説明

トイレ

内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面した排出管と、受け容器の上方側で便器本体の内部又は外部に位置し排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ吸引する吸引機構と、吸引機構と並設する排気口を有し吸引機構の作動時に閉するバイパスは排気管と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構又はバイパス排気管を経て外方へ内部気体を放出する排気扇とで構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、便室の臭いを無くすトイレに関するものである。
【背景技術】
従来の仮設トイレは、一般に、トイレ室内便器と汚物タンクと洗浄水とを備え、便器で排泄された汚物をタンクで溜めておき、満杯になると、タンク内の汚物をバキュームカーにて汲み取るか又はタンク毎交換する方法をとっている。(例実開平7−20988)
一方、工事現場用の車両用トイレとしては、電気焼却式トイレが多く、一般的な焼却式トイレとしては、特表平2−500820号がある。便器の下に、汚物を一旦収容するボウル部と、ボウル部の開閉後汚物をを貯溜する受け皿と、受け皿を密閉にし焼却する焼却炉とからなり、焼却炉内に設けた電熱ヒーターにて、受け皿内の汚物を焼却させるものである。
前述のトイレは、いずれも、汚物の処理が中心であり臭い対策が十分でない。
便器内の臭い対策としては、最近、特に真空式トイレにて顕著である。真空トイレは、一瞬にして便器内に溜まった汚物とその便器内の臭いを便槽内に移動させるものである。
(特開平5−270404、特開平5−148883、特開平5−246286、特開平7−196040、特開昭56−16021等)
しかし、この真空トイレは、便器と汚物タンクの他に真空にする吸引装置又は負圧の蓄圧タンク、更にダクト内に差圧用の弁、バルブ等の複雑な構造を必要とする。そのため、航空機、船舶、新幹線の車両等の大型のものに採用されているにすぎない。一般的トイレには普及の兆しもなく、特に、工事現場用の車両や、簡易トイレでは皆無に等しい。
仮設タンク式トイレや車両に設置するトイレは、便器の排出口から内部の汚物が臭わないように、便器の臭気対策として便器の排出口に水張りをし、内部を密閉にする封水方式が多く採用されている。 又、各トイレ室内の上方には、トイレ室内の臭気を外方へ出すように換気扇が取り付けられている。
しかし、汚物の臭気予防として、便器の排出口に水張りをしたり換気扇の設置でも、依然トイレ室の汚物の臭いはなくならないのが現状である。これは、トイレ室内の上部の換気扇が、十分臭気を外方に放出する機能を果たさず、寧ろ、便器内の汚物の臭いを、室内に拡散させるためである。
一方、汚物と汚物から発生し便器内に籠もるガスとを一緒にしてバキュームにて吸い取る航空機や新幹線などには真空トイレが設置されているが、汚物を吸収する真空タンク等が大掛かりな設備が要求され、汎用性の仮設トイレや作業用車両のトイレにはなかなか採用されないのが現状である。
本発明は、このような従来の便室の欠点を改善したトイレを提供することを目的としている。
【発明の開示】
本発明の基本的なトイレの1は、新鮮な室外空気を取り入れる開口部を有するトイレ室に、便器と、トイレ室内又はトイレ室外に内部を密閉した便器本体と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、受け容器の上方側で便器本体の内部又は外部に位置し便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成した。
基本的なトイレの1に、更に、バイパス排気管を加えた基本的なトイレの2は、新鮮な室外空気を取り入れる開口部を有するトイレ室に、便器と、トイレ室内又はトイレ室外に内部を密閉した便器本体と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するように配置した排出管と、受け容器の上方側で便器本体の内部又は外部に位置し便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引口を備えた吸引機構と、吸引機構と並設し排気口を有し吸引機構の非作動時に開し、吸引機構の作動時に閉するバイパス排気管と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構又はバイパス排気管を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成した。
この基本的なトイレ1、2の構造は、便器の排出口と吸引機構の間、便器の排出口と便器本体の間、便器本体と吸引機構の間には流体を遮断する弁がない。又、負圧の蓄圧タンクもない。
このトイレは、便器の使用、不使用に係わらず、常時、排気扇を作動させ、絶えずトイレ室外の新鮮な空気を吸引するよう便器内の排出口から積極的に吸気し排出管を通り便器本体に入り、吸引機構内の隙間又はバイパス排気管より排気扇にてトイレ室外へ排出させトイレ室を無臭化する。
用便中も絶えず臭気を排気しているので、トイレ室内の臭いは全く拡散しない。
用便中の汚物により排出口を塞がれたときは、排気機能は失われるが、この状態は短時間であるのと、用便終了後の強力な吸引により便器内の汚物と臭気は完全になくなる。
吸引機構を作動させ密閉した便器本体内を負圧にして、便器内の汚物を瞬時に吸い取り排出口より排出管を通り受け容器に貯溜させる。
汚物は、断面積が小径の排出管から、便器本体の断面積が大径の内部空間内で、汚物は重量で受け容器内に流下し、臭気ガス、水蒸気等の気体は、便器本体の吸引口より吸い取られる。
バイパス排気管がある場合は、便器本体の内部空間が負圧になったときバイパス排気管を閉鎖する。
吸引機構としては、バキュームファン、真空ポンプ、コンプレッサー、ブロアポンプ、発電機のエンジン等がある。
吸引機構は、機構内に隙間があり吸引口から吐出口とが連通した開放型と、機構内に隙間がなく吸引口から吐出口とが連通しない遮断した密閉型とがあり、開放型としてバキュームファンがある。
密閉型としては、真空ポンプ、コンプレッサー、ブロアポンプ、発電機のエンジン等がある。
従って、吸引機構が連通しない密閉型を採用する場合は、吸引機構を作動せず便器本体の内部空間から気体を排気扇にて大気に放出させる場合は、バイパス排気管が必須要件となる。
なお、開放型のバキュームファンを採用しバイパス排気筒を並設した場合はバキュームファンが停止状態でも機構内の隙間を通るルートと、バイパス排気筒を通るルートを並列して排気される。
受け容器内に貯留した汚物は、汚物を受け容器ごと引き出し又は受け容器内に吸取りノズルを挿し込み汚物をバキュームカーで吸い取る。又は焼却する。又はバイオで分解消滅処理する。
汚物を焼却させる基本的なトイレの3の構造は、トイレ1、2に、便器本体内に受け容器を収容する炉体と、炉体の少なくとも底部内面に受け容器を加熱させ受け容器内部の汚物を焼却させるヒーターと、場合によって炉蓋と、各部位に設けた断熱材張りとで構成される。
汚物を焼却させるヒーターは、電熱ヒーターの他、設置の規制が無い場合はガスバーナー等の火炎方式でも良い。
焼却時に発生するガス、水蒸気は、排気扇にて吸い取り室外又は車外に放出する。
発電機は、ヒーター、吸引機構、排気扇の電力源の他に、汚物焼却時に発生した臭気ガスを高温燃焼し分解消失させる。
発電機は、汚物焼却時に発生した臭気ガスの消失させるのに利用する。
エンジン発電機は、排気扇機能のみ又は吸引機能と排気扇機能とを有する。
エンジン発電機は、ヒーター、吸引機構、排気扇の電力源の他、吸引機能、排気扇機能を有し、更に汚物焼却時に発生した臭気ガスを高温燃焼し分解消失させる。
エンジン発電機の吸引機能と排気扇機能は、接続管等に設けた開閉弁等の開閉量で調整する。調整は制御装置にて設定制御する。
又、吸引機構に吸引機能と排気扇機能とを備えることも可能である。
吸引機構のモーター回転数をコイル巻き線のタップ切換え又はインバーター技術により、吸引機能の場合は高速回転で回し、排気扇機能の場合は低速回転で回すよう制御装置にて設定制御する。
吸引機構1台で両機能を持たせるので、トイレの小型化が可能となり、製品の大幅なコストダウンとなる。
複数の吸引機構の配列は、受け容器に対し縦型、横型、又上下型いずれでも良い。
又、受け容器を、1つの吸引機構に対し、複数個設け、汚物収納力の増大を図ることもできる。
トイレの構成である吸引機構、排気扇、炉体に設けた電熱ヒーター等の電力源は、車両トイレ用、仮設トイレ用共に発電機、商用電源、設置したバッテリー、インバーター、太陽電池から得る。
発電機又はバッテリーと商用電源との切り換えが可能である。
発電機、エンジン発電機、更に商用電源に換え、太陽電池、インバーター、バッテリー、チャージコントローラーとからなる電源供給装置を設けることが出来る。
この電源供給装置は、電力源の補助以外に、独立してトイレの電力源として使用でき、他から電源が得られない場所や災害地での電力源として有効である。
更に、基本的なトイレを仮設トイレに設けた構造では、トイレ室内のトイレ設置の床下に負圧に耐える汚物タンクを配し、タンクの一部に汲み取り口を設け、汚物タンク自体を受け容器とする。
仮設トイレで汚物タンクを受け容器とした構造では、便器の排出管と汚物タンクの間、又汚物タンクと吸引機構の間に、遮断するバルブ等がない。
汚物タンク内にバイオを入れ、バイオで汚物を分解消滅させることが出来る。
トイレの便器を1つの受け容器に対し複数設けることができる。
複数の便器は、大小便兼用の便器だけ、又は大小便兼用便器と男性用小便器との組み合わせでもよい。
各便器と共通の受け容器へ接続する排出管は、各便器の排出口に接続し分岐部で一個所に集められ共通管の端部を受け容器に面させる。
分岐部内に調整する弁を設ける。調整は制御装置にて行ってもよい。
又は、各便器と受け容器への接続を個々に排出管で接続させてもよい。同様に管内に弁を設け、調整する。
トイレの便器は、水洗可能の便器であるが、便器を濡らす程度の水洗水である。従来の水洗水のように排出口を閉塞するような量ではない。濡らすことで便器に汚物が付着するのを防止する。
用便前に便器を濡らすのは、長時間、便器を使用しないと便器内面は乾燥して汚物が付き易くなるからである。
便器を濡らす方法は、用便前に便器使用者が便座に近づくと赤外線等のセンサーで検知して水洗水を流し便器を濡らす。
又、ドア、ステップ等にセンサーを設け、便器使用者がトイレ室に入るとセンサーが検知して自動的に便器を濡らすようにしてもよい。
手洗水を設けるが、手洗水は貯水し再使用して水洗水に利用することもできる。
