説明

データ転送方法、および印刷装置

【課題】ケーブルの制約を受けることなく、キャリッジとのデータ転送を行うことができる印刷装置のデータ転送方法、および印刷装置を提供すること。
【解決手段】プリンタ制御部50は、キャリッジ移動機構30を制御してキャリッジ20を移動させることにより本体側連結機構10の電極部にキャリッジ側連結機構23の電極部を当接させる。プリンタ制御部50は、互いに当接し合う電極部を介して印字データSIを転送し、ヘッド制御部24は、転送された印字データSIに従って印刷ヘッド21を駆動させることにより印刷を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
キャリッジを走査させて印刷を行う印刷装置の装置本体とキャリッジとのデータ転送方法、および印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷ヘッドを有したキャリッジを、装置本体に載置された用紙に対して主走査方向に走査すると共に、主走査方向に交差する副走査方向に用紙を紙送りすることにより印刷を行うシリアルプリンタが広く知られている。シリアルプリンタでは、印字データなどをプリンタ本体からキャリッジに転送するため、プリンタ本体とキャリッジとをフレキシブルフラットケーブルで接続している。すなわち、プリンタ本体側で生成された印字データをフレキシブルフラットケーブルを介してキャリッジに送信し、キャリッジに備わる印刷ヘッドが、送信された印字データに基づいて駆動することにより印刷を行うようになっている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
このようなケーブルを介したデータ転送において、プリンタの印刷速度や印刷解像度をより高める場合、キャリッジへのデータ転送速度、すなわち単位時間当りに転送されるデータ量を増やす必要が生じる。転送データ量の増加に対応する方法としては、ケーブルに含まれる信号線の線数を増やして転送の並列度を高める方法や、ケーブルを介して伝送する信号の周波数を高めて信号線当りのデータ転送量を高める方法がある。
【0004】
【特許文献1】特開平9−11581号公報
【特許文献2】特開2002−326348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、信号の周波数を高めてデータの転送速度を上げる場合には、信号の不要輻射が大きくなるので限界があり、対策として例えばケーブルにグランド線を追加すると、結果として信号線の線数が増えることになる。信号線の線数が増えると回路規模が大きくなって製品コストが上昇することになる。また、筐体内のスペースやケーブルの取り回しなどの物理的制約のため信号線の線数を増やすことが困難なこともある。
【0006】
このように、ケーブルを用いたデータ転送では、転送速度やプリンタの構造などに制約を受けてしまうという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、ケーブルの制約を受けることなく、キャリッジとのデータ転送を行うことができるデータ転送方法、および印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明のデータ転送方法は、印刷ヘッドを有するキャリッジを走査して印刷を行う印刷装置における印刷装置本体とキャリッジとのデータ転送方法であって、印刷装置本体に備えられた第1の通信部とキャリッジに備えられた第2の通信部とが通信可能となる所定の位置にキャリッジを移動させ、第1の通信部および第2の通信部を介して印刷装置本体とキャリッジとのデータ転送を行うことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、第1の通信部と第2の通信部とがデータ通信可能な位置にキャリッジを移動させ、第1の通信部および第2の通信部を介してデータを転送することにより、ケーブルの制約を受けることのないキャリッジとのデータ転送を実現することができる。
【0010】
本発明の印刷装置は、印刷ヘッドを装置本体に対し走査して印刷を行う印刷装置であって、印刷ヘッドを有するキャリッジを移動させるキャリッジ移動機構と、装置本体に備えられた、データを送受信するための第1の通信部と、第1の通信部を介したデータ転送を制御する第1の制御部と、キャリッジに備えられた第2の通信部と、キャリッジに備えられ、第2の通信部を介したデータ転送を制御する第2の制御部とを備え、第1の制御部は、キャリッジ移動機構を制御し、第1の通信部と第2の通信部とが通信可能となる所定の位置にキャリッジを移動させ、第1の制御部および第2の制御部の一方は、第1の通信部および第2の通信部を介して他方の制御部にデータを転送することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、第1の通信部と第2の通信部とがデータ通信可能な位置にキャリッジを移動させ、第1の通信部および第2の通信部を介してデータを転送することにより、ケーブルの制約を受けることのない装置本体とキャリッジとのデータ転送を実現することができる。
【0012】
例えば、装置本体とキャリッジとの間でケーブルを介して行うデータ転送のうちの一部を第1の通信部および第2の通信部を介したデータ転送に置き換えることにより、ケーブルに含まれる信号線の線数を低減することができる。
