説明

トイレシステム

【課題】トイレブース内の任意の位置に配設しても、衛生洗浄装置から送信される無線信号によって作動が可能であり、且つ、低消費電力の電子機器を備えたトイレシステムを提供する。
【解決手段】使用者を検知する人体検知手段と、他の電子機器の機能を遠隔制御するための無線信号を送信する無線信号送信手段とを有する衛生洗浄装置と、前記無線信号を受信する無線信号受信手段を有して動作する電子機器とを備えたトイレシステムにおいて、衛生洗浄装置は、人体検知手段による検知結果を人体検知無線信号として、無線信号送信手段に送信させる制御を行う送信制御手段を有し、電子機器は、無線信号受信手段を第1の間欠周期により間欠動作させて無線信号を受信させておき、人体検知無線信号を受信すると、第1の間欠周期よりも短い第2の間欠周期により間欠動作させて無線信号を受信させる制御を行う受信制御手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレシステムに関するものであり、特に、トイレブース内の使用者を検知する人体検知手段と、他の電子機器の機能を遠隔制御するための無線信号を送信する無線信号送信手段とを有し、人体の局部を洗浄する局部洗浄機能を備えた衛生洗浄装置と、前記無線信号を受信する無線信号受信手段を有し、受信した前記無線信号に基づいて動作する電子機器とを備えたトイレシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、トイレブース内に使用者の局部を洗浄する衛生洗浄装置と共に、他の機能を備えた電子機器を設けることにより、トイレ使用時の快適性や利便性を向上させる様々なトイレシステムが提案されていた。
【0003】
たとえば、特許文献1には、使用者の局部を洗浄する衛生洗浄装置と、この衛生洗浄装置を使用する使用者の足元を暖房する暖房機器とを備えたトイレシステムが記載されている。
【0004】
このトイレシステムでは、衛生洗浄装置側に使用者が着座したことを検知する着座検出部と、着座検出部の検出結果を示す無線信号を暖房機器へ送信する無線信号送信部とを設けると共に、暖房機器側に無線信号を受信する無線信号受信部を設けていた。
【0005】
そして、暖房機器側では、無線信号受信部に無線信号の受信動作をさせておき、着座検出部が使用者の着座を検出したことを示す無線信号を受信すると、暖房機器の暖房機能を起動させて使用者の足元を暖房するように構成されていた。
【特許文献1】特許第2985381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のトイレシステムでは、他の電子機器が暖房機器という比較的消費電力の大きな電子機器であったため、電源を商用電源から得るように構成されており、電子機器の配設位置が必然的にコンセントの配設位置近傍に制限される。
【0007】
しかし、トイレシステムに適用される電子機器は、これに限らず、例えば、使用者のトイレブースへの入室をセンサにより検知して音楽を再生する音楽再生装置や、使用者がトイレに入室すると所定の香りを発する芳香装置等、様々な電子機器が想定される。
【0008】
このような音楽再生装置や芳香装置等の電子機器は、トイレブースの形状やレイアウト毎に、それぞれ好適な配設位置がある。
【0009】
特に、上記音楽再生装置を取付ける場合には、使用者がより自然に、且つ、良い音質で音楽を視聴可能な位置に配設することが望まれる。
【0010】
近年、音楽再生装置等の電子機器は低消費電力化が進んでいるため、電池を電源として動作可能な音楽再生装置をトイレシステムに適用することで、電子機器の配設位置の制限を緩和することも可能ではあるが、この場合、上記従来のトイレシステムのように、衛生洗浄装置からの無線信号を常時受信させていては、無線受信部による消費電力が増大してしまい、電池寿命が短くなり、連続使用時間を延長することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、請求項1に係る本発明では、使用者を検知する人体検知手段と、他の電子機器の機能を遠隔制御するための無線信号を送信する無線信号送信手段とを有し、人体の局部を洗浄する局部洗浄機能を備えた衛生洗浄装置と、無線信号を受信する無線信号受信手段を有し、受信した無線信号に基づいて動作する電子機器とを備えたトイレシステムにおいて、衛生洗浄装置は、人体検知手段による検知結果を人体検知無線信号として、無線信号送信手段に送信させる制御を行う送信制御手段を有し、電子機器は、無線信号受信手段を第1の間欠周期により間欠動作させて無線信号を受信させておき、人体検知無線信号を受信すると、第1の間欠周期よりも短い第2の間欠周期により間欠動作させて無線信号を受信させる制御を行う受信制御手段を有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に係る本発明では、請求項1に記載のトイレシステムにおいて、使用者の操作に対応した操作信号を衛生洗浄装置へ送信することにより、衛生洗浄装置が備える機能を遠隔制御するリモコン装置を設け、衛生洗浄装置は、操作信号を受信する操作信号受信手段を有し、送信制御手段は、リモコン装置から受信した操作信号に対応する操作無線信号を無線信号送信手段により電子機器へ送信させる制御を行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に係る本発明では、請求項2に記載のトイレシステムにおいて、衛生洗浄装置が備える前記無線信号送信手段は、操作無線信号を送信する場合に、第2の間欠周期よりも長く第1の間欠周期よりも短い時間、操作無線信号を繰り返し送信する一方、人体検知無線信号を送信する場合に、第1の間欠周期よりも長い時間、人体検知無線信号を繰り返し送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下に記載するような効果が生起する。
【0015】
すなわち、請求項1に係る本発明では、使用者を検知する人体検知手段と、他の電子機器の機能を遠隔制御するための無線信号を送信する無線信号送信手段とを有し、人体の局部を洗浄する局部洗浄機能を備えた衛生洗浄装置と、無線信号を受信する無線信号受信手段を有し、受信した無線信号に基づいて動作する電子機器とを備えたトイレシステムにおいて、衛生洗浄装置は、人体検知手段による検知結果を人体検知無線信号として、無線信号送信手段に送信させる制御を行う送信制御手段を有し、電子機器は、無線信号受信手段を第1の間欠周期により間欠動作させて無線信号を受信させておき、人体検知無線信号を受信すると、第1の間欠周期よりも短い第2の間欠周期により間欠動作させて無線信号を受信させる制御を行う受信制御手段を有することを特徴とするため、トイレ内に使用者がいないときに、無線信号受信手段が消費する電力量を低減することができ、その結果、電子機器が電池で動作するものであった場合に、電池寿命を可及的に延ばすことができるので、電子機器の連続使用時間を可及的に延長可能で、且つ、電子機器の配設位置の自由度を向上させたトイレシステムを提供することができる。
【0016】
また、請求項2に係る本発明では、請求項1に記載のトイレシステムにおいて、使用者の操作に対応した操作信号を衛生洗浄装置へ送信することにより、衛生洗浄装置が備える機能を遠隔制御するリモコン装置を設け、衛生洗浄装置は、操作信号を受信する操作信号受信手段を有し、送信制御手段は、リモコン装置から受信した操作信号に対応する操作無線信号を無線信号送信手段により電子機器へ送信させる制御を行うことを特徴とするため、使用者によるリモコン装置の操作に応じて、衛生洗浄装置経由して電子機器を制御することができるので、リモコン装置と電子機器との間に新たな通信手段を設けることなく、リモコン装置の操作に応じて電子機器を動作させることができる。
【0017】
特に、電子機器が所定の音声ガイド情報を再生する機能を備えている場合には、使用者によるリモコン装置の操作に対応した機能が衛生洗浄装置により作動していることを使用者に確認させることもできる。
