説明

データ記録装置

【課題】
連続した高レートなデータを、ディスク状記録媒体に効率良く記録再生する。
【解決手段】
データ記録装置は、大容量のディスク記録媒体を備え、連続データが記録される第1の領域と、不連続データが記録される第2の領域と、前記データのデータ管理情報が記録される第3の領域に分割し、連続データを高速に記録を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に連続で且つ高速なデータ転送が要求されるデータ記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像及び音声信号を連続デジタルデータに変換してパーソナルコンピュータ(以下PCと称す)内のハードディスク或いは、ディジタルVTRなどの磁気テープへ記録を行う民生用のデータ記録装置が提供されている。特に前記ハードディスクでは、データがランダンムにアクセス可能な点及び、取り扱うデータがディジタル信号であって前記映像及び音声信号の繰り返し編集コピーなどに劣化が少ない点などの有利な点を生かし、前記PC上でハードディスクを用いた映像及び音声などのディジタル編集などが行われている。
【0003】
また、さらに取り扱う映像及び音声信号の品位向上を目的にディジタル符号化手段に例えばMoving Picture Experts Group 2(以下MPEG2と称す)或いは、Motion Joint Photographi coding Expert Groupe(以下MJPEGと称す)符号化手段を用いる方向にある。このような映像及び音声信号の品位向上に伴い、取り扱う前記データのデータ量の肥大化、1秒間に転送すべきデータ量の増大化が必要となってきている。これらの仕様を満足するため、例えばハードディスクでは1台当たりの記憶容量が25GB、PCとハードディスクのインターフェース転送速度が33MB/s、ディスク回転数が1万rpmなどの高価なハイスペックタイプのものが製品化されて一部ハイエンド市場において使われている。
【0004】
また、ハードディスクから比較的大きなデータファイルを読み出し及び書き込みする方法に関しては、データファイルの読み出しシーク動作を最小限にする目的で、メモリ手段を備えアクセスセクタ番号を昇順、或いは降順に行うデータ読み出し方法があり、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−63432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし上記公知例においては、大容量のメモリ手段を持ち、比較的大きなデータファイルの一括読み出しに関しては有効であるが、前記データファイルを任意にアクセスすることに関しては記載されていない。さらに、前記公知例では大容量のメモリ手段が必須であり、制御が複雑で高価になる。
【0007】
また、前記したような映像信号及び音声信号を例えばMPEG2或いはMJPEGにて高品位なディジタル編集を行うためには、連続的に記録媒体へ記録或いは再生維持を補償する速度(以下サステインドレートと称す)が重要視される。以下説明のために前記記録媒体をハードディスクを用いて説明を行うが、該ハードディスクに限定されない。
【0008】
現在ハードディスクの仕様に記載されている転送速度は、ハードディスクインターフェース部分と、PCインターフェースの最大転送速度であって、例えば33MB/sの転送レートの実力を備えている。しかし前記サステインドレートは、ハードディスクの記録密度とディスクの回転速度とヘッドのシーク速度とで決定つけられ、例えばローエンドのハードディスクでは実質12〜7MB/S程度である。さらにハードディスクは、PC内のファイル管理ソフトにより、ハードディスクの記録ブロック単位(以下、セクタと称す)に散在して断片的にファイル管理がなされているため、ファイルの消去、ファイルの追加を繰り返していく内に、不連続の空きセクタが散在することになる。したがって、前記連続データをハードディスクへ記録する場合に、該散在した空き論理セクタへハードディスクのヘッドを逐次シーク動作させながら記録を行うことになるため、前記サステインドレートは、さらに低下し連続した高レートなデータの記録が不可能である。また、前記ハイエンド型のハードディスクは高価であり実用的ではない。
【0009】
また、前記PCは、ハードディスクのデータファイル管理を行うファイル管理ソフト或いはオペレーションシステムソフト(以下OSと称す)によってファイル管理がなされている。そのため、前記ファイル管理ソフト或いはOSによりPC上で扱うハードディスク容量の上限或いは、ハードディスク増設台数の制限が存在している。例えばファイル管理ソフトがFAT16に準拠している場合、単一パーティション当たり最大2GB、増設ハードディスク台数26台という制限事項があり、単純計算でもハードディスク最大記録容量の上限は52GBまでということになる。従って、例えば100GBのハードディスクに前記データを記録することは不可能である。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされるものであって、前記ディスク状記録媒体のサステインドレートの確保、及びハードディスク記録容量の上限排除、及び接続台数上限の排除を行い、高レートで且つ連続したデータの記録に適したディスク状記録媒体の記録方法を備えたデータ記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明のデータ記録装置は次のように構成した。
【0012】
外部からデータを入力する入力手段と、記録媒体に前記データを記録する記録手段とを備え、前記記録手段は、入力データが連続データの場合は前記記録媒体の第1の領域に、不連続データの場合は前記記録媒体の第2の領域に分割して記録するようにした。さらに、前記記録手段は、前記第1の領域または前記第2の領域に記録したデータの管理情報を、前記記録媒体の第3の領域に記録するようにした。
【0013】
前記記録媒体の第1の領域及び第2の領域は、それぞれ複数の記録ブロックにより構成され、前記記録手段は、前記第1の領域に連続して配置される記録ブロックに、前記連続データをシーケンシャルに記録するようにした。
【0014】
前記記録媒体としてディスク状記録媒体を用い、該記録媒体の各領域は、その半径方向に領域分割され、前記第1の領域は、前記ディスク状記録媒体の最外周側に配置されるようにした。
【0015】
前記第1の領域に記録されたデータを、前記第2の領域へ複写する複写手段を備えた。該記複写手段は、前記記録手段が前記第1の領域へ記録する動作と並行して、前記第1の領域に記録されたデータを前記第2の領域へ複写する。
【0016】