このトイレの各構成部品の便器、受け容器、吸引機構、電熱ヒーターは市販の部品を利用することかできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のトイレの基本構造を示す第1実施例の断面図である。第2図は、第1図のI−I断面である。第3図は第2実施例の概略断面図である。第4図は第3実施例の概略断面図である。第5図は第4実施例の概略断面図である。第6図は第5図のII−II断面図である。第7図は第5実施例の便器本体の概略説明用断面図である。第8図は第6実施例の便器本体の概略説明用断面図である。第9図は第7実施例の概略断面図である。第10図は第8実施例の概略断面図である。第11図は第10図のIII−III断面図である。第12図は第9実施例の概略断面図である。第13図は第10実施例の受け容器の配置図である。第14図は第11実施例の受け容器の配置図である。第15図は第12実施例の概略断面図である。第16図は第13実施例の概略断面図である。第17図は第14実施例の概略断面図である。第18図は第14実施例の他の吸引機構を示す部分断面図である。第19図は第15実施例の概略断面図である、第20図は第16実施例の概略断面図である。第21図は第17実施例の概略断面図である。第22図は第21図の汚物タンクの分解斜視図である。第23図は第18実施例の概略断面図である。第24図は第19実施例の概略断面図である。第25図は第20実施例の概略斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
まず、はじめに、本発明の基本的構造を示す第1実施例のトイレAを第1図、第2図を用いて説明する。
この例の吸引機構は強力な開放型のバキュームファンにて説明する。
又、以下の各実施例の吸引機構は強力型を用いて説明する。
トイレ室Yに設置するトイレAは、便器1と便器本体10を分離し、便器1と便器本体10とを排出管3を介して接続させ、使用する便器1内の汚物を吸引機構12にて吸引し、汚物や臭いを便器本体10内で処理し、又、常に排気扇13にて便器1側の臭気を吸引し清潔なトイレ室空間とした。
具体的には、便部1aの内面は、汚物が流れ易い断面曲面でテフロン等の付着防止剤にてコーテング加工が施されている。
便器1の上面開口部1c周囲には、フランジ部1dを形成し、フランジ部1d内部に水リング2aが設けられ水リング2aの適宜位置に射水孔2bが形成されている。水洗水は便器本体10内部又は上部に小型の水タンク2c内に貯水され水洗機能を有する。
水タンク2cはどこの位置でもよい。1回の水タンク2cからの水洗水は、従来のように汚物を押し流す大量な水量ではなく、用便前の汚物が便器内に付着しない便器を濡らす程度の量、又用便後の使用したトイレットペーパーを濡らす程度の量である。
用便前に便器を濡らすのは、長時間便器を使用しないと、便器内面は乾燥して汚物が付き易くなるので、用便をする前に少量の水を流し便器内面を濡らしておく。又、用便後、トイレットペーパーを濡らすのは、汚物表面にペーパーが付着し、汚物とペーパーとを同時に便器から移動させるためである。
用便前に便器を濡らすために、便器使用者が用便のため便器に近づくと、使用者を感知して水洗水を出すセンサー(図示せず)を便器又は便座等に設ける。
便器の上面開口部1c上には、便座19と便蓋9がヒンジ38を介て開閉可能に設けられている。
便器1の排出口1bからは排出管3が便器本体10側に延びている。
便器本体10は、略方形箱に形成され、内部の臭気が漏れないように内部は密封されている。
便器本体10内には、底部に受け皿4が、受け皿4上に汚物を貯溜する受け容器5が載置されている。
尚、受け皿4は、汚物が受け容器5から食み出して零れることのないように設けるもので、汚物の零れる虞がなければ設けなくてもよい。
受け容器5の開口した上面に排出管3の端部3bが面している。
便器本体10の上部には大径の流体抵抗の小さいフィルター14が設けられている。
フイルター14上の棚板10aには、吸引口12aと、開口部51とが設けられ、吸引口12aの上には、便器本体10内部空間Sの空気を吸引し負圧にする吸引機構12が、又、開口部51の上には吸引機構12と並列に配置し吸引機構12が不作動時に内部空間Sを経て流れた空気の気体を通し、吸引機構12の作動で内部空間Sが負圧になると遮断する構造のバイパス排気管50が、更に、吸引口13aを介して排気扇13が設けられている。
バイパス排気管50は、上部広開口の筒状を有する外筒59と、外筒59に内設するスプリング52と、外筒59の上部広開口内で上下動しスプリング52力で持ち上げられ広開口を開閉する弁体58とで構成される。
通常は弁体58をバイパス排気管50より排気するようにスプリング52力で弁体58を持ち上げバイパス排気管50は開成し、吸引機構12が作動して内部空間Sが負圧になったとき、スプリング52力に抗して弁体58が内部空間S側に引っ張られて開口部51を閉成する。
吸引機構12はバキュームファンにて説明する。
臭気用フィルター14は、排出管3の端部3bと吸引装置12との間に配置し、例えばヤシ殻活性炭素繊維を用いる。
フイルター14の取付位置は大径の流体抵抗の少ないところが良い。
便器本体10内の空間Sの断面積は、排出管3の端部3bの断面積より充分大きく開口しベルヌーイの定理により汚物を流下させ、空気等の気体はフィルター14を通り吸引口12aより入り、吸引装置12、排気扇13を経て外へ放出させる。
図中、Yはトイレ室、40は新鮮な外気を導入する外気導入口、2d、2eは水洗機能の1構成部品で、2dは水洗用パイプ、2eは開閉弁、6は用便後汚物を流すための処理ボタン、7は制御装置、11は便器台である。処理ボタン6はここに限定せずトイレ室Yの操作しやすい位置に設定すればよい。又、処理ボタン6はタッチスイッチでもよい。
尚、本発明の構成部品は、便器は市販品の便器を、受け容器は市販の例えば炊飯器の厚釜を、吸引機構は市販の掃除機の真空ポンプ等を利用することができる。
次に、第1実施例のトイレAの作用を説明する。
用便前は、排気扇13が作動しており、排気扇13にて、外気導入口40から取り入れられた新鮮な空気は、便器1の排出口1bより吸い取られ、排出管3を通り便器本体10に入り、吸引口12aよりバイパス排気管50を通り、排気扇13、吐出口13bを経てトイレ室Yの外へ流され、トイレ室Yは常に新鮮な空気が漂っている。
図の矢印(⇒)の如く空気等の気体は流れる。
使用者が用便するため便器に近づくと、図示しないセンサーを介して水洗水が少量出て便器表面を濡らす。
使用者が用便すると、排出口1bは一時遮蔽され排気扇の気体の吸い込みは中断するが、用便を済ませたあと、便器本体10側に設けた処理ボタン6を押すと、制御装置7の指令で便器1内に水洗水が少量流され、汚物と汚物に使用したトイレットペーパーを濡らし、その後、吸引機構12が急激に作動して、便器本体10内の気体を瞬時に吸収し、便器本体10内の空間Sを負圧にし、同時に空間Sの負圧力でバイパス排気管50の弁体58をスプリング52力に抗して下方に吸引し開口部51を閉鎖する。
内部空間Sの負圧で汚物は水洗水と共に、排出管3内を移動して端部3bから出るが、吸引力では引き上げられず、汚物の重量で受け容器5内に流下される。
空間S内の空気等の気体は軽く、吸引機構12の吸引力により吸引口12aより吸引される。
このトイレAの便器本体10内を負圧にするのは、吸引機構12を作動させたときだけである。
吸引機構12を作動させていないときの所謂、待機状態では排気扇13が回っていて空気等の気体を矢印(⇒)のごとく排出管3を通り開口部51からバイパス排気管50を通り、排気扇13を通り、吐出口13bから外方へ流れる。
吸引機構12の不作動時は、気体は吸引機構12内又はバイパス排気管50を通過し排気扇へ流れる。
従って、トイレ室Y内は、排気扇13の作用でトイレ室外の新鮮な空気を積極的に取り入れ、便器1から便器本体10内を経てトイレ室外上方へ放出するので臭わない。
このトイレAの特徴は、排出管3を流れる汚物は、最大速度で流れ、受け容器5上の内部空間Sで汚物は最小速度に減速する。
内部空間Sから、吸込口12aで気体は吸引機構12に吸い取られる。
内部空間S内では流体のうち汚物は、その重力にて受け容器5内に流下する。
吸引口12aに吸取られるのは、受け容器5内のガス等の気体である。
この構造は、汚物を受け容器5内に貯溜させる構造にて説明した。
更に発展させ汚物を便器本体からバキュームカーにて汲み取ったり、又は、焼却させてもよいが、この基本的構造では省略する。
次に、吸引機構を便器本体外に配置した第2実施例のトイレBを第3図を用いて説明する。前記と同じ構造の説明は省略する。
吸引機構12を便器本体10外の上方に排気扇13と共に配置する。
フィルター14は便器本体10の内部空間に設置する。
フイルター14は流体抵抗の少ない内部空間の大径の所に設置している。
受け容器5は受け容器台78上に載置されている。
この実施例の吸引機構12は開放型のバキュームファンである。
従って、吸引機構が不作動時でも吸引機構12内の隙間から気体は排気扇13へ流れるのでバイパス吸引管を設けなくてもよい。
尚、吸引機構12は、便器本体10内のフィルター上の設置してもよいことは勿論である。
便器不使用の場合、排気扇13にてトイレ室内、便器本体内の空気等の気体は吸引機構12内を通り外方へ流される。従って、トイレ室内の臭気は滞留せず空気等の気体の流れに乗って押し出される。
便器を使用の場合、第1実施例と同様に吸引機構12にて急激に内部空間Sを負圧にして瞬時に便器内の汚物を受け容器5内に流下させる。
次に、トイレ室Yに便器1のみ設置し、便器本体10を壁37を隔ててトイレ室Y外に設置し、便器本体10内に焼却炉を採用した第3実施例のトイレCの構造を第4図を用いて説明する。
この実施例は第1実施例と同様にバイパス排気管50を設け、吸引機構12は密閉型である。以下第1実施例と異なる構造について説明する。8は便器本体10内に断熱材で形成した有底筒状の炉体で、内壁内に受け容器5の底部を直接熱する加熱手段であるヒーター28を底面部27に設ける。ヒーター28は更に側面部に設けてもよい。
ヒーターは一般的に電熱ヒーターである(市販の電熱コイルでも可)が、設置の規制がなければ例えばガスバーナーであってもよい。
炉体8には受け容器5内の灰を取り出すために受け容器5を側方から出せるように炉壁に開口部8aを設け、この開口部8aと便器本体10の開口部10pと灯体8の開口部8aと一体に覆う炉側蓋54を設ける。
ヒーター28の電力源は、図示しないエンジン発電機、商用電源、バッテリー等である。
図中、8cは炉側蓋止め具、8dは炉中間蓋、8eは炉中間蓋に形成した内部開口部、8fは炉体8と一体の天蓋部、54aは把手である。
天蓋部8fには棚板10aの開口10eに連通した外部開口部8kが形成され、更に排出管3の炉体8内は耐熱材3eで覆われている。
