トイレ装置
【課題】光信号の送受信のみによって、着座使用及び立位使用の使用者を確実に検知することが可能なトイレ装置を提供すること。
【解決手段】このトイレ装置としての擬音発生装置10は、第一検知領域SA1から反射される第一反射信号及び第二検知領域SA2から反射される第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、トイレ室TRの便座WS側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識し、第一反射信号及び第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、使用者が第一検知領域SA1及び第二検知領域SA2のいずれに存在するかを判断し、これらの認識結果と判断結果とに基づいて、便座WSに着座している使用者Hの存在有無と、便座WSに着座していない使用者Hの存在有無との双方を判断する。
【解決手段】このトイレ装置としての擬音発生装置10は、第一検知領域SA1から反射される第一反射信号及び第二検知領域SA2から反射される第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、トイレ室TRの便座WS側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識し、第一反射信号及び第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、使用者が第一検知領域SA1及び第二検知領域SA2のいずれに存在するかを判断し、これらの認識結果と判断結果とに基づいて、便座WSに着座している使用者Hの存在有無と、便座WSに着座していない使用者Hの存在有無との双方を判断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ室の壁面に設けられるトイレ装置であって、予め定められた機能を実行する機能部における当該機能の実行を制御するトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ室の壁面に設けられるトイレ装置であって、予め定められた機能を実行する機能部における当該機能の実行を制御するトイレ装置が制御対象とする機能部は様々なものがある。例えば、便器に水を流すためのバルブが機能部であれば、トイレ装置はバルブが有する機能である水の供給を制御すべく、バルブの開閉を制御する。また、使用者の局部を洗浄する衛生洗浄装置が機能部であれば、トイレ装置は衛生洗浄装置が有する機能である水の吐出や揺動を制御すべく、ノズルやポンプの駆動を制御する。
【0003】
このように機能部を制御するトイレ装置は、バルブやノズルやポンプに制御信号を出力してそれらの動作を制御するものである。そのような制御信号の出力は、使用者からの操作を受け付けて行うこともあれば、使用者の位置を検知する検知センサーの検知結果に基づいて行うこともある。従って、このようなトイレ装置は、便座に座っている使用者や立っている使用者が操作をしやすい位置に取り付けられるものである。その前提で、更に検知センサーによる検知精度を高めるため、下記特許文献1に記載されているような技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−173970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術は、便座の開閉によって、着座使用か立位使用かを判別し、それぞれに適した検知範囲となるように検知センサーの検知エリアを切り替えている。具体的には、便座が開いている場合には立位使用であると判断して、便器の先端よりも外側の領域を検知エリアとしている。また、便座が閉じている場合には着座使用であると判断して、便器を含む領域を検知エリアとしている。このように検知エリアを切り替える技術は、便器を使用する際の使用者の横方向の位置に対応するものであるから、その限りにおいては効果的なものである。
【0006】
ところで、上記従来の技術では、便座の開閉如何によって着座使用か立位使用かを判断しているので、便座の開閉を検知する手段が必ず必要となり、そのような便座開閉検知手段とトイレ装置との間の信号伝送路を確保する必要がある。このような信号伝送路の設置を義務付けるような構成は、必ずしも使いが手の良いものではないから、トイレ装置の光信号の送受信によって着座姿勢か立位姿勢かを判断するようなものが求められている。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、予め定められた機能を実行する機能部における当該機能の実行を制御するトイレ装置であって、光信号の送受信のみによって、着座使用及び立位使用の使用者を確実に検知することが可能なトイレ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係るトイレ装置は、トイレ室の壁面に設けられ、予め定められた機能を実行する機能部における当該機能の実行を制御するトイレ装置であって、光信号を送信する投光部と、前記投光部が送信する光信号が反射された反射信号を受信する受光部と、を有し、受信した反射信号に応じた受信信号を出力する反射型センサーと、前記機能部における機能の実行を指示する操作を受け付けて、その操作に応じた操作信号を出力する操作指示部と、前記反射型センサーから出力される受信信号に基づいて使用者の存在有りと判断すると、前記機能部における機能を実行させる一方で、その判断の結果に係らず、前記操作指示部から出力される操作信号に基づいて前記機能部における機能を実行させる制御部と、を備える。前記投光部は、横方向において異なる方向に向けて光信号を送信する第一投光素子と第二投光素子とを有しており、前記第一投光素子は第一検知領域に前記第二投光素子は第二検知領域にそれぞれ光信号を送信するように構成されている。前記制御部は、前記第一検知領域から反射される第一反射信号及び前記第二検知領域から反射される第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識し、前記第一反射信号及び前記第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、使用者が前記第一検知領域及び前記第二検知領域のいずれに存在するかを判断し、これらの認識結果と判断結果とに基づいて、トイレ室に設けられている便座に着座している使用者の存在有無と、前記便座に着座していない使用者の存在有無との双方を判断する。
【0009】
本発明に係るトイレ装置では、第一検知領域から反射される第一反射信号及び第二検知領域から反射される第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識するので、トイレ装置から見て第一検知領域と第二検知領域とのいずれが便座側なのかを認識することができる。そして、第一反射信号及び第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、使用者が第一検知領域及び第二検知領域のいずれに存在するかを判断するので、使用者が立位使用なのか着座使用なのかを確実に判断することができる。このような構成により、例えば便蓋の開閉状況を検知するような手段を別途設けることなく、使用者の位置を検知するための反射型センサーを利用して、使用者が立位使用なのか着座使用なのかを確実に判断することができる。
【0010】
また本発明に係るトイレ装置では、前記制御部は、前記第一反射信号に応じて出力される第一受信信号と、前記第二反射信号に応じて出力される第二受信信号とが識別可能であり、前記第一受信信号と前記第二受信信号との差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識することも好ましい。
【0011】
この好ましい態様では、第一受信信号と第二受信信号とが識別可能であって、それらの差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識するので、自動処理で設置態様を認識することができる。
【0012】
また本発明に係るトイレ装置では、前記第一投光素子から送信される光信号と前記第二投光素子から送信される光信号との送信タイミングが互いに異なるように送信され、前記制御部は、前記反射型センサーから出力される受信信号に基づいて使用者の存在が無いものと判断すると、前記第一受信信号が示す前記第一反射信号の信号強度と、前記第二受信信号が示す前記第二反射信号の信号強度との差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識することも好ましい。
【0013】
この好ましい態様では、第一投光素子から送信される光信号と第二投光素子から送信される光信号との送信タイミングが互いに異なるように送信しているので、送信される光信号の種別を異ならせることなく、送信タイミングの調整で、第一受信信号と第二受信信号とを識別可能なものとすることができる。トイレ装置が左側側壁に取り付けられているか右側側壁に取り付けられているかは、第一受信信号が示す第一反射信号の信号強度と、第二受信信号が示す第二反射信号の信号強度との差異に基づいて判断しているので、上述した送信タイミングの調整のみで、トイレ装置の設置方向も認識することができる。
【0014】
また本発明に係るトイレ装置では、前記第一投光素子から送信される光信号と前記第二投光素子から送信される光信号との送信タイミングが互いに異なるように送信され、前記制御部は、前記第一受信信号によって使用者の存在を検知する検知回数と、前記第二受信信号によって使用者の存在を検知する検知回数との差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識することも好ましい。
【0015】
この好ましい態様では、第一投光素子から送信される光信号と第二投光素子から送信される光信号との送信タイミングが互いに異なるように送信しているので、送信される光信号の種別を異ならせることなく、送信タイミングの調整で、第一受信信号と第二受信信号とを識別可能なものとすることができる。トイレ装置が左側側壁に取り付けられているか右側側壁に取り付けられているかは、第一受信信号によって使用者の存在を検知する検知回数と、第二受信信号によって使用者の存在を検知する検知回数との差異に基づいて判断しているので、上述した送信タイミングの調整のみで、トイレ装置の設置方向も認識することができる。
【0016】
また本発明に係るトイレ装置では、前記反射型センサーは、横方向において前記第一検知領域と前記第二検知領域とが対称領域となるように光信号を送信しており、その対称軸は、前記反射型センサーと前記操作指示部と前記制御部とが収められている本体部の水平方向における中心を通るように構成されていることも好ましい。
【0017】
この好ましい態様では、反射型センサーが、横方向において第一検知領域と第二検知領域とが対称領域となるように光信号を送信しており、その対称軸は、本体部の水平方向における中心を通るように構成している。このように構成することで、トイレ装置を左側側壁に取り付けても、右側側壁に取り付けても検知性能が変化しないので、左側側壁にも右側側壁にも取り付けることができる。従って、左側側壁用のトイレ装置と右側側壁用のトイレ装置とを準備する必要が無く、一種類のトイレ装置で対応することができるので、施工作業が極めて楽なものとなる。
【0018】
また本発明に係るトイレ装置では、前記第一投光素子と前記第二投光素子との間の中間位置に前記受光素子が配置されていることも好ましい。
【0019】
この好ましい態様では、第一投光素子と第二投光素子との間の中間位置に受光素子を配置することで、第一投光素子から送信される光信号と第二投光素子から送信される光信号との双方を一つの受光素子で受信することができる。従って、受光素子を共用とすることで投光素子や受光素子によって占有する領域を狭めることができ、トイレ装置を容易に小型化することができる。このように、トイレ装置を小型化することで、バリアフリーの観点から取り付け位置が厳密に指定され、その許容範囲が狭くなったとしても、容易に対応することができる。
【0020】
また本発明に係るトイレ装置では、前記第一投光素子及び前記第二投光素子それぞれの発光面は、水平よりも下方に向けて配置され、前記受光素子の受光面は、水平よりも下方に向けて配置されていることも好ましい。
【0021】
上述したように本発明では、投光部は水平よりも下方に向けて光信号を送信するので、反射信号は下方から戻ってくることになる。そこでこの好ましい態様では、受光素子を第一投光素子及び第二投光素子よりも下側に配置することで、反射信号をより信号強度の強い光量の多い状態で受信することができ、検知性能をより向上させることができる。更に、受光素子の受光面を水平よりも下方に向けて配置しているので、下方から戻ってくる反射信号をより信号強度の強い光量の多い状態で受信することができ、検知性能をより向上させることができる。
【0022】
また本発明に係るトイレ装置では、前記制御部は、前記第一投光素子及び前記第二投光素子の内、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力を第一の消費電力として設定し、前記第一の消費電力をトイレ室に設けられている便座側の領域ではないと判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力よりも低く設定し、前記便座に着座していない使用者の存在を検知すると、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力を、前記第一の消費電力よりも高く設定することが好ましい。
【0023】
便器を使用する使用者は、便器から遠い側から便器に近づき、便器に設けられた便座に着座したり、便器近傍に立って用便を行ったりするものである。従って、トイレ室に設けられている便座側の領域だと判断した側に光信号を送信している投光素子が受け持つ検知領域は、他方の投光素子が受け持つ検知領域よりも後に使用者が入ってくる領域である。そこでこの好ましい態様では、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力を、トイレ室に設けられている便座側の領域ではないと判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力よりも低く設定することで、消費電力を確実に抑制することができる。
【0024】
また本発明に係るトイレ装置では、前記制御部は、前記第一投光素子及び前記第二投光素子の内、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子を第一の間欠周期で駆動し、前記第一の間欠周期をトイレ室に設けられている便座側の領域ではないと判断した側に光信号を送信している投光素子の間欠周期よりも長く設定し、前記便座に着座していない使用者の存在を検知すると、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子を、前記第一の間欠周期よりも短い間欠周期で駆動することも好ましい。
【0025】
この好ましい態様では、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子の投光動作において、間欠動作が含まれた投光周期を第一の間欠周期として設定することができる。このように設定することで、制御部が便座に着座していない使用者の存在を検知するまで、第一の間欠周期をトイレ室に設けられている便座側の領域ではないと判断した側に光信号を送信している投光素子の間欠周期よりも長い間欠周期で駆動するように制御でき、一方では、便座に着座していない使用者の存在を検知すると、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子を、第一の間欠周期よりも短い間欠周期で駆動するように制御できるので、消費電力を確実に抑制することができる。
