説明

トナー及びこれを用いた画像形成方法

【課題】良好な銀色を出力することができ、導通不良を起こすことのない配線パターンを高解像度で形成することができ、複雑な電気回路パターンであっても忠実かつ簡易に作成することができるトナー及び画像形成方法の提供。
【解決手段】少なくとも金属粒子、樹脂、及び分散媒を含有するトナーにおいて、前記金属粒子が銀粒子を含有し、該銀粒子は、BET比表面積が0.2〜2.2m/gであり、ISO3953−1977に基づくタップ密度が1.0〜2.5g/cmであり、レーザー回折法による平均粒径が0.5〜9.0μmであるトナーである。該銀粒子の純度が98%以上である態様、銀粒子が化学還元法により得られる態様などが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンデマンドによる電気配線パターンの作成に好適であり、かつ良好な金属光沢画像を形成することが可能なトナー及び該トナーを用いた画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真用現像剤は、乾式トナーと、液体トナーとに大別される。液体トナーは、そのトナー粒径が小さいことから鮮明な画像が得られるという有利さがある。このような液体トナーは、一般には、結着樹脂と着色剤と電荷制御剤とを高抵抗の非水溶媒中に分散させて、粒径0.1〜2.0μm程度のトナー粒子を作製することによって製造されている。また、画像形成方法においても乾式トナーを用いたプロセスのように重い鉄粉キャリアを使用しないため、マシンへの負荷が少なく、高速プリントに対応できるという利点がある。しかし、これまで乾式トナー及び液体トナーのいずれにおいてもカラー複写機又はオンデマンド型電子写真印刷で良好な金属色を出力することが困難であった。
【0003】
従来より、電気配線回路の作成方法としては、絶縁性基板として高分子フィルムやセラミックス基板上に導電性インキで配線回路を印刷するものが主流であった。このような印刷システムでは、配線回路を作成するのに原図を描いたマスクが必要であり、配線パターンの印刷工程で一層ごとにマスクを使って印刷し、しかも配線回路が異なれば違うマスクを作製しなければならず、製造工程が複雑となり、コストアップを招いていた。
【0004】
そこで、電子写真法による電気配線回路の作成方法について、下記のように数多くの提案がなされている。
(1)非水系エマルジョン相分離法により、金属粒子の導電性を抑えて現像性を向上させることが提案されている(特許文献1参照)。
(2)結着樹脂にシクロオレフィン共重合体を用いてトナーの導電性を抑えることが提案されている(特許文献2参照)。
(3)一成分現像により電子写真で回路パターンを作成することが提案されている(特許文献3参照)。
(4)金属粒子をカプセル化し、トナー帯電量を揃えることが提案されている(特許文献4参照)。
(5)トナー粒子の割合を50〜90%に高めた回路パターン用液体トナーが提案されている(特許文献5参照)。
(6)金属粒子をコアシェル法でカプセル化した液体トナーが提案されている(特許文献6参照)。
(7)導電性高分子化合物を用いた導電性トナーによる回路作成法が提案されている(特許文献7参照)。
【0005】
これらのうち、前記(1)、(2)、(3)、(4)、及び(7)は乾式トナーに関するものであり、前記(5)及び(6)は液体トナーに関するものである。
乾式トナーの場合には、液体トナーのように絶縁性分散媒が存在しないため、トナー粒子の導電性制御が困難である。そこで、導電性を上げるため金属比率を高くすると画像が乱れてしまうという問題があり、金属光沢性の高い画像や抵抗の低い優れた回路パターンは得られていない。
一方、液体トナーの場合には、上記の点で乾式トナーに比べて有利である。しかし、前記(5)では、トナー粒子の割合を高めているため、液の抵抗が低下し現像が不十分になる傾向がある。また、前記(6)では、金属粒子をカプセル化しているが、金属の導電性を樹脂により抑えることは困難である。
【0006】
【特許文献1】特開2004−333591号公報
【特許文献2】特開2003−255594号公報
【特許文献3】特開2001−265122号公報
【特許文献4】特開2003−244342号公報
【特許文献5】特開2004−184598号公報
【特許文献6】特開2001−265062号公報
【特許文献7】特開2004−62032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記要望に応え、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、良好な銀色を出力することができる電子写真用液体トナー、また、導通不良を起こさず、解像度が高い配線パターンを形成することができ、複雑な電気回路パターンであっても忠実かつ簡易に作成することができる液体トナー、及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、液体トナーの着色剤として銀粒子を含有し、該銀粒子はBET比表面積が0.2〜2.2m/gであり、ISO3953−1977に基づくタップ密度が1.0〜2.5g/cmであり、レーザー回折法による平均粒径が0.5〜9.0μmであることにより、優れた金属光沢画像が得られる。また、ICタグ用アンテナや導電性回路パターン用途においても高解像で低抵抗の導電性パターンが形成できることを知見した。
【0009】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも金属粒子、樹脂、及び分散媒を含有するトナーにおいて、
前記金属粒子が銀粒子を含有し、該銀粒子は、BET比表面積が0.2〜2.2m/gであり、ISO3953−1977に基づくタップ密度が1.0〜2.5g/cmであり、レーザー回折法による平均粒径が0.5〜9.0μmであることを特徴とするトナーである。該<1>に記載のトナーにおいては、銀粒子のBET比表面積、タップ密度、平均粒径が適正であるため、該トナーを用いて、優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<2> 銀粒子の純度が98%以上である前記<1>に記載のトナーである。該<2>に記載のトナーにおいては、銀粒子の純度が高いため、該銀粒子を含むトナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<3> 銀粒子が化学還元法により得られる前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。該<3>に記載のトナーにおいては、化学還元法により優れた品質の銀粒子が得られる。