【0013】
また、本発明の印刷装置において、第1の通信部および第2の通信部をさらに備え、2つの第1の通信部をキャリッジの走査方向両端に設け、2つの第2の通信部を第1の通信部の各々に対向する位置に設けることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、走査方向両端の位置でデータを転送することができるので、データの転送効率を向上させることができる。
【0015】
また、本発明の印刷装置において、第1の通信部は第1の電極部を有し、第2の通信部は第2の電極部を有し、第1の制御部は、キャリッジ移動機構にキャリッジを所定の位置に移動させることにより、第2の電極部を第1の電極部に当接させ、第1の制御部および第2の制御部の一方は、第1の電極部および第2の電極部を介して他方の制御部にデータを転送することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、キャリッジを移動させて、キャリッジに備わる第2の電極部を第1の電極部に当接させ、第1の電極部および第2の電極部を介してデータを転送することにより、ケーブルの制約を受けることのないキャリッジとのデータ転送を実現することができる。
【0017】
また、本発明の印刷装置において、第1の通信部は、1または複数の第1の電極部をさらに有し、第2の通信部は、1または複数の第2の電極部をさらに有し、第1の制御部および第2の制御部の一方は、複数の組の第1の電極部および第2の電極部を介して他方の制御部にデータを転送することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、複数の組の電極部を介してデータを転送することにより、データの転送速度が向上する。
【0019】
また、本発明の印刷装置において、第1の制御部および第2の制御部の一方は、複数の組の第1の電極部および第2の電極部ごとに、異なるデータを転送することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、複数の組の電極部ごとに異なるデータを転送することにより、全体としてのデータの転送効率が向上する。
【0021】
また、本発明の印刷装置において、第1の制御部および第2の制御部の一方は、第1の電極部および第2の電極部の組ごとに少なくとも1組の同じデータを転送し、他方の制御部は、転送された1組の同じデータを用いてデータの誤り訂正を行うことが好ましい。
【0022】
この構成によれば、データの誤り訂正を行って、データ転送の信頼性を高めることができる。
【0023】
また、本発明の印刷装置において、第1の制御部は、第1の通信部および第2の通信部を介して第2の制御部に印刷対象の印字データを送信し、キャリッジは、送信された印字データを記憶する記憶部をさらに含み、第2の制御部は、記憶部から読み出した印字データに基づき印刷ヘッドを駆動させることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、第1の電極部および第2の電極部を介して受信した印字データを記憶部から読み出して、印字データに基づき印刷ヘッドを駆動させることにより、印刷することができる。
【0025】
また、本発明の印刷装置において、キャリッジは、電源装置をさらに含み、印刷ヘッドは、電源装置から供給される電力により駆動することが好ましい。
【0026】
この構成によれば、キャリッジに備わる電源装置から供給された電力により印刷ヘッドを駆動して印刷することができる。
【0027】
また、本発明の印刷装置において、キャリッジは、印刷用のインクを収容するインク収容体をさらに含み、第2の制御部は、インク収容体に収容されたインクに関する情報を、第1の通信部および第2の通信部を介して第1の制御部に送信することが好ましい。
【0028】
この構成によれば、第1の制御部はインクに関する情報を受信して、キャリッジに備わるインク収容体に収容されたインクの状態を取得することができる。
【0029】
また、本発明の印刷装置において、第1の電極部を覆う第1のカバー部材、および第2の電極部を覆う第2のカバー部材をさらに備えることが好ましい。
【0030】
この構成によれば、第1の装着部および第2の装着部はカバー部材に覆われているので、装着部内部に異物が侵入することを防止することができる。例えば、記録媒体との装着部間のコネクタなどの電極部分に異物が付着することによる転送不良の発生を抑制できる。
【0031】
また、本発明の印刷装置において、第1のカバー部材および第2のカバー部材は開閉自在に構成され、印刷時におけるキャリッジの走査により、第1のカバー部材および第2のカバー部材が開閉されることが好ましい。
【0032】
この構成によれば、キャリッジの走査によりカバー部材が開閉されるので、簡易な構成でデータ転送不良の発生を抑制することができる。
【0033】
また、本発明の印刷装置において、第1の通信部および第2の通信部の一方は、キャリッジが所定の位置にあるときの他方の通信部に向けて、転送すべきデータに応じた光を出力し、他方の通信部が出力された光を受光することにより、データを転送することが好ましい。
【0034】