棚板10aの開口10eの出口にフィルター14を配置し、ガイド15で覆われ、上部棚板10bの開口部12aの上に吸引機構12が配置され、更に上部棚板10bに開口51が設けられ吸引機構12と並列に配置し吸引機構12が不作動時に内部空間Sを経て流れた空気等の気体又は汚物焼却時に発生する悪臭ガス、水蒸気等の気体を通し、吸引機構12の作動で内部空間Sが負圧になると遮断する構造のバイパス排気管50が設けられている。
この構造において、常時トイレ室の臭気を無くす排気扇や、便器1から汚物を吸引機構12にて受け容器5内に流下させるまでは、前記と同じであるので省略する。
用便後、処理ボタン6の操作で汚物を瞬時に受け容器内へ移動し続いてヒーター28を加熱させる。
受け容器5内の汚物の焼却は、ヒーター28を加熱させ、受け容器5内の汚物の水分を沸騰させ燃焼させ水蒸気と悪臭ガスを大量に発生して上方へ上昇させ、バイパス排気管50を通過し排気扇13の吐出口3bより放出させる。
高温の悪臭ガスと蒸気が蒸発上昇したあと、固形物が残り、更に焼かれて受け容器5内には灰だけが残る。
灰を取り出すには、便器本体10の側蓋54を開口8aから外し、受け容器5を便器本体10から取り出して受け容器5内の灰を除去する。
次に、便器本体10内に複数の吸引機構を設けた第4実施例のトイレDを第5図、第6図で用いて説明する。前記と同じ構造は省略する。
この構造は、1個の受け容器5の上部にトイレ本体10内の空間Sの気体を強力に吸引するために3個の開放型の吸引機構12d、12e、12fを便器1に対し横方向に並列に配設し吸引並列3連式にしたものである。
並列方式は風量が並列数を乗じた分増大する。真空度は同一である。
棚板10aの中央には、空間Sの気体を吸引させる開口15bを形成した1つの吸込ガイド15が形成されている。
棚板10aと上部棚板10bとの間は空間S1を形成する。
上部支持棚10b上は密閉した1つの空間S2で3個の開放型の吸引機構12d、12e、12fが配設されている。
各吸引機構は、下面中心から気体を吸い込み、側面の全周から放出するタイプの構造である。
又、上部棚板10bには、吸引機構12d、12e、12fに連通す3つの吸引口12aが形成されている。
気体の流れは、内部空間Sからガイド15の開口15b、S1を通り各吸引口12a、各吸引機構12d、12e、12fを経て空間S2内の排気は集められ1つ吸引口13aより排気扇13を経て吐出口13bより大気に放出される。
この実施例はバイパス排気管がない例であり第2実施例と同じなので説明は省略する。
又、受け容器5を便器本体10の側壁から取り出せるように開口10dを設け、この開口10dを覆う側蓋55を設け、この側蓋55から受け容器5を取り出す構造になっている。
受け容器5内の汚物は、受け容器5はそのままで、側蓋55を外し、受け容器5内にバキュームクリーナーのノズルを挿し込んで汚物を吸い取ってもよい。
図中、55aは把手である。
次に、便器本体内で複数の吸引機構を便器1に対し、縦方向に配置した直列2連方式を採用した第5実施例のトイレEを第7図に、又、便器1に対し、縦方向に配置した並列3連方式を採用した第6実施例のトイレFを第8図で示す。
第7図は第4実施例のうち下部棚10aと空間S1を無くした構造で内部空間Sの上部に支持棚17にて第1空間S3、第2空間S4を隔成し、支持棚17上に吸引装置12m、12nを載置し、支持棚17に吸吸引装置12m用の吸引口12aを設け、第1空間S3側に第2空間S4を連通する吐出口12bを設け、ガイド筒18にて吐出口12bと第2吸引口12mとを連通させた。
気体の流れは、内部空間Sから吸引口12a、吸引機構12m、空間S3、吐出口12b、ガイド筒18、吸引口12c、吸引機構12n、空間S4、吸引口13a、排気扇13、吐出口13bにて大気に放出する。2つの吸引機構が作動した場合は、吸引口12aは吸引機構2個分の吸引力が働く。従って、汚物を受け容器側へ移動させる吸引力も略倍増する。直列方式は風量は同じで真空度が略倍になる。
第8図は内部空間Sの上部に支持棚17にて1つの空間S5を形成し、支持棚17上に3個の吸引機構12s、12t、12uを並列3連設け、各吸引機構12s、12t、12uの位置する支持棚17に各吸引口12aを形成し、各吸引機構にて同時に内部空間Sの気体を吸引させる構造とした。
気体の流れは、内部空間Sから各吸引口12aへ同時に入り、吸引機構12s、12t、12uから空間S5へ、吸引口13a、排気扇13吐出口13bをへて大気に放出される。
吸引機構が並列の配置のときは、真空度は変わらないが、風量が吸引機構の台数に比例増大する。
複数の吸引機構の配列は、排気管が長いとか高さが高いとか使用条件によって使い分ける。
次に、便器本体10内に複数の吸引機構を上下に配置した直列2連方式を採用の第7実施例のトイレGを第9図に示す。
棚板10a上に1つの吸引機構12rを、上部棚板10b上に他の吸引機構12qを配置し、各吸引機構12r、12qに接する棚板に吸引口12aを設ける。
吸引機構は開放型のバキュームファンで説明する。便器本体の側面の内部空間Sを吸い込むバイパス排気管50aを設け排気扇13に連結する。
バイパス排気管50aは、一端が棚板10a内の内部空間Sの側面に設けた吸引口51aに連通し、他端が排気扇13に連通したダクト52bと、ダクト52b内の吸引口51a側に回転軸を介して回動する弁体58aと、弁体58aを常時吸引口51aを開成するよう付勢するスプリング52aとから構成される。
気体の流れは、吸引機構が作動しないときは、内部空間Sからバイパス排気管50aを経て排気扇13へ流れる。
用便後、吸引機構を作動させたときは、内部空間Sが急激に負圧になりバイパス排気管50aの弁体58aがスプリング52a力に抗して引っ張られて吸引口51aを閉成する。
従って、内部空間Sから吸引口12a、吸引装置12r、吸引口12a、吸引装置12qを経て吐出口12bから排気扇13へと流れる。
この例の吸引口12aは2個分の吸引力が働く。汚物は2個分の吸引力により排出口1bより瞬時に吸引され受け容器5内に移動する。
受け容器5の取り出しは、第4実施例と同じく受け容器を便器本体の側壁から取り出せるように開口10dを設け、この開口10dと側蓋55を設け、この側壁55から受け容器を取り出す構造になっている。
次に、便器本体内に汚物の燃焼構造を設け、便器本体外に複数の吸引機構を設けた第8実施例のトイレHを便器1に対し、横並列に配置した構造を第10図、第11図を用いて説明する。前記と同じ構造は省略する。
この例の吸引機構は、吸引機能と排気扇機能とを備えた構造である。
吸引機構と排気扇機能の切り替えは制御装置で行うが回路等の説明は省略する。吸引機構は開放型である。
又、便器本体10内に炉体25を設け、受け容器5内の汚物を焼却するものである。
又、汚物を焼却した受け容器5を便器本体の上方から取り出せる構造である。前記実施例と同じ構造、作用は省略する。
便器本体10は内部に炉体25を形成し、炉体25の内面の底面と側面部に加熱手段である電熱ヒーター28が配設されている。
炉上蓋29には開口部29aが設けられ、この開口部29a内に排出管3の端部3bが面している。この炉体25と炉上蓋29の外周面には断熱材が外張りされている。
便器本体10内には受け容器5が1つで、便器本体10の上方外方にダクト12Bを介して3つの吸引機構12g、12h、12jを並設した吸引機構ケース12Hが設けられている。
便器本体10とダクト12Bと吸引機構ケース12Hは連通し密閉されている。
便器本体10の上部側面に共通吸込口12Aが設けられ、ガイド部12Bは中央にある1つの吸込口12Aから内部空間Sの気体を吸い込み、3つに分散し、各吸引機構12g、12h、12jの各吸引口12aにて吸い取り、各吐出口12b、12b、12bより放出させる。
焼却時に発生する悪臭ガス等の気体も同様に各吸引機構を通り放出される。
この例は、排気扇は設けず、複数の吸引機構に吸引機能と排気扇機能をもたせ、吸引機構のモーター回転数をコイル巻き線のタップ切換え又はインバーター技術により、吸引機能の場合は高速回転で回し、排気扇機能の場合は低速回転で回すように設定制御する。
本発明では、便器本体10の上面から受け容器5が取り出せるように、便器本体10の上面に密閉し開閉可能な蓋部10gを設けている。
又、炉上蓋29が外せるように、排出管3を前部3dと後部3eとに分割し、前部3dと後部3eとはリング状カバー3hで結合し覆われている。又、このカバー3hは便器本体10に排出管3の軸方向にスライド可能に取付けられている。
受け容器5の取り出しは、まず蓋部10gを取り、続いて排出管3を覆うカバー3hを前外方にスライドして分割した排出管の後部3eを炉蓋29から外し(前部3dは固定)、炉体25の炉上蓋29を取り、そのあと受け容器5を持ち上げ取り出す。
便器本体10の上面から取り出させる構造を示したが、第3実施例の如く炉体25の側面から出せるようにしても良いことは言うまでもない。
又、受け容器5をその都度出さずに蓋部10gを外しバキュームクリーナーの先端を受け容器5内に挿入し、灰を取り除いてもよい。
本発明は便器本体に対し吸引機構を離間した構造であるので壁を設け、壁を挟んで余裕を持って配置することができる。
次に、1つの吸引機構に対し、複数の受け容器を設けた第9実施例のトイレIを第12図を用いて説明する。
この例は受け容器が2つである。又、吸引機能と排気扇機能はエンジン発電機20にて行うものである。
エンジン発電機の吸引機能と排気扇機能は、制御装置にて接続する排出管又接続管の弁の開閉量にて調整する。
第1受け容器5Aを内蔵する第1便器本体10Aと第2受け容器5Bを内蔵する第2便器本体10Bが便器1と発電機20の間に直列に配置さている。配列は並列であってもよい。
便器1の排出口1bと接続した排出管3Aは第1端部3bを第1受け容器5Aに面させ、排出管3Aを延長した第2端部3cを第2受け容器5Bに面させ、排出管3Aの第1端部3bと第2端部3cへの管内に切り替え弁35aを設ける。
又、第1便器本体10Aの上部に第1吸引口16aを、第2便器本体10Bの受け容器5Bを密閉した蓋5aに第2吸引口16bを設け、第1吸引口16aとエンジン発電機20のエアクリーナ20aとを結ぶ接続管16に第2吸引口16bを連結し、接続管16内に切り替え弁35bを設ける。
又、接続管16の端部は一方は発電機20へ他方は室内空間に臨ませT字状ダクト16Aを形成している。
T字状ダクト16A内の外端16c側には回転弁16dが設けられ制御装置7にて外気導入と閉鎖とを行う。
エンジン発電機20の通常の吸気は、室内空間へ臨ませたT字状ダクト16Aの端部16cから外気を吸い入れ、トイレの吸引機能時は、処理ボタン6の操作で制御装置7により接続管16の端部16c近くに設けた回転弁16dを閉成してエンジン発電機20は接続管16から気体を吸引する。
