説明

データ記録装置、及びデータ記録装置からのデータ再生方法

【課題】DLNA対応機器間でのデータ再生において、データ検索機能は再生装置に依存し、ユーザに望ましい検索機能を提供できないことがあった。そこで、データ記録装置が検索手段を提供し、ユーザが選択したデータをDLNA規格に基づいて再生可能とする、データ記録装置、及びそのデータ再生方法を提供する。
【解決手段】記録媒体と、記録データを管理するコンテンツ管理部と、ネットワーク通信を制御する通信制御部とを有するデータ記録装置であって、記録データに関する情報をデータ再生装置で表示させるためのWEBサーバ部と、DLNA規格に基づいてデータ再生を制御するDLNA制御部とを有し、WEBサーバ部から送信された情報をもとに、DLNA規格に基づいて記録データを外部装置に送信するよう制御するWEB・DLNA制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ記録装置、及びデータ記録装置からのデータ再生方法に係り、特にネットワークに接続して使用する際のユーザインタフェースの良好なデータ記録装置、及びデータ記録装置からのデータ再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークに接続して使用するデータ記録装置として、NAS(Network Attached Storage)と呼ばれる記録装置が多数製品化されている。本NASでは、自身の設定をインタネットブラウザから可能とするため、WEBサーバ機能が搭載されているものもある。また、写真や音楽、動画などのコンテンツを宅内ネットワークで相互利用する規格としてDLNA(Digital Living Network Alliance)があり、このDLNA規格を採用したNASも製品化されており、DLNA規格に対応した機器間でのデータ再生が実現されている。さらに、DLNA非対応の機器とDLNA対応機器間でのデータ再生を実現するための技術として、例えば、特開2009−118112号公報に、DLNA非対応の機器からDLNAに対応したメディアサーバにアクセスする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−118112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のDLNA対応機器間でのデータ再生では、ユーザは、データ再生装置が提供する検索手段でデータ記録装置に記録されたデータを検索し、再生していた。そのため、検索手段はデータ再生装置に依存し、特にAV(Audio Visual)機器では、PC(Personal Computer)に比べ処理性能が劣るため、検索手段が限定的であり、大量のデータを検索する性能が劣っていたり、使用可能な検索機能が限定的であったりして、使い勝手の悪い面があった。また、逆に、データ記録装置が検索手段を提供しても、ユーザが上記検索結果から選択したデータをDLNA規格に基づいてネットワークを介してデータを再生する方法が確立されていないために、使い勝手の良いデータ再生は困難であった。
【0005】
そこで本発明は、例えばDLNA対応機器間でのデータ再生において、データ記録装置が検索機能を提供し、ユーザが選択したデータをDLNA規格に基づいて再生可能とすることにより、ユーザインタフェースの良好なデータ記録装置、及びデータ記録装置からのデータ再生方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明は、ネットワークを介して外部装置とデータの送受信を行うデータ記録装置であって、該データ記録装置の記録データを格納する記録媒体と、該記録媒体に記録された記録データを管理し該記録データに関するコンテンツ情報を生成するコンテンツ管理部と、前記ネットワークに対して前記コンテンツ情報や前記記録媒体に記録された記録データを送受信する通信制御部と、前記外部装置と前記記録データを共有するための送受信規格に基づき、前記通信制御部と前記ネットワークを介して前記外部装置とデータ送受信を行う送受信規格制御部と、前記ネットワークと前記通信制御部を介して前記外部装置から受信したデータを供給され該データを前記送受信規格制御部で用いる形式に変換して前記送受信規格制御部に供給し、また前記コンテンツ管理部から前記コンテンツ情報を供給され該コンテンツ情報を変換して送信用のファイルを生成するWEB・送受信規格変換部と、該WEB・送受信規格変換部が生成した前記送信用のファイルを前記通信制御部と前記ネットワークを介して前記外部装置に送信し、該外部装置から受信したデータを前記WEB・送受信規格変換部に供給するWEBサーバ部を有することを特徴としている。
【0007】