この構成によれば、キャリッジが所定の位置にあるときに、第1の通信部および第2の通信部の一方が出力した光を他方の通信部が受信するようにして、ケーブルの制約を受けることがないデータ転送を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(第1の実施例)
以下、本発明に係る実施形態の第1の実施例について図面を参照して説明する。
【0036】
図1は第1の実施例に係るプリンタの構成を示したブロック図であり、図2はプリンタの内部構成を示した斜視図である。図1に示すように、プリンタ(印刷装置)1は、本体側連結機構(第1の通信部)10と、印刷ヘッドなどを備えたキャリッジ20と、所定のキャリッジ移動方向に沿ってキャリッジ20を走査させるキャリッジ移動機構30と、用紙Sを紙送りする用紙搬送機構40と、これらの各構成の動作を制御するプリンタ制御部(第1の制御部)50とを備えている。
【0037】
本体側連結機構10は、キャリッジ20に対して印字データを転送するための電極を備えた部分であり、図2に示すように、走査範囲の両端の位置(以下、「データ転送位置」ともいう)においてキャリッジ20に対向するようにして、合計2つ取り付けられている。本体側連結機構10の詳細な構成については後述することにする。
【0038】
キャリッジ移動機構30は、キャリッジ20をキャリッジ移動方向に沿って移動させる機構であり、図2に示すように、キャリッジモータ31と、駆動プーリー32と、従動プーリー33と、タイミングベルト34と、ガイド軸35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジ20を移動させるための動力源であり、プリンタ制御部50によって動作が制御される。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー32が取り付けられている。この駆動プーリー32は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されており、キャリッジ移動方向の他端側には、従動プーリー33が配置されている。タイミングベルト34は駆動プーリー32と従動プーリー33とに架け渡され、タイミングベルト34の一部がキャリッジ20に係止されている。ガイド軸35はキャリッジ20を移動可能に支持する。このガイド軸35に沿ってキャリッジ20が移動可能な方向が、上述したキャリッジ移動方向である。
【0039】
用紙搬送機構40は、キャリッジ移動方向と交差する紙送り方向に沿って用紙Sを搬送させ、紙送りを行う。用紙搬送機構40は、搬送モータ41や搬送ローラ42などを有しており、搬送モータ41を動作させ、搬送ローラ42を搬送対象の用紙Sに接しながら回動させることにより用紙Sを紙送り方向に搬送する。
【0040】
次に、プリンタ制御部50について説明する。プリンタ制御部50は、図1に示すように、プリンタ1の主制御装置であるCPU51と、制御プログラムなどを予め記憶したROM52と、入出力バッファやワーキングメモリとして用いられるRAM53と、外部インターフェイス(以下、「外部I/F」という)54と、駆動信号生成回路55と、内部インターフェイス(以下、「内部I/F」という)56とを備えている。
【0041】
外部I/F54は、図1に示すように、プリンタ外部のホストコンピュータ2が接続されるインターフェイス部分であり、ホストコンピュータ2とのデータ転送を行う。また、ホストコンピュータ2から印刷データを受信すると、受信した印刷データをRAM53の入力バッファに格納する処理を行う。
【0042】
CPU51は、ROM52に記録された制御プログラムを読み出し、RAM53をワーキングメモリとして制御プログラムを実行することにより、プリンタ1の処理/動作を制御する。ここで、CPU51が行う処理には、入力バッファに格納された印刷データを印字データSIに変換する処理や、内部I/F56を介してキャリッジ20に印字データSIなどを転送すると共に、キャリッジ移動機構30および用紙搬送機構40を動作させることにより、印刷を制御する処理などが含まれる。なお、印字データSIとは、ノズルごとの吐出/非吐出を示すデータである。
【0043】
駆動信号生成回路55は駆動信号COMを生成する回路である。ここで、駆動信号COMは、駆動パルスを印刷周期ごとに繰り返し発生させた信号である。駆動パルスがヘッドの各ノズルに対応した圧電振動子に印加されると印刷ヘッドからインクが吐出される。
【0044】
また、駆動信号生成回路55は、駆動信号COMにおける印刷周期の開始タイミングを規定するラッチ信号LATを生成する。これらの駆動信号COMおよびラッチ信号LATは内部I/F56に出力される。
【0045】
内部I/F56は、プリンタ1の各部(キャリッジ移動機構30、用紙搬送機構40、キャリッジ20、および本体側連結機構10)に対してのインターフェイス部分である。例えば、CPU51は、内部I/F56を介してキャリッジ移動機構30のキャリッジモータ31を制御することによりキャリッジ20を走査させる。また、内部I/F56を介して用紙搬送機構40の搬送モータ41を制御して、印刷の対象となる用紙Sを搬送させることにより、紙送りを行う。
【0046】
ここで、内部I/F56は、フレキシブルフラットケーブル(以下、「FFC」という)70によりキャリッジ20と接続されている。上述した駆動信号COMおよびラッチ信号LAT、は内部I/F56からFFC70を介してキャリッジ20に出力される。一方で、印字データSIは内部I/F56から本体側連結機構10に出力される。