吸引機能が終了しトイレの排気扇機能時となると、回転弁16dを開にして外気を導入すると共に便器1の排出口1b、受け容器5A、5B、吸込口から気体を導きエアクリーナー20aに吸い取らせる。
又、第1の受け容器5Aの底部には、汚物が一定量溜まると制御装置7に情報を送る重量センサー39を設け、制御装置7にて情報を感知し、弁35a、35bを切替え、第2の受け容器5Bに汚物を流すようにする。制御方法については省略する。
又、第2の受け容器の底部にもセンサーを設け、汚物が満杯であることを制御装置に知らせ、警告を知らせるようにしてもよい。
用便後のトイレの作用は省略する。
図中、37a、37bは第1便器本体10A、第2便器本体10Bを覆う壁面である。22はエンジン発電機20の排気ダクトである。
受け容器を複数設置するのは、多数の人が便器を利用できるように汚物の収容能力の増大を図ったものである。
この実施例は、吸引機能と排気扇機能とをエンジン発電機にて行うが、エンジン発電機20に替えて吸引機構と排気扇とを取り付けてもよい。
次に、受け容器を複数設けた他の配置の第10実施例のトイレJを第13図に、第11実施例のトイレKを第14図に示して説明する。
第13図は、便器1と2つの受け容器5A、5Bとを二又状排出管3Bで接続し、各受け容器5A、5Bを二又状排気管16Aにて再び一個所に集められ吸引機構12と排気扇13に接続したものである。
切り替え弁35Cは排気管16A側だけである。
排出管3Bは弁が無く連通可能に開放されている。
第14図は、便器本体10内に2つの受け容器5A、5Bを配置し、共通の内部空間S8に1つの吸引口12aを設け、吸引機構12と排気扇13で接続したものである。
切り替え弁35dは排出管3B側だけである。
これらの構造は、1つの切り替え弁35c、35dを切替えることにより吸引機構12による受け容器を切替えるようにした。
次に、具体的に車両に設置した第12実施例のトイレLを第15図を用いて説明する。
車両Mはトイレ専用車、又は荷台にトイレを設置したものであってもよい。この例は軽車両の専用トイレにて説明する。
車両の後部荷台を前後に区画し、前部をトイレ室M1に、後部を動力室M2にする。
トイレ室M1には、トイレLを設置する。動力室M2には、発電機20を設置する。
エンジン発電機20は、排気扇機能と、吸引機構及びヒーターの電力源とを有し、更に、汚物焼却時に発生する水蒸気、悪臭ガス等を高温燃焼させ分解消失させる。
又、エンジン発電機20に換えて、吸引機能と排気扇とヒーターとの電力源として一般商用電源を利用する構造にもなっている。
トイレLは、便器1と、便器本体10と、便器本体10内の電源又は商用電源にて受け容器5内の汚物を焼却するヒーター28と、受け容器5の上部に形成した棚板10aと、棚板10a上に設置した密閉型の吸引機構12と、吸引機構12に並設したバイパス排気管50と、便器本体10の上方に設けた吸引口30aと、一端を吸引口30aと接続し他端をエンジン発電機20の外気導入管41に接続した接続管30Aと、接続管30Aの中途で端部を車外に延設し内部に排気扇13を有する排出筒32と、同じく接続管30Aの中途に設けた安全弁35とで構成され、接続管30Aと外気導入管41との接続部には排出弁30dが設けられている。
便器1と受け容器5とは排出管3にて連通されている。
便器本体0の内周面には断熱材が内張りされている。
排出弁30dは開成しその開成の割合は外気導入管41の管径との比で設定されている。
接続管30Aの排出筒32への開口42aと安全弁35への開口42bには、軽球53a、53bが当接されている。
排出筒32の軽球53aと安全弁35の軽球53bとは接続管30A内の風圧が大のとき軽球53a、53bを持ち上げ開成する。
又、バイパス排気管50は第1実施例と同じであり説明は省略する。
図中、40aはトイレ室の第1外気導入口、40bは動力室の第2外気導入口、21はエンジン発電機20より便器本体10に電力を供給する配線、22はエンジン発電機20からガスを排出する排出ダクト、23はフロア、24はマフラー、37は壁面、79は運転室を示す。
この実施例の作用を説明する。
エンジン発電機を吸引機構12とヒーター28との電力源と、排気扇機能と、更に汚物焼却時に発生する悪臭ガスの燃焼消失として利用する場合について説明する。
エンジン発電機20が運転中で、便器1を使用しない待機時は、外気導入口40aから便器1の排出口1bを経て便器1内に空気が入り便器本体10の内部空間Sから主にバイパス排気管50を経て接続管30Aを通り、外気導入口40bの外気と共にエンジン吸気口41を通りエアクリーナー20aに入り、エンジンの燃焼室を通り燃えて排出管22より排出される。この場合、エンジン発電機20は排気扇機能を行う。
次に、便器1を使用し、用便後、処理ボタン6を押すと、吸引機構12が数秒間作動して内部空間Sは瞬時負圧となり、バイパス排気管50が閉鎖し、接続管30Aに吸引機構12からの大量の空気が入り、排出弁30dから出る風量に制限があるので、余分の空気は軽球53a、53bを持ち揚げ、開口42a、42bを通り、排出筒32から車外へ、安全弁35から動力室M2内に空気を出しエンジン吸気口41を通りエアクリーナー20aに入り、エンジン内で臭気は高温処理され無臭となり排出管22より排出される。
吸引機構12が作動している間は、燃焼は停止している。
続いて、電熱ヒーター28がオンし汚物は焼却状態となる。
焼却時に発生する水蒸気、悪臭ガスの気体は主にバイパス排気管50を通り吸引口30aから接続管30Aを通り外気導入口40bからの空気と共にエアクリーナー20aに入りエンジン内で高温燃焼させ分解消失させる。
次に、商用電源を吸引機構12とヒーター28と排気扇の電力源として使用するときについて説明する。
一般商用電源を使用するのはエンジン発電機20が作動できない場合等で、図示しない一般商用電源からトイレに接続する。
便器1を使用しない待機時は、排気扇13により、外気導入口40aから便器1の排出口1bを経て便器1内に入り便器本体10の内部空間Sから主にバイパス排気管50を経て排気口30aから接続管30Aの開口42a、排出筒32、排気扇13、吐出口13bにて大気に放出される。
軽球53aは、排気扇13により吸い取られ浮いて開口42aは開く。尚、42bは軽球53bにて閉成している。
予め水洗水が流れることの説明は省略する。
次に、便器を使用し、用便後処理ボタン6を押すと、吸引機構12が作動して内部空間Sが急激に負圧となり、バイパス排気管50が閉鎖し、吸引機構12による負圧で瞬時に汚物が排出管3内に吸引され受け容器5に流下される。吸引機構12に吸引された気体は排気口30aから接続管30Aへ、エンジン発電機が停止しているときは内部空間M2の気圧は高いので、殆ど開口42a、排出筒32、排気扇13より大気へ放出される。
吸引機構12が作動せず電熱ヒーター28にて汚物が焼却中は、焼却時に発生する悪臭ガス等の気体は、バイパス排気管50を経て吸引口30aから接続管30Aを通り開口42aから排出筒32を通り排気扇13より外方側へ放出される。
尚、商用電源の場合は、エンジン発電機の利用の如く悪臭ガスの臭気の完全な無臭化はできない。
上記例は、エンジン発電機20を使用する場合は、便器本体10内の吸引機構12と、エンジン発電機20の排気扇機能を使用し、一般商用電源の場合は、吸引機構12と排気扇13を使用し、汚物は電熱ヒーター28により焼却するが、発生する悪臭ガスはエンジン発電機のエンジンにて無臭化させる。
又、図示しないが、上記トイレ本体10に吸引機構と排気扇とを備え、エンジン発電機にヒーターの電力源と吸引機能と排気扇機能とを備え、更に、汚物焼却時に発生する水蒸気、悪臭ガスの無臭化として利用してもよい。
上記は電力源を商用電源にて説明したが、バッテリーを車両のルーフ上に太陽電池を設けて蓄電して電力源としてもよい。
又、吸引機構を開放型で説明したが、密閉型であっても良い。密閉型の場合、吸引機構12が不作動のときは、気体はバイパス排気管50を通ることになる。
又、吸引機構が開放型の場合はバイパス排気管はなくてもよい。
尚、エンジン発電機を排気扇機能と吸引機能に用いず、エンジンを悪臭ガスの臭いを無くすためにのみ利用する場合は、エンジン発電機でなく発電機である。
又、この例は吸引機構12を1個で説明したが、吸引機構を複数個設けてもよい。
図示しないが、上記トイレ本体10に吸引機構と排気扇とを備えエンジン発電機20にヒーターの電力源と吸引機能と排気扇機能とを備え、更に汚物焼却時に発生する水蒸気、悪臭ガスの無臭化として利用してもよい。
次に、具体的に、車両のトイレ室に設置したトイレで、動力室のエンジン発電機を、吸引機能と排気扇機能として利用する第13実施例のトイレMを第16図を用いて説明する。
この例は、トイレ室M1に配置した車両用のトイレMで、汚物の受け容器5への移動としての吸引機構の吸引機能と、室内の臭気を便器の排出口1bから吸い便器本体を経て外方へ放出させる排気扇機能とを動力室M2に配置のエンジン発電機20で行うものである。
エンジン発電機20のエンジンは運転時に大量の外気を吸入するが、この実施例はこのエンジンの大量の外気吸入を利用して便器より汚物を受け容器5内へ吸引させる、つまり、エンジンの運転時に瞬時、外気吸入を便器本体内の空間S内の空気吸入に切替えて内部空間S内を真空にし汚物を受け容器側に移動させる吸引機構の働きをさせるものである。
便器1及び便器本体10は、前記例と同じであり説明は省略する。
便器本体10の側面と炉体25の側面には受け容器5が出せるように開口部10dが一体に形成され、この開口部10dを覆う側蓋カバー55が設けられている。
受け容器5は受け容器台78上に載置されている。
便器本体10とエンジン発電機20とは接続管30Bにて接続されている。尚、壁面は便器本体10とエンジン発電機20とを仕切る壁面37で図示されているが、2点鎖線で示すように、便器1と便器本体10とを仕切る壁面37cであってもよい。動力室M2には便器本体10とエンジン発電機とを設けることになる。
又は壁面37cと壁面37とを設けその空間に便器本体10を設けても良い。この場合、処理ボタン6は壁面37cに設ける。
接続管30Bの中途には外気調整部34を形成する。外気調整部34は、エンジン発電機20のエンジンが必要とする全空気吸入量を確保する大きさの外気導入口33と、外気導入口の開閉を調整する蓋部36と、蓋部36又は便器本体10側に一端を固定し常時蓋部36をスライドして外気導入口33を開成する調整部の1部の弾性部材であるスプリング2aと、蓋部36のエンジン発電機20側に固定し、蓋部36をスプリング52a力に抗して引き、外気導入口33を閉成させる同じく調整部の1部であるプランジャー31と、蓋部36を摺動させるガイド3aとからなる。
外気導入口33の開閉量の調整で排気扇機能と吸引機能とを行う。
調整は制御装置にて自動的に行う。制御方法は省略する。