また本発明は、ネットワークに接続されたデータ記録装置に記録されている記録データを、前記ネットワークに接続されたデータ再生装置で再生するためのデータ記録装置からのデータ再生方法であって、前記データ記録装置に記録された記録データを管理するための該記録データに関するコンテンツ情報を送信する要求を前記データ再生装置から受信する要求受信ステップと、該要求受信ステップが前記記録データに関するコンテンツ情報を送信する要求を受信した際に前記コンテンツ情報を変換して送信用のコンテンツ情報ファイルを生成して前記データ再生装置へ送信するコンテンツ情報ファイル変換送信ステップと、該コンテンツ情報ファイル変換送信ステップで送信されたコンテンツ情報ファイルに応じて前記データ再生装置で選択された記録データを前記データ再生装置に送信するコンテンツ再生送信ステップを有し、該コンテンツ再生送信ステップは、前記選択された記録データを再生して所定のデータ送受信規格に基づき前記データ再生装置に送信することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザインタフェースの良好なデータ記録装置、及びデータ記録装置からのデータ再生方法を実現でき、ユーザに対する使い勝手の向上に寄与することができるという効果がある。
例えば以下に示すように一つの実施形態においては、データ記録装置が検索機能を提供し、ユーザが選択したデータをDLNA規格に基づき再生可能とする、ユーザインタフェースの良好なデータ記録装置、及びデータ記録装置からのデータ再生方法を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例に係るデータ記録装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係るデータ記録装置とデータ再生装置の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例に係るデータ記録装置の処理を示すフローチャートである。
【図4】DLNA規格におけるデータ再生方法の一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係るデータ記録装置とデータ再生装置の処理を示す別なフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例に係るデータ記録装置の処理を示す別なフローチャートである。
【図7】本発明の一実施例に係るデータ再生装置の表示部に表示される画面を例示する図である。
【図8】本発明の一実施例に係るデータ再生装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について、図面を用いながら説明する。
図1は、本発明の一実施例に係るデータ記録装置100のブロック図である。図1において、100はデータ記録装置(以下、サーバと呼ぶこともある)である。101はシステム制御部であって、後述の各部の動作を制御する。102はメモリであって、各部が使用する情報を格納する。103はHDD制御部であって、前記データ記録装置100の第一の記録媒体であるHDD(Hard Disk Drive)104を制御する。105は光ディスク制御部であって、前記データ記録装置100の第二の記録媒体である光ディスク106を制御する。
【0011】
107は通信制御部であって、通信I/F(インタフェース)108を介して前記データ記録装置100がネットワーク109に接続され、データ再生装置190をはじめとする外部装置とデータ送受信する際に通信を制御する。データ再生装置190(以下、外部装置、或いはクライアントと呼ぶこともある)は、ここでは190A、190B、190Cの3台がネットワーク109を介して接続されている。これは一例であって、何台であっても良く、また1台だけであっても良い。以下、そのうちのいずれか1台を例にとる場合は、例えばデータ再生装置190と記すこととする。
【0012】
110はコンテンツ管理部であって、前記HDD104、前記光ディスク106に記録されているデータ、例えば動画/静止画/音声データなどに関するコンテンツ情報、例えばファイル名、記録日時、データ種別、データ形式、ファイルサイズなどを管理する。120はDLNA制御部であって、ネットワーク109に接続された機器間でデジタルコンテンツの相互利用するための規格であるDLNA/UPnP(Universal Plug and Play)に基づいた通信を制御する。DLNA制御部120は、DLNAで定義されているDMS(Digital Media Server)としての制御を行うDMS制御部121や、DMC(Digital Media Controller)としての制御を行うDMC制御部122を有する。
【0013】