前記記録手段は、前記記録媒体に複数の記録ブロックを設定する記録ブロック設定手段を備え、前記記録媒体の第1の領域内に連続して配置される記録ブロックに、前記連続データをシーケンシャルに記録し、前記連続データが記録された前記第1の領域内の記録ブロックの番号を、前記第3の領域へ記録するようにした。
【0017】
前記記録媒体の不良記録ブロックを検出する手段を備え、前記記録手段は、該不良記録ブロックの番号を前記第3の領域へ記録するとともに、前記連続データを前記第1の領域へ記録する際、前記不良記録ブロックをジャンプして記録するようにした。また、前記ディスク状記録媒体の同心円状トラックの中から不良記録トラックを検出する手段を備え、前記記録手段は、該不良記録トラックの番号を前記第3の領域へ記録するとともに、前記連続データを前記第1の領域へ記録する際、前記不良記録トラックをジャンプして記録するようにした。
【0018】
前記連続データを蓄積するバッファ手段と、該バッファ手段に所定容量のデータが蓄積されたことを検出するバッファ容量検出手段を備え、前記記録手段は、該バッファ容量検出手段の結果に基づいて、前記ディスク状記録媒体上の同心円状トラックに配置される複数の記録ブロックに前記連続データを記録するようにした。
【0019】
前記記録媒体に加えて複数の記録媒体を増設接続する手段と、前記第1の領域及び又は第2の領域を前記増設接続した記録媒体に領域確保する手段と、前記第1の領域、第2の領域の領域サイズを任意サイズに設定する手段を備えた構成とする。
【0020】
前記連続データは、映像及び又は音声のデータであって前記映像信号及び又は前記音声信号をディジタル圧縮したデータを前記記録媒体の少なくとも前記記録ブロックに映像1コマを記録する手段を備える構成とする。
【0021】
前記ディスク状記録媒体は、ハードディスク或いは光磁気ディスク或いは相変化光ディスクなどの環状記録される媒体を用いて記録する構成とする。
【発明の効果】
【0022】
以上本発明によれば、ハードディスクは、連続データ記録に適した順次シーケンシャル記録領域と不連続データ記録に適したランダム記録領域と、上記各々の領域におけるマーキングとなる論理セクタ番号及び連結した論理セクタ番号及びファイル情報を記録する領域に分割することにより、従来のPCで管理されるデータとリンクして、高レートな連続データがハードディスクへ記録することができる効果は大きい。
【0023】
また、前記シーケンシャル記録領域及び前記ランダム記録領域をランダムに再生することができ、目的とする再生データを即座に再生することができる。前記シーケンシャル記録領域をエンドレス記録し、該記録動作と並行して前記エンドレス記録領域のデータを別領域へ複写することが可能であり、1台のデータ記録装置において複数のデータを同時に扱うことができる効果は大である。
【0024】
さらに連続したデータ記録に適したハードディスクの第1の領域を増設可能であって、該第1の領域はファイル管理ソフト及び又はOSソフトなどが直接関与しない領域であることから、増設ハードディスクの増設台数の上限がない事、ハードディスク1第当たりの容量に上限がない事などを利点に増設することが可能である。特にこれは、長時間のAVデータの記録が要求される監視カメラなどのデータ記録に適していて、例えば25GBのハードディスクを4台接続することで2フレーム/秒の映像が1ケ月記録することができる効果は大きい。
【0025】
さらにハードディスクの不良セクタを検出する手段及び該不良セクタ番号を格納、認識する手段により、当該不良セクタを中抜きして連続データを記録することができる。さらに不良セクタにおいても該不良セクタ前に位置するセクタと同一記録を行い、記録動作を一時止めない制御とすることによりデータのスループットを向上できる効果は大きい。さらに、前記不良セクタを含むシリンダ番号を認識する手段を備え、該シリンダ番号を中抜きしてデータを連続記録することにより、ハードディスクへのデータ記録単位であるシリンダ単位を維持することができ、データのスループットを向上する効果は大きい。
【0026】
さらに連続データを映像信号及び又は音声信号をディジタル圧縮符号を用いたデータとすることにより、映像及び又は音声の連続記録、ランダム再生が可能で且つ高画質な記録を行うことができる。さらには、記録データと再生データを並行して処理することができることから、前記映像信号及びまたは音声信号の記録動作を止めることなく映像信号及びまたは音声信号を再生することができる効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態におけるデータ記録装置の構成を示す図。
【図2】本発明のデータ記録装置におけるハードディスク記録状態を示す図。
【図3】第2の実施の形態におけるデータ記録装置の構成を示す図。
【図4】増設ハードディスクの内部構成を示す図。
【図5】第3の領域から第2の領域へデータ複写を行うフロー図。
【図6】ディスクの領域分割状態を示す図。
【図7】本発明の第3の実施形態におけるデータ記録装置の構成を示す図。
【図8】第3の実施の形態によるハードディスクの記録状態を示す図。
【図9】第3の実施の形態による別のハードディスクの記録状態を示す図。
【図10】本発明の第4の実施形態におけるデータ記録装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ディスク状記録媒体の利点はランダムアクセスが可能であること、ディスク状記録媒体に対する記録再生データレートが数MB/sと高速であることがあげられる。現在PCなどに内蔵されているハードディスクは、単発的なデータ或いはファイルの書き込み、読み出しの繰り返しが主であり、ハードディスクのフラグメント問題は大きな障害にはなっていない。フラグメントの一例を説明すれば、例えばハードディスクに1個が32Kバイトのファイルを1000個書き込みを行い、引き続いてランダムに前記ファイル300個、容量換算にて960Kバイトを消去したと仮定する。すなわちこの状態において当該ハードディスクは、不連続の空き領域が散在することになる。引き続いてさらに1個が960Kバイトのファイルを前記ハードディスクに記録を行うと、上記PC上にて動作しているファイル管理プログラムは、上記散在した空き領域に分散して前記1個が960Kバイトのファイルを記録することになる。従ってハードディスクは、上記分散した空き領域の検索及び記録、ベリファイ動作が逐次繰り返されることになり、ハードディスクのスループットの低下が目立ってくる。
【0029】
ハードディスクへ記録再生するデータがPCで扱う単発で短いファイル或いはデータ、あるいはアプリケーションソフトにおいては上記フラグメントが発生しても大きな問題にはなっていなかったが、例えば映像信号或いは音声信号(以下AV信号と称す)をディジタルデータに変換し、大容量で且つ連続したデータを前記ハードディスクへ記録再生する場合は、従来のPC上で行われているファイル管理方法ではハードディスクのオーバーヘッドが大きくなりデータのスループット(以下サステインドレートと称す)を確保することは不可能である。上記AV信号のデータは、例えばMJPEGストリームである場合略10Mbps程度のサステインドレートを必要とする。また複数のデータを扱うことも可能であり、今後さらに上記以上のサステインドレートが要求されることになる。