外気導入口33の閉成は、用便後、処理ボタン6を押して内部空間Sを負圧にさせ汚物を便器1側から受け容器5内へ移動させる僅かな時間帯だけであり、これは制御装置7からの外気調整部34への指令でプランジャー31を吸引して蓋部36をガイド36a上にスライドさせ導入口33を閉成する。
エンジン発電機20の外気の導入はストップし、切り替って便器本体10の内部空間Sから気体を導入する。
内部空間Sは急激に負圧となり、汚物は瞬時に排出口1bから排出管3を経て端部3bから受け容器5内に流下する。
汚物が吸い取られると制御装置7の指令で即プランジャー31の吸引力を解除し外気導入口33は開成し、外気が外気導入口33に入り元のエンジン発電機20の吸気状態となる。
この第13実施例の作用を説明する。
エンジン発電機20が通常稼動しているときは、吸引ダクト32の外気導入口33は全開していて、エンジンの大気吸入量を担っている。
この全開でも、便器側から空気を吸入し便器本体の吸引口12aからエンジン側に吸い込まれて排気扇機能を発揮する。
この状態で、便器使用者が便器1に近づくと、センサーにて水洗水で便器の表面を濡らす。用便後、処理ボタン6を押し、便器1内に水洗水を流し、開閉部材34をスライドして外気導入口33を閉鎖する。
一方、エンジン発電機20からの吸気の要請で便器本体内の空間Sの気体が瞬時に吸い込まれ空間Sは負圧となる。空間Sが負圧となると同時に、排出口1bの汚物が引っ張られ受け容器5内に流下する。流下後、即開閉部材34をエンジンの外気導入の正常の位置に戻す。
開閉部材34をエンジンの外気導入位置に戻した場合でも、便器本体S内の空気は吸引ダクト32を介してエンジン発電機20側と連通しているので、常に便器本体S内の気体をエンジン側に移動させている。
用便後に、受け容器内の汚物のガス等気体は、常に接続管30Bを経てエンジン発電機20に導入し排気扇機能を行う。
従って、トイレ室内の臭いは解消する。
この場合、外気導入口33は全開している。
外気調整部は蓋とプランジャーで説明したが、エンジン側への外気と内気との調整が可能であれば他の方法でもよい。
次に、受け容器5の内部空間Sの気体を吸い上げるのに高圧のエアコンプレッサーを用いた第14実施例のトイレNの第17図、第18図を用いて説明する。
第17図は、高圧エアにて吸引管の先端を吐出管内に挿入した構造である。便器本体10内の上方にエアコンプレッサー85を配設し、受け容器5の上面の蓋5aに排出管3の端部3bと吸引口12aをもつ吸引管86とを接続させ、エアコンプレッサー85から圧縮空気を送るガイド管87とガイド管87に連結した太径の吐出管88とで構成し、吸引管86の端部86aは,吐出管88内でかつガイド管87の先端の噴き出し孔87aに接する位置に挿入される。
エアコンプレッサー85のジェット(噴射気流)の中に吸引管86の先端86aが挿入されることにより、吸引管86にぶつかった気流は剥離し、そこに渦ができ、そこの気圧は他の流れの気圧より小となる。そのため、他の流れの気圧との大きな圧力差が生じ、吸引管86から受け容器5内の気体を吸い上げる。
第18図は、エアスプレーガンの内部混合式を利用したもので、吐出管88から大気へ噴射する前に、ガイド管87からの圧縮空気と受け容器5内空間の気体とを混合部43の内部空間43a内で混合させ大気へ放出させて受け容器5内の気体を吸い上げるものである。
次に、具体的に、仮設トイレに採用する第15実施例のトイレPを第19図を用いて説明する。
仮設トイレ80は、ベース部80aと、ベース部80aに立設した略箱型のハウジング80bと、ルーフ80cと、トイレ室Y内に設置したトイレpとで構成される。
ベース部80aは、硬質プラスチックの箱体に成形する。
トイレPは、便器本体10と、便器本体10より前方突出の便器1と、便器本体10内に位置し汚物を貯溜する受け容器5と、一端を便器1の排出口1bに接続し,他端3bを受け容器5上に面した排出管3と、受け容器5上に位置したフィルター14と、フィルター14上の吸引装置12と、ハウジング80bの外側に配置した排気扇13と、フィルター14を経て側壁より導いて排気扇13に接続したバイパス排気管50bとで構成されている。
バイパス排気管50bの構造は第7実施例のバイパス排出管50aと同じで省略する。
図中、2cは水タンク、40は外気導入口、81はドア、82はステップを示す。
尚、排気扇13は、便器本体10内に設けてもよいことは勿論である。常時は、排気扇13にて外気を外気導入口40から導き、便器1の吸引口1b、排出管3、内部空間S、吸入口15a、フィルター、バイパス排気管50b、排気扇13を経て外方へ流し、この空気の流れで周囲に滞留している臭気を含む気体が引っ張られ放出する。
便器使用者が用便後、処理ボタン6を操作して吸引機構である真空ポンプ12を作動させ、便器本体10内を負圧にし、排出管3を介して便器1内の汚物を受け容器5側に吸収する。
受け容器5内に溜まった汚物は、便器本体10内の側部からそのまま取り出すか又は汚物をバキュームカーで吸い取る。又ベース部50aに便槽を設けた場合は便槽内に移行させる。
真空ポンプ12はバイパス排気管50bを設けるので密閉型であるが、開放型の吸引機構であってもよい。開放型の場合、排気扇13の作動時には主にバイパス排気管50bを気体は通り、一部の気体は不作動の吸引機構12内を通る。
又、汚物を焼却する場合は、受け容器5の底部にヒーター等の加熱手段を設けて焼却することになる。
尚、焼却式を採用したときは、10の内部は断熱材を貼る。
電源は商用電源を用いるが、発電機やバッテリーや、太陽電池でもよい。又、開閉ドア51やステップ52にセンサーを設けてドア51を開たら又はステップ52に便器使用者が載ると、予め便器内を水洗水で濡らすようにしてもよい。
次に、具体的な仮設簡易トイレに採用する他の例である第16実施例のトイレQを第20図を用いて説明する。
この仮設トイレ80は、ベース部80aと、ベース部80aに立設した略箱型のハウジング80bと、ルーフ80cとで構成される。
トイレ室Y外のベース部80a上には側室56が設けられている。
この例は第15実施例に対し、便器1のみトイレ室Yに設け、便器本体10をトイレ室Y外の側室56に配置した便器1と便器本体10と離した構造である。便器1の説明は第15実施例と同じであり省略する。
ベース部80aの側室56下には、水タンク63を形成する。
側室56には、便器本体10と、エンジン発電機57と、制御装置65がある。
便器本体10内には受け容器5と、受け容器5を覆う炉体25と、炉体25の下部に設けた汚物焼却用の電熱ヒータ61と、上部に吸込口62aを有する吸引管62と、上部に椰子ガラ活性炭等のフイルター層14がある。
便器本体10内は炉体25で内周6面には断熱材67が内張りされている。尚、29は炉蓋である。
便器本体10の上部には、吸引管62と接続した吸引機能と排気扇機能とを兼ねるエンジン発電機57があり、エンジン発電機57から出た排気管64は側室56の外に延設し、端部は外方側に放出している。
65aは物置き用台である。
ベース80a内の側室56下の1角には、水タンク63を形成し、タンク63内に一端48bを挿し込み、他端48aを上方に延長して室内に貫通しその端部に蛇口49を設けた揚水ポンプ48が設けられている。室内の水洗タンク2c上の水受け2fに蛇口49が位置する。
トイレ室Y側面には処理ボタン6が設けられている。27は処理ボタンのベースである。
トイレ室Yの外気導入口40は、ドア81の上下の隙間である。
汚物の燃焼、気体の流れは上述と同じなので省略する。
エンジン発電機57は、吸引機能と排気扇機能とを有し、更にこのエンジン発電機57を汚物の焼却時に発生するガスを高温燃焼して分解消失させる。
つまり、エンジン発電機57の吸引力により汚物は排出管3を通り、受け容器10に移動し、気体はフイルター層14を通りエンジン発電機57内に入り高温で燃焼し臭い成分を分解し排気管64より排出される。
次に、仮設簡易トイレのその他の例である第17実施例のトイレRを第21図、第22図を用いて説明する。
前述の第16実施例と異なる構成について説明する。仮設簡易トイレRは仮設トイレ80の下に、更に汚物タンクであるベース部44を有する。ベース部44は負圧に耐える汚物タンクを形成する。
汚物タンク44は第22図に示すように蓋部材47と、蓋部材47を被せる汚物タンク部46と、蓋部材47と汚物タンク部46との空間S8に汚物タンク部46を区画し、汚物の臭気を防ぎ、更に汚物タンク44上に載せる仮設トイレ80の補強と汚物タンク44の負圧に耐えられるようにクロスさせた仕切り板45とで構成され真空となる汚物タンクを形成する。
4枚の仕切り板45で囲まれた区画内に便器本体10が位置し、汚物タンク部46は方形で内部四面に仕切り板45を挿し込み固定するガイド溝46aが一体に形成されている。この仕切り板45とガイド溝46aは汚物タンク部46が負圧になっても耐えられる構造となっている。
仕切り板45には上下に切り欠きを形成し、上部切り欠き45aにて内部空間S8が連通可能となっている。又、下部切り欠き45bにて貯溜した汚物の移動が可能となっている。蓋部材47には漏斗状のガイド15aの端部が挿入し便器1からの汚物を汚物タンク44内に流下させる開口47cと、蓋部材47の1側に汚物の吸い取り口47aと水入り口47bが形成されている。
又、この水入り口47bは、仕切り板45にて仕切られたれ1コーナーを密閉し水洗水用の水槽に利用し、ベース部44上の水タンク68に替えダクト71を延長して水入り口47bから挿入し水洗水として使用する構造になっている。
このコーナーを水槽として利用すると、仮設トイレ80の外側に設けた水タンク68が節約できる。
蓋部材47の上面には、仮設トイレ80と仮設トイレ80の外側に便器本体10と水タンク68とが設置されている。
トイレ室Yを形成する仮設トイレ80内には、便器1と、水洗タンク2c、手洗い2f、処理ボタン6、室内灯84、水洗部2cが配置されている。
仮設トイレ80の外側の便器本体10には、便器1の排出口1bから接続した排出管3Bの端部3bとガイド部15aとフィルター14と、棚板10aと、上に吸引機構12と排気扇13が設けられている。
排気扇13の上端には吐出口13bが設けられ、吐出口13bは空気を外方側へ放出する排出筒32aと連結されている。
又、排出筒32aの上端には風を受けて回転する排気扇13Aを並設して節電を図っている。
ルーフ80c上には、電力源発生の太陽電池のソーラーセル90を配し、排気と水ポンプ70と夜間の照明84とに電力を供給する。
太陽電池を用いた電力装置は、図示しないが、太陽電池と、太陽電池からの直流電流を受け入れ蓄積し出力するバッテリーと、インバータと、バッテリーからの直流を交流電流に換え太陽電池とバッテリーとの間に介在しインバータに接続して太陽電池から直流電流の過充電、逆流を防止しかつバッテリーからインバータに放電しインバータに電力を安全供給させるチャージコントローラーとからなる。