<4> トナー中における銀と樹脂との質量比率(銀:樹脂)が65:35〜95:5である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。該<4>に記載のトナーにおいては、樹脂と銀との質量比率が適正であるため、該トナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<5> 樹脂が少なくとも第1樹脂及び第2樹脂を含有し、該第1樹脂と第2樹脂の質量比率(第1樹脂:第2樹脂)が95:5〜50:50である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。該<5>に記載のトナーにおいては、第1樹脂と第2樹脂の比率が適正であるため、該トナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<6> 第1樹脂がポリオレフィン系樹脂である前記<5>に記載のトナーである。該<6>に記載のトナーにおいては、第1樹脂がポリオレフィン系樹脂であるため、該ポリオレフィン系樹脂を含むトナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<7> 第1樹脂が銀を包含し、該第1樹脂に第2樹脂が吸着されている前記<5>から<6>のいずれかに記載のトナーである。該<7>に記載のトナーにおいては、機能の異なる第1樹脂及び第2樹脂を用いているため、該第1樹脂及び第2樹脂を含むトナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<8> 第2樹脂がアクリル系樹脂である前記<5>から<7>のいずれかに記載のトナーである。該<8>に記載のトナーにおいては、第2樹脂がアクリル系樹脂であるため、該アクリル系樹脂を含むトナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<9> 第2樹脂が、分散媒に親和性の高い部分と、分散媒に親和性の低い部分と、電荷を保持する部分とからなる前記<5>から<8>のいずれかに記載のトナーである。該<9>に記載のトナーにおいては、第2樹脂が機能分離されているため、該第2樹脂を含むトナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<10> 分散媒が、脂肪族炭化水素、シリコーンオイル、及びポリアルファオレフィンから選択される少なくとも1種である前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。該<10>に記載のトナーにおいては、分散媒が高絶縁性の液体であるため、該分散媒を含むトナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<11> 感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を現像ローラを用いて前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーで現像して可視像を形成する現像工程と、感光体に付与された過剰のトナー中の分散媒をスクイズローラで除去する分散媒除去工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記現像ローラの線速が前記感光体の線速の1.2〜6倍であり、かつ前記スクイズローラの線速が前記感光体の線速の1.2〜4倍であることを特徴とする画像形成方法である。該<11>に記載の画像形成方法においては、適正な現像条件で画像出力されるため、優れた金属光沢画像、配線パターン画像が得られる。
<12> 転写後のトナーの乾燥付着量が0.2〜1.5mg/cmである前記<11>に記載の画像形成方法である。該<12>に記載の画像形成方法においては、乾燥後のトナー付着量が適正範囲にあるため、優れた金属光沢画像、配線パターン画像が得られる。
<13> 感光体から可視像を記録媒体に直接転写する前記<11>から<12>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<14> 記録媒体上の転写像を10〜80kg/cmの圧力で処理する前記<11>から<13>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<15> 記録媒体上の転写像を定着後、更に加熱処理する前記<11>から<14>のいずれかに記載の画像形成方法である。
前記<13>から<15>のいずれかに記載の画像形成方法においては、更に優れた金属光沢画像、配線パターン画像が得られる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、従来における問題を解決することができ、良好な銀色を出力することができ、また、導通不良を起こさず、解像度が高い配線パターンを形成することができ、複雑な電気回路パターンであっても忠実かつ簡易に作成することができる液体トナー、及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(トナー)
本発明のトナーは、少なくとも金属粒子、樹脂、及び分散媒を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0012】
−金属粒子−
前記金属粒子は銀粒子を主成分として含有し、更に必要に応じてその他の金属粒子を含有してなる。ここで、銀粒子を主成分として含有するとは、銀粒子を金属粒子中に90質量%以上含有することを意味する。
前記その他の金属粒子としては、例えば銅、ニッケル、白金(プラチナ)などが挙げられる。
【0013】
前記銀粒子は、BET比表面積が0.2〜2.2m/gであり、0.6〜1.5m/gが好ましい。前記BET比表面積が0.2m/g未満であると、銀粒子同士の凝集性が極度に高く、トナー化した場合に樹脂被覆性が低下してトナー現像性が悪化することがあり、2.2m/gを超えると、銀粒子の凝集性が低いため、導電性パターン画像の抵抗は高くなることがある。
ここで、前記BET比表面積はBET流動法により求めた値であり、該BET流動法は粉体粒子の表面に占有面積の分かった分子(通常、Nガス)を吸着させて、その量から試料粉体のBET比表面積を求める方法である。
【0014】
また、前記銀粒子のISO3953−1977に基づくタップ密度は1.0〜2.5g/cmであり、1.2〜1.8g/cmが好ましい。前記タップ密度が1.0g/cm未満であると、粒子形状が極度に変形していたり、銀粒子どうしの凝集性が高いため、十分な樹脂被覆状態が形成できないことがあり、2.5g/cmを超えると、電子写真方式で得られる形成パターンの銀粒子のつながりが悪くなり、抵抗が高くなることがある。
ここで、前記タップ密度はISO3953−1977(E)「Metallic powder Determination」により求めた値であり、所定の質量の銀粒子に振動を与えて充填した容積で銀粒子質量を割って算出する。
【0015】
前記銀粒子のレーザー回折法による平均粒径は0.5〜9.0μmが好ましく、0.8〜5.0μmがより好ましい。この範囲に平均粒径があれば導電性と解像性を両立させることができる。前記平均粒径が0.5μm未満であると、金属部の接合性が悪く導電性が低下する。導電性が得られる機構として金属粉末の接触によるためであり、金属の平均粒径が0.5μm未満であると、一緒に処方される樹脂中に金属成分が点在することになり導電性が低下する。このため、金属の平均粒径が大きい方が接触面積が大きくなり導通が容易になる。一方、銀粒子の平均粒径が9.0μmを超えると、トナー粒子自体も大きくなり、解像性の優れたパターンに対応できなくなったり、粒子が重くなることにより分散安定性が低下し経時品質が低下する。また、金属光沢画像においても、平均粒径が0.5μm未満であれば、画像が黒ずみ金属光沢感が低下する。
ここで、前記平均粒径はレーザー回折法により求めた値であり、銀粒子をトナーに使用する溶媒中(アイソパー等)にレーザー光が透過できる濃度程度に分散させ、セルに入れて測定する。
【0016】