【0026】
前記制御部は、前記第一投光素子及び前記第二投光素子の内、トイレ室に設けられている便座側の領域だと判断した側に光信号を送信している投光素子を、前記便座に着座していない使用者が検知されるまでは投光を停止し、前記便座に着座していない使用者が検知されると投光を開始することも好ましい。
【0027】
上述したように本発明では、トイレ室に設けられている便座側の領域だと判断した側に光信号を送信している投光素子が受け持つ検知領域は、他方の投光素子が受け持つ検知領域よりも後に使用者が入ってくる領域である。そこでこの好ましい態様では、トイレ室に設けられている便座側の領域だと判断した側に光信号を送信している投光素子を、便座に着座していない使用者が検知されるまでは投光を停止し、便座に着座していない使用者が検知されると投光を開始することで、消費電力を確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、予め定められた機能を実行する機能部における当該機能の実行を制御するトイレ装置であって、光信号の送受信のみによって、着座使用及び立位使用の使用者を確実に検知することが可能なトイレ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態である擬音発生装置をトイレ室に設けた状態を示す概略側面図である。
【図2】本発明の実施形態である擬音発生装置をトイレ室に設けた状態を示す概略平面図である。
【図3】本発明の実施形態である擬音発生装置をトイレ室に設けた状態を示す概略正面図である。
【図4】本発明の実施形態である擬音発生装置を図2の場合とは反対側の壁に設けた状態を示す概略平面図である。
【図5】本発明の実施形態である擬音発生装置の外観を示す図である。
【図6】本発明の実施形態である擬音発生装置に用いられる素子ホルダーの外観を示す図である。
【図7】本発明の実施形態である擬音発生装置の制御的な構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態である擬音発生装置の投光素子が送信する光信号の波形を示す図である。
【図9】本発明の実施形態である擬音発生装置をトイレ室に設置する際の初期設定の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態である擬音発生装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】図6に示す素子ホルダーに投光素子を追加した場合の素子ホルダーの外観を示す図である。
【図12】図11に示す素子ホルダーを用いた場合の擬音発生装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】変形例としての擬音発生装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】変形例としての擬音発生装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】図13及び図14に示すフローチャートのうち、使用者検知フローの手順を示すフローチャートである。
【図16】図13及び図14に示すフローチャートのうち、使用者検知フローの手順を示すフローチャートである。
【図17】使用者検知フローにおいて、それぞれの投光素子が投光する光信号の間欠周期を示す説明図である。
【図18】使用者検知フローにおいて、それぞれの投光素子が投光する光信号の間欠周期を示す他の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0031】
本発明の実施形態に係るトイレ装置としての擬音発生装置について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、擬音発生装置10をトイレ室TRに取り付けた状態を示す概略側面図である。図2は、擬音発生装置10をトイレ室TRに取り付けた状態を示す概略平面図である。
【0032】
図1及び図2に示すように、トイレ室TRは、床FLと、後壁BWと、右側側壁RWと、左側側壁LWと、ドアDRとを有している。床FLの後壁BW側には、大便器CSが設置されている。大便器CSには、便座WSが取り付けられている。
【0033】
左側側壁LWには、ペーパーホルダーRPと、擬音発生装置10(トイレ装置)とが取り付けられている。ペーパーホルダーRPは、トイレットペーパーを保持するためのものである。ペーパーホルダーRPは、大便器CSのドアDR側先端よりもドアDR側に近寄った位置に取り付けられている。ペーパーホルダーRPが取り付けられている高さは、便座WS先端から約150mm〜400mmの高さとなっている。
【0034】
ペーパーホルダーRPの上方には、擬音発生装置10が取り付けられている。擬音発生装置10は、使用者Hが便座WSに着座して用便する場合に、小便が溜水に突入する際の音をマスキングするための擬音を発生する装置である。擬音発生装置10が取り付けられている高さは、便座WS先端から約400mm〜550mmの高さであって、ペーパーホルダーRPから約100〜200mmの高さとなっている。
【0035】
擬音発生装置10は、スピーカー101と、反射型センサー102と、運転スイッチ103(操作指示部)とを備えている。スピーカー101は、擬音を発生するための音声発生装置である。反射型センサー102は、投光素子と受光素子とを有している。反射型センサー102の投光素子から送信される光信号は、対象物に当たって反射し、その反射信号を受光素子が受信することで対象物存在の有無を検知している。
【0036】
反射型センサー102から送信される光信号は、第一検知領域SA1と、第二検知領域SA2とに分けて送信されている。第一検知領域SA1と第二検知領域SA2とは、擬音発生装置10の中心線CLを挟んで対称な方向及び対称な形状となるように形成されている。
【0037】
図1及び図2に示す擬音発生装置10では、便座WSに使用者H(位置H2)が着座し、着座使用している場合は、第二検知領域SA2で検知している。一方、便座WSに着座せずに使用者H(位置H1)が立位使用している場合は、第一検知領域SA1で検知している。
【0038】
反射型センサー102から送信される光信号は、水平方向よりも下方向(床FLに向う方向)に向けて送信されている。この状態を説明するため、図3に、擬音発生装置10をトイレ室TRに取り付けた場合のドアDR側から見た正面図を示す。図3に示すように、反射型センサー102から送信される光信号は、水平基準線HLよりも床FL側に向けて下向きに送信している。従って、第一検知領域SA1及び第二検知領域SA2は、水平基準線HLよりも下側に広がるように形成されている。このように第一検知領域SA1及び第二検知領域SA2を下向きに形成することで、便座WSに着座している使用者H(位置H2)を確実に検知することができる。
【0039】
擬音発生装置10は、右側側壁RWに取り付けることも可能である。擬音発生装置10をトイレ室TRの右側側壁RWに取り付けた状態を図4に示す。図4に示すように、擬音発生装置10を右側側壁RWに取り付けると、便座WSに使用者H(位置H2)が着座し、着座使用している場合は、第一検知領域SA1で検知する。一方、便座WSに着座せずに使用者H(位置H1)が立位使用している場合は、第二検知領域SA2で検知する。
【0040】
続いて、本実施形態の擬音発生装置10の外観を図5に示す。図5に示すように、擬音発生装置10は、本体部10Bに、スピーカー101と、反射型センサー102と、運転スイッチ103とが設けられている。反射型センサー102は、本体部10Bの中心線CLを跨ぐ位置に設けられている。
【0041】
反射型センサー102は、第一投光素子102aと、第二投光素子102bと、受光素子102cとを有している。第一投光素子102aと第二投光素子102bとは、本体部10Bの中心線CLを跨いで対称な位置に配置されている。受光素子102cは、本体部10Bの中心線CL上に配置されている。
【0042】
図6に、反射型センサー102に用いられる素子ホルダー102hを示す。図6に示すように、第一投光素子102aは、取付穴102aaに取り付けられている。同様に、第二投光素子102bは取付穴102baに、受光素子102cは取付穴102caに、それぞれ取り付けられている。本実施形態の場合、第一投光素子102a及び第二投光素子102bは、水平基準線HL(図2参照)から下方に約20度の方向を向くように取り付けられている。また、第一投光素子102a及び第二投光素子102bは、中心線CLに対してそれぞれが外側に約23度開いた方向を向くように取り付けられている。
【0043】
また、受光素子102cは、第一投光素子102aと第二投光素子102bとの間の中間位置であって、第一投光素子102a及び第二投光素子102bよりは下方に配置されている。受光素子102cは、その受光面が下方を向いて、第一投光素子102a及び第二投光素子102bから送信される光信号が反射した反射信号を受信しやすいように配置されている。
【0044】
続いて図7に、本実施形態の擬音発生装置10の制御的な構成を示すブロック図を示す。図7に示すように、擬音発生装置10は、制御部としてのCPU104と、運転スイッチ103と、受光素子102cと、第一投光素子102aと、第二投光素子102bと、スピーカー101とを備えている。
【0045】
操作指示部としての運転スイッチ103を使用者Hが操作すると、その操作に応じた操作指示信号がCPU104に出力される。本実施形態の場合、操作指示信号は擬音発生の停止なので、CPU104は、スピーカー101からの擬音発生を停止させる。
【0046】
CPU104は、第一投光素子102a及び第二投光素子102bから光信号を送信させる。この光信号は対象物としての使用者Hや大便器CSや便座WSに当たって反射し、その反射に伴って反射信号が受光素子102cへと向う。受光素子102cは、反射信号を受信すると、その反射信号に応じた受信信号をCPU104に出力する。
【0047】
第一投光素子102a及び第二投光素子102bから送信される光信号の波形を図8に示す。図8に示すように、第一投光素子から送信される光信号と、第二投光素子から送信される光信号とは、周期がずれており、同時に送信しても判別可能なように構成されている。
【0048】
続いて、本実施形態に係る擬音発生装置10をトイレ室TRに取り付ける際の初期設定について図9を参照しながら説明する。図9は、擬音発生装置10をトイレ室TRに設置する際の初期設定の手順を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS01では、トイレ室TRに擬音発生装置10を取り付ける。具体的には、図1〜図3に示すようにトイレ室TRの左側側壁LWに取り付けても、図4に示すようにトイレ室TRの右側側壁RWに取り付けてもよい。
【0050】
ステップS01に続くステップS02では、複数の検知領域に各投光素子からそれぞれ異なる光信号を送信する。具体的には、第一投光素子102a及び第二投光素子102bから、図8に例示したような光信号を送信する。第一投光素子102a及び第二投光素子102bから送信された光信号は、反射されて反射信号となり受光素子102cがそれを受信する。
【0051】
擬音発生装置10が、図1〜図3に示すようにトイレ室TRの左側側壁LWに取り付けられていれば、第一投光素子102aから送信された光信号に対する反射信号の信号強度(光量)よりも、第二投光素子102bから送信された光信号に対する反射信号の信号強度(光量)が大きくなる。第二投光素子102bが送信する光信号が照射される第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがある一方、第一投光素子102aが送信する光信号が照射される第一検知領域SA1側にはそのような機器類が配置されていないためである。
【0052】
一方、擬音発生装置10が、図4に示すようにトイレ室TRの右側側壁RWに取り付けられていれば、第二投光素子102bから送信された光信号に対する反射信号の信号強度(光量)よりも、第一投光素子102aから送信された光信号に対する反射信号の信号強度(光量)が大きくなる。第一投光素子102aが送信する光信号が照射される第一検知領域SA1側に大便器CS及び便座WSがある一方、第二投光素子102bが送信する光信号が照射される第二検知領域SA2側にはそのような機器類が配置されていないためである。
【0053】
このような背景を利用して、ステップS02に続くステップS03では、送信された光信号の反射量(反射信号の信号強度)が大きいのが、第一検知領域SA1であるか否か判断する。送信された光信号の反射量(反射信号の信号強度)が大きいのが、第一検知領域SA1であれば、ステップS04の処理に進み、第二検知領域SA2であれば、ステップS07の処理に進む。
【0054】
ステップS04では、第一検知領域SA1に大便器CS及び便座WSがあり、それらから光信号が反射され反射信号が戻ってきていると判断する。ステップS04に続くステップS05では、第一投光素子102aが送信する光信号が照射される第一検知領域SA1側に大便器CS及び便座WSがあり、第二投光素子102bが送信する光信号が照射される第二検知領域SA2側にドアDRがあるものと判断する。
【0055】
ステップS05に続くステップS06では、第一検知領域SA1側に大便器CS及び便座WSがあり、第二検知領域SA2側にドアDRがあるものとして、それぞれの反射信号の強度を反射量閾値として学習する。
【0056】
一方、ステップS07では、第二検知領域SA2に大便器CS及び便座WSがあり、それらから光信号が反射され反射信号が戻ってきていると判断する。ステップS07に続くステップS08では、第二投光素子102bが送信する光信号が照射される第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一投光素子102aが送信する光信号が照射される第一検知領域SA1側にドアDRがあるものと判断する。
【0057】
ステップS08に続くステップS09では、第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがあるものとして、それぞれの反射信号の強度を反射量閾値として学習する。
【0058】
続いて、本実施形態に係る擬音発生装置10の動作について、図10を参照しながら説明する。図10は、擬音発生装置10の動作を示すフローチャートである。尚、図10に示すフローチャートは、図9の初期設定を行った結果、第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがある場合(図1〜図3参照)について説明している。
【0059】
ステップS11では、第一投光素子102aから光信号の送信を行う一方で、第二投光素子102bからの光信号の送信は停止している。第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがある場合、使用者Hは第一検知領域SA1側から大便器CSに近づくことになるので、第一検知領域SA1のみを有効検知領域としている。
【0060】
ステップS11に続くステップS12では、第一検知領域SA1からの反射量が変化したか判断する。具体的には、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が超えているか判断する。第一検知領域SA1からの反射量が変化しなければステップS12の処理を繰り返し、第一検知領域SA1からの反射量が変化していればステップS13の処理に進む。
【0061】