【0047】
次に、キャリッジ20の構成について説明する。キャリッジ20は、図1に示すように、インクを吐出する印刷ヘッド21と、キャリッジ20に装着されたインクカートリッジ(インク収容体)22と、キャリッジ側連結機構(第2の通信部)23と、印刷ヘッド21を駆動制御するヘッド制御部(第2の制御部)24と、印字データSIを一時記憶するためのバッファメモリ(記憶部)25と、印刷ヘッド21を駆動するためのヘッド駆動回路26とを有している。
【0048】
印刷ヘッド21は、インク吐出用の複数のノズルを配列したノズル列や、インク流路、圧力発生室、圧電振動子を有する。インク流路、圧力発生室、および圧電振動子は、ノズル列の各ノズルに対してそれぞれ設けられている。インクカートリッジ22は、カートリッジ内部にインクタンクを有している。インクカートリッジ22がキャリッジ20に装着されると、印刷ヘッド21のインク流路にカートリッジのインクタンクが連通して、印刷ヘッド21のインク流路を通じて圧力発生室にインクが充填される。そして、ヘッド制御部24からの制御に従って圧電振動子が駆動され、圧力発生室に充填されたインクをノズルから吐出して用紙Sにドットを形成することにより、印刷が行われる。
【0049】
キャリッジ側連結機構23は、本体側連結機構10から印字データの転送を受ける電極を備えた部分であり、図2に示すように、2つの本体側連結機構10の各々に対してキャリッジ移動方向に対向する位置に、合計2つ取り付けられている。キャリッジ側連結機構23の詳細な構成については後述する。
【0050】
ヘッド制御部24は、プリンタ本体とのインターフェイス回路やCPUなどを含み、キャリッジ20側での動作を制御する部分である。ヘッド制御部24は、FFC70を介して出力されたラッチ信号LATを受信すると共に、転送された印字データSIをバッファメモリ25に一時記憶させ、印刷の進行状況に応じて印字データSIを逐次読み出しヘッド駆動回路26に供給する処理などを行う。
【0051】
ヘッド駆動回路26は、印刷ヘッド21の圧電振動子を駆動させる駆動パルスを供給するための回路である。ノズルごとに取り付けられた圧電振動子の各々に対して、スイッチがついており、そのスイッチの一端はFFC70を介して送信された駆動信号COMにつながり、他端は圧電振動子に接続されている。スイッチのON/OFFに従い駆動信号COMが圧電素子に印加されたりされなかったりすることにより、インクが吐出されたり、されなかったりする。スイッチのON/OFFは、ラッチ信号LATのパルスのタイミングでヘッド制御部24がバッファメモリ25の適切なアドレスからノズル数分だけのデータを読み出すことにより得られた印字データSIに従って行う。
【0052】
次に、本体側連結機構10およびキャリッジ側連結機構23の構成について詳細に説明する。
【0053】
まず、本体側連結機構10について説明する。図3は、本体側連結機構10の拡大図である。図4は、本体側連結機構10の断面図である。図4に示すように、本体側連結機構10は、キャリッジ側連結機構23が収まるための開口部を形成するフレーム100と、開口部奥に設けられた凸形状のコネクタ部101と、コネクタ部101先端部分に設けられた電極部102と、開口部の入口側に取り付けられたカバー部材103(第1のカバー部材)とを有している。コネクタ部101はその上端部に開口部入口側に突き出たピン部101aを有する。
【0054】
また、図3に示すように、本体側連結機構10には、上述した構成を3組分有することにより、3つの電極部102が備わっている。この電極部102は、金属などの導電性を有する材料の成型物であり、ケーブルなどにより内部I/F56と電気的に接続されている。
【0055】
カバー部材103は、開口部内部と外部とを仕切るように開口部を覆う蓋である。カバー部材103は、開口部入口側のフレーム100に上端を支点にして支持され、バネ部材などにより、外部からの干渉がないときには開口部を塞ぐように閉じている(図4のカバー部材103参照)。そして、カバー部材103が外部から押されたときには、カバー部材103は支点を中心に回転してカバー部材103が開くようになっている(図4の2点鎖線部分参照)。
【0056】
次に、キャリッジ側連結機構23について説明する。図5は、キャリッジ側連結機構23の拡大図である。図6は、キャリッジ側連結機構23の断面図である。キャリッジ側連結機構23は、本体側連結機構10のコネクタ部101が収まるための開口部を形成するフレーム200と、開口部奥に一端を支持されたバネ部材201と、バネ部材201の他端に支持された電極部202と、開口部の入口側に取り付けられたカバー部材203(第2のカバー部材)とを有している。また、図5に示すように、キャリッジ側連結機構23は、本体側連結機構10の3つの電極部102に対応して、3つの電極部202を有しており、各々の電極部202はバネ部材201を介してフレーム200に支持されている。この電極部202は、図外のケーブルあるいはバネ部材201自体を介してヘッド制御部24と電気的に接続されている。
【0057】