【0018】
また、請求項3に係る本発明では、請求項2に記載のトイレシステムにおいて、衛生洗浄装置が備える前記無線信号送信手段は、操作無線信号を送信する場合に、第2の間欠周期よりも長く第1の間欠周期よりも短い時間、操作無線信号を繰り返し送信する一方、人体検知無線信号を送信する場合に、第1の間欠周期よりも長い時間、人体検知無線信号を繰り返し送信することを特徴とするため、衛生洗浄装置から送信される無線信号を電子機器の無線信号受信手段によって確実に受信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係るトイレシステムは、トイレブース内の便器に取付けられて、使用者の局部を自動的に洗浄する局部洗浄機能を有する衛生洗浄装置と、この衛生洗浄装置とは別体に構成され、トイレブース内に設けられる電子機器とを備えたトイレシステムである。
【0020】
また、この衛生洗浄装置は、前記局部洗浄機能に加え、使用者の局部を乾燥させる乾燥機能や、便座の温度を使用者にとって快適な温度に保つ暖房機能等、使用者がトイレを利用する際の快適性や利便性を向上させるための複数種類の機能を備えている。
【0021】
さらに、衛生洗浄装置は、トイレブース内の使用者を検知する人体検知手段を備えており、この人体検知手段による検知結果に基づいて、便蓋の自動開閉を行う自動開閉機能を備えている。
【0022】
また、人体検知手段は、トイレブース内への使用者の入室を検知する入室検知手段と、使用者の衛生洗浄装置への接近を検知する接近検知手段と、使用者の便座への着座を検知する着座検知手段という3つの検知手段から構成しており、これら各検知手段の検知結果に基づいて、上記複数種類の機能のうち所定の機能を作動させるようにしている。
【0023】
この衛生洗浄装置は、電子機器へ無線信号を送信する無線信号送信手段を備えており、さらに、人体検知手段による検知結果を人体検知無線信号として無線信号送信手段により送信させる制御を行う送信制御手段を備えている。
【0024】
また、トイレブース内に設ける電子機器は、衛生洗浄装置の無線信号送信手段が送信した無線信号を受信する無線信号受信手段を備え、受信した無線信号に基づいて電池を電源として動作するように構成せいている。
【0025】
特に、この電子機器は、無線信号受信手段を所定の間欠周期により間欠的に動作させる制御を行う受信制御手段を備えており、この受信制御手段は、トイレブースに使用者がいないときに、無線信号受信手段を第1の間欠周期により間欠的に動作させて、衛生洗浄装置からの無線信号を受信させておき、人体検知無線信号を受信すると、第1の受信周期よりも短い第2の間欠周期により無線信号受信手段を間欠的に動作させて無線信号を動作させる制御を行う。
【0026】
そして、この電子機器は、無線信号受信手段によって、衛生洗浄装置の人体検知手段が人体を検知したことを示す人体検知無線信号を受信すると、当該電子機器が備える特定の機能を作動させるようにしている。
【0027】
このように、本発明のトイレシステムでは、電子機器の受信制御手段がトイレブース内に使用者がいない間は、比較的長い第1の間欠周期により無線信号受信手段を間欠動作させ、衛生洗浄装置の人体検知手段が使用者を検知すると、第1の間欠周期よりも短い第2の間欠周期により無線信号受信手段を間欠動作させるように無線信号の受信制御を行うので、トイレ内に使用者がいないときに、無線信号受信手段が消費する電力量を低減することができ、その結果、電子機器が電池で動作するものであった場合に、電池寿命を可及的に延ばすことができるので、電子機器の連続使用時間を可及的に延長可能で、且つ、電子機器の配設位置の自由度を向上させたトイレシステムを提供することができる。
【0028】
そのため、例えば、この電子機器に音楽情報を記憶させた記憶手段と、記憶手段に記憶させた音楽情報を再生する制御手段と、制御手段により再生した音楽を出力する出音手段とを設け、これら各手段を電池を電源として動作させるように構成すれば、使用者が音楽を聴くのに適した任意の位置にこの電子機器を配設することができ、良質な音質で音楽を聴くことができ、しかも、頻繁に電子機器の電池を交換する必要もない。
【0029】
また、このトイレシステムは、トイレブースの壁面等の使用者が操作しやすい位置に、上記電子機器とは別体に構成され、衛生洗浄装置が備える各種機能を使用者の操作に基づいて遠隔制御するリモコン装置を備えている。
【0030】
このリモコン装置は、使用者が操作するための複数のボタンスイッチからなる操作手段と、使用者による前記操作手段の操作に応じた操作信号を前記衛生洗浄装置へ無線通信により送信する操作信号送信手段とを備えている。
【0031】
一方、衛生洗浄装置は、リモコン装置から送信される操作信号を受信する操作信号受信手段を備えており、この操作信号受信手段により受信した操作信号に基づいて、局部洗浄機能や局部乾燥機能等といった、各種機能を作動させるようにしている。
【0032】
また、この衛生洗浄装置の送信制御手段は、操作信号受信手段により操作信号を受信すると、受信した操作信号に対応する操作無線信号を電子機器へ無線信号送信手段により送信させる制御を行うようにしている。
【0033】
そして、電子機器の無線信号受信手段は、衛生洗浄装置から受信する無線信号の種類によって、無線信号の間欠受信周期を変更するように構成しており、具体的には、無線信号受信手段は、無線信号の間欠受信動作を行う間欠周期として、第1の間欠周期と、この第1の間欠周期よりも短い第2の間欠周期という2種類の間欠周期を備えている。
【0034】
そして、電子機器の受信制御手段は、トイレブース内に使用者がいない間、第1の間欠周期で無線信号受信手段に受信動作を行わせる制御を行い、衛生洗浄装置の人体検知手段が使用者を検知したことを示す人体検知無線信号を無線信号受信手段により受信した場合に、無線信号受信手段に比較的に間欠周期の短い第2の間欠周期で受信動作を行わせる制御を行う。
【0035】
その後、受信制御手段は、無線信号受信手段によって、衛生洗浄装置の人体検知手段が人体を検知しなくなったことを示す無線信号を受信すると、無線受信手段を再度第1の間欠周期により間欠動作させる制御を行う。
【0036】
そして、衛生洗浄装置は、リモコン装置が使用者により操作されたときに送信する操作信号を受信すると、その操作信号に対応させた操作無線信号を電子機器へ送信するようにしている。
【0037】
このとき、トイレブース内には、リモコン装置を操作した使用者がいるため、電子機器は、第2の間欠周期により間欠受信動作を行っている状態となっている。
【0038】
そして、この受信制御手段は、第2の間欠周期により動作して無線信号の受信を行っているときに、衛生洗浄装置から操作無線信号を受信すると、受信した操作無線信号に対応した所定の機能を起動する制御を行う。
【0039】
このように、本発明のトイレシステムの電子機器では、トイレブース内に使用者がいる間、すなわち、リモコン装置が操作される可能性が高い間は、間欠受信周期が比較的短い第2の間欠周期により動作して操作無線信号を受信するように構成しているため、使用者がリモコン装置の操作をし、リモコン装置から衛生洗浄装置へ操作信号を送信してから、電子機器がその操作信号に対応した操作無線信号に応答して所定の機能を起動するまでの応答速度を可及的に高めることができる。
【0040】
また、トイレブース内に使用者がおらず、リモコン装置が操作される可能性が低い間、電子機器は、第2の間欠周期よりも長い第1の間欠周期により動作して人体検知無線信号を受信するように構成しているため、電子機器の電源である電池の消耗を可及的に低減することができ、長期にわたり電池交換をすることなく電子機器を使用することができる。
【0041】
また、衛生洗浄装置が備える無線信号送信手段は、リモコン装置から操作信号を受信し、その操作信号に対応する操作無線信号を送信する場合に、第2の間欠周期よりも長く第1の間欠周期よりも短い時間、操作無線信号を繰り返し送信するようにしている。
【0042】