【0030】
そこで本発明では、ハードディスクのサステインドレートを確保するための記録方法の提案であって、以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。図1において、1はディスク状記録媒体であって以下本実施例ではハードディスクを一例にあげて説明するが、ディスク状記録媒体がハードディスクに限定されることはない。2はハードディスクの記録再生ヘッド、3はハードディスクへ記録再生するためのRD/WR信号処理部、4はハードディスクを回転させるスピンドルモータ(以下SPMと称す)、5はSPMを駆動するためのSPMドライブ部、6はボイスコイルモータ(以下VCMと称す)、7はVCMドライブ部、8は駆動系制御部、9はDiskインターフェース部、10はDisk機構部である。また、11はディジタルストリーム入力端子、12はディジタル入力処理部、13は記録データを一時蓄積するWRバッファ部、14はDisk I/Oプロトコル部、15はディジタル出力処理部、16は再生データストリームを一時蓄積するRDバッファ、17はディジタル出力端子、18は操作部、19はDisk中央制御部、20はハードディスクの論理セクタ制御部、21はハードディスクの物理セクタ制御部、22はファイル管理部、23はファイル領域確保部、24はファイル管理テープル、25は連続セクタ制御部、26は連続セクタ領域確保部、27はセクタ番号管理テープルである。
【0032】
入力端子11から入力されたデータは、ディジタル入力処理部12に入力される。本発明の動作説明のために、以下データは、前記AV信号をディジタル化した例えばMJPEGの画像圧縮を施したデータであって、高転送レートが要求される連続データの場合を例にあげて説明するが、上記画像圧縮手段がMJPEGに限定されることはない。
【0033】
ディジタル入力処理部12においては、入力されたデータは映像1コマ(以下フレームと称す)毎に区切り情報を追加し、所定のサイズのデータブロックに分割して一旦WRバッファ部13へ格納する。WRバッファ部13は例えば半導体メモリで構成され、前記ディジタル入力処理部から入力されるデータを順次記憶するように動作する。前記WRバッファ部に蓄積されるデータが所定容量に達すると、該データはディジタル入力処理部を介して順次Disk I/Oプロトコル部へ入力される。
【0034】
Disk I/Oプロトコル部において、以下本発明の動作説明のためにハードディスクで用いられているIDEインターフェースに準拠したデータプロトコルについて説明をするが、IDEインターフェースに限定されることなく、別プロトコル手段のSCSI規格、USB規格、IEEE1394規格などを用いて本発明を構成してもよい。
【0035】
Disk I/Oプロトコル部は、ハードディスクの最小記録ブロック(以下セクタ)単位の512Byte毎に前記データを転送且つ該ハードディスクとのハンドシェイクを行いながらDiskインターフェース部9へ入力する。
【0036】
ここでハードディスクの機構部10について説明する。ハードディスクはの磁気蒸着されたガラス円盤1が複数枚SPM同一軸にて回転駆動がなされ、該ディスク円盤の両面毎に記録再生ヘッド2が搭載されている。該ヘッドはVCM6により前記ディスクの半径方向により可動し、同心円状に並ぶセクタへデータを記録或いは再生する。
【0037】
SPM4はSPMドライブ部5により回転速度制御が行われ、VCM6はVCMドライブ部7により駆動されて当該記録セクタ位置に相当する半径方向に位置づけ制御を行う。またVCMドライブ部7及びSPBドライブ部5は駆動系制御部8により駆動制御がなされる。さらに駆動系制御部8はDiskインターフェース部9からの記録位置情報に基づいて制御がなされる。RD/WR信号処理部においては、データをヘッド2を介してディスク上に記録再生を行う編復調処理、データの誤りエラー訂正処理がなされる。
【0038】
次に上記複数の円盤に同心円状に並ぶセクタについて説明する。ここで説明のために1台当たりの記憶容量が6.4GBのハードディスクを例に上げて以下説明する。
【0039】
上記論理ディスク1を8枚登載(ただし内1枚が片面記録再生である)し、該ディスク面毎に論理記録再生ヘッド(以下ヘッドと称す)1が合計15個、上記ディスク円盤片面当たりの同心円状論理セクタ群(以下論理シリンダと称す)が13320本、1シリンダ内の論理セクタ数が63個、セクタ当たりの記録容量が512Byteの構成である上記ハードディスクは, (式1)により、ハードディスク全体の記憶容量が算出される。
【0040】
512Byte×63Secter×13320Cyrinder×15Head=6444748800Byte(式1)またハードディスク全体のセクタ数は、(式2)により算出される。
【0041】
63Secter×13320Cylinder×15Head=12587400Secter (式2)また、論理セクタ番号の指定はヘッド番号1から15のいずれか及びシリンダ番号0から13319のいずれか及びセクタ番号1から63のいずれかの3項目を決定することにより一意的に決定される。上記のようにヘッド番号、シリンダ番号、セクタ番号を指定を行い、目的セクタへアクセスするターゲットセクタを物理セクタ呼び、上記式2の総セクタを連続して番号付けを行い、連続セクタとして取り扱うセクタを論理セクタと呼ぶ。論理セクタは、前記ディスクに自由にナンバリングすることが可能であり、例えば、上記ディスク面15面のを再外周より並列に使用するようにナンバリングすることによりヘッド2の移動量が最小にて各ディスクを切り替えアクセスすることができる論理セクタナンバリング手段がある。ここで論理セクタ番号をLSN、セクタ番号をSEN、シリンダ番号をCYN、ヘッド番号をHEN、1シリンダ内のセクタ数をSPT、ヘッド総数をNOSとした場合、論理セクタ番号は式(3)により算出される。
【0042】
LSN=SPT×(HEN+NOS×CYN)+SEN-1 (式3)前記論理セクタのナンバリングは特に連続したデータを記録再生するに適している。上記(式3)はハードディスク内のディスク全体に対して論理セクタのナンバリングを行ったものであるが、特定の円盤に対して論理セクタをナンバリングしてもよく、あるいは前記論理セクタのナンバリングを複数系統準備してもよく、上記(式3)に限定されることはない。
【0043】