以上に説明した構成を有する本体側連結機構10の開口部に対してキャリッジ側連結機構23が挿入されると、図7に示すように、本体側連結機構10のカバー部材103はキャリッジ側連結機構23に押されて開く。キャリッジ側連結機構23が本体側連結機構10の開口部奥のコネクタ部101よりさらに奥に押し込まれると、キャリッジ側連結機構23のカバー部材103はコネクタ部101のピン部101aに付勢されて押し開けられる。さらに、キャリッジ側連結機構23が押し込まれて、本体側連結機構10の電極部102とキャリッジ側連結機構23の電極部202とが当接すると、プリンタ本体とキャリッジとが電極部102,202を介して電気的に接続され、通信可能な状態となる。
【0058】
ここで、本体側連結機構10の開口部に対してキャリッジ側連結機構23を挿入して物理的に押し込む動作は、キャリッジ20の走査により行う。すなわち、キャリッジ20がデータ転送位置に戻るとき、キャリッジ20を移動させ、本体側連結機構10とキャリッジ側連結機構23とが対向する位置からさらに近づけられることによりカバー部材103,203が押し開けられる。さらに、キャリッジ20がデータ転送位置まで戻ると電極部102,202が当接する。このように、データ転送位置において電極部102,202が当接する位置関係となるように、本体側連結機構10およびキャリッジ側連結機構23が取り付けられている。
【0059】
次に、印刷時におけるプリンタ1の動作について図8に示すフローチャートに従って説明する。なお、キャリッジ20がデータ転送位置にある状態で処理を開始するものとして説明する。
【0060】
CPU51がROM52から読み出した制御プログラムを実行し、外部I/F54を介してホストコンピュータ2から印刷データを受信したタイミングなどに、図8の処理が開始される。処理を開始すると、まず、ステップS10では、プリンタ制御部50のCPU51は、印刷データから、1パス目の印字データを生成する。すなわち、キャリッジ20が走査範囲の片道分を移動する間に印刷する分の印字データSIを、最初に印刷するパスについて生成する。
【0061】
次に、CPU51は、内部I/F56を介して、キャリッジ20に1パス目の印字データSIを転送する。すなわち、CPU51は、本体側連結機構10の電極部102を介してキャリッジ側に印字データSIを出力し、キャリッジ20のヘッド制御部24は電極部102に当接したキャリッジ側連結機構23の電極部202を介して印字データSIを受信するようにして、1パス目の印字データSIが転送される。(ステップS20)。ヘッド制御部24は、受信した印字データをバッファメモリ25に一時記憶させる。そして、ヘッド制御部24は印刷の進行に応じてバッファメモリ25から印字データSIを逐次読み出し、ヘッド駆動回路26は印字データSIに従い駆動パルスを次々に選択された圧電素子に供給することにより、印刷ヘッド21は1パス目の印刷を行う。なお、3組の電極部102,202のそれぞれが異なるデータを転送するようにして、パラレルにデータ転送を行うことにより、全体としてのデータ転送速度を高めている。
【0062】
1パス目の印字データSIを転送すると、プリンタ本体側のCPU51は、印刷データに対応する全パス分の印字データSIを生成したか否かを判断する(ステップS30)。全パス分の印字データが生成されていなければ(ステップS30:No)、ステップS40に進んで、CPU51は次のパス分の印字データSIを生成する。
【0063】
次に、CPU51は、1パス分の印刷を終えてキャリッジ20がデータ転送位置、すなわち、2つの本体側連結機構10のいずれかに対向する位置に戻ってきているか否かを判断する(ステップS50)。データ転送位置に戻っていなければ(ステップS50:No)、所定の時間経過後に再びステップS50の判断を行うようにして、キャリッジ20がデータ転送位置に戻るまで待ち続ける。キャリッジ20がデータ転送位置に戻ると(ステップS50:Yes)、ステップS60に進んで、CPU51は、データ転送位置において当接し合う電極部102,202を介して、次のパス分の印字データSIを転送して、ステップS30に戻る。このとき、キャリッジ側では、ヘッド制御部24が転送された印字データSIをバッファメモリ25に書き込んで、ヘッド駆動回路26がバッファメモリ25から逐次読み出される印字データSIに従って駆動パルスを次々に選択された圧電素子に供給することにより、印刷ヘッド21は2パス目以降の1パス分の印刷を行う。
【0064】
このようにして、キャリッジ20がデータ転送位置に戻ったときに1パス(片道)分の印字データSIをキャリッジ20に転送するようにして、次々に印刷を進め、ステップS30において、全パス分の印刷が生成済であると判断されると(ステップS30:Yes)、全パス分の印刷を終え、図8の処理を終了する。
【0065】
以上に説明したように、第1の実施例のプリンタ1では、電極部102,202を介してキャリッジ20に印字データSIを転送することにより、印字データSIについてはFFC70を介することのないデータ転送を行っている。
【0066】
以上に説明した第1の実施例によれば、以下に示す効果を得ることができる。
【0067】
(1)ケーブルを介在させることなく、電極部102,202を直接当接させることにより印字データSIを転送しているので、転送速度や取り回しなどのケーブルの制約を受けることなく、データを転送することができる。また、電極部102,202間の距離がFFC70のケーブル長に比べて短いので、信号の遅延などを抑えて、データ転送の高速化に対応し易い。したがって、印刷解像度を高めたより高画質な印刷、より高速な印刷速度に対応可能なデータ転送を行うことができる。