このようにリモコン装置から衛生洗浄装置へ操作信号が送信されるときには、当然トイレブース内に使用者がいるため、電子機器側は、上記のように第2の間欠周期により動作して操作無線信号を受信している。
【0043】
そのため、このとき衛生洗浄装置が第2の間欠周期よりも長い時間、無線信号を送信すれば、電子機器が操作無線信号を受信しそこなうことがなく、リモコン装置が送信する操作信号に対応した操作無線信号を確実に受信することができる。
【0044】
一方、衛生洗浄装置の無線信号送信手段は、リモコン装置から受信した操作信号に対応させた操作無線信号以外の無線信号、たとえば、人体検知手段による検知結果を示す人体検知無線信号等を送信する場合には、第1の間欠周期よりも長い時間、無線信号を繰り返し送信するようにしている。
【0045】
上記したように、比較的に応答速度が問題にならない人体検知無線信号等を受信するときに電子機器は、比較的長い間欠周期である第1の間欠周期により動作して無線信号を受信するようにしているため、衛生洗浄装置の無線信号送信手段に、電子機器が第1の間欠周期で動作して無線信号を受信している間、第1の間欠周期よりも長い時間無線信号を繰り返し送信させることで、電子機器に無線信号を確実に受信させることができる。
【0046】
また、本発明に係るトイレシステムが備える電子機器は、衛生洗浄装置の人体検知手段の検知結果、及び、使用者によるリモコン装置の操作に応じて、衛生洗浄装置から送信される無線信号に基づいて所定の機能を作動させるものであれば、任意の電子機器により構成することができる。
【0047】
たとえば、トイレブースに設ける電子機器として、衛生洗浄装置の人体検知手段が人体を検知すると、トイレブース内に所定の香りを発生させる芳香装置や、同じく人体検知手段が人体を検知すると、トイレ内の換気等を行う空調装置等に適用することができる。
【0048】
中でも、衛生洗浄装置の人体検知手段がトイレブース内への使用者の入室を検知すると、予め記憶させておいた音楽情報を再生する音再生装置に本発明を適用すると効果的であり、こうすることにより、トイレを利用する使用者をリラックスさせることができ、トイレブース内で過ごす時間を有意義なものにすることができる。
【0049】
また、この電子機器に、衛生洗浄装置やリモコン装置の設定状態等や操作方法等を音声ガイドするための音声情報を記憶させておけば、衛生洗浄装置を初めて利用する使用者に対して、音声ガイダンスを再生することもできるので、衛生洗浄装置の使い易さを向上させることができる。
【0050】
この場合、電子機器に、上記した各手段に加え、複数種類の音声情報、及び、音楽情報等の音情報を記憶する音情報記憶手段と、音情報記憶手段に記憶した音情報を再生する音情報再生手段と、これら音情報記憶手段及び音情報再生手段の動作を制御する制御手段を設ける。
【0051】
そして、電子機器の受信制御手段は、無線信号受信手段により、衛生洗浄装置の人体検知手段がトイレブースへの使用者の入室を検知したことを示す人体検知無線信号を受信した場合に、第2の間欠周期による受信動作を開始させる制御を行う。
【0052】
その後、制御手段は、無線信号受信手段により、使用者の衛生洗浄装置への接近を示す無線信号、又は、使用者の便座への着座を示す無線信号を受信した場合に、音情報再生手段を作動させて音楽情報を再生させる制御を行うようにする。
【0053】
また、制御手段は、無線信号受信手段により、使用者がリモコン装置を操作したことを示す操作無線信号を受信した場合には、その操作に対応した音声情報を音情報再生手段に再生させる制御を行うようにする。
【0054】
そして、制御手段は、使用者の衛生洗浄装置への接近を示す無線信号、又は、使用者の便座への着座を示す無線信号を受信していない時間が所定時間を超えた場合に、音情報再生手段による音楽情報の再生を停止させる制御を行うようにする。
【0055】
以下、本実施形態に係るトイレシステムの一実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明では、トイレシステムに設ける電子機器として、衛生洗浄装置の人体検知手段がトイレブース内への使用者の入室を検知した場合に、予め記憶させておいた音楽情報を再生する音楽再生機能と、使用者によりリモコン装置が操作された場合には、その操作に応じた音声ガイドを再生する音声ガイド機能とを備えた音情報再生装置をトイレブース内に設けた場合を例に挙げて説明する。
【0056】
図1は、本実施形態に係るトイレシステムを採用したトイレブースを示す斜視図であり、図2は、音情報再生装置の概観を示す斜視図であり、図3は、リモコン装置の概観を示す斜視図であり、図4は、音情報再生装置の電気的構成を示す機能ブロック図であり、図5は、衛生洗浄装置の電気的構成を示す機能ブロック図であり、図6は、リモコン装置の電気的構成を示す機能ブロック図であり、図7は、第1の間欠周期を示すタイミングチャートであり、図8は、第2の間欠周期を示すタイミングチャートであり、図9及び図10は、衛生洗浄装置の制御部が行う処理を示すフローチャートであり、図11は、音情報再生装置の制御部が行う処理を示すフローチャートであり、図12は、リモコン装置の制御部が行う処理を示すフローチャートである。
【0057】
(トイレシステム構成)
図1に示すように、トイレシステム1は、トイレブース2に設置されている便器3に取付けられた衛生洗浄装置4と、トイレブース2の壁面に取付けられた電子機器である音情報再生装置5と、この音情報再生装置5に着脱自在に取付けられたリモコン装置6とを備えている。
【0058】
(衛生洗浄装置の概観)
衛生洗浄装置4は、衛生洗浄装置本体7と、この衛生洗浄装置本体7と一体に設けられている便座8と、衛生洗浄装置本体7に回動自在に設けられた便蓋9とを備えている。
【0059】
そして、衛生洗浄装置本体7には、トイレブース2内の使用者を検知する人体検知手段として機能するセンサ10を備えている。
【0060】
このセンサ10は、トイレブース2への使用者の入室を検知する入室検知手段として機能する入室センサと、使用者の衛生洗浄装置4への接近を検知する接近検知手段として機能する接近センサと、使用者の便座8への着座を検知する着座検知手段として機能する着座センサという3つのセンサにより構成されている。
【0061】
本実施形態では、これら3種類のセンサの内、入室センサによる使用者の検出結果に基づいて、音情報再生装置5の間欠周期を切り替えるようにしている。
【0062】
ここで、入室センサは、人体などから発せられる赤外線を検出する焦電型赤外線センサを使用し、接近センサは、接近する使用者へ向けて所定波長の光を照射し、その光が使用者に反射した反射光を受光して、使用者が接近しているか否かを検出する赤外線センサにより構成している。
【0063】
また、着座センサは、便座8に着座している使用者へ向けて所定波長の光を照射し、その光が使用者に反射した反射光を受光して、使用者が着座しているか否かを検出する赤外線センサにより構成している。
【0064】
そして、この衛生洗浄装置4は、接近センサにより使用者の便器3への接近を検知すると、便蓋9を自動的に開放状態にすると共に、使用者を検知しなくなると便蓋9を自動的に閉塞状態とする便蓋自動開閉機能を備えている。
【0065】
また、この衛生洗浄装置4は、使用者の局部を自動洗浄する局部洗浄機能を備えており、局部を洗浄する際には、図1に示す洗浄ノズル11から洗浄水を使用者の局部へ向けて噴射することにより、局部洗浄を行うようにしている。
【0066】
この他、この衛生洗浄装置4は、便座8表面の温度を使用者が快適と感じる温度となるように制御する便座暖房機能や、節電機能等、様々な機能を備えている。
【0067】
特に、この衛生洗浄装置4は、衛生洗浄装置本体7の内部に、音情報再生装置5へ対して無線信号を送信する無線信号送信手段として機能する無線送信回路と、リモコン装置から送信される操作信号を受信する操作信号受信手段として機能する無線受信回路とを備えている。
【0068】