便器1の排出口1bの端部は、直接下方の汚物タンク44内に流下させても良いが、出来るだけ汚物タンク44内の臭気を外気側に出さないため、ハウジング80の外側の便器本体10内の空間Sで汚物は汚物タンク44に流下させる、汚物タンク44内は密封なのと開口部は1箇所で小径なので、汚物タンク44内の臭気はほとんど外気側には排出されない。図中、69は物置き台である。
排出管3Bの端部はガイド筒15a内に面し、ガイド筒15aは汚物タンク44に連通させている。
この汚物タンク44は前述の各実施例の受け容器に相当する。
汚物タンク部46上に設置した便器本体10の側方の受け台69上に水タンク68が設けられ、一端が水タンク68内に他端に蛇口49が設けられ中途に水ポンプ70を設けたダクト71が設けられている。
更に、汚物タンク部46上面の汚物の吸い取り口47aには汚物汲み取り用の蓋44aが取付けられている。
この実施例の作用を説明する。
便器1を使用しない待機時は、排気扇13により、外気導入口40から便器1の排出口1bを経て便器1内に入り便器本体10の内部空間Sと汚物タンク44の内部空間S8とからフィルター14、吸引口10a、吸引機構12を経て排出筒32aより空気等の気体が流れ放出される。
次に、便器使用者が便器1を使用しようとして、便座19に座るとセンサーが感知して、便器1内に水洗水を濡らす。用便後、使用者が処理ボタン6を押すと、水洗水が再び出、吸引機構12が作動して内部空間と、内部空間Sと連通した汚物タンク44の内部空間S8とが急激に負圧となり、排出口1bの汚物を排出管3Bを介して瞬時に汚物タンク44内に流下させる。気体だけが上方の吸引口12aへ吸引される。
従って、汚物は汚物タンク44内に貯溜される。
尚、便器使用者の用便前に便器内を水洗水で濡らすのに、便蓋9、又は便座19にセンサーを設けて便器使用者が座ると水洗水を供給させるようにしてもよいが、その他に、仮設トイレのステップ82に載ると感知する方法や、ドア81を開けると感知するようにしてもよい。
次に、バイオを用いて汚物を消滅処理する構造の第18実施例のトイレSを第23図を用いて説明する。
前記第22図と異なる構造について説明する。
汚物タンク44を仕切り板73でベース部の便器本体下方の1画を区画し、この区画内は汚物分解処理槽72である。この例は1画であるが汚物タンク全域であってもよい。
73bは汚物タンク44の補強材である。
汚物分解処理槽72内には、バイオ汚物処理装置が設けられている。
バイオ汚物処理装置は、槽内に回転自在に回転軸が取り付けられ回転軸74bに攪拌羽根74aが一体的に攪拌機74が固定されている。
槽72の側部の槽外には回転軸74bを回転させる駆動モータ75、ベルト76が設けられている。
汚物処理槽72内には攪拌羽根74aで攪拌動作できる量の汚物処理用チップ77が堆積されている。
チップ77は自然界や排泄物に棲息するバイオ(微生物)菌を担持させた例えば木質チップである。
この例の作用を説明する。
便器1の使用しないときは、排気扇13の駆動でドア上下の隙間の外気導入口41より空気をトイレ室Yに入れ、便器1と便座19と便蓋9との間から排出口1bより排出管3Bを経て内部空間S9に入り、吸引口12aより吸引機構12、排気扇13を経て大気に放出する。トイレ室Y内の臭いは放出される。
同時に、内部空間S6に面する汚水処理槽72内のチップ78の表面の臭いをも吸い上げる。
便器使用者が便座19に座すと、便器1に設けたセンサー(図示せず)が検知し水洗水を水タンク2cから便器1を濡らす程度に出す。
使用者が用便後、処理ボタン6を押すと、吸引機構12が作動し内部空間S9が負圧となり汚物は排出管3Bから汚物分解処理槽72内に流下する。
続いて、駆動モーター75が駆動して攪拌羽根74aを回転しチップ78と汚物とが攪拌混合する。前の分解中の汚物と共に攪拌混合する。汚物とチップ78の攪拌混合で微生物の分解、脱臭が行われる。
攪拌混合は所定時間続行する。
従って、汚物はチップの微生物の働きで分解消滅処理する。
次に、便器を男性用小便器にした構造の第19実施例のトイレTを第24図を用いて説明する。
上述の各実施例と異なる構造について説明する。
トイレTは、男性用小便器1Aと便器本体10とで構成され、男性用小便器1Aは上述の便器と外形は異なり、便蓋と便座が無い開放型である。その他は同一である。
用便前に水タンク2cより所定量の水洗水を流し、便器を濡らす。小用を済ませたあと、操作ボタン6を押すと吸引機構12が作動して内部空間Sを瞬時に負圧にし小便の汚物を排出管3から吸引し受け容器5内に流下させる。
所定量溜まった小便の汚物は、側蓋55を取り、便器本体10内の受け容器5を取り出し処理する。
排気扇13の機能やその他の構造の説明は省略する。
次に複数の便器と1つの受け容器との構造を説明する。
具体的に大小便兼用の便器と男性用小便器との2つの便器を設けた第20実施例のトイレUを第25図を用いて説明する。
トイレUは、大小便兼用便器1と、男性用小便器1Aとの2つの便器と1つの受け容器4を内蔵した便器本体10とで構成される。
排出管3Eは、便器1の排出口1bと小便器1Aの排出口1eとに夫々接続し分岐部3Fで一個所に集められ共通管を経てその端部は受け容器4内に面させる。
二又状の分岐部3F内に調整用の弁35eを設け、大小便兼用便器側と男性用便器側に互いに切り替えられ各便器側と便器本体の内部空間Sと連通可能に形成されている。弁35eの開閉は制御装置にて行う。
図中、37fは便器1と男性用小便器1Aとを区切る衝立であり、37は便器1、1Aと便器本体10とを分離する壁面である。
尚、各便器1、1Aと便器本体10は前述と同じ構造であり説明は省略する。
各便器を使用しないときは、弁35eは各便器1、1Aの排出口1b、1eと便器本体10の内部空間Sとが全て連通するよう開弁し排気扇により外気導入口より外気を吸い内部空間Sを経て外方へ放出している。次に、例えば、便器1を使用するときは、便器1に人が接近すると水洗水を流すと共に、弁35eが他方の便器1Aの排出口1bを閉鎖する。従って、便器1と便器本体10の内部空間Sは連通する。
吸引機構12の作動で内部空間Sは負圧となり、便器1に溜まった汚物は分岐部3Fを経て共用管から端部1bで受け容器4内に流下する。
又、男性用小便器1Aを使用しようとして人が接近すると、便器を水洗水で濡らすと共に、弁35eを排出口1eと端部3bが連通するよう切り替り、吸引機構12の作動で便器1Aの汚物は吸引される。
この例は、排出管3Eが二又状であるが、二又以上の複数の便器でも可能である。
又、その他の方法として、各便器の排出口と受け容器4内に直接接続する個々の排出管を互いに設けてもよい。
この場合、各排出管内に弁が設けられ制御装置にて一方が開のとき、他方が閉となるようにする。
次に上述の実施例に共通する内容を以下に説明する。
トイレの便器を連続使用することも可能である。
上述では吸引機構は、強力な大型で作動時に汚物を瞬時に吸引する構造で説明してきたが、小型のコンパクトな吸引機構を利用することもできる。
小型のコンパクトな吸引機構を利用すると、便器に落下する汚物はその都度吸い取られて、便器表面には便が付着しない。便は瞬時でなく少しずつ移動する。
小型の吸引機構は、用便中でも、その都度便器に落下する汚物を吸い込み、便器には常に汚物が残らなく衛生的である。
汚物が大便でなく小便の場合も、大便と同様の操作で吸引し処理する。汚物を焼却する構造においても大便の場合と同じである。
本発明は制御装置について特に言及しないが、センサーと結んで種々の作動を行う回路があるが、その説明は省略した。
本発明のフラッシュトイレの構成部品は、市販の部品を利用することができる構造になっている。
例えば、吸引機構は、強力な掃除機のバキュームファン、又は真空ポンプの単体を改良して利用する。又、汚物入れの受け容器は、市販の炊飯器用、ボウル、又は深鍋等を利用する。
更に、加熱手段としては、同じく市販の発熱コイルや石英管ヒータ等を利用することができる。
本発明は、上述の構成を有するので、以下の効果を奏する。
本発明の負圧吸引トイレは、便器の排出口と吸引機構の間、便器の排又負圧の蓄積タンクも無い。
更に、便器の排出口と汚物タンクの間、汚物タンクと吸引機構の間に遮断するバルブ等が無いので、複雑な弁、バルブの開閉機構の設定がなく、故障がなくなり、メンテナンスの煩わしさが無い。又、大幅なコストダウンとなる。
便器不使用時に、排気扇を作動させ、外気取入れ口より外気を取り入れ、便器の排出口から積極的に吸気し排出管を通り便器本体に入り、不作動の吸引機構の隙間又はバイパス排気管を通り外部に排出して、トイレ室に絶えず室外の新鮮な空気を吸い込ませ、トイレ室に漂う臭気や便器の臭気を便器の吸引口から吸い込ませて大気に放出するので、従来から解決していないトイレ室は臭いのイメージを払拭させトイレ室は清潔のイメージを与える。
吸引機構が小型の場合は、用便中は常に吸引機構を作動させ便器内の汚物を少しずつ排出口より排出管を通り受け容器等に移動させる吸引機構の能力を小さくてよいのでトイレの小型化が容易であると同時に安くできる。
又、便器内はいつも汚物がなく無臭となる。
吸引機構が強力な場合は、瞬時に吸引するので、従来の真空トイレと同様の吸引力を発揮する能力がある。
排出管は形状や長さ、高低に制限がなく、便器と便器本体を離すことができ設計の自由度を増す。
吸引機構と排気扇を使用しているが吸引機構1台で吸引機能と排気扇機能を受け持たせることができる。この場合、トイレはコンパクトで、コストも安くできる。
吸引機構の駆動モーターをインバーター技術等又はモーターコイルの切り替えで回転数を制御することで吸引の時は最大能力の回転にして使用する。
排気扇機能のときは回転数を少なくし消費電力を抑え使用する。
気体の流れの最終工程に排気扇を設置し、この排気扇でフラッシュトイレ内の気体を吸引させる構造を採用しており、便器は勿論、トイレ室の臭気をも吸い込み、消失又は外部へ放出させるので、従来から解決されていない臭気は解消される。
従来の便器の排出管の中途に汚水貯溜部からの臭気が便器に排出するを防止するS型の封水部を形成することが設けられているのに対し、排出管の形状は自由で又長くすると、高さに制限も不要である。
本発明は排出管内を封水するのでなく、逆に開放して外気導入口として利用するものである。
本発明の基本的トイレは、従来の真空トイレが真空タンクに負圧を蓄えるため長時間真空ポンプを作動させなければならないのに対し、本発明は、用便時のみ吸引機構を作動させればよく電力の無駄を無くすことができる。
本発明の基本的トイレは、従来の真空トイレのように各ダクト間に弁やバルブを設け、弁、バルブを挟んで両ダクト内空間を遮断させ、複雑な制御を必要としていたのに対し、便器の排出口と吸引機構の間、便器の排出口と便器本体の間、便器本体と吸引機構の間に遮蔽する弁がなく開放されている。又、便器の排出口と汚水タンクの間、汚水タンクと吸引機構の間に遮断するバルブが無い。