前記銀粒子の純度は98%以上が好ましく、100%が特に好ましい。これは、銀粒子製造過程での不純物の混入が多い場合や銀粒子の形状を変化させるために添加する材料、銀粒子どうしの凝集を防止する材料などの含有により純度が98%未満になる場合は電気抵抗が高くなり、目的の導電性が得られない。
【0017】
前記銀粒子は、化学還元法で製造されたものが好ましい。該化学還元法は硝酸銀などの水溶性銀塩を原料に苛性アルカリ、アンモニウム塩、ヒドラジンなどの還元剤を用いて銀を得る方法である。還元剤により析出した銀を洗浄し、乾燥し、粉砕して銀粉を得ることができる。
このような化学還元法による銀粒子としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えばシルコートAgC−BO、シルコートAgC−74、AgC−H、AgC−B、AgC−BW、AgC−GS(いずれも、福田金属社製);Ag−025、Ag−110、Ag−119、Ag−128、Ag−520、Ag−531、Ag−532(いずれも、昭栄化学社製)などが挙げられる。
【0018】
−樹脂−
前記樹脂は2種以上の樹脂からなることが好ましく、例えば、第1樹脂が銀粒子を包含し、第2樹脂が第1樹脂に結合、吸着している構造であることがより好ましい。第1樹脂は銀粒子を包含する目的及び記録媒体に定着させる目的で、第2樹脂はトナー粒子同士が分散媒中での凝集を防止する目的及びトナーの電荷を高める目的で処方される。更に第2樹脂だけでは電荷向上効果が低い場合は第3の樹脂を加えることが好ましい。
【0019】
前記第1樹脂としては、絶縁性が高い樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂が特に好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、三井・デュポンポリケミカル株式会社製のエバフレックスシリーズ、例えば45X、Y−W、150、210、220、250、260、310、360、410、420、450、460、550、560等が挙げられる。また、東洋曹達工業株式会社製のウルトラセン・シリーズ、例えば510X、515F、530、537、537L、537S、525、520F、540、540F、541、541L、625、630、630F、682、627、631、633、680、681、635、634、710、720、722、725、751、760等が挙げられる。また、住友化学工業株式会社製のスミテート・シリーズ、例えばDD−10、HA−20、HC−10、HE−10、KA−20、KA−31、KC−10、KE−10、MB−11、RB−11等が挙げられる。また、日本合成工業株式会社製のソアグレン・シリーズ、例えばBH、CH、CI、DH等が挙げられる。同ソアレックスシリーズ、例えばRBH、RCH、RDH等が挙げられる。また、武田薬品工業株式会社製のデュミラン・シリーズ、例えばデュミランD−219、D−229、D−251S、C−2280、C−2270、C−1590、C−1570、C−1550等が挙げられる。また、三菱油化株式会社製のユカロン−エバ;米国デュポン社製のエルパックス等が挙げられる。
【0020】
低分子量のポリオレフィン樹脂としては、例えば三井化学株式会社製のハイワックス720P、410P、420P、320P、210P、220P、110P、4202Eなどが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂を変性しカルボキシル基を導入した樹脂としては、例えば日本石油化学株式会社製のNポリマー;東燃石油化学株式会社製の東燃CMP−HAシリーズ;三菱油化株式会社製のMODIC:製鉄化学工業株式会社製のザイクセン;三井東圧化学株式会社製のロンプライ;三井石油化学工業株式会社製のアドマー等が挙げられる。
エチレンとアクリル酸との共重合体としては、例えばダウケミカル社製ダウEAAコポリマー;三菱油化株式会社製のユカロンEAA;三井・デュポンポリケミカル株式会社製のニュクレル;住友化学株式会社製のアクリフト等が挙げられる。
エチレンとアクリル酸又はメタアクリル酸との共重合体、或いはそれらを架橋させた所謂アイオノマーとしては、例えば米国デュポン社製サーリン;三井・デュポンポリケミカル株式会社製のハイミラン;旭ダウ株式会社製のコーボレンラテックス等;BASF社製のEVA1ワックス添加などが挙げられる。
エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体としては、例えば日本ユニカー株式会社製のDPD−6169などが挙げられる。
カルボキシル性のカルボニル基を含有するポリオレフィン系樹脂等を挙げることができる。
【0021】
その他の第1樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂、エポキシ樹脂、天然樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。
【0022】
前記第2樹脂としては、アクリル系樹脂が好適であり、第1樹脂と親和性の高い部分と、分散媒と親和性の高い部分と、電荷を保持する部分とからなる樹脂がより好ましい。
【0023】
前記第2樹脂としては、下記一般式(1)で表される(メタ又はエタ)アクリレートと、下記一般式(2)で表されるビニルモノマー、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、及びビニルトルエンから選ばれるモノマーとの各一種ずつもしくは、数種の共重合体、グラフト共重合体などが挙げられる。
【化1】

ただし、前記一般式(1)中、R1は水素原子、CH3基又はエチル基を表し、nは0〜20の整数を表す。
【化2】

ただし、前記一般式(2)中、R1は前記一般式(1)のR1と同じ意味を表し、R3は水素原子又はカルボキシル基であり、R4は環状の基を有していてもよい炭素数が1〜8の基を表し、このR4が環状基を有する場合には、その環状基はヘテロ原子を有していてもよい。
【0024】
前記一般式(1)で表されるモノマーとしては、例えばアクリル酸(R1=水素原子、n=0)、メタクリル酸(R1=CH基、n=0)、エタクリル酸(R1=エチル基、n=0)、アクリル酸メチル(R1=水素原子、n=1)、メタクリル酸メチル(R1=CH基、n=1)、エタクリル酸メチル(R1=エチル基、n=1)、アクリル酸エチル(R1=水素原子、n=2)、メタクリル酸エチル(R1=CH基、n=2)、エタクリル酸エチル(R1=エチル基、n=2)、アクリル酸プロピル(R1=水素原子、n=3)、メタクリル酸プロピル(メタクリル酸イソプロピル)(R1=CH基、n=3)、エタクリル酸プロピル(R1=エチル基、n=3)、アクリル酸ブチル(R1=水素原子、n=4)、メタクリル酸ブチル(R1=CH基、n=4)、エタクリル酸ブチル(R1=エチル基、n=4)などのn=0〜4の(メタ又はエタ)アクリレートモノマー、ラウリル(メタ又はエタ)アクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、セチルメタクリレート等のn=6以上の(換言すれば炭素数6以上の炭素数の基を有する)(メタ又はエタ)アクリレートモノマーを挙げることができる。前記(メタ又はエタ)アクリレートモノマーにおいて、n=0であるような(メタ又はエタ)アクリレートモノマーは、イオン性モノマーであるため、重合後に電荷を保持する部分となり得る。また、n=1〜4である(メタ又はエタ)アクリレートモノマーは、重合後に分散媒に難溶でかつ第1の樹脂に親和性の高い部位となり得る。また、n=6以上の(メタ又はエタ)アクリレートモノマーは、重合後に、分散媒に親和性の高い部位となり得る。
