説明

データ送受信機及びデータ送受信システム

【課題】 特に携帯に適したデータ送受信機、及びデータ送受信システムを提供する。
【解決手段】 データ送受信機1として、ガラスエポキシ素材等の誘電体基板5の表裏面に設けられる一対の第1、第2の電極2a、2bと、各電極2a、2b間に接続される外付けコイル3と、外付けコイル3を介して各電極2a、2bに接続されるICチップ4とから構成し、携帯式に構成する。一方、高周波電力を発生する固定式データ送受信装置7の電極8をドアのノブ等に設定し、携帯式データ送受信機1を携帯した人Mが、ノブ等の電極8に触ると、ICチップ4に起動電力が生じてICチップ4に記憶するデータが第2の送受信装置7に伝送されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば人が携帯するのに便利なデータ送受信機、及び同送受信機を利用したデータ送受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、信号経路に人体を利用したデータ電送システムとして、例えば人に装着する第1のデータ通信装置と、人が接触する第2のデータ通信装置を設け、それぞれのデータ通信装置に、それぞれ一対の電極を設けるとともに、各電極間に、電圧を印加する電圧印加部と、電極間若しくは一方の電極と基準電位間の電圧を検出する電圧検出部と、検出した電圧を復調して信号出力部に出力し、データ信号を変調して電圧印加部に出力する変復調部を設けるような技術(例えば、特許文献1参照。)や、人に装着される第1の送受信器と、データ処理装置に接続される第2の送受信器を設け、第1の送受信器に、人体に接触する信号電極と接地電極を設けるとともに、第2の送受信器に、人の体が接触するタッチ電極を設け、第1の送受信器は、第2の送受信器に人体が接触した際に第2の送受信器から出力されるスタート信号を受信すると、回路に電力を供給して第1の送受信器から第2の送受信器にデータ伝送を行うような技術(例えば、特許文献2参照。)などが知られている。
【特許文献1】特開2001−308803号公報
【特許文献2】特開2002−9710号公報
【0003】
ところが、上記のような技術は、いずれの場合も、人体に装着するデータ通信装置または送受信器の一対の電極を両方とも人体に接触させるようにしているため、装着場所や装着態様などに制約を受け易く、また、人体に接触する一対の電極間の検出電位差が小さいため、例えば、人体を介して高周波電圧を送っても、RFID(Radio Frequency Identification)カード等に用いられるICチップなどの電源部を起動させることができなかった。
【0004】
そこで、本発明者は、人体に装着するデータ通信装置の装着場所や装着態様等の制約を無くし、また、感度をより良好にするため、既に、特願2003−355994のようなデータ送受信用アンテナ及びデータ送受信システムを提案している。
この技術は、一対の電極を空気層または真空層を介して所定間隔で対向させ、各電極間にコイルを接続することで、一方側の電極に高周波電圧を伝達した際、電極間の容量リアクタンスをコイルの誘導リアクタンスで打ち消してアドミタンスを殆どゼロ(インピーダンスを無限)付近にし、他方側の電極との間に電位差を生じさせ、アンテナ効率を高めるようにした技術である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、本発明者が提案した特願2003−355994の技術では、一対の電極間を空気層または真空層としているため、携帯する場合に電極間の距離を一定に保っておくことが難しく、また、取扱う際も触感が頼りなくてリジッド感に乏しいという問題があった。
一方、本発明者のその後の研究により、一対の電極間のアドミタンスをゼロ付近にするためには、必ずしも一対の電極間を空気層または真空層にしなくても、ある程度の絶縁性を有する誘電体基板を用いることにより実用上支障ないアンテナ効率が得られることが判明した。
【0006】
そこで本発明は、携帯する際に一層便利で、取扱いも一層容易なデータ送受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、誘電体基板の表裏面に一対の電極を設け、各電極間にコイルを接続するとともに、このコイルを介して、データを記憶制御するICチップを各電極間に接続するようにした。
ここで、ICチップとしては、例えば、電極間に電位差が生じると起電力を発生させることのできる電源部や、記憶部や、信号化処理されたデータを送信する送信部等を備えたRFIDカード用のICチップも適用可能であるが、その他の電源部等のないICチップの適用も可能である。