そして、衛生洗浄装置4は、センサ10による検知結果を示す人体検知無線信号、又は、リモコン装置6から受信した操作信号に対応した無線信号を音情報再生装置5へ送信することによって、音情報再生装置5の音情報再生機能を作動させるように構成している。尚、図1に示す符号12は、使用後の便器を洗浄するための洗浄水を貯留する貯水タンクであり、符号12aは、手動により便器3洗浄を行う際に操作する洗浄レバーである。
【0069】
(音情報再生装置の概観)
音情報再生装置5は、図2に示すように、矩形板状の基板5aと、この基板5aの前面略中央に配設され、リモコン装置を掛止するためのハンガー5bと、基板5aの前面でハンガー5bの両側に配設された一対の矩形箱形状の音情報再生装置本体5cとにより構成している。
【0070】
また、各音情報再生装置本体5cの内部下方位置には、それぞれ音楽や音声を出力するためのスピーカ5dを設けている。
【0071】
さらに、一方(図2では右側)の音情報再生装置本体5cの前面上部には、現在再生している音楽の曲名や、音情報再生装置5の動作状態等の情報を文字により表示する液晶表示部5eを備えており、この5eの下方には、音楽の再生や停止、音量の調節等を使用者の操作により行う操作ボタン5fを備えている。
【0072】
(リモコン装置の概観)
リモコン装置6は、図3に示すように、薄型略矩形箱形状の筐体6aと、この筐体6a上面両端部に設けられ、衛生洗浄装置4へ操作信号を送信するための操作信号送信部6bと、筐体6aの上面及び前面に設けられ、衛生洗浄装置4の機能を遠隔制御するために使用者が操作する操作手段として機能する複数の操作スイッチ6cと、筐体6aの全面略中央に設けられ、リモコン装置6の設定状態等を表示する液晶表示部6dと、この6dの両側に設けられ、衛生洗浄装置4の各種機能を設定するための複数の設定ボタン6eとを備えている。
【0073】
また、このリモコン装置6には、設定時以外に設定ボタン6eを操作して誤設定が行われることを防止するために、設定ボタン6eの配設位置をカバーするためのカバー体6fを備えている。
【0074】
このカバー体6fは、筐体6aに配設しているヒンジ6gにより筐体6aに開閉自在に取付けられており、その略中央には、カバー体6fを閉めた状態で液晶表示部6dの表示画面を部分的に視認可能とする窓6hと、特定の操作スイッチ6cをカバー体6fを閉めた状態で操作可能とするための複数の操作孔6iとを備えている。
【0075】
(音情報再生装置の電気的構成)
次に、音情報再生装置5の電気的構成について説明する。音情報再生装置5は、図5に示すように、CPU(Central Processing Unit)40と、ROM(Read Only Memory)41と、RAM(Random Access Memory)42と、情報表示ユニット43と、音情報出力ユニット44と、バッテリーユニット45と、操作ボタンユニット46と、無線受信ユニット47と、外部記憶装置接続ユニット48とを備えている。
【0076】
そして、ROM41、RAM42、情報表示ユニット43、音情報出力ユニット44、操作ボタンユニット46、無線受信ユニット47、外部記憶装置接続ユニット48は、全てバスを介してCPU40に接続している。
【0077】
CPU40は、ROM41に記憶している各種プログラム読出して実行することにより、音情報再生装置5が備える情報表示ユニット43、音情報出力ユニット44、無線受信ユニット47の動作を統括制御する演算処理装置である。
【0078】
ROM41は、情報表示ユニット43を動作させるための情報表示プログラム、音情報出力ユニット44を動作させるための音情報出力プログラム、無線受信ユニット47を動作させるための無線受信プログラム等、CPU40が音情報再生装置5全体を統括制御するために実行する各種プログラムを記憶している記憶装置である。
【0079】
また、このROM41は、音情報出力ユニット44により再生する音楽及び音声を示す複数種類の音情報を記憶しており、音情報記憶手段としても機能するものである。
【0080】
RAM42は、CPU40がROM41から読出した各種プログラムを演算処理する際に、作業領域として用いる記憶装置である。
【0081】
そして、本実施形態では、これらCPU40とROM41とRAM42とによって、音情報再生装置5全体の動作を統括制御する制御手段、及び、無線受信ユニット47の動作を制御する受信制御手段として機能する制御部40aを構成している。
【0082】
情報表示ユニット43は、文字情報を表示する液晶表示装置と、液晶表示装置を駆動する液晶表示装置駆動回路とを備え、制御部40aが情報表示プログラムを実行することにより動作して、液晶表示部5eに現在再生している音楽の曲名や、音情報再生装置5の動作状態等を示す文字情報を表示するものである。
【0083】
音情報出力ユニット44は、ROM41及び外部記憶装置接続ユニット48に記憶している音情報をデコードして電気信号に変換するデコーダ回路と、デコーダ回路によりデコードした電気信号を増幅するアンプと、アンプにより増幅した電気信号を音楽又は音声として出力するスピーカ5dとを備え、制御部40aが音情報出力プログラムを実行することにより作動する音情報再生手段として機能するものである。
【0084】
バッテリーユニット45は、音情報再生装置5の電源として機能する電池と、電池からの電力Vccを音情報再生装置5の制御部40a、情報表示ユニット43、音情報出力ユニット44、操作ボタンユニット46、無線受信ユニット47のそれぞれに供給する電力供給回路とにより構成している。
【0085】
操作ボタンユニット46は、使用者により操作される複数の操作ボタン5fにより構成しており、使用者による操作ボタン5fの操作に対応した信号を制御部40aに入力するものである。
【0086】
そして、制御部40aは、これら操作ボタン5fから信号が入力されると、その信号に対応したプログラムを実行することにより、音情報出力ユニット44に音情報の再生、停止、早送り、巻き戻し、音量の調整等の動作をさせる制御を行う。
【0087】
無線受信ユニット47は、衛生洗浄装置4から送信される電波による無線信号を受信する無線受信回路を備えており、制御部40aが無線受信プログラムを実行することにより動作する。
【0088】
また、この無線受信ユニット47は、無線信号の受信動作を常時行うものではなく、所定時間(ここでは、10msec)無線受信回路をON状態とし、その後、所定時間無線受信回路をOFF状態とする間欠受信動作を行うようにしている。
【0089】
こうすることにより、この無線受信ユニット47では、無線受信回路が消費する電力を可及的に低減するようにしている。
【0090】
さらに、この無線受信ユニット47は、図7(a)、図8(a)に示すように、第1の間欠周期と第2の間欠周期という異なる2種類の間欠受信動作周期を備えている。
【0091】
第1の間欠周期は、図7(a)に示すように、10msecの間無線受信回路をON状態とし、その後、740msecの間無線受信回路をOFF状態とする間欠受信周期である。
【0092】
また、第2の間欠周期は、図8(a)に示すように、10msecの間無線受信回路をON状態とし、その後、240msecの間無線受信回路をOFF状態とする間欠受信周期である。
【0093】
そして、音情報再生装置5の制御部40aは、衛生洗浄装置4のセンサ10がトイレブース2内の使用者を検知するまでの間、第1の間欠周期に従って無線受信回路のON・OFF状態を切り替えて無線信号を受信させておき、センサ10がトイレブース2内の使用者を検知したことを示す人体検知無線信号を受信すると、その後、第2の間欠周期に従って無線受信回路のON・OFF状態を切替えて、衛生洗浄装置4から送信される操作無線信号を間欠受信するようにしている。
【0094】
すなわち、この無線受信ユニット47では、トイレブース2内に使用者が存在し、リモコン装置6が操作される可能性があり、使用者がリモコン装置6を操作した場合に、即座にその操作に対応した音情報を再生できるように、比較的短い間欠周期により操作無線信号の受信を行って、無線受信回路の消費電力を低減しつつも、使用者によるリモコン装置6の操作に対する応答性を向上させるようにしている。