ステップS13では、スピーカー101から擬音を発生させる。ステップS13に続くステップS14では、第二投光素子102bからも光信号の送信を開始する。ステップS14に続くステップS15では、第二検知領域SA2からの反射量が変化したか判断する。具体的には、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第二投光素子102bから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が超えているか判断する。第二検知領域SA2からの反射量が変化しなければステップS22の処理に進み、第二検知領域SA2からの反射量が変化していればステップS16の処理に進む。
【0062】
ステップS22では、使用者Hは位置H1(図1参照)において立位使用しているものと判断し、ステップS19の処理に進む。
【0063】
ステップS16では、使用者Hは位置H2(図1参照)において着座使用しているものと判断し、ステップS17の処理に進む。
【0064】
ステップS16に続くステップS17では、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第二投光素子102bから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っているか判断する。第二投光素子102bから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っていれば、ステップS18の処理に進み、下回っていなければステップS17の処理を継続する。
【0065】
このステップS17の処理は、使用者Hが位置H2から立ち去ったか否かを判断するステップである。従って、使用者Hの用便が終了したものと判断できる処理で代替可能である。例えば、所定時間の経過を条件として、ステップS18の処理に進むことも好ましいものである。
【0066】
ステップS18では、第一検知領域SA1からの反射量が変化したか判断する。具体的には、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が超えているか判断する。第一検知領域SA1からの反射量が変化しなければステップS18の処理を繰り返し、第一検知領域SA1からの反射量が変化していればステップS19の処理に進む。このステップS18の処理は、使用者Hが位置H1に留まっているか否かを判断するものである。
【0067】
ステップS19では、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っているか判断する。第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っていれば、ステップS20の処理に進み、下回っていなければステップS19の処理を継続する。
【0068】
このステップS19の処理は、使用者Hが位置H1から立ち去ったか否かを判断するステップである。従って、使用者Hが立ち去ったものと判断できる処理で代替可能である。例えば、所定時間の経過を条件として、ステップS20の処理に進むことも好ましいものである。
【0069】
ステップS20では、第二投光素子102bからの光信号の送信を停止する。ステップS20に続くステップS21では、スピーカー101からの擬音の発生を停止する。
【0070】
上述した実施形態では、投光素子として、第一投光素子102a及び第二投光素子102bの二つの素子を用いている。投光素子の数は二つに限られるものではなく、第一検知領域SA1と第二検知領域SA2との間の隙間が発生することを防止するため、投光素子の数を増やすことも好ましいものである。図11に、第三投光素子102dを設けた素子ホルダー202hを示す。
【0071】
図11に示すように、第三投光素子102dは、第一投光素子102aと第二投光素子102bとの間であって、受光素子102cの上方に配置されている。第三投光素子102dは、取付穴102aaと取付穴102baとの間の取付穴102daに取り付けられている。第三投光素子102dも、第一投光素子102a及び第二投光素子102bと同様に、下方に向けて取り付けられている。
【0072】
このように投光素子を三つにした場合の、擬音発生装置10の動作について図12を参照しながら説明する。尚、図12に示すフローチャートは、図9の初期設定を行った結果、第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがある場合(図1〜図3参照)について説明している。
【0073】
ステップS31では、第一投光素子102aから光信号の送信を行う一方で、第二投光素子102b及び第三投光素子102dからの光信号の送信は停止している。第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがある場合、使用者Hは第一検知領域SA1側から大便器CSに近づくことになるので、第一検知領域SA1のみを有効検知領域としている。
【0074】
ステップS31に続くステップS32では、第一検知領域SA1からの反射量が変化したか判断する。具体的には、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が超えているか判断する。第一検知領域SA1からの反射量が変化しなければステップS32の処理を繰り返し、第一検知領域SA1からの反射量が変化していればステップS33の処理に進む。
【0075】
ステップS33では、スピーカー101から擬音を発生させる。ステップS33に続くステップS34では、第二投光素子102b及び第三投光素子102dからも光信号の送信を開始する。ステップS34に続くステップS35では、第二検知領域SA2及び第三検知領域(第三投光素子102dが光信号を照射する領域)からの反射量が変化したか判断する。具体的には、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第二投光素子102b及び第三投光素子102dから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が、反射量閾値を超えているか判断する。第二検知領域SA2及び第三検知領域からの反射量が変化しなければステップS42の処理に進み、第二検知領域SA2及び第三検知領域からの反射量が変化していればステップS36の処理に進む。
【0076】
ステップS42では、使用者Hは位置H1(図1参照)において立位使用しているものと判断し、ステップS39の処理に進む。
【0077】
ステップS36では、使用者Hは位置H2(図1参照)において着座使用しているものと判断し、ステップS37の処理に進む。
【0078】
ステップS36に続くステップS37では、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第二投光素子102b及び第三投光素子102dから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っているか判断する。第二投光素子102b第三投光素子102dから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っていれば、ステップS38の処理に進み、下回っていなければステップS37の処理を継続する。
【0079】
このステップS37の処理は、使用者Hが位置H2から立ち去ったか否かを判断するステップである。従って、使用者Hの用便が終了したものと判断できる処理で代替可能である。例えば、所定時間の経過を条件として、ステップS38の処理に進むことも好ましいものである。
【0080】
ステップS38では、第一検知領域SA1からの反射量が変化したか判断する。具体的には、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が超えているか判断する。第一検知領域SA1からの反射量が変化しなければステップS38の処理を繰り返し、第一検知領域SA1からの反射量が変化していればステップS39の処理に進む。このステップS38の処理は、使用者Hが位置H1に留まっているか否かを判断するものである。
【0081】
ステップS39では、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っているか判断する。第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っていれば、ステップS40の処理に進み、下回っていなければステップS39の処理を継続する。
【0082】
このステップS39の処理は、使用者Hが位置H1から立ち去ったか否かを判断するステップである。従って、使用者Hが立ち去ったものと判断できる処理で代替可能である。例えば、所定時間の経過を条件として、ステップS40の処理に進むことも好ましいものである。
【0083】
ステップS40では、第二投光素子102b第三投光素子102dからの光信号の送信を停止する。ステップS40に続くステップS41では、スピーカー101からの擬音の発生を停止する。
【0084】
このように、上述した擬音発生装置10によれば、該擬音発生装置10の設置位置及び使用者Hの存在の有無を、投光素子102a,102bから送信される光信号に対する反射信号の信号強度によって判断した。
【0085】
通常トイレ室TRを使用する使用者Hは、必ずしも便座WSに着座するとは限らないので、第一検知領域SA1及び第二検知領域SA2の内、便座WSが設けられていない側の検知領域で使用者Hが検知される検知回数は、便座WSが設けられている側の検知領域で使用者Hが検知される検知回数より多くなるものである。従って、この両者の検知回数の差に基づいて、擬音発生装置の設置位置及び使用者Hの存在の有無を判断することも可能である。このように動作する擬音発生装置の変形例を図13〜17に示す。
【0086】
図13及び図14は、変形例としての擬音発生装置(図示せず)をトイレ室TRに取り付ける際の初期設定及びその後の動作を示すフローチャートであり、図15及び図16は、かかるフローチャートのうち、使用者検知フローを示すフローチャートである。尚、擬音発生装置は、図7に示す各要素101,102a,102b,102c,103,104を含むものであり、かかるフローチャートは、変形例としての擬音発生装置のCPU(制御部)が図7に示す各要素及びメモリ(図示せず)と協働して実行するものである。
【0087】
ステップS51では、トイレ室TRに擬音発生装置を取り付ける。具体的には、図1〜図3に示すようにトイレ室TRの左側側壁LWに取り付けても、図4に示すようにトイレ室TRの右側側壁RWに取り付けてもよい。
【0088】
ステップS52では、擬音発生装置の初期設定の有無を、学習済フラグを確認することで判断する。それぞれの検知領域SA1,SA2で使用者Hの存在を検知した回数に基づいて、擬音発生装置がトイレ室TRの便座WS側から見て左側側壁LWに設けられているのか、右側側壁RWに設けられているのかを学習すれば、初期設定が完了しているとして、学習済フラグが立つように設定されている。初期設定が済んでいなければ、ステップS53の処理へ進み、初期設定が済んでいれば、使用者検知フロー(ステップS71)の処理に進む。
【0089】
ステップS52に続くステップS53では、複数の検知領域SA1,SA2に各投光素子102a,102bからそれぞれ異なる光信号を送信する。具体的には、第一投光素子102a及び第二投光素子102bから、図8に例示したような光信号を送信する。第一投光素子102a及び第二投光素子102bから送信された光信号は、対象物である使用者Hに反射されて反射信号となり受光素子102cがそれを受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力する。
【0090】
ステップS54では、いずれの検知領域SA1,SA2において、使用者Hを検知したかを判断する。使用者Hを検知するまでこの処理が繰り返され、使用者Hを検知するとステップS55の処理に進む。ステップS55では、スピーカー101から擬音を発生させる。
【0091】
擬音発生装置が、図1〜図3に示すようにトイレ室TRの左側側壁LWに取り付けられていれば、第一検知領域SA1側にドアDRが配置され、第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSが配置されることになるので、使用者Hが第二検知領域SA2で検知される回数よりも、第一検知領域SA1で検知される回数が多くなる。これは、受光素子102cが、第二投光素子102bから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力する回数よりも、第一投光素子102aから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力する回数が多くなるためである。
【0092】
一方、擬音発生装置が、図4に示すようにトイレ室TRの右側側壁RWに取り付けられていれば、第一検知領域SA1側に大便器CS及び便座WSが配置され、第二検知領域SA2側にドアが配置されることになるので、使用者Hが第一検知領域SA1で検知される回数よりも、第二検知領域SA2で検知される回数が多くなる。これは、受光素子102cが、第一投光素子102aから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力する回数よりも、第二投光素子102bから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力する回数が多くなるためである。
【0093】
このような背景を利用して、ステップS55に続くステップS56では、使用者Hが第一検知領域SA1に存在するかを判断する。使用者Hが、第一検知領域SA1に存在するのであれば、ステップS57の処理に進み、第二検知領域SA2に存在するのであれば、ステップS58の処理に進む。
【0094】
ステップS57では、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知した回数として、現在の検知回数(第一検知カウンタ)A1の値に1を加算し、ステップS59の処理に進む。
【0095】
一方、ステップS58では、第二検知領域SA2で使用者Hの存在を検知した回数として、現在の検知回数(第二検知カウンタ)A2の値に1を加算し、ステップS59の処理に進む。
【0096】
ステップS59では、いずれの検知領域SA1,SA2にも使用者Hが存在しないことを検知したか判断する。いずれの検知領域SA1,SA2にも使用者Hが存在しないことを検知するまで、ステップS56の処理に戻り、いずれの検知領域SA1,SA2にも使用者Hが存在しないことを検知すると、使用者Hはトイレ室TRに留まっていないことになるので、ステップS60の処理に進む。
【0097】
ステップS59に続くステップS60では、スピーカー101からの擬音を停止させる。ステップS61では、それぞれの検知領域SA1,SA2において使用者Hを検知した回数が、予め設定されている閾値回数A以上かを判断する。それぞれの検知領域SA1,SA2において使用者Hを検知した回数が、予め設定されている閾値回数A以上となるまで、使用者の検知を繰り返し(ステップS52に戻る)、それぞれの検知領域SA1,SA2において使用者Hを検知した回数が、予め設定されている閾値回数A以上であれば、ステップS62の処理に進む。
【0098】
ステップS62では、第一検知領域SA1で使用者Hを検知した回数と、第二検知領域SA2で使用者Hを検知した回数とを比較し、いずれの検知回数が多いかを判断する。第一検知領域SA1で使用者Hを検知した回数が、第二検知領域SA2で使用者Hを検知した回数よりも多いのであれば、ステップS63の処理に進む。一方、第二検知領域SA2で使用者を検知した回数が、第一検知領域SA1で使用者を検知した回数よりも多いのであれば、ステップS64の処理に進む。
【0099】