130はWEBサーバ部であって、後記するWEB・DLNA変換部とともに前記コンテンツ管理部110が管理するコンテンツ情報をWEBブラウザで表示できる形式のファイル、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)ファイルを生成する。また、ネットワークに接続された外部装置190からの要求に応じて前記HTMLファイルを、前記通信制御部107を介して送信し、前記外部装置190からの応答や指示を受信する。140はWEB・DLNA変換部であって、前記したようにHTMLファイルを生成するほか、前記WEBサーバ130が受信した情報を前記DLNA制御部120が処理できる形式に変換し、前記DLNA制御部120に送信すると共に動作指示を行う。なお、本実施の形態では、前記記録媒体を2つとしているが、記録媒体の種別、個数はこれに限定されるものではない。
【0014】
次に、前記データ記録装置100がネットワークに接続されたデータ再生装置190に前記コンテンツ情報を表示させる方法について説明する。
まず、前記データ再生装置190につき図8を用いて説明する。図8は、本発明の一実施例に係るデータ再生装置のブロック図である。データ再生装置190は、通信I/F198を介して先のネットワーク109に接続可能とする通信制御部191、WEBブラウザ部192、DLNAにおけるDMR(Digital Media Renderer)機能やDMP(Digital Media Player)機能を制御するDMR・DMP制御部194を含むDLNA制御部193、ネットワークから受信したコンテンツデータに施されたデータ圧縮を解除するためのデコーダ部195、表示部196、ユーザI/F部197を有する。
【0015】
またデータ再生装置190は、WEBブラウザ部192の作用により前記データ記録装置100から送信されるファイル、例えばHTMLファイルを表示部196に表示し、前記ファイルを介して、ユーザI/F部197からの例えばキーボードやリモコン操作によるユーザからの次の動作指示を、前記サーバ100に送信することが可能である。さらにユーザがユーザI/F部197を用いて、表示部196に表示された前記HTMLファイルに基づきコンテンツデータを選択し、再生指示をした場合には、これをネットワーク109に接続されたデータ記録装置100に送信して、データ記録装置100からデジタルコンテンツ、例えば動画や静止画、音声データなどを受信し、このデータをデコーダ部195で伸張して再生し、表示部196に表示することが可能である。なお、199Aはメモリであって、前記各部が使用する情報を格納する。199Bはシステム制御部であって、前記各部の動作を制御する。
【0016】
なお、データ再生装置のDMR・DMP制御部194は、データ記録装置100のDMS制御部121とデータの送受信を行う際は、DLNA規格に定義されるDMP制御を行う。またデータ再生装置のDMR・DMP制御部194は、データ記録装置100のDMC制御部がDMS制御部とデータ再生装置190の双方を制御する場合には、DLNA規格に定義されるDMR制御を行う。
【0017】
図2は、本発明の一実施例に係るデータ記録装置100とデータ再生装置190の処理を示すフローチャートである。図2において便宜上、前記データ記録装置100をサーバ、前記外部装置190をクライアントと表記し、以下の説明でもこれらの言葉を用いている。以下、フローを括弧内に示すステップの順に説明する。
【0018】
図2において、前記データ記録装置100であるサーバは、前記データ再生装置190であるクライアントからの前記WEBブラウザ部192で表示可能なファイル、例えばHTMLファイルの送信指示を待っている(S210)。以降便宜的にHTMLファイルを送信する場合を例として説明する。ユーザはユーザI/F部197を用いて前記クライアント190を操作し、WEBブラウザ部192を起動するよう前記クライアント190を制御する(S220)。前記クライアント190は、ユーザからの指示を受信し、WEBブラウザ部192を起動し(S221)、前記サーバ100に対して前記HTMLファイルの送信を要求し(S222)、前記HTMLファイル受信待ち状態となる(S223)。クライアント190からの送信指示を待っている前記サーバ100は、前記ファイル送信要求を受信し(S211)、前記コンテンツ管理部110が管理するコンテンツ情報を含んだHTMLファイルを作成する(S212)。前記HTMLファイルの作成方法は後述する。
【0019】
前記HTMLファイルの作成が完了した後、前記サーバ100は前記HTMLファイルを前記クライアント190に送信し(S213)、次の動作指示の受信待ちとなる(S214)。前記クライアント190は、前記HTMLファイルを受信したら(S224)、前記HTMLファイルを、前記WEBブラウザ部192を介して表示部196に表示する(S225)。
以上示した方法により、ユーザは前記データ記録装置100に記録されているデータを前記データ再生装置190のWEBブラウザ部192に表示することが可能となり、前記データ記録装置100に記録されているデータを認識することができる。