従って、高価な弁やバルブが不要だし又、複雑な制御も必要ない。更には、従来の真空トイレでは必要な負圧の蓄圧タンクも必要ない。
又、吸引機構に吸引機能と排気扇機能とを備えると、1台の小型化が可能で大幅なコストダウンとなる。
発電機を各機器への電力源の他、汚物焼却時に発生する水蒸気、悪臭ガスを燃焼させ分解消失させるのでトイレ室を無臭にできる。
エンジン発電機を各機器への電力源、又、の他、汚物焼却時に発生する水蒸気、悪臭ガスを燃焼させ分解消失させる以外に、トイレの排気扇機能や吸引機能を有するので、排気扇や吸引機構に換えることができ、トイレのより小型化が可能である。
発電機を汚物の燃焼時に発生する悪臭ガスの消失に利用させることができる。
簡易トイレにおいて、吸引機構にて汚物タンク内に汚物を流下させるので、大量の汚物を貯溜させることができる。
汚物タンク内の汚物をバイオにて処理するので、汚物を衛生的に処理できる。
本発明のトイレは、便器だけトイレ室に設け、他は壁を隔てて見えない位置に設けることができるので、清潔なトイレの印象が強い。
便器も通常と同じ使用方法であり、特別な使用規則もなく安心して使用できる。
本発明のトイレの構成部品は、市販の部品を利用することができる構造になっているので高価な部品を必要とせず大幅な製品の原低が可能である。
構造がシンプルで経済的である。
【産業上の利用可能性】
以上のように、本発明にかかるトイレは、基本的構造とその好適実施例の詳細な説明から、工事車両用として、又、工事現場用の簡易トイレとして又、一般の家庭用にも有用である。
更に、家庭の室内で使用する介護用トイレの無臭トイレとして有用である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成したことを特徴とするトイレ。
【請求項2】
内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、吸引機構に並設し排気口を有し吸引機構の非作動時に開し、吸引機構の作動時に閉するバイパス排気管と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構又はバイパス排気管を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成したことを特徴とするトイレ。
【請求項3】
内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機能と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から外方側へ内部気体を放出する排気扇機能とを有する吸引機構とで構成したことを特徴とするトイレ。
【請求項4】
内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、受け容器を覆う炉体と、少なくとも炉体の底部内面に受け容器を加熱させ受け容器内部の汚物を焼却させるヒーターと、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成したことを特徴とするトイレ。
【請求項5】
内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、受け容器を覆う炉体と、少なくとも炉体の底部内面に受け容器を加熱させ受け容器内部の汚物を焼却させるヒーターと、便器本体の内部空間を負圧にて排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、吸引機構に並設し排気口を有し吸引機構の非作動時に開し、吸引機構の作動時に閉するバイパス排気管と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構又はバイパス排気管を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成したことを特徴とするトイレ。
【請求項6】
内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、受け容器を覆う炉体と、少なくとも炉体の底部内面に受け容器を加熱させ受け容器内部の汚物を焼却させるヒーターと、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から外方側へ内部気体を放出する排気扇と、発電機と、一端を便器本体の上方部に他端を発電機のエンジン用エアクリーナーに接続した接続管とで構成し、該発電機を用いて汚物焼却時に発生する水蒸気、ガス等をエンジン内で高温燃焼させ分解消失させたことを特徴とする車両用トイレ。
【請求項7】
内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、受け容器を覆う炉体と、少なくとも炉体の底部内面に受け容器を加熱させ受け容器内部の汚物を焼却させるヒーターと、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に落下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機能と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から外方側へ内部気体を放出する排気扇機能と、ヒーターと吸引機構との電力源とを有するエンジン発電機と、一端を便器本体の上方部に他端をエンジン発電機のエンジン用エアクリーナーに接続した接続管と、接続管の中途に接続管と連通し弁体で開閉する端部を外方に延設し内部に常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構を経て外方側へ、内部気体を放出する排気扇とを有する排出筒と、同じく接続管の中途に接続管と連通し弁体で開閉する安全弁とで構成し、該エンジン発電機を用いて汚物焼却時に発生する水蒸気、ガス等をエンジン内で高温燃焼させ分解消失させたことを特徴とする車両用トイレ。
【請求項8】
内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、受け容器を覆う炉体と、少なくとも炉体の底部内面に受け容器を加熱させ受け容器内部の汚物を焼却させるヒーターと、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機能と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から外方側へ内部気体を放出する排気扇機能と、ヒーターと吸引機構との電力源とを有するエンジン発電機と、一端を便器本体の上方部に他端を発電機のエンジン用エアクリーナーに接続した接続管と、接続管の中途に接続管と連通し弁体で開閉する端部を外方に延設し内部に常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構を経て外方側へ、内部気体を放出する排気扇とを有する排出筒と、同じく接続管の中途に接続管と連通し弁体で開閉する安全弁とで構成し、該エンジン発電機を用いて汚物焼却時に発生する水蒸気、ガス等をエンジン内で高温燃焼させ分解消失させたことを特徴とする車両用トイレ。
【請求項9】
内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、受け容器を覆う炉体と、少なくとも炉体の底部内面に受け容器を加熱させ受け容器内部の汚物を焼却させるヒーターと、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、吸引機構に並設し排気口を有し吸引機構の非作動時に開し、吸引機構の作動時に閉するバイパス排気管と、排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機能と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から外方側へ内部気体を放出する排気扇機能と、ヒーターと吸引機構との電力源とを有するエンジン発電機と、一端を便器本体の上方部に他端をエンジン発電機のエンジン用エアクリーナーに接続した接続管と、接続管の中途に接続管と連通し弁体で開閉する端部を外方に延設し内部に常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構又はバイパス排気管を経て外方側へ、内部気体を放出する排気扇とを有する排出筒と、同じく接続管の中途に接続管と連通し弁体で開閉する安全弁とで構成し、該エンジン発電機を用いて汚物焼却時に発生する水蒸気、ガス等をエンジン内で高温燃焼させ分解消失させたことを特徴とする車両用トイレ。
【請求項10】
内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、受け容器を覆う炉体と、少なくとも炉体の底部内面に受け容器を加熱させ受け容器内部の汚物を焼却させるヒーターと、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、吸引機構に並設し排気口を有し吸引機構の非作動時に開し、吸引機構の作動時に閉するバイパス排気管と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構又はバイパス排気管を経経て外方側へ内部気体を放出する排気扇機能と、ヒーターと吸引機構との電力源とを有するエンジン発電機と、一端を便器本体の上方部に他端を発電機のエンジン用エアクリーナーに接続した接続管と、接続管の中途に接続管と連通し弁体で開閉する端部を外方に延設し内部に常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構又はバイパス排気筒を経て外方側へ、内部気体を放出する排気扇とを有する排出筒と、同じく接続管の中途に接続管と連通し弁体で開閉する安全弁とで構成し、該エンジン発電機を用いて汚物焼却時に発生する水蒸気、ガス等をエンジン内で高温燃焼させたことを特徴とする車両用トイレ。
【請求項11】
内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機能と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から外方側へ内部気体を放出する排気扇機能とを有するエンジン発電機と、一端を便器本体の上方部に他端を発電機のエンジン用エアクリーナーに接続した接続管とで構成したことを特徴とする車両用トイレ。
【請求項12】