ハードディスクから読み出されたデータはDiskインターフェースを介してDisk I/Oプロトコルに従ってDisk I/Oプロトコル部へ入力される。読み出されたデータは、ディジタル出力処理部15において、連続したデータを前記区切り情報を基に所定サイズ長のデータブロックに分割して一旦RDバッファ部16に格納する。 RDバッファ部16は例えば半導体メモリで構成され、読み出されるデータを順次記憶するように動作する。前記RDバッファ部に蓄積されるデータが所定容量に達する毎に該データはディジタル出力端子17から出力される。
【0044】
ハードディスクの記録或いは再生の最小単位は前記セクタ(例えば512Byte)毎である。しかし、前記連続データを1セクタ毎にWRバッファに蓄積を行い、ハードディスクの1セクタ毎にDisk I/Oプロトコルにおいて記録を行っていたのでは、当該目的のセクタに対するヘッド番号、シリンダ番号、セクタ番号の指定及びDisk機後部10のヘッドシークによるオーバーヘッドが大きくなりすぎて連続データアクセスには都合が悪い。そこで本実施例では、ハードディスクの最大のサステインドレートを維持させるために、連続データに適したデータサイズにより、ハードディスクの記録、再生を行う構成としている。
【0045】
本実施例では、シリンダ単位を基準にハードディスクに対して連続データの記録、再生を行っている。シリンダ単位にハードディスクをアクセスを行うことにより、単一セクタをアクセスする場合のディスク回転待ちのオーバーヘッドを吸収することができ、ディスクの半径方向にヘッドを移動するオーバーヘッドだけに低減することができる。さらにデータが高レート化(例えば10Mbps以上)する場合は複数のシリンダを纏めて記録再生するように制御を行う。上記構成とすることによりハードディスクのスループットを最大限に維持することができる。
【0046】
さらに本実施例では、少なくとも前記RDバッファ及びWRバッファの記憶容量を前記ハードディスクをアクセスするシリンダ単位の容量或いは該容量以上を備えるように構成した。例えば、上記ハードディスク容量が6.4GBの場合、シリンダ内のセクタ数は63セクタであって、前記ハードディスクをアクセスするシリンダ単位を30シリンダと仮定すると、967680ByteのRDバッファ及びWRバッファをそれぞれ備えることになる。実際は、前記端数のメモリは存在することが少なく、1Mbyteのメモリを備えることになる。
【0047】
次に本発明で最も重要であるハードディスクの領域分けについて以下説明をする。ハードディスクは前記した様にPC上で動作するファイル管理ソフトにより、複数の論理セクタ(例えば4セクタを1ブロックとし以下これをクラスタと称す)毎に不連続に書き込み、読み出しを繰り返し、やがて前記クラスタを単位とするフラグメント比率が高くなりハードディスクのサステインドレートの低下が発生する。ハードディスクの持つ最大のサステインドレートにおいて連続記録させるには、前記連続する論理セクタ番号をシーケンス記録することであり、アクセスのためのヘッド移動量は、最小限の磁気ディスク半径方向の1シリンダ分に押さえるように制御する必要がある。
【0048】
そこで、本発明では1台のハードディスク或いはまたは複数台のハードディスクに対して連続データを記録再生する第1の領域と、従来のPC上で扱うファイル管理がなされるデータが記録再生される第2の領域と、該連続データ及び単発データの管理情報が記録される第3の領域に分割し、連続データの記録再生に適した記録方法を提供する。
【0049】
図2にハードディスクを前記3つの領域に分割した内部構造図を示す。第2図において、30はハードディスク、31はファイルを管理するテーブル領域のFAT、32はハードディスクに記録されている連続データ或いは単発ファイルデータのファイル名称群が記録される領域、33はファイルの属性が記録される領域、34はファイル毎のタイムスタンプが記憶される領域、35は連続論理セクタのインデックスに相当する論理セクタ番号が記録される領域である。38は前記第3の領域、39は前記第2の領域、40は前記第1の領域である。データを記録するセクタは第1の領域と第2の領域であり、それぞれ記録されるデータに特徴がある。
【0050】
第1の領域は、該領域内のセクタに対しシーケンシャルに連続記録を行い、該論理セクタの部分消去及び部分書き込みを行わない構成である。図2中の第1の領域の網掛け部分が記録済み領域を示している。消去すること及び部分記録を行わない第1の領域では、上記連続したデータを専用にて記録を担当する。該連続したデータはAV等のディジタルデータの場合が主であり、データの記録開始点或いは終了点あるいはインデックス点に相当する論理セクタ番号は図1の論理セクタ番号管理テーブル27に格納される。
【0051】
操作部18から指定されるデータの再生選択が入力されると、Disk中央制御部19により当該選択したデータの論理セクタが論理セクタ番号管理テーブルから引用され、連続セクタ制御部25によりハードディスクの第1の領域の論理セクタをランダムに指定し、再生動作が行われる。論理セクタ制御部20により記録時においてシーケンス的にアクセスされるセクタは、物理セクタ制御部21により前記物理セクタの次元にセクタが指示されされ、目的とする物理セクタに相当するヘッド番号、シリンダ番号、セクタ番号が決定されてDisk I/Oプロトコル14に入力され、Disk機構部のヘッド2を目的のセクタへ位置づけを行い、データの書き込み或いはまたは読み出しを行う。
【0052】
本発明のハードディスクの第1の領域の使い方で実用的な例として、例えば監視を目的としたAV連続データの記録があげられる。監視の世界においては、長時間の映像及び音声の記録が必要であり、特に事件などの発生した際(以下アラームと称す)に連続映像、音声の記録が必要となる分野である。
【0053】
前記ハードディスクの第1の領域に監視カメラからのAV連続データを記録するように設定し、アラーム発生時点における論理セクタ番号をセクタ番号管理テーブル27に格納し、後に当該アラーム検索、或いはアラームレベルによる優先順位検索をDisk中央制御部19により行い、アラーム点を指示することにより、第1の領域の論理セクタが指示されてランダムに再生を行うことができる。また限られた容量をハードディスク(第1の領域)をエンドレスに論理セクタを指示することにより、エンドレス記録を行うことができる。さらには、アラームが発生してから所定区間だけ前記第1の領域の論理セクタにデータの記録動作と並行して、該第1の領域の任意の論理セクタのデータを再生し、前記ハードディスクの第2の領域へ複写を行うことも可能であり、前記第1の領域のアラーム部のAVデータを確保することができる。
【0054】