【0020】
次に、前記データ記録装置100が前記データ再生装置190から受信したHTMLファイル送信要求に対して、前記コンテンツ管理部110が管理するコンテンツ情報を含むHTMLファイルを作成する方法について説明する。
図3は、本発明の一実施例に係るデータ記録装置100の処理を示すフローチャートである。図3において、前記データ記録装置100が前記データ再生装置190からのHTMLファイル送信要求を受信すると(S300、図2のS211に相当)、前記WEB・DLNA変換部140は、前記コンテンツ管理部110から前記コンテンツ情報を取得し(S310)、前記コンテンツ情報をHTMLファイルに記載できる形式に変換し(S320)、前記HTMLファイルを作成する(S330)。前記WEB・DLNA変換部140は前記HTMLファイルを作成した後、前記WEBサーバ部130に前記HTMLファイルを送信し、前記WEBサーバ部130は受信したHTMLファイルを、前記データ再生装置190に通信制御部107を介して送信する(S340)。
【0021】
ここで、前記HTMLファイルに記載される前記コンテンツ情報は、前記データ記録装置100が記録する記録データに関する情報であり、ユーザが視認することができる情報として、前記記録データのファイル名、ファイルサイズ、記録日時、例えば記録データが動画、静止画、音声などに属するかを示すデータ種別、例えば記録データが動画や静止画などの画像データであればその代表画像の縮小画像、などの情報があり、ユーザが視認しない情報として、前記記録データが前記記録媒体のどこに格納されているかを示す格納フォルダに関する情報や、前記代表画像が格納されているフォルダに関する情報などが含まれる。
【0022】
以上示した方法により、前記データ再生装置190で表示されるHTMLファイルが作成され、ユーザは前記HTMLファイルを視聴することにより、前記データ記録装置100に格納されているデータに関する情報を視聴することが可能となる。本実施例では、データ再生装置190の要求に応じて記録装置100が前記コンテンツ情報に係るHTMLファイルを作成し、データ再生装置190に送信することを一つの特徴としている。これにより、コンテンツ検索のための機能が従来のようにデータ再生装置190に依存していた場合に比べて、ユーザインタフェースを良好にできる効果がある。従来は、例えばデータ再生装置190はデータ記録装置100が格納するコンテンツに関する情報を文字情報だけで表示していたり、動画/静止画/音声などのデータ種別のみで分類表示していたり、使い勝手が充分に考慮されない検索方法となっていた。本実施例ではデータ記録装置100が提供するHTMLファイルに基づき、データ再生装置190は前記縮小画像付きでコンテンツ情報を表示したり、より詳細にコンテンツ情報を分類して表示したり、前記データ記録装置100が提供したいユーザインタフェースにて前記コンテンツ情報を表示することが可能である。またこの表示から、再生したいコンテンツを選択してデータ記録装置100へ伝えることも容易になるなど、使い勝手の良いコンテンツ検索ができる。
【0023】
次に、前記HTMLファイルで表示された情報に基づき、ユーザが視聴する記録データ(コンテンツ)を選択し、前記データ再生装置190で再生させる方法について説明する。
図4は、DLNA規格におけるデータ再生方法の一例を示す図である。DLNAにおいては、ネットワークに接続された機器を、DMS、DMC、DMR、DMPという概念で定義している。前記したようにDMCが中心となり制御する場合には、DMC、DMS、DMRにより処理が行なわれる。図4において、前記DMS、前記DMC、前記DMRによるデータ再生時の処理フローを示す。
【0024】
前記DMCは、前記DMSが記録する記録データに関するコンテンツ情報を取得し、それをDMRに送信し、表示装置196に表示し、ユーザに再生するデータを選択させる。(S410)。ユーザによる前記記録データ選択後、前記DMCは前記選択された記録データに関する情報と、前記選択された記録データが再生可能であれば前記DMSに接続する旨の指示を、前記DMRに送信する(S420)。前記DMRは、取得した前記記録データに関する情報をもとに、前記選択された記録データを再生可能か否かを判断し、再生可能な場合は前記DMSに前記記録データを送信するよう要求する(S430)。前記DMSは、受信した前記DMRからの要求に従い、前記選択された記録データを前記DMRに送信する(S440)。前記DMRは、受信した前記記録データを再生し、自身の表示装置196に表示する。以上示した方法により、ユーザが選択した記録データを再生できるよう仕組みが整備されている。
【0025】