ステップS62に続くステップS63では、第一検知領域SA1にドアDRがあり、第二検知領域SA2に大便器CS及び便座WSがあると学習する。このように、擬音発生装置がトイレ室TRの便座WS側から見て左側側壁LWに設けられていることを認識すると、ステップS65の処理に進む。
【0100】
一方、ステップS64では、第二検知領域SA2にドアDRがあり、第一検知領域SA1に大便器CS及び便座WSがあると学習する。このように、擬音発生装置がトイレ室TRの便座WS側から見て右側側壁RWに設けられていることを認識すると、ステップS65の処理に進む。
【0101】
ステップS65では、学習済フラグを立てる。
【0102】
擬音発生装置の初期設定が完了すると、擬音発生装置を使用する動作が開始する。尚、ステップS71以降に示す各ステップの処理は、ステップS51からステップS65の処理を実行して初期設定を行った結果、第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがある場合(図1〜図3参照)について説明している。図15〜図18を参照しながら、説明する。
【0103】
ステップS71では、第二投光素子102bの消費電力を第一の消費電力に設定し、この第一の消費電力を第一投光素子102aの消費電力よりも低く設定する。第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがある場合、使用者Hは第一検知領域SA1側から大便器CSに近づくことになるので、第一検知領域SA1のみを有効検知領域としている。
【0104】
このように、第二投光素子102bを第一投光素子102aよりも低い消費電力に設定するための具体的な方法としては、第一投光素子102aから光信号の送信を行う一方で、第二投光素子102bからの光信号の送信を停止する。これによれば、第二投光素子102bの消費電力(第一の消費電力)は零に設定され、第一投光素子102aの消費電力よりも低い消費電力が設定されることになる。
【0105】
また他の方法としては、図17に示すように、第二投光素子102bからの光信号を構成する1周期T2あたりのON時間T2onが、第一投光素子102aからの光信号を構成する1周期T1あたりのON時間T1onよりも短くなるように設定し(T1=T2,T2on<T1on)、第二投光素子102bからも光信号を送信してもよい。
【0106】
さらに、図18に示すように、第二投光素子102bからの光信号を構成する周期T2(第一の間欠周期)が、第一投光素子102aからの光信号を構成する周期T1よりも長くなるように設定し(T1<T2,T1on=T2on)、第二投光素子102bからも光信号を送信してもよい。
【0107】
これらによれば、第二投光素子102bの消費電力(第一の消費電力)は所定値Pに設定されるとともに第一投光素子102aの消費電力よりも低く設定される。なお、第一投光素子102aからの光信号と第二投光素子102bからの光信号は、お互いの送信開始タイミングが異なるように設定されている。
【0108】
ステップS71に続くステップS72では、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知したか判断する。具体的には、受光素子102cが第一投光素子102aから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力したかを判断する。この処理は、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知するまで繰り返し、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知すると、ステップS73の処理に進む。
【0109】
ステップS73では、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知した回数として、現在の検知回数(第一検知カウンタ)A1の値に1を加算し、ステップS74の処理に進む。ステップS74では、スピーカー101から擬音を発生させる。
【0110】
ステップS74に続くステップS75では、第二投光素子102bの消費電力をステップS71で設定した消費電力(第一の消費電力)よりも高くなるように設定し、第二投光素子102bからも光信号を送信する。具体的な方法としては、第二投光素子102bからも、図8に示すような光信号を送信する。
【0111】
また他の方法としては、図17に示すように、第二投光素子102bからの光信号を構成する1周期T3あたりのON時間T3onが、第二投光素子102bからの光信号を構成する1周期T2あたりのON時間T2onよりも長くなるように設定する(T2on<T3on,T2=T3)。このとき、第二投光素子102bからの光信号を構成する1周期T3あたりのON時間T3onは、第一投光素子102aからの光信号を構成する1周期T1あたりのON時間T1onと同じ長さ、又はON時間T1onより短くなるように設定してもよい(T2on<T3on≦T1on,T1=T2=T3)。
【0112】
さらに他の方法としては、図18に示すように、第二投光素子102bからの光信号を構成する間欠動作の周期T3が、周期T2よりも短くなるように設定する(T3<T2,T2on=T3on)。このとき、第二投光素子102bからの光信号を構成する周期T3は、第一投光素子102aからの光信号を構成する周期T1と同じ長さの周期に、又は、周期T1より長くなるように設定してもよい(T1≦T3<T2,T1on=T2on=T3on)。
【0113】
これらによれば、第二投光素子102bは、その消費電力が、第一投光素子102aの消費電力を超えないように制御される。
【0114】
ステップS75に続くステップS76では、第二検知領域SA2で使用者Hの存在を検知したか判断する。具体的には、受光素子102cが第二投光素子102bから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力したかを判断する。第二検知領域SA2で使用者Hの存在を検知すると、ステップS77の処理に進み、一方、第二検知領域SA2ではなく、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知すると、ステップS86の処理に進む。
【0115】
ステップS77では、使用者Hは第二検知領域SA2を使用していると判断する。一方、ステップS86では、使用者Hは第一検知領域SA1を使用していると判断する。
【0116】
ステップS77に続くステップS78では、第二検知領域SA2で使用者Hの存在を検知した回数として、現在の検知回数(第二検知カウンタ)A2の値に1を加算し、ステップS79の処理に進む。
【0117】
ステップS78に続くステップS79では、第二検知領域SA2で使用者Hを検知していないか判断する。第二検知領域SA2で使用者Hを検知していないと判断するまでこの処理を繰り返し、第二検知領域SA2で使用者Hを検知していないと判断すると、ステップS75の処理に進む。
【0118】
ステップS79に続くステップS80では、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知したか判断する。具体的には、受光素子102cが第一投光素子102aから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力したかを判断する。第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知するまでこの処理を繰り返し、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知すると、ステップS81の処理に進む。
【0119】
ステップS80に続くステップS81では、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知した回数として、現在の検知回数(第一検知カウンタ)A1の値に1を加算し、ステップS82の処理に進む。
【0120】
ステップS81に続くステップS82では、第一検知領域SA1で使用者Hを検知していないか判断する。第一検知領域SA1で使用者Hを検知していないと判断するまでステップS76の処理に戻って使用者Hを検知する処理を繰り返し、第一検知領域SA1で使用者Hを検知していないと判断すると、使用者Hがトイレ室TRにはいないと判断するので、ステップS83の処理に進む。
【0121】
ステップS82に続くステップS83では、第二投光素子102bの消費電力を第一の消費電力に設定し、この第一の消費電力を第一投光素子102aの消費電力よりも低く設定する。具体的には、第二投光素子102bからの光信号の送信を停止し、第二投光素子102bからの光信号を構成する1周期T2あたりのON時間T2onが、第一投光素子102aからの光信号を構成する1周期T1あたりのON時間T1onよりも短くなるように設定し、又は、第二投光素子102bからの光信号を構成する間欠動作の周期T2(第一の間欠周期)が第一投光素子102aからの光信号を構成する間欠動作の周期T1よりも長くなるように設定する。
【0122】
ステップS84では、スピーカー101からの擬音を停止させる。
【0123】
ステップS85では、それぞれの検知領域において使用者を検知した回数が、予め設定されている閾値回数A以上かを判断する。それぞれの検知領域において使用者を検知した回数が、予め設定されている閾値回数A以上となるまで、使用者の検知を繰り返し(ステップS52に戻る)、それぞれの検知領域において使用者を検知した回数が、予め設定されている閾値回数A以上であれば、ステップS62の処理に戻る。この処理は、擬音発生装置の取り付け位置を定期的に再確認するものである。
【0124】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0125】
TR:トイレ室
DR:ドア
FL:床
BW:後壁
RW:右側側壁
LW:左側側壁
CS:大便器
WS:便座
RP:ペーパーホルダー
H:使用者
10:擬音発生装置(トイレ装置)
10B:本体部
101:スピーカー
102:反射型センサー
102a:第一投光素子(投光部)
102b:第二投光素子(投光部)
102c:受光素子(受光部)
102d:第三投光素子(投光部)
102h,202h:素子ホルダー
102aa:取付穴
102ba:取付穴
102ca:取付穴
102da:取付穴
103:運転スイッチ(操作指示部)
104:CPU(制御部)
SA1:第一検知領域
SA2:第二検知領域
CL:中心線
HL:水平基準線
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ室の壁面に設けられるトイレ装置であって、予め定められた機能を実行する機能部における当該機能の実行を制御するトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ室の壁面に設けられるトイレ装置であって、予め定められた機能を実行する機能部における当該機能の実行を制御するトイレ装置が制御対象とする機能部は様々なものがある。例えば、便器に水を流すためのバルブが機能部であれば、トイレ装置はバルブが有する機能である水の供給を制御すべく、バルブの開閉を制御する。また、使用者の局部を洗浄する衛生洗浄装置が機能部であれば、トイレ装置は衛生洗浄装置が有する機能である水の吐出や揺動を制御すべく、ノズルやポンプの駆動を制御する。
【0003】
このように機能部を制御するトイレ装置は、バルブやノズルやポンプに制御信号を出力してそれらの動作を制御するものである。そのような制御信号の出力は、使用者からの操作を受け付けて行うこともあれば、使用者の位置を検知する検知センサーの検知結果に基づいて行うこともある。従って、このようなトイレ装置は、便座に座っている使用者や立っている使用者が操作をしやすい位置に取り付けられるものである。その前提で、更に検知センサーによる検知精度を高めるため、下記特許文献1に記載されているような技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−173970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術は、便座の開閉によって、着座使用か立位使用かを判別し、それぞれに適した検知範囲となるように検知センサーの検知エリアを切り替えている。具体的には、便座が開いている場合には立位使用であると判断して、便器の先端よりも外側の領域を検知エリアとしている。また、便座が閉じている場合には着座使用であると判断して、便器を含む領域を検知エリアとしている。このように検知エリアを切り替える技術は、便器を使用する際の使用者の横方向の位置に対応するものであるから、その限りにおいては効果的なものである。
【0006】
ところで、上記従来の技術では、便座の開閉如何によって着座使用か立位使用かを判断しているので、便座の開閉を検知する手段が必ず必要となり、そのような便座開閉検知手段とトイレ装置との間の信号伝送路を確保する必要がある。このような信号伝送路の設置を義務付けるような構成は、必ずしも使いが手の良いものではないから、トイレ装置の光信号の送受信によって着座姿勢か立位姿勢かを判断するようなものが求められている。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、予め定められた機能を実行する機能部における当該機能の実行を制御するトイレ装置であって、光信号の送受信のみによって、着座使用及び立位使用の使用者を確実に検知することが可能なトイレ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係るトイレ装置は、トイレ室の壁面に設けられ、予め定められた機能を実行する機能部における当該機能の実行を制御するトイレ装置であって、光信号を送信する投光部と、前記投光部が送信する光信号が反射された反射信号を受信する受光部と、を有し、受信した反射信号に応じた受信信号を出力する反射型センサーと、前記機能部における機能の実行を指示する操作を受け付けて、その操作に応じた操作信号を出力する操作指示部と、前記反射型センサーから出力される受信信号に基づいて使用者の存在有りと判断すると、前記機能部における機能を実行させる一方で、その判断の結果に係らず、前記操作指示部から出力される操作信号に基づいて前記機能部における機能を実行させる制御部と、を備える。前記投光部は、横方向において異なる方向に向けて光信号を送信する第一投光素子と第二投光素子とを有しており、前記第一投光素子は第一検知領域に前記第二投光素子は第二検知領域にそれぞれ光信号を送信するように構成されている。前記制御部は、前記第一検知領域から反射される第一反射信号及び前記第二検知領域から反射される第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識し、前記第一反射信号及び前記第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、使用者が前記第一検知領域及び前記第二検知領域のいずれに存在するかを判断し、これらの認識結果と判断結果とに基づいて、トイレ室に設けられている便座に着座している使用者の存在有無と、前記便座に着座していない使用者の存在有無との双方を判断する。
【0009】
本発明に係るトイレ装置では、第一検知領域から反射される第一反射信号及び第二検知領域から反射される第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識するので、トイレ装置から見て第一検知領域と第二検知領域とのいずれが便座側なのかを認識することができる。そして、第一反射信号及び第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、使用者が第一検知領域及び第二検知領域のいずれに存在するかを判断するので、使用者が立位使用なのか着座使用なのかを確実に判断することができる。このような構成により、例えば便蓋の開閉状況を検知するような手段を別途設けることなく、使用者の位置を検知するための反射型センサーを利用して、使用者が立位使用なのか着座使用なのかを確実に判断することができる。