【0068】
(2)印字データSIを含む全データをFFCにより転送する従来のプリンタに比べると、プリンタ1のFFC70は、印字データSIを送信するための信号線を持たないので、信号線の線数を減らすことができる。これにより、ケーブルの取り回し性が向上し、ケーブルが接続される回路規模を抑えることができる。
【0069】
(3)キャリッジの走査を利用して、本体側連結機構10、キャリッジ側連結機構23間で電極部102,202を当接させるようにしている。したがって、本体側連結機構10、キャリッジ側連結機構23を動かすための動力系を含む構成を新たに加えることなく、簡易な構成で印字データSIを転送することができる。
【0070】
(4)連結機構10,23の開口部はカバー部材により外部と仕切られているので、インクミストなどの異物が連結機構内部に侵入することを防止できる。これにより、特に電極部102,202に異物が付着することによる転送不良を抑制し、データ転送をより確実に行うことができる。また、カバー部材の開閉は、キャリッジ20の走査を利用して行っているので、動力系を含む構成を新たに加えることなく、簡易な構成で転送不良の発生を抑制することができる。
【0071】
(5)2組の本体側連結機構10、キャリッジ側連結機構23を設けるようにしたので、2つのデータ転送位置で効率良くデータを転送することができる。また、片道分ずつの印字データを転送するので、バッファメモリ25のメモリ容量を抑えることができる。
【0072】
(第2の実施例)
第1の実施例では、プリンタ本体からキャリッジ20に印字データSIを送信するときの例について説明したが、本発明はキャリッジ側からプリンタ本体に送信するデータに適用してもよい。
【0073】
図9は、第2の実施例に係るプリンタの構成を示した図である。なお、第1の実施例にて説明した構成については、同じ符号を付与している。図9に示すように、プリンタ1のキャリッジ20に設けられたインクカートリッジ22は、インク情報記憶部22aを有している。インク情報記憶部22aは読み書き可能な不揮発性メモリであり、カートリッジに収容されたインクの色、残量などを示すインク情報が記憶されている。ヘッド制御部24は、インクカートリッジのインク情報記憶部22aにアクセス可能であり、印刷に応じてインク残量を更新制御している。
【0074】
例えば、ホストコンピュータ2からインク残量を確認する要求を受けたときやプリンタの電源が投入されたとき、プリンタ本体のプリンタ制御部50は、FFC70を介してキャリッジ20側にインク情報の送信を要求する。ヘッド制御部24は、送信要求に応じてインクカートリッジのインク情報記憶部22aからインク情報を読み出す。そして、プリンタ本体側のCPU51がキャリッジ20をデータ転送位置に移動させ、ヘッド制御部24は互いに当接し合う電極部202,102を介してプリンタ本体にインク情報を転送する。プリンタ制御部50は、受信したインク情報によりインクカートリッジ22のインクの状態を認識し、ホストコンピュータ2に対してインク情報を通知する。
【0075】
以上に説明した第2の実施例によれば、プリンタ本体はFFC70を介することなくインク情報を取得することができる。
【0076】
(第3の実施例)
第1の実施例では、駆動信号COMおよびラッチ信号LATをキャリッジ20に送信するためにFFC70を有した構成としたが、FFC70を有しない構成とすることもできる。
【0077】
図10は、第3の実施例に係るプリンタの構成を示した図である。なお、第1の実施例にて説明した構成については、同じ符号を付与している。図10に示すように、第3の実施例に係るプリンタ1では、駆動信号生成回路55がキャリッジ20に設けられており、キャリッジ側で駆動信号COMの生成を可能にしている。また、キャリッジ20には電池などの電源装置27が設置されており、印刷ヘッド21およびヘッド制御部24は電源装置27から電力の供給を受けて動作する。
【0078】
印刷時には、ヘッド駆動回路26は、電極部102,202を介してプリンタ制御部50から転送された印字データSIに基づき、キャリッジ側の駆動信号生成回路55で生成された駆動信号COMから駆動パルスを生成する。生成された駆動パルスにより印刷ヘッド21が駆動することにより印刷が行われる。
【0079】
以上に説明した第3の実施例によれば、第1の実施例に比べて、駆動信号の生成および印刷ヘッド駆動用の電力供給をキャリッジ内部で行うことで、FFC70を有しないプリンタを実現できる。
【0080】
(第4の実施例)
第1の実施例では、データ転送位置にあるときのキャリッジ20側の電極部202と本体側の電極部102を当接させることによりデータを転送したが、データ転送位置にあるときのキャリッジ20に対して光通信によりデータ転送を行うこともできる。
【0081】
すなわち、図11に示すように、第1の実施例に比べて、第4の実施例に係るプリンタ1は、本体側連結機構10に替えて本体側光通信部60、キャリッジ側連結機構23に替えてキャリッジ側光通信部28、を有している。本体側光通信部60はLEDなどの発光素子を有し、光の射出方向はキャリッジ20が所定の位置であるデータ転送位置にあるときのキャリッジ側光通信部28の位置に向いている。この本体側光通信部60は印字データSIに応じた光出力を出す。また、キャリッジ側光通信部28はフォトトランジスタなどの受光素子を有している。したがって、キャリッジ20がデータ転送位置にあるとき、本体側光通信部60とキャリッジ側光通信部28とが通信可能となる。キャリッジ側光通信部28が受信した光出力はヘッド制御部24が印字データSIに変換し、バッファメモリ25に記憶するようにして印刷を行う。