次に、前記した方法により前記データ記録装置100が記録する記録データに関する情報を表示した後、ユーザが視聴したい前記記録データを選択し、選択された前記記録データを再生させる方法について説明する。図5は、本発明の一実施例に係るデータ記録装置100とデータ再生装置190の処理を示す別なフローチャートである。図5においても、前記データ記録装置100をサーバ、前記データ再生装置190をクライアントと表記し、以下便宜上サーバ、クライアントの言葉を用いて説明する。
【0026】
図5において、前記サーバ100は先の図3のステップS340において、前記した方法で前記HTMLファイルを前記クライアント190に送信した後、前記クライアント190からの動作指示の受信待ちとなっている(S511)。前記クライアント190はユーザによる記録データが選択されると(S521)、前記サーバ100に前記選択された記録データを再生するデータとして前記サーバ100に通知する(S522)。前記サーバ100は前記再生データに関する情報を受信すると、前記WEB・DLNA変換部140が前記再生データに関する情報を前記DLNA制御部120で解釈できる形式に変換し、前記DLNA制御部120に再生開始指示を送信し(S512)、前記クライアント190に前記WEBブラウザ192を終了するよう指示を送る(S513)。
【0027】
前記DLNA制御部120における前記DMC制御部122は、前記WEB・DLNA変換部140から受信した前記再生データに関する情報と前記再生開始指示により、前記クライアント190へ前記再生データに関する情報をDLNAに対応する情報として送信しつつ、再生開始指示を送信し(S514)、前記クライアント190からの前記再生データの送信指示待ちとなる(S515)。前記クライアント190は、前記サーバ100から送信されるWEBブラウザ終了指示に従い、WEBブラウザ192を終了する(S523)。さらに、S514による前記サーバ100からのDLNA再生開始指示を受信すると(S524)、受信した前記再生データに関する情報を解釈し、前記再生データの送信要求を前記サーバ100に送信する(S525)。
【0028】
前記サーバ100は、前記クライアント190からの再生データ送信要求を受信すると(S516)、前記DLNA制御部120における前記DMS制御部121を制御し、前記再生データを前記クライアント190に送信する(S517)。前記再生データの受信待ち(S526)であった前記クライアント190は、前記サーバ100から送信される前記再生データを受信すると、自身の表示装置196に前記再生データを表示する(S527)。
【0029】
以上示した方法により、ユーザが選択した記録データをデータ再生装置190で表示することが可能となる。なお、本発明の形態では、前記データ記録装置100が前記DMSと前記DMCの役割を担い、前記データ再生装置190が前記DMRの役割を担うことで、前記記録データの再生を実現する。図5において、破線部で囲まれたステップ(S514〜S517、S524〜S527)は、図4に示したDLNAにおけるデータ再生方法に相当する。
以上示した方法により、データ記録装置100が記録している記録データを、データ再生装置190のWEBブラウザ部192を介して選択し、DLNAに基づき再生することが可能となる。
【0030】
図6は、本発明の一実施例に係るデータ記録装置100の処理を示す別なフローチャートであり、図5におけるS511〜S515を詳細に示したものである。図6において、前記データ記録装置100は前記した方法で前記HTMLファイルを前記データ再生装置190に送信した後、前記データ再生装置190からの動作指示の受信待ちとなっている(S600)。前記データ記録装置100における前記WEBサーバ部130は、前記通信制御部107を介して前記データ再生装置190からの動作指示を受信すると(S601)、受信した情報を前記WEB・DLNA変換部140に送信する。
【0031】
前記WEB・DLNA変換部140は、前記指示が再生開始要求か否かを判断し(S602)、前記指示が再生開始要求の場合(図中のYES)、前記WEB・DLNA変換部140は前記データ再生装置190のWEBブラウザ192を終了するよう前記WEBサーバ部130を制御し、前記データ再生装置190の前記WEBブラウザ192を終了させる(S603)。
【0032】
さらに、前記WEB・DLNA変換部140は、再生開始指示があった記録データに関する情報を前記DLNA制御部120が解釈できる形式に変換し(S604)、前記DLNA制御部120に送信し、前記記録データをDLNAに基づいた形式で再生するよう前記DLNA制御部120における前記DMC制御部122を制御する(S605)。前記DLNA制御部120、前記DMC制御部122は、選択された前記記録データを再生開始するよう前記データ再生装置190に、通信制御部107とネットワーク109を介して指示を送り、前記データ再生装置190からデータ送信要求が送信されるのを待つ(S606)。
【0033】