【0025】
前記一般式(2)で表されるモノマーとしては、環状の基を有していてもよい炭素数が1〜8の基であるR4は、例えば、ヘテロ原子を有する基、好ましくはヘテロ原子として、窒素原子、酸素原子の少なくとも1つのヘテロ原子を有する基であり、例えばヘテロ原子として窒素原子を有する基は、第1〜第3アミンを有する脂肪族基、指環式アミノ基、又はピリジン基であり、酸素原子を有する基としては、例えば、(メタ又はエタ)アクリレートを有する基、オキセタン基(例えばエポキシ基、グリシジル基)であり、環状の基を有していてもよい炭素数が1〜8のR基としては、フェニル基、トルイル基、ビニルフェニル基、フェニルスルホン基などが挙げられる。
【0026】
このような化合物としては、具体的には、R及びRが共にカルボキシル基であり、Rが水素原子、CH基又はエチル基である不飽和ジカルボン酸化合物、例えば、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。また、R及びRが共に水素原子であり、R4がそれぞれ、ピペリジル基、ピロリドン基、カプロラクタム基、フェニル基、トルイル基、ビニルフェニル基、フェニルスルホン基であるビニルピペリジン、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルラウロラクタムなどのビニルラクタム化合物;スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、スチレンスルフォン酸又はその塩化合物などが挙げられる。また、Rが水素原子、CH基又はエチル基であり、Rは水素原子であり、Rとして、第1〜第3アミンを有する脂肪族基の具体例として、アミノメチルアクリレート、アミノメチルメタクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、アミノプロピルアクリレート、アミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノメチルアクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレートなどが挙げられる。Rが水素原子、CH基又はエチル基であり、Rは水素原子であり、Rとして(メタ又はエタ)アクリレートを有する基としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレートなどが挙げられる。また、Rが水素原子、CH基又はエチル基であり、Rは水素原子であり、Rとしてオキセタン基(例えばエポキシ基、グリシジル基)としては、グリシジルアクリレート(GA)、グリシジルメタクリレート(GMA)などを挙げることができる。
【0027】
具体的には、重合後、分散媒に親和性の高いモノマーとしては、例えばラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、セチルメタクリレート等が挙げられる。
また、重合後、分散媒に難溶で第1樹脂に親和性の高いモノマーとしては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
負の電荷を与えやすい極性基を含むモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルフォン酸又はその塩などが挙げられる。
正の電荷を与える極性基を含むモノマーとしては、例えばジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピロリドン、ビニルピペリジン、ビニルラクタム、ビニルピリジン等が挙げられる。
【0028】
前記第1樹脂と第2樹脂との質量比率(第1樹脂:第2樹脂)は95:5〜50:50が好ましく、85:15〜70:30がより好ましい。前記第1樹脂は銀粒子を包含させる必要があるため、全樹脂量の50%以上が好ましい。第2樹脂が全樹脂量の5%よりも少ないと凝集防止効果、帯電性向上効果が低減することがある。
【0029】
前記トナー中における銀と樹脂との質量比率(銀:樹脂)は65:35〜95:5が好ましく、80:20〜90:10がより好ましい。前記樹脂に対する銀の比率が65%より少ないと、金属光沢強い画像は得られない。また導電性回路用にも抵抗が高くなり品質が低下することがある。一方、95%よりも多いと、銀粒子を樹脂で包含する割合が低下し、トナー粒子としての抵抗が低下し、現像効率が低下することになり、解像性、濃度など画像品質が低下することがある。
【0030】
−分散媒−
前記分散媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電気抵抗1010Ωcm以上であり、かつ誘電率が3以下の溶媒が好適であり、例えば、脂肪族炭化水素、シリコーンオイル、ポリアルファオレフィンなどが挙げられる。
前記脂肪族炭化水素としては、例えば、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV(いずれもエクソンモービル社製)などが挙げられる。
前記シリコーン系オイルとしては、例えばKF96 1〜10000cSt(いずれも信越シリコン社製);SH200、SH344(いずれも東レ・シリコン社製);TSF451(いずれも東芝シリコン社製)など挙げられる。
前記ポリアルファオレフィンとしては、例えばSHF−20、SHF−21、SHF−23、SHF−41、SHF−61、SHF−63、SHF−82、SHF−83、SHF−101、SHF−403、SHF−1003、supersyn2150、supersyn2300、supersyn21000、supersyn23000(いずれもエクソンモービル社製)などが挙げられる。
【0031】
本発明のトナーには、更に必要に応じてその他の成分として、分散剤、帯電制御剤、などを添加することができる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばレシチン、アマニ油、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉄、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸マグネシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸カルシウム、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸鉄、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸マグネシウム等の金属石鹸;n−デシルアミン等の有機アミン類などが挙げられる。これらは1種単独あるいは2種以上を併用してもよい。
【0032】
前記分散剤としては、エチレンオキサイドを付加した界面活性剤が好適である。具体的には、非イオン系界面活性剤として、例えば高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を併用してもよい。
【0033】
本発明のトナーの平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。
【0034】