【0082】
このように、プリンタ本体とキャリッジとの間で光通信により印字データSIを転送して、印字データSIに応じた印刷が可能である。同様にして、光通信によって、キャリッジ20からプリンタ本体にカートリッジのインク情報を転送することもできる。
【0083】
以上、本発明に係る第1ないし第4の実施例について説明したが、本発明はこれに限られることなく、様々な形態とすることもできる。以下、本発明の変形例について説明する。
【0084】
(変形例1)上記第1ないし第3の実施例では、本体側連結機構10とキャリッジ側連結機構23とはキャリッジ移動方向に沿って互いに対向するように取り付けられていたが、連結機構の位置はこれに限られない。例えば、キャリッジ20の上側や側面側に本体側連結機構10を取り付けて、これに対応するプリンタ本体側の位置にキャリッジ側連結機構23を取り付けるようにしてもよい。また、プリンタ本体側にキャリッジ側連結機構23と同様の機構、キャリッジ側に本体側連結機構10と同様の機構を設けるようにしてもよいし、プリンタ本体側、キャリッジ側の双方にキャリッジ側連結機構23と同様の機構を持たせるようにしてもよい。
【0085】
(変形例2)第1ないし第4の実施例では、1パス分の印字データSIを転送して、1パスごとにバッファメモリ25に記憶させる場合の例について説明したが、1度に転送するデータ量についてはこれに限られない。例えば、所定数のパス分の印字データSIを1度に転送してバッファメモリ25に記憶させるようにしてもよい。また、印刷ページまたは印刷ジョブごとの印字データSIをバッファメモリ25に記憶させるようにして、一度に転送するデータ量をさらに多くしてもよい。
【0086】
(変形例3)複数の電極部の各々に同じデータを転送させ、データを転送された側の制御部は、転送された複数のデータを同一性を対比して、誤り訂正を行うようにしてもよい。転送されたデータが相違していれば、データ転送にミスが生じたと判断して、転送ミスの生じたデータを訂正することにより、データ転送の信頼性を高めることができる。もっとも、データ転送にミスが生じた場合にデータの再転送を要求するようにしてもよい。
【0087】
(変形例4)上記第1ないし第4の実施例では、圧電振動子であるピエゾ素子を用いたインクジェット方式の印刷ヘッドの場合について説明したが、ヘッドに発熱素子を用いたバブルジェット(登録商標)方式などのプリンタに適用してもよい。また、本発明は、キャリッジに搭載された印刷ヘッドを走査して行う印刷方式であれば、熱転写方式のプリンタに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】第1の実施例に係るプリンタの構成を示したブロック図。
【図2】プリンタの内部構成を示した斜視図。
【図3】本体側連結機構の拡大図。
【図4】本体側連結機構の断面図。
【図5】キャリッジ側連結機構の拡大図。
【図6】キャリッジ側連結機構の断面図。
【図7】本体側連結機構と本体側連結機構とが当接したときの状態を示す断面図。
【図8】印刷時におけるプリンタの動作の流れを示したフローチャート。
【図9】第2の実施例に係るプリンタの構成を示した図。
【図10】第3の実施例に係るプリンタの構成を示した図。
【図11】第4の実施例に係るプリンタの構成を示した図。
【符号の説明】
【0089】
1…印刷装置としてのプリンタ、2…ホストコンピュータ、10…第1の通信部としての本体側連結機構、20…キャリッジ、21…印刷ヘッド、22…インク収容体としてのインクカートリッジ、22a…インク情報記憶部、23…第2の通信部としてのキャリッジ側連結機構、24…第2の制御部としてのヘッド制御部、25…記憶部としてのバッファメモリ、26…ヘッド駆動回路、27…電源装置、28…第2の通信部としてのキャリッジ側光通信部、30…キャリッジ移動機構、31…キャリッジモータ、32…駆動プーリー、33…従動プーリー、34…タイミングベルト、35…ガイド軸、40…用紙搬送機構、41…搬送モータ、42…搬送ローラ、50…第1の制御部としてのプリンタ制御部、51…CPU、52…ROM、53…RAM、54…外部インターフェイス、55…駆動信号生成回路、56…内部インターフェイス、60…第1の通信部としての本体側光通信部、70…フレキシブルフラットケーブル、101…コネクタ部、102…第1の電極部としての電極部、103…第1のカバー部材としてのカバー部材、201…バネ部材、202…第2の電極部としての電極部、203…第2のカバー部材としてのカバー部材、SI…印字データ、COM…駆動信号、LAT…ラッチ信号、S…用紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ヘッドを有するキャリッジを走査して印刷を行う印刷装置における印刷装置本体と前記キャリッジとのデータ転送方法であって、
前記印刷装置本体に備えられた第1の通信部と前記キャリッジに備えられた第2の通信部とが通信可能となる所定の位置に前記キャリッジを移動させ、前記第1の通信部および前記第2の通信部を介して前記印刷装置本体と前記キャリッジとのデータ転送を行うことを特徴とするデータ転送方法。