一方、S601で受信した動作指示が再生開始要求で無かった場合(図中のNO)、前記WEB・DLNA制御部140は受信した動作指示で指定された動作を行い(S610)、動作結果を含むHTMLファイルを作成し、前記データ再生装置190に送信し(S611)、次の動作指示を待つ(S612)。
以上示した方法により、前記データ再生装置から送信される指示を判断し、前記指示が再生開始要求であった場合、DLNAに基づいた形式で再生開始することが可能となる。
【0034】
次に前記データ記録装置100が作成するHTMLファイルを前記データ再生装置190の表示部196に表示した場合の画面の一例を示す。
図7は、本発明の一実施例に係るデータ再生装置190の表示部196に表示される画面を例示する図である。図7において、700は前記表示装置の表示枠、701は前記データ再生装置190から前記データ記録装置100にアクセスするためのアドレスである。702は前記記録データが画像データであった場合に表示する縮小画像の表示領域であり、データ種別を示すアイコンを表示する領域としても使用してよい。703は前記記録データの情報、例えば記録日時やファイル名などである。本実施例では、前記記録データとして4つのデータが表示されている。
【0035】
704はユーザが再生させたいデータを選択するためのカーソルである。705Aから705Cは、前記記録データの再生以外に動作可能な機能を画面上のボタンとして表示しており、本実施例では、記録データに対する、検索、並べ替え、分類の機能を実現可能な機能としてボタン表示している。ユーザは、前記カーソルを移動させることで再生させたいデータを変更することが可能であり、前記再生させたいデータを決定後、前記データ再生装置は決定したデータに関する情報を前記データ記録装置100に送信し、前述した方法により前記記録データが再生される。
DLNAでは、一般に再生するデータを検索する手段はデータ再生装置190に搭載され、この手段により選択されたデータが再生されると定義しており、他の手段で選択されたデータの再生には言及されていない。
【0036】
また、PCの分野ではPCに搭載されたWEBブラウザが再生機能を搭載していたり、WEBブラウザから再生機能を持つアプリケーションを呼び出すことにより、WEBブラウザ上でデータの再生が可能である。しかし、AVの分野ではWEBブラウザに再生機能は搭載されていないことがあり、データ再生装置190が持つ再生機能に再生データを転送する仕組みも無いことが多い。これに対して本実施例では、データ再生装置190はDLNA制御部193を有しており、データ再生装置190のWEBブラウザ部192で選択された記録データを、データ記録装置100との間でDLNA規格に基づいた送受信を行い再生することに一つの特徴がある。
【0037】
以上示した通り、本発明によるデータ記録装置、及びデータ記録装置からのデータ再生方法では、データ記録装置100に記録されている記録データに関するコンテンツ情報をデータ再生装置190のWEBブラウザ部192を介して前記データ再生装置190の表示装置196に表示し、前記記録データの検索、選択は前記データ再生装置190の前記WEBブラウザ部192で行い、ここでユーザが選択した前記記録データに関する情報をDLNAで定義されているデータ再生部193に送信し、データ再生はDLNAに基づいて行う。これにより、データ記録装置100が用意する検索機能をWEBブラウザ部192が搭載されたデータ再生装置190に提供でき、再生データ選択後はDLNA規格に基づいた方式でデータ再生が可能となる。さらに、WEBブラウザ部192を搭載したデータ再生装置190に共通して検索機能を提供できるため、データ再生装置190に依存せず使い勝手の良い検索機能を提供でき、DLNAに対応した再生方法に基づくため、記録データを特別な変換手段が無くても再生することが可能となる。これにより、使い勝手の良い良好なユーザインタフェースを有するデータ記録装置、及びデータ記録装置からのデータ再生方法を提供できるという効果がある。
【0038】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これは一例であって、回路ブロック図やフローチャートにおいては、他にも変更を加えた例を考えることができる。いずれの場合も本発明の範疇にある。
【符号の説明】
【0039】
100:データ記録装置、101:システム制御部、102:メモリ、103:HDD制御部、104:HDD、105:光ディスク制御部、106:光ディスク、107:通信制御部、110:コンテンツ管理部、120,193:DLNA制御部、121:DMS制御部、122:DMC制御部、194:DMR制御部、130,192:WEBサーバ部、140,195:WEB・DLNA変換部、196:表示部、197:ユーザI/F。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して外部装置とデータの送受信を行うデータ記録装置であって、