【0010】
また本発明に係るトイレ装置では、前記制御部は、前記第一反射信号に応じて出力される第一受信信号と、前記第二反射信号に応じて出力される第二受信信号とが識別可能であり、前記第一受信信号と前記第二受信信号との差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識することも好ましい。
【0011】
この好ましい態様では、第一受信信号と第二受信信号とが識別可能であって、それらの差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識するので、自動処理で設置態様を認識することができる。
【0012】
また本発明に係るトイレ装置では、前記第一投光素子から送信される光信号と前記第二投光素子から送信される光信号との送信タイミングが互いに異なるように送信され、前記制御部は、前記反射型センサーから出力される受信信号に基づいて使用者の存在が無いものと判断すると、前記第一受信信号が示す前記第一反射信号の信号強度と、前記第二受信信号が示す前記第二反射信号の信号強度との差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識することも好ましい。
【0013】
この好ましい態様では、第一投光素子から送信される光信号と第二投光素子から送信される光信号との送信タイミングが互いに異なるように送信しているので、送信される光信号の種別を異ならせることなく、送信タイミングの調整で、第一受信信号と第二受信信号とを識別可能なものとすることができる。トイレ装置が左側側壁に取り付けられているか右側側壁に取り付けられているかは、第一受信信号が示す第一反射信号の信号強度と、第二受信信号が示す第二反射信号の信号強度との差異に基づいて判断しているので、上述した送信タイミングの調整のみで、トイレ装置の設置方向も認識することができる。
【0014】
また本発明に係るトイレ装置では、前記第一投光素子から送信される光信号と前記第二投光素子から送信される光信号との送信タイミングが互いに異なるように送信され、前記制御部は、前記第一受信信号によって使用者の存在を検知する検知回数と、前記第二受信信号によって使用者の存在を検知する検知回数との差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識することも好ましい。
【0015】
この好ましい態様では、第一投光素子から送信される光信号と第二投光素子から送信される光信号との送信タイミングが互いに異なるように送信しているので、送信される光信号の種別を異ならせることなく、送信タイミングの調整で、第一受信信号と第二受信信号とを識別可能なものとすることができる。トイレ装置が左側側壁に取り付けられているか右側側壁に取り付けられているかは、第一受信信号によって使用者の存在を検知する検知回数と、第二受信信号によって使用者の存在を検知する検知回数との差異に基づいて判断しているので、上述した送信タイミングの調整のみで、トイレ装置の設置方向も認識することができる。
【0016】
また本発明に係るトイレ装置では、前記反射型センサーは、横方向において前記第一検知領域と前記第二検知領域とが対称領域となるように光信号を送信しており、その対称軸は、前記反射型センサーと前記操作指示部と前記制御部とが収められている本体部の水平方向における中心を通るように構成されていることも好ましい。
【0017】
この好ましい態様では、反射型センサーが、横方向において第一検知領域と第二検知領域とが対称領域となるように光信号を送信しており、その対称軸は、本体部の水平方向における中心を通るように構成している。このように構成することで、トイレ装置を左側側壁に取り付けても、右側側壁に取り付けても検知性能が変化しないので、左側側壁にも右側側壁にも取り付けることができる。従って、左側側壁用のトイレ装置と右側側壁用のトイレ装置とを準備する必要が無く、一種類のトイレ装置で対応することができるので、施工作業が極めて楽なものとなる。
【0018】
また本発明に係るトイレ装置では、前記第一投光素子と前記第二投光素子との間の中間位置に前記受光素子が配置されていることも好ましい。
【0019】
この好ましい態様では、第一投光素子と第二投光素子との間の中間位置に受光素子を配置することで、第一投光素子から送信される光信号と第二投光素子から送信される光信号との双方を一つの受光素子で受信することができる。従って、受光素子を共用とすることで投光素子や受光素子によって占有する領域を狭めることができ、トイレ装置を容易に小型化することができる。このように、トイレ装置を小型化することで、バリアフリーの観点から取り付け位置が厳密に指定され、その許容範囲が狭くなったとしても、容易に対応することができる。
【0020】
また本発明に係るトイレ装置では、前記第一投光素子及び前記第二投光素子それぞれの発光面は、水平よりも下方に向けて配置され、前記受光素子の受光面は、水平よりも下方に向けて配置されていることも好ましい。
【0021】
上述したように本発明では、投光部は水平よりも下方に向けて光信号を送信するので、反射信号は下方から戻ってくることになる。そこでこの好ましい態様では、受光素子を第一投光素子及び第二投光素子よりも下側に配置することで、反射信号をより信号強度の強い光量の多い状態で受信することができ、検知性能をより向上させることができる。更に、受光素子の受光面を水平よりも下方に向けて配置しているので、下方から戻ってくる反射信号をより信号強度の強い光量の多い状態で受信することができ、検知性能をより向上させることができる。
【0022】
また本発明に係るトイレ装置では、前記制御部は、前記第一投光素子及び前記第二投光素子の内、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力を第一の消費電力として設定し、前記第一の消費電力をトイレ室に設けられている便座側の領域ではないと判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力よりも低く設定し、前記便座に着座していない使用者の存在を検知すると、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力を、前記第一の消費電力よりも高く設定することが好ましい。
【0023】
便器を使用する使用者は、便器から遠い側から便器に近づき、便器に設けられた便座に着座したり、便器近傍に立って用便を行ったりするものである。従って、トイレ室に設けられている便座側の領域だと判断した側に光信号を送信している投光素子が受け持つ検知領域は、他方の投光素子が受け持つ検知領域よりも後に使用者が入ってくる領域である。そこでこの好ましい態様では、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力を、トイレ室に設けられている便座側の領域ではないと判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力よりも低く設定することで、消費電力を確実に抑制することができる。
【0024】
また本発明に係るトイレ装置では、前記制御部は、前記第一投光素子及び前記第二投光素子の内、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子を第一の間欠周期で駆動し、前記第一の間欠周期をトイレ室に設けられている便座側の領域ではないと判断した側に光信号を送信している投光素子の間欠周期よりも長く設定し、前記便座に着座していない使用者の存在を検知すると、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子を、前記第一の間欠周期よりも短い間欠周期で駆動することも好ましい。
【0025】
この好ましい態様では、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子の投光動作において、間欠動作が含まれた投光周期を第一の間欠周期として設定することができる。このように設定することで、制御部が便座に着座していない使用者の存在を検知するまで、第一の間欠周期をトイレ室に設けられている便座側の領域ではないと判断した側に光信号を送信している投光素子の間欠周期よりも長い間欠周期で駆動するように制御でき、一方では、便座に着座していない使用者の存在を検知すると、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子を、第一の間欠周期よりも短い間欠周期で駆動するように制御できるので、消費電力を確実に抑制することができる。
【0026】
前記制御部は、前記第一投光素子及び前記第二投光素子の内、トイレ室に設けられている便座側の領域だと判断した側に光信号を送信している投光素子を、前記便座に着座していない使用者が検知されるまでは投光を停止し、前記便座に着座していない使用者が検知されると投光を開始することも好ましい。
【0027】
上述したように本発明では、トイレ室に設けられている便座側の領域だと判断した側に光信号を送信している投光素子が受け持つ検知領域は、他方の投光素子が受け持つ検知領域よりも後に使用者が入ってくる領域である。そこでこの好ましい態様では、トイレ室に設けられている便座側の領域だと判断した側に光信号を送信している投光素子を、便座に着座していない使用者が検知されるまでは投光を停止し、便座に着座していない使用者が検知されると投光を開始することで、消費電力を確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、予め定められた機能を実行する機能部における当該機能の実行を制御するトイレ装置であって、光信号の送受信のみによって、着座使用及び立位使用の使用者を確実に検知することが可能なトイレ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態である擬音発生装置をトイレ室に設けた状態を示す概略側面図である。
【図2】本発明の実施形態である擬音発生装置をトイレ室に設けた状態を示す概略平面図である。
【図3】本発明の実施形態である擬音発生装置をトイレ室に設けた状態を示す概略正面図である。
【図4】本発明の実施形態である擬音発生装置を図2の場合とは反対側の壁に設けた状態を示す概略平面図である。
【図5】本発明の実施形態である擬音発生装置の外観を示す図である。
【図6】本発明の実施形態である擬音発生装置に用いられる素子ホルダーの外観を示す図である。
【図7】本発明の実施形態である擬音発生装置の制御的な構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態である擬音発生装置の投光素子が送信する光信号の波形を示す図である。
【図9】本発明の実施形態である擬音発生装置をトイレ室に設置する際の初期設定の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態である擬音発生装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】図6に示す素子ホルダーに投光素子を追加した場合の素子ホルダーの外観を示す図である。
【図12】図11に示す素子ホルダーを用いた場合の擬音発生装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】変形例としての擬音発生装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】変形例としての擬音発生装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】図13及び図14に示すフローチャートのうち、使用者検知フローの手順を示すフローチャートである。
【図16】図13及び図14に示すフローチャートのうち、使用者検知フローの手順を示すフローチャートである。
【図17】使用者検知フローにおいて、それぞれの投光素子が投光する光信号の間欠周期を示す説明図である。
【図18】使用者検知フローにおいて、それぞれの投光素子が投光する光信号の間欠周期を示す他の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0031】
本発明の実施形態に係るトイレ装置としての擬音発生装置について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、擬音発生装置10をトイレ室TRに取り付けた状態を示す概略側面図である。図2は、擬音発生装置10をトイレ室TRに取り付けた状態を示す概略平面図である。
【0032】
図1及び図2に示すように、トイレ室TRは、床FLと、後壁BWと、右側側壁RWと、左側側壁LWと、ドアDRとを有している。床FLの後壁BW側には、大便器CSが設置されている。大便器CSには、便座WSが取り付けられている。
【0033】
左側側壁LWには、ペーパーホルダーRPと、擬音発生装置10(トイレ装置)とが取り付けられている。ペーパーホルダーRPは、トイレットペーパーを保持するためのものである。ペーパーホルダーRPは、大便器CSのドアDR側先端よりもドアDR側に近寄った位置に取り付けられている。ペーパーホルダーRPが取り付けられている高さは、便座WS先端から約150mm〜400mmの高さとなっている。
【0034】
ペーパーホルダーRPの上方には、擬音発生装置10が取り付けられている。擬音発生装置10は、使用者Hが便座WSに着座して用便する場合に、小便が溜水に突入する際の音をマスキングするための擬音を発生する装置である。擬音発生装置10が取り付けられている高さは、便座WS先端から約400mm〜550mmの高さであって、ペーパーホルダーRPから約100〜200mmの高さとなっている。
【0035】
擬音発生装置10は、スピーカー101と、反射型センサー102と、運転スイッチ103(操作指示部)とを備えている。スピーカー101は、擬音を発生するための音声発生装置である。反射型センサー102は、投光素子と受光素子とを有している。反射型センサー102の投光素子から送信される光信号は、対象物に当たって反射し、その反射信号を受光素子が受信することで対象物存在の有無を検知している。
【0036】
反射型センサー102から送信される光信号は、第一検知領域SA1と、第二検知領域SA2とに分けて送信されている。第一検知領域SA1と第二検知領域SA2とは、擬音発生装置10の中心線CLを挟んで対称な方向及び対称な形状となるように形成されている。
【0037】
図1及び図2に示す擬音発生装置10では、便座WSに使用者H(位置H2)が着座し、着座使用している場合は、第二検知領域SA2で検知している。一方、便座WSに着座せずに使用者H(位置H1)が立位使用している場合は、第一検知領域SA1で検知している。
【0038】
反射型センサー102から送信される光信号は、水平方向よりも下方向(床FLに向う方向)に向けて送信されている。この状態を説明するため、図3に、擬音発生装置10をトイレ室TRに取り付けた場合のドアDR側から見た正面図を示す。図3に示すように、反射型センサー102から送信される光信号は、水平基準線HLよりも床FL側に向けて下向きに送信している。従って、第一検知領域SA1及び第二検知領域SA2は、水平基準線HLよりも下側に広がるように形成されている。このように第一検知領域SA1及び第二検知領域SA2を下向きに形成することで、便座WSに着座している使用者H(位置H2)を確実に検知することができる。
【0039】
擬音発生装置10は、右側側壁RWに取り付けることも可能である。擬音発生装置10をトイレ室TRの右側側壁RWに取り付けた状態を図4に示す。図4に示すように、擬音発生装置10を右側側壁RWに取り付けると、便座WSに使用者H(位置H2)が着座し、着座使用している場合は、第一検知領域SA1で検知する。一方、便座WSに着座せずに使用者H(位置H1)が立位使用している場合は、第二検知領域SA2で検知する。
