、前記メモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて前記第1メモリに記憶されたデータで前記第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する段階と、
前記第1メモリモジュールが、前記第1メモリに記憶されたデータで前記第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、前記無線通信路を介して前記第1メモリに記憶されたデータを前記第2メモリモジュールに送信する段階と、
前記無線通信路を介して前記第2メモリモジュールが、前記第1メモリから受信したデータに基づいて第2メモリに記憶されたデータを更新する段階と、
を備えるデータ同期方法。
【請求項1】
第1メモリを有する第1メモリモジュール、および第2メモリを有する第2メモリモジュールを備え、前記第1メモリと前記第2メモリとに記憶されたデータを同期させるデータ同期システムであって、
前記第1メモリモジュールは、
該第1メモリモジュールに接続された第1外部機器から受信したデータを前記第1メモリに格納する第1データ格納手段と、
前記第2メモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立する第1確立手段と、
前記無線通信路を介して前記第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて前記第1メモリに記憶されたデータで前記第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段によって前記第1メモリに記憶されたデータで前記第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、前記無線通信路を介して前記第1メモリに記憶されたデータを前記第2メモリモジュールに送信する第1データ送信手段と、を備え、
前記第2メモリモジュールは、
前記第1メモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立する第2確立手段と、
前記無線通信路を介して前記第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を前記第1メモリモジュールに送信するメモリ情報送信手段と、
前記無線通信路を介して前記第1メモリモジュールからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第2メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、
前記第2メモリに記憶されたデータを読み出すデータ読出手段と、
を備えるデータ同期システム。
【請求項2】
前記第1メモリモジュールは、
前記無線通信路を介して前記第1メモリに記憶されたデータのメモリ情報を前記第2メモリモジュールに送信するメモリ情報送信手段と、
前記無線通信路を介して前記第2メモリモジュールからデータを受信し、該受信したデータに基づいて第1メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、
前記第1メモリに記憶されたデータを読み出す読出手段と、
前記第1データ格納手段による前記第1メモリへのデータの格納をプロテクトする第1プロテクト手段と、をさらに備え、
前記第2メモリモジュールは、
該第2メモリモジュールに接続された第2外部機器から受信したデータを格納する第2データ格納手段と、
前記無線通信路を介して前記第1メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて前記第2メモリに記憶されたデータで前記第1メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段によって前記第2メモリに記憶されたデータで前記第1メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、前記無線通信路を介して前記第2メモリに記憶されたデータを前記第1メモリモジュールに送信する第2データ送信手段と、
前記第2データ格納手段による前記第2メモリへのデータの格納をプロテクトする第2プロテクト手段と、をさらに備え、
前記第1データ格納手段は、前記第1外部機器からデータを受信した場合、前記第2プロテクト手段に前記プロテクトを実行させるプロテクト設定通知を前記第2メモリモジュールに送信し、前記第2メモリモジュールから前記プロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、前記第1外部機器から受信したデータを前記第1メモリに格納し、
前記第2データ格納手段は、前記第2外部機器からデータを受信した場合、前記第1プロテクト手段に前記プロテクトを実行させるプロテクト設定通知を前記第1メモリモジュールに送信し、前記第1メモリモジュールから前記プロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、前記第2外部機器から受信したデータを前記第2メモリに格納する請求項1に記載のデータ同期システム。
【請求項3】
前記第2メモリモジュールは、
該第2メモリモジュールに接続された第2外部機器から受信したデータを格納する第2データ格納手段と、
前記第2データ格納手段による前記第2メモリへのデータの格納をプロテクトする第2プロテクト手段と、をさらに備え、
前記第1データ格納手段は、前記第1外部機器からデータを受信した場合、前記第2プロテクト手段に前記プロテクトを実行させるプロテクト設定通知を前記第2メモリモジュールに送信し、前記第2メモリモジュールから前記プロテクト設定通知に対する応答通知を受信した後に、前記第1外部機器から受信したデータを前記第1メモリに格納する請求項1に記載のデータ同期システム。
【請求項4】
前記第1メモリは、データ格納バッファおよびデータ同期バッファを備え、