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、分散媒除去工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
【0035】
−静電潜像形成工程−
前記静電潜像形成工程は、感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記感光体としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。
【0036】
前記静電潜像の形成は、例えば、前記電子写真感光体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記感光体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記感光体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
【0037】
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記感光体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
【0038】
前記分散媒除去工程は、感光体に付与された過剰のトナー中の分散媒をスクイズローラで除去する工程である。この工程により余剰な分散媒を除去し、トナー粒子をフィルムフォーム化する。
【0039】
−現像工程−
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
【0040】
−転写工程−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程である。
前記転写工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)直接記録媒体に転写する方法、(2)中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様があるが、(1)直接記録媒体に転写する方法が好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
【0041】
前記転写手段は、前記電子写真感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するものがある。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
【0042】
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
【0043】
前記除電工程は、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
【0044】
前記クリーニング工程は、前記感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記感光体上に残留する前トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
【0045】
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
【0046】
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
【0047】
ここで、図1は、本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の一例を示す図である。帯電電圧付与部材12により、感光体11に電荷を与え、露光により非画像部の電荷を消去する。
感光体11は、セレン感光体、有機感光体(OPC)、アモルファスシリコン感光体等が使用できる。感光体11の表面電圧は、400〜1600Vの範囲が良好である。
感光体11の電荷の残っている潜像に現像ローラ13から供給される本発明の前記液体トナーを用いて現像され、スクイズローラ14で余剰の液体トナーが除去され、転写電圧付与部材17によりトナー1の電荷と逆電荷の電圧が印加されて記録媒体に転写される。
【0048】
現像ローラ13は感光体11と順方向に回転し、スクイズローラ14は感光体11と逆方向に回転させ、感光体11に対する線速は現像ローラ13が1.2〜6倍の範囲であり、スクイズローラ14の線速は1.2〜4倍の範囲が効果的である。
【0049】
ローラと感光体のギャップは50〜250μmが好ましく、リバースローラのギャップは30〜150μmが好ましい。転写電圧は500〜4000Vの範囲が良好である。
【0050】
記録媒体に転写されずに感光体11に残ったトナー1をクリーニングブレード15、クリーニングローラ16で除去後、感光体11を除電する。なお、画像部の電荷を消去し非画像部の電荷を残す現像方式でも同様に画像形成できる。
記録媒体に付着した乾燥後のトナー付着量は0.2〜1.5mg/cmが好ましく、0.4〜1.2mg/cmがより好ましい。前記トナー付着量が0.2mg/cm未満であると、付着量が少なすぎて金属粒子どうしのつながりが悪くなり、抵抗が上がり、金属光沢画像においても金属光沢性が低下することがあり、1.5mg/cmを超えると、付着量がいくら多くなっても抵抗値は変わらず、また、画像つぶれにより解像性が低下する。1回の現像、転写サイクルで、0.2mg/cm以上の付着量が得られない時は、位置ずれに注意して重ね画像を得ることが好ましい。タンデムで二重、三重現像転写することも付着量向上に効果がある。転写は感光体から記録媒体に直接転写させることが好ましい。中間転写体などを用いると転写溶媒が減少することによりトナー粒子の比電荷量が低下し、転写性に悪影響を与える場合がある。
【0051】
転写後の画像に10〜80kg/cmの加圧処理を行うことにより金属光沢性、導電性を向上させることができる。例えば図2に示すように、加圧処理によりトナー層が圧縮され、表面平滑性が向上し、金属光沢性が高まる。また、銀粒子どうしの接触性が向上して導電性が高まる。図2中、20は記録媒体、21は銀粒子、22は樹脂を表す。
【0052】
また、記録媒体上の転写像を120〜180℃の温度で定着後、更に150〜230℃程度の温度で3〜30秒間程度加熱処理を行うことにより、例えば図3A〜図3Cに示すように、定着後の更なる加熱により樹脂が完全に溶融して銀粒子どうしの接触性が高まり導電性が向上する。図3Aは、記録媒体上にトナーを転写した状態を示す。図3Bは、加熱により樹脂が溶融し、トナー層が定着した状態を示す。図3Cは、定着後の加熱により樹脂が充分に溶融し、銀粒子どうしの繋がりが生じた状態を示す。図3A〜図3C中、21は銀粒子、22は樹脂を表す。
【実施例】
【0053】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。以下の実施例及び比較例においては、銀粒子のBET比表面積、タップ密度、及び平均粒径は下記のようにして測定した。
【0054】
<BET比表面積>
BET比表面積は、BET流動法により求めた値であり、該BET流動法は粉体粒子の表面に占有面積の分かった分子(通常、Nガス)を吸着させて、その量からBET比表面積を測定した。具体的には、BET比表面積測定装置(島津製作所製、V−2380)を使用して、温度25℃で測定した。
【0055】
<タップ密度>