【0008】
そして、対向する一対の電極において、例えば請求項2のように、人体を介して一方側の電極に高周波電圧を伝達した際、電極間の容量リアクタンスをコイルの誘導リアクタンスで打ち消して、他方側の電極との間に電位差を生じさせることができるようにし、ICチップ側に流れる電流が大きくなるようにする。この際、適切なコイルを選定してアドミタンスを殆どゼロに近づければ、理論上、インピーダンスを無限大にできるため、電位差を大きくしてアンテナ効率を高めることができる。この際、一対の電極が誘電体基板の表裏面に設けられているため、触ったときなどにリジッド感が得られて取扱いやすく、しかも一対の電極の間隔を常に一定に保持出来る。
ここで、誘電体基板としては、自由に動ける電荷がほとんどない物質から形成される基板であればその種類等は任意であり、例えば樹脂素材や、セラミック素材や、ガラス素材等が適用可能である。
【0009】
また、人体を介して一方側の電極に高周波電圧を伝達する際、他方側の電極を人体に接触させる必要がなくなるため、装着場所や携帯の態様などに自由度が高まるとともに、両方の電極を人体に接触させることに較べて、両電極間の電位差を大きくすることができる。
【0010】
また本発明では、前記データ送受信機に、ICチップを起動させるための電池を組込むようにした。
このようにデータ送受信機に電池を組込めば、受信感度を向上させることができると同時に、例えば請求項4のように、可搬式データ送受信機を携帯した人が固定式データ送受信装置に触れるとICチップが起動するようなシステムを構成する場合に、ICチップの起動のために固定式データ送受信装置の電源を使用する必要がなくなり、固定式データ送受信装置の電力を小さくすることが可能となる。
【0011】
また本発明では、データ送受信システムとして、請求項1乃至3記載のデータ送受信機を可搬式にするとともに、データ送受信用の電極を有する固定式データ送受信装置を設け、可搬式データ送受信機を携帯した人が固定式データ送受信装置の電極に触れると、固定式データ送受信装置より可搬式データ送受信機に対し制御データを送り、可搬式データ送受信機の記憶データが固定式データ送受信装置に伝送されるようにした。
【0012】
このように、可搬式データ送受信機を携帯した人が固定式データ送受信装置の電極に触れると、可搬式データ送受信機の記憶データが固定式データ送受信装置に伝送されるようにすれば、可搬式データ送受信機をポケット等から取出さなくてもデータのやりとりが行われるようになるため便利である。
【0013】
また本発明では、前記可搬式データ送受信機に組込まれたICチップ起動用の電池を、固定式データ送受信装置より送られるIC起動信号により起動し、このとき以外には、停止状態にあるようにした。
こうすることで、電池の効率的な使用が可能となる。
【発明の効果】
【0014】
データ送受信機として、誘電基板の表裏面に一対の電極を設け、各電極間にコイルを接続するとともに、このコイルを介してICチップを各電極間に接続するようにしたため、例えば一方側の電極に高周波電圧を伝達して、他方側の電極との間に電位差が生じるようにすることができ、ICチップに向けて大きな電量を流せるようになってICチップに記憶させたデータの送受信が可能となる。この際、データ送受信機の他方側の電極を人体に接触させる必要がなくなって、装着場所や携帯の態様等の制約が少なくなる。また、データ送受信機に電池を組込めば、受信感度を向上させることができる。
また、上記のようなデータ送受信機を可搬式にし、例えばICチップに個人の認証データなどを記憶させるとともに、固定式データ送受信装置と組み合わせてシステム化すれば、携帯式データ送受信機を携帯する人が、固定式データ送受信装置の所定の箇所に触れるだけで認証などが行われるようになり便利である。
この際、可搬式データ送受信機に組込まれたICチップ起動用の電池を、固定式データ送受信装置から送られるIC起動信号により起動させ、それ以外は電池を停止させておくことにより電池の効率的な使用が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで、図1は本発明に係るデータ送受信システムの作動概要を示すイメージ図、図2は携帯式データ送受信機の基本構成を説明するための構成概要図、図3はデータ送受信システムの電気路の等価回路図、図4は外付けコイルの作用を説明する理論図、図5はデータ送受信システムの作動概要等のブロック図、図6、図7はデータ送受信システムの応用例の一例を示す説明図、図8乃至図10はデータ送受信システムの別構成例図である。