図5に上記処理内容をフローチャートに示す。図5において、処理60のENTRYより処理を開始し、処理61は前記ハードディスクの第1の領域に連続データをエントレス記録を行い、処理62により前記第1の領域のデータを所定範囲確保するか否かを操作入力により選択を行い、該データの部分確保しない場合は処理61へ戻る。前記データの部分確保を行う場合は処理63に移り、当該データ確保部分に相当する前記第1の領域の先頭論理セクタ番号及び終了論理セクタ番号の読み出しを行う。次に処理64により、前記第1の領域へエンドレス記録動作と並行し、前記第1の領域の先頭論理セクタから及び終了論理セクタのデータの読み出しを行い、第2の領域へ該データの記録を行う。第1の領域から第2の領域へのデータ複写動作は、前記終了セクタ番号まで続けられる。また、第1領域におけるエンドレス記録動作は、前記複写動作により止まることはなく、当該処理が優先されてエンドレス記録が行われる。ハードディスクは、上記のように同時に複数のデータが扱うことができ、記録動作を止めることをしない監視の分野では特に有効である。
【0055】
ここで第1の領域のハードディスクにおいて、複数のデータが扱える構成について図1を用いて説明する。図1のWRバッファ13及びRDバッファ16は上記目的のために備えてあって、ハードディスクが記録動作中の再生データはRDバッファに蓄積されているデータを出力し、ハードディスクが再生動作中の記録データはWRバッファ13へ格納される。例えばハードディスクの第1の領域に記録しているデータレートが6Mbps、第1の領域のアラームセクタを読み出すデータレートが6Mbps、第1の領域内の特定セクタへ上記アラームセクタ番号を記録すデータレートが6Mbps、ハードディスクのサステインドレートが40Mbpsと仮定する。ハードディスクに対してのデータの書き込み及び読み出し速度が、同時刻に扱うマルチデータレートの合計以上であれば問題はない。実際はヘッドシーク及びタイミング待ち時間を含めたオーバーヘッドを加味しても上記条件下では問題なく記録動作に並行して再生動作を行うことができる。
【0056】
第2の領域は、従来のPCなどでファイル管理がなされるハードディスク領域であって、ランダム記録及び消去が許される領域でる。図2中の第2の領域に示す網掛け部分が記録済み領域を示し、フラグメントを発生しながら単発データが散財して記録される。
【0057】
第2の領域に記録されるデータは、第2の領域に散財して分割記録されるため、セクタの連結状態及びディレクトリ階層構造情報は、図1のファイル管理部22にて管理がされ、ファイル管理テーブル24に格納される。
【0058】
本実施の形態では、上記第1の領域から第3の領域を前記磁気ディスク上の半径方向に分割を行い特にサステインドレートを確保したい第1の領域を磁気ディスクの外側に配置するように構成している。図6に上記ディスクの領域分割状態イメージ図を示す。図6において、66は第1の領域、67は第3の領域、68は第2の領域、69から71は同一タイプのディスク、72から74はヘッドシーク用のアーム、75はヘッドである。
【0059】
例えば3.5インチ型のハードディスクの場合磁気ディスク記録面の半径は最大値略4.5cm、最小値略2.0cmであり、前記シリンダ内のセクタ個数は前記磁気ディスク半径に略比例している。従って、シリンダが外周に位置するに従いサステインドレートが高くなる。例えば、磁気ディスク回転数が5400rpmの3.5インチのハードディスクなどでは、最外周サステインドレートが3MB/sであるのに対し、最内周サステインドレートが1.5MB/sである。本発明では、連続データを記録する第1の領域を当該ディスクの最高サステインドレートが確保できる領域近傍に配置することにより、データのスループットを維持ことができる。
【0060】
次に、上記第1の領域と第2の領域の領域確保は、ハードディスク初期状態(未記録状態をいう)において、操作部18によりハードディスクに対してそれぞれ第1の領域の容量の指定及び第2の領域の容量の指定の操作を入力する。Disk中央制御部では、当該操作コマンドを認識し、ファイル領域確保部23及び連続セクタ領域確保部26は、上記各々の領域区分に対する当該ハードディスクの論理セクタ番号を確保し、前記ハードディスクを分割するように動作を行う。
【0061】
次に、ファイル管理テーブル24及び連続論理セクタ番号管理テーブルの内容はハードディスク第3の領域に記録される。上記管理情報はハードディスクから読み出しを行いファイル管理テーブル24及び連続論理セクタ管理テーブル27に一時記憶されて所定期間毎に第3の領域の管理情報の更新を行うように動作する。第3の領域には例えば、第1及び第2の領域に対する各々ファイル名称32、ファイル属性33、タイムスタンプ34、連結論理セクタ番号35、ディレクトリ階層構造情報36、ユーザ情報37などが記録される。
【0062】
また、操作部18において、記録すべくデータをハードディスク内の第1の領域或いは第2の領域いずれかを指定することが可能であり、前記連続したAV(30フレーム/秒)データであれば第1の領域へ記録し、静止画像などを第2の領域へ記録するように指定することも可能である。あるいは前記両方の画像データを任意の領域へ同一記録も可能である。また、第1の領域に記録されているデータは前記シーケンス記録であるからゆえに、例えばハードディスクのクラッシュなどによる第3の領域の破壊、FAT情報の部分破壊が発生した場合においてもデータの再生及び救済をすることが簡単に行うことができる特徴がある。
【0063】
以上第1の実施の形態によれば、ハードディスクは、連続データ記録に適した順次シーケンシャル記録領域と不連続データ記録に適したランダム記録領域と、上記各々の領域におけるマーキングとなる論理セクタ番号及び連結した論理セクタ番号及びファイル情報を記録する領域に分割することにより、従来のPCで管理されるデータとリンクして、高レートな連続データがハードディスクへ記録することができる効果は大きい。
【0064】
さらに、本発明のデータ記録装置は、監視カメラ映像及びまたは音声などのディジタルデータ記録に適しており、 前記論理セクタへの順次シーケンシャル領域をエンドレス記録し、該記録動作と並行して前記エンドレス記録領域のデータをハードディスクの別領域へ複写することができ、1台のデータ記録装置において複数のデータを同時に扱うことができる効果は大である。
【0065】
次に第2の実施の形態について図3を用いて以下動作説明をする。図3において図1と同一機能ブロックについての説明は省略する。図3において10aは増設したハードディスク機構部、50はハードディスク増設制御部である。
【0066】