前記第1データ格納手段は、前記データ格納バッファに前記第1外部機器から受信したデータを格納する手段、および前記データ格納バッファのデータを所定のタイミングで前記データ同期バッファに複製する手段、を備え、
前記第1判定手段は、前記データ同期バッファに記憶されたデータで前記第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定し、
前記第1データ送信手段は、前記第1判定手段によって前記データ同期バッファに記憶されたデータで第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、前記データ同期バッファに記憶されたデータを前記第2メモリモジュールに送信する請求項1〜3のいずれか1項に記載のデータ同期システム。
【請求項5】
前記第2メモリは、第1バッファおよび第2バッファを備え、
前記データ更新手段は、前記第1バッファおよび前記第2バッファのいずれか一方を更新用バッファとし、他方を読出用バッファとして指定する手段と、前記第1メモリモジュールから受信したデータに基づいて前記更新用バッファに記憶されたデータを更新する手段と、前記データ更新ごとに更新用バッファおよび読出用バッファとして指定するバッファを切り替える手段を備え、
前記第1判定手段は、前記第1メモリに記憶されたデータで前記更新用バッファとして指定されているバッファに記憶されたデータを更新するか否かを判定し、
前記第1データ送信手段は、前記第1判定手段によって前記第1メモリに記憶されたデータで前記更新用バッファとして指定されているバッファに記憶されたデータを更新すると判定された場合、前記第1メモリに記憶されたデータを前記第2メモリモジュールに送信する請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータ同期システム。
【請求項6】
前記第2メモリモジュールを複数有する請求項1に記載のデータ同期システム。
【請求項7】
前記複数の第2メモリモジュールそれぞれは、
無線通信路を介して他の第2メモリモジュールの他の第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて自身の第2メモリに記憶されたデータで前記他の第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段によって前記自身の第2メモリに記憶されたデータで前記他の第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、前記無線通信路を介して前記自身の第2メモリに記憶されたデータを前記他の第2メモリモジュールに送信する第2データ送信手段と、を備え、
前記第2確立手段は、前記他の第2メモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立し、
前記メモリ情報送信手段は、前記無線通信路を介して前記自身の第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を前記他の第2メモリモジュールに送信し、
前記データ更新手段は、前記無線通信路を介して前記他の第2メモリモジュールの前記第2データ送信手段からデータを受信し、該受信したデータに基づいて自身の第2メモリに記憶されたデータを更新する請求項6に記載のデータ同期システム。
【請求項8】
データを記憶する第1メモリと、
外部機器から受信したデータを前記第1メモリに格納するデータ格納手段と、
データ同期対象のメモリモジュールとの間で無線通信による接続をし、無線通信路を確立する確立手段と、
前記無線通信路を介して前記データ同期対象のメモリモジュールの第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて前記第1メモリに記憶されたデータで前記第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記更新すると判定された場合、前記無線通信路を介して前記第1メモリに記憶されたデータを前記データ同期対象のメモリモジュールに送信するデータ送信手段と、
前記無線通信路を介して前記データ同期対象のメモリモジュールからデータを受信し、該受信したデータに基づいて前記第1メモリに記憶されたデータを更新するデータ更新手段と、
を備えるメモリモジュール。
【請求項9】
第1メモリを有する第1メモリモジュール、および第2メモリを有する第2メモリモジュールを含み、前記第1メモリと前記第2メモリとに記憶されたデータを同期させるデータ同期方法であって、
前記第1メモリモジュールが、該メモリモジュールに接続された第1外部機器から受信したデータを前記第1メモリに格納する段階と、
前記第1メモリモジュールと前記第2メモリモジュールとが、無線通信による接続をし、無線通信路を確立する段階と、
前記第2メモリモジュールが、前記無線通信路を介して前記第2メモリに記憶されたデータのメモリ情報を前記第1メモリモジュールに送信する段階と、
前記第1メモリモジュールが、前記メモリ情報を受信し、該受信したメモリ情報に基づいて前記第1メモリに記憶されたデータで前記第2メモリに記憶されたデータを更新するか否かを判定する段階と、
前記第1メモリモジュールが、前記第1メモリに記憶されたデータで前記第2メモリに記憶されたデータを更新すると判定された場合、前記無線通信路を介して前記第1メモリに記憶されたデータを前記第2メモリモジュールに送信する段階と、
前記無線通信路を介して前記第2メモリモジュールが、前記第1メモリから受信したデータに基づいて第2メモリに記憶されたデータを更新する段階と、
を備えるデータ同期方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−108139(P2011−108139A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264683(P2009−264683)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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