【0040】
続いて、本実施形態の擬音発生装置10の外観を図5に示す。図5に示すように、擬音発生装置10は、本体部10Bに、スピーカー101と、反射型センサー102と、運転スイッチ103とが設けられている。反射型センサー102は、本体部10Bの中心線CLを跨ぐ位置に設けられている。
【0041】
反射型センサー102は、第一投光素子102aと、第二投光素子102bと、受光素子102cとを有している。第一投光素子102aと第二投光素子102bとは、本体部10Bの中心線CLを跨いで対称な位置に配置されている。受光素子102cは、本体部10Bの中心線CL上に配置されている。
【0042】
図6に、反射型センサー102に用いられる素子ホルダー102hを示す。図6に示すように、第一投光素子102aは、取付穴102aaに取り付けられている。同様に、第二投光素子102bは取付穴102baに、受光素子102cは取付穴102caに、それぞれ取り付けられている。本実施形態の場合、第一投光素子102a及び第二投光素子102bは、水平基準線HL(図2参照)から下方に約20度の方向を向くように取り付けられている。また、第一投光素子102a及び第二投光素子102bは、中心線CLに対してそれぞれが外側に約23度開いた方向を向くように取り付けられている。
【0043】
また、受光素子102cは、第一投光素子102aと第二投光素子102bとの間の中間位置であって、第一投光素子102a及び第二投光素子102bよりは下方に配置されている。受光素子102cは、その受光面が下方を向いて、第一投光素子102a及び第二投光素子102bから送信される光信号が反射した反射信号を受信しやすいように配置されている。
【0044】
続いて図7に、本実施形態の擬音発生装置10の制御的な構成を示すブロック図を示す。図7に示すように、擬音発生装置10は、制御部としてのCPU104と、運転スイッチ103と、受光素子102cと、第一投光素子102aと、第二投光素子102bと、スピーカー101とを備えている。
【0045】
操作指示部としての運転スイッチ103を使用者Hが操作すると、その操作に応じた操作指示信号がCPU104に出力される。本実施形態の場合、操作指示信号は擬音発生の停止なので、CPU104は、スピーカー101からの擬音発生を停止させる。
【0046】
CPU104は、第一投光素子102a及び第二投光素子102bから光信号を送信させる。この光信号は対象物としての使用者Hや大便器CSや便座WSに当たって反射し、その反射に伴って反射信号が受光素子102cへと向う。受光素子102cは、反射信号を受信すると、その反射信号に応じた受信信号をCPU104に出力する。
【0047】
第一投光素子102a及び第二投光素子102bから送信される光信号の波形を図8に示す。図8に示すように、第一投光素子から送信される光信号と、第二投光素子から送信される光信号とは、周期がずれており、同時に送信しても判別可能なように構成されている。
【0048】
続いて、本実施形態に係る擬音発生装置10をトイレ室TRに取り付ける際の初期設定について図9を参照しながら説明する。図9は、擬音発生装置10をトイレ室TRに設置する際の初期設定の手順を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS01では、トイレ室TRに擬音発生装置10を取り付ける。具体的には、図1〜図3に示すようにトイレ室TRの左側側壁LWに取り付けても、図4に示すようにトイレ室TRの右側側壁RWに取り付けてもよい。
【0050】
ステップS01に続くステップS02では、複数の検知領域に各投光素子からそれぞれ異なる光信号を送信する。具体的には、第一投光素子102a及び第二投光素子102bから、図8に例示したような光信号を送信する。第一投光素子102a及び第二投光素子102bから送信された光信号は、反射されて反射信号となり受光素子102cがそれを受信する。
【0051】
擬音発生装置10が、図1〜図3に示すようにトイレ室TRの左側側壁LWに取り付けられていれば、第一投光素子102aから送信された光信号に対する反射信号の信号強度(光量)よりも、第二投光素子102bから送信された光信号に対する反射信号の信号強度(光量)が大きくなる。第二投光素子102bが送信する光信号が照射される第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがある一方、第一投光素子102aが送信する光信号が照射される第一検知領域SA1側にはそのような機器類が配置されていないためである。
【0052】
一方、擬音発生装置10が、図4に示すようにトイレ室TRの右側側壁RWに取り付けられていれば、第二投光素子102bから送信された光信号に対する反射信号の信号強度(光量)よりも、第一投光素子102aから送信された光信号に対する反射信号の信号強度(光量)が大きくなる。第一投光素子102aが送信する光信号が照射される第一検知領域SA1側に大便器CS及び便座WSがある一方、第二投光素子102bが送信する光信号が照射される第二検知領域SA2側にはそのような機器類が配置されていないためである。
【0053】
このような背景を利用して、ステップS02に続くステップS03では、送信された光信号の反射量(反射信号の信号強度)が大きいのが、第一検知領域SA1であるか否か判断する。送信された光信号の反射量(反射信号の信号強度)が大きいのが、第一検知領域SA1であれば、ステップS04の処理に進み、第二検知領域SA2であれば、ステップS07の処理に進む。
【0054】
ステップS04では、第一検知領域SA1に大便器CS及び便座WSがあり、それらから光信号が反射され反射信号が戻ってきていると判断する。ステップS04に続くステップS05では、第一投光素子102aが送信する光信号が照射される第一検知領域SA1側に大便器CS及び便座WSがあり、第二投光素子102bが送信する光信号が照射される第二検知領域SA2側にドアDRがあるものと判断する。
【0055】
ステップS05に続くステップS06では、第一検知領域SA1側に大便器CS及び便座WSがあり、第二検知領域SA2側にドアDRがあるものとして、それぞれの反射信号の強度を反射量閾値として学習する。
【0056】
一方、ステップS07では、第二検知領域SA2に大便器CS及び便座WSがあり、それらから光信号が反射され反射信号が戻ってきていると判断する。ステップS07に続くステップS08では、第二投光素子102bが送信する光信号が照射される第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一投光素子102aが送信する光信号が照射される第一検知領域SA1側にドアDRがあるものと判断する。
【0057】
ステップS08に続くステップS09では、第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがあるものとして、それぞれの反射信号の強度を反射量閾値として学習する。
【0058】
続いて、本実施形態に係る擬音発生装置10の動作について、図10を参照しながら説明する。図10は、擬音発生装置10の動作を示すフローチャートである。尚、図10に示すフローチャートは、図9の初期設定を行った結果、第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがある場合(図1〜図3参照)について説明している。
【0059】
ステップS11では、第一投光素子102aから光信号の送信を行う一方で、第二投光素子102bからの光信号の送信は停止している。第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがある場合、使用者Hは第一検知領域SA1側から大便器CSに近づくことになるので、第一検知領域SA1のみを有効検知領域としている。
【0060】
ステップS11に続くステップS12では、第一検知領域SA1からの反射量が変化したか判断する。具体的には、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が超えているか判断する。第一検知領域SA1からの反射量が変化しなければステップS12の処理を繰り返し、第一検知領域SA1からの反射量が変化していればステップS13の処理に進む。
【0061】
ステップS13では、スピーカー101から擬音を発生させる。ステップS13に続くステップS14では、第二投光素子102bからも光信号の送信を開始する。ステップS14に続くステップS15では、第二検知領域SA2からの反射量が変化したか判断する。具体的には、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第二投光素子102bから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が超えているか判断する。第二検知領域SA2からの反射量が変化しなければステップS22の処理に進み、第二検知領域SA2からの反射量が変化していればステップS16の処理に進む。
【0062】
ステップS22では、使用者Hは位置H1(図1参照)において立位使用しているものと判断し、ステップS19の処理に進む。
【0063】
ステップS16では、使用者Hは位置H2(図1参照)において着座使用しているものと判断し、ステップS17の処理に進む。
【0064】
ステップS16に続くステップS17では、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第二投光素子102bから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っているか判断する。第二投光素子102bから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っていれば、ステップS18の処理に進み、下回っていなければステップS17の処理を継続する。
【0065】
このステップS17の処理は、使用者Hが位置H2から立ち去ったか否かを判断するステップである。従って、使用者Hの用便が終了したものと判断できる処理で代替可能である。例えば、所定時間の経過を条件として、ステップS18の処理に進むことも好ましいものである。
【0066】
ステップS18では、第一検知領域SA1からの反射量が変化したか判断する。具体的には、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が超えているか判断する。第一検知領域SA1からの反射量が変化しなければステップS18の処理を繰り返し、第一検知領域SA1からの反射量が変化していればステップS19の処理に進む。このステップS18の処理は、使用者Hが位置H1に留まっているか否かを判断するものである。
【0067】
ステップS19では、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っているか判断する。第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っていれば、ステップS20の処理に進み、下回っていなければステップS19の処理を継続する。
【0068】
このステップS19の処理は、使用者Hが位置H1から立ち去ったか否かを判断するステップである。従って、使用者Hが立ち去ったものと判断できる処理で代替可能である。例えば、所定時間の経過を条件として、ステップS20の処理に進むことも好ましいものである。
【0069】
ステップS20では、第二投光素子102bからの光信号の送信を停止する。ステップS20に続くステップS21では、スピーカー101からの擬音の発生を停止する。
【0070】
上述した実施形態では、投光素子として、第一投光素子102a及び第二投光素子102bの二つの素子を用いている。投光素子の数は二つに限られるものではなく、第一検知領域SA1と第二検知領域SA2との間の隙間が発生することを防止するため、投光素子の数を増やすことも好ましいものである。図11に、第三投光素子102dを設けた素子ホルダー202hを示す。
【0071】
図11に示すように、第三投光素子102dは、第一投光素子102aと第二投光素子102bとの間であって、受光素子102cの上方に配置されている。第三投光素子102dは、取付穴102aaと取付穴102baとの間の取付穴102daに取り付けられている。第三投光素子102dも、第一投光素子102a及び第二投光素子102bと同様に、下方に向けて取り付けられている。
【0072】
このように投光素子を三つにした場合の、擬音発生装置10の動作について図12を参照しながら説明する。尚、図12に示すフローチャートは、図9の初期設定を行った結果、第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがある場合(図1〜図3参照)について説明している。
【0073】
ステップS31では、第一投光素子102aから光信号の送信を行う一方で、第二投光素子102b及び第三投光素子102dからの光信号の送信は停止している。第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがある場合、使用者Hは第一検知領域SA1側から大便器CSに近づくことになるので、第一検知領域SA1のみを有効検知領域としている。
【0074】
ステップS31に続くステップS32では、第一検知領域SA1からの反射量が変化したか判断する。具体的には、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が超えているか判断する。第一検知領域SA1からの反射量が変化しなければステップS32の処理を繰り返し、第一検知領域SA1からの反射量が変化していればステップS33の処理に進む。
【0075】
ステップS33では、スピーカー101から擬音を発生させる。ステップS33に続くステップS34では、第二投光素子102b及び第三投光素子102dからも光信号の送信を開始する。ステップS34に続くステップS35では、第二検知領域SA2及び第三検知領域(第三投光素子102dが光信号を照射する領域)からの反射量が変化したか判断する。具体的には、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第二投光素子102b及び第三投光素子102dから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が、反射量閾値を超えているか判断する。第二検知領域SA2及び第三検知領域からの反射量が変化しなければステップS42の処理に進み、第二検知領域SA2及び第三検知領域からの反射量が変化していればステップS36の処理に進む。
【0076】
ステップS42では、使用者Hは位置H1(図1参照)において立位使用しているものと判断し、ステップS39の処理に進む。
【0077】
ステップS36では、使用者Hは位置H2(図1参照)において着座使用しているものと判断し、ステップS37の処理に進む。
【0078】
ステップS36に続くステップS37では、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第二投光素子102b及び第三投光素子102dから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っているか判断する。第二投光素子102b第三投光素子102dから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っていれば、ステップS38の処理に進み、下回っていなければステップS37の処理を継続する。
【0079】