AVなどのディジタルデータを記録するにあたり、ハードディスクはさらなる大容量が要求されることは予想される。例えば、前記MJPEGのデータが10Mbpsであって、前記6.4GBの容量を持つハードディスクに記録可能な時間はわずか85分である。また本発明のように領域分割を行うとさらに記録できる時間は短くなる。そこで本発明は、連続したデータの記録に適した前記第1の領域を複数のハードディスクを増設して拡大するものである。現状PCの世界においては、ハードディスクの増設は当然の様に対応されている。例えばIDEハードディスクにおいては通常PCにて最大4台までのハードディスク拡張ベイを備えている。また、SCSIインターフェースを装備すれば、最大7台までのSCSIインターフェースを備えたハードディスクをチェーン接続することができる。しかしこれらの増設は前記第1の実施例で述べたPC上でファイル管理がなされた前記領域2に相当するものであって、前記第1の領域に相当するものではない。また前記PC上でファイル管理されるハードディスクは、当該PC上のファイル管理ソフト或いはOSなどにより容量に上限が存在している。例えば、ファイル管理ソフトがFAT16である場合は、ハードディスク1台当たりの最大容量が2GB、増設可能な台数が26台であることから、最大でも52GBの容量しか扱うことができない。しかし、本発明で述べている第1の領域は、前記ファイル管理ソフトが直接関与しない点、OSが直接関与しない点、からハードディスクの増設台数及びハードディスク1台当たりの容量の上限がない。従って、例えば1台25GBのハードディスクを4台接続して、前記第1の領域を当該増設ハードディスク全域に割り当てることが可能になる。
【0067】
図3及び図4は上記のハードディスク増設を実現するためのブロック図である。ここではIDEインターフェースを一例に動作の説明を行うが、以下インターフェースはIDEに限定されない。例えば、SCSIインターフェース、USBインターフェース、IEEE1394インターフェースなどのいずれであってもよい。
【0068】
図3の増設制御部は、例えばアドレスが異なる複数のIDEインターフェースを備えてあり、連続セクタ領域確保部26により、Disk機後部10のハードディスクの第1の領域における論理セクタ番号に連続して、該増設したDisk機後部10aのハードディスク全域に前記第3の領域を確保し該論理セクタ番号をナンバリングするように制御を行う。前記IDEインターフェースのアドレスは、第3の領域に対する論理セクタ番号により切換え動作をDiskI/Oプロトコル部14により操作する。
【0069】
図4はDisk機後部10及びDisk機後部10aの記録媒体の様子を示す。図4において、30はDisk機後部10の記録媒体、51はDisk機後部10aの記録媒体を示す。図2と同一図番の説明は省略する。51の記録媒体は全ての領域が第1の領域に拡張され場合であって、ディスク内部は連続した論理ブロック番号が配置されており、論理セクタブロック番号に従い順次シーケンシャル連続記録及が行われる。
【0070】
以上の第2の実施の形態によれば、連続したデータ記録に適したハードディスクの第1の領域を増設可能であって、該第1の領域はファイル管理ソフト及び又はOSソフトなどが直接関与しない領域であることから、増設ハードディスクの増設台数の上限がない事、ハードディスク1第当たりの容量に上限がない事などを利点に増設することが可能である。特にこれは、長時間のAVデータの記録が要求される監視カメラなどのデータ記録に適していて、例えば25GBのハードディスクを4台接続することで2フレーム/秒の映像が1ケ月記録することができる効果は大きい。
【0071】
次に第3の実施の形態を図7を用いて以下説明をする。第3の実施の形態では、連続データを記録する第1の領域において、記録及びまたは再生不可能なセクタ(以下、不良セクタと称す)を検出し、該不良セクタを使用しない記録制御について説明する。尚、図7において図1と同一機能ブロックについての説明は省略する。図7の80はテストデータ生成部、81はセクタRD/WRテスト部、82は不良セクタ番号確保部である。
【0072】
操作部18から磁気ディスク上の第1の領域に対する不良セクタ確認動作の指令操作がなされると、セクタRD/WRテスト部81は、テストデータ生成部80において生成されたテストデータを指定セクタに対して記録動作、ベリファイ動作を行う。ベリファイ時において、記録動作時の前記テストデータと異なる場合は、さらに所定回数のベリファイ動作を行い、書き込み不可と判断したセクタ番号を不良セクタ番号確保部82に格納していく。該格納した不良セクタ番号は、前記ファイル管理テーブル24及びセクタ管理テーブル27の格納データと共にディスク上の第3の領域へ確保する。
【0073】
図8に、第3の実施の形態によるハードディスクの状態を示す。図8において、図2と同一箇所名称の説明は省略する。図8において、83から85は第1の領域の不良セクタ、86は該不良セクタのセクタ番号を格納する不良セクタ情報部である。前記第3の実施の形態により、第3の領域に対する不良セクタ番号が検出され、該不良セクタ番号が不良セクタ情報記録部へ格納される。連続データを記録する際データ記録装置は、該不良セクタを外して論理セクタ番号のナンバリングを行い、前記同様に連続データの記録を行う。
【0074】
また、前記不良セクタのみ記録を行わない動作において、該不良セクタを中抜きしたセクタ指定、すなわち図7の物理セクタ制御部における、ヘッド番号及びシリンダ番号及びセクタ番号の指示をDisk-I/Oプロトコルへ送信して、当該不良セクタをアクセスしない制御が必要となる。従って、不良セクタに記録が到達した際に、記録動作を一旦停止し、引き続いて前記不良セクタより後続するセクタへ記録指示を送るため、データのスループットが低下する可能性がある。そこで、本実施例では、上記記録動作の一時停止が行われないように、不良セクタに対しても、該不良セクタに前に連続位置するセクタに記録されたデータと同一データを記録する構成に対応するようにしている。不良セクタ番号は不良セクタ番号確保部にてあらかじめ把握され、当該不良セクタへの記録に達するとDisk-I/Oプロトコル部14は、ディジタル入力処理部12からのデータを該不良セクタ前に位置するセクタに対応する同一記録データを記録する。
【0075】
さらに本実施の形態では、前記不良セクタが含まれるシリンダを不良シリンダとしてアクセスを行わない構成にも対応している。前記不良セクタのみを飛ばして記録する動作に対して、当該不良セクタを含むシリンダを飛ばす動作は、記録動作を停止する単位が通常連続記録動作のシリンダ単位となることにより、不良セクタによるデータのスループット低下が少ないない。
【0076】
以下図9を用いて説明をする。尚、図8と同一名称の説明は省略する。図9において、86から93はシリンダ番号がシリンダ0からシリンダ7を示してあって、内シリンダ3、シリンダ4、シリンダ6において不良セクタかそれぞれ1つづつ存在している様子を示す。不良セクタ番号は、あらかじめ不良セクタ番号確保部82に確保されてあり、該不良セクタが含まれるシリンダ番号は、物理セクタ制御部21により即座に把握される。物理セクタ制御部21において認識された不良シリンダ番号は、連続セクタ番号のナンバリング動作において外されて認識され、前記連続データの記録を行うように動作をする。
【0077】