【請求項2】
印刷ヘッドを装置本体に対し走査して印刷を行う印刷装置であって、
前記印刷ヘッドを有するキャリッジを移動させるキャリッジ移動機構と、
前記装置本体に備えられた、データを送受信するための第1の通信部と、
前記第1の通信部を介したデータ転送を制御する第1の制御部と、
前記キャリッジに備えられた第2の通信部と、
前記キャリッジに備えられ、前記第2の通信部を介したデータ転送を制御する第2の制御部とを備え、
前記第1の制御部は、前記キャリッジ移動機構を制御し、前記第1の通信部と前記第2の通信部とが通信可能となる所定の位置に前記キャリッジを移動させ、
前記第1の制御部および前記第2の制御部の一方は、前記第1の通信部および前記第2の通信部を介して他方の制御部にデータを転送することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置において、
前記第1の通信部および前記第2の通信部をさらに備え、
2つの前記第1の通信部をキャリッジの走査方向両端に設け、
2つの前記第2の通信部を前記第1の通信部の各々に対向する位置に設けることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の印刷装置において、
前記第1の通信部は第1の電極部を有し、
前記第2の通信部は第2の電極部を有し、
前記第1の制御部は、前記キャリッジ移動機構に前記キャリッジを前記所定の位置に移動させることにより、前記第2の電極部を前記第1の電極部に当接させ、
前記第1の制御部および前記第2の制御部の一方は、前記第1の電極部および前記第2の電極部を介して他方の制御部にデータを転送することを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷装置において、
前記第1の通信部は、1または複数の第1の電極部をさらに有し、
前記第2の通信部は、1または複数の第2の電極部をさらに有し、
前記第1の制御部および前記第2の制御部の一方は、複数の組の前記第1の電極部および前記第2の電極部を介して他方の制御部にデータを転送することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷装置において、
前記第1の制御部および前記第2の制御部の一方は、複数の組の前記第1の電極部および前記第2の電極部ごとに、異なるデータを転送することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の印刷装置において、
前記第1の制御部および前記第2の制御部の一方は、前記第1の電極部および前記第2の電極部の組ごとに少なくとも1組の同じデータを転送し、他方の制御部は、転送された1組の同じデータを用いてデータの誤り訂正を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項3ないし7のいずれか一項に記載の印刷装置において、
前記第1の制御部は、前記第1の通信部および前記第2の通信部を介して前記第2の制御部に印刷対象の印字データを送信し、
前記キャリッジは、前記送信された印字データを記憶する記憶部をさらに含み、
前記第2の制御部は、前記記憶部から読み出した印字データに基づき前記印刷ヘッドを駆動させることを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項3ないし8のいずれか一項に記載の印刷装置において、
前記キャリッジは、電源装置をさらに含み、
前記印刷ヘッドは、前記電源装置から供給される電力により駆動することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
請求項3ないし9のいずれか一項に記載の印刷装置において、
前記キャリッジは、印刷用のインクを収容するインク収容体をさらに含み、
前記第2の制御部は、前記インク収容体に収容されたインクに関する情報を、前記第1の通信部および前記第2の通信部を介して前記第1の制御部に送信することを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
請求項5ないし7のいずれか一項に記載の印刷装置において、
前記第1の電極部を覆う第1のカバー部材、および前記第2の電極部を覆う第2のカバー部材をさらに備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項12】
請求項11に記載の印刷装置において、
前記第1のカバー部材および前記第2のカバー部材は開閉自在に構成され、
印刷時における前記キャリッジの走査により、前記第1のカバー部材および前記第2のカバー部材が開閉されることを特徴とする印刷装置。
【請求項13】
請求項3に記載の印刷装置において、
前記第1の通信部および前記第2の通信部の一方は、前記キャリッジが所定の位置にあるときの他方の通信部に向けて、転送すべきデータに応じた光を出力し、
他方の通信部が前記出力された光を受光することにより、データを転送することを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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