タップ密度は、ISO3953−1977(E)「Metallic powder Determination」により求めた値であり、タップ密度測定装置(セイシン企業株式会社製、KYT−3000)を用いて、所定の質量の銀粒子に振動を与えて充填した容積で銀粒子質量を割って算出した。なお、温度は25℃で測定した。
【0056】
<平均粒径>
前記平均粒径はレーザー回折法により求めた値であり、平均粒径測定装置(島津製作所製、SALD−2200)を用いて、銀粒子をトナーに使用する溶媒(アイソパー)中にレーザー光が透過できる濃度程度に分散させ、セルに入れて測定した。なお、温度は25℃で測定した。
【0057】
(実施例1)
−第1樹脂で包含された銀粒子の作製−
下記組成を約100℃でフラッシャー(ニーダー)中でよく混合し、冷却後粉砕を行い第1樹脂で包含された銀粒子を作製した。
・AgC−AO(BET比表面積:1.1m/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:1.50g/cm、レーザー回折法による平均粒径:1.4μm、純度99.5%、化学還元粉、福田金属社製)・・・41質量部
・ポリエチレン(エバフレックス260、三井デュポン社製)・・・5質量部
・脂肪族炭化水素(アイソパーV、エクソンモービル社製)・・・5質量部
【0058】
−第2樹脂の作製−
次に、3Lフラスコ内に脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1500質量部を投入し、90℃に保ち、ラウリルメタクリレート500質量部、グリシジルメタクリレート10質量部、アリルメタクリレート5質量部、アクリル酸2質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下後約1時間反応させて、メチルメタクリレート50質量部、LPO(開始剤)3質量部の混合液を約1時間かけて滴下した。滴下後約3時間反応させて、第2樹脂を作製した。
【0059】
次に、第1樹脂/銀粒子の粉砕物50質量部、第2樹脂5質量部、及び脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)200質量部をボールミルで約48時間分散させて、液体銀濃縮トナーを作製した。
得られた濃縮トナー100gを、脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1Lで希釈し、図1に示すような画像形成装置(現像ローラの線速が前記感光体の線速の3.0倍であり、スクイズローラの線速が感光体の線速の2.0倍である)で画像を出力し、出力した画像に150℃の熱を与えて、定着した。その後更に200℃で5秒間加熱した。
【0060】
(実施例2)
−第1樹脂で包含された銀粒子の作製−
下記組成を約110℃でフラッシャー(ニーダー)中でよく混合し、冷却後粉砕を行い第1樹脂で包含された銀粒子を作製した。
・AgC−BO(BET比表面積:1.2m/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:1.40g/cm、レーザー回折法による平均粒径:1.3μm、純度99.2%、化学還元粉、福田金属社製)・・・44質量部
・ポリエチレン(サンワックス161P、三洋化成社製、200℃粘度:110mPa・s)・・・10質量部
・脂肪族炭化水素(アイソパーV、エクソンモービル社製)・・・5質量部
【0061】
−第2樹脂の作製−
次に、3Lフラスコ内に脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1300質量部を投入し、90℃に保ち、2エチルヘキシルメタクリレート600質量部、グリシジルメタクリレート15質量部、アリルメタクリレート5質量部、アクリル酸2質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下後約1時間反応させ、メチルメタクリレート70質量部、LPO(開始剤)3質量部の混合液を約1時間かけて滴下した。滴下後約3時間反応させて、第2樹脂を作製した。
【0062】
次に、第1樹脂/銀粒子の粉砕物55質量部、第2樹脂3質量部、及びシリコーンオイル5cSt(信越化学工業社製)250質量部をボールミルで約48時間分散させて、液体銀濃縮トナーを作製した。
得られた濃縮トナー100gをシリコーンオイル5cSt(信越化学工業社製)1Lで希釈し、図1に示すような画像形成装置(現像ローラの線速が前記感光体の線速の3.5倍であり、スクイズローラの線速が感光体の線速の2.5倍である)で画像を出力し、出力した画像に150℃の熱を与えて、定着した。その後更に200℃で5秒間加熱した。
【0063】
(実施例3)
−第1樹脂で包含された銀粒子の作製−
下記組成を約100℃でフラッシャー(ニーダー)中でよく混合し、冷却後粉砕を行い第1樹脂で包含された銀粒子を作製した。
・AgC−74(BET比表面積:0.3m/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:2.2g/cm、レーザー回折法による平均粒径:3.9μm、純度99.3%、化学還元粉、福田金属社製)・・・35質量部
・ポリエチレン(エバフレックス260、三井デュポン社製、200℃粘度:120mPa・s)・・・7質量部
・脂肪族炭化水素(アイソパーM、エクソンモービル社製)・・・3質量部
【0064】
−第2樹脂の作製−
次に、3Lフラスコ内に脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1500質量部を投入し、90℃に保ち、ラウリルメタクリレート500質量部、グリシジルメタクリレート10質量部、アリルメタクリレート5質量部、アクリル酸2質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下後約1時間反応させて、メチルメタクリレート50質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合液を約1時間かけて滴下した。滴下後約3時間反応させて、第2樹脂を作製した。
【0065】
次に、第1樹脂/銀粒子の粉砕物50質量部、第2樹脂5質量部、及び脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)200質量部をボールミルで約48時間分散させて、液体銀濃縮トナーを作製した。
得られた濃縮トナー100gを、脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1Lで希釈し、図1に示すような画像形成装置(現像ローラの線速が前記感光体の線速の4.0倍であり、スクイズローラの線速が感光体の線速の3.0倍である)で画像を出力し、出力した画像に150℃の熱を与えて、定着した。その後更に200℃で30秒間加熱した。
【0066】
(実施例4)
−第1樹脂で包含された銀粒子の作製−
下記組成を約100℃でフラッシャー(ニーダー)中でよく混合し、冷却後粉砕を行い第1樹脂で包含された銀粒子を作製した。
・Ag−119(BET比表面積:1.0m/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:1.8g/cm、レーザー回折法による平均粒径:3.0μm、純度98.5%、化学還元粉、昭栄化学社製)・・・55質量部
・ポリエチレン(エバフレックス220、三井デュポン社製、200℃粘度:130mPa・s)・・・4質量部