【0016】
本発明に係るデータ送受信機は、例えば、高周波電力供給部から送られる高周波電力を人体を介して伝達し、データのやりとりを行うデータ送受信システムなどに適用可能であり、例えば、認証データのやりとりに適用すれば、認証のためIDカードを出し入れする必要がなく、ポケット等に携帯したままでも認証などを行うことができるようになって好適である。以下、このような認証データをやりとりするデータ送受信システムを例にとって説明する。
【0017】
すなわち、このデータ送受信システムは、図1に示すように、人Mが携帯する携帯式データ送受信機1と、高周波電力を供給し且つ電極8に接続される固定式データ送受信装置7を備えており、携帯式データ送受信機1を携帯する人Mが電極8に触るだけで、携帯式データ送受信機1に記憶させた認証データを固定式データ送受信装置7に伝送し、コンピュータ等のデータ処理装置9で処理できるようにされている。
【0018】
前記携帯式データ送受信機1の基本構成は、図2に示すように、例えばガラスエポキシ素材等の誘電体基板5の表裏面に設けられる一対の第1、第2電極2a、2b(銅箔)と、各電極2a、2b間に接続される外付けコイル3と、この外付けコイル3を通じて各電極2a、2b間に接続されるICチップ4を備えており、一対の電極2a、2bと外付けコイル3によってアンテナ6を形成している。
そして、この携帯式データ送受信機1をシャツのポケット等に収納する際、一方側の電極2a、2bが直接的または衣服等を介して間接的に人体に接触するようにしておく。
また、実施例のICチップ4は、例えば、アンテナ6から高周波電力が送られると起電力を発生させて直流に変換することのできる電源整流部や、記憶部や、信号化処理されたデータを送信する送信部などを備えたものとしている。
【0019】
そこで、高周波電力が固定式データ送受信装置7の電極8から人体を経由して携帯式データ送受信機1のICチップ4に送り込まれるまでの電気路の等価回路について図3に基づき説明する。
【0020】
ここで、固定式データ送受信装置7の等価回路をAとし、人体M部分の等価回路をBとし、携帯式データ送受信機1の第1電極2a部分の等価回路をCとし、各電極2a、2b間部分の等価回路をDとし、第2電極2b部分の等価回路をEとし、外付けコイル3部分の等価回路をFとし、ICチップ部分をG(細部は省略)とすると、理論上、図3に示すような等価回路が構成される。
尚、説明上、第1電極2a側を人体Mに接触させるように示しているが、反対側の第2電極2bを人体Mに接触させる場合も同様の等価回路図となる。
【0021】
そしてこのような等価回路において、固定式データ送受信装置7部分Aから送られる高周波電力のアンテナ効率を高めるためには、電極2a、2b間の比誘電率を小さくし絶縁性を高めて、可能であれば電極2a、2b間のアドミタンスをゼロ近くにして両電極2a、2b間の電位差を大きくするとともに、第2電極2b部分Eのグランド回路のインピーダンスを低くすることにより、ICチップ4部分Gに流れる電流を増大させる必要がある。
外付けコイル3の接続は、電極2a、2b間の容量リアクタンスを打ち消してアドミタンスをゼロに近づけるためのものであり、MATHCADでのシュミレーションの結果、外付けコイル3のインダクタンス(H)を適切に選定すると、図4に示すように、両電極2a、2b間の電位差をxまで高めることができる。
【0022】
またこの際、第2電極2bは直接地面にグランドされておらず、空中に浮いた状態であるが、電極2a、2b間の容量リアクタンスを殆どゼロ付近まで打ち消すことにより、相対的に第2電極2b部分Eのグランド回路のインピーダンスが有効性を増しより効果的にグランドと密接し、アンテナ効率が高まる。
そしてこの電極2a、2b間の電位差は、例えば、一般的なRFIDカードに用いられるICチップの電源部を起動させることのできるのに十分な電位差である。
【0023】
なお、本実施例では、誘電体基板5の厚みを1mm以上にするようにしている。これは、厚みを1mm以下にすると、第1、第2電極2a、2bの間隔が狭まってアンテナ効率が低下するからである。
【0024】
一方、固定式データ送受信装置7は、電極8を通して高周波信号を発振できるようにされており、このような固定式データ送受信装置7を含めた本データ送受信システムのブロック図の概要は、図5の通りである。
【0025】
次に、以上のようなデータ送受信システムの適用例について説明する。