【0095】
また、制御部40aは、衛生洗浄装置4のセンサ10がトイレブース2内の使用者を検知しなくなってから、所定時間(例えば10sec)経過したことを示す無線信号を受信すると、その後、第1の間欠周期に従って無線受信回路のON・OFF状態を切替えて、衛生洗浄装置4から次に送信される人体検知無線信号を間欠受信するようにしている。
【0096】
すなわち、この無線受信ユニット47では、トイレブース2内に使用者が存在せず、リモコン装置6が操作される可能性が低い間、第2間欠周期よりも長い第1の間欠周期に従って無線受信回路を動作させて無線信号の受信を行って、無線受信回路の消費電力を可及的に低減させるようにしている。
【0097】
外部記憶装置接続ユニット48は、複数種類の音楽情報を記憶した外部記憶装置49を接続して、外部記憶装置49に記憶している音情報をRAM42又は音情報出力ユニット44へ送信するインターフェースである。
【0098】
この外部記憶装置接続ユニット48に接続する外部記憶装置49は、使用者がパソコン等の外部端末装置を用いて記憶させた複数種類の音楽情報を記憶する音情報記憶手段として機能するものであり、外部記憶装置接続ユニット48に着脱自在に構成している。
【0099】
(衛生洗浄装置の電気的構成)
次に、衛生洗浄装置4の電気的構成について説明する。衛生洗浄装置4は、図5に示すように、CPU50と、ROM51と、RAM52と、無線受信ユニット53と、局部洗浄ユニット54と、便座暖房ユニット55と、便蓋開閉ユニット56と、無線送信ユニット57と、入室センサ10aと、接近センサ10bと、着座センサ10cとを備えている。
【0100】
そして、ROM51、RAM52、無線受信ユニット53、局部洗浄ユニット54、便座暖房ユニット55、便蓋開閉ユニット56、無線送信ユニット57、入室センサ10a、接近センサ10b、着座センサ10cは、全てバスを介してCPU50に接続している。
【0101】
CPU50は、ROM51に記憶している各種プログラム読出して実行することにより、衛生洗浄装置4が備える各ユニット23〜27、及び、各センサ28〜30の動作を統括制御する演算処理装置である。
【0102】
ROM51は、無線受信ユニット53を動作させるための無線受信プログラム、局部洗浄ユニット54を動作させるための局部洗浄プログラム、便座暖房ユニット55を動作させるための便座暖房プログラム、便蓋開閉ユニット56を動作させるための便蓋開閉プログラム、無線送信ユニット57を動作させるための無線送信プログラム、入室センサ10a、接近センサ10b、着座センサ10cをそれぞれ動作させるためのセンサ動作プログラム等、CPU50が衛生洗浄装置4全体を統括制御するために実行する各種プログラムを記憶している記憶装置である。
【0103】
RAM52は、CPU50がROM51から読出した各種プログラムを演算処理する際に、作業領域として用いる記憶装置である。
【0104】
そして、本実施形態では、これらCPU50とROM51とRAM52とによって、衛生洗浄装置4全体の動作を統括制御する制御手段、及び、無線送信ユニット57の動作を制御する送信制御手段として機能する制御部50aを構成している。
【0105】
無線受信ユニット53は、リモコン装置6が衛生洗浄装置4の機能を遠隔制御するために送信する光信号からなる操作信号を受信(受光)する受光部と、この受光部により受光した光信号を電気信号に変換する光電変換回路とを備え、制御部50aが無線受信プログラムを実行することにより動作して操作信号を受信する操作信号受信手段として機能するものである。
【0106】
そして、この無線受信ユニット53は、電気信号に変換した操作信号をバスを介して制御部50aへ送信する。
【0107】
この操作信号を受信した制御部50aは、受信した操作信号に対応したプログラムを実行することにより、使用者によるリモコン装置6の操作に対応した機能を作動させる。
【0108】
また、このとき制御部50aは、無線送信プログラムを実行することにより無線送信ユニット57を動作させて、リモコン装置6から受信した操作信号に対応する電波による操作無線信号を、音情報再生装置5へ向けて送信させる。
【0109】
局部洗浄ユニット54は、洗浄水を所定の温度まで加熱する温水ヒータと、加熱した洗浄水を噴出するためのポンプ装置と、ポンプ装置が噴出させた洗浄水を使用者の局部へ向けて噴射させる洗浄ノズル11とを備えている。
【0110】
そして、この局部洗浄ユニット54は、使用者がリモコン装置6の「おしり」と書かれた操作スイッチ6cを押圧操作したときに衛生洗浄装置4から送信される操作信号を無線受信ユニット53により受信すると、制御部50aが局部洗浄プログラムを実行することにより動作して、使用者の局部を洗浄する。
【0111】
その後、使用者が「止」と書かれた操作スイッチ6cを押圧操作すると、その操作に対応した操作信号をリモコン装置6から受信して、動作を停止させる。
【0112】
便座暖房ユニット55は、便座8内部に設けた便座ヒータと、便座ヒータの温度を検知する便座温度センサと、便座ヒータへの通電量を制御する通電制御回路とを備えている。
【0113】
そして、この便座暖房ユニット55は、制御部50aが便座暖房プログラムを実行することにより動作して、通電制御回路が予め使用者により設定された便座温度となるように便座ヒータへの通電量を制御することにより、便座の表面温度を使用者が快適に感じる温度となるように暖房する。
【0114】
便蓋開閉ユニット56は、便座8と便蓋9とを同時に、又は、それぞれ個別に開閉動作させるモータを備えている。
【0115】
そして、この便蓋開閉ユニット56は、接近センサ10bによって、使用者が便器3へ接近したことを検知すると、モータを駆動させて便蓋9を自動的に開放し、接近センサ10b又は着座センサ10cが人体を検知しなくなってから所定時間が経過した後に、再度モータを駆動した便蓋を自動的に閉塞させる。
【0116】
無線送信ユニット57は、音情報再生装置5へ向けて電波による無線信号を送信する無線送信回路を備えており、制御部50aが無線送信プログラムを実行することによって動作する。
【0117】
そして、この無線送信ユニット57は、無線信号を送信する際に、センサ10による検知結果を示す人体検知無線信号、又は、衛生洗浄装置4から受信した操作信号に対応させた無線信号を所定時間繰り返し送信するようにしている。
【0118】
特に、この無線送信ユニット57は、図7(b)、図8(b)に示すように、上記無線信号を繰り返し送信する時間として、第1送信長と第2送信長という2種類の送信時間を備えている。
【0119】
第1送信長は、図7(b)に示すように、1フレーム57msecの無線信号を15回繰り返し送信するものであり、その送信時間は、音情報再生装置5における第1の間欠周期よりも長い時間となるようにしている。
【0120】
そして、衛生洗浄装置4の制御部50aは、センサ10による検知結果を示す人体検知無線信号を送信する場合に、この第2送信長により15フレームの人体検知無線信号を繰り返し送信する制御を行うことによって、音情報再生装置5が確実に人体検知無線信号を受信できるようにしている。
【0121】
すなわち、センサ10による検知結果を示す信号を送信する場合に、音情報再生装置5では、第1の間欠周期又は第2の間欠周期のどちらか一方の間欠周期に従って無線受信回路による受信動作を行っている。
【0122】
しかし、このように第1の間欠周期よりも長い第1送信長により人体検知無線信号を送信すれば、音情報再生装置5がいずれの間欠周期により無線受信回路を動作させていたとしても、確実にセンサ10による検知結果を示す無線信号を受信させることができる。
【0123】
また、第2送信長は、図8(b)に示すように、1フレーム57msecの操作無線信号を6回繰り返し送信するものであり、その送信時間は、音情報再生装置5における第2の間欠周期よりも長く、第1の間欠周期よりも短い時間となるようにしている。尚図7及び図8では、無線信号の送信単位であるフレームを「フレ」と略して記載している。