・ポリアルファオレフィンSFH−20(エクソンモービル社製)・・・5質量部
【0067】
−第2樹脂の作製−
次に、3Lフラスコ内に脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1500質量部を投入し、90℃に保ち、ステアリルメタクリレート400質量部、グリシジルメタクリレート10質量部、アリルメタクリレート5質量部、アクリル酸2質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下後約1時間反応させ、メチルメタクリレート50質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合液を約1時間かけて滴下した。滴下後約3時間反応させ、第2樹脂を作製した。
【0068】
次に、第1樹脂/銀粒子の粉砕物50質量部、第2樹脂15質量部、及びポリアルファオレフィンSFH−20(エクソンモービル社製)200質量部をボールミルで約48時間分散させて、液体銀濃縮トナーを作製した。
得られた濃縮トナー100gを、ポリアルファオレフィンSFH−20(エクソンモービル社製)1Lで希釈し、図1に示すような画像形成装置(現像ローラの線速が前記感光体の線速の3.5倍であり、スクイズローラの線速が感光体の線速の2.5倍である)で画像を出力し、出力した画像に150℃の熱を与えて、定着した。その後更に200℃で10秒間加熱した。
【0069】
(実施例5)
実施例1の第1樹脂で包含された銀粒子の作製工程において、ポリエチレンをエポキシ樹脂(エピコート1002、ジャパンエポキシレジン社製、200℃粘度:220mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にして、第1樹脂を作製した。
得られた第1樹脂を用いて、実施例1と同様にして、液体銀濃縮トナーを作製し、同様に画像形成を行った。
【0070】
(実施例6)
実施例1において、定着後の画像サンプルを60kg/cmの圧力でキャレンダー処理した以外は、実施例1と同様にして、画像形成を行った。
【0071】
(実施例7)
実施例1において、定着後の画像サンプルを再度同様に現像し、転写(2回重ね)した以外は、実施例1と同様にして、画像形成を行った。
【0072】
(実施例8)
−第1樹脂で包含された銀粒子の作製−
下記組成を約100℃でフラッシャー(ニーダー)中でよく混合し、冷却後粉砕を行い第1樹脂で包含された銀粒子を作製した。
・Ag−110(BET比表面積:0.4m/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:1.7g/cm、レーザー回折法による5.0μm、純度99.2%、化学還元粉、昭栄化学社製)・・・38質量部
・ポリエチレン(エバフレックス260、三井デュポン社製、200℃粘度:120mPa・s)・・・31質量部
・脂肪族炭化水素(アイソパーV、エクソンモービル社製)・・・5質量部
【0073】
次に、第1樹脂/銀粒子の粉砕物50質量部、及び脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)200質量部をボールミルで約48時間分散させて、液体銀濃縮トナーを作製した。
得られた濃縮トナー100gを、脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1Lで希釈し、図1に示すような画像形成装置(現像ローラの線速が前記感光体の線速の3.0倍であり、スクイズローラの線速が感光体の線速の2.5倍である)で画像を出力し、出力した画像に150℃の熱を与えて、定着した。その後更に200℃で3秒間加熱した。
【0074】
(実施例9)
−第2樹脂の作製−
3Lフラスコ内に脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1500質量部を投入し、90℃に保ち、ラウリルメタクリレート500質量部、グリシジルメタクリレート10質量部、アリルメタクリレート5質量部、アクリル酸2質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下後約1時間反応させ、メチルメタクリレート50質量部、LPO(開始剤)3質量部の混合液を約1時間かけて滴下した。滴下後約3時間反応させ、第2樹脂を作製した。
【0075】
次に、第2樹脂22質量部、AgC−BO(BET比表面積:1.2m/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:1.40g/cm、レーザー回折法による平均粒径:1.3μm、純度99.2%、化学還元粉、福田金属社製)50質量部、及び脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)200質量部をボールミルで約48時間分散させて、液体銅濃縮トナーを作製した。
得られた濃縮トナー100gを脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1Lで希釈し、図1に示す画像形成装置(現像ローラの線速が前記感光体の線速の3.5倍であり、スクイズローラの線速が感光体の線速の2.0倍である)で画像を出力し、出力した画像に150℃の熱を与え、定着後更に200℃で5秒間加熱した。
【0076】
(実施例10)
実施例1において、定着後、200℃で5秒間加熱を行わない以外は、実施例1と同様にして、画像形成を行った。
【0077】
(比較例1)
実施例1の第1樹脂で包含された銀粒子の作製工程において、AgC−AOをAgC−153(BET比表面積:6.8m/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:1.50g/cm、レーザー回折法による平均粒径:0.8μm、純度99.0%、化学還元粉、福田金属社製)変えた以外は、実施例1と同様にして、第1樹脂を作製した。得られた第1樹脂を用いて、実施例1と同様にして、液体銀濃縮トナーを作製し、同様に画像形成を行った。
【0078】
(比較例2)
実施例2の第1樹脂で包含された銀粒子の作製工程において、AgC−BOをAgC−74T(BET比表面積:0.3m/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:5.10g/cm、レーザー回折法による平均粒径:8.5μm、純度99.0%、化学還元粉、福田金属社製)に変えた以外は、実施例2と同様にして、第1樹脂を作製した。得られた第1樹脂を用いて、実施例2と同様にして、液体銀濃縮トナーを作製し、同様に画像形成を行った。
【0079】
(比較例3)
実施例3の第1樹脂で包含された銀粒子の作製工程において、AgC−74をAg−025(BET比表面積:2.5m/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:4.5g/cm、レーザー回折法による平均粒径:0.3μm、純度98.8%、化学還元粉、昭和栄化学社製)に変えた以外は、実施例3と同様にして、第1樹脂を作製した。得られた第1樹脂を用いて、実施例3と同様にして、液体銀濃縮トナーを作製し、同様に画像形成を行った。
【0080】
(比較例4)