図6はドアのノブを固定式データ送受信装置7の電極8とし、固定式データ送受信装置7にコンピュータ等のデータ処理装置9を接続するようにした構成例であり、携帯式データ送受信機1を携帯した人Mがノブに触ると、携帯式データ送受信機1をシャツ等のポケットなどに収納したままでも人体Mを介して高周波電圧が第1電極2aを通ってICチップ4に伝達され、ICチップ4の記憶データが人体Mを経由して固定式データ送受信装置7に送られ、データ処理装置9で認証を行うようにしたものである。そして、例えばデータ処理装置9で認証に合格すればドアが開くようにし、認証されなければドアが開かないようにしておく。
この場合、ドアを操作する人は携帯式データ送受信装置1をポケット等からわざわざ取出さなくても認証が行われるので便利である。
また、携帯式データ送受信装置1を携帯するにあたり、一方側の電極2a(2b)だけを人体Mに接触させれば良いため、携帯の態様などに自由度が増すとともに、第1、第2電極2a、2b間の電位差を増大させることができる。
【0026】
次に、図7はタイムレコーダのタッチパネルを固定式データ送受信装置7の電極とした例であり、携帯式データ送受信機1を携帯した人Mが、データ送受信機1をポケット等に収納したままタッチパネルに触っても認証が行われるようにしたものである。この場合も、カードを挿入して打刻したり、IDカードを取出してリーダにタッチするなどの手間がかからないため便利である。
また、このようなタッチパネルとしては、例えば指紋照合器と併用するような応用例も考えられ、携帯式データ送受信機1と指紋照合器を併用し、携帯式データ送受信機1を携帯したまま、指紋照合器のタッチパネルに触れると、指紋照合器と携帯式データ送受信機1の両方で認証できるようにすることで、誤認証の割合を大幅に改善することができる。
【0027】
なお、携帯式データ送受信機1を携帯した人が、固定式データ送受信装置7の電極8に触るのは手に限られるものではなく、例えば建設現場等において、携帯式データ送受信機1をヘルメットの裏側などに装着しておき、作業現場に入る人が、現場入口の床に敷いた電極の上を歩くと、現場に入った人と人数がカウントされ、作業後に、作業現場から出てきた人が再度電極の上を歩くと、出た人と人数が確認できるような使い方や、携帯式データ送受信機1を老人介護ホームの老人等に持たせておき、固定式データ送受信装置7の電極8を老人介護ホームのベッド等に設けておくことにより、ベッドを離れた人の有無を知るような使い方等も可能である。
【0028】
尚、以上のようなデータ送受信システムの適用例に関し、人体に対する安全性という面から検討すると、例えば固定式データ送受信装置7側から1Wの電力がノブ等の電極8に送られるとすると、人が触った時の人体に伝達される電力は、等価回路により約7mWと計算され、現行の携帯電話(800MHz帯)のアンテナから頭部に吸収される電力もその程度以上はあると推定されるとともに、周波数等のエネルギー面からも携帯電話より低いものと考えられる。このため、安全性に問題はない。
【0029】
ところで、以上の実施例では、ICチップの起動を固定式データ送受信装置7側に依存した例を示しているが、ICチップ起動用の電池を携帯式データ送受信機1に組み込むことも可能である。この場合は、固定式データ送受信装置の電力を下げることも可能となり、より実用的であり経済的である。尚、図2に示す携帯式データ送受信装置1の場合は、電池をICチップ4と同じ収納ケース内等に組み込むようにし、また、同時に外付けコイル3も小型のチップコイルとしてICチップと一体化すれば好適である。
【0030】
次に、本発明に係るデータ送受信システムの別構成例について、図8乃至図10に基づき説明する。ここで図8は別構成例の構成概要を示すブロック図、図9は別構成例のシステムの応用例の一例を示す説明図、図10は同システムの等価回路図である。
【0031】
前記データ送受信用アンテナは、携帯式データ送受信機1の一対の電極2a、2bのうち、一方側の電極2a(2b)を人体Mに接触させ、他方側の電極2b(2a)を大地(グランド)を介して静電結合させることにより大地(グランド)を帰還伝送路として利用するようにしているが、この際、人体Mの近傍に帰還用電極zを設け、帰還伝送路側の静電結合を強めるようにしても良い。
【0032】
そしてこの場合の具体的構成の一例としては、例えば、図5に示す固定式データ送受信装置7の大地(グランド)側に接続される端子を、図8に示すように、帰還電極zに接続するとともに、この帰還電極zを人体Mに近傍に配設するようにすれば好適であり、この場合の帰還電極zの配設の一例としては、例えば図9に示すように、固定式データ送受信装置7の電極8をドアのノブに設定する場合であれば、ドア自体に帰還電極zを設けるか又はドア自体を帰還電極zとし、固定式データ送受信装置7と帰還電極zとを結合器10などを介して接続することにより、結合器10−電極8−人体M−携帯式データ送受信機1−帰還電極z−結合器10と、閉ループが描かれるようにする。