上記第3の実施の形態では、不良セクタ番号の及び不良シリンダ番号の検出動作及び中抜き動作は、前記ハードディスクの第1の領域において説明を行ったが、前記第2及びまたは第3の領域においても適用することが可能であり、前記第1の領域に限定されない。
【0078】
以上第3の実施の形態によれば、ハードディスクの不良セクタを検出する手段及び該不良セクタ番号を格納、認識する手段により、当該不良セクタを中抜きして連続データを記録することができる。さらに不良セクタにおいても該不良セクタ前に位置するセクタと同一記録を行い、記録動作を一時止めない制御とすることによりデータのスループットを向上できる効果は大きい。さらに、前記不良セクタを含むシリンダ番号を認識する手段を備え、該シリンダ番号を中抜きしてデータを連続記録することにより、ハードディスクへのデータ記録単位であるシリンダ単位を維持することができ、データのスループットを向上する効果は大きい。
【0079】
次に第4の実施の形態について図10を用いて説明する。第4の実施の形態では、前記連続データは、映像信号及びまたは音声信号をディジタル圧縮した例えばMPEG圧縮あるいはMJPEG圧縮などを施したデータストリムであって、ハードディスクなどのディスク状記録媒体に前記データを記録或いは再生動作を行う構成を特徴としている。
【0080】
図10において、図1と同一機能ブロックの説明は省略する。図10において、100は映像信号入力端子、101は音声信号入力端子、102は映像入力部、103は音声入力部、104は映像圧縮プロセス部、105は音声圧縮プロセス、106はストリーム合成部、107は音声信号出力端子、108は映像信号出直端子、109は音声出力処理部、110は映像出力部、111は音声伸張プロセス部、112は映像伸張プロセス部、113はストリーム分離部である。
【0081】
映像信号入力端子100から入力されたアナログ映像信号は、映像入力部102においてディジタル映像信号への変換及びディジタル映像信号の並び換えいわゆるシャフリング処理が行われ、映像圧縮プロセス部104に出力される。映像圧縮プロセス部104においてシャフリング処理されたディジタル映像信号は、例えばMJPEG符号化手段により符号化された映像圧縮データに変換し、ストリーム合成部106へ出力する。上記映像圧縮プロセス部5は前記MJPEG符号化手段に限定されず、MPEG1などの映像圧縮手段でもよく、MJPEG符号化に限定されない。
【0082】
また、入力端子101から入力されたアナログ音声信号は、音声入力部103においてディジタル音声信号への変換及びディジタル音声信号のシャフリング処理を行い音声圧縮プロセス部105に出力される。音声圧縮プロセス部105においてシャフリング処理されたディジタル音声信号は、例えばADPCMなどの符号化手段により符号化を行い、該音声圧縮データをストリーム合成部106へ出力する。ストリーム合成部106においては、前記映像圧縮データ及び音声圧縮データを1系統のデータに時間多重化を行う。該時間軸多重された1本のデータはディジタル入力処理部12へ入力され、ハードディスクへ連続記録がなされる。
【0083】
再生動作においては、ディジタル出力処理部から出力されるデータは、ストリーム分離部113において、映像圧縮データと音声圧縮データに分離し、映像圧縮データは、映像伸張プロセス部112において、例えばMJPEG複合手段により複合化されディジタル映像データを映像出力部110へ入力する。映像出力部110においてディジタル映像データをデシャフリング処理及び基のアナログ映像信号に変換されて映像信号出力端子24から出力される。
【0084】
音声圧縮データは、音声伸張プロセス部111において、例えばADPCM複合手段により複合化されたディジタル音声データを音声出力部109へ入力する。音声出力部109においてディジタル音声データは、デシャフリング処理及び基のアナログ音声信号に変換されて音声信号出力端子23から出力される。
【0085】
以上第4の実施の形態によれば、連続データを映像信号及び又は音声信号をディジタル圧縮符号を用いたデータとすることにより、映像及び又は音声の連続記録、ランダム再生が可能で且つ高画質な記録を行うことができる。さらには、記録データと再生データを並行して処理することができることから、前記映像信号及びまたは音声信号の記録動作を止めることなく映像信号及びまたは音声信号を再生することができる効果は大きい。
【0086】
以上本発明の実施の形態では動作の説明を行うために、記録媒体をハードディスクを例題に取り上げたが、記録媒体に光り磁気ディスク或いは相変化光ディスクなどのディスク状記録媒体であっても本発明は適用され、ハードディスクには限定されない。
【符号の説明】
【0087】
1 ディスク状記録媒体
2 記録再生ヘッド
3 RD/WR信号処理部
4 スピンドルモータ
5 SPMドライブ部
6 ボイスコイルモータ
7 VCMドライブ部
8 駆動系制御部
9 Diskインターフェース部
10 Disk機構部
11 ディジタルストリーム入力端子
12 ディジタル入力処理部
13 WRバッファ部
14 Disk I/Oプロトコル部
15 ディジタル出力処理部
16 RDバッファ
17 ディジタル出力端子
18 操作部
19 Disk中央制御部
20 論理セクタ制御部
21 物理セクタ制御部
22 ファイル管理部
23 ファイル領域確保部
24 ファイル管理テープル
25 連続セクタ制御部
26 連続セクタ領域確保部
27 セクタ番号管理
30 ハードディスク
31 FAT
32 ファイル名称群が記録される領域
33 ファイルの属性が記録される領域
34 ファイル毎のタイムスタンプが記憶される領域
35 論理セクタ番号が記録される領域
38 第3の領域
39 第2の領域
40 第1の領域
50 増設制御部
51 増設された第3の領域
66 第3の領域
67 第1の領域
68 第2の領域
69〜71 磁気ディスク
72〜74 磁気ヘッドシーク用アーム
75 ヘッド
80 テストデータ生成部
81 セクタRD/WRテスト部
82 不良セクタ番号確保部
83〜85 不良セクタ
86 不良セクタ情報
87〜93 シリンダ
100 映像信号入力端子
101 音声信号入力端子
102 映像入力部
103 音声入力部
104 映像圧縮プロセス部
105 音声圧縮プロセス
106 ストリーム合成部
107 音声信号出力端子
108 映像信号出直端子
109 音声出力処理部
110 映像出力部
111 音声伸張プロセス部
112 映像伸張プロセス部
113 ストリーム分離部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からデータを入力する入力手段と、記録媒体に前記データを記録する記録手段を備えるデータ記録装置において、