このステップS37の処理は、使用者Hが位置H2から立ち去ったか否かを判断するステップである。従って、使用者Hの用便が終了したものと判断できる処理で代替可能である。例えば、所定時間の経過を条件として、ステップS38の処理に進むことも好ましいものである。
【0080】
ステップS38では、第一検知領域SA1からの反射量が変化したか判断する。具体的には、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が超えているか判断する。第一検知領域SA1からの反射量が変化しなければステップS38の処理を繰り返し、第一検知領域SA1からの反射量が変化していればステップS39の処理に進む。このステップS38の処理は、使用者Hが位置H1に留まっているか否かを判断するものである。
【0081】
ステップS39では、初期設定の際に学習した反射量閾値に対して、第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っているか判断する。第一投光素子102aから送信される光信号に対する反射信号の信号強度が下回っていれば、ステップS40の処理に進み、下回っていなければステップS39の処理を継続する。
【0082】
このステップS39の処理は、使用者Hが位置H1から立ち去ったか否かを判断するステップである。従って、使用者Hが立ち去ったものと判断できる処理で代替可能である。例えば、所定時間の経過を条件として、ステップS40の処理に進むことも好ましいものである。
【0083】
ステップS40では、第二投光素子102b第三投光素子102dからの光信号の送信を停止する。ステップS40に続くステップS41では、スピーカー101からの擬音の発生を停止する。
【0084】
このように、上述した擬音発生装置10によれば、該擬音発生装置10の設置位置及び使用者Hの存在の有無を、投光素子102a,102bから送信される光信号に対する反射信号の信号強度によって判断した。
【0085】
通常トイレ室TRを使用する使用者Hは、必ずしも便座WSに着座するとは限らないので、第一検知領域SA1及び第二検知領域SA2の内、便座WSが設けられていない側の検知領域で使用者Hが検知される検知回数は、便座WSが設けられている側の検知領域で使用者Hが検知される検知回数より多くなるものである。従って、この両者の検知回数の差に基づいて、擬音発生装置の設置位置及び使用者Hの存在の有無を判断することも可能である。このように動作する擬音発生装置の変形例を図13〜17に示す。
【0086】
図13及び図14は、変形例としての擬音発生装置(図示せず)をトイレ室TRに取り付ける際の初期設定及びその後の動作を示すフローチャートであり、図15及び図16は、かかるフローチャートのうち、使用者検知フローを示すフローチャートである。尚、擬音発生装置は、図7に示す各要素101,102a,102b,102c,103,104を含むものであり、かかるフローチャートは、変形例としての擬音発生装置のCPU(制御部)が図7に示す各要素及びメモリ(図示せず)と協働して実行するものである。
【0087】
ステップS51では、トイレ室TRに擬音発生装置を取り付ける。具体的には、図1〜図3に示すようにトイレ室TRの左側側壁LWに取り付けても、図4に示すようにトイレ室TRの右側側壁RWに取り付けてもよい。
【0088】
ステップS52では、擬音発生装置の初期設定の有無を、学習済フラグを確認することで判断する。それぞれの検知領域SA1,SA2で使用者Hの存在を検知した回数に基づいて、擬音発生装置がトイレ室TRの便座WS側から見て左側側壁LWに設けられているのか、右側側壁RWに設けられているのかを学習すれば、初期設定が完了しているとして、学習済フラグが立つように設定されている。初期設定が済んでいなければ、ステップS53の処理へ進み、初期設定が済んでいれば、使用者検知フロー(ステップS71)の処理に進む。
【0089】
ステップS52に続くステップS53では、複数の検知領域SA1,SA2に各投光素子102a,102bからそれぞれ異なる光信号を送信する。具体的には、第一投光素子102a及び第二投光素子102bから、図8に例示したような光信号を送信する。第一投光素子102a及び第二投光素子102bから送信された光信号は、対象物である使用者Hに反射されて反射信号となり受光素子102cがそれを受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力する。
【0090】
ステップS54では、いずれの検知領域SA1,SA2において、使用者Hを検知したかを判断する。使用者Hを検知するまでこの処理が繰り返され、使用者Hを検知するとステップS55の処理に進む。ステップS55では、スピーカー101から擬音を発生させる。
【0091】
擬音発生装置が、図1〜図3に示すようにトイレ室TRの左側側壁LWに取り付けられていれば、第一検知領域SA1側にドアDRが配置され、第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSが配置されることになるので、使用者Hが第二検知領域SA2で検知される回数よりも、第一検知領域SA1で検知される回数が多くなる。これは、受光素子102cが、第二投光素子102bから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力する回数よりも、第一投光素子102aから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力する回数が多くなるためである。
【0092】
一方、擬音発生装置が、図4に示すようにトイレ室TRの右側側壁RWに取り付けられていれば、第一検知領域SA1側に大便器CS及び便座WSが配置され、第二検知領域SA2側にドアが配置されることになるので、使用者Hが第一検知領域SA1で検知される回数よりも、第二検知領域SA2で検知される回数が多くなる。これは、受光素子102cが、第一投光素子102aから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力する回数よりも、第二投光素子102bから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力する回数が多くなるためである。
【0093】
このような背景を利用して、ステップS55に続くステップS56では、使用者Hが第一検知領域SA1に存在するかを判断する。使用者Hが、第一検知領域SA1に存在するのであれば、ステップS57の処理に進み、第二検知領域SA2に存在するのであれば、ステップS58の処理に進む。
【0094】
ステップS57では、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知した回数として、現在の検知回数(第一検知カウンタ)A1の値に1を加算し、ステップS59の処理に進む。
【0095】
一方、ステップS58では、第二検知領域SA2で使用者Hの存在を検知した回数として、現在の検知回数(第二検知カウンタ)A2の値に1を加算し、ステップS59の処理に進む。
【0096】
ステップS59では、いずれの検知領域SA1,SA2にも使用者Hが存在しないことを検知したか判断する。いずれの検知領域SA1,SA2にも使用者Hが存在しないことを検知するまで、ステップS56の処理に戻り、いずれの検知領域SA1,SA2にも使用者Hが存在しないことを検知すると、使用者Hはトイレ室TRに留まっていないことになるので、ステップS60の処理に進む。
【0097】
ステップS59に続くステップS60では、スピーカー101からの擬音を停止させる。ステップS61では、それぞれの検知領域SA1,SA2において使用者Hを検知した回数が、予め設定されている閾値回数A以上かを判断する。それぞれの検知領域SA1,SA2において使用者Hを検知した回数が、予め設定されている閾値回数A以上となるまで、使用者の検知を繰り返し(ステップS52に戻る)、それぞれの検知領域SA1,SA2において使用者Hを検知した回数が、予め設定されている閾値回数A以上であれば、ステップS62の処理に進む。
【0098】
ステップS62では、第一検知領域SA1で使用者Hを検知した回数と、第二検知領域SA2で使用者Hを検知した回数とを比較し、いずれの検知回数が多いかを判断する。第一検知領域SA1で使用者Hを検知した回数が、第二検知領域SA2で使用者Hを検知した回数よりも多いのであれば、ステップS63の処理に進む。一方、第二検知領域SA2で使用者を検知した回数が、第一検知領域SA1で使用者を検知した回数よりも多いのであれば、ステップS64の処理に進む。
【0099】
ステップS62に続くステップS63では、第一検知領域SA1にドアDRがあり、第二検知領域SA2に大便器CS及び便座WSがあると学習する。このように、擬音発生装置がトイレ室TRの便座WS側から見て左側側壁LWに設けられていることを認識すると、ステップS65の処理に進む。
【0100】
一方、ステップS64では、第二検知領域SA2にドアDRがあり、第一検知領域SA1に大便器CS及び便座WSがあると学習する。このように、擬音発生装置がトイレ室TRの便座WS側から見て右側側壁RWに設けられていることを認識すると、ステップS65の処理に進む。
【0101】
ステップS65では、学習済フラグを立てる。
【0102】
擬音発生装置の初期設定が完了すると、擬音発生装置を使用する動作が開始する。尚、ステップS71以降に示す各ステップの処理は、ステップS51からステップS65の処理を実行して初期設定を行った結果、第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがある場合(図1〜図3参照)について説明している。図15〜図18を参照しながら、説明する。
【0103】
ステップS71では、第二投光素子102bの消費電力を第一の消費電力に設定し、この第一の消費電力を第一投光素子102aの消費電力よりも低く設定する。第二検知領域SA2側に大便器CS及び便座WSがあり、第一検知領域SA1側にドアDRがある場合、使用者Hは第一検知領域SA1側から大便器CSに近づくことになるので、第一検知領域SA1のみを有効検知領域としている。
【0104】
このように、第二投光素子102bを第一投光素子102aよりも低い消費電力に設定するための具体的な方法としては、第一投光素子102aから光信号の送信を行う一方で、第二投光素子102bからの光信号の送信を停止する。これによれば、第二投光素子102bの消費電力(第一の消費電力)は零に設定され、第一投光素子102aの消費電力よりも低い消費電力が設定されることになる。
【0105】
また他の方法としては、図17に示すように、第二投光素子102bからの光信号を構成する1周期T2あたりのON時間T2onが、第一投光素子102aからの光信号を構成する1周期T1あたりのON時間T1onよりも短くなるように設定し(T1=T2,T2on<T1on)、第二投光素子102bからも光信号を送信してもよい。
【0106】
さらに、図18に示すように、第二投光素子102bからの光信号を構成する周期T2(第一の間欠周期)が、第一投光素子102aからの光信号を構成する周期T1よりも長くなるように設定し(T1<T2,T1on=T2on)、第二投光素子102bからも光信号を送信してもよい。
【0107】
これらによれば、第二投光素子102bの消費電力(第一の消費電力)は所定値Pに設定されるとともに第一投光素子102aの消費電力よりも低く設定される。なお、第一投光素子102aからの光信号と第二投光素子102bからの光信号は、お互いの送信開始タイミングが異なるように設定されている。
【0108】
ステップS71に続くステップS72では、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知したか判断する。具体的には、受光素子102cが第一投光素子102aから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力したかを判断する。この処理は、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知するまで繰り返し、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知すると、ステップS73の処理に進む。
【0109】
ステップS73では、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知した回数として、現在の検知回数(第一検知カウンタ)A1の値に1を加算し、ステップS74の処理に進む。ステップS74では、スピーカー101から擬音を発生させる。
【0110】
ステップS74に続くステップS75では、第二投光素子102bの消費電力をステップS71で設定した消費電力(第一の消費電力)よりも高くなるように設定し、第二投光素子102bからも光信号を送信する。具体的な方法としては、第二投光素子102bからも、図8に示すような光信号を送信する。
【0111】
また他の方法としては、図17に示すように、第二投光素子102bからの光信号を構成する1周期T3あたりのON時間T3onが、第二投光素子102bからの光信号を構成する1周期T2あたりのON時間T2onよりも長くなるように設定する(T2on<T3on,T2=T3)。このとき、第二投光素子102bからの光信号を構成する1周期T3あたりのON時間T3onは、第一投光素子102aからの光信号を構成する1周期T1あたりのON時間T1onと同じ長さ、又はON時間T1onより短くなるように設定してもよい(T2on<T3on≦T1on,T1=T2=T3)。
【0112】
さらに他の方法としては、図18に示すように、第二投光素子102bからの光信号を構成する間欠動作の周期T3が、周期T2よりも短くなるように設定する(T3<T2,T2on=T3on)。このとき、第二投光素子102bからの光信号を構成する周期T3は、第一投光素子102aからの光信号を構成する周期T1と同じ長さの周期に、又は、周期T1より長くなるように設定してもよい(T1≦T3<T2,T1on=T2on=T3on)。
【0113】
これらによれば、第二投光素子102bは、その消費電力が、第一投光素子102aの消費電力を超えないように制御される。
【0114】
ステップS75に続くステップS76では、第二検知領域SA2で使用者Hの存在を検知したか判断する。具体的には、受光素子102cが第二投光素子102bから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力したかを判断する。第二検知領域SA2で使用者Hの存在を検知すると、ステップS77の処理に進み、一方、第二検知領域SA2ではなく、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知すると、ステップS86の処理に進む。
【0115】
ステップS77では、使用者Hは第二検知領域SA2を使用していると判断する。一方、ステップS86では、使用者Hは第一検知領域SA1を使用していると判断する。
【0116】
ステップS77に続くステップS78では、第二検知領域SA2で使用者Hの存在を検知した回数として、現在の検知回数(第二検知カウンタ)A2の値に1を加算し、ステップS79の処理に進む。
【0117】
ステップS78に続くステップS79では、第二検知領域SA2で使用者Hを検知していないか判断する。第二検知領域SA2で使用者Hを検知していないと判断するまでこの処理を繰り返し、第二検知領域SA2で使用者Hを検知していないと判断すると、ステップS75の処理に進む。
【0118】
ステップS79に続くステップS80では、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知したか判断する。具体的には、受光素子102cが第一投光素子102aから送信された光信号に対する反射信号を受信し、その反射信号に応じた受信信号を出力したかを判断する。第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知するまでこの処理を繰り返し、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知すると、ステップS81の処理に進む。