【0033】
なお、この場合の等価回路図は図10の通りであり、人体Mと帰還電極zとの間の静電結合が強まって安定したデータ送受信が可能である。
【0034】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、外付けコイル3の形状や、誘電体基板5の素材や具体的形状等は例示であり、また、ICチップの種類も任意である。更に、ICチップに記憶させるデータは個人の認証データに限られるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上のように、データ送受信機として、誘電体基板の表裏面に設けられる一対の電極と、各電極間に接続されるコイルと、コイルを介して各電極に接続されるICチップから構成し、例えば、一方側の電極に人体を介して高周波電圧を伝達することで、他方側の電極との間に大きな電位差を生じさせることができるようになり、携帯式データ送受信機を携帯した人が、固定式データ送受信装置の電極に触れるだけでデータを送受信できるため便利である。しかも誘電体基板を使用することにより、携帯した場合にリジッド感が得られるようになり取扱いやすくなった。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るデータ送受信システムの概要を示すイメージ図
【図2】データ送受信機の基本構成を説明するための説明図
【図3】データ送受信システムの電気路の等価回路図
【図4】外付けコイルの作用を説明する理論図
【図5】データ送受信システムの作動概要等のブロック図
【図6】本データ送受信用システムの応用例の一例を示す説明図
【図7】本データ送受信用システムの他の応用例の一例を示す説明図
【図8】本データ送受信用システムの更に別構成例の構成概要を示すブロック図
【図9】別構成例のシステムを利用した具体的構成例図
【図10】同システムの等価回路図
【符号の説明】
【0037】
1…携帯式データ送受信機、2a…第1電極、2b…第2電極、3…外付けコイル、4…ICチップ、6…アンテナ、7…固定式データ送受信装置、8…電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体基板の表裏面に一対の電極が設けられ、各電極間にコイルが接続されるとともに、このコイルを介して、データを記憶制御するICチップが各電極間に接続されることを特徴とするデータ送受信機。
【請求項2】
前記一対の電極のうち、一方側の電極に人体が接し人体を介して高周波電圧が伝達されると、他方側の電極との間に電位差を生じるようにされることを特徴とする請求項1に記載のデータ送受信機。
【請求項3】
前記データ送受信機には、ICチップを起動させるための電池が組込まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータ送受信機。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3に記載のデータ送受信機を可搬式に構成するとともに、データ送受信用の電極を有する固定式データ送受信装置を設け、前記可搬式データ送受信機を携帯した人が固定式データ送受信装置の電極に触れると、前記固定式データ送受信装置より可搬式データ送受信機に対し制御データが送られ、前記可搬式データ送受信機の記憶データが前記固定式データ送受信装置に伝送されるようにしたことを特徴とするデータ送受信システム。
【請求項5】
前記可搬式データ送受信機に組込まれたICチップ起動用の電池は、前記固定式データ送受信装置より送られるIC起動信号により起動し、このとき以外には停止状態にあるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のデータ送受信システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−100865(P2006−100865A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−280754(P2004−280754)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(503241227)
【出願人】(504363463)
【Fターム(参考)】