【0124】
そして、衛生洗浄装置4の制御部50aは、リモコン装置6から受信した操作信号に対応する操作無線信号を送信する場合に、この第2送信長により6フレームの無線信号を繰り返し送信する制御を行うことによって、音情報再生装置5が確実に無線信号を受信できるようにしている。
【0125】
すなわち、リモコン装置6が操作されたときには、当然トイレブース2内に使用者が存在するため、このとき音情報再生装置5の制御部50aは、第2の間欠周期により無線受信回路を動作させて操作無線信号を間欠受信させている。
【0126】
そのため、無線送信ユニット57により、第2の間欠周期よりも長く第1の間欠周期よりも短い第2送信長により操作無線信号を送信すれば、音情報再生装置5側で確実に操作無線信号を受信できることになる。
【0127】
入室センサ10aは、トイレブース2内にいる使用者などから発せられる赤外線を検出する焦電型赤外線センサを使用し、集光レンズでその検出範囲を分割して使用者の位置関係を検出できる構成にしている。
【0128】
そして、この入室センサ10aは、制御部50aがセンサ動作プログラムを実行することによって動作し、この入室センサ10aの出力を検出することにより使用者のトイレブース2内への入室を検知する。
【0129】
接近センサ10bは、便器3の前方へ接近する使用者へ向けて所定波長の光を照射し、その光が使用者に反射した反射光を受光して、使用者が接近しているか否かを検出している。
【0130】
そして、この接近センサ10bは、制御部50aがセンサ動作プログラムを実行することによって動作し、この接近センサ10bの出力を検出することにより使用者の便器3への接近を検知する。
【0131】
着座センサ10cは、便座8の着座面近傍へ向けて所定波長の光(赤外光)を照射する光照射部と、その光が使用者に反射した反射光を受光部と、受光部により受光した光信号を電子信号に変換する光電変換回路とを備えた赤外線センサにより構成している。
【0132】
そして、この着座センサ10cは、制御部50aがセンサ動作プログラムを実行することによって動作し、受光部により受光した光信号に基づいて使用者の便座8への着座を検知する。
【0133】
(リモコン装置の電気的構成)
次に、リモコン装置6の電気的構成について説明する。リモコン装置6は、図6に示すように、CPU60と、ROM61と、RAM62と、情報表示ユニット63と、バッテリーユニット64と、操作ボタンユニット65と、設定ボタンユニット66と、無線送信ユニット67とを備えている。
【0134】
そして、ROM61、RAM62、情報表示ユニット63、操作ボタンユニット65、設定ボタンユニット66、無線送信ユニット67は、全てバスを介してCPU60に接続している。
【0135】
CPU60は、ROM61に記憶している各種プログラムを読出して実行することにより、リモコン装置6が備える情報表示ユニット63及び無線送信ユニット67の動作を統括制御する演算処理装置である。
【0136】
ROM61は、情報表示ユニット63を動作させるための情報表示プログラム、無線送信ユニット67を動作させるための無線送信プログラム等、CPU60がリモコン装置6全体を統括制御するために実行する各種プログラムを記憶している記憶装置である。
【0137】
RAM62は、CPU60がROM61から読出した各種プログラムを演算処理する際に、作業領域として用いる記憶装置である。
【0138】
そして、本実施形態では、これらCPU60とROM61とRAM62とによって、衛生洗浄装置4全体の動作を統括制御する制御手段として機能する制御部60aを構成している。
【0139】
情報表示ユニット63は、文字情報を表示する液晶表示装置と、液晶表示装置を駆動する液晶表示装置駆動回路とを備え、制御部60aが情報表示プログラムを実行することにより動作して、液晶表示部6dにリモコン装置6の設定状態等を示す文字情報を表示するものである。
【0140】
バッテリーユニット64は、リモコン装置6の電源として機能する電池と、電池からの電力Vccをリモコン装置6の制御部60a、情報表示ユニット63、操作ボタンユニット65、設定ボタンユニット66、無線送信ユニット67のそれぞれに供給する電力供給回路とにより構成している。
【0141】
操作ボタンユニット65は、使用者により操作される複数の操作スイッチ6cを備えており、使用者が操作する操作手段として機能して、使用者による操作スイッチ6cの操作に対応した信号を制御部60aに入力するものである。
【0142】
そして、制御部60aは、これら操作スイッチ6cから信号が入力されると、その信号に対応したプログラムを実行することにより、無線送信ユニット67を作動させて衛生洗浄装置4へ操作スイッチ6cの操作に対応した操作信号を送信させる制御を行う。
【0143】
設定ボタンユニット66は、使用者により操作される複数の設定ボタン6eを備えており、使用者が操作する操作手段として機能して、使用者による設定ボタン6eの操作に対応した信号を制御部60aに入力するものである。
【0144】
そして、制御部60aは、これら設定ボタン6eから信号が入力されると、その信号に対応したプログラムを実行することにより、無線送信ユニット67を作動させて衛生洗浄装置4へ設定ボタン6eの操作に対応した操作信号を送信させる制御を行う。
【0145】
無線送信ユニット67は、使用者による操作スイッチ6cの操作に対応した所定波長の光信号を操作信号として照射する操作信号送信部6bを備えており、制御部60aが無線送信プログラムを実行することにより動作して、衛生洗浄装置4へ向けて操作信号を送信する。
【0146】
(衛生洗浄装置の制御部が行う処理)
次に衛生洗浄装置4の制御部50aが行う処理について、図9及び図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0147】
制御部50aは、図9に示すように、リモコン装置6から使用者により設定ボタン6eが操作されたこと示す操作信号(設定信号)を受信したか否かの判断を行い(ステップS01)、設定信号を受信したと判断した場合に処理をステップS02へ移し、受信していないと判断した場合に処理をステップS06へ移す。
【0148】
ステップS02において制御部50aは、衛生洗浄装置4から受信した設定信号に対応した操作無線信号(設定無線信号)を音情報再生装置5へ送信する処理を行い、その後、処理をステップS03へ移す。このとき制御部50aは、第2送信長により設定無線信号を送信するようにしている。
【0149】
ステップS03において制御部50aは、受信した設定信号に対応した設定処理を行う。ここで行う設定は、たとえば、設定信号に応じて、トイレをあまり使用しない時間帯を記憶して便座温度を下げる節電を図る第1節電モードや、毎日決まった時間帯に便座の暖房を切って節電を図る第2節電モード等の設定を行う。そして、この設定処理が終了すると、処理をステップS04へ移す。
【0150】
ステップS04において制御部50aは、リモコン装置6から使用者により操作スイッチ6cが操作されたことを示す操作信号を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合に処理をステップS05へ移し、受信していないと判断した場合に処理をステップS06へ移す。
【0151】
ステップS05において制御部50aは、受信した操作信号に応じた処理を行う。具体的には、操作信号の種類に応じたプログラムを実行することにより、局部洗浄ユニットの動作開始や動作停止、又は、便座暖房ユニットのON・OFF切り替え等の処理を行う。
【0152】
ステップS06において制御部50aは、入室センサ10aが使用者のトイレブース2への入室を検知したか否かの判断を行い、検知したと判断した場合に処理をステップS07へ移し、検知していないと判断した場合に処理をステップS08へ移す。
【0153】