【0119】
ステップS80に続くステップS81では、第一検知領域SA1で使用者Hの存在を検知した回数として、現在の検知回数(第一検知カウンタ)A1の値に1を加算し、ステップS82の処理に進む。
【0120】
ステップS81に続くステップS82では、第一検知領域SA1で使用者Hを検知していないか判断する。第一検知領域SA1で使用者Hを検知していないと判断するまでステップS76の処理に戻って使用者Hを検知する処理を繰り返し、第一検知領域SA1で使用者Hを検知していないと判断すると、使用者Hがトイレ室TRにはいないと判断するので、ステップS83の処理に進む。
【0121】
ステップS82に続くステップS83では、第二投光素子102bの消費電力を第一の消費電力に設定し、この第一の消費電力を第一投光素子102aの消費電力よりも低く設定する。具体的には、第二投光素子102bからの光信号の送信を停止し、第二投光素子102bからの光信号を構成する1周期T2あたりのON時間T2onが、第一投光素子102aからの光信号を構成する1周期T1あたりのON時間T1onよりも短くなるように設定し、又は、第二投光素子102bからの光信号を構成する間欠動作の周期T2(第一の間欠周期)が第一投光素子102aからの光信号を構成する間欠動作の周期T1よりも長くなるように設定する。
【0122】
ステップS84では、スピーカー101からの擬音を停止させる。
【0123】
ステップS85では、それぞれの検知領域において使用者を検知した回数が、予め設定されている閾値回数A以上かを判断する。それぞれの検知領域において使用者を検知した回数が、予め設定されている閾値回数A以上となるまで、使用者の検知を繰り返し(ステップS52に戻る)、それぞれの検知領域において使用者を検知した回数が、予め設定されている閾値回数A以上であれば、ステップS62の処理に戻る。この処理は、擬音発生装置の取り付け位置を定期的に再確認するものである。
【0124】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0125】
TR:トイレ室
DR:ドア
FL:床
BW:後壁
RW:右側側壁
LW:左側側壁
CS:大便器
WS:便座
RP:ペーパーホルダー
H:使用者
10:擬音発生装置(トイレ装置)
10B:本体部
101:スピーカー
102:反射型センサー
102a:第一投光素子(投光部)
102b:第二投光素子(投光部)
102c:受光素子(受光部)
102d:第三投光素子(投光部)
102h,202h:素子ホルダー
102aa:取付穴
102ba:取付穴
102ca:取付穴
102da:取付穴
103:運転スイッチ(操作指示部)
104:CPU(制御部)
SA1:第一検知領域
SA2:第二検知領域
CL:中心線
HL:水平基準線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ室の壁面に設けられ、予め定められた機能を実行する機能部における当該機能の実行を制御するトイレ装置であって、
光信号を送信する投光部と、前記投光部が送信する光信号が反射された反射信号を受信する受光部と、を有し、受信した反射信号に応じた受信信号を出力する反射型センサーと、
前記機能部における機能の実行を指示する操作を受け付けて、その操作に応じた操作信号を出力する操作指示部と、
前記反射型センサーから出力される受信信号に基づいて使用者の存在有りと判断すると、前記機能部における機能を実行させる一方で、その判断の結果に係らず、前記操作指示部から出力される操作信号に基づいて前記機能部における機能を実行させる制御部と、を備え、
前記投光部は、横方向において異なる方向に向けて光信号を送信する第一投光素子と第二投光素子とを有しており、前記第一投光素子は第一検知領域に前記第二投光素子は第二検知領域にそれぞれ光信号を送信するように構成されており、
前記制御部は、
前記第一検知領域から反射される第一反射信号及び前記第二検知領域から反射される第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識し、
前記第一反射信号及び前記第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、使用者が前記第一検知領域及び前記第二検知領域のいずれに存在するかを判断し、
これらの認識結果と判断結果とに基づいて、トイレ室に設けられている便座に着座している使用者の存在有無と、前記便座に着座していない使用者の存在有無との双方を判断することを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第一反射信号に応じて出力される第一受信信号と、前記第二反射信号に応じて出力される第二受信信号とが識別可能であり、
前記第一受信信号と前記第二受信信号との差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識することを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記第一投光素子から送信される光信号と前記第二投光素子から送信される光信号との送信タイミングが互いに異なるように送信され、
前記制御部は、前記反射型センサーから出力される受信信号に基づいて使用者の存在が無いものと判断すると、前記第一受信信号が示す前記第一反射信号の信号強度と、前記第二受信信号が示す前記第二反射信号の信号強度との差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識することを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記第一投光素子から送信される光信号と前記第二投光素子から送信される光信号との送信タイミングが互いに異なるように送信され、
前記制御部は、前記第一受信信号によって使用者の存在を検知する検知回数と、前記第二受信信号によって使用者の存在を検知する検知回数との差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識することを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記反射型センサーは、横方向において前記第一検知領域と前記第二検知領域とが対称領域となるように光信号を送信しており、その対称軸は、前記反射型センサーと前記操作指示部と前記制御部とが収められている本体部の水平方向における中心を通るように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記第一投光素子と前記第二投光素子との間の中間位置に前記受光素子が配置されていることを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項7】
前記第一投光素子及び前記第二投光素子それぞれの発光面は、水平よりも下方に向けて配置され、
前記受光素子の受光面は、水平よりも下方に向けて配置されていることを特徴とする請求項6に記載のトイレ装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第一投光素子及び前記第二投光素子の内、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力を第一の消費電力として設定し、前記第一の消費電力をトイレ室に設けられている便座側の領域ではないと判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力よりも低く設定し、
前記便座に着座していない使用者の存在を検知すると、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力を前記第一の消費電力よりも高く設定することを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第一投光素子及び前記第二投光素子の内、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子を第一の間欠周期で駆動し、前記第一の間欠周期をトイレ室に設けられている便座側の領域ではないと判断した側に光信号を送信している投光素子の間欠周期よりも長く設定し、
前記便座に着座していない使用者の存在を検知すると、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子を、前記第一の間欠周期よりも短い間欠周期で駆動することを特徴とする請求項8に記載のトイレ装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第一投光素子及び前記第二投光素子の内、トイレ室に設けられている便座側の領域だと判断した側に光信号を送信している投光素子を、前記便座に着座していない使用者が検知されるまでは投光を停止し、前記便座に着座していない使用者が検知されると投光を開始することを特徴とする請求項9に記載のトイレ装置。
【請求項1】
トイレ室の壁面に設けられ、予め定められた機能を実行する機能部における当該機能の実行を制御するトイレ装置であって、
光信号を送信する投光部と、前記投光部が送信する光信号が反射された反射信号を受信する受光部と、を有し、受信した反射信号に応じた受信信号を出力する反射型センサーと、
前記機能部における機能の実行を指示する操作を受け付けて、その操作に応じた操作信号を出力する操作指示部と、
前記反射型センサーから出力される受信信号に基づいて使用者の存在有りと判断すると、前記機能部における機能を実行させる一方で、その判断の結果に係らず、前記操作指示部から出力される操作信号に基づいて前記機能部における機能を実行させる制御部と、を備え、
前記投光部は、横方向において異なる方向に向けて光信号を送信する第一投光素子と第二投光素子とを有しており、前記第一投光素子は第一検知領域に前記第二投光素子は第二検知領域にそれぞれ光信号を送信するように構成されており、
前記制御部は、
前記第一検知領域から反射される第一反射信号及び前記第二検知領域から反射される第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識し、
前記第一反射信号及び前記第二反射信号に応じて出力される受信信号に基づいて、使用者が前記第一検知領域及び前記第二検知領域のいずれに存在するかを判断し、
これらの認識結果と判断結果とに基づいて、トイレ室に設けられている便座に着座している使用者の存在有無と、前記便座に着座していない使用者の存在有無との双方を判断することを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第一反射信号に応じて出力される第一受信信号と、前記第二反射信号に応じて出力される第二受信信号とが識別可能であり、
前記第一受信信号と前記第二受信信号との差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識することを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記第一投光素子から送信される光信号と前記第二投光素子から送信される光信号との送信タイミングが互いに異なるように送信され、
前記制御部は、前記反射型センサーから出力される受信信号に基づいて使用者の存在が無いものと判断すると、前記第一受信信号が示す前記第一反射信号の信号強度と、前記第二受信信号が示す前記第二反射信号の信号強度との差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識することを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記第一投光素子から送信される光信号と前記第二投光素子から送信される光信号との送信タイミングが互いに異なるように送信され、
前記制御部は、前記第一受信信号によって使用者の存在を検知する検知回数と、前記第二受信信号によって使用者の存在を検知する検知回数との差異に基づいて、このトイレ装置がトイレ室の便座側から見て左側側壁に設けられているのか右側側壁に設けられているのかを認識することを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記反射型センサーは、横方向において前記第一検知領域と前記第二検知領域とが対称領域となるように光信号を送信しており、その対称軸は、前記反射型センサーと前記操作指示部と前記制御部とが収められている本体部の水平方向における中心を通るように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記第一投光素子と前記第二投光素子との間の中間位置に前記受光素子が配置されていることを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項7】
前記第一投光素子及び前記第二投光素子それぞれの発光面は、水平よりも下方に向けて配置され、
前記受光素子の受光面は、水平よりも下方に向けて配置されていることを特徴とする請求項6に記載のトイレ装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第一投光素子及び前記第二投光素子の内、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力を第一の消費電力として設定し、前記第一の消費電力をトイレ室に設けられている便座側の領域ではないと判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力よりも低く設定し、
前記便座に着座していない使用者の存在を検知すると、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子の消費電力を前記第一の消費電力よりも高く設定することを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第一投光素子及び前記第二投光素子の内、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子を第一の間欠周期で駆動し、前記第一の間欠周期をトイレ室に設けられている便座側の領域ではないと判断した側に光信号を送信している投光素子の間欠周期よりも長く設定し、
前記便座に着座していない使用者の存在を検知すると、トイレ室に設けられている便座側の領域であると判断した側に光信号を送信している投光素子を、前記第一の間欠周期よりも短い間欠周期で駆動することを特徴とする請求項8に記載のトイレ装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第一投光素子及び前記第二投光素子の内、トイレ室に設けられている便座側の領域だと判断した側に光信号を送信している投光素子を、前記便座に着座していない使用者が検知されるまでは投光を停止し、前記便座に着座していない使用者が検知されると投光を開始することを特徴とする請求項9に記載のトイレ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−90971(P2012−90971A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213048(P2011−213048)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
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