請求項11において、接続管の中途に、発電機のエンジンが必要とする外気導入口と、外気導入口より一時外気導入を遮断して便器本体の内気導入とを切り換え調整する内外気調整部とを設けたことを特徴とする。
【請求項13】
請求項12において、内外気調整部は、外気導入口を調整する蓋部と、蓋部を介して外気導入口を調整する調整部とで形成したことを特徴とする。
【請求項14】
仮設トイレ室内に設けた、内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成したことを特徴とする仮設用トイレ。
【請求項15】
仮設トイレ室内に設けた、内部を密封する便器本体と、水洗機能を備えた便器と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、吸引機構に並設し排気口を有し吸引機構の非作動時に開し、吸引機構の作動時に閉するバイパス排気管と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構又はバイパス排気管を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成したことを特徴とする仮設用トイレ。
【請求項16】
仮設トイレ室内に設けた、水洗機能を備えた便器と、トイレ室外に設けた、内部を密封する便器本体と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成したことを特徴とする仮設用トイレ。
【請求項17】
仮設トイレ室内に設けた、水洗機能を備えた便器と、トイレ室外に設けた、内部を密封する便器本体と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、吸引機構に並設し排気口を有し吸引機構の非作動時に開し、吸引機構の作動時に閉するバイパス排気管と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構又はバイパス排気管を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成したことを特徴とする仮設用トイレ。
【請求項18】
仮設トイレ室内に設けた、水洗機能を備えた便器と、トイレ室外に設けた、内部を密封する便器本体と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、受け容器を覆う炉体と、少なくとも炉体の底部内面に受け容器を加熱させ受け容器内部の汚物を焼却させるヒーターと、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成したことを特徴とする仮設用トイレ。
【請求項19】
仮設トイレ室内に設けた、水洗機能を備えた便器と、トイレ室外に設けた、内部を密封する便器本体と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、受け容器を覆う炉体と、少なくとも炉体の底部内面に受け容器を加熱させ受け容器内部の汚物を焼却させるヒーターと、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、吸引機構に並設し排気口を有し吸引機構の非作動時に開し、吸引機構の作動時に閉するバイパス排気管と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構又はバイパス排気管を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成したことを特徴とする仮設用トイレ。
【請求項20】
仮設トイレ室内に設けた、水洗機能を備えた便器と、トイレ室外に設けた、内部を密封する便器本体と、便器本体内に位置し汚物を貯溜する受け容器と、一端を便器の排出口に接続し他端を受け容器内に面するよう配置した排出管と、受け容器を覆う炉体と、少なくとも炉体の底部内面に受け容器を加熱させ受け容器内部の汚物を焼却させるヒーターと、便器本体の内部空間を負圧にして排出管より汚物を吸収し汚物を受け容器内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機能と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間から吸引機構を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇機能とを有するエンジン発電機とで構成し、該エンジン発電機を用いて汚物焼却時に発生する水蒸気、ガス等をエンジン内で高温燃焼させ分解消失させたことを特徴とする仮設用トイレ。
【請求項21】
仮設トイレ室内に設けた、水洗機能を備えた便器と、トイレ室外に設けた、内部を密封する便器本体と、便器本体下方に配置し便器本体と連通した汚物タンクと、一端を便器の排出口に接続し他端を汚物タンク内に面するように配置した排出管と、汚物タンク上方側で便器本体の内部空間及び汚物タンクの内部空間を負圧にして排出管より汚物を汚物タンク内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間及び汚物タンクの内部空間から吸引機構を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成したことを特徴とする仮設用トイレ。
【請求項22】
仮設トイレ室内に設けた、水洗機能を備えた便器と、トイレ室外に設けた、内部を密封する便器本体と、便器本体下方に配置し便器本体と連通した汚物タンクと、一端を便器の排出口に接続し他端を汚物タンク内に面するように配置した排出管と、汚物タンク上方側で便器本体の内部空間及び汚物タンクの内部空間を負圧にして排出管より汚物を汚物タンク内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機構と、吸引機構に並設し排気口を有し吸引機構の非作動時に開し、吸引機構の作動時に閉するバイパス排気管と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間及び汚物タンクの内部空間から吸引機構又はバイパス排気管を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇とで構成したことを特徴とする仮設用トイレ。
【請求項23】
仮設トイレ室内に設けた、水洗機能を備えた便器と、トイレ室外に設けた、内部を密封する便器本体と、便器本体下方に配置し便器本体と連通した汚物タンクと、一端を便器の排出口に接続し他端を汚物タンク内に面するよう配置した排出管と、汚物タンク上方側で便器本体の内部空間及び汚物タンクの内部空間を負圧にして排出管より汚物を汚物タンク内に流下させると共に気体のみ上方に吸引する吸引機能と、常時便器の排出口より外気を吸い便器本体の内部空間及び汚物タンクの内部空間から吸引機構を経て外方側へ内部気体を放出する排気扇機能とを有するエンジン用発電機とで構成したことを特徴とする仮設用トイレ。
【請求項24】
請求項21乃至請求項23のいずれか記載のトイレにおいて、汚物タンク内に汚物処理槽を設け、槽内にチップを入れ汚物をバイオにて分解消滅処理したことを特徴とするトイレ。
【請求項25】
請求項3記載のトイレにおいて、吸引機構の駆動モーターの回転数を切換え、吸引機能は最大回転に、排気扇機能のときは低回転にしたことを特徴とする。
【請求項26】
請求項1乃至請求項10、請求項14乃至請求項24のいずれか記載のトイレにおいて、吸引機構はバキュームファンであることを特徴とする。
【請求項27】
請求項1乃至請求項10、請求項14乃至請求項24のいずれか記載のトイレにおいて、吸引機構は真空ポンプであることを特徴とする。
【請求項28】
請求項2において、吸引機構はコンプレッサーの圧縮空気を使用したことを特徴とする。
【請求項29】
請求項1乃至請求項10、請求項14乃至請求項24のいずれか記載のトイレにおいて、吸引機構を1つの受け容器に対し複数個設けたことを特徴とする。
【請求項30】
請求項1乃至請求項10、請求項14乃至請求項24のいずれか記載のトイレにおいて、受け容器を1つの吸引機構に対し複数個設け、便器からの1つの排出管を延長して端部を各受け容器上に導き、各受け容器の上方に設けた各吸引口より共通の吸引ダクトを介して吸引機構に導いたことを特徴とする。
【請求項31】
請求項1乃至請求項24において、便器を1つの受け容器に対し複数設け、排出管の便器側端部を各便器の排出口に接続し、受け容器側端部を受け容器内に配設し、排出管内に切り換えの弁を設けたことを特徴とする。
【請求項32】
請求項31のトイレにおいて、排出管は、一端を便器の各排出口に接続し、分岐部を経て共通管を形成し、共通管の端部を受け容器受け容器内に面するように配設し、分岐部内に切り換えの弁を設けたことを特徴とする。
【請求項33】
請求項31、請求項32のトイレにおいて、複数の便器は、大小便兼用と男性用小便との組み合わせであることを特徴とする。
【請求項34】
請求項4乃至請求項10、請求項18乃至請求項20のいずれか記載のトイレにおいて、受け容器の下面部に所定重量でオンするセンサーを配設し、センサーがオンのとき制御装置の指令で受け容器を加熱させたことを特徴とする。
【請求項35】
請求項13に記載のトイレにおいて、調整部は、蓋部をスライドさせ外気導入口を開成する弾性部材と、弾性部材の付勢力に抗して蓋部を閉成するプランジャーとで構成したことを特徴とする。
【請求項36】
請求項6乃至請求項11、請求項14乃至請求項23のいずれか記載のトイレにおいて、ルーフ面にソーラーセルを配置し、吸引機構、排気扇、場合によっては電熱ヒーターの電力源としたことを特徴とする。
【請求項37】
請求項1乃至請求項24のいずれか記載のトイレにおいて、便器に備えた水洗機能は、待機状態のときトイレ使用者が便器に接近したことをセンサー等が感知すると、自動的に適量の水洗水を流し便器表面を濡らしたことを特徴とする。
【請求項38】
請求項6乃至請求項11において、便器と便器本体との間に壁面を設けたことを特徴とする。

【国際公開番号】WO2004/065704
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【発行日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−567139(P2004−567139)
【国際出願番号】PCT/JP2003/000622
【国際出願日】平成15年1月24日(2003.1.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
テフロン
【出願人】(504021194)
【出願人】(504023305)
【Fターム(参考)】