ステップS07において制御部50aは、音情報再生装置5へ音楽再生機能をONさせると共に、音声ガイド機能をONさせるための人体検知無線信号(待機命令信号)を送信する処理を行う。このとき、制御部50aは、第1送信長により待機命令信号を送信し、その後、処理をステップS08へ移す。
【0154】
ステップS08において制御部50aは、接近センサ10bが使用者の便器3へ接近を検知したか否かの判断を行い、検知したと判断した場合に処理をステップS09へ移し、検知していないと判断した場合に処理をステップS06へ移す。
【0155】
ステップS09において制御部50aは、便蓋9を自動的に開かせる処理を行い、その後、処理をステップS10へ移す。
【0156】
ステップS10において制御部50aは、音情報再生装置5に音楽の再生を開始させるための人体検知無線信号(音楽再生命令信号)を送信する処理を行う。このとき制御部50aは、第1送信長により音楽再生命令信号を送信し、その後、処理を図10に示すステップS11へ移す。
【0157】
図10に示すように、ステップS11において制御部50aは、着座センサ10cが使用者の着座を検知したか否かの判断を行い、検知したと判断した場合に処理をステップS12へ移し、検知していないと判断した場合に処理をステップS15へ移す。
【0158】
ステップS15において制御部50aは、便座を暖房する処理を行い、その後、処理をステップS13へ移し、リモコン装置6から局部洗浄を支持する操作信号(局部洗浄信号)を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合に処理をステップS14へ移す。
【0159】
ステップS14において制御部50aは、局部洗浄ユニット54を作動させて使用者の局部を洗浄させる処理を行い、その後、処理をステップSS11へ移す。
【0160】
一方、受信していないと判断した場合に制御部50aは、局部洗浄信号を受信するまでの間ステップS11〜S13の処理を繰り返し行う。
【0161】
ステップS15において制御部50aは、便座暖房を停止させる処理を行った後、処理をステップS16へ移し、接近センサ10bが使用者を検知しているか否かの判断を行う。
【0162】
ここで、制御部50aは、接近センサ10bが使用者を検知していると判断した場合に処理をステップSS11へ移し、検知していないと判断した場合に処理をステップS17へ移す。
【0163】
ステップS17において制御部50aは、接近センサ10bが使用者を検知しなくなった時点からタイマをスタートさせる処理を行い、その後、処理をステップS18へ移す。
【0164】
ステップS18において制御部50aは、タイマを参照してタイマをスタートさせてから10secが経過したか否かの判断を行い、10secが経過したと判断した場合に処理をステップS19へ移し、10secが経過していないと判断した場合にステップS18の処理を繰り返し行う。
【0165】
ステップS19において制御部50aは、音情報再生装置5へ音楽情報の再生を停止させるための人体検知無線信号(音楽停止命令信号)を送信する処理を行う。このとき制御部50aは、第1送信長により音楽停止命令信号を送信し、その後、処理をステップS20へ移す。
【0166】
ステップS20において制御部50aは、タイマをリセットする処理を行った後、便器を洗浄する処理を行い(ステップS21)、その後、便蓋9を自動的に閉めるための処理を行って(ステップS22)処理をステップS01へ戻す。
【0167】
そして、制御部50aは、衛生洗浄装置4に電源が投入されている間、ステップS01〜S22の処理を繰り返し行うようにしている。
【0168】
(音情報再生装置の制御部が行う処理)
次に、音情報再生装置5の制御部40aが行う処理について、図11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0169】
図11に示すように、制御部40aは、まず、衛生洗浄装置4から待機命令信号を受信した否かの判断を行い(ステップS31)、受信したと判断した場合に処理をステップS32へ移し、受信していないと判断した場合に処理をステップS33へ移す。
【0170】
ステップS32において制御部40aは、音楽再生機能をONにする処理と、音声ガイド機能をONにする処理を行い、その後、処理をステップSS46へ移す。
【0171】
ステップS33において制御部40aは、衛生洗浄装置4から音楽再生命令を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合に処理をステップS34へ移し、受信していないと判断した場合に処理を41へ移す。
【0172】
ステップS34において制御部40aは、音楽再生機能がONであるか否かの判断を行い、ONであると判断した場合に処理をステップS35へ移し、OFFであると判断した場合に処理をステップS46へ移す。
【0173】
ステップS35において制御部40aは、音楽を再生する処理を開始すると共に、音声ガイド機能がONである場合には、音声ガイド機能をOFFにする処理を行い、その後、処理をステップS36へ移す。
【0174】
ステップS36において制御部40aは、音情報再生装置5の操作ボタン5fが操作されたか否かの判断を行い、操作されたと判断した場合に処理をステップS37へ移し、操作されていないと判断した場合に処理をステップS40へ移す。
【0175】
ステップS37において制御部40aは、使用者による操作ボタン5fの操作が再生停止操作であるか否かの判断を行い、再生停止操作であると判断した場合にそりをステップS38へ移し、音楽の再生を停止する処理を行う。
【0176】
一方、制御部40aは、ステップS37により再生停止操作でないと判断した場合に、その操作に応じた再生処理を行う(ステップS39)。ここでは、使用者による操作ボタン5fの操作に応じて、例えば、再生中の音楽の早送り、巻き戻し、再生音量の調整等といった処理を行い、その後、処理をステップS40へ移す。
【0177】
ステップS40において制御部40aは、音楽を再生していなければ、再生を開始する処理を行い、その後、処理をステップS46へ移す。
【0178】
ステップS41において制御部40aは、衛生洗浄装置4から音楽停止命令信号を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合に処理をステップS42へ移し、受信していないと判断した場合に処理をステップS43へ移す。
【0179】
ステップS42において制御部40aは、音楽再生を停止させる処理を行うと共に、音声ガイド機能がONである場合には音声ガイド機能をOFFにする処理を行い、その後、処理をステップS46へ移す。
【0180】
ステップS43において制御部40aは、衛生洗浄装置4から設定無線信号を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合に処理をステップS44へ移し、受信していないと判断した場合に処理をステップS46へ移す。
【0181】
ステップS44において制御部40aは、音声ガイド機能がONであるか否かの判断を行い、ONであると判断した場合に処理をステップS45へ移し、OFFであると判断した場合に処理をステップS46へ移す。
【0182】
ステップS45において制御部40aは、設定無線信号に応じた音声ガイダンスを再生する処理を行う。例えば、使用者がリモコン装置6の設定ボタン6eを操作することにより、第1節電モードを選択した場合には、その操作に応じた音声ガイダンスとして、「トイレをあまり使用しない時間帯を記憶して便座温度を下げます。」という音声ガイダンスを再生し、第2節電モードを選択した場合には、「決まった時間帯に便座の暖房を切って節電します。」という音声ガイダンスを再生する。
【0183】
そして、このステップS45の処理を行った後、制御部40aは処理をステップS46へ移す。
【0184】
ステップS46において制御部40aは、音声ガイド機能がONであるか否かの判断を行い、ONであると判断した場合に処理をステップS47へ移し、OFFであると判断した場合に処理をステップS48へ移す。
【0185】