実施例4の第1樹脂で包含された銀粒子の作製工程において、Ag−119をAgC−232(BET比表面積:0.6m/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:2.5g/cm、レーザー回折法による平均粒径:12.3μm、純度98.3%、化学還元粉、福田金属社製)に変えた以外は、実施例4と同様にして、第1樹脂を作製した。得られた第1樹脂を用いて、実施例4と同様にして、液体銀濃縮トナーを作製し、同様に画像形成を行った。
【0081】
次に、得られた各トナー及び各画像プリントについて、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表1に示す。なお、記録媒体としては、OK特アート紙(王子製紙株式会社製)を用いた。
【0082】
<乾燥後トナー付着量>
各トナーを用いて作成したベタ画像について、トルエンを含有させたコットン(充分に乾燥させたもの)で、セルロイド製のマスクで囲んだ3cm×5cm=15cmの面積部分の付着トナーを取り除いた。トナーが付着したコットンを乾燥させて質量を測定し、15cmで割り、単位面積当たりの乾燥後トナー付着量を求めた。
【0083】
<画像濃度>
各画像プリントについて、画像濃度は金属光沢用カラーテクノシステム(JX888、カラーテクノシステム社製)により測定した。
【0084】
<光沢度>
各画像プリントについて、光沢度(%)は日本光学社製の光沢度計により測定した。
【0085】
<体積抵抗>
各トナーについて、体積抵抗は、三菱MCP−T400、4深針プローブ(株式会社ダイアインスツルメンツ製)により測定した。
【0086】
<解像力>
各画像プリントについて、解像力は、解像性評価チャート(タケノコチャート)を用いて評価した。
【0087】
【表1】

表1の結果から、実施例1〜3は、光沢度及び電気抵抗に優れる。実施例4は第2樹脂の含有量が全樹脂量の50%以上であるため実施例1〜3よりもやや品質が低下する。また、実施例5は第1樹脂がエポキシ樹脂であるため、やや品質が低下する。また、実施例6は圧力処理しているため、光沢度及び抵抗値で優れる。また、実施例7はトナー付着量が多いため実施例1〜3よりも更に品質が優れる。また、実施例8は金属粒子に対する樹脂の含有量が多く、第2樹脂を用いていないため、品質がやや低下する。また、実施例9は第1樹脂による包含処理が行われていないため品質がやや低下する。また、実施例10は定着後更に加熱処理を行っていないため光沢度及び導電性がやや劣る。
これに対し、比較例1〜4は、本発明の特定の銀粒子を使用していないため、導電性、及び光沢度が劣るものである。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明のトナーは、金属性の印刷画像が形成可能であり、例えばフレキシブル基板上に線状の印刷を画像形成装置によって得ることが可能であり、得られた印刷物は、ICタグなどを含む各種電気回路配線(電子回路配線)に使用可能なため、この配線の製造方法により得られる回路は、試作としても使用でき、極めて低コストで簡易に回路配線が可能であるため、大量生産のみではなく、少量多品種生産の分野においても利用価値が高く、幅広く用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1は、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、記録媒体上に転写後の加圧処理により、銀粒子どうしの接着性が高まることを示す模式図である。
【図3A】図3Aは、記録媒体上にトナーを転写した状態を示す図である。
【図3B】図3Bは、加熱により樹脂が溶融し、トナー層が定着した状態を示す図である。
【図3C】図3Cは、定着後の加熱により樹脂が充分に溶融し、銀粒子どうしの繋がりが生じた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
1 トナー
11 感光体
12 帯電電圧付与部材
13 現像ローラ
14 スクイズローラ
15 クリーニングブレード
16 クリーニングローラ
17 転写電圧付与部材
20 記録媒体
21 銀粒子
22 樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも金属粒子、樹脂、及び分散媒を含有するトナーにおいて、
前記金属粒子が銀粒子を含有し、該銀粒子は、BET比表面積が0.2〜2.2m/gであり、ISO3953−1977に基づくタップ密度が1.0〜2.5g/cmであり、レーザー回折法による平均粒径が0.5〜9.0μmであることを特徴とするトナー。
【請求項2】
銀粒子の純度が98%以上である請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
銀粒子が化学還元法により得られる請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
【請求項4】
トナー中における銀と樹脂との質量比率(銀:樹脂)が65:35〜95:5である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
【請求項5】
樹脂が少なくとも第1樹脂及び第2樹脂を含有し、該第1樹脂と第2樹脂の質量比率(第1樹脂:第2樹脂)が95:5〜50:50である請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
【請求項6】
第1樹脂がポリオレフィン系樹脂である請求項5に記載のトナー。
【請求項7】
第1樹脂が銀を包含し、該第1樹脂に第2樹脂が吸着されている請求項5から6のいずれかに記載のトナー。
【請求項8】
第2樹脂がアクリル系樹脂である請求項5から7のいずれかに記載のトナー。
【請求項9】
第2樹脂が、分散媒に親和性の高い部分と、分散媒に親和性の低い部分と、電荷を保持する部分とからなる請求項5から8のいずれかに記載のトナー。
【請求項10】
分散媒が、脂肪族炭化水素、シリコーンオイル、及びポリアルファオレフィンから選択される少なくとも1種である請求項1から9のいずれかに記載のトナー。
【請求項11】
感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を現像ローラを用いて請求項1から10のいずれかに記載のトナーで現像して可視像を形成する現像工程と、感光体に付与された過剰のトナー中の分散媒をスクイズローラで除去する分散媒除去工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記現像ローラの線速が前記感光体の線速の1.2〜6倍であり、かつ前記スクイズローラの線速が前記感光体の線速の1.2〜4倍であることを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
転写後のトナーの乾燥付着量が0.2〜1.5mg/cmである請求項11に記載の画像形成方法。
【請求項13】
感光体から可視像を記録媒体に直接転写する請求項11から12のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項14】
記録媒体上の転写像を10〜80kg/cmの圧力で処理する請求項11から13のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項15】
記録媒体上の転写像を定着後、更に加熱処理する請求項11から14のいずれかに記載の画像形成方法。

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図1】
image rotate