該データ記録装置の記録データを格納する記録媒体と、
該記録媒体に記録された記録データを管理し該記録データに関するコンテンツ情報を生成するコンテンツ管理部と、
前記ネットワークに対して前記コンテンツ情報や前記記録媒体に記録された記録データを送受信する通信制御部と、
前記外部装置と前記記録データを共有するための送受信規格に基づき、前記通信制御部と前記ネットワークを介して前記外部装置とデータ送受信を行う送受信規格制御部と、
前記ネットワークと前記通信制御部を介して前記外部装置から受信したデータを供給され該データを前記送受信規格制御部で用いる形式に変換して前記送受信規格制御部に供給し、また前記コンテンツ管理部から前記コンテンツ情報を供給され該コンテンツ情報を変換して送信用のファイルを生成するWEB・送受信規格変換部と、
該WEB・送受信規格変換部が生成した前記送信用のファイルを前記通信制御部と前記ネットワークを介して前記外部装置に送信し、該外部装置から受信したデータを前記WEB・送受信規格変換部に供給するWEBサーバ部
を有することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ記録装置であって、
前記送受信規格制御部は、前記WEB・送受信規格変換部から供給された前記外部装置から受信したデータに応じて前記記録データを選択し、選択された該記録データを前記送受信規格に基づき前記WEBサーバ部、前記通信制御部と前記ネットワークを介して前記外部装置に送信することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のデータ記録装置であって、
前記送受信規格は、DLNA/UPnP規格であることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ記録装置であって、
前記送受信規格制御部は、DLNA/UPnP規格におけるDMS制御を行うDMS制御部、及びDMC制御を行うDMC制御部を有し、
前記DMC制御部は、前記外部装置から受信され前記WEB・送受信規格変換部で変換された前記データに基づき前記記録データを前記外部装置に送信するよう前記WEBサーバ部を制御することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項5】
請求項1に記載のデータ記録装置であって、前記WEB・送受信規格変換部で生成される送信用のファイルは、HTMLファイルであることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項6】
ネットワークに接続されたデータ記録装置に記録されている記録データを、前記ネットワークに接続されたデータ再生装置で再生するためのデータ記録装置からのデータ再生方法であって、
前記データ記録装置に記録された記録データを管理するための該記録データに関するコンテンツ情報を送信する要求を前記データ再生装置から受信する要求受信ステップと、
該要求受信ステップが前記記録データに関するコンテンツ情報を送信する要求を受信した際に前記コンテンツ情報を変換して送信用のコンテンツ情報ファイルを生成して前記データ再生装置へ送信するコンテンツ情報ファイル変換送信ステップと、
該コンテンツ情報ファイル変換送信ステップで送信されたコンテンツ情報ファイルに応じて前記データ再生装置で選択された記録データを前記データ再生装置に送信するコンテンツ再生送信ステップを有し、
該コンテンツ再生送信ステップは、前記選択された記録データを再生して所定のデータ送受信規格に基づき前記データ再生装置に送信することを特徴とするデータ記録装置からのデータ再生方法。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ記録装置からのデータ再生方法であって、
前記再生情報変換ステップにおける所定のデータ送受信規格は、DLNA/UPnP規格であって、
前記選択された記録データは、前記DLNA/UPnP規格におけるDMCないしDMSに基づき前記データ記録装置から再生されることを特徴とするデータ記録装置からのデータ再生方法。
【請求項8】
請求項6に記載のデータ記録装置からのデータ再生方法であって、前記コンテンツ情報ファイル変換送信ステップで生成される送信用のコンテンツ情報ファイルは、HTMLファイルであることを特徴とするデータ記録装置からのデータ再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−120007(P2011−120007A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275663(P2009−275663)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】