前記記録手段は、入力データが連続データの場合は前記記録媒体の第1の領域に、不連続データの場合は前記記録媒体の第2の領域に分割して記録することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項2】
請求項1記載のデータ記録装置において、
前記記録手段は、前記第1の領域または前記第2の領域に記録したデータの管理情報を、前記記録媒体の第3の領域に記録することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のデータ記録装置において、
前記記録媒体はディスク状記録媒体であることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項4】
請求項1記載のデータ記録装置において、
前記記録媒体の第1の領域及び第2の領域は、それぞれ複数の記録ブロックにより構成され、
前記記録手段は、前記第1の領域に連続して配置される記録ブロックに、前記連続データをシーケンシャルに記録することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項5】
請求項3記載のデータ記録装置において、
前記ディスク状記録媒体の各領域は、その半径方向に領域分割され、
前記第1の領域は、前記ディスク状記録媒体の最外周側に配置されることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2記載のデータ記録装置において、
前記記録手段は、前記第1の領域にエンドレスに記録することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項7】
請求項1記載のデータ記録装置において、
前記第1の領域に記録されたデータを、前記第2の領域へ複写する複写手段を備えることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項8】
請求項7記載のデータ記録装置において、
前記複写手段は、前記記録手段が前記第1の領域へ記録する動作と並行して、前記第1の領域に記録されたデータを前記第2の領域へ複写することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項9】
請求項2記載のデータ記録装置において、
前記記録手段は、前記記録媒体に複数の記録ブロックを設定する記録ブロック設定手段を備え、
前記記録媒体の第1の領域内に連続して配置される記録ブロックに、前記連続データをシーケンシャルに記録し、
前記連続データが記録された前記第1の領域内の記録ブロックの番号を、前記第3の領域へ記録することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項10】
請求項2記載のデータ記録装置において、
前記記録媒体の不良記録ブロックを検出する手段を備え、
前記記録手段は、該不良記録ブロックの番号を前記第3の領域へ記録するとともに、前記連続データを前記第1の領域へ記録する際、前記不良記録ブロックをジャンプして記録することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項11】
請求項3記載のデータ記録装置において、
前記ディスク状記録媒体の同心円状トラックの中から不良記録トラックを検出する手段を備え、
前記記録手段は、該不良記録トラックの番号を前記第3の領域へ記録するとともに、前記連続データを前記第1の領域へ記録する際、前記不良記録トラックをジャンプして記録することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項12】
請求項3記載のデータ記録装置において、
前記連続データを蓄積するバッファ手段と、
該バッファ手段に所定容量のデータが蓄積されたことを検出するバッファ容量検出手段を備え、
前記記録手段は、該バッファ容量検出手段の結果に基づいて、前記ディスク状記録媒体上の同心円状トラックに配置される複数の記録ブロックに前記連続データを記録することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項13】
請求項12記載のデータ記録装置において、
前記バッファ手段の蓄積容量は、前記ディスク状記録媒体のトラック単位に設定することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項14】
請求項1記載のデータ記録装置において、
前記記録媒体に他の記録媒体を増設接続する手段と、
前記第1の領域及び/又は第2の領域を前記増設接続した記録媒体に領域確保する手段を備えることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載のデータ記録装置において、
前記第1の領域と第2の領域をそれぞれ任意のサイズに設定する手段を備えることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項16】
請求項1または請求項2記載のデータ記録装置において、
前記連続データは、映像及び/又は音声のデータであることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項17】
請求項4記載のデータ記録装置において、
前記連続データは映像信号及び/又は音声信号をディジタル圧縮したデータであって、
前記記録媒体の少なくとも1つ以上の前記記録ブロックに映像1コマを記録することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項18】
請求項3記載のデータ記録装置において、
前記ディスク状記録媒体は、ハードディスクであることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項19】
請求項3記載のデータ記録装置において、
前記ディスク状記録媒体は、光磁気ディスクであることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項20】
請求項3記載のデータ記録装置において、
前記ディスク状記録媒体は、相変化光ディスクであることを特徴とするデータ記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−81905(P2011−81905A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281140(P2010−281140)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【分割の表示】特願2009−1241(P2009−1241)の分割
【原出願日】平成11年3月19日(1999.3.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】