ステップS47において制御部40aは、無線受信回路を間欠動作させる間欠周期として、図8(a)に示した第2の間欠周期を設定する処理を行い、その後、処理をステップS31へ移す。
【0186】
一方、ステップS48において制御部40aは、無線受信回路を間欠動作させる間欠周期として、図7(a)に示した第1の間欠周期を設定する処理を行い、その後、処理をステップS31へ移す。
【0187】
すなわち、制御部40aは、衛生洗浄装置4から人体検知信号である待機命令信号を受信して、音声ガイド機能をONしたときに、第2の間欠周期を設定する処理を行い、衛生洗浄装置4から人体検知信号である音楽再生命令信号、又は、音楽停止命令信号を受信して、音声ガイド機能をOFFしたときに、第1の間欠周期を設定する処理を行うようにしている。
【0188】
そして、制御部40aは、音情報再生装置5に電源が投入されている間、ステップS31〜S48の処理を繰り返し行うようにしている。
【0189】
(リモコン装置の制御部が行う処理)
次に、リモコン装置6の制御部60aが行う処理について、図12に示すフローチャートを参照して説明する。
【0190】
図12に示すように、制御部60aは、まず、使用者によりリモコン装置6が操作されたか否かの判断を行い(ステップS51)、操作されたと判断した場合に処理をステップS52へ移し、操作されていないと判断した場合にステップS51の処理を繰り返し行う。
【0191】
ステップS52において制御部60aは、使用者による操作が設定ボタン6eの操作である設定操作であるか否かの判断を行い、設定操作であると判断した場合に処理をステップS53へ移し、設定操作でないと判断した場合に処理をステップS54へ移す。
【0192】
ステップS53において制御部60aは、衛生洗浄装置4へ衛生洗浄装置4の設定を行うための操作信号(設定信号)を送信する処理を行い、その後、処理をステップS51へ移す。
【0193】
ステップS53において制御部60aは、使用者による操作が操作スイッチ6cの操作であると判断して、その操作に応じた操作信号を衛生洗浄装置4へ送信する処理を行い、その後、処理をステップS51へ移す。
【0194】
そして、制御部60aは、リモコン装置6に電源が投入されている間、ステップS51〜S54の処理を繰り返し行うようにしている。
【0195】
尚、本実施形態に係るトイレシステムにおいて、音情報再生装置5が備える音声ガイド機能では、使用者によりリモコン装置6の設定ボタン6eが操作された場合にのみ、音情報再生装置5にその設定に関する音声ガイドを行わせるようにしているが、これに限定するものではなく、例えば、使用者がリモコン装置の操作スイッチ6cを操作した場合に、その操作に対応した衛生洗浄装置4の機能に関する音声ガイドを行わせるようにすることもできる。
【0196】
この場合、音情報再生装置5のROM41に、予め、「おしり洗浄を行います。」、「おしり乾燥を行います。」等といった衛生洗浄装置4が備える各機能に対応した音声ガイダンスの情報を記憶させておく。
【0197】
そして、衛生洗浄装置4がリモコン装置6から所定の操作信号を受信した場合、その操作信号に対応する操作無線信号を音情報再生装置5へ送信させ、音情報再生装置5に受信した操作無線信号に対応する音声ガイダンスを再生させるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】本実施形態に係るトイレシステムを採用したトイレブースを示す斜視図である。
【図2】音情報再生装置の概観を示す斜視図である。
【図3】リモコン装置の概観を示す斜視図である。
【図4】音情報再生装置の電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図5】衛生洗浄装置の電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図6】リモコン装置の電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図7】第1の間欠周期を示すタイミングチャートである。
【図8】第2の間欠周期を示すタイミングチャートである。
【図9】衛生洗浄装置の制御部が行う処理を示すフローチャートである。
【図10】衛生洗浄装置の制御部が行う処理を示すフローチャートである。
【図11】音情報再生装置の制御部が行う処理を示すフローチャートである。
【図12】リモコン装置の制御部が行う処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0199】
1 トイレシステム
2 トイレブース
3 便器
4 衛生洗浄装置
5 音情報再生装置
5a 基板
5b ハンガー
5c 音情報再生装置本体
5d スピーカ
5e 液晶表示部
5f 操作ボタン
6 リモコン装置
6a 筐体
6b 操作信号送信部
6c 操作スイッチ
6d 液晶表示部
6e 設定ボタン
6f カバー体
6g ヒンジ
6h 窓
6i 操作孔
7 衛生洗浄装置本体
8 便座
9 便蓋
10 センサ
10a 入室センサ
10b 接近センサ
10c 着座センサ
11 洗浄ノズル
12 貯水タンク
12a 洗浄レバー
40、50、60 CPU
41、51、61 ROM
42、52、62 RAM
53 無線受信ユニット
54 局部洗浄ユニット
55 便座暖房ユニット
56 便蓋開閉ユニット
57 無線送信ユニット
43 情報表示ユニット
44 音情報出力ユニット
45 バッテリーユニット
46 操作ボタンユニット
47 無線受信ユニット
48 外部記憶装置接続ユニット
49 外部記憶装置
63 情報表示ユニット
64 バッテリーユニット
65 操作ボタンユニット
66 設定ボタンユニット
67 無線送信ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者を検知する人体検知手段と、他の電子機器の機能を遠隔制御するための無線信号を送信する無線信号送信手段とを有し、人体の局部を洗浄する局部洗浄機能を備えた衛生洗浄装置と、前記無線信号を受信する無線信号受信手段を有し、受信した前記無線信号に基づいて動作する電子機器とを備えたトイレシステムにおいて、
前記衛生洗浄装置は、前記人体検知手段による検知結果を人体検知無線信号として、前記無線信号送信手段に送信させる制御を行う送信制御手段を有し、
前記電子機器は、前記無線信号受信手段を第1の間欠周期により間欠動作させて前記無線信号を受信させておき、前記人体検知無線信号を受信すると、前記第1の間欠周期よりも短い第2の間欠周期により間欠動作させて前記無線信号を受信させる制御を行う受信制御手段を有することを特徴とするトイレシステム。
【請求項2】
使用者の操作に対応した操作信号を前記衛生洗浄装置へ送信することにより、前記衛生洗浄装置が備える機能を遠隔制御するリモコン装置を設け、
前記衛生洗浄装置は、前記操作信号を受信する操作信号受信手段を有し、
前記送信制御手段は、前記リモコン装置から受信した前記操作信号に対応する操作無線信号を前記無線信号送信手段により前記電子機器へ送信させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のトイレシステム。
【請求項3】
前記衛生洗浄装置が備える前記無線信号送信手段は、前記操作無線信号を送信する場合に、前記第2の間欠周期よりも長く前記第1の間欠周期よりも短い時間、前記操作無線信号を繰り返し送信する一方、前記人体検知無線信号を送信する場合に、前記第1の間欠周期よりも長い時間、前記人体検知無線信号を繰り返し送信することを特徴とする請求項2に記載のトイレシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−315147(P2007−315147A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−148860(P